JPH0841785A - オレフィン系樹脂ターポリン - Google Patents

オレフィン系樹脂ターポリン

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JPH0841785A
JPH0841785A JP17448994A JP17448994A JPH0841785A JP H0841785 A JPH0841785 A JP H0841785A JP 17448994 A JP17448994 A JP 17448994A JP 17448994 A JP17448994 A JP 17448994A JP H0841785 A JPH0841785 A JP H0841785A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】本発明は、かかる従来欠点に鑑み、難燃性、強
度や耐候などの物性、防汚性に優れ、燃焼時にハロゲン
元素などの有毒物の発生しないオレフィン樹脂からなる
ターポリンを提供せんとするものである。 【構成】本発明のオレフィン系樹脂ターポリンは、繊維
基布の少なくとも片面にオレフィン系樹脂を接合してな
る積層体において、オレフィン樹脂に特定の燐系化合物
を含有し、JIS A 1322で規定する防炎試験の
防炎2級以上に合格し、かつ、JIS L 1091で
規定する消防法の防炎性能に合格することを特徴とする
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、難燃性、物性、防汚性
に優れたオレフィン系樹脂ターポリンに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、繊維基布に軟質塩化ビニル樹
脂をカレンダー法やコーティング法、Tダイ押出し法な
ど種々の方法により被覆加工してターポリンを製造
し、、各種イベント用あるいは倉庫用、軒出し用テン
ト、トラック用幌、建築用養生シートなどの各種シー
ト、野積シート、看板用バックリット、フレキシブルコ
ンテナなど様々な用途に広く展開されている。塩化ビニ
ル樹脂は、低コストで取扱い性がよいなど種々の長所を
有するが、焼却時にハロゲン元素を含む有毒なガスや煙
り、残渣が発生するという重大な欠点を有するものであ
り、地球環境的規模から環境保全を目的にハロゲン元素
を含まない樹脂による製品の開発が切望されている。
【0003】かかる観点から、オレフィン樹脂による製
品化の検討が各方面で検討されているが、難燃性や物性
が重要視される分野、たとえばテント用や建築用養生シ
ート分野においては、満足できる製品が今だ提案されて
いないのが現状である。該用途は高度な難燃性が必要で
あり、従来の水酸化マグネシウムなどの含水水酸化金属
塩を難燃剤として使用する場合、難燃規格を達成させる
ためには100重量部以上の充填が必要となり、樹脂物
性の大幅な低下が避けられないものである。
【0004】また、従来の塩化ビニル樹脂製ターポリン
を屋外で使用する場合、可塑剤など充填物がシート表面
に滲みだして粘着性が増すため、大気中の煤煙、塵埃な
どの汚染物質が付着して汚れやすく、また拭き取っても
除去できないなど、テント、シート類の美観を損ねると
いう重大な欠点を合せ持つものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
欠点に鑑み、難燃性、強度や耐候などの物性、防汚性に
優れ、燃焼時にハロゲン元素などの有毒物の発生しない
オレフィン樹脂からなるターポリンを提供せんとするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる目的を
達成するために次のような構成を有する。
【0007】すなわち本発明のオレフィン系樹脂ターポ
リンは、繊維基布の少なくとも片面にオレフィン系樹脂
を接合してなる積層体において、オレフィン樹脂に下記
式(1)で表される燐系化合物を含有し、JIS A
1322で規定する防炎試験の防炎2級以上に合格し、
かつ、JIS L 1091で規定する消防法の防炎性
能に合格することを特徴とするものである。
【0008】
【化2】 (式中、R1 及びR2 は低級アルキル基で同一でも異な
っていても良い。R3 、R4 は水素原子または低級アル
キル基で同一でも異なっていても良い。Yは−CH
2 −、−C(CH3 2 −、−S−、−SO2 −、−O
−、−CO−、−N=N−基であり、Kは0または1、
mは0〜4の整数を表す。) さらに、また、上記積層体において、該オレフィン樹脂
が式(1)に示される燐系化合物を難燃剤として含有
し、さらに紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤を含有
するものであり、JIS A 1322で規定する防炎
試験の防炎2級以上に合格し、かつ、JIS L 10
91で規定する消防法の防炎性能に合格することを特徴
とするものである。
【0009】
【作用】本発明は、従来、高度な難燃性、物性、防汚性
を持つオレフィン樹脂からなるテント用などのターポリ
ンを得ることは極めて難しいとされていた事実に鑑み、
鋭意検討したところ、特定の難燃剤を配合することによ
り、優れた難燃性を有するターポリンを提供することが
できることを究明し、さらに、かかるるシート表面に該
樹脂より硬度の高い樹脂表皮層を接合することにより、
優れた難燃性、物性、防汚性を兼ね備えたオレフィン樹
脂ターポリンを提供することができることを究明して完
成されたものである。
【0010】本発明の繊維基布とは、ポリエステル、ポ
リアミド、ビニロン等の合成繊維や木綿、麻などの天然
繊維を単独あるいは混合した編織物であり、繊維は長繊
維でも単繊維でもよい。本発明においては、繊維の強
度、寸法安定性などからポリエステル繊維の長繊維織物
が好ましい。
【0011】本発明のオレフィン樹脂とは、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン及びエチレンと各種モノマーの共重
合体、オレフィンエラストマーなど公知のオレフィン樹
脂を使用できるが、柔軟性、シート強度、コストなどの
点から、エチレンにブテン−1またはヘキセン−1、オ
クテン−1、4メチルペンテン−1などのαオレフィン
を2〜10重量部共重合したエチレン・αオレフィン共
重合体、エチレンにアクリル酸メチルまたはアクリル酸
エチルなどを5〜30重量部共重合したエチレン・アク
リル酸アルキル共重合体、エチレンにメタクリル酸メチ
ルまたはメタクリル酸エチルなどを5〜30重量部共重
合したエチレン・メタクリル酸アルキル共重合体、エチ
レンに酢酸ビニルを5〜30重量部共重合したエチレン
・酢酸ビニル共重合体が好ましい。これらの少なくとも
1種を使用するものである。
【0012】本発明は、該樹脂に式(1)で示す芳香族
ジホスホネートを難燃剤として配合する。
【0013】
【化3】 (式中、R1 及びR2 は低級アルキル基で同一でも異な
っていても良い。R3、R4 は水素原子または低級アル
キル基で同一でも異なっていても良い。Yは−CH
2 −、−C(CH3 2 −、−S−、−SO2 −、−O
−、−CO−、−N=N−基であり、Kは0または1、
mは0〜4の整数を表す。) かかる芳香族ジホスホネートは具体的には(式2)、
(式3)、(式4)が例示される。
【0014】
【化4】
【化5】
【化6】 本発明は、該芳香族ジホスホネートをオレフィン樹脂に
対し20重量部以上混合する。混合量は使用する樹脂の
種類、共重合成分の量、樹脂のメルトインデックスの値
などにより異なるが、エチレン・αオレフィン共重合体
では30〜50重量部、エチレンとアクリル酸アルキル
またはメタクリル酸アルキルまたは酢酸ビニルを共重合
した樹脂では、好ましくは20〜40重量部である。樹
脂のメルトフローレート(以降MFRと略す、単位 g/
10min )の値としては、JISK 6760に規定さ
れる方法で測定したものが、好ましくは0.5〜3、さ
らに好ましくはシートの形成性、難燃性能などから1〜
2である。本発明のターポリンは、JIS A 132
2に規定する防炎2級以上の難燃性能を有するもので、
かつ、JIS L 1091に規定される消防法の防炎
性能に合格するものであり、テントなどの膜構造体や建
築用の養生シートなどの用途に好適である。
【0015】本発明のオレフィン系樹脂は、紫外線吸収
剤、光安定剤、酸化防止剤が配合されているものであ
る。
【0016】本発明の紫外線吸収剤としては、トリアゾ
ール系紫外線吸収剤では2−(2′ヒドロキシ−3′、
5′−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾト
リアゾール、2−(2′ヒドロキシ−3′−t−アミノ
−5′−イソブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリ
アゾール、2−(2′ヒドロキシ−5′−メチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2′ヒドロキシ−5′
−メチルフェニル)5、6−ジクロロベンゾトリアゾー
ル、2−(2′ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)5
−エチルスルホンベンゾトリアゾール、2−(2′ヒド
ロキシ−3′−イソブチル−5′−メチルフェニル)5
−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′ヒドロキシ−
3′−イソブチル−5′−プロピルフェニル)5−クロ
ロベンゾトリアゾール、2−(2′ヒドロキシ−3′、
5′−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2′ヒドロキシ−5′−1、1、3、3−テトラ
メチルブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(5
−メチル−2−ヒドリキシフェニル)ベンゾトリアゾー
ル、2−[2−ヒドロキシ−3、5−ビス(α,α−ジ
メチルベンジル)フェニル]2H−ベンゾトリアゾー
ル、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフ
ェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3−tブチル−5
−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベン
ゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミノ−2−
ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,
5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−
クロロベンゾトリアゾールなどであり、ベンゾフェノン
系紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシ−4−オクト
キシベンゾフェノン、2,2′,4,4′テトラヒドロ
キシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクト
キシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−
2′−カルボキシベンゾフェノン、2、2′−ジヒドロ
キシ−4、4′−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒド
ロキシ−4−ベンゾイルオキシベンゾフェノン、2、
2′、4、4′−テトラヒドロキシベンゾフェノン、ハ
イドロキノン系紫外線吸収剤としては、ハイドロキノ
ン、ヒドロキノンジサリチレート、サリチル酸系紫外線
吸収剤としては、フェニルサリチレート、パラオクチル
フェニルサリチレートなどであり、これらを単独あるい
は混合したものをオレフィン樹脂100重量部に対し
て、好ましくは0.25〜3重量部添加する。
【0017】本発明の光安定剤とは、コハク酸ジメチル
・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−
2,2′,6,6′−テトラメチルピペリジン重縮合
物、ポリ[(6−(1,1′,3,3′−テトラメチル
ブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジ
イル)(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テト
ラメチル−4−ピペリジル)イミノ)]、ビス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケー
ト、1−[2−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−
4−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオニルオキシ)−2,2,6,6−テ
トラメチルピペリジンなどのヒンダードアミン系化合物
であり、これらを単独あるいは混合したものをオレフィ
ン樹脂100重量部に対して、好ましくは0.25〜3
重量部添加する。
【0018】本発明の酸化防止剤としては、ペンタエリ
スリチル−テトラキス(3−(3,5−ジ−tブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、オクタデ
シル−3−(3,5−ジ−tブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート、2,4−ビス−(n−オクチ
ルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブ
チルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チ
オ−ジエチレンビス{3−(3,5−ジ−tブチル−4
−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}、1,3,5
−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tブ
チル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、A:ビス
(3,5−ジ−tブチル−4−ヒドロキシベンジルホス
ホン酸エチル)カルシウム、トリス−(3,5−ジ−t
ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレー
ト、トリス(2,4−ジ−tブチルフェニル)フォスフ
ァイトなどであり、これらを単独あるいは混合したもの
をオレフィン系樹脂100重量部に対して、好ましくは
0.1〜1重量部添加する。
【0019】本発明における好ましい耐候剤配合処方と
しては、商品名でオレフィン系樹脂100重量部に対す
る重量部で示すと、キマソーブ944を0.3〜0.7
とイルガノックス1010またはイルガノックス107
6を0.02〜0.07を混合したもの、チヌビン62
2LDを0.2〜0.4、キマソーブ944を0.2〜
0.4、イルガノックス1010またはイルガノックス
1076を0.02〜0.07を混合したもの、サノー
ルLS770を0.2〜0.4、チヌビン622LDを
0.1〜0.2、キマソーブ944を0.1〜0.2、
イルガノックス1010またはイルガノックス1076
を0.02〜0.07を混合したもの、チヌビン326
を0.3〜0.7、イルガノックス1010またはイル
ガノックス1076を0.02〜0.07を混合したも
の、チヌビン326を0.3〜0.7、キマソーブ95
5を0.3〜0.7、イルガノックス1010またはイ
ルガノックス1076を0.02〜0.07を混合した
もの、イルガノックスB215を0.05〜0.2、サ
ノールLS770を0.3〜0.7を混合したものなど
を好ましく使用することができる。
【0020】かかる耐候剤、酸化防止剤は本発明の難燃
性能を悪化させることなく、屋外曝露などによるポリマ
ーの劣化を防止できるものである。
【0021】本発明は、かかる基材樹脂の表面に該樹脂
より表面硬度の大きい樹脂表皮層を接合した防汚性にも
優れたターポリンである。従来の塩化ビニル樹脂からな
るターポリンは、可塑剤などの充填剤が樹脂表層に滲み
出すため、表面の粘着性が増し、大気中の様々な汚れが
付着しやすく、しかも付着した汚れが洗浄などで除去し
にくいという重大な欠点がある。本発明のターポリン
は、滲み出すような液状の充填剤を必要としないオレフ
ィン系樹脂で構成されるので、基本的には、塩化ビニル
製のものより汚れにくいものであるが、本発明者等は、
さらに防汚性を向上させるためには、ターポリンを構成
する基材樹脂より表面硬度の大きい樹脂を接合するのが
有効であることを発見したものである。
【0022】本発明の表皮用樹脂は、基材樹脂と同様な
樹脂を使用してもよいし、異なる樹脂を使用してもよ
く、要するに基材樹脂より表面硬度の大きいオレフィン
系樹脂を使用すればよい。例えば、基材樹脂に酢酸ビニ
ル成分を19重量%含み、MI値が1のエチレン・酢酸
ビニル共重合体を使用した場合、表皮用には同一の共重
合率でMIの小さい樹脂を使用するか、または共重合率
が小さくしかもMIの小さいものを使用するか、通常の
ポリエチレンなどを使用することにより本発明の効果を
達成することができる。
【0023】本発明の表皮層の表面硬度は、島津製作所
製の島津ダイナミック超微小硬度計DUH−201型の
ビッカース圧子で測定したダイナミック硬度の値が、基
材層より好ましくは0.3以上大きいものであり、さら
に好ましくは、0.4以上である。表皮層のダイナミッ
ク硬度は好ましくは0.65以上、さらに好ましくは
0.7以上である。かかる硬度を採用することにより、
屋外で長期間使用しても汚れにくく、汚れたとしても乾
拭きなどで容易に除去することができるものである。
【0024】本発明の表皮層は、基材層と同一の難燃剤
や耐候剤その他の充填剤を含有していてもよいし、難燃
性能を阻害しない範囲で難燃剤を省いたものであっても
よいが、後者のほうが、耐候性能の安定化や表面硬度の
調整、維持の点で好ましい。また、表皮層が透明である
ほうが、基材の色相にかかわらず簡単に積層できるので
好ましい。
【0025】本発明の表皮層の厚みは、好ましくは5〜
200μ、さらに好ましくは20〜70μである。
【0026】本発明の表皮層を含むターポリンの製造
は、繊維基布に基材層を接合した後に表皮層を接合して
もよいし、基材層に表皮層を接合した後に繊維基布に接
合してもよく特に限定されるものではない。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が本発明はこれらに限定されるものではない。
【0028】なお、実施例、比較例に示す性能は次の方
法で測定した。
【0029】(難燃性A)JIS A 1322に規定
される方法により残炎時間、残塵時間、炭化長を測定し
た。防炎性能を等級表示した。
【0030】(難燃性B)JIS L 1091に規定
される消防法により残炎時間、残塵時間、炭化面積を測
定した。合格を○、不合格を×で表示した。
【0031】(引張り強力)300μの樹脂のみのシー
トを作成し、JIS K 6730に規定される方法で
測定し、充填剤を含まないシートに対する強力保持率を
計算した。
【0032】(耐候性)300μの樹脂のみのシートを
サンシャインウエザメーターで63℃で1000時間照
射しJIS K 6730に規定される方法で引張り強
力を測定し、照射しないシートに対する強力保持率を求
めた。
【0033】(表面硬度)島津製作所製の島津ダイナミ
ック超微小硬度計DUH−201型のビッカース圧子を
使用し、荷重0.1mg、押込み速度定数10、保持時間
5秒の条件でダイナミック硬度を測定した。数値の大き
いものほど硬質であることを現す。
【0034】(防汚試験)JIS A 1410に規定
される方法により屋外曝露を240日実施した。
【0035】(防汚性評価)汚染前のシート、屋外曝露
後のシート、曝露後のシートを綿布で拭き取ったシート
の表面をデジタル測色色差計算機(スガ試験機株式会社
製)によりL値を測定し、次の計算式により汚染の程度
汚れの除去性を求めた。
【0036】 汚染度 X=(A−B)/A ×100 汚染除去性 Y=(A−C)/A ×100 ここで、A:汚染試験前のシートのL値 B:汚染試験後のシートのL値 C:汚染試験後のシートの汚れを綿布で拭き取った後の
L値であり、Xの値が大きいものほど汚染がひどいこと
を現し、Yが小さいものいほど汚れが落ちやすいことを
現す 実施例1〜14、比較例1〜9 繊維基布として1000デニール96フィラメントのポ
リエステル繊維(東レ株式会社製)を縦糸、緯糸に使用
した平織物を常法により精練、乾燥、ヒートセットし、
該織物をポリウレタン系樹脂で接着剤処理した(縦糸、
緯糸密度とも40本/インチ)。次いで下記に示す条件
で性能を評価した結果を表1に示した。 (基材樹脂)以下に示す樹脂に白着色剤と各種充填剤を
配合し、300μの厚さでTダイ法で押し出し、180
℃の温度で繊維基布の両面に熱圧着し0.75mm厚みの
ターポリンとした。また、物性、耐候評価用として30
0μのシートをそのまま使用した。
【0037】A.エチレン・酢酸ビニル共重合体(エバ
テートCV2097 住友化学株式会社製) B.エチレン・αオレフィン共重合体(スミカセンVL
200 住友化学株式会社製) C.エチレン・アクリル酸メチル共重合体(アクリフト
WH303 住友化学株式会社製) D.エチレン・メタクリル酸エチル共重合体(エバフレ
ックスEEA−701 三井デュポンポリケミカル株式
会社製) E.エチレン・プロピレン共重合系エラストマー(ミラ
ストマー9020三井石油化学工業株式会社製) (難燃剤)以下に示す難燃剤を基材樹脂及び表皮樹脂に
配合した。
【0038】a.式2の芳香族ジホスホネート b.式3の芳香族ジホスホネート c.水酸化マグネシウム (耐候剤)以下に示す配合処方で基材樹脂及び表皮樹脂
に混合した。
【0039】ア.キマソーブ944/イルガノックス1
010 0.5/0.05部 イ.チヌビン326/イルガノックス1076
0.5/0.05部 ウ.イルガノックスB215/サノールLS770/チ
ヌビン622LD/キマソーブ944/チヌビン326 0.1/0.5/0.2/0.2/0.3部 (表皮樹脂)次に示す樹脂をTダイ法で40μの厚さに
成型し基材樹脂表面に接合した。
【0040】あ.エチレン・酢酸ビニル共重合体(スミ
カセンF1103−1 住友化学株式会社製) い.ポリエチレン(ミラソン10P 三井石油化学工業
株式会社製) 難燃性及び防汚性の比較用として塩化ビニル樹脂からな
るターポリン(TF−2000 泉株式会社製)を同様
に評価した(比較例9)。
【0041】
【表1】 表1から、本発明によるものは、従来の水酸化マグネシ
ウムを難燃剤として使用したものに比べて物性に優れて
おり、従来の塩化ビニル樹脂と同等以上の難燃剤性能を
持つことが分かる。さらに、本発明の表皮層を接合した
ものは、優れた防汚性能を発揮できることを確認した。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、燃焼時にハロゲン元素
などの有毒な物質を全く発生することのない、環境保全
に効果的であり、優れた難燃性能、樹脂物性を持ち、し
かも屋外の使用で汚染が極めて少ないテント用、バック
リット、養生メッシュなどの用途に好適な積層体を安定
に供給し得る。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維基布の少なくとも片面にオレフィン
    系樹脂を接合してなる積層体において、オレフィン樹脂
    に下記式(1)で表される燐系化合物を含有し、JIS
    A 1322で規定する防炎試験の防炎2級以上に合
    格し、かつ、JIS L 1091で規定する消防法の
    防炎性能に合格することを特徴とするオレフィン系樹脂
    ターポリン。 【化1】 (式中、R1 及びR2 は低級アルキル基で同一でも異な
    っていても良い。R3 、R4 は水素原子または低級アル
    キル基で同一でも異なっていても良い。Yは−CH
    2 −、−C(CH3 2 −、−S−、−SO2 −、−O
    −、−CO−、 −N=N−基であり、Kは0または1、mは0〜4の整
    数を表す。)
  2. 【請求項2】 難燃剤の含有量がオレフィン系樹脂10
    0重量部に対し、20重量部以上である請求項1記載の
    オレフィン系樹脂ターポリン。
  3. 【請求項3】 オレフィン樹脂がエチレン・αオレフィ
    ン共重合体、エチレン・アクリル酸アルキル共重合体、
    エチレン・メタクリル酸アルキル共重合体、エチレン・
    酢酸ビニル共重合体の少なくとも一種である請求項1記
    載のオレフィン系樹脂ターポリン。
  4. 【請求項4】 オレフィン樹脂が、紫外線吸収剤、光安
    定剤、酸化防止剤を含有しているものである請求項1記
    載のオレフィン系樹脂ターポリン。
  5. 【請求項5】 繊維基布の少なくとも片面に式(1)で
    表される燐系化合物と紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防
    止剤を含有するオレフィン系樹脂樹脂を接合した積層体
    基材の樹脂表層に該樹脂より表面硬度の大きいオレフィ
    ン樹脂表皮層が接合されていることを特徴とするオレフ
    ィン系樹脂ターポリン。
  6. 【請求項6】 表皮層が難燃剤を含まないものである請
    求項5記載のオレフィン系樹脂ターポリン。
  7. 【請求項7】 島津製作所製の島津ダイナミック超微小
    硬度計DUH−201型のビッカース圧子を使用し、荷
    重0.1mg、押込み速度定数10、保持時間5秒の条件
    で測定した樹脂のダイナミック硬度が、基材層に対し、
    表皮層が0.3以上大きいものである請求項5記載のオ
    レフィン系樹脂ターポリン。
  8. 【請求項8】 島津製作所製の島津ダイナミック超微小
    硬度計DUH−201型のビッカース圧子で測定した表
    皮層のダイナミック硬度が0.65以上である請求項5
    記載のオレフィン系樹脂ターポリン。
  9. 【請求項9】 基材層と表皮層の樹脂の種類が異なるも
    のである請求項5記載のオレフィン系樹脂ターポリン。
  10. 【請求項10】 繊維基布がポリエステル繊維からなる
    ものである請求項1、5記載のオレフィン系樹脂ターポ
    リン。
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