JPH08267640A - 生分解性積層体 - Google Patents

生分解性積層体

Info

Publication number
JPH08267640A
JPH08267640A JP7147395A JP7147395A JPH08267640A JP H08267640 A JPH08267640 A JP H08267640A JP 7147395 A JP7147395 A JP 7147395A JP 7147395 A JP7147395 A JP 7147395A JP H08267640 A JPH08267640 A JP H08267640A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
biodegradable
gas barrier
water
inorganic compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7147395A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3513967B2 (ja
Inventor
Fumitake Koizumi
文剛 小泉
Masanobu Okamura
正信 岡村
Noboru Sasaki
昇 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP07147395A priority Critical patent/JP3513967B2/ja
Publication of JPH08267640A publication Critical patent/JPH08267640A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3513967B2 publication Critical patent/JP3513967B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W90/00Enabling technologies or technologies with a potential or indirect contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
    • Y02W90/10Bio-packaging, e.g. packing containers made from renewable resources or bio-plastics

Landscapes

  • Wrappers (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 基材となる生分解性樹脂層上に、無機化合物
層層と、水溶性高分子と1種以上の金属アルコキシドお
よびその加水分解物または塩化錫の少なくとも一方を含
む水溶液或いは水/アルコール混合溶液を主剤とするコ
ーティング剤を塗布し、加熱乾燥してなるガスバリアー
性被膜層を積層して生分解性を有するガスバリアー性の
生分解性積層体を形成した。 【効果】使用後環境中に投棄されても分解されるので環
境に悪影響を与えない。さらに、高いガスバリアー性を
有し、かつ揉み性などの機械的特性、ラミネート強度、
耐水性、耐湿性、レトルト耐性に優れ、さらにシーラン
ト材などの他の樹脂と積層しても、この強度は十分実用
に耐えるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、食品やトイレタリー用
品などの包装材料として使用されるもので、特に酸素、
水蒸気バリアー性や機械的特性が優れている上に、環境
中に廃棄されたとき分解するので、環境適性も優れたも
のである。
【0002】
【従来の技術】食品やトイレタリー用品などの包装に用
いられる包装材料には、基材高分子樹脂フィルムとして
二軸延伸ポリエステルフィルムや二軸延伸ナイロンフィ
ルムなどが用いられている。これらの汎用プラスチック
は強度、耐久性において優れている上、低コストのため
広く用いられているが、使用後環境中に投棄されると、
その特徴であった耐久性のため分解されることなく環境
中に残ってしまうという包装材料として不利な点を抱え
ている。
【0003】そこでこのような問題を解決すべく、現
在、環境中で分解されて水と二酸化炭素にまでなる生分
解性樹脂としていくつかの開発例がある。まず微生物に
よって産生されるものとしては、ゼネカ(株)製の“バ
イオポール”(3−ヒドロキシブチレートと3−ヒドロ
キシバリレートの共重合体)等の脂肪族ポリエステル、
カードラン、プルランなどの多糖類がある。
【0004】一方、化学合成によって得られるものとし
ては、高分子量脂肪族ポリエステルである“ビオノー
レ”(昭和高分子(株)製)や、乳酸を化学重合して得
られるポリ乳酸、あるいはラクトンの開環重合によって
得られるポリカプロラクトンなどのポリラクトンがあ
る。
【0005】また、天然に存在するものとしてデンプ
ン、セルロース、キトサン等も生分解性を有する材料で
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな生分解性樹脂は単体では十分な強度が得られていな
いのが現状である。さらに、食品やトイレタリー用品な
どの包装に用いられる包装材料には、包装材料としての
基本的な機械強度の他に、特に食品分野で、蛋白質や油
脂などの酸化、変質を抑制し、更に味や鮮度を保持する
ために包装材料を透過する酸素、水蒸気、その他の気体
に対するバリアー性が要求される。
【0007】酸素バリアー性を持つ高分子樹脂として
は、EVOHやナイロンなどのフィルムが上市されてき
たが、これらのフィルムは水蒸気バリアー性が良くない
という問題を抱えていた。また、樹脂フィルムにPVD
C(K)コーティングしたり、アルミニウムを蒸着する
という方法もとられた。しかし、PVDCコートはゴミ
として焼却されたときに塩化水素を発生するという問題
がある。また、アルミニウム蒸着の場合も焼却の際、ア
ルミが不燃物として残るという問題がある。
【0008】そこで、これらの問題を解決するものとし
て、例えば米国特許第3442686などに記載されて
いるような一酸化珪素(SiO)、酸化珪素(SiO
x)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化アルミニウム
(Al23 )などの無機酸化物を蒸着したフィルムが
注目されている。これらの無機酸化物蒸着フィルムは、
酸素、水蒸気バリアー性が優れている上、焼却処理可能
で環境にも優しい。さらに、マイクロ波透過性が良好で
電子レンジを使用して食品などを加熱、調理することも
でき、金属探知器の使用も可能である。
【0009】また、無機酸化物蒸着フィルムの機械強度
や、ヒートシール材となるポリエチレンやポリプロピレ
ンなどとドライラミネート、押出ラミネートするときの
ラミネート強度の向上を目的として、蒸着層の上に、水
溶性高分子と、(a)1種以上の金属アルコキシドおよ
びその加水分解物または、(b)塩化錫の少なくとも一
方を含む水溶液、或いは水/アルコール混合溶液をコー
ティング、加熱乾燥し包装材料に用いられている。
【0010】そこで本発明は、基材となる生分解性樹脂
層に第1層となる無機化合物層を形成することによって
酸素、水蒸気バリアー性を持たせ、さらに、第2層とな
るガスバリアー性被膜を形成することによって、ガスバ
リアー性、フレキシビリティー性及び環境適合性を合わ
せ持つ、生分解性積層体を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために考えられたもので、請求項1の発明は、生分
解性樹脂層上に、無機化合物層、金属アルコキシドまた
は塩化錫の加水分解もしくは重縮合反応物からなるガス
バリアー性層が順次積層されている事を特徴とする生分
解性積層体である。
【0012】請求項2の発明は、生分解性樹脂層上に、
無機化合物層、金属アルコキシドまたは塩化錫及び水溶
性高分子の加水分解もしくは重縮合反応物からなるガス
バリアー性層が順次積層されている事を特徴とする生分
解性積層体である。
【0013】請求項3の発明は、前記水溶性高分子がポ
リビニルアルコールであることを特徴とする請求項2記
載の生分解性積層体である。
【0014】請求項4の発明は、前記金属アルコキシド
がテトラエトキシシランまたはトリイソプロポキシアル
ミニウム或いはそれらの混合物であることを特徴とする
請求項1乃至3記載の生分解性積層体である。
【0015】請求項5の発明は、前記無機化合物層が酸
化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化珪
素、或いはそれらの混合物であることを特徴とする請求
項1,4何れかに記載の生分解性積層体である。
【0016】請求項6の発明は、基材となる生分解性樹
脂層上に、無機化合物からなる薄膜層である第1層と、
水溶性高分子と、(a)1種以上の金属アルコキシドお
よびその加水分解物または(b)塩化錫の少なくとも一
方を含む水溶液、或いは水/アルコール混合溶液を主剤
とするコーティング剤を塗布し、加熱乾燥してなるガス
バリアー性被膜である第2層を積層した生分解性積層体
である。
【0017】請求項7の発明は、前記水溶性高分子がポ
リビニルアルコールであることを特徴とする請求項6記
載の生分解性積層体である。
【0018】請求項8の発明は、前記金属アルコキシド
がテトラエトキシシランまたはトリイソプロポキシアル
ミニウム、或いはそれらの混合物であることを特徴とす
る請求項6又は7何れかに記載の生分解性積層体であ
る。
【0019】請求項9の発明は、前記無機化合物からな
る薄膜層が酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化
錫、酸化珪素、或いはそれらの混合物であることを特徴
とする請求項6乃至8何れかに記載の生分解性積層体で
ある。
【0020】
【作用】本発明では、基材として生分解性樹脂を用いて
いるので、ガスバリアー性を有する包装材料として使用
後環境中に投棄されても分解されることにより環境に悪
影響を与えることがない。さらに、第2層であるガスバ
リアー性被膜を設けていることで材料のもみ性などの機
械的特性も向上する。
【0021】さらに、図面に基づいて本発明を詳細に説
明する。図1に本発明の生分解性積層体の構成を示す。
1は基材となる生分解性樹脂層。2は無機化合物層。3
はガスバリアー性被膜層である。
【0022】基材1はシート状又はフィルム状のもので
あって、前記バイオポール(3−ヒドロキシブチレート
と3−ヒドロキシバリレートの共重合体)(ゼネカ
(株)製)、高分子量脂肪族ポリエステルであるビオノ
ーレ(昭和高分子(株)製)、ポリ乳酸、ポリカプロラ
クトン、ポリアミノ酸、その他生分解性を有する材料
と、以上のような生分解性材料をブレンドして得られる
生分解性樹脂などが使用可能である。基材は上記材料か
ら用途に応じて選択される。また、基材1の厚さは特に
制限を受けるものではないが、包装材料としての適性、
他の層を積層することもあること、無機化合物層、ガス
バリアー性被膜層を形成する場合の加工性を考慮すると
実用的には3〜200nmの範囲で、用途によって6〜
300nmとすることが好ましい。
【0023】この基材1に用いられる生分解性樹脂材料
に必要に応じて、例えば帯電防止剤、紫外線吸収剤、可
塑剤、滑材、着色剤などの添加剤を加えることができ
る。
【0024】さらに基材1の表面をコロナ処理、プラズ
マ処理、そしてアンカーコートを施すなどの表面改質を
行い、無機化合物層との密着性を向上させることも可能
である。
【0025】無機化合物層2は基材のバリア性、及び耐
溶剤性を向上することを目的に設けられたもので、例え
ばAl、Si、Sn、Mgなどの酸化物、窒化物、フッ
化物などの単体、或いは混合物から形成されている。そ
の中でもSiOx、Al2 3 、MgO、SnO2 はガ
スバリア性に特に優れるものである。ただし本発明の無
機化合物層は上記化合物に限定されるものでなく上述条
件に適合する材料であれば用いることができる。
【0026】無機化合物層2の膜厚は用途や基材である
生分解性樹脂の膜厚によって異なるが、50Å以下では
膜厚を均一にコントロールすることが難しいという問題
がある。また、3000Å以上ではクラックが発生しや
すく、揉み性が低下するため50〜3000Åの範囲が
望ましい。
【0027】無機化合物層2を基材上に形成する方法と
しては、通常のドライコーティング法で可能である。例
えば、真空蒸着法、スパッタリング、イオンプレーティ
ング法などである。ただし、生産性を考慮すれば現時点
では真空蒸着が最も優れている。真空蒸着法による真空
蒸着装置の加熱手段としては電子線加熱方式や抵抗加熱
方式、誘導加熱方式とすることができる。
【0028】ガスバリアー性被膜層3は、金属アルコキ
シド加水分解物と塩化錫の少なくとも一方を含めばよ
く、その形成方法も問わないが、一般的にはコーティン
グ法をもちいるのが簡便である。
【0029】コーティング法によるガスバリアー性被膜
層3は、水溶性高分子と、(a)1種以上の金属アルコ
キシドおよびその加水分解物または(b)塩化錫の少な
くとも一方を含む水溶液、或いは水/アルコール混合溶
液を主剤とするコーティング剤からなる。水溶性高分子
と塩化錫を水系(水或いは水/アルコール混合)溶媒で
溶解させた溶液、或いはこれに金属アルコキシドを直
接、或いは予め加水分解させるなどの処理を行ったもの
を混合した溶液を基材1上の無機化合物層2にコーティ
ング、加熱乾燥し形成したものである。コーティング剤
に含まれる各成分について以下に詳述する。
【0030】ガスバリアー性被膜となるコーティング剤
に用いられる水溶性高分子はポリビニルアルコール、ポ
リビニルピロリドン、デンプン、メチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなど
が挙げられる。特にポリビニルアルコール(以下PVA
とする)をガスバリア性被膜となるコーティング剤に用
いた場合にガスバリアー性が最も優れる。ここでいうP
VAは、一般にポリ酢酸ビニルをケン化して得られるも
ので、酢酸基が数十%残存している、いわゆる部分ケン
化PVAから酢酸基が数%しか残存していない完全ケン
化PVAまでを含み、特に限定されるものではない。
【0031】また塩化錫は塩化第一錫(SnCl2 )、
塩化第二錫(SnCl4 )、あるいはそれらの混合物で
あっても良く、無水物でも水和物でも用いることができ
る。
【0032】さらに金属アルコキシドは、テトラエトキ
シシラン[Si(OC254 ]、トリイソプロポキ
シアルミニウム[Al(O−2’−C373 ]など
の一般式、 M(OR)n (M:Si,TI,Al,Zrなどの金属、R:CH
3 、C25 などのアルキル基)で表されるものであ
る。なかでもテトラエトキシシラン、トリイソプロポキ
シアルミニウムが加水分解後、水系の溶媒中においても
比較的安定であるので好ましい。
【0033】上述した各成分を単独またいくつかを組み
合わせてコーティング剤に加えることができ、さらにコ
ーティング剤のバリアー性を損なわない範囲で、イソシ
アネート化合物、シランカップリング剤、あるいは分散
剤、安定化剤、粘度調整剤、着色剤などを加えることが
できる。
【0034】例えばコーティング剤に加えられるイソシ
アネート化合物は、その分子中に2個以上のイソシアネ
ート基(NCO)を有するものであり、例えばトリレン
ジイソシアネート、トリフェニルメタンイソシアネー
ト、テトラメチルキシレンジイソシアネートなどのモノ
マー類と、これらの重合体、誘導体などがある。
【0035】コーティング剤の塗布方法には通常用いら
れているディッピング法、ロールコーティング法、スク
リーン印刷法、スプレー印刷法などの方法が用いられ
る。被膜の厚さはコーティング剤の種類によっても異な
るが、乾燥後の厚さが0.01〜100μmの範囲であ
ればよいが、50μm以上では、膜にクラックが生じや
すくなるため、0.01〜50μmとすることが望まし
い。
【0036】このコーティング法によりバリアー性皮膜
層を設けた場合には、金属アルコキシドや塩化錫だけで
はなく、溶剤等の他の成分も含まれている場合がある。
【0037】なお、詳細は不明なところが多いが、この
第1層である無機化合物層2と第2層であるバリアー性
被膜層3との間に、何らかの反応層が形成されるか、或
いは第2層が第1層に生じるピンホール、クラック、粒
界などの欠陥或いは微細孔を充填、補強することで緻密
構造が形成され、これがガスバリアー性の向上と第1層
である無機化合物層の保護層としての役割を果たす。
【0038】また、第2層バリアー性被膜成分が金属ア
ルコキシド或いは塩化錫からなる無機成分であることか
ら、ガスバリアー性の向上を図れるものである。すなわ
ち、金属アルコキシド或いは塩化錫からなる無機成分は
加水分解、重縮合反応して鎖状或いは三次元樹枝状のポ
リマーを形成していると考えられる。
【0039】したがってこの場合も、特定の粒子径から
なるシリカ(SiO2 )などの微粒子や珪酸ソーダ(水
ガラス)から得られるシリカゲル(コロイダルシリカ)
など単に微粒子を分散したものとは異なるものである。
【0040】特に請求項2のばあいには、金属アルコキ
シド或いは塩化錫からなる無機成分とPVAなどの水溶
性高分子を主剤とするものであることから、ガスバリア
ー性の向上を図れるものである。すなわち、金属アルコ
キシド或いは塩化錫からなる無機成分は溶液中で加水分
解、重縮合反応して鎖状或いは三次元樹枝状のポリマー
を形成し、乾燥加熱に伴う溶媒の蒸発によってさらに重
合が進行する、反応性に富む無機成分であり、水溶性高
分子とは分子レベルの複合体を形成していると考えられ
る。
【0041】したがって、特定の粒子径からなるシリカ
(SiO2 )などの微粒子や珪酸ソーダ(水ガラス)か
ら得られるシリカゲル(コロイダルシリカ)など単に微
粒子を分散したものとは異なるものである。
【0042】
【実施例】次に実施例について説明する。まず、ポリ乳
酸フィルム、厚さ400μmのものをバッチ式の二軸延
伸装置を用いて延伸した。これを120℃で10分間熱
固定したものを基材となる生分解性樹脂フィルムとし
た。
【0043】上記の二軸延伸ポリ乳酸フィルムにEB法
にてSiO蒸着を行い酸素、水蒸気バリアー性と生分解
性をあわせ持つ透明プラスチックフィルムを得た。な
お、SiO材料としては住友シチックス(株)製のもの
を用い、蒸着するSiOの膜厚は650Åとした。
【0044】さらに、下記組成、割合に混合してなるコ
ーティング剤をバーコーターにより塗布し乾燥機で12
0℃、1分間乾燥させ、膜厚約0.3μmの被膜を形成
しガスバリアー性積層体を得た。
【0045】(コーティング剤の成分) (A) 10.4gのテトラエトキシシランSi(OC
254 に塩酸(0.1N)87.6gを加え、30
分撹拌し加水分解させた固形分3wt%(SiO 2
算)の加水分解溶液。 (B) ポリビニルアルコールの3.0wt%水/イソ
プロピルアルコール溶液(水:イソプロピルアルコール
重量比で90:10)
【0046】上記のコーティング剤の成分(A)、
(B)を配合比(wt%)60/40で配合したものが
ガスバリアー性積層体となるコーティング剤である。
【0047】〈比較例1〉ポリ乳酸フィルム、厚さ40
0μmのものをバッチ式の二軸延伸装置を用いて延伸し
た。これを120℃で10分間熱固定したものを基材と
なる生分解性透明高分子樹脂フィルムとし、SiO蒸着
層、ガスバリアー性被膜層ともに形成させないものを比
較例1とした。
【0048】〈比較例2〉ポリ乳酸フィルム、厚さ40
0μmのものをバッチ式の二軸延伸装置を用いて延伸し
た。これを120℃で10分間熱固定したものを基材と
なる生分解性透明高分子樹脂フィルムとし、これにSi
O蒸着層のみを有するものを比較例2とした。
【0049】〈比較例3〉ポリ乳酸フィルム、厚さ40
0μmのものをバッチ式の二軸延伸装置を用いて延伸し
た。これを120℃で10分間熱固定したものを基材と
なる生分解性透明高分子樹脂フィルムとし、これにガス
バリアー性被膜層のみを有するものを比較例3とした。
【0050】実施例と比較例で得られた生分解性積層体
について、ガスバリアー性を酸素透過度および水蒸気透
過度を測定することによって評価した。酸素バリアー性
は25℃−100%RH雰囲気下で酸素透過度測定装置
(モダンコントロール社製MOCON OXTRAN
10/40A)を用いて測定し、水蒸気バリアー性は4
0℃−90%RH雰囲気下で水蒸気透過度測定装置(モ
ダンコントロール社製 PERMATRAN W6)を
用いて測定した。それらの結果を表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】実施例の無機化合物層とガスバリアー性被
膜層の両方を有するものはガスバリアー性が、比較例1
の無機化合物層もガスバリアー性被膜層も持たないもの
に対して向上していることがわかる。一方、無機化合物
層を有するもの(比較例2)、ガスバリアー性被膜層を
持つもの(比較例3)はガスバリアー性の改善は見られ
ているが実施例には及ばなかった。
【0053】実施例と比較例で得られた生分解性積層体
について、耐屈曲性(揉み性)を評価した。評価方法と
してはASTM−E−292−74に規定されているゲ
ルボテストを用いた。表2には所定回数屈曲(揉み)を
与えた前後の酸素透過度と水蒸気透過度を示した。
【0054】
【表2】
【0055】比較例2のようにガスバリアー性被膜層を
有さないものは所定回数の屈曲(揉み)を受けることに
よってガスバリアー性が劣化することが分かる。これは
屈曲(揉み)を受けることによって第1層である無機化
合物層にクラックが生じるためである。それに対し、ガ
スバリアー性被膜層を有する実施例と比較例3において
はガスバリアー性の劣化が見られなかった。
【0056】
【発明の効果】本発明の最大の特徴は、基材高分子樹脂
として生分解性高分子樹脂を用いていることである。そ
のため、使用後環境中に投棄されても分解されるので環
境に悪影響を与えないという効果を奏する。
【0057】さらに、本発明の生分解性積層体は、生分
解性樹脂からなる基材上に、無機化合物層と、ガスバリ
アー性被膜層とを積層することによって、高いガスバリ
アー性を有し、かつ揉み性などの機械的特性、ラミネー
ト強度、耐水性、耐湿性、レトルト耐性に優れ、さらに
シーラント材などの他の樹脂と積層しても、この強度は
十分実用に耐えるものである。すなわち、高温・高湿度
雰囲気下においてもガスバリアー性を損なうことなく、
食品や薬品、トイレタリー用品などの内容物を劣化させ
ることなく長期保存を可能とするものである。また包装
材料として印刷やラミネート、製袋などの後加工におい
てもガスバリアー性を損なうことがないとする効果を奏
する。
【0058】本発明の効果の関係を表3に模式的に示し
た。
【0059】
【表3】
【0060】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生分解性積層体の積層状態を概念的に
説明する断面図である。
【符号の説明】
1 生分解性樹脂層 2 無機物蒸着層 3 ガスバリアー性被膜層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/057 C08K 5/057 C08L 29/04 LGM C08L 29/04 LGM

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生分解性樹脂層上に、無機化合物層、金属
    アルコキシドまたは塩化錫の加水分解もしくは重縮合反
    応物からなるガスバリアー性層が順次積層されている事
    を特徴とする生分解性積層体
  2. 【請求項2】生分解性樹脂層上に、無機化合物層、金属
    アルコキシドまたは塩化錫及び水溶性高分子の加水分解
    もしくは重縮合反応物からなるガスバリアー性層が順次
    積層されている事を特徴とする生分解性積層体
  3. 【請求項3】前記水溶性高分子がポリビニルアルコール
    であることを特徴とする請求項2記載の生分解性積層体
  4. 【請求項4】前記金属アルコキシドがテトラエトキシシ
    ランまたはトリイソプロポキシアルミニウム或いはそれ
    らの混合物であることを特徴とする請求項1乃至3何れ
    かに記載の生分解性積層体
  5. 【請求項5】前記無機化合物層が酸化アルミニウム、酸
    化マグネシウム、酸化錫、酸化珪素、或いはそれらの混
    合物であることを特徴とする請求項1乃至4何れかに記
    載の生分解性積層体
  6. 【請求項6】基材となる生分解性樹脂層上に、無機化合
    物層である第1層と、水溶性高分子と、(a)1種以上
    の金属アルコキシドおよびその加水分解物または(b)
    塩化錫の少なくとも一方を含む水溶液、或いは水/アル
    コール混合溶液を主剤とするコーティング剤を塗布し、
    加熱乾燥してなるガスバリアー性被膜である第2層を積
    層した生分解性積層体
  7. 【請求項7】前記水溶性高分子がポリビニルアルコール
    であることを特徴とする請求項6記載の生分解性積層体
  8. 【請求項8】前記金属アルコキシドがテトラエトキシシ
    ランまたはトリイソプロポキシアルミニウム、或いはそ
    れらの混合物であることを特徴とする請求項6又は7何
    れかに記載の生分解性積層体
  9. 【請求項9】前記無機化合物層が酸化アルミニウム、酸
    化マグネシウム、酸化錫、酸化珪素、或いはそれらの混
    合物であることを特徴とする請求項6乃至8何れかに記
    載の生分解性積層体
JP07147395A 1995-03-29 1995-03-29 生分解性積層体 Expired - Fee Related JP3513967B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07147395A JP3513967B2 (ja) 1995-03-29 1995-03-29 生分解性積層体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07147395A JP3513967B2 (ja) 1995-03-29 1995-03-29 生分解性積層体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08267640A true JPH08267640A (ja) 1996-10-15
JP3513967B2 JP3513967B2 (ja) 2004-03-31

Family

ID=13461633

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07147395A Expired - Fee Related JP3513967B2 (ja) 1995-03-29 1995-03-29 生分解性積層体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3513967B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5868827A (en) * 1996-12-16 1999-02-09 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Chemically bonding material and method for manufacturing the same
JP2001192619A (ja) * 2000-01-12 2001-07-17 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd 変性シランカップリング剤及びこれを用いた塗剤組成物
JP2008049606A (ja) * 2006-08-25 2008-03-06 Toppan Printing Co Ltd 生分解性ガスバリア材

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4844808B2 (ja) * 2005-09-14 2011-12-28 大日本印刷株式会社 バリア性フィルムおよびそれを使用した積層材

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5868827A (en) * 1996-12-16 1999-02-09 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Chemically bonding material and method for manufacturing the same
JP2001192619A (ja) * 2000-01-12 2001-07-17 Dainichiseika Color & Chem Mfg Co Ltd 変性シランカップリング剤及びこれを用いた塗剤組成物
JP2008049606A (ja) * 2006-08-25 2008-03-06 Toppan Printing Co Ltd 生分解性ガスバリア材

Also Published As

Publication number Publication date
JP3513967B2 (ja) 2004-03-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2790054B2 (ja) ガスバリア性積層フィルムおよびこの積層フィルムを用いた包装材料
EP0878495B1 (en) Gas barrier laminated material
JPH07126419A (ja) ガスバリア性積層体
JPWO2007036980A1 (ja) ガスバリア性積層フィルム
JP4816842B2 (ja) ガスバリア材
JP2000254994A (ja) 蒸着フィルム積層包装材料
JP3401807B2 (ja) ガスバリア材
JP3513967B2 (ja) 生分解性積層体
JP2004106314A (ja) 生分解性を有するバリア積層体
JP3482844B2 (ja) ガスバリア性透明積層体
JP3570250B2 (ja) 強密着ガスバリア透明積層体
JP2000218726A (ja) 強密着透明積層体
JPH08318591A (ja) 蒸着層を有するバリア材料、およびこのバリア材料を用いた積層材料
JP2002036419A (ja) ガスバリア性透明積層体
JPH08267637A (ja) 蒸着層を有するバリア材料、およびこのバリア材料を用いた積層材料
JPH1029263A (ja) 加熱殺菌に適した積層材料、およびこの積層材料を用いた包装容器
JPH11129384A (ja) 強密着ガスバリア透明積層体およびそれを用いた包装体
JP3438257B2 (ja) 耐ボイル性を有するガスバリア材
JPH11262986A (ja) バリア性の優れたポリアミドフィルムおよび積層材料
JP2000103001A (ja) 水蒸気バリア性積層フィルム
JP2002046208A (ja) バリア性積層フィルム
JPH08216325A (ja) 蒸着層を有する積層材料、およびこの積層材料を用いた容器
JP3438256B2 (ja) 耐ボイル性を有するガスバリア材
JP4714994B2 (ja) 選択ガス透過性包装材料およびその製造方法
JP3119108B2 (ja) 印刷層を設けたバリア性の優れた包装材料

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20031224

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040106

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080123

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090123

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100123

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100123

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110123

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120123

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130123

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130123

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140123

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees