JPH08337986A - 脱墨方法 - Google Patents

脱墨方法

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JPH08337986A
JPH08337986A JP8396096A JP8396096A JPH08337986A JP H08337986 A JPH08337986 A JP H08337986A JP 8396096 A JP8396096 A JP 8396096A JP 8396096 A JP8396096 A JP 8396096A JP H08337986 A JPH08337986 A JP H08337986A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 白色度が高く、且つ残インキ数の少ない高品
質の脱墨パルプが得られる脱墨方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも、原料古紙からインキを剥離
する工程と、剥離したインキをフロテーション法により
除去する工程とを含む脱墨方法において、油脂と1価又
は多価アルコールの混合物のアルキレンオキサイド付加
物、脂肪酸のアルキレンオキサイド付加物、高級アルコ
ールのアルキレンオキサイド付加物等の非イオン界面活
性剤を脱墨剤として用い、且つフロテーション時の系中
のpHを4〜9とし、フロテーション系中にベタイン、
アミンオキシド、リン脂質、蛋白質等の両性化合物を存
在させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新聞紙、チラシ、
雑誌等の古紙を脱インキして再利用するための脱墨方法
に関する。更に詳しくは、本発明は、より白色度が高く
残存インキ数の少ない優れた脱墨パルプが高収率で得ら
れる、操業性に優れる脱墨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】古紙は、脱墨処理により古紙からインキ
を剥離し、再生パルプを得て、当該再生パルプから再生
紙を製造することにより、再生される。従来の脱墨方法
は、一般的に、古紙からインキを剥離する工程と、剥離
されたインキを排出する工程からなる。より具体的に
は、脱墨方法は、その主要な工程として、(1) 古紙のパ
ルピング(離解)工程、(2) 熟成、即ち、離解された紙
をそのまま放置する工程、(3) フロテーション工程、及
び(4) 洗浄工程を含む。即ち、脱墨処理においては、古
紙繊維に結着したインキを物理的、化学的(或いは生化
学的)に剥離して、繊維からインキを分離する。このよ
うにして、再生パルプが得られる。
【0003】脱墨処理を行うにあたり、古紙からインキ
を剥離する目的で、或いは剥離したインキを付着させる
ための泡を発生させる目的で、一般的には、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテルや脂肪酸等の界面活性剤から
なる脱墨剤が、上記工程の何れかで使用される。
【0004】近年、美しく安定な印刷に対する需要の増
大や印刷技術の進展により、原料として使用される古紙
の性状が多様化してきている。加えて、インキの紙への
結合の程度が、緩やかなものから強固なものまで、多岐
に亘っている。このような状況において、脱墨パルプの
品質及び歩留り(即ち、生産性)の向上が要求されてい
る。この目的を達成するために、種々の提案が、脱墨工
程、脱墨剤、及び脱墨に用いる装置を含む、各方面から
なされている。
【0005】従来の脱墨方法においては、パルピング工
程及びフロテーション工程は、一般的にpH9超のアル
カリ性pHで行なわれ、極めて少ないケースにおいて、
pH9以下で行なわれる。パルピング工程及びフロテー
ション工程がpH9以下で行われる脱墨方法は、特開昭
54−23705号公報、同59−53532号公報、
及び米国特許第4,043,903号に開示されてい
る。具体的には、特開昭54−23705号公報は、フ
ロテーションにアルミニウム塩或いは白水を古紙懸濁液
に添加後、その懸濁液のpHをpH4〜7に調節し、次
いでその懸濁液に高分子凝集剤を添加し、フロテーショ
ンを行なうという方法を開示する。特開昭59−535
32号公報は、塩基性pHではアミンとして、酸性pH
では4級アンモニウムとしてふるまう特定のアルキルア
ミンポリエーテルが、パルピング工程、洗浄式脱インキ
工程及びフロテーション工程のそれぞれに要求される泡
特性の発現に寄与することを開示する。米国特許第4,
043,903号は、アミンのエチレンオキサイド付加
物をパルプからインキを剥離するために用い、古紙の離
解とそれからのインキの剥離は高pHにて行い、それに
よってインキをミセルに取り込ませ、次いで系のpHを
下げてミセルを壊し、それによってパルプからインキを
分離(沈澱)させ、そしてフロテーションにより、イン
キを系から取り去るという方法を開示する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
54−23705号公報に記載された方法では、起泡性
が著しく高く、そのためパルプ歩留りの低下と、フロテ
ーション工程でリジェクト(排出)される泡の量の増加
が起こる。このような泡の過剰な発生は、フロテーショ
ンでは好ましくなく、生産性及び品質の低下をもたら
す。特開昭59−53532号公報に開示されたアルキ
ルアミンポリエーテルは、従来のポリオキシエチレンア
ルキルエーテル型の脱墨剤に比べて、インキ剥離性能が
悪く、それ故、白色度の高いパルプを提供しない。ま
た、かかるアルキルアミンポリエーテルを使用してパル
プから剥離されたインキは、非常に微細な液滴の形態で
あり、フロテーション時に気泡に吸着するのにふさわし
い最適の大きさを有さない。つまり、フロテーション時
に、インキは充分に除去され得ない。米国特許第4,0
43,903号に開示の方法は、十分な脱墨を達成しな
い。その理由は必ずしも明らかではないが、アミンのエ
チレンオキサイド付加物が、インキがパルプから剥離さ
れる離解工程で脱墨剤として使用される際に、インキが
それから十分に剥離されないため、及びフロテーション
時に系のpHが低下した際に、系に分散されているかミ
セルに溶解しているインキが再びパルプに付着するため
であると考えられる。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の状況に鑑み、本発
明者らは、脱墨方法の面から鋭意研究した。その研究の
結果、本発明者らは、脱墨剤として、非イオン界面活性
剤を使用して、古紙から充分にインキを剥離し、且つ、
両性化合物の存在下に、pH4〜9でフロテーション工
程を行うことにより、白色度が高く、残インキ数の少な
い脱墨パルプが得られることを見出した。本発明は、こ
の知見に基づいて完成された。
【0008】すなわち、本発明は、少なくとも、原料古
紙からインキを剥離する工程と、剥離されたインキをフ
ロテーション系から除去する工程からなる脱墨方法であ
って、古紙からのインキ剥離のために少なくとも一種の
非イオン界面活性剤を用い、且つ、フロテーション工程
の少なくとも一部を、少なくとも一種の両性化合物の存
在下に、4〜9の範囲内のpHで行う方法を提供する。
【0009】換言すれば、本発明は、原料古紙からイン
キを剥離する工程と、剥離されたインキをフロテーショ
ン系から除去する工程からなる脱墨方法であって、古紙
からのインキ剥離のために少なくとも一種の非イオン界
面活性剤を添加すること、剥離されたインキをフロテー
ション系から除去する工程の前又は当該工程中に系のp
Hを4〜9に調節すること、及び、剥離されたインキを
フロテーション系から除去する工程の前又は当該工程中
に、少なくとも一種の両性化合物を添加する方法に関す
る。
【0010】本発明において、非イオン界面活性剤は、
下記の非イオン界面活性剤(A)〜(D)からなる群か
ら選ばれるのがよい。 非イオン界面活性剤(A):油脂とアルコールの混合物
にアルキレンオキサイドを付加して得られた反応生成物 非イオン界面活性剤(B):式:RCOO(AO)mR’
で表される化合物(式中、Rは、炭素数7〜23のアル
キル又はアルケニル基を示し、R’は、水素原子、炭素
数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル
基もしくは炭素数2〜22のアシル基を示し、AOは、
炭素数2〜4のオキシアルキレン基を示し、mは1以上
の整数である。) 非イオン界面活性剤(C):式:RO(AO)nHで表さ
れる化合物(式中、Rは、炭素数8〜24のアルキル又
はアルケニル基を示し、AOは、炭素数2〜4のオキシ
アルキレン基を示し、nは1以上の整数である。) 非イオン界面活性剤(D):多価カルボン酸もしくはそ
の酸無水物にアルキレンオキサイドを付加して得られた
反応生成物、又は、多価カルボン酸もしくはその酸無水
物とアルコールとの混合物にアルキレンオキサイドを付
加して得られた反応生成物 上記の非イオン界面活性剤中のアルキレンオキサイド付
加物において、アルキレンオキサイドの付加形態は、ブ
ロックでもランダムでも良く、あるいは、それらの混合
でもよい。
【0011】少なくとも一種の両性化合物は、フロテー
ション系に、その系のpHをpH4〜pH9の範囲内の
値に調節した後に、添加するのが望ましい。この場合、
少なくとも一種の両性化合物は、フロテーションのため
の系のpHが、そのような少なくとも一種の添加によ
り、殆ど変化しないような量で使用されるのが好まし
い。
【0012】両性化合物は、下記式(a)〜(j)で示
される化合物、リン脂質(k)、蛋白質(l)、及び下
記式(m)及び(n)で示され、カチオン性窒素含有量
が0.01〜35重量%であり、且つ、重量平均分子量が2,00
0 〜3,000,000 である両性ポリマーからなる群から選ば
れるのが好ましい。
【0013】
【化4】
【0014】式(a)〜(j)において、R1 、R2
びR3 は、互いに同一又は相異なって、それぞれ、炭素
数1〜24のアルキル基又は炭素数2〜24のアルケニ
ル基であり、R4 は、炭素数8〜36のアルキル、アル
ケニル又はβ−ヒドロキシアルキル基であり、Mは、水
素原子、アルカリ金属原子、1/2モルのアルカリ土類
金属原子又はアンモニウム基であり、Y1は、式:R5
HCH2CH2−(ここで、R5 は、炭素数1〜36のア
ルキル基、又は、炭素数2〜36のアルケニルもしくは
ヒドロキシアルキル基である)で表される基であり、Y
2 は、水素原子又は式:R5NHCH2CH2−(ここ
で、R5は前記定義の通りである)で表される基であ
り、Z1は、−CH2COOM(ここで、Mは前記定義の
通りである)で表される基であり、Z2は、水素原子又
は式:−CH2COOM(ここで、Mは前記定義の通り
である)で表される基である。
【0015】
【化5】
【0016】式(m)及び(n)において、R1 、R2
及びR3 は、互いに同一又は相異なって、それぞれ、水
素原子、炭素数1〜24のアルキル基又は炭素数2〜2
4のアルケニル基であり、R4 及びR5 は、互いに同一
又は相異なって、それぞれ、水素原子又はメチル基であ
り、Mは、水素原子、アルカリ金属原子、1/2モルの
アルカリ土類金属原子又はアンモニウム基であり、X-
は対イオンであり、Yは、O又はNHであり、pは、1
〜10の整数であり、m及びnは、それぞれ、ポリマー
の重量平均分子量が2,000 〜3,000,000 の範囲内の値と
なるような正数である。
【0017】本発明は、更に、少なくとも、原料古紙か
らインキを剥離する工程と、フロテーションにより、そ
れから剥離されたインキを除去する工程からなる脱墨方
法であって、上記非イオン界面活性剤(A)〜(D)か
ら選ばれた一種又は二種以上の脱墨剤を用い、フロテー
ションの間、系のpHを4〜9に調節し、且つ、フロテ
ーションの間、系中に両性化合物を存在させることを特
徴とするものを包含する。この場合、両性化合物は、下
記式(a)〜(j)で表されるもの、リン脂質(k)及
び蛋白質(l)からなる群から選ばれた一又はそれ以上
の化合物であることが好ましい。
【0018】前述のように特開昭54−23705号公
報が開示した方法によると、脱墨処理において、フロテ
ーション時に起泡性の増大が認められる。本発明者らの
研究の結果、上記現象はポリアクリルアミド(PAM)
のような非イオン性或いはアニオン性の高分子凝集剤
を、フロテーションにおいて、系のアルミニウムイオン
濃度が高い条件下で使用することによって生ずることが
確認された。対象的に、非イオン界面活性剤を脱墨剤と
して用い、且つ、フロテーションは、pH4〜9で両性
化合物の存在下に行う本発明の脱墨方法は、高品質の脱
墨パルプを歩留り良く得られるという顕著な効果を奏す
る。非イオン界面活性剤の使用により、インキが古紙繊
維から十分に剥離され、且つ剥離されたインキを両性化
合物の存在下、pH4〜9でのフロテーションで効率的
に除去され捕集されるので、本発明によって上記効果が
達成され得ると考えられる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の脱墨方法は、少なくと
も、古紙からのインキの剥離工程と、剥離されたインキ
のフロテーション系からの除去工程からなる。まず本発
明において、脱墨剤として使用される非イオン界面活性
剤について説明する。
【0020】<非イオン界面活性剤(A):油脂とアル
コールの混合物にアルキレンオキサイドを付加して得ら
れた反応生成物>非イオン界面活性剤(A)は、油脂
と、1価又は多価アルコールとの混合物のアルキレンオ
キサイド付加物である。アルキレンオキサイドは、上記
混合物に、当該混合物1モルあたり、平均で5〜300
モル、好ましくは20〜150モルの量で付加される。
アルキレンオキサイドの例としては、エチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドが挙げ
られ、それらは、単独でも、それらの二種以上の混合物
の形で用いてもよい。
【0021】アルコールに対する油脂の混合割合は、1
/0.1〜1/6が好ましく、1/0.3〜1/3が特
に好ましい。この比が上記範囲内であると、インキの剥
離が十分に行われるため、見栄えの良い再生パルプが得
られる。
【0022】非イオン界面活性剤(A)の原料としての
油脂の例としては、椰子油、パーム油、オリーブ油、大
豆油、菜種油、アマニ油等の植物油、豚脂、牛脂、骨油
等の動物油、魚油、これらの硬化油及び半硬化油、及
び、これら油脂の精製工程で得られた回収油が挙げられ
る。
【0023】非イオン界面活性剤(A)の原料としての
1価アルコールの例としては、炭素数8〜24のアルキ
ル又はアルケニル部分を有するもの、及び、そのアルキ
ル部分が炭素数6〜14であるアルキルフェニル部分を
有するものが挙げられる。その具体例としては、1−オ
クタノール、1−ノナノール、1−デカノール、1−ウ
ンデカノール、1−ドデカノール、1−トリデカノー
ル、1−テトラデカノール、1−ペンタデカノール、1
−ヘキサデカノール、1−ヘプタデカノール、1−オク
タデカノール、1−ノナデカノール、1−エイコサノー
ル、1−ヘンエイコサノール、1−ドコサノール、1−
トリコサノール、1−テトラコサノール、2−オクタノ
ール、2−ノナノール、2−デカノール、2−ウンデカ
ノール、2−ドデカノール、2−トリデカノール、2−
テトラデカノール、2−ペンタデカノール、2−ヘキサ
デカノール、2−ヘプタデカノール、2−オクタデカノ
ール、2−ノナデカノール、2−エイコサノール、2−
オクテン−1−オール、2−ドデセン−1−オール、2
−ウンデセン−1−オール、2−テトラデセン−1−オ
ール、2−ペンタデセン−1−オール、2−ヘキサデセ
ン−1−オール、2−オクタデセン−1−オール、8−
ノネン−1−オール、10−ウンデセン−1−オール、
11−ドデセン−1−オール、12−トリデセン−1−
オール、15−ヘキサデセン−1−オール、オレイルア
ルコール、エライジルアルコール、リノレイルアルコー
ル、リノレニルアルコール、エレオステアリルアルコー
ル、リシノイルアルコール、シクロノナノール、シクロ
デカノール、シクロウンデカノール、シクロドデカノー
ル、シクロトリデカノール、シクロテトラデカノール、
シクロペンタデカノール、シクロヘキサデカノール、シ
クロヘプタデカノール、シクロオクタデカノール、シク
ロノナデカノール、シクロコサノール、オクチルフェノ
ール及びノニルフェノールを挙げることができる。
【0024】非イオン界面活性剤(A)の原料としての
多価アルコールの例としては、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、トリメチレングリコール、ブチレ
ングリコール、1,6−ヘキサングリコール、2−エチ
ルブタン−1,2,3−トリオール、グリセリン、トリ
メチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,
4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオー
ル、1,1,1−トリメチロールヘキサン、テトラメチ
ロールシクロヘキサノール、ジグリセリン、マンニタ
ン、ペンタエリトリット、エリトリット、アラビット、
ソルビット、D−グリセロ−D−ガラクトヘプトース、
D−グリセロ−D−グルコヘプトース、D−グリセロ−
D−マンノヘプトース、D−グリセロ−L−マンノヘプ
トース、D−アルトロヘプツロース、D−マンノヘプツ
ロース、D−アルトロ−3−ヘプツロース、D−グリセ
ロ−D−ガラヘプチトール、D−エリスロ−D−ガラオ
クチトール、D−グリセロ−D−マンノオクツロース、
D−エリスロ−L−グロノヌロース、セロビオース、マ
ルトース、ラクトース、ゲンチアノース、セロトリオー
ス及びスタキオースが挙げられる。
【0025】<非イオン界面活性剤(B):式:RCO
O(AO)mR’で表される化合物>上記式中、Rは、炭
素数7〜23のアルキル又はアルケニル基を示し、R’
は、水素原子、炭素数1〜 22のアルキル基、炭素数
2〜22のアルケニル基もしくは炭素数2〜22のアシ
ル基を示し、AOは、炭素数2〜4のオキシアルキレン
基を示し、mは1以上の整数である。Rの定義中のアル
キル又はアルケニル基の炭素数が7〜23であると、非
イオン界面活性剤(B)は、優れたインキ捕集能と、優
れたインキ剥離性能を示し、それにより、高白色度で見
栄えの良い再生パルプを提供する。
【0026】R’の定義中のアルキル、アルケニル又は
アシル基の炭素数が22以下であると、非イオン界面活
性剤(B)は、セルロースからの優れたインキ剥離性能
を示し、それにより、見栄えの良い再生パルプを提供
し、且つ、適切な気泡性を示し、それにより、優れた生
産性を達成する。
【0027】非イオン界面活性剤(B)は、従来の方法
で、脂肪酸にアルキレンオキサイドを付加し、必要に応
じてエステル化或いはアシル化されて製造される。アル
キレンオキサイドは、脂肪酸に、脂肪酸1モルあたり、
平均で5〜300モル、好ましくは10〜150モルの
量で付加される。即ち、非イオン界面活性剤(B)は、
通常は、それぞれが上記式:RCOO(AO)mR’で示
される化合物からなる反応生成物混合物である。アルキ
レンオキサイドの例としては、非イオン界面活性剤
(A)に関連した上記説明において記載されたものを挙
げることができる。非イオン界面活性剤(B)の製造に
おいては、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイド
を、プロピレンオキサイドに対するエチレンオキサイド
のモル比が1/5〜5/1で用いるのが好ましい。
【0028】非イオン界面活性剤(B)を製造するため
に用いられる脂肪酸の例としては、Rに相当するアルキ
ル又はアルケニル部分の炭素数が7〜23のものが挙げ
られ、その具体例としては、カプリル酸、ペラルゴン
酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカ
ン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、
マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライジン
酸、リノール酸、リノレイン酸、ステアロール酸、リシ
ノール酸、リシノエライジン酸、ノナデカン酸、アラキ
ジン酸、ヘンエイコサン酸、ベヘン酸、ブラシジン酸、
エルカ酸、トリコサン酸、テトラコサン酸、椰子油脂肪
酸、牛脂脂肪酸、パーム油脂肪酸、トール油脂肪酸、な
たね油脂肪酸及び魚油脂肪酸を挙げることができる。非
イオン界面活性剤(B)の中で、Rで示されるアルキル
又はアルケニル基の炭素数が11〜23のものが好まし
い。
【0029】<非イオン界面活性剤(C):式:RO
(AO)nHで表される化合物>上記式中、Rは、炭素数
8〜24のアルキル又はアルケニル基を示し、AOは、
炭素数2〜4のオキシアルキレン基を示し、nは1以上
の整数である。Rの定義中のアルキル又はアルケニル基
の炭素数が8〜24であると、非イオン界面活性剤
(C)は、優れたセルロースからのインキ剥離能を示
し、それ故、高白色度で見栄えの良い再生パルプを提供
する。
【0030】非イオン界面活性剤(C)は、従来の方法
で、1価アルコールにアルキレンオキサイドを付加して
製造される。アルキレンオキサイドは、1価アルコール
に、1価アルコール1モルあたり、平均で、5〜300
モル、好ましくは7〜150モルの量で付加される。即
ち、非イオン界面活性剤(C)は、通常は、それぞれが
上記式:RO(AO)mHで示される化合物からなる反応
生成物混合物である。アルキレンオキサイドの例として
は、非イオン界面活性剤(A)に関連した上記説明にお
いて記載されたものを挙げることができる。非イオン界
面活性剤(C)の製造においては、エチレンオキサイド
とプロピレンオキサイドを、プロピレンオキサイドに対
するエチレンオキサイドのモル比が1/5〜5/1で用
いるのが好ましい。
【0031】非イオン界面活性剤(C)を製造するため
に用いられる1価アルコールの例としては、炭素数8〜
24のアルキル又はアルケニル部分を有するもの、及
び、そのアルキル部分が炭素数6〜14であるアルキル
フェニル部分を有するものが挙げられる。その具体例と
しては、非イオン界面活性剤(A)に関連した上記説明
において記載されたものを挙げることができる。非イオ
ン界面活性剤(C)の中で、Rで示されるアルキル又は
アルケニル基の炭素数が14〜24のものが好ましい。
【0032】<非イオン界面活性剤(D):多価カルボ
ン酸もしくはその酸無水物に、アルキレンオキサイドを
付加して得られた反応生成物、又は、多価カルボン酸も
しくはその酸無水物とアルコールとの混合物に、アルキ
レンオキサイドを付加して得られた反応生成物>非イオ
ン界面活性剤(D)の原料としての多価(又は多塩基
性)カルボン酸及びその酸無水物の例としては、シュウ
酸、マロン酸、コハク酸、メチルコハク酸、マレイン
酸、グルタル酸、アジピン酸、フタル酸、フマル酸、イ
タコン酸、リンゴ酸、酒石酸、マレイン化オレイン酸、
クエン酸、過クエン酸、トリメリット酸、ブタンテトラ
カルボン酸、ピロメリット酸、テトラデカンヘキサカル
ボン酸、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水シュウ
酸、無水イタコン酸、無水グルタル酸、無水フタル酸、
無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸及び無水ステ
アリルコハク酸が挙げられる。
【0033】更に炭素数14〜22の高級脂肪酸のダイ
マー酸及びポリマー酸も、多価カルボン酸の範疇に含ま
れる。ここで言うダイマー酸及びポリマー酸は、例えば
オレイン酸、リノール酸、リノレイン酸といった不飽和
脂肪酸モノマー等のモノオレフィンカルボン酸又はジオ
レフィンカルボン酸を、ディールス・アルダー反応のよ
うな熱重合あるいは他の方法に供するという方法によっ
て合成され得る。ここで言うポリマー酸とは、一分子内
にカルボキシル基を3個又はそれ以上有するポリカルボ
ン酸であり、ダイマー酸を含まない。ここで用いるダイ
マー酸又はポリマー酸は、それと未反応のモノマー酸と
の混合物であってもよい。即ち、本発明の効果が損なわ
れない範囲内であれば、未反応のモノマー酸があっても
構わない。
【0034】非イオン界面活性剤(D)の原料としての
アルコールの例としては、1価アルコール及び多価アル
コールが挙げられ、その具体例としては、非イオン界面
活性剤(A)に関連した上記説明において記載されたも
のを挙げることができる。
【0035】多価カルボン酸又はその酸無水物(I)と
アルコール(II)を用いた非イオン界面活性剤(D)の
製造において、化合物(I)及び(II)は、(II)に対
する(I)のモル比が1/0.02〜5、特には1/
0.1〜3で用いられるのが好ましい。そのモル比がこ
の範囲内であると、上記非イオン界面活性剤(D)は、
微細インキ液滴を効率よく捕集することができ、且つ、
捕集されたインキ液滴は、フロテーションにおいて、系
から効率よく除去される。
【0036】非イオン界面活性剤は、脱墨方法のいずれ
の工程へ添加してもよい。しかし、通常は、パルピング
工程に添加される。その添加量は特には限定されない。
本発明のこれらの非イオン界面活性剤以外の脱墨剤のみ
では、充分なインキ剥離効果が達成されない。上記非イ
オン界面活性剤(A)〜(D)以外の公知の脱墨剤を、
それと組合わせて用いることはできる。
【0037】脱墨方法の一つとしてのフロテーション法
は、パルプ/水スラリーを物理的手段、化学的手段等の
適当な手段により発泡させ、インキ液滴を浮上した気泡
に付着させて排出することにより、インキをパルプから
分離することに特徴がある。本発明の脱墨方法では、フ
ロテーション工程の少なくとも一部を、4〜9、好まし
くは6〜8の範囲内のpHにて行なえばよい。従って、
パルプ/水スラリーのpHを、フロテーション前の何れ
かの工程で4〜9の範囲内に調節してもよい。
【0038】フロテーションの前の工程は、一般的には
塩基性pHにて行われる。それ故、本発明では、適当な
酸或いは酸の水溶液を、フロテーション前又はフロテー
ション中のパルプ/水スラリーに添加して、そのスラリ
ーのpHを、上記範囲内の値とする。酸の添加方法は、
特に限定されず、フロテーション前又はフロテーション
中のスラリーに注入される水に酸或いは酸の水溶液を添
加してもよい。スラリーのpHを調節するために用いら
れる酸の例としては、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸、そ
の塩、及び、酢酸、蟻酸、クエン酸等の有機酸が挙げら
れる。スラリーのpHを調節する方法は、酸を使用する
ものに限定されない。フロテーション工程の少なくとも
一部において、スラリーのpHが上記範囲内の値である
と、再生パルプの白色度の上昇、再生紙における残イン
キ数の減少及び歩留りの上昇が達成される。更に、装置
やパルプ繊維自体が、スラリーの性質による悪影響を受
けない。
【0039】本発明の脱墨方法は、フロテーション時の
系中に、両性化合物を存在させるという特徴をも有す
る。ここにおける両性化合物は、フロテーションにおい
て、pH4〜9で、カチオン性の基を有するものであ
る。両性化合物の例としては、ベタイン、アミンオキサ
イド、リン脂質、蛋白質及び両性ポリマーが挙げられ
る。特に、前記式(a)〜(j)で表される化合物、リ
ン脂質(k)、蛋白質(l)及び、前記式(m)及び
(n)で示され、カチオン性窒素含有量が0.01〜35重量
%であり、且つ、重量平均分子量が2,000 〜3,000,000
であるポリマーが好ましい。更に、それぞれ、重量平均
分子量が2,000 〜3,000,000 、望ましくは10,000〜1,00
0,000 であり、且つ、0.01〜35重量%、望ましくは0.01
〜10重量%、更に望ましくは 0.1〜5重量%のカチオン
性窒素を含有する蛋白質(l3)は、更に好ましい。
【0040】前記(a)〜(j)の各式において、
1 、R2 及びR3 の定義中のアルキル基及びアルケニ
ル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ラウリル基、ミル
スチル基、セチル基、ステアリル基、ベヘニル基、オレ
イル基、リノレイル基、イソプロピル基及びイソブチル
基が挙げられる。R4 の定義中の基の例としては、オク
チル基、ラウリル基、ミルスチル基、セチル基、ステア
リル基、ベヘニル基、ヘキサコシル基、ヘキサトリアコ
ンチル基、オレイル基及びリノレニル基が挙げられる。
5 の定義中の基の例としては、メチル基、エチル基、
プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、イソ
プロピル基、イソブチル基、ラウリル基、ミルスチル
基、セチル基、ステアリル基、ベヘニル基、ヘキサコシ
ル基、ヘキサトリアコンチル基、オレイル基及びリノレ
イル基が挙げられる。
【0041】リン脂質(k)の例としては、ホスファチ
ジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、スフィ
ンゴミエリン、ホスファチジルセリン及びリゾレシチン
が挙げられる。更に、蛋白質(l)の例としては、例え
ば大豆蛋白質や乳蛋白質といった天然物に由来する天然
蛋白質、天然蛋白質の部分加水分解物、及び天然蛋白質
の変性物が挙げられる。分子量、蛋白質を構成する原子
の種類、変性の程度等は、限定されない。
【0042】前記式(a)〜(j)で表される両性化合
物、リン脂質(k)及び蛋白質(l)の中では、リン脂
質(k)、蛋白質(l)及び、式(a)〜(j)で表さ
れ、式中、R1 、R2 及びR3 は、互いに同一又は相異
なって、それぞれ、炭素数1〜24のアルキル基であ
り、R4 は、炭素数8〜36のアルキル、アルケニル又
はβ−ヒドロキシアルキル基であり、Mは、水素原子、
アルカリ金属原子、1/2モルのアルカリ土類金属原子
又はアンモニウム基であり、Y1は、式:R5NHCH2
CH2−(ここで、R5 は、炭素数8〜36のアルキ
ル、アルケニル又はβ−ヒドロキシアルキル基である)
で表される基であり、Y2 は、水素原子又は式:R5
HCH2CH2−(ここで、R5は前記定義の通りであ
る)で表される基であり、Z1は、−CH2COOM(こ
こで、Mは前記定義の通りである)で表される基であ
り、Z2は、水素原子又は式:−CH2COOM(ここ
で、Mは前記定義の通りである)で表される基であるも
のが好ましい。
【0043】蛋白質以外の両性ポリマーであり、且つ、
式(m)及び(n)で表されるものは、それぞれ、重量
平均分子量が2,000 〜3,000,000 、好ましくは10,000〜
1,000,000 であり、且つ、0.01〜35重量%、好ましくは
0.01〜10重量%、更に好ましくは 0.1〜5重量%のカチ
オン性窒素を含有する。カチオン性窒素含有量は、例え
ば、ポリマーの窒素含有量(%)をケルダール法によっ
て求め、その求められた窒素含有量(%)に、ポリマー
の分子式から算出された総窒素に対するカチオン性窒素
の割合を掛けることによって決められる。
【0044】上記両性ポリマーの例としては、ポリビニ
ルベタイン、マンニッヒ反応で部分的に修飾されたアク
リル酸/アクリルアミドコポリマー、及び、アクリル酸
のジアルキルアミノアルキルエステル/スルホン化スチ
レンコポリマーが挙げられる。
【0045】前記(m)及び(n)の各式において、R
1 、R2 及びR3 の定義中のアルキル基及びアルケニル
基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基、ヘキシル基、オクチル基、ラウリル基、ミルス
チル基、セチル基、ステアリル基、ベヘニル基、オレイ
ル基、リノレイル基、イソプロピル基及びイソブチル基
が挙げられる。R1 、R2 及びR3 は、互いに同一で
も、相異なっていても良い。
【0046】両性化合物は、フロテーションにおいて、
古紙の重量(即ち、古紙の絶乾重量)を基準として、0.
001 〜5.0 重量%、好ましくは0.01〜1.0 重量%の量で
使用される。上記の選択された少なくとも一種が、フロ
テーションの際、系中、即ちスラリー中に、上記の量で
存在すれば、インキを効率よく系外に除去することがで
きる。
【0047】本発明では、フロテーションの少なくとも
一工程において、パルプ/水スラリーが、両性化合物を
含有する必要がある。それ故、両性化合物は、その工程
がフロテーション後に行われる工程でない限り、脱墨方
法のいずれの工程で添加されてもよい。それは、フロテ
ーション前の一工程、例えば、離解工程又は漂白工程、
で添加されてもよいし、又は、フロテーション直前ある
いはフロテーション中(例えば、フロテーション工程初
期)に添加されてもよい。好ましくは両性化合物を、フ
ロテーション直前あるいはフロテーション中であって、
スラリーのpHを4〜9の範囲内の値に調節した後、ス
ラリーに添加するのがよい。この場合、両性化合物は、
フロテーションのための系のpHが、その添加によって
殆ど変化しない量で使用されるのがよい。「フロテーシ
ョンのための系のpHが、殆ど変化しない」とは、pH
測定において、系のpH変化が、認められないか、ある
いは、小数点以下第二位でのみ認められることをいう。
その添加により、「フロテーションのための系のpH
が、殆ど変化しない」カチオン性化合物の量とは、例え
ば古紙の重量(即ち、古紙の絶乾重量)を基準にして
0.01〜1.0重量%である。
【0048】例えばフロテーション系が循環される場合
には、フロテーション工程は、二以上の工程からなって
いてもよい。そのような場合、系のpHは、少なくとも
一のフロテーション工程において、4〜9の範囲内の値
に調節されねばならない。系のpHは、フロテーション
の複数の工程中、洗浄工程の直前の工程において、上記
の如く調節されるのが好ましい。両性化合物も、フロテ
ーションの少なくとも一工程において、pH4〜9の系
中に存在させられねばならない。
【0049】本発明の脱墨方法においては、フロテーシ
ョン時の系、即ちスラリーのカルシウムイオン濃度は、
特には限定されない。しかし、より高品質の再生パルプ
を得るためには、フロテーション時の系のカルシウムイ
オン濃度を、10〜400ppm、特には100〜25
0ppmの範囲内の値に調節することが好ましい。カル
シウムイオン濃度が上記範囲内であると、微細インキ液
滴が互いに選択的に凝集され得、フロテーションリジェ
クトに最適な大きさのインキ液滴が得られる。それ故、
インキはフロテーションによって容易に除去され、より
白色度が高く、より残インキ数の少ない再生パルプが得
られる。
【0050】系のカルシウムイオン濃度の調節のために
は、塩化カルシウム、炭酸カルシウム等の無機カルシウ
ム塩や、石灰等の鉱物を用いることができる。更に、動
物の骨や貝殻等を、カルシウムイオン源として用いても
よい。その場合、動物の骨等は、酸と反応させられて、
イオン化される。フロテーションにおける系のカルシウ
ムイオン濃度は、上記範囲内の値に調節されることが好
ましいが、フロテーション工程以外のいずれかの工程に
おける系のカルシウムイオン濃度は、特に限定されな
い。それ故、系のカルシウムイオン濃度は、インキ剥離
に影響を及ぼさない限り、フロテーション工程以前の何
れかの工程(パルピング工程等)で調節されてもよい。
【0051】本発明の脱墨方法においては、フロテーシ
ョンの系のアルミニウムイオン濃度は、望ましくは40
ppm以下、特には25ppm以下に調節される。系の
アルミニウムイオン濃度の調節のためには、フロテーシ
ョンで用いる水の種類及び量を考慮することが好まし
い。例えば、抄紙時に発生した白水及び/又は水道水
が、適当量用いられる。フロテーションにおける系のア
ルミニウムイオン濃度が上記のように調節されると、再
生パルプの白色度の向上と、再生紙の残インキ数の低減
の両者が達成されると共に、パルプ歩留りが高められ
る。フロテーションにおける系のアルミニウムイオン濃
度は、上記範囲内の値に調節されることが好ましいが、
フロテーション工程以外のいずれかの工程における系の
アルミニウムイオン濃度は、特に限定されない。それ
故、系のアルミニウムイオン濃度は、インキ剥離に影響
を及ぼさない限り、フロテーション工程以前の何れかの
工程(パルピング工程等)で調節されてもよい。
【0052】上記の本発明の脱墨方法は、非イオン界面
活性剤(A)〜(D)のうちの少なくとも一種を用いる
ことと、フロテーション工程の少なくとも一部を、両性
化合物の存在下、4〜9の範囲内のpHにて行うことを
特徴とし、且つ、少なくとも、インキを古紙から剥離す
る工程と、フロテーション系から剥離されたインキを除
去する工程からなる。その他の工程は、従来の脱墨方法
に準じて行なうことができる。即ち、脱墨方法は、その
主たる工程として、離解(又はパルピング)工程、熟成
工程、(必要に応じてニーディング工程)、フロテーシ
ョン工程及び洗浄工程を含んでもよい。脱墨方法は、必
要であれば、更に他の工程を含んでいてもよい。各工程
は、二回以上行われてもよい。
【0053】本発明によれば、原料古紙から、より白色
度が高く、且つ残インキ数が少ない脱墨パルプが得ら
る。それ故、苛性ソーダ、珪酸ソーダ、過酸化水素、キ
レート剤等の漂白薬品は、ほんの少量必要とされるだけ
で、且つ、パルプ歩留りが向上するので、脱墨パルプの
製造コストの削減が可能となる。
【0054】本発明の脱墨方法が、そのような優れた脱
墨効果を示すメカニズムは、必ずしも明らかではない
が、次のように考えられる。即ち、脱墨剤として非イオ
ン界面活性剤を使用することにより、インキがパルプか
ら十分に剥離され、更に、フロテーション前又はフロテ
ーション中の系のpHの低下が、パルプとインキの界面
の状況に変化をもたらし、存在する両性化合物のインキ
への優先的吸着を引き起こし、両性化合物同士のそれら
の疎水性部分における結合により、インキを凝集させ
る。この場合、系中における非イオン界面活性剤の存在
は、インキのパルプへの再吸着を防ぐ。非イオン界面活
性剤が系中に存在しないと、両性化合物は、インキとパ
ルプの両者に吸着し、それが、インキのパルプへの再吸
着を引き起こす。とにかく、本発明の脱墨方法において
は、(1)非イオン界面活性剤が脱墨剤として使用され
ること、(2)上記非イオン界面活性剤の存在下におい
て、系のpHを低い値に調節すること、及び(3)両性
化合物の存在下において、インキの凝集を行うことが必
須である。
【0055】
【実施例】以下実施例により本発明をより詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0056】<両性化合物>下記実施例1〜16で用い
た両性化合物を下記表1〜12に示す。表1〜12にお
いて、R1 〜R4 の欄中の各数値は、置換基としての直
鎖アルキル基の炭素数を意味し、"18 F1" 、"18 Hyd"及
び"12 Hyd"は、それぞれ、オレイル基、β−ヒドロキシ
ステアリル基及びβ−ヒドロキシラウリル基を示す。更
に、下記実施例において、 "EO" 及び "PO" は、そ
れぞれ、オキシエチレン基及びオキシプロピレン基を示
し、下付きの数字は、エチレンオキサイド又はプロピレ
ンオキサイドの平均付加モル数を示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
【表4】
【0061】
【表5】
【0062】
【表6】
【0063】
【表7】
【0064】
【表8】
【0065】
【表9】
【0066】
【表10】
【0067】
【表11】
【0068】
【表12】
【0069】実施例1 市中回収された古紙(新聞紙/チラシ=75/25)を
細断(2×5cm)した。その一定量を卓上離解機に入
れた。次いで、その中に、温水、1重量%の(対原料)
苛性ソーダ、3重量%(対原料)の珪酸ソーダ、3重量
%(対原料)の30重量%過酸化水素水、及び、0.2
重量%(対原料)の脱墨剤としてのステアリルアルコー
ルのEO10/PO10ブロック付加物を加え、混合物を調
製した。当該混合物中の古紙を、40℃で10分間離解
し、パルプ濃度5重量%のパルプスラリーを調製した。
得られたパルプスラリーを、40℃に60分間保持し、
次いで、温水をそのパルプスラリーに加えた。このよう
にして、パルプ濃度が1重量%のパルプスラリーを調製
した。塩酸を当該パルプスラリーに加え、そのpHを、
表13に示す値にした。当該パルプスラリーに、表1〜
3と、表13に示す両性化合物を、表13に示す量で更
に添加した。両性化合物の添加により、得られたパルプ
スラリーのpHは、殆ど変わらなかった。得られたパル
プスラリー(フロテーション前)からサンプリングした
後、パルプスラリーを、40℃にて10分間のフロテー
ション処理に供し、パルプスラリー(フロテーション
後)を調製した。
【0070】パルプスラリー(フロテーション前)及び
パルプスラリー(フロテーション後)から調製されたパ
ルプシートの白色度を測定した。パルプスラリー(フロ
テーション後)から得たパルプシートの残インキ面積率
も測定した。具体的には、硫酸アルミニウムを、パルプ
スラリー(フロテーション前)とパルプスラリー(フロ
テーション後)のそれぞれに添加し、そのpHを5に
し、そして、得られたパルプスラリーを、それぞれ、タ
ッピ標準シートマシンで処理し、パルプシートとした。
このようにして得られたパルプシートを、通風乾燥し
た。得られたパルプシートの白色度を、測色色差計にて
測定し、また、パルプスラリー(フロテーション後)か
ら得られたパルプシートの残インキ面積率を、画像解析
装置(倍率:×100)を用いて測定した。パルプシー
トの白色度における1%の向上、及び、その残インキ面
積率における0.1%の低下は、目視において、パルプ
シートの品質が充分に向上したとして認識され得る。
【0071】フロテーション時のパルプ歩留りは、フロ
テーション前のパルプスラリーに含まれていたパルプの
絶乾重量と、フロテーションリジェクトに含まれていた
パルプの絶乾重量[即ち、[(フロテーション前のパル
プスラリーに含まれていたパルプの絶乾重量)−(フロ
テーションリジェクトに含まれていたパルプの絶乾重
量)]×100/(フロテーション前のパルプスラリー
に含まれていたパルプの絶乾重量)]から求めた。その
結果を表13に示す。
【0072】
【表13】
【0073】注)両性化合物の量は、古紙重量(即ち、
古紙絶乾重量)を基準とした重量%で示されている。同
様のことが、下記実施例2〜16に適用される。
【0074】上記試験において、試験番号1は、従来の
工業的脱墨方法と同じ方法で行われている。フロテーシ
ョンを、両性化合物の存在下、特定のpHにて行う試験
番号8〜25の方法(本発明の方法)に従えば、試験番
号1〜7の方法(比較方法)と比べて、フロテーション
におけるインキの選択的な除去により、再生紙の白色度
の向上、再生紙の残インキ数の低減及びパルプ歩留りの
アップの達成が期待され得る。
【0075】実施例2 表1及び14に示される両性化合物を用いて、実施例1
に記載された方法に準じて、脱墨試験を行なった。その
結果を表14に示す。
【0076】
【表14】
【0077】フロテーションを、表1に示す両性化合物
の存在下、特定のpHにて行う試験番号28〜32の方
法(本発明の方法)に従えば、試験番号26及び27の
方法(比較方法)と比べて、再生紙の白色度の向上、再
生紙の残インキ数の低減及びパルプ歩留りのアップの達
成が期待され得る。
【0078】実施例3 表2及び15に示される両性化合物を用いて、実施例1
に記載された方法に準じて、脱墨試験を行なった。その
結果を表15に示す。
【0079】
【表15】
【0080】フロテーションを、表2に示す両性化合物
の存在下、特定のpHにて行う試験番号35〜39の方
法(本発明の方法)に従えば、試験番号33及び 34
の方法(比較方法)と比べて、再生紙の白色度の向上、
再生紙の残インキ数の低減及びパルプ歩留りのアップの
達成が期待され得る。
【0081】実施例4 表3及び16に示される両性化合物を用いて、実施例1
に記載された方法に準じて、脱墨試験を行なった。本実
施例では、脱墨剤として、ステアリン酸のEO 20付加物
を用いた。その結果を表16に示す。
【0082】
【表16】
【0083】フロテーションを、表3に示す両性化合物
の存在下、特定のpHにて行う試験番号42〜44の方
法(本発明の方法)に従えば、試験番号40及び41の
方法(比較方法)と比べて、再生紙の白色度の向上、再
生紙の残インキ数の低減及びパルプ歩留りのアップの達
成が期待され得る。
【0084】実施例5 表4及び17に示される両性化合物を用いて、実施例1
に記載された方法に準じて、脱墨試験を行なった。本実
施例では、脱墨剤として、牛脂/グリセリン(モルで
1:1)混合物のEO60付加物を用いた。その結果を表
17に示す。
【0085】
【表17】
【0086】フロテーションを、表4に示す両性化合物
の存在下、特定のpHにて行う試験番号47〜51の方
法(本発明の方法)に従えば、試験番号45及び46の
方法(比較方法)と比べて、再生紙の白色度の向上、再
生紙の残インキ数の低減及びパルプ歩留りのアップの達
成が期待され得る。
【0087】実施例6 表5及び18に示される両性化合物を用いて、実施例1
に記載された方法に準じて、脱墨試験を行なった。その
結果を表18に示す。
【0088】
【表18】
【0089】フロテーションを、表5に示す両性化合物
の存在下、特定のpHにて行う試験番号54〜58の方
法(本発明の方法)に従えば、試験番号52及び53の
方法(比較方法)と比べて、再生紙の白色度の向上、再
生紙の残インキ数の低減及びパルプ歩留りのアップの達
成が期待され得る。
【0090】実施例7 表6及び19に示される両性化合物を用いて、実施例1
に記載された方法に準じて、脱墨試験を行なった。その
結果を表19に示す。
【0091】
【表19】
【0092】フロテーションを、表6に示す両性化合物
の存在下、特定のpHにて行う試験番号61〜65の方
法(本発明の方法)に従えば、試験番号59及び60の
方法(比較方法)と比べて、再生紙の白色度の向上、再
生紙の残インキ数の低減及びパルプ歩留りのアップの達
成が期待され得る。
【0093】実施例8 表7及び20に示される両性化合物を用いて、実施例1
に記載された方法に準じて、脱墨試験を行なった。その
結果を表20に示す。
【0094】
【表20】
【0095】フロテーションを、表7に示す両性化合物
の存在下、特定のpHにて行う試験番号68〜72の方
法(本発明の方法)に従えば、試験番号66及び67の
方法(比較方法)と比べて、再生紙の白色度の向上、再
生紙の残インキ数の低減及びパルプ歩留りのアップの達
成が期待され得る。
【0096】実施例9 表8及び21に示される両性化合物を用いて、実施例1
に記載された方法に準じて、脱墨試験を行なった。その
結果を表21に示す。
【0097】
【表21】
【0098】フロテーションを、表8に示す両性化合物
の存在下、特定のpHにて行う試験番号75〜79の方
法(本発明の方法)に従えば、試験番号73及び74の
方法(比較方法)と比べて、再生紙の白色度の向上、再
生紙の残インキ数の低減及びパルプ歩留りのアップの達
成が期待され得る。
【0099】実施例10 表9及び22に示される両性化合物を用いて、実施例1
に記載された方法に準じて、脱墨試験を行なった。その
結果を表22に示す。
【0100】
【表22】
【0101】フロテーションを、表9に示す両性化合物
の存在下、特定のpHにて行う試験番号82〜86の方
法(本発明の方法)に従えば、試験番号80及び81の
方法(比較方法)と比べて、再生紙の白色度の向上、再
生紙の残インキ数の低減及びパルプ歩留りのアップの達
成が期待され得る。
【0102】実施例11 表10及び23に示される両性化合物を用いて、実施例
1に記載された方法に準じて、脱墨試験を行なった。そ
の結果を表23に示す。
【0103】
【表23】
【0104】フロテーションを、表10に示す両性化合
物の存在下、特定のpHにて行う試験番号89〜93の
方法(本発明の方法)に従えば、試験番号87及び88
の方法(比較方法)と比べて、再生紙の白色度の向上、
再生紙の残インキ数の低減及びパルプ歩留りのアップの
達成が期待され得る。
【0105】実施例12 表11、12及び表24に示される両性化合物を用い
て、実施例1に記載された方法に準じて、脱墨試験を行
なった。その結果を表24に示す。
【0106】
【表24】
【0107】フロテーションを、表11又は12に示す
両性化合物の存在下、特定のpHにて行う試験番号96
〜101の方法(本発明の方法)に従えば、試験番号9
4及び95の方法(比較方法)と比べて、再生紙の白色
度の向上、再生紙の残インキ数の低減及びパルプ歩留り
のアップの達成が期待され得る。
【0108】実施例13 市中回収された古紙(新聞紙/チラシ=75/25)を
細断(2×5cm)した。その一定量を高濃度離解機に
入れた。次いで、その中に、温水、1重量%の(対原
料)苛性ソーダ、3重量%(対原料)の珪酸ソーダ、3
重量%(対原料)の30重量%過酸化水素水、及び、表
25の脱墨剤を、表26に示される量で加え、混合物を
調製した。当該混合物中の古紙を、40℃で10分間離
解し、パルプ濃度15重量%のパルプスラリーを調製し
た。パルプスラリーに温水を加え、パルプ濃度4重量%
のパルプスラリーを調製した。得られたパルプスラリー
を、40℃に60分間保持し、次いで、温水をそのパル
プスラリーに加えた。このようにして、パルプ濃度が1
重量%のパルプスラリーを調製した。硫酸を当該パルプ
スラリーに加え、そのpHを、表26に示す値にした。
当該パルプスラリーに、表1、2又は3と、表26に示
す両性化合物を、表26に示す量で更に添加した。両性
化合物の添加により、得られたパルプスラリーのpH
は、殆ど変わらなかった。得られたパルプスラリー(フ
ロテーション前)からサンプリングした後、パルプスラ
リーを、40℃にて10分間のフロテーション処理に供
し、パルプスラリー(フロテーション後)を調製した。
パルプスラリーを、実施例1と同様の方法での抄紙に供
した。このようにして得られたパルプシートの性能を、
実施例1におけると同様の方法で評価した。その結果を
表26に示す。
【0109】
【表25】
【0110】
【表26】
【0111】種々の脱墨剤をそれぞれ使用し、且つ、フ
ロテーションを、両性化合物の存在下、特定のpHにて
行う試験番号105〜107の方法(本発明の方法)に
従えば、試験番号102〜104の方法(比較方法)と
比べて、再生紙の白色度の向上、再生紙の残インキ数の
低減及びパルプ歩留りのアップの達成が期待され得る。
【0112】実施例14 市中回収された古紙(新聞紙/チラシ=75/25)を
細断(2×5cm)した。その一定量を卓上離解機に入
れた。次いで、その中に、温水、1重量%の(対原料)
苛性ソーダ、3重量%(対原料)の珪酸ソーダ、3重量
%(対原料)の30重量%過酸化水素水、及び、0.2
重量%(対原料)の脱墨剤としてのステアリルアルコー
ルのEO10/PO10ブロック付加物を加え、混合物を調
製した。当該混合物中の古紙を、40℃で10分間離解
し、パルプ濃度5重量%のパルプスラリーを調製した。
得られたパルプスラリーを、40℃に60分間保持し、
次いで、温水をそのパルプスラリーに加え、パルプ濃度
が1重量%で、表27に示すCa2+イオン濃度のパルプ
スラリーを調製した。温水のCa2+イオン濃度はCaC
2 を用いて調節し、得られたパルプスラリーのCa2+
イオン濃度を、表27に示すようにした。次いで、塩酸
を得られたパルプスラリーに加え、そのpHを、表27
に示す値にした。得られたパルプスラリーに、表1又は
2と、表27に示す両性化合物を、表27に示す量で更
に添加した。両性化合物の添加により、得られたパルプ
スラリーのpHは、殆ど変わらなかった。得られたパル
プスラリー(フロテーション前)からサンプリングした
後、パルプスラリーを、40℃にて10分間のフロテー
ション処理に供し、パルプスラリー(フロテーション
後)を調製した。パルプスラリーを、実施例1と同様の
方法での抄紙に供した。このようにして得られたパルプ
シートの性能を、実施例1におけると同様の方法で評価
した。その結果を表27に示す。
【0113】
【表27】
【0114】注)上記表中のCa2+イオン濃度は、フロ
テーション時に測定した。フロテーションを、両性化合
物の存在下、特定のpHにて、特定のCa2+イオン濃度
にて行う試験番号114〜125の方法(本発明の方
法)に従えば、試験番号108〜113の方法(比較方
法)と比べて、フロテーションにおけるインキの選択的
な除去により、再生紙の白色度の向上、再生紙の残イン
キ数の低減及びパルプ歩留りのアップの達成が期待され
得る。
【0115】実施例15 市中回収された古紙(新聞紙/チラシ=75/25)を
細断(2×5cm)した。その一定量を卓上離解機に入
れた。次いで、その中に、温水、1重量%の(対原料)
苛性ソーダ、3重量%(対原料)の珪酸ソーダ、3重量
%(対原料)の30重量%過酸化水素水、及び、0.2
重量%(対原料)の脱墨剤としてのステアリルアルコー
ルのEO10/PO10ブロック付加物を加え、混合物を調
製した。当該混合物中の古紙を、40℃で10分間離解
し、パルプ濃度5重量%のパルプスラリーを調製した。
得られたパルプスラリーを、40℃に60分間保持し、
次いで、温水をそのパルプスラリーに加え、パルプ濃度
が1重量%で、表28に示すAl3+イオン濃度で、且
つ、表28に示すCa2+イオン濃度のパルプスラリーを
調製した。温水のAl3+イオン濃度は、抄紙時に発生し
た白水(試験番号129、133及び137は、白水及
び硫酸アルミニウム)を用いて調節し、得られたパルプ
スラリーのAl3+イオン濃度を、表28に示すようにし
た。温水のCa2+イオン濃度はCaCl2 を用いて調節
し、得られたパルプスラリーのCa2+イオン濃度を、表
28に示すようにした。次いで、塩酸又は水酸化ナトリ
ウムを得られたパルプスラリーに加え、そのpHを、表
28に示す値にした。得られたパルプスラリーに、表1
又は2と、表28に示す両性化合物を、表28に示す量
で更に添加した。両性化合物の添加により、得られたパ
ルプスラリーのpHは、殆ど変わらなかった。得られた
パルプスラリー(フロテーション前)からサンプリング
した後、パルプスラリーを、40℃にて10分間のフロ
テーション処理に供し、パルプスラリー(フロ テーシ
ョン後)を調製した。パルプスラリーを、実施例1と同
様の方法での抄紙に供した。このようにして得られたパ
ルプシートの性能を、実施例1におけると同様の方法で
評価した。その結果を表28に示す。
【0116】
【表28】
【0117】注)上記表中のAl3+イオン濃度及びCa
2+イオン濃度は、フロテーション時に測定した。フロテ
ーションを、両性化合物の存在下、特定のpHにて、特
定のCa2+イオン濃度にて行う試験番号130〜137
の方法(本発明の方法)に従えば、試験番号126〜1
29の方法(比較方法)と比べて、再生紙の白色度の向
上、再生紙の残インキ数の低減及びパルプ歩留りのアッ
プが達成され得る。更に、フロテーション時のスラリー
のAl3+イオン濃度が40ppm以下であると、更に優
れた品質を得ることが期待され得る。
【0118】実施例16 市中回収された古紙(新聞紙/チラシ=75/25)
を、以下の脱墨方法にて処理し、このようにして得られ
たパルプシートの性能を、実施例1におけると同様の方
法で評価した。その結果を表29に示す。本実施例で
は、温水のCa2+イオン濃度はCaCl2 を用いて調節
し、一方、そのAl3+イオン濃度は、抄紙時に発生した
白水を用いて調節した。
【0119】(1)試験番号138及び139 所定量の古紙に、1重量%の(対原料)苛性ソーダ、3
重量%(対原料)の珪酸ソーダ、3重量%(対原料)の
30重量%過酸化水素水、及び、0.3重量%(対原
料)の脱墨剤としての下記式(1)で示されるアミンの
EO10/PO10付加物及び温水を加え、混合物を調製し
た。 (C49)3C−NH−(EO)10(PO)10H (1) 当該混合物中の古紙を、40℃で10分間離解し、パル
プ濃度5重量%のパルプスラリーを調製した。得られた
パルプスラリーを、40℃に60分間保持し、次いで、
Al3+イオン濃度及びCa2+イオン濃度を適宜調節して
ある温水を、そのパルプスラリーに加え、パルプ濃度が
1重量%で、表29に示すAl3+イオン濃度で、且つ、
表29に示すCa2+イオン濃度のパルプスラリーを調製
した。塩酸を当該パルプスラリーに加え、そのpHを、
表29に示す値にした。得られたパルプスラリー(フロ
テーション前)からサンプリングした後、パルプスラリ
ーを、40℃にて10分間のフロテーション処理に供
し、パルプスラリー(フロテーション後)を調製した。
パルプスラリーを、実施例1と同様の方法での抄紙に供
した。
【0120】(2)試験番号140及び141 所定量の古紙に、1重量%の(対原料)苛性ソーダ、3
重量%(対原料)の珪酸ソーダ、3重量%(対原料)の
30重量%過酸化水素水、及び、0.2重量%(対原
料)の脱墨剤としてのステアリルアルコールのEO10
PO10ブロック付加物及び温水を加え、混合物を調製し
た。当該混合物中の古紙を、40℃で10分間離解し、
パルプ濃度5重量%のパルプスラリーを調製した。得ら
れたパルプスラリーを、40℃に60分間保持し、次い
で、Al3+イオン濃度及びCa2+イオン濃度を適宜調節
してある温水を、そのパルプスラリーに加え、パルプ濃
度が1重量%で、表29に示すAl3+イオン濃度で、且
つ、表29に示すCa2+イオン濃度のパルプスラリーを
調製した。更に、0.05重量%(対原料)の非イオン
性ポリアクリルアミド(NP 800、ダイアフロック
社製)を、当該スラリーに加えた。非イオン性ポリアク
リルアミドの添加により、得られたパルプスラリーのp
Hは殆ど変わらなかった。得られたパルプスラリー(フ
ロテーション前)からサンプリングした後、パルプスラ
リーを、40℃にて10分間のフロテーション処理に供
し、パルプスラリー(フロテーション後)を調製した。
パルプスラリーを、実施例1と同様の方法での抄紙に供
した。なお、試験番号140では、パルプスラリーに硫
酸アルミニウムも加え、当該スラリーのAl3+イオン濃
度を、表29に示す値とした。
【0121】(3)試験番号142〜144 所定量の古紙に、1重量%の(対原料)苛性ソーダ、3
重量%(対原料)の珪酸ソーダ、3重量%(対原料)の
30重量%過酸化水素水、及び、0.2重量%(対原
料)の脱墨剤としてのステアリルアルコールのEO10
PO10ブロック付加物及び温水を加え、混合物を調製し
た。当該混合物中の古紙を、40℃で10分間離解し、
パルプ濃度5重量%のパルプスラリーを調製した。得ら
れたパルプスラリーを、40℃に60分間保持し、次い
で、Al3+イオン濃度及びCa2+イオン濃度を適宜調節
してある温水を、そのパルプスラリーに加え、パルプ濃
度が1重量%で、表29に示すAl3+イオン濃度で、且
つ、表29に示すCa2+イオン濃度のパルプスラリーを
調製した。塩酸を得られたパルプスラリーに加え、その
pHを、表29に示す値にした。更に、0.06重量%
(対原料)の、表1、2及び3と、表29に示す両性化
合物を、当該スラリーに加えた。両性化合物の添加によ
り、得られたパルプスラリーのpHは殆ど変わらなかっ
た。得られたパルプスラリー(フロテーション前)から
サンプリングした後、パルプスラリーを、40℃にて1
0分間のフロテーション処理に供し、パルプスラリー
(フロテーション後)を調製した。パルプスラリーを、
実施例1と同様の方法での抄紙に供した。
【0122】
【表29】
【0123】注)上記表中のAl3+イオン濃度及びCa
2+イオン濃度は、フロテーションの際に測定した。試験
番号138及び139(比較例)では、古紙の離解工程
に、インキ剥離力が弱い脱墨剤を使用したため、フロテ
ーションによってパルプから除去されなかった多数の未
剥離インキが再生紙に存在すると認められる。つまり、
再生パルプは、品質が低い。試験番号140及び141
(比較例)では、ポリアクリルアミドと、任意の硫酸ア
ルミニウムの添加で、インキのセルロース繊維への再付
着が生じ、再生パルプの品質を低下させている。また、
フロテーション時の泡立ちが非常に高められ、パルプ歩
留りが低下させられていると認められる。これに対し
て、フロテーションを、両性化合物の存在下、特定のp
Hにて、特定のCa2+イオン濃度にて、且つ、特定のA
3+イオン濃度にて行う試験番号142〜144の方法
(本発明の方法)に従うと、再生紙の白色度の向上、再
生紙の残インキ数の低下と、パルプ歩留りのアップが認
められる。
【0124】実施例17 下記式で表される両性化合物m−1を用い、実施例1に
記載された方法に従って、脱墨試験を行った。結果を表
30に示す。
【0125】
【化6】
【0126】
【表30】
【0127】注)*カチオン性窒素含有量(%)は、ケ
ルダール法にて測定された窒素含有量(%)に、当該ポ
リマーの分子式から決定した全窒素に対するカチオン性
窒素の割合を掛けて算出した。
【0128】上記の試験において、試験番号145は、
従来の工業的脱墨方法と同じ方法で行われている。フロ
テーションを、両性化合物の存在下、特定のpHにて行
う試験番号152〜157の方法(本発明の方法)に従
えば、試験番号145〜151の方法(比較方法)と比
べて、フロテーションにおけるインキの選択的な除去に
より、再生紙の白色度の向上、再生紙の残インキ数の低
減及びパルプ歩留りのアップの達成が期待され得る。
【0129】
【発明の効果】本発明によれば、原料古紙から、白色度
が向上し、且つ残インキが低減した脱墨パルプが得ら
れ、漂白薬品(苛性ソーダ、珪酸ソーダ、過酸化水素、
キレート剤等)の節約とパルプ歩留りのアップによる製
造コストの節約が可能となる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、原料古紙からインキを剥離
    する工程と、剥離されたインキをフロテーション系から
    除去する工程からなる脱墨方法であって、古紙からのイ
    ンキ剥離のために少なくとも一種の非イオン界面活性剤
    を用い、且つ、フロテーション工程の少なくとも一部
    を、少なくとも一種の両性化合物の存在下に、4〜9の
    範囲内のpHで行う方法。
  2. 【請求項2】 非イオン界面活性剤が、下記の非イオン
    界面活性剤(A)〜(D)からなる群から選ばれること
    を特徴とする請求項1の脱墨方法。 非イオン界面活性剤(A):油脂とアルコールの混合物
    にアルキレンオキサイドを付加して得られた反応生成物 非イオン界面活性剤(B):式:RCOO(AO)mR’
    で表される化合物(式中、Rは、炭素数7〜23のアル
    キル又はアルケニル基を示し、R’は、水素原子、炭素
    数1〜22のアルキル基、炭素数2〜22のアルケニル
    基もしくは炭素数2〜22のアシル基を示し、AOは、
    炭素数2〜4のオキシアルキレン基を示し、mは1以上
    の整数である。) 非イオン界面活性剤(C):式:RO(AO)nHで表さ
    れる化合物(式中、Rは、炭素数8〜24のアルキル又
    はアルケニル基を示し、AOは、炭素数2〜4のオキシ
    アルキレン基を示し、nは1以上の整数である。) 非イオン界面活性剤(D):多価カルボン酸もしくはそ
    の酸無水物にアルキレンオキサイドを付加して得られた
    反応生成物、又は、多価カルボン酸もしくはその酸無水
    物とアルコールとの混合物にアルキレンオキサイドを付
    加して得られた反応生成物。
  3. 【請求項3】 フロテーション系のカルシウムイオン濃
    度を10〜400ppmの濃度に保つことを特徴とする
    請求項1又は2記載の脱墨方法。
  4. 【請求項4】 フロテーション系のアルミニウムイオン
    濃度を0〜40ppmの濃度に保つことを特徴とする請
    求項1〜3の何れか1項記載の脱墨方法。
  5. 【請求項5】 少なくとも一種の両性化合物を、フロテ
    ーション系に、その系のpHをpH4〜pH9の範囲内
    の値に調節した後に添加することを特徴とする請求項1
    〜4の何れか1項記載の脱墨方法。
  6. 【請求項6】 少なくとも一種の両性化合物を、古紙の
    重量を基準として、0.01〜1.0重量%の量で添加
    することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項記載の
    脱墨方法。
  7. 【請求項7】 両性化合物が、下記式(a)〜(j)で
    示される化合物、リン脂質(k)、蛋白質(l)並びに
    下記式(m)及び(n)で示され、カチオン性窒素含有
    量が0.01〜35重量%であり、且つ、重量平均分子量が
    2,000〜3,000,000 である両性ポリマーからなる群から
    選ばれることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項記
    載の脱墨方法。 【化1】 〔式(a)〜(j)において、R1 、R2 及びR3 は、
    互いに同一又は相異なって、それぞれ、炭素数1〜24
    のアルキル基又は炭素数2〜24のアルケニル基であ
    り、R4 は、炭素数8〜36のアルキル、アルケニル又
    はβ−ヒドロキシアルキル基であり、Mは、水素原子、
    アルカリ金属原子、1/2モルのアルカリ土類金属原子
    又はアンモニウム基であり、Y1は、式:R5NHCH2
    CH2−(ここで、R5 は、炭素数1〜36のアルキル
    基、又は、炭素数2〜36のアルケニルもしくはヒドロ
    キシアルキル基である)で表される基であり、Y2は、
    水素原子又は式:R5NHCH2CH2−(ここで、R5
    は前記定義の通りである)で表される基であり、Z
    1は、−CH2COOM(ここで、Mは前記定義の通りで
    ある)で表される基であり、Z2 は、水素原子又は式:
    −CH2COOM(ここで、Mは前記定義の通りであ
    る)で表される基である。〕 【化2】 〔式(m)及び(n)において、R1 、R2 及びR
    3 は、互いに同一又は相異なって、それぞれ、水素原
    子、炭素数1〜24のアルキル基又は炭素数2〜24の
    アルケニル基であり、R4 及びR5 は、互いに同一又は
    相異なって、それぞれ、水素原子又はメチル基であり、
    Mは、水素原子、アルカリ金属原子、1/2モルのアル
    カリ土類金属原子又はアンモニウム基であり、X- は対
    イオンであり、Yは、O又はNHであり、pは、1〜1
    0の整数であり、m及びnは、それぞれ、ポリマーの重
    量平均分子量が2,000〜3,000,000の範囲内の値となるよ
    うな正数である。〕
  8. 【請求項8】 フロテーション工程の少なくとも一部
    が、下記式(a)〜(j)で示される両性化合物、リン
    脂質(k)及び蛋白質(l)からなる群から選ばれた少
    なくとも一種の存在下に、4〜9の範囲内のpHで行わ
    れることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項記載の
    脱墨方法。 【化3】 〔式中、R1、R2及びR3 は、互いに同一又は相異なっ
    て、それぞれ、炭素数1〜24のアルキル基であり、R
    4 は、炭素数8〜36のアルキル、アルケニル又はβ−
    ヒドロキシアルキル基であり、Mは、水素原子、アルカ
    リ金属原子、1/2モルのアルカリ土類金属原子又はア
    ンモニウム基であり、Y1は、式:R5NHCH2CH2
    (ここで、R5は、炭素数8〜36のアルキル、アルケ
    ニル又はβ−ヒドロキシアルキル基である)で表される
    基であり、Y2 は、水素原子又は式:R5NHCH2CH
    2−(ここで、R5は前記定義の通りである)で表される
    基であり、Z1は、−CH2COOM(ここで、Mは前記
    定義の通りである)で表される基であり、Z2 は、水素
    原子又は式:−CH2COOM(ここで、Mは前記定義
    の通りである)で表される基である。〕
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