JPH0829369B2 - パンチングプレス - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明はワークを垂直方向に保持した状態で打抜き
加工を行うパンチングプレスに関する。

〔従来の技術〕

従来板状のワークを打抜き加工するタレットパンチプ
レスなどのパンチングプレスにおいては、通常第６図に
示すようにテーブルａ上に載置されたワークｂをＸ−Ｙ
方向へ移動自在なクランプｃにより把持し、該クランプ
ｃによりＸ−Ｙ方向へ移動させて、ワークｂの打抜き位
置をパンチング個所ｄに位置決めした後、上タレットｅ
と下タレットｆに設けられたパンチとダイ（何れも図示
せず）によりワークｂの上下方向より打抜き加工するよ
うに構成されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

このためワークｂを水平方向へ移動して打抜き位置を
位置決めする際、ワークｂの下面がテーブルａや下タレ
ットｆ、ダイなどと摺接して、ワークｂの下面に傷が付
く不具合があった。

またワークｂの上下方向より打抜き加工を行うため、
打抜く際の衝撃がワークｂよりテーブルａに伝播して大
きな衝撃音を発生したり、打抜き時はね上ったワークｂ
がテーブルａ上へ落下する際テーブルａと衝突して衝突
音を発生するなど打抜き時の騒音が大きいなどの不具合
もあった。

この発明は上記不具合を改善する目的でなされたもの
で、ワークを傷付けたり、大きな騒音を発生することな
くワークの打抜き加工を可能にしたパンチングプレスを
提供しようとするものである。

〔課題を解決するための手段及び作用〕

この発明は上記目的を達成するために、プレス本体の
固定された主フレームに、Ｙ軸サーボモータにより上下
動自在なＹ軸キャリッジを水平に設け、このＹ軸キャリ
ッジにＸ軸サーボモータにより水平方向へ移動自在なＸ
軸キャリッジを設け、かつこのＸ軸キャリッジにワーク
を垂直状態に保持するクランプを設けると共に、上記プ
レス本体のパンチング位置に、上記主フレーム側に着脱
自在に支持され、かつ上記クランプに垂直状態に保持さ
れたワークを挟んで対向するようパンチ及びダイを設け
たものである。

これによってテーブルやダイに摺接することなくワー
クを移動できるため、ワークに傷を付けることがないと
共に、打抜き時の衝撃がワークよりテーブルへ伝播した
り、はね上ったワークがテーブル上に落下して大きな衝
突音を発生することがないため、騒音の低減が図れるよ
うになる。

またワークを打抜き加工するパンチ及びダイをプレス
本体の固定された主フレーム側に着脱自在に設けたこと
から、打抜き加工時パンチ及びダイに作用する打抜き荷
重は主フレームにより支持されるため、精度の高い加工
が可能になると共に、パンチやダイ及びパンチを打撃す
る打撃機構を移動する手段を必要としないため構造も簡
単である。

〔実施例〕

この発明の一実施例を第１図ないし第５図に示す図面
を参照して詳述すると、図において１はプレス本体で、
床面に固定された門形をなす主フレーム1aの上部に前後
方向に水平にＹ軸キャリッジ２が設けられている。

上記Ｙ軸キャリッジ２は主フレーム1aの上下方向に布
設された一対の互に平行するガイドレール３に両端側が
支承されて、これらガイドレール３に沿って上下摺動自
在となっていると共に、Ｙ軸キャリッジ２の両端部は、
ガイドレール３と平行するように設けられたボールねじ
よりなるねじ軸４に螺合されている。

上記ねじ軸４の上下端は軸受け５を介して主フレーム
1aに回転自在に支承されていると共に、各ねじ軸４の上
端にはベベルギヤ６が設けられていて、これらベベルギ
ヤ６はＹ軸サーボモータ７により回転される回転軸８に
設けられたベベルギヤ９に噛合されている。

また上記Ｙ軸キャリッジ２にはこれと平行するように
ボールねじよりなるねじ軸12が支承されている。

そしてこのねじ軸12にＹ軸キャリッジ２に摺動自在に
支持されたＸ軸キャリッジ13の底部が螺合されている。

上記Ｘ軸キャリッジ13はＹ軸キャリッジ２に布設され
たガイドレール14に支承されて、これらガイドレール14
に沿って水平方向（Ｘ軸）への移動自在となっていると
共に、上記ねじ軸12の一端にＸ軸サーボモータ15が接続
されている。

一方上記Ｘ軸キャリッジ13には一対のクランプ16が下
向きに設けられていて、これらクランプ16によりワーク
17の上端を把持することにより、ワーク17を垂直状態に
保持できるようになっている。

また上記プレス本体１のパンチング位置には、クラン
プ16により垂直状態に保持されたワーク17を挾んで対向
するようにパンチ18及びダイ19が設けられている。

パンチ18は図示しない打撃機構により打撃子を介して
ダイ19方向へ打撃されると共に、ダイ19はダイホルダ20
を介して主フレーム1a側に固定されている。

次に作用を説明すると、Ｙ軸サーボモータ７及びＸ軸
サーボモータ15は図示しないNC装置に接続されていて、
NC装置からの指令信号により制御されるようになってい
る。

すなわちNC装置からの指令信号によりＹ軸サーボモー
タ７及びＸ軸サーボモータ15が回転してねじ軸４及び12
を回転させるとＹ軸キャリッジ２が上下方向（Ｙ軸方
向）へ、そしてＸ軸キャリッジ13が水平方向（Ｘ軸方
向）へ移動する。これによってクランプ16により垂直に
保持されたワーク17がＹ軸及びＸ軸方向へ移動されて打
抜き位置が、パンチ18及びダイ19のパンチング位置に位
置決めされる。

またこのときワーク17は従来のようにテーブルやダイ
19に摺接しないので、表面に傷が付くことがない。

一方ワーク17の位置決めが完了するとNC装置からの指
令により打撃子によりパンチ18が下降され、パンチ18と
ダイ19の間でワーク17の打抜きが行われると共に、打抜
き時の衝撃がテーブルへ伝播して騒音を発生したり、打
抜き時跳ね上ったワーク17が落下してテーブルと衝突す
るなどの挙動を生じることがないため、騒音の少ない打
抜き加工が可能になる。

また打抜きが完了したら次の打抜き個所を位置決めし
て再び上記動作を繰返すことにより、連続的にワーク17
の打抜き加工が可能になる。

〔発明の効果〕

この発明は以上詳述したように、Ｘ軸及びＹ軸方向へ
移動自在なクランプにより垂直状態に保持したワークの
打抜き位置を、固定された主フレーム側に着脱自在に設
けられたパンチ及びダイに位置決めして、これらパンチ
及びダイによりワークを打抜き加工するようにしたこと
から、クランプによりワークをＸ軸及びＹ軸方向へ移動
する際ワークがテーブルなどに摺接することがないた
め、ワークの表面に傷が付くことがないと共に、打抜き
時パンチ及びダイに作用する打抜き荷重を床面に固定さ
れた主フレームにより支持するため、主フレームの剛性
を予め高くすることにより精度の高い加工が可能とな
る。

またワークを垂直状態に保持するクランプをＸ軸及び
Ｙ軸方向へ移動させるため、パンチ及びダイ側を移動さ
せる場合に比べて移動手段が簡単となり、これによって
安価に提供することが可能になると共に、軽量なクラン
プを高速で移動させてワークの位置決めが行えるため、
生産性も向上する。

さらに制御手段は固定されたパンチ及びダイに対して
クランプ側のみ移動制御するだけでよいため、クランプ
とパンチ及びダイを同時に同期制御する従来のものに比
べて制御が容易になると共に、これらを別個に制御する
従来のものでは主フレームの熱変形などが同期制御に悪
影響を及ぼすことがあるが、この発生では固定されたパ
ンチ及びダイに対してクランプ側を位置制御するため、
これらの悪影響を受けることが少なく、これによってよ
り加工精度の向上も図れるようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示すパンチングプレスの
斜視図、第２図は同平面図、第３図は同正面図、第４図
は第１図IV方向からの矢視図、第５図は第１図Ｖ方向か
らの矢視図、第６図は従来のタレットパンチを示す説明
図である。 １はプレス本体、1aは主フレーム、２はＹ軸キャリッ
ジ、７はＹ軸サーボモータ、13はＸ軸キャリッジ、15は
Ｘ軸サーボモータ、16はクランプ、17はワーク、18はパ
ンチ、19はダイ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】プレス本体１の固定された主フレーム1a
   に、Ｙ軸サーボモータ７により上下動自在なＹ軸キャリ
   ッジ２を水平に設け、このＹ軸キャリッジ２にＸ軸サー
   ボモータ15により水平方向へ移動自在なＸ軸キャリッジ
   13を設け、かつこのＸ軸キャリッジ13にワーク17を垂直
   状態に保持するクランプ16を設けると共に、上記プレス
   本体１のパンチング位置に、上記主フレーム1a側に着脱
   自在に支持され、かつ上記クランプ16に垂直状態に保持
   されたワーク17を挟んで対向するようパンチ18及びダイ
   19を設けたことを特徴とするパンチングプレス。