JP2005161533A - ノンハロゲン系車輛用防水床シート - Google Patents

ノンハロゲン系車輛用防水床シート Download PDF

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Abstract

【課題】 燃焼時に有毒ガスを発生しにくく、難燃性に優れ、しかも車輛の軽量化がはかれ、施工性のよいノンハロゲン系車輛用防水床シートを提供する。
【解決手段】 化学構造中に塩素原子を有しない樹脂成分100重量部に対して無機充填剤50〜250重量部と、難燃剤20〜100重量部とを含有する樹脂層と、前記樹脂層の上面及び/又は下面に積層一体化する補強層と、さらに前記樹脂層の下面側に化学構造中に塩素原子を有しない樹脂を組成とした不織布が加熱溶融により積層一体化されてなる裏打層とからなるノンハロゲン系車輛用防水床シートを得る。
【選択図】 図1

Description

この発明は、鉄道、バス等の車輛において、カーペット等の床材のさらに下側に敷設される防水床シートに関するもので、特に燃焼時に有毒ガスを発生しにくく、軽量で、施工性、接着性に優れたノンハロゲン系車輛用防水床シートに関するものである。
従来から、車輌用床材としてカーペット等の通水性のある床材を使用した場合は、水分が床鉄板にまで到達し鉄板が腐蝕する事から、水分の侵入を防止する目的で、塩化ビニル樹脂(PVC)製の防水床シートをカーペット等の下に敷設してきた。
しかしながら、PVC製防水床シートは燃焼時において、多量の発煙と共に塩化水素等の有毒ガスを発生することから、火災時において避難者が有毒ガス等を吸入してしまう等の防災上の問題、また廃材を焼却処理する場合においても環境汚染をもたらすという問題があった。
更に、PVC製防水床シートは、その製造時に可塑剤等の揮発性有機化合物(VOC)を多量に含有して製造するため、特有の臭気があり、環境衛生上好ましくないうえ、長年の使用により可塑剤が揮発減量して防水床シートとしての柔軟性が低下するという問題があった。
また、近年の鉄道車輛では、環境の問題から車体の軽量化が強く求められており、特に厳しい難燃性能を要求される部材においては、優秀な難燃材料である塩化ビニル樹脂(PVC)といえども、他の難燃剤を併用しなければ基準値に到達することは困難で、結果として製品重量が重くならざるを得ない傾向にあるという欠点もあった。
そこで、特許文献1においては、PVC材料に代えて、燃焼時に有毒ガスの発生が少ないポリオレフィン系樹脂を基材とする車輛用内装材料が提案されている。
特開平9−39169
しかしながら、上記の従来技術では、製品の軽量化を行ない、良好な施工性を持ちつつ鉄道車輌等で要求される特に厳しい難燃性能を付与することが難しく、更には前記樹脂は柔軟性が劣り施工時の接着性が悪いといった問題もあり、総じてPVC製防水床シートに比べて、難燃性、施工性、軽量化に劣るという難点があった。本発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、軽量化を行ないつつも、燃焼時に有毒ガスを発生しにくく、難燃性、施工性に優れたノンハロゲン系車輛用防水床シートを提供することを目的とする。
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意検討の結果、本発明の樹脂層の樹脂成分の主成分としてオレフィン系樹脂を用い、かつ樹脂層内には充填剤としての水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムと、難燃剤としての熱膨張性黒鉛を組み合わせ、しかも大量に含有せしめることと、補強層にガラス繊維布を採用し補強層の繊維の間隙に樹脂を含浸せしめ樹脂層に補強層を積層一体化し、さらに裏打層として不織布を採用し、加熱溶融により不織布の繊維の間隙に樹脂を含浸せしめ、樹脂層と積層一体化することにより、軽量で施工性に優れ、しかも難燃性能を飛躍的に向上し、燃焼時に有毒ガスの発生が少ない防水床シートを得られることを見出し本発明に到達した。
すなわち本発明の第1の発明は、車輛用防水床シートにおいて、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂成分100重量部に対して無機充填剤50〜250重量部と難燃剤20〜100重量部を含有する樹脂層と、前記樹脂層の上面及び/又は下面に積層一体化する補強層と、さらに前記樹脂層の下面側に化学構造中に塩素原子を有しない樹脂を組成とした不織布が加熱溶融により積層一体化されてなる裏打層とからなり、重量が800〜2000g/mの範囲にあるノンハロゲン系車輛用防水床シートである。
樹脂層、補強層、裏打層の構成材料として、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂のみが用いられているので、燃焼時の有毒ガスの発生が少なく、燃焼安全性に優れ防災面に好都合であると共に環境保全にも十分に資することができる。また樹脂層は充填剤や難燃剤を大量に含んでいるので、本来なら燃焼試験で不合格になる製品厚さが0.7〜1.5mmの範囲内でも、難燃性に優れた車輛用防水床シートを得る事ができる。
前記樹脂層に含有される無機充填剤が、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂成分100重量部に対して50重量部未満であると充分な寸法安定性、難燃性が得られず、250重量部を越えると防水床シートとしての、柔軟性、施工性、機械的強度が損なわれる。
また、前記樹脂層に含有される難燃剤が、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂成分100重量部に対して20重量部未満であると充分な難燃性が得られず、100重量部を越えると防水床シートとしての、柔軟性、機械的強度が損なわれ、コスト的にも高価なものとなる。
次に、補強層はノンハロゲン系車輛用防水床シートの機械的強度を向上する役割を担い、前記樹脂層上面及び/又は下面に積層一体化し樹脂層の表層を形成する。さらに樹脂層の下面側に化学構造中に塩素原子を有しない樹脂を組成とした不織布が加熱溶融により積層一体化されて裏打層が形成されており、施工時に接着剤が不織布に含浸することからアンカー効果によって優れた接着力が得られる。加えて、本発明のノンハロゲン系車輛用防水床シートは、可塑剤を含有させる必要がないので、臭気の発生も無く、また、長年使用しても表面に曇りの発生も無く耐久性に優れている。
車輛用防水シートの重量は800〜2000g/mの範囲にあることが好ましい。800g/mを下回ると充分な防水性と難燃性をもつ製品とはならず、また、2000g/mを越えると軽量化の目的を達成する事が出来ない。より好ましくは1000〜1500g/mの範囲が良い。車輛用防水シートの厚さはとしては0.7〜1.5mmの範囲にあることが好ましい。
第2の発明は、前記樹脂層において無機充填剤として水酸化アルミニウム及び/又は水酸化マグネシウムが前記無機充填剤の配合量に対し50重量%以上配合されてなる請求項1に記載のノンハロゲン系車輛用防水床シートである。炭酸カルシウム等の無機充填剤に加え水酸化アルミニウム及び/又は水酸化マグネシウムを50重量%以上と大量に配合する事により優れた難燃性能を得る事が出来る。50重量%を下回る配合量では車輛用防水床シートとしての優れた難燃性能を得る事が出来ない。より好ましくは50〜70重量%配合されると良い。
第3の発明は、前記樹脂層において難燃剤として熱膨張性黒鉛が前記難燃剤の配合量に対し50重量%以上配合されてなる請求項1または2に記載のノンハロゲン系車輛用防水床シートである。熱膨張性黒鉛は難燃剤として優れた材で難燃剤の配合量に対して、50重量%以上配合されるのが好ましい。50重量%を下回る配合量では車輛用防水床シートとしての優れた難燃性能を得る事が出来ない。より好ましくは50〜70重量%配合されると良い。
第4の発明は、前記樹脂層において化学構造中に塩素原子を有しない樹脂が、オレフィン系樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマーから選択される1種又は複数の樹脂からなり、前記補強層はガラス繊維からなる織布、または不織布である請求項1〜3のいずれかの項に記載のノンハロゲン系車輛用防水床シートである。樹脂層および補強層は、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂からなるため、燃焼時の有毒ガスの発生が少なく、燃焼安全性に優れている。補強層は、樹脂層の機械的強度を補強し、反りのない、寸法の安定した車輛用防水床シートを得るのに重要な効果を発揮する。
第5の発明は、前記裏打層を構成する不織布がポリオレフィン系樹脂繊維から選択される1種又は複数の繊維からなり、前記不織布の目付が20〜100g/mの範囲であり、加熱溶融により前記樹脂層の下面側に積層一体化されて裏打層となることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載のノンハロゲン系車輛用防水床シートである。裏打層が化学構造中に塩素原子を有しない繊維からなることから軽量化を行ないつつも、燃焼時に有毒ガスを発生しにくく、難燃性、施工性に優れたノンハロゲン系車輛用防水床シートを提供することができる。また、不織布の目付が20〜100g/mであるので、不織布内に樹脂層の樹脂が含浸し、施工時において防水床シートの樹脂層と床との接着性を充分確保しつつ、敷設安定性を向上する事ができる。
前記不織布の目付が20g/mを下回る場合は、裏打層の表面に繊維が露出せず、接着剤の含浸でのアンカー効果による接着性の向上は期待できない。また、100g/mを越える場合は、接着剤の含浸でのアンカー効果による接着性の向上ははかられるものの、剥離試験において不織布層内への樹脂の含浸が不充分で、裏打層内での材料破壊が発現し、防水床シートの樹脂層と床との強固な接着強度は維持できないものとなる。
本発明のノンハロゲン系車輛用防水床シートは、製品の構成材料として化学構造中に塩素原子を有しない樹脂が用いられているから低発煙性であり、燃焼時の有毒ガスの発生が少なく、燃焼安全性に優れて防災面で好都合であると共に環境保全にも充分に資することができる。また、製品の重量は800〜2000g/mの範囲に規定されているので車輛の軽量化につながる。また、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂成分100重量部に対して無機充填剤50〜250重量部と難燃剤20〜100重量部を含有しているので、寸法安定性、難燃性、施工性に優れたものとなる。更に、樹脂層の上面及び/又は下面に補強層が積層一体化されているので、機械的強度を向上させている上に、鉄道車輌用材料の燃焼性試験などの厳しい燃焼試験においても樹脂層のドリップや貫通等を遅延させ、高い難燃性得ることが出来る。また、補強層は、樹脂層の機械的強度を補強し、寸法の安定した車輛用防水床シートを得るのに重要な効果を発揮する。
更に、樹脂層の下面側には化学構造中に塩素原子を有しない樹脂を組成とした不織布が加熱溶融により積層一体化されているので、不織布への接着剤の含浸によるアンカー効果を発現し、床面との接着性向上がはかられる。加えて、本発明には可塑剤を含有させる必要がないので、特有の臭気を発生することもなく、また、長年使用しても表面に曇りが発生することもなく耐久性に優れている。
また、樹脂層における無機充填剤の配合量全体に対して、水酸化アルミニウム及び/又は水酸化マグネシウムが50重量%以上配合されている場合には、難燃性が一段と向上される。
樹脂層における難燃剤の配合量全体に対して、熱膨張性黒鉛が50重量%以上配合されている場合には、難燃性が顕著に向上される。
更には、樹脂層および補強層は、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂からなるため、燃焼時の有毒ガスの発生が少なく、燃焼安全性に優れたものになる。
裏打層を構成する不織布の目付が20〜100g/mの範囲である場合は、軽量化をはかりつつも、接着性のより一層の向上がはかられる。
次に、この発明に係るノンハロゲン系車輛用防水床シートの一実施形態を図面に基づいて説明する。 この実施形態のノンハロゲン系車輛用防水床シート1は、樹脂層2と補強層3と裏打層4からなり、製品重量が800〜2000g/mの範囲内にあって、従来の防水床シート重量の70%と軽量化がはかられている。製品の厚さは0.7〜1.5mmの範囲内にあって従来の厚さの3/4以下になっている。樹脂層2は、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂のみからなる層で、その樹脂成分100重量部に対して無機充填剤50〜250重量部と難燃剤20〜100重量部を含有するものである。その樹脂層の下面側にガラス繊維からなる補強層3が積層一体化すると共に、さらに前記積層一体化した樹脂層3の下面側に化学構造中に塩素原子を有しない樹脂を組成とした不織布が、加熱溶融により積層一体化されて裏打層4が形成された積層構造を有する車輛用防水床シートとするものである。(図1参照)
前記樹脂層2における、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂としては、例えばホモポリプロピレン樹脂、ブロックポリプロピレン樹脂、ランダムポリプロピレン樹脂、低密度ポリエチレン樹脂、超低密度ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、直鎖状ポリエチレン樹脂、メタロセン触媒使用のポリエチレン樹脂、エチレン‐酢酸ビニルコポリマー、非晶性エチレン‐α‐オレフィン共重合体等のエチレン系コポリマー等の熱可塑性樹脂、あるいはエチレン‐プロピレンゴム、エチレン‐プロピレン‐ジエンゴム等のオレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマー、あるいはスチレンブタジエンゴム、イソプレンゴム等のゴム成分系等が挙げられる。中でも床材表面の耐摩耗性、耐汚染性を顕著に向上できることから、オレフィン系樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマーを樹脂成分の主成分として用いるのが好ましい。
また、前記樹脂層を構成する無機充填剤としては、従来公知の種々の充填剤を用いることが出来るが、中でも50μm以下の平均粒径を有する、炭酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等が挙げられる。充填剤は可燃物の減量効果、燃焼時の燃焼温度抑止効果、炭化層の形成に寄与する。粒径が50μmを越えると機械的強度が低下して好ましくない。
前記樹脂層を構成する難燃剤としては、例えば、リン系難燃剤(リン酸エステル、ポリリン酸アンモニウム等、)無機系難燃剤(熱膨張性黒鉛、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化鉄等)を用いることが出来る。リン系難燃剤は燃焼時に生成したリン酸層が、不揮発性の保護被膜を形成し酸素供給を遮断する。無機系難燃剤は他の難燃剤との相乗効果によって難燃効果が得られるものや、金属水酸化物のように樹脂の分解温度よりも低い温度で分解し、脱水反応によって熱を吸収するものがある。また、熱膨張性黒鉛は、一般に天然黒鉛の粉末を酸化剤により酸化処理するか又は電解酸化し、水洗及び乾燥することによって製造されるもので、400〜1000度の熱によりその層状構造における層間が10〜500倍に膨張し高い断熱性と耐熱性を有するに至るものである。
前記樹脂層には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、滑剤、加工助剤、熱安定剤、光安定剤、帯電防止剤等の成分を、本発明の作用効果の阻害されない程度に添加することが出来る。
また、前記樹脂層の裏打層側の反対側の面に、ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系のシートやフィルムを積層することが出来る。これらのシートやフィルムを積層することによって、耐傷付き性、耐候性、機械的強度を向上させることができる。
前記補強層3は、防水床シートの機械的強度を向上する役割を担い、耐熱性があれば特に限定されるものではないが、ガラス繊維を使用した、織布や不織布が推奨される。
織布の場合の織り方としては、縦糸と緯糸を織ったものや、織らずに直交させているもの、緯糸を二本の縦糸で上下より挟んで固着させたもの、緯糸と縦糸が一本ずつ固着されたもの等の種々の形態があり、いずれも本発明に使用することができる。織布の縦糸と縦糸、緯糸と緯糸の間隔は、その布目を通して樹脂が含浸し、前記樹脂層の表層部に留まるものが好ましい。不織布は繊維等を織らずに物理的、あるいは化学的に結合させて布状にし固定したものであり、製法は特に限定しないが、スパンボンド式不織布が好適で、織布の場合と同様に繊維の間を通して樹脂が含浸し、前記樹脂層の表層部に留まるものが好ましい。
前記裏打層4は、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂を組成とした不織布が樹脂層2に加熱溶融により積層一体化されて裏打層4が形成されるもので、目付が20〜100g/mの範囲のものがよい。裏打層が化学構造中に塩素原子を有しない繊維からなることから燃焼時に有毒ガスを発生しにくく、軽量化を行ないつつも、難燃性、施工性に優れたノンハロゲン系車輛用防水床シートを提供することができる。また、不織布の目付が20〜100g/mのであるので、施工時において防水床シートの樹脂層と床との接着性を充分確保しつつ、敷設安定性を向上する事ができる。
前記化学構造中に塩素原子を有しない樹脂を組成とした不織布としては、ポリプロピレン樹脂不織布、ポリエステル樹脂不織布、ポリエチレン樹脂不織布等が挙げられる。中でも、薄層化しうるスパンボンドタイプの不織布が好ましく、特に好適なのはポリプロピレンスパンボンド不織布がよい。
本発明の車輛用防水床シートの厚さは、0.7〜1.5mmで従来の防水床シートの厚さの1/3〜3/4である。また、シート状床材の幅についても特に限定されないが、通常600〜2,500mm程度の長尺シート状の製品形態をなす。また、表面に凹凸を付与することにより滑り止めの加工を施してもよい。
さらに、車輛に施工した時のシート同士の接合方法については、熱融着、あるいは、オレフィン用の溶接棒や接着剤で簡単に接合することができ、防水性も持たすことができる。
なお、この本発明の車輛用防水床シートの製造方法としては、特に限定されず、例えばカレンダ加工機、押出加工機等の公知の装置や、ホットラミネート加工機等の公知の積層技術を用いて積層することにより製造することができる。
次に、この発明の具体的実施例について説明する。
<実施例1>
表1に示すように、非晶性ポリオレフィン樹脂23重量部、エチレン‐プロピレンゴム(EPR)43重量部、スチレン‐エチレン‐ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)23重量部、ポリプロピレン(PP)11重量部、無機充填剤150重量部(水酸化アルミニウム50重量%、水酸化マグネシウム50重量%)、難燃剤37重量部(熱膨張性黒鉛60重量%、リン系難燃剤40重量%)からなる組成物をバンバリーミキサーで混練し、カレンダ成形機を用いてシート(樹脂層)を作成した。
前記シート(樹脂層)の下面側に補強層としてのガラス繊維クロス(目付30g/m)、及びポリプロピレンスパンポンド不織布(目付40g/m)を、ホットラミネート加工機を用いて150℃でラミネートし、厚さ1.1mm、製品重量1300g/mの車輛用防水床シートを得た。
<実施例2〜8>
各層の組成、厚さ等の条件を表1〜4に示す構成とした以外は、実施例1と同様にして車輛用防水床シートを得た。
<実施例9>
表5に示すように、前記シート(樹脂層)の上面側に厚さ50μmのポリプロピレンフィルムを積層した以外は、実施例1と同様にして車輛用防水床シートを得た。
<実施例10>
表5に示すように、前記シート(樹脂層)の上面側と下面側に補強層としてのガラス繊維クロス(目付30g/m)と厚さ50μmのポリプロピレンフィルムを積層した以外は、実施例1と同様にして車輛用防水床シートを得た。
Figure 2005161533
Figure 2005161533
Figure 2005161533
Figure 2005161533
Figure 2005161533
<比較例1>
表6に示すように、製品重量が750g/mとなるように樹脂層の厚みを0.6mmとした以外は、実施例1と同様にして車輛用防水床シートを得た。
<比較例2>
表6に示すように、補強層を積層しないで加工した以外は、実施例1と同様にして車輛用防水床シートを得た。
<比較例3>
表6に示すように、裏打層を積層しないで加工した以外は、実施例1と同様にして車輛用防水床シートを得た。
<比較例4>
表6に示すように、難燃剤として37重量部全てをリン系難燃剤とした以外は、実施例1と同様にして車輛用防水床シートを得た。
<比較例5>
表6に示すように、無機充填剤150重量部(水酸化アルミニウム20重量%、水酸化マグネシウム20重量%、炭酸カルシウム60重量%)とした以外は、実施例1と同様にして車輛用防水床シートを得た。
Figure 2005161533
<比較例6>
表7に示すように、無機充填剤を30重量部とした以外は、実施例1と同様にして車輛用防水床シートを得た。
Figure 2005161533
<比較例7>
表8に示すように、難燃剤の量を10重量部とした以外は、実施例1と同様にして車輛用防水床シートを得た。
Figure 2005161533
<比較例8>
表9に示すように、、無機充填剤を300重量部とし、難燃剤の量を20重量部とした以外は、実施例1と同様にして車輛用防水床シートを得た。
Figure 2005161533
<比較例9>
表10に示すように、実施例1より無機充填剤を30重量に減量し、難燃剤の量を150重量部に増量した以外は、実施例1と同様にして車輛用防水床シートを得た。
Figure 2005161533
上記のようにして得られた各防水床シートに対して、下記の試験を行った。これらの試験結果を表11、表12に示す。また各物性の測定方法と評価方法は以下の通りである。
Figure 2005161533
Figure 2005161533
<寸法安定性試験>
JIS A 1454による高分子系張り床材試験方法の加熱による長さ変化試験方法に準じ、各防水床シートを80℃で6時間加熱した後、室内に1時間静置し、加熱前の長さに対する寸法変化率を測定した。寸法変化率が0.5%未満のものを「◎」、0.5〜1.0%のものを「○」、1.0%を超えるものを「×」とした。
<施工性試験>
施工作業性に優れると共に下地(施工床面)への収まりが良く、巻き癖が残らないものを「◎」とし、施工作業性が悪いと共に下地(施工床面)への収まりも悪く、巻き癖が残るものを「×」とした。
<接着性試験>
JIS A 5536高分子系張り床材用接着剤による接着強さの試験方法に準じて、接着剤としてエポキシ樹脂系のものを用い、各防水床シートの90度剥離接着強度を測定した。90度剥離接着強度が、20.0N/25mm以上のものを「◎」とし、20.0N/25mm未満のものを「×」とした。
<難燃性試験>
社団法人日本鉄道車輌機械技術協会が定めた「鉄道車輌用材料の燃焼性試験及び規格」に準じた試験方法(45度傾斜、アルコール燃焼試験)により、燃焼判定基準の区分が「難燃性」であるものを「◎」とし、同「緩燃性」または「可燃性」であるものを「×」とした。
上記表11及び12から明らかなように、この発明の実施例1〜10においては、優れた寸法安定性、施工性、接着性、難燃性を持っていた。
これに対し、製品重量が本発明の規定範囲を下回って逸脱した比較例1の車輛用防水床シートは難燃性に劣っていた。また、補強層を積層しない比較例2の車輛用防水床シートは、鉄道車輌用材料の燃焼性試験において樹脂層がドリップして貫通孔が開き、難燃性に劣っていた。また、裏打層の不織布を積層しない比較例3の車輛用防水床シートは、下地との接着性に劣っていた。また、無機充填剤や難燃剤の配合量がこの発明の規定範囲を逸脱する比較例4〜9の車輛用防水床シートは、施工性、難燃性に劣っていた。
更に、実施例1の車輛用防水床シートについて、NBS燃焼試験を行った。これらの結果を表13に示す。
なお、NBS燃焼試験法とは、密閉した発煙箱の中に試料を垂直に置き、その正面にあるヒーターから輻射熱を当てながらバーナーの炎も当て有炎燃焼させ、発煙箱中に発生した煙に対して光電管により光透過率を測定し、この光透過率(T)から下記算出式に基づいて煙濃度(Ds)を算出するものである。
Ds=132log(100/T)
試験開始後4分のDs値及び最大Ds値を求めた。更に、発煙箱中のガスをガス捕集袋に採取し、検知管で分析を行った。
Figure 2005161533
表13から明らかなように、この発明の車輛用防水床シートは、燃焼時の発煙性が低く、有毒なガスもほとんど発生しないことが確認できた。
この発明の一実施形態に係る床材を示す断面図である。
符号の説明
1・・・ノンハロゲン系車輛用防水床シート
2・・・樹脂層
3・・・補強層
4・・・裏打層

Claims (5)

  1. 車輛用防水床シートにおいて、化学構造中に塩素原子を有しない樹脂成分100重量部に対して無機充填剤50〜250重量部と難燃剤20〜100重量部を含有する樹脂層と、前記樹脂層の上面及び/又は下面に積層一体化する補強層と、さらに前記樹脂層の下面側に化学構造中に塩素原子を有しない樹脂を組成とした不織布が加熱溶融により積層一体化されてなる裏打層とからなり、重量が800〜2000g/mの範囲にあるノンハロゲン系車輛用防水床シート。
  2. 前記樹脂層において無機充填剤として水酸化アルミニウム及び/又は水酸化マグネシウムが前記無機充填剤の配合量に対し50重量%以上配合されてなる請求項1に記載のノンハロゲン系車輛用防水床シート。
  3. 前記樹脂層において難燃剤として熱膨張性黒鉛が前記難燃剤の配合量に対し50重量%以上配合されてなる請求項1または2に記載のノンハロゲン系車輛用防水床シート。
  4. 前記樹脂層において化学構造中に塩素原子を有しない樹脂が、オレフィン系樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマーから選択される1種又は複数の樹脂からなり、前記補強層はガラス繊維からなる織布、または不織布である請求項1〜3のいずれかの項に記載のノンハロゲン系車輛用防水床シート。
  5. 前記裏打層を構成する不織布がポリオレフィン系樹脂繊維から選択される1種又は複数の繊維からなり、前記不織布の目付が20〜100g/mの範囲であり、加熱溶融により前記樹脂層の下面側に積層一体化されて裏打層となることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載のノンハロゲン系車輛用防水床シート。
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