JP2006271226A - 耐農薬性ポリオレフィン系農業用フィルム - Google Patents

耐農薬性ポリオレフィン系農業用フィルム Download PDF

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Abstract

【課題】薬剤に対して良好な耐性を持ち、かつ、保温性、機械物性に優れ、良好な防曇流滴性能を持続する農業用PO系フィルムフィルムを提供する。
【解決手段】ポリエチレン系樹脂(a)と接着性樹脂(b)を重量比でa/b=90/10〜40/60含有する樹脂成分からなる層(A)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(c)とエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(d)を重量比でc/d=90/10〜50/50含有する樹脂成分からなる層(B)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(e)を主成分とする樹脂成分からなる層(C)が層(A)/層(B)/層(C)の順に積層されてなるポリオレフィン系農業用フィルムにおいて、層(A)、層(B)、層(C)の少なくとも1層以上に、該フィルムを構成する樹脂成分100重量部に対し、ヒンダードアミン系光安定剤が0.02〜5重量部配合されてなることを特徴とするポリオレフィン系農業用フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂が含有されたポリオレフィン系農業用フィルムに関する。詳しくは、耐農薬性、保温性、防曇流滴性、機械強度に優れたポリオレフィン系農業用フィルムに関する。
更に詳しくは、農業用ハウスにおいて、長期間に亘り硫黄燻蒸を行う栽培方法の被覆フィルムとして使用される耐農薬性に優れたポリオレフィン系農業用フィルムに関する。
一般に、農業用ハウスに展張されている被覆フィルムとしては、農業用ポリ塩化ビニル系フィルム(以下「農業用PVC系フィルム」と略す)、農業用ポリオレフィン系フィルム(以下「農業用PO系フィルム」と略す)などが用いられている。
従来より広く使用されている農業用PVC系フィルムは保温性、耐候性、透明性、作業性に優れている反面、使用後の焼却廃棄時に有毒ガスが発生することから、近年はその使用が減少している。
そこで、農業用PVC系フィルムに替わるフィルムとして、最近農業用PO系フィルムの使用が急激に増加している。農業用PO系フィルムは、価格、加工性、機械強度ならびに廃棄処理の容易さなどが農業用PVC系フィルムに比べ、多くの利点を有している。
しかし、農業用PO系フィルムは、農業用PVC系フィルムに比較して、屋外使用において紫外線や熱などの劣化因子に対して脆弱な側面を有している。即ち、耐候性が劣るため、長期間に亘る屋外使用や使用条件の厳しい地域での屋外使用を可能にするために種々の検討がなされてきている。
農業用PO系フィルムの前記劣化因子に対する耐性を改善する方法として、例えば、安定剤としてヒンダードアミン系光安定剤を含有する農業用フィルムが開示されている。(特許文献1,2参照)
これにより紫外線等の劣化因子に対しては耐性を改善することができ、耐候性は向上するが、栽培施設内で肥料や農薬などの薬剤を使用する環境の場合には、上記方法ではフィルムの劣化を改善できず、長期間に亘ってフィルムを使用することができない。
更に、長期間に亘ってフィルムを使用する場合には、栽培施設内の保温性が必要となってくる。しかし、保温剤としてリチウム−アルミニウム複合水酸化物塩(特許文献2)やハイドロタルサイト類(特許文献3参照)などの無機系保温剤を使用している場合には、特に硫黄や塩素など、酸性物質から発生される成分を上記保温剤が吸着してしまうので、より一層、フィルムの劣化を促進させるという問題点があった。
なお、一般に保温性とは、昼間太陽熱を吸収して温度が上昇した大地から、夜間輻射熱を外部に散逸させぬよう、被覆フィルムがそれを吸収・反射して、ハウス内の温度(気温及び地温)を保持することである。
特開59−86645号公報 特開平7−312996号公報 特開2000−109623号公報
本発明の目的は、農業用PO系フィルムにおいて、紫外線や熱などの劣化因子に対する耐性はもちろんのこと、肥料や農薬などの薬剤に対しても良好な耐性を持ち、かつ、高い保温性を保持し、機械物性に優れ、更に長期間に亘り良好な防曇流滴性能を持続する農業用フィルムを提供することにある。
請求項1記載の発明は、密度が0.90〜0.93g/cm3であり、メルトマスフローレイトが0.5〜7.0g/10分(190℃)であるポリエチレン系樹脂(a)と接着性樹脂(b)を重量比でa/b=90/10〜40/60含有する樹脂成分からなる層(A)、酢酸ビニル含有量が5〜20重量%であり、メルトマスフローレイトが0.5〜4.0g/10分(190℃)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(c)とエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(d)を重量比でc/d=90/10〜50/50含有する樹脂成分からなる層(B)、酢酸ビニル含有量が3〜15重量%であり、メルトマスフローレイトが0.5〜4.0g/10分(190℃)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(e)を主成分とする樹脂成分からなる層(C)が層(A)/層(B)/層(C)の順に積層されてなるポリオレフィン系農業用フィルムにおいて、層(A)、層(B)、層(C)の少なくとも1層以上に、該フィルムを構成する樹脂成分100重量部に対し、ヒンダードアミン系光安定剤が0.02〜5重量部配合されてなることを特徴とするポリオレフィン系農業用フィルムである。
請求項2記載の発明は、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(d)が、エチレン含有量25〜50モル%、ケン化度95モル%以上であることを特徴とする請求項1記載の農業用フィルムである。
請求項3記載の発明は、ヒンダードアミン系光安定剤が、下記式(1)で表されるピペリジン環構造を少なくとも2個以上有し、かつ平均分子量が1000以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリオレフィン系農業用フィルムである。
Figure 2006271226
本発明の層(A)に使用されるポリエチレン系樹脂(a)としては、従来から農業用フィルムに使用されるものが使用される。具体的には、例えば、ポリエチレン樹脂、エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。これらは単独で使用しても、2種以上併用しても良い。
上記ポリエチレン系樹脂の中でも、ポリエチレン樹脂(低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン)、エチレン−α−オレフィン共重合体(α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が挙げられる)が好ましく、より好ましくはエチレン−α−オレフィン共重合体である。
層(A)に用いられるポリエチレン系樹脂の密度は、0.90〜0.93g/cm3であり、メルトマスフローレイトは0.5〜7.0g/10分(190℃)である。なお、本発明でいう密度とは、JIS K−7112「プラスチック−非発泡プラスチックの密度及び比重の測定方法」に準拠して測定された密度を意味し、また、本発明でいうメルトマスフローレイトとは、JIS K−7210「プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト及びメルトボリュームフローレイトの試験方法」に準拠して測定されたメルトマスフローレイトを意味する。
上記ポリエチレン系樹脂の密度が0.90g/cm3未満であると得られる農業用フィルムの機械的強度が不十分となったり、フィルム同士がブロッキングを起こし、フィルムの原反ロールからの繰り出しが困難となる。逆に、密度が0.93g/cm3を超えると、得られる農業用フィルムの透明性が低下する。
上記ポリエチレン系樹脂のメルトマスフローレイトが0.5g/10分(190℃)未満であると、農業用フィルムの生産性(成膜安定)が阻害され、逆にメルトマスフローレイトが7.0g/10分(190℃)を超えると、得られる農業用フィルムの機械的強度が不十分となる。
なお、本発明でいう密度とは、JIS K−7112「プラスチック−非発泡プラスチックの密度及び比重の測定方法」に準拠して測定された密度を意味し、本発明でいうメルトマスフローレイトとは、JIS K−7210「プラスチック−熱可塑性プラスチックのメルトマスフローレイト及びメルトボリュームフローレイトの試験方法」に準拠して測定されたメルトマスフローレイトを意味する。
層(A)に用いられる接着性樹脂(b)としては、不飽和カルボン酸またはその無水物により変性された変性ポリオレフィン樹脂が挙げられ、変成ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、又はエチレン−プロピレンラバー系樹脂等のポリオレフィン系樹脂が、不飽和カルボン酸若しくは不飽和カルボン酸誘導体で変成されたものであれば、特に限定されるものではない。
上記ポリエチレン系樹脂としては、ポリエチレン、エチレンとα−オレフィン等の他のモノマーとの共重合体等が挙げられ、上記ポリプロピレン系樹脂としては、ポリプロピレン、プロピレンとα−オレフィン等の他のモノマーとの共重合体等が挙げられ、また、エチレン−プロピレンラバー系樹脂としては、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−他のモノマーとの共重合体からなるゴム弾性を有する熱可塑性ゴム等が挙げられる。上記α−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、ネオヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン等が挙げられ、プロピレン、1−ブテンが好適に用いられる。
上記変性ポリオレフィン樹脂の変性方法としては、例えば、有機過酸化物の存在下に、結晶性ポリプロピレンと不飽和カルボン酸若しくはその誘導体を、溶媒中若しくは溶媒の不存在下で結晶性ポリプロピレンの融点以上に加熱処理する公知の方法を挙げることができる。また、上記変性ポリオレフィン系樹脂は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、エチレン−プロピレンラバー系樹脂を重合する際に、不飽和カルボン酸又はその誘導体を共重合させて得られる変性ポリオレフィン樹脂を用いてもよい。
また、変性ポリオレフィン樹脂の製造に用いられる不飽和カルボン酸又はその誘導体としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、シトラコン酸又はこれらの酸無水物、エステル、アミド、イミド、金属塩などを例示でき、具体的には、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸グリシジル、マレイン酸モノエチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル、フマル酸モノエチルエステル、フマル酸ジエチルエステル、フマル酸モノメチルエステル、フマル酸ジメチルエステル、イタコン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジアミド、マレイン酸−N−モノエチルアミド、マレイン酸−N、N−ジエチルアミド、フマル酸モノアミド、フマル酸ジアミド、マレイミド、N−ブチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、アクリル酸ナトリウム、メタクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、メタクリル酸カリウムなどを挙げることができる。特に、無水マレイン酸を用いるのが好ましい。
上記変性ポリオレフィン樹脂中の上記不飽和カルボン酸又はその誘導体の含有量(以下、変性率と称する)は、0.01〜5重量%が好適であり、0.05〜1重量%が特に好ましい。上記不飽和カルボン酸又はその誘導体の含有量が0.01重量%未満の場合は十分な接着性が得られず、5重量%を超えるとブロッキングを起こし易くなる。
層(A)に用いられるポリエチレン系樹脂(a)と接着性樹脂(b)との重量比率は(a)/(b)=90/10〜40/60であり、好ましくは(a)/(b)=80/20〜50/50である。接着性樹脂(b)が10重量%以下になると層(A)と層(B)との間に解離が見られ、60重量%以上になるとフィルム同士がブロッキングを起こし、フィルムの原反ロールからの繰り出しが困難となる。
層(B)に使用されるエチレン−酢酸ビニル共重合体(c)中の酢酸ビニル含有量は5〜20重量%であり、好ましい酢酸ビニル含有量は10〜15重量%である。
エチレン−酢酸ビニル共重合体(c)中の酢酸ビニル含有量が5重量%未満であると、得られる農業用フィルムの柔軟性が不十分となり、逆に酢酸ビニル含有量が20重量%を超えると、得られる農業用フィルムの機械的強度が低下する。
層(B)に使用されるエチレン−酢酸ビニル共重合体(c)のメルトマスフローレイトは、0.5〜4.0g/10分(190℃)である。エチレン−酢酸ビニル共重合体(c)のメルトマスフローレイトが0.5g/10分(190℃)未満であると、農業用フィルムの生産性(成膜安定性)が阻害され、逆にメルトマスフローレイトが4.0g/10分(190℃)を超えると、得られる農業用フィルムの機械的強度が不十分となる。
層(B)に含まれるエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(d)としては、エチレン含有率25モル%〜50モル%、ケン化度95%以上のものが用いられ、好ましくはエチレン含有30モル%〜45モル%、ケン化度が99.5モル%以上のものが用いられる。エチレン含有率が25モル%未満では溶融押出フィルム成形が困難であり、一方50モル%を越えると保温性が低下する。ケン化度が95%未満では熱安定性が悪く、これまたフィルム成形に支障が生じる。
層(B)に用いられるエチレン−酢酸ビニル共重合体(c)とエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(d)の重量比は(c)/(d)=90/10〜50/50であり、好ましくは(c)/(d)=80/20〜60/40である。エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(d)が10重量%以下になると十分な保温性が発現されず、50重量%以上になると農業用フィルムの透明性が極度に悪化したり、またフィルムの成膜安定性が低下する。
層(C)に使用されるエチレン−酢酸ビニル共重合体(e)中の酢酸ビニル含有量は3〜15重量%であり、好ましくは酢酸ビニル含有量が5〜10重量%である。
エチレン−酢酸ビニル共重合体(e)中の酢酸ビニル含有量が3重量%未満であると、得られる農業用フィルムの柔軟性が不十分となるほか、必要に応じて設けられる防曇塗膜(D)の密着性が低下する。逆に酢酸ビニル含有量が15重量%を超えると、得られる農業用フィルムの機械的強度が低下するほか、フィルム同士がブロッキングを起こし、フィルムの原反ロールからの繰り出しが困難となる。
層(C)に使用されるエチレン−酢酸ビニル共重合体(e)のメルトマスフローレイトは、0.5〜4.0g/10分(190℃)である。上記エチレン−酢酸ビニル共重合体のメルトマスフローレイトが0.5g/10分(190℃)未満であると、農業用フィルムの生産性(成膜安定性)が阻害され、逆にメルトマスフローレイトが4.0g/10分(190℃)を超えると、得られる農業用フィルムの機械的強度が不十分となる。
本発明においては、上記層(A)、層(B)、層(C)中の少なくとも1層以上に、主成分となる樹脂成分100重量部に対し、ヒンダードアミン系光安定剤が0.02〜5重量部添加される。
上記ヒンダードアミン系光安定剤としては、従来公知の任意のものが使用され、具体的には、例えば、コハク酸ジメチル‐1‐(2‐ヒドロキシエチル)‐4‐ヒドロキシ‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン重縮合物、テトラキス(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)‐1,2,3,4‐ブタンテトラカルボキシレート、ポリ{[6‐[(1,1,3,3‐テトラメチルブチル)アミノ]‐1,3,5‐トリアジン‐2,4‐ジイル] [(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)イミノ]}、下記式(1)で表されるピペリジン環構造を有するヒンダードアミン化合物等が挙げられる。これらの内、下記式(1)で表されるピペリジン環構造を有する分子量が1000以上のヒンダードアミン化合物が好適に用いられ、たとえば、下記式(2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2006271226
Figure 2006271226
(式中、nは1〜20の整数を表し、R1は互いに独立しているが、少なくとも一つは、−O・基であり、それ以外は、水素原子、炭素数1〜8のアルキル基、OH基、CH2CN基、炭素数1〜18のアルコキシ基、炭素数5〜12のシクロアルコキシ基、炭素数3〜6のアルケニル基、非置換または1,2もしくは3個の炭素原子数1〜4のアルキル基によりフェニル環が置換された炭素数7〜9のフェニルアルキル基、あるいは、炭素数1〜8のアシル基を表し、R2はR1に対して定義された意味の内の一つを表し、Xは炭素数2〜10のアルキレン基を表し、そしてYは−O−基、または−NH−基を表す。)
上記ピペリジン環構造を2個以上有し、分子量が1000以上であるヒンダードアミン化合物の市販品としては、TINUVIN NOR 371(チバ・スペシャリティーケミカルズ社製)、アデカスタブ LA−900(旭電化社製)等があげられ、好適に用いられる。
上記ヒンダードアミン系光安定剤の添加量は主成分となる樹脂成分100重量部に対し、0.02〜5重量部である。ヒンダードアミン系光安定剤の含有量が0.02重量部よりも少ない場合は、紫外線や熱などの劣化因子による耐性(耐候性)が低下し、逆に、ヒンダードアミン系光安定剤の含有量が5重量部よりも多い場合は、フィルムに着色が生じたり、また量の割りに添加の効果が認められず、経済的に不利である。
本発明のポリオレフィン系農業用フィルムは、上記層(A)、層(B)、層(C)がこの順に積層されてなり、層(A)が外側になるように展張される。
本発明のポリオレフィン系農業用フィルムには、必要に応じて物性を損なわない範囲において熱安定剤、酸化防止剤、紫外製吸収剤、防霧剤、滑剤、顔料等が添加されても良い。 上記熱安定剤としては、従来公知の任意のものが挙げられ、具体的には、カルボン酸の金属塩、フェノール系抗酸化剤、有機亜燐酸エステル等のキレーターが挙げられる。
上記酸化防止剤としては、従来公知の任意のものが挙げられ、通常は、上記熱安定剤としての効果を兼ね備えるものが多く、例えばカルボン酸の金属塩、フェノール系抗酸化剤、有機亜燐酸エステル等のキレーターが挙げられる。
上記紫外線吸収剤としては、従来公知の任意のものが挙げられ、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸エステル系、シアノアクリレート系等を単独あるいは2種以上を混合して使用することができる。具体的にはベンゾフェノン系紫外線吸収剤として、2,4‐ジヒドロキシベンゾフェノン、2‐ヒドロキシ‐4‐オクトキシベンゾフェノン、2‐ヒドロキシ‐4‐ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’‐ジヒドロキシ‐4‐メトキシベンゾフェノン、2,2’‐ヒドロキシ‐4,4’‐ジメトキシベンゾフェノン、2‐ヒドロキシ‐4‐メトキシ‐5‐スルホベンゾフェノン等、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤として、2‐(2’‐ヒドロキシ‐5’‐tert‐ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2‐(2’‐ヒドロキシ‐5’‐メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2‐(2’‐ヒドロキシ‐3’‐tert‐ブチル‐5‐メチルフェニル)‐5‐クロロベンゾトリアゾール、2‐(2’‐ヒドロキシ‐3’,5’‐ジ‐tert‐ブチルフェニル)‐5‐クロロベンゾトリアゾール、2‐(2’‐ヒドロキシ‐3’,5’‐ジ‐tert‐アミルフェニル)‐5‐クロロベンゾトリアゾール等が挙げられる。
上記防霧剤としては、従来公知の任意のものが挙げられ、例えば、シリコーン系、フッ素系等の界面活性剤が挙げられる。
上記滑剤としては、従来公知の任意のものが挙げられ、ステアリン酸アマイド等の飽和脂肪酸アマイド、エルカ酸アマイド、オレイン酸アマイド等の不飽和脂肪酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド等のビスアマイド等が挙げられる。
本発明のポリオレフィン系農業用フィルムは、上記層(A)、層(B)、層(C)が、この順に積層されてなり、層(A)が外側になるように農業用ハウス等に展張される。この際、その内面(層(C)側)に結露した水滴を流滴させるために必要に応じて防曇剤を練りこんだり、またその内面(層(C)側)に防曇性被膜形成させるのが好ましい。
上記ポリオレフィン系農業用フィルムに練りこむ防曇剤としては、従来公知の任意のものが挙げられ、多価アルコール脂肪酸エステルが好適に用いられる。具体的には、グリセリンステアリン酸エステル、ジグリセリンステアリン酸エステル、ポリグリセリンステアリン酸エステル、ソルビトールステアリン酸エステル等の多価アルコール飽和脂肪酸エステルあるいは、グリセリンオレイン酸エステル、ジグリセリンオレイン酸エステル等の多価アルコール不飽和脂肪酸エステル等を挙げることができる。
上記ポリオレフィン系農業用フィルムの層(C)側に形成される防曇性被膜としては、例えば、コロイダルシリカやコロイダルアルミナに代表される無機酸化ゾルのコーティング膜、無機酸化物ゾルと有機化合物(界面活性剤や樹脂など)などのコーティング膜、界面活性剤を主成分とする液のコーティング膜、親水性樹脂を主成分とする膜(例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、多糖類、ポリアクリル酸などが挙げられる)などが挙げられる。これらの被膜を形成させる方法としては、例えば、グラビアコーターなどによるロールコート法、バーコード法、ディップコート法、スプレー法、はけ塗り法等が挙げられる。
本発明のポリオレフィン系農業用フィルムの製造方法としては、特に限定されず、従来公知の任意の方法が採用されてよく、例えば、多層インフレーション法、多層Tダイ法、多層ラミネート法、カレンダー法等が挙げられる。
上記農業用フィルムの厚さは、薄くなると機械的強度が低下し、逆に厚くなると裁断、接合、展張作業等が困難になり、取扱い性が低下するので、20〜300μmが好ましく、より好ましくは50〜200μmである。
本発明のポリオレフィン系農業用フィルムは、上述した内容であるので、機械的強度に優れ、紫外線、熱などの劣化因子による耐性はもちろんのこと、肥料や農薬などの薬剤に対しても良好な耐性を持ち、かつ高い保温性も保持でき、更に長期間に亘り好適に使用することのできる農業用フィルムである。さらに、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂を特定化することにより保温効果をさらに向上させることができる。また、特定のヒンダードアミン系光安定剤を使用することによりさらに耐候性を向上させることができる。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
〔農業用フィルムの製造〕
表1および2に示した樹脂を用い、表3、4に示す様な配合組成の3種の樹脂組成物を、各々別々の押出し機に投入して混練した後、層(A)、層(B)および層(C)の順で、積層された、総厚味150μmの3層積層体からなるポリオレフィン系農業用フィルムを得た。尚、層(A)/層(B)層/(C)の厚さ比は15/70/15である。
Figure 2006271226
Figure 2006271226
〔評価〕
上記で得られた農業用フィルムについて、破断点強度、引裂強度、接着性、促進耐候性、耐農薬性、保温性、ヘーズ値を下記の方法で評価し、結果を表3、4に示した。
(破断点強度)
ストログラフ(東洋精機製作所社製)を用い、JIS K 6781に準拠して、農業用フィルムの破断点強度を測定し、下記判断基準により破断点強度を評価した。
◎・・・破断点強度が24.5N以上であった。
○・・・破断点強度が20.0N以上かつ24.5N未満であった。
△・・・破断点強度が14.7N以上かつ20.0N未満であった。
×・・・破断点強度が14.7N未満であった。
(引裂強度)
エルメンドルフ引裂強度測定機(東洋精機製作所社製)を用いてJIS K 7128に準拠して、農業用フィルムの引裂強度を測定し、下記判断基準により引裂強度を評価した。
◎・・・引裂強度が20.0N以上であった。
○・・・引裂強度が15.0N以上かつ20.0N未満であった。
△・・・引裂強度が10.0N以上かつ15.0N未満であった。
×・・・引裂強度が10.0N未満であった。
(接着性)
フィルム内外面にガムテープを貼った後、両サイドを引張り、下記判断基準によりフィルムの接着性を評価した。
○・・・解離がなかった。
×・・・解離があった。
(促進耐候性)
サンシャインスーパーロングライフウェザーメーター(スガ試験株式会社製)を用い、ブラックパネル温度63℃、水噴霧時間12分/1時間の条件下にて、800時間照射を行い、JIS K 6781に準拠して、農業用フィルムの破断点伸度を測定し、下記判断基準により促進耐候性を評価した。
◎・・・破断点伸度が600%以上であった。
○・・・破断点伸度が400%以上かつ600%未満であった。
△・・・破断点伸度が200%以上かつ400%未満であった。
×・・・破断点伸度が200%未満であった。
(耐農薬性)
縦15cm×横15cmに裁断した農業用フィルムを1N亜硫酸水溶液に1日間浸漬した後、取り出して、紫外線ランプにより50W/m2の紫外線を24時間照射した。この浸漬、紫外線照射サイクルを3回繰り返し行った後、JIS K 6781「農業用ポリエチレンフィルム」に準拠して、繰り返し後の農業用フィルムの破断点伸度を測定し、下記の基準で耐農薬性を評価した。
◎・・・残存破断点伸度が500%以上であった。
○・・・残存破断点伸度が350%以上かつ500%未満であった。
△・・・残存破断点伸度が200%以上かつ350%未満であった。
×・・・残存破断点伸度が200%未満であった。
(保温性)
赤外線分光光度計(FT/IR−410、日本分光社製)を用いてフィルムの吸収スペクトルを測定し、各波長の吸収率により、地面から放射される分光放射発散度(1)を重み付けをして分光放射発散度(2)を算出し、分光放射発散度(1)と補正後の分光放射発散度(2)から下記の基準で保温性の評価を行った。
○・・・保温性が80%以上であった。
△・・・保温性が50%以上かつ80%未満であった。
×・・・保温性が50%未満であった。
(透明性)
作製直後のフィルムのヘーズ値を、ヘーズ測定器(NDH2000、日本電色工業社製)により測定し、下記基準により透明性を評価した。
○・・・ヘーズ値が15%未満であった。
△・・・ヘーズ値が15%以上かつ25%未満であった。
×・・・ヘーズ値が25%以上であった。
Figure 2006271226
Figure 2006271226

Claims (3)

  1. 密度が0.90〜0.93g/cm3であり、メルトマスフローレイトが0.5〜7.0g/10分(190℃)であるポリエチレン系樹脂(a)と接着性樹脂(b)を重量比でa/b=90/10〜40/60含有する樹脂成分からなる層(A)、酢酸ビニル含有量が5〜20重量%であり、メルトマスフローレイトが0.5〜4.0g/10分(190℃)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(c)とエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(d)を重量比でc/d=90/10〜50/50含有する樹脂成分からなる層(B)、酢酸ビニル含有量が3〜15重量%であり、メルトマスフローレイトが0.5〜4.0g/10分(190℃)であるエチレン−酢酸ビニル共重合体(e)を主成分とする樹脂成分からなる層(C)が層(A)/層(B)/層(C)の順に積層されてなるポリオレフィン系農業用フィルムにおいて、層(A)、層(B)、層(C)の少なくとも1層以上に、該フィルムを構成する樹脂成分100重量部に対し、ヒンダードアミン系光安定剤が0.02〜5重量部配合されてなることを特徴とするポリオレフィン系農業用フィルム。
  2. エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂(d)が、エチレン含有量25〜50モル%、ケン化度95モル%以上であることを特徴とする請求項1記載の農業用フィルム。
  3. ヒンダードアミン系光安定剤が、下記式(1)で表されるピペリジン環構造を少なくとも2個以上有し、かつ平均分子量が1000以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリオレフィン系農業用フィルム。
    Figure 2006271226

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JP2014183806A (ja) * 2013-03-25 2014-10-02 C I Kasei Co Ltd 土壌燻蒸用フィルム

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