JP2002046208A - バリア性積層フィルム - Google Patents
バリア性積層フィルムInfo
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- JP2002046208A JP2002046208A JP2000234265A JP2000234265A JP2002046208A JP 2002046208 A JP2002046208 A JP 2002046208A JP 2000234265 A JP2000234265 A JP 2000234265A JP 2000234265 A JP2000234265 A JP 2000234265A JP 2002046208 A JP2002046208 A JP 2002046208A
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Abstract
成に際して用いられる塗工液が安定であるORMOCE
R層を有するバリア性積層フィルム、および硬化収縮の
際、もしくは使用時の屈曲等の際にクラックが発生しに
くく、これに起因するバリア性能の低下が生じ難いOR
MOCER層を有するバリア性積層フィルムを提供する
ことを主目的とするものである。 【解決手段】 上記目的を達成するために、本発明は、
フィルム基材上に、直接、あるいは他の層を介してOR
MOCER層が形成されてなるバリア性積層フィルムに
おいて、上記ORMOCER層が、上記ORMOCER
層を構成する出発化合物の総モル数に対して、以下の化
学式で示されるポリメトキシシロキサンを20〜40モ
ル%含む出発化合物により合成されてなるバリア性積層
フィルム、および上記バリア性積層フィルムにおいてO
RMOCER層の厚みが、0.05〜0.95μmの範
囲内であるバリア性積層フィルムを提供する。 【化4】
Description
び透明性に優れ、例えば、食品の包装または工業用膜と
して使用される包装用のバリア性積層フィルムに関する
ものである。
水蒸気や酸素の透過防止のため、ガスバリア性のプラス
チックフィルムが使用されている。そして、内容物の変
質を防ぐためさらに良好な水蒸気や酸素の透過防止性が
必要な用途には、高度なガスバリア性を有するフィルム
が用いられている。
ルミ箔が知られているが、使用後の廃棄処理が問題にな
っている他に、基本的に不透明であり、内容物を外から
見ることができない問題がある。
ニリデンと他のポリマーとの共重合体樹脂からなる基
材、あるいはこれらの塩化ビニリデン系樹脂をポリプロ
ピレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂にコー
ティングしてガスバリア性を付与したものが、特に包装
材料として広く使用されているが、焼却処理で塩素系ガ
スが発生するため、環境保護の点で現在、問題となって
おり、さらに、ガスバリア性が必ずしも充分でなく、高
度なバリア性が要求される内容物には使用できない。
やエチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)も用
いられるが、これらは絶乾条件では、比較的優れたガス
バリア性を示すが、水蒸気バリア性は充分でなく、ま
た、湿度条件で酸素バリアが悪化するため、現実的な条
件では充分なガスバリア性材料とは言えない。この湿度
依存性を改善する手法の一つとして、真空蒸着法で酸化
珪素等の無機酸化物を蒸着する方法(特開平4−713
9号公報)も提案されているが、湿度70%以上の高湿
度条件では酸素バリア性の悪化は改善できないという問
題があった。
VD)で二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PE
T)等のプラスチックフィルム基材上に珪素酸化物、酸
化アルミニウム、酸化マグネシウム等の無機酸化物の薄
膜を蒸着したフィルムが提案されている。このようなフ
ィルムは、ガスバリア性が格段に向上し、しかも、透明
なため内容物を外から見える利点もあり、さらにEVO
H等のようにバリア性の湿度依存性がない。しかしなが
ら、蒸着膜は無機酸化物粒子の積み重ねで形成されてお
り、膜内に必ず欠陥構造を含むため、成膜手法を変えて
も、バリア性には限界がある。さらに、これらの蒸着膜
は耐屈曲性が悪く、機械的ストレスによってバリア性が
劣化する問題も指摘されており、その用途は限定されて
いる。
法)は、基材に対する熱的ダメージが少なく無機酸化物
蒸着層を形成できる方法として注目されている。耐屈曲
性も良好で、機械的ストレスを受けてもバリア性の低下
が少ない等の優れた特性を有しているが、PVD法と同
様、膜内の欠陥構造によるバリア性に限界があるという
問題がある。
法による蒸着フィルムのバリア性は、有機系のバリア材
料に比べると確かに優れているが、アルミ箔のレベルに
は及ばないという問題があり、さらに高度なバリア性を
有し、かつ透明であるバリアフィルムが求められてい
た。
するバリアフィルムとして、有機金属化合物を加水分解
重縮合させて得られるハイブリッドポリマー(以下、O
RMOCERとする。)を蒸着膜と組合せて、膜内に存
在する欠陥構造を補うことでバリア性を向上させたバリ
ア性フィルムが提案されている(EP 0 792846
A1)。
び有機網目構造を有しており、金属アルコキシド等の加
水分解および重縮合を制御したゾル・ゲル・プロセス(B
rinkerら、Sol−Gel−Science ; The physics and chem
istry of Sol−Gel−Processing, Academic社、N. Y. 1
989)を基本として、無機成分と有機成分の導入量を調
節することで、酸素や水蒸気に対する優れたバリア性の
発現が可能となる。
を有するORMOCERは、例えば特開平2−1608
36号公報に開示されている耐引っ掻き性材料として用
いられる出発化合物、即ち、一般式R’mSiX(4-m)と
AlR3、さらにアルミニウム以外の周期律表における
主族の元素等を有する加水分解可能な有機化合物との組
合せから得られるものを使用することができるが、より
高度なバリア性の発現のためにはORMOCER中に無
機網目構造、特に硬化塗膜中にSi−O−Siで標記さ
れるシリケート網目構造を均一に導入させる必要があ
る。
導入するには、出発化合物としてSi(OR)4で示され
るケイ素のアルコキシド、特にアルキル鎖Rがメチルの
テトラメトキシシランを適量加えると、シリケート網目
構造の形成が容易に起ることから好ましく、このような
ORMOCERを金属酸化物蒸着膜と組合せた時に高度
なバリア性の発現が可能となる。
キシドは、また、溶剤に対して不溶性の網目構造を導入
することとなり、複数の有機金属化合物を組合せたOR
MOCERは個々の出発化合物の加水分解速度がそれぞ
れに異なることから、不均一な反応、すなわち硬化塗膜
中へのシリケート網目構造の導入が不均一となるため、
液寿命やバリア性能の再現性の低下が引き起るという問
題がある。さらに、4官能性ケイ素アルコキシドである
テトラメトキシシラン等は、蒸気の毒性が高いため大量
に使用することは事実上不可能となるという問題があっ
た。
ORMOCER層は、脆性破壊が生じやすく、硬化収縮
の際、もしくは使用時の屈曲等の際にクラックが発生し
てしまい、結果的に得られるバリア性積層フィルムにお
いて高度なバリア性能が発現されない場合があった。
を解決するためになされたものであり、均一なシリケー
ト網目構造を有し、かつ層形成に際して用いられる塗工
液が安定であるORMOCER層を有するバリア性積層
フィルム、もしくは硬化収縮の際、もしくは使用時の屈
曲等の際にクラックが発生しにくく、これに起因するバ
リア性能の低下が生じ難いORMOCER層を有するバ
リア性積層フィルムを提供することを主目的とするもの
である。
に、本発明は、請求項1に記載するように、フィルム基
材上に、直接、あるいは他の層を介してORMOCER
層が形成されてなるバリア性積層フィルムにおいて、上
記ORMOCER層が、上記ORMOCER層を構成す
る出発化合物の総モル数に対して、以下の化学式で示さ
れるポリメトキシシロキサンを20〜40モル%含む出
発化合物により合成されてなることを特徴とするバリア
性積層フィルムを提供する。
構成する出発化学物質の総モル数に対して、所定の重合
度を有するポリメトキシシロキサンを20〜40モル%
含む出発化学物質により合成されてなるものであるの
で、ORMOCER層を形成する際に均一なシリケート
網目構造を導入することが可能であり、かつテトラアル
コキシシランを用いた場合のように蒸気の毒性が高いと
いった問題も生じない。したがって、均一なシリケート
網目構造を有するORMOCER層を比較的容易に形成
することが可能であり、かつ良好な作業環境を確保する
ための設備を必要とすることなく形成することができる
ため、高度なガスバリア性を有するバリア性積層フィル
ムを比較的安価に提供することができる。
に、請求項2に記載するように、フィルム基材上に、直
接、あるいは他の層を介してORMOCER層が形成さ
れてなるバリア性積層フィルムにおいて、上記ORMO
CER層の厚みが、0.05〜0.95μmの範囲内で
あることを特徴とするバリア性積層フィルムを提供す
る。
ムは、0.05〜0.95μmの範囲内の膜厚を有する
ORMOCER層を有するものであるので、製造時の硬
化収縮や、使用時の屈曲等によりこのORMOCER層
にクラックが生じ、結果的にガスバリア性を悪化させる
といった問題が生じることがない。
は、請求項3に記載するように、上記ORMOCER層
の厚みが、0.05〜0.95μmの範囲内であること
が好ましい。このようにORMOCER層の膜厚を0.
05〜0.95μmの範囲内とすることにより、上記請
求項1に記載されたバリア性積層フィルムの有する利点
に加えて、さらに上記請求項2に記載されたバリア性積
層フィルムの有する利点、すなわち製造時や使用時にO
RMOCER層にクラックが生じ、結果的にガスバリア
性の低下を招くといった問題が生じないのである。
れたバリア性積層フィルムにおいては、請求項4に記載
するように、上記他の層が、物理的蒸着法(PVD法)
および/または低温プラズマ気相成長法(CVD法)に
より形成される金属酸化物層であることが好ましい。こ
のように、PVD法やCVD法により形成された金属酸
化膜上にORMOCER層を形成することにより、OR
MOCER層単独で得られるガスバリア性、および上記
金属酸化物層単独で得られるガスバリア性を大幅に改良
することができるからである。この場合、請求項5に記
載するように、上記金属酸化物層を構成する金属酸化物
が、ケイ素酸化物、および/または炭化ケイ素酸化物で
あることが好ましい。
バリア性積層フィルムにおいては、請求項6に記載する
ように、上記金属酸化物層の厚みが、5〜1000nm
の範囲内であることが好ましい。上記範囲より薄い場合
は、金属酸化物層を設けた効果が明確でなくなってしま
い、また上記範囲より膜厚が厚い場合は、使用時の屈曲
等の場合にフィルム基材の屈曲性に金属酸化物層が追従
することができず、多量のクラックが生じる可能性があ
り、結果的にガスバリア性を悪化させることになるから
である。
た発明においては、請求項7に記載するように、上記フ
ィルム基材が、5μm〜2mmの範囲内の厚みを有する
ポリエチレンテレフタレート(以下、PETとする場合
がある。)であることが好ましい。上記厚みの範囲内で
あれば、生産性や屈曲性に問題が生じることがない点、
またPETは湿度や温度変化に対する安定性に優れてお
り、再生が容易でかつ安定な品質を確保できる点等の理
由からである。
μm〜2mmの範囲内の厚みを有するポリエチレンテレ
フタレートからなるフィルム基材上に、5〜1000n
mの範囲内の厚みを有する金属酸化物層が形成され、さ
らにその上に0.05〜0.95μmの範囲内の厚みを
有するORMOCER層が積層されてなるバリア性積層
フィルムであって、上記バリア性積層フィルムの温度2
5℃、相対湿度90%における酸素透過度が1.0cc/m2・
day・atm以下であり、かつ上記バリア性積層フィルムの
温度40℃、相対湿度100%における水蒸気透過度が
1.0g/m2・day・atm以下であることを特徴とするバリア
性積層フィルムを提供する。このような酸素透過度およ
び水蒸気透過度を有するバリア性積層フィルムは、酸素
や水蒸気が侵入することを嫌う食品、医薬品、化学薬品
等の包装に好適に用いることができる。
に、まず本発明に用いられるORMOCER層を形成す
るORMOCERを定義する。
ケイ素系金属アルコキシド、及び/またはその誘導体
に、アルミニウム化合物および、必要であれば他の金属
元素を含む化合物を、加水分解・重縮合させて引掻き強
度の大きな被覆材料として提案されている特開平2−1
60836号公報に記載されている無機・有機ハイブリ
ッドポリマーをいう。
とは、下記のa成分およびb成分、さらには必要であれ
ば下記のc成分を出発化合物として加水分解、重縮合さ
れた無機・有機ハイブリッドポリマーをいう。
示される少なくとも一つのシラン、および/またはそこ
から誘導されるオリゴマーである。
く、水素、ハロゲン、アルコキシ、アシルオキシ、アル
キルカルボニル、アルコキシカルボニル、もしくは−N
R”2(R”=Hおよび/またはアルキル)である。
ルキル、アルケニル、アルキニル、アリル、アリルアル
キル、アルキルアリル、アリルアルケニル、アルケニル
アリル、アリルアルキニルまたはアルキニルアリル基で
ある。また、上記残基R’は、OもしくはS原子、また
は−NR”によって中断されてもよい。さらに、ハロゲ
ン、アミノ、アミド、アルデヒド、ケト、アルキルカル
ボニル、カルボキシル、メルカプト、シアノ、ヒドロキ
シル、アルコキシ、アルコキシカルボニル、スルホン
酸、リン酸、アクリルオキシ、メタクリルオキシ、エポ
キシド、またはビニル基からなる群から選択された一つ
以上の置換基を有していてもよい。
しくは1〜10の直鎖、側鎖を有する、もしくは環状の
ものであり、特に炭素数1〜6、中でも1〜4の低級ア
ルキル基が好ましい。具体的には、メチル、エチル、n
−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチ
ル、tert−ブチル、イソブチル、n−ペンチル、n−ヘ
キシル、ドデシル、オクタデシル、もしくはシクロヘキ
シルが好ましい。
ば炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜10の直鎖、
側鎖もしくは環状の基であり、少なくとも一つの二重結
合または三重結合を有し、特に低級アルケニル基または
アルキニル基、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、
エチニルおよびプロパギルなどが好ましい。
アミノ、ジアルキルアミノ、アルキルカルボニル、アル
コキシカルボニル、アルキルアリル、アリルアルキル、
アルケニルアリル、アリルアルケニル、アルキニルアリ
ル、アリルアルキニルおよび置換したアミノ基またはア
ミド基は、上記アルキル、アルケニル、およびアルキニ
ル基から誘導されるものである。
ロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブト
キシ、tert−ブトキシ、イソブトキシ、β−メトキシエ
トキシ、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、モノメ
チルアミノ、モノエチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエ
チルアミノ、N−エチルアニリノ、メチルカルボニル、
エチルカルボニル、メトキシカルボニル、エトキシカル
ボニル、ベンジル、2−フェニルエチル、トリルおよび
スチリルである。好ましいアリル基としては、フェニ
ル、ヒドロキシフェニル、ビフェニルおよびナフチルで
あり、中でもフェニルが好ましい。
しくは一つ以上の置換基、例えばハロゲン原子、低級ア
ルキルまたはアルコキシ基およびニトロ基により置換さ
れていてもよい。中でも、ハロゲン原子(例えば、F、
Cl、Br)、特に最終生成物の疎水性および特に凝縮
した水に対して優れた耐性を与えるフッ素原子が好まし
い。このため、特にフッ化シランが特に有利である。
は、フッ素、塩素、および臭素が好ましく、特に塩素が
好ましい。
つのアルミニウム化合物、および/またはそこから誘導
されるオリゴマーおよび/または選択により錯体であ
る、無機または有機酸のアルミニウム塩である。
ン、炭素数10以下、好ましくは4以下のアルキル、ア
ルコキシ、もしくはアシルオキシ、またはヒドロキシで
あり、これらの基は全部または一部がキレート配位子に
より置き換えられていてもよい。
Va、または亜族IIb、IIIb、Vb−VIIIbの元素
の、反応媒体に可溶な、一つ以上の低揮発性酸化物であ
る。
される。すなわち、MgおよびCaのようなアルカリ土
類金属、B、Si、Sn、Pb、P、As、Sb、B
i、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、
および/またはVであり、B、Si、Sn、Zn、およ
びPが特に好ましい。必要であればランタニドおよびア
クチニドを用いることもできる。
分、上記b成分、および必要に応じて添加される上記c
成分の割合は、上記a成分を、(単量体の)出発化合物
の総モル数に対して25〜95モル%の割合、上記b成
分を、(単量体の)出発化合物の総モル数に対して5〜
75モル%の割合、そして上記c成分を、(単量体の)
出発化合物の総モル数に対して0〜70モル%の割合で
ある。
て 以下、このようなORMOCERを用いた本発明のバリ
ア性積層フィルムについて詳細に説明する。なお、本発
明は第1実施態様と第2実施態様の二つの態様に分ける
ことができるので、以下、第1実施態様、第2実施態様
の順に説明する。
は、フィルム基材上に、直接、あるいは他の層を介して
ORMOCER層が形成されてなるバリア性積層フィル
ムにおいて、上記ORMOCER層が、上記ORMOC
ER層を構成する出発化合物の総モル数に対して、以下
の化学式(3)で示されるポリメトキシシロキサンを2
0〜40モル%含む出発化合物により合成されてなるこ
とを特徴とするものである。
CERを用いてORMOCER層を形成するに当たり、
上記a成分、上記b成分、および必要に応じて添加され
る上記c成分に加えて、d成分として、上記化学式
(3)で示されるポリメトキシシロキサンを加えた出発
化合物を用いてORMOCER層を形成したところに特
徴を有するものである。
てORMOCER層を形成することにより、より高度な
ガスバリア性を得るために必要な均一なシリケート網目
構造を、蒸気の毒性が高く、且つ反応性が高いため塗工
液の安定性を阻害してしまうテトラメトキシシランを用
いることなく導入することが可能となる。これにより、
ORMOCER層形成用の塗工液の歩留まりが高くな
り、かつ毒性の高い成分を取り扱う際に必要な設備等が
不要となることから、容易かつ安価にORMOCER層
を有するバリア性積層フィルムを得ることができる。
化学式(3)で示されるポリメトキシシロキサンの重合
度は、上述したように2から20の範囲内であるが、好
ましくは2〜9の範囲内、特に好ましくは4〜6の範囲
内の重合度を有するポリメトキシシロキサンが好適に用
いられる。上記範囲より小さい重合度の場合は、毒性を
有する可能性があり、また均一なシリケート網目構造を
導入することができない可能性があるからである。一
方、上記範囲より重合度が大きい場合は、より高度なガ
スバリア性を得るために必要な均一なシリケート網目構
造を十分に導入することができない可能性が有ることか
ら好ましくない。なお、ここでいう重合度とは、用いる
ポリメトキシシロキサンの平均重合度をいう。
は、出発化合物の総モル数に対して、20〜40モル%
であるが、より好ましくは25〜35モル%の範囲内で
あることが好ましい。上記範囲より少ない場合は、均一
なシリケート網目構造を十分に導入することができない
可能性があることから好ましくなく、上記範囲を超える
場合は、他の成分の含有割合が低下し、十分なORMO
CER層としての特性を発揮することができない場合が
あるため好ましくない。
物中における上記a成分の含有量は、上述したように、
出発化合物の総モル数に対して25〜95モル%である
が、d成分を添加した本実施態様において好ましい含有
量は、出発化合物の総モル数に対して、30〜60モル
%の範囲内が好ましく、特に40〜50モル%の範囲内
が好ましい。出発化合物の総モルに対して、5〜75モ
ル%であるb成分の含有量は、d成分を添加した本実施
態様においては、5〜30モル%の範囲内が好ましく、
特に10〜20モル%の範囲内が好ましい。さらに、出
発化合物の総モルに対して0〜70モル%であるc成分
の含有量は、本実施態様においては、5〜30モル%の
範囲内が好ましく、特に10〜20モル%の範囲内が好
ましい。
は、有機成分の架橋構造を容易に形成できる点から、有
機性官能基として、エポキシ基、アミノ基、アミド基、
水酸基、カルボキシル基、メルカプト基、シアノ基、ア
クリルオキシ基、メタクリルオキシ基、ビニル基等を有
する化合物が好ましい。具体的に、本実施態様に好適に
用いられるa成分としては、3−グリドキシプロピルト
リメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジ
メトキシシラン、2−(3、4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルト
リエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメ
チルジエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメ
トキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ
エトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシラン等が好ましく、特にエポキシ基を有する3−
グリドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシド
キシプロピルメチルジメトキシシランが好ましい。
b成分としては、アルミニウム-sec-ブトキシド、アル
ミニウム-iso-プロポキシド、及びそのアセチルアセト
ン、アセト酢酸エチル、アルカノールアミン類、グリコ
ール類、及びその誘導体との錯体等を挙げることができ
る。
記c成分としては、ジルコニウム-n-ブトキシド、ジル
コニウム-n-プロポキシド、チタニウム-sec-ブトキシ
ド、チタニウムメトキシド、チタニウムエトキシド、及
びそのアセチルアセトン、アセト酢酸エチル、アルカノ
ールアミン類、グリコール類、及びその誘導体との錯体
等を挙げることができる。
の肉厚は、0.05〜0.95μmの範囲内であること
が好ましく、より好ましくは0.1〜0.5μmの範囲
内に調整されて形成されたものである。ORMOCER
層の厚みが上記範囲より小さい場合は、そのバリア性能
がほとんど期待できなくなる可能性があることから好ま
しくなく、一方上記範囲より厚い場合は、硬化収縮が激
しくなり塗膜中にクラックが発生し、結果的に高度なバ
リア性能の発現が期待できなくなるおそれがあるため好
ましくない。さらに、大量のORMOCERを使用する
ことにもなり、コストの面でも不利となる。
記ORMOCER層が直接フィルム基材上に形成された
ものであってもよいが、より好ましくは、他の層として
物理的蒸着法(PVD法)および/または低温プラズマ
気相成長法(CVD法)により形成される金属酸化物層
を介して上記ORMOCER層が形成されたバリア性積
層フィルムであることが好ましい。このような層構成と
することにより、より高度なバリア性能の発現が可能と
なるからである。
層は、上記PVD法及び/またはCVD法で製造可能な
金属酸化物であれば特に限定されるものでなく、具体的
には、ケイ素酸化物、炭化ケイ素酸化物、酸化アルミニ
ウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化ハフニウ
ム、酸化タンタル、酸化チタン(例えば、二酸化チタ
ン、三酸化チタン、もしくは一酸化チタン)、酸化イッ
トリウム、酸化ジルコニウム(例えば、一酸化ジルコニ
ウム)等を挙げることができるが、特に上記ORMOC
ERとの親和性、製造の安定性、安全性やコストの観点
からケイ素酸化物および/または炭化ケイ素酸化物がよ
り好ましく用いられる。
ましい膜厚としては、5〜1000nmの範囲内、特に
10〜100nmの範囲内であることが好ましい。これ
は、上記金属酸化物層の膜厚が上記範囲より薄い場合
は、ORMOCER層のみを形成させた場合とガスバリ
ア性能はほとんど変わらない可能性が生じるため好まし
くなく、一方、膜厚が上記範囲を超える場合は、フィル
ム基材の持つ屈曲性に追随できず、バリア性能低下の原
因となる多量のクラックが膜中に発生する可能性がある
ため好ましくない。また、金属酸化物層を厚く形成する
場合、製造に要する時間が長くなり、生産性の面からも
好ましくない。
MOCER層とを組み合わせることにより、より優れた
ガスバリア性を発揮することの原理は、その詳細は不明
ではあるが、基本的なバリア性能に優れる金属酸化物層
蒸着層の構造欠陥をORMOCER層が補い、結果とし
てバリア性能と耐屈曲性に優れる積層フィルムになると
考えられる。
材としては、例えば、ポリアミド、ポリエチレン、ポリ
プロピレン、またはポリエステル等の通常入手できる全
てのプラスチックフィルムを挙げることができるが、特
に湿度や温度変化に対する安定性に優れ、再生が容易で
安定な品質を確保できるポリエチレンテレフタレートが
より好適に用いられる。
材の厚みは、生産性や屈曲性の観点から、5μm〜2m
mの範囲内が好ましく、特に10μm〜200μmの範
囲内が好ましい。
には上記本実施態様特有の出発成分として上記d成分を
有するORMOCER層とフィルム基材とを有するもの
であれば特に限定されるものではない。しかしながら、
上述したように金属酸化物層を組み合わせることにより
ガスバリア性が飛躍的に良好となることから、フィルム
基材、ORMOCER層、および金属酸化物層を有する
ものが好ましい。このORMOCER層、金属酸化物
層、およびフィルム基材の層構成は、上記フィルム基材
上に金属酸化物層を介してORMOCER層が形成され
た構成に限定されるものではなく、フィルム基材上にO
RMOCER層を形成し、その上に金属酸化物層を形成
するようにしてもよい。すなわち、フィルム基材上にO
RMOCER層および金属酸化物層が形成された層構成
であればよいのである。さらに、同一もしくは異なる材
質のフィルム基材間に上記ORMOCER層および金属
酸化物層が形成されたような構成であってもよい。
成する方法の一例を以下に示す。例えば、上記a成分〜
d成分までを、所定の溶媒、例えばアルコール類、ケト
ン類、エステル類、エーテル類、炭化水素、水、アミン
類等に溶解し、さらに加水分解可能な基を完全に加水分
解するのに必要な化学両論的量より少ない量の水を添加
して、攪拌することにより、塗工液を調製する。
の塗工方法、例えばスプレーコート、スピンコート、バ
ーコート等の方法により透明基材もしくは金属酸化物層
上に塗工する。そして、例えば熱等のエネルギーを照射
することにより塗工液を硬化させることによりORMO
CER層を形成することができる。
は、フィルム基材上に、直接、あるいは他の層を介して
ORMOCER層が形成されてなるバリア性積層フィル
ムにおいて、上記ORMOCER層の厚みが、0.05
〜0.95μmの範囲内であることを特徴とするもので
ある。すなわち、本実施態様は、ORMOCER層の厚
みを0.05〜0.95μmの範囲内に限定した点に特
徴を有する。
OCER層の肉厚を0.05〜0.95μmの範囲内と
したので、製造時の硬化収縮が激しくなり塗膜中にクラ
ックが発生し、結果的に高度なバリア性能の発現が期待
できなくなるといったおそれや、使用時の屈曲等により
このORMOCER層にクラックが生じ、結果的にガス
バリア性を悪化させるといった問題が生じることがない
という効果を奏するものである。
上記「A.ORMOCERの定義」の項で定義したOR
MOCERを用いた層を用いることができるが、好まし
くは、上記第1実施態様で用いた、出発化合物に新たに
d成分を加えたORMOCERを用いた層であることが
好ましい。
層の膜厚は、0.05〜0.95μmの範囲内である
が、より好ましくは0.1〜0.5μmの範囲内であ
る。ORMOCER層の厚みが上記範囲より小さい場合
は、そのバリア性能が期待できなくなる可能性があるこ
とから好ましくなく、一方上記範囲より厚い場合は、硬
化収縮が激しくなり塗膜中にクラックが発生し、結果的
に高度なバリア性能の発現が期待できなくなるおそれが
あるため好ましくない。
の層、フィルム基材、層構成、ORMOCER層の塗工
方法等に関しては、上記第1実施態様と同様であるの
で、ここでの説明は省略する。
mmの範囲内の厚みを有するポリエチレンテレフタレー
トからなるフィルム基材上に、5〜1000nmの範囲
内の厚みを有する金属酸化物層が形成され、さらにその
上に0.05〜0.9μmの範囲内の厚みを有するOR
MOCER層が積層されてなるバリア性積層フィルムで
あって、上記バリア性積層フィルムの温度25℃、相対
湿度90%における酸素透過度が1.0cc/m2・d
ay・atm以下であり、かつ温度40℃、相対湿度1
00%における水蒸気透過度が1.0g/m2・day
・atm以下であるバリア性積層フィルムが好ましい。
ルムであれば、種々の用途、例えば水分や酸素の存在を
嫌う食品、医薬品、化学製品等の包装材として好適に用
いることができるからである。
るものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明
の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同
一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いか
なるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
バリア性積層フィルムの奏する効果をガスバリア性とし
ているが、このガスバリア性には酸素等のガスの透過防
止性のみならず水蒸気透過防止性をも含む概念である。
て、実施例を挙げて具体的に説明する。なお、本発明は
以下の実施例に限定されるものではない。
(三菱化学(株)製、商品名:MS−51、平均分子量
500〜700)、212.7g(45モル%)の3−
グリシドキシプロピルトレメトキシシラン、22.1g
(5モル%)の3−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、49.2g(10モル%)のアルミニウムsec−ブ
トキシドをフラスコ中で、氷で冷却しながら、5分間攪
拌した。この混合物に7.6gの蒸留水を徐々に滴下し
て加え、その混合物を5分間攪拌した。次いで65.5
g(10モル%)のジルコニウムプロポキシドを加えて
5分間攪拌した後、15.3gの蒸留水をその混合物に
加え、15分間攪拌し続けた。最後に122.5gの蒸
留水をその混合物に加え、室温で2時間攪拌し、透明で
均一な塗工液を得た。
レンテレフタレートフィルム(商品名:テックバリア
H、三菱化学興人パックス(株)製、フィルム厚:12μ
m、シリカ蒸着膜:50nm)をA4サイズに切り出し
てバーコート法により上記塗工液を塗工し、130℃で
熱硬化させた。乾燥後のORMOCER層の膜厚は、
0.25μmであった。
(三菱化学(株)製、商品名:MS−51、平均分子量
500〜700)114.8g(45モル%)の3−グ
リシドキシプロピルトレメトキシシラン、35.3g
(10モル%)のジルコニウムプロポキシド、26.6
g(10モル%)のアルミニウムsec−ブトキシドをフ
ラスコ中で、氷で冷却しながら、5分間攪拌した。この
混合物に19.4gの蒸留水を徐々に滴下して加え、そ
の混合物を5分間攪拌した。次いで116.8gの蒸留
水をその混合物に加え、室温で2時間間攪拌し、透明で
均一な塗工液を得た。
フィルムを作製した。乾燥後のORMOCER層の膜厚
は、同様に0.25μmであった。
110.7g(50モル%)の3−グリシドキシプロピ
ルトレメトキシシラン、46.2g(20モル%)のア
ルミニウムsec−ブトキシドをフラスコ中で、氷で冷却
しながら、5分間攪拌した。この混合物に55.7gの
蒸留水を徐々に滴下して加え、その混合物を5分間攪拌
し、透明で均一な塗工液を得た。
フィルムを作製した。乾燥後のORMOCER層の膜厚
は、同様に0.25μmであった。
トキシシランを用いた以外は実施例1と同様の方法で塗
工液を調製した。塗工液中には少量の析出物が生成する
が塗工に際してはそれらを除去して成膜した。
フィルムを作製した。乾燥後のORMOCER層の膜厚
は、同様に0.25μmであった。
トキシシランを用いた以外は実施例2と同様の方法で塗
工液を調製した。塗工液中には少量の析出物が生成する
が塗工に際してはそれらを除去して成膜した。
フィルムを作製した。乾燥後のORMOCER層の膜厚
は、同様に0.25μmであった。
トキシシランを用いた以外は実施例3と同様の方法で塗
工液を調製した。塗工液中には少量の析出物が生成する
が塗工に際してはそれらを除去して成膜した。
フィルムを作製した。乾燥後のORMOCER層の膜厚
は、同様に0.25μmであった。
比較例1〜比較例3により得られたバリア性積層フィル
ムを、それぞれの調製直後、及び室温で24時間放置後
の酸素、及び水蒸気透過度を以下の条件で測定した。結
果を表1にまとめる。
の条件で測定した。
件で測定した。
いた実施例1〜3では室温で放置後も安定なバリア性能
の発現が可能な塗工液が得られたのに対し、比較例1〜
3では、初期特性と室温での安定性に劣る塗工液となっ
た。
施例1と同様にしてバリア性積層フィルムを形成した。
膜厚は、0.04μm(比較例4)、0.08μm(実
施例4)、0.12μm(実施例5)、0.20μm
(実施例6)、0.25μm(実施例1)、0.40μ
m(実施例7)、0.80(実施例8)、および1.2
μm(比較例5)とした。
び比較例4〜比較例5のバリア性積層フィルムを、それ
ぞれ室温で24時間放置後の酸素、及び水蒸気透過度を
上記(1)と同様の方法により測定した。結果を表2に
まとめる。
える場合は、塗工膜の硬化収縮が顕著になり、蒸着膜の
基材からの剥がれや塗膜の亀裂が生じやすくなるために
バリア性が低下したものと考えられる。
キサン量を変更させた以外は、上記実施例1と同様にし
てバリア性積層フィルムを形成した。ポリメトキシシロ
キサンの量としては、0モル%(比較例6)、10モル
%(比較例7)、20モル%(実施例9)、30モル%
(実施例1)、40モル%(実施例10)、および50
モル%(比較例8)とした。なお、いずれの例において
も、塗工液は透明で性状に関しては問題が無かった。
よび比較例6〜比較例8のバリア性積層フィルムを、そ
れぞれ室温で24時間放置後の酸素、及び水蒸気透過度
を上記(1)と同様の方法により測定した。結果を表3
にまとめる。
ロキサン量が20〜40モル%の範囲内のバリア積層フ
ィルムにおける酸素透過度および水蒸気透過度が共に良
好であった。
変更 実施例1のORMOCER塗工液と同様の組成を用い、
その内のポリメトキシシロキサンの重合度を変更させた
以外は、上記実施例1と同様にしてバリア性積層フィル
ムを形成した。ポリメトキシシロキサンの重合度として
は、重合度4〜6(実施例1)、重合度6〜9(実施例
11)、重合度10〜12(実施例12)とした。
12のバリア性積層フィルムを、それぞれ室温で24時
間放置後の酸素、及び水蒸気透過度を上記(1)と同様
の方法により測定した。結果を表4にまとめる。
した場合 [実施例13]フィルム基材として、シリカが蒸着され
ていない厚み12μmの二軸延伸PETフィルム(帝人
社製、商品名:NSC、片面コロナ処理)を用いた以外
は、実施例1と同様にしてバリア性積層フィルムを形成
した。
蒸着されていない厚み12μmの二軸延伸PETフィル
ム(帝人社製、商品名:NSC、片面コロナ処理)を用
いた以外は、比較例1と同様にしてバリア性積層フィル
ムを形成した。
1.2μmとした以外は、実施例13と同様にしてバリ
ア性積層フィルムを得た。
以外は、実施例13と同様にしてバリア性積層フィルム
を得た。
ムは、塗膜表面に細かなクラックが観察された。また比
較例11のバリア性積層フィルムは、塗膜表面に傷の発
生していた。実施例1のバリア性積層フィルムは、クラ
ック等は観察されなかった。
び水蒸気透過度を上述した方法により測定した。結果を
表5に示す。
ORMOCER層を構成する出発化学物質の総モル数に
対して、所定の重合度を有するポリメトキシシロキサン
を20〜40モル%含む出発化学物質により合成されて
なるものであるので、ORMOCER層内に均一なシリ
ケート網目構造を導入が可能であり、かつテトラアルコ
キシシランを用いた場合のように蒸気の毒性が高いとい
った問題も生じない。したがって、均一なシリケート網
目構造を有するORMOCER層を比較的容易に形成す
ることが可能であり、かつ良好な作業環境を確保するた
めの設備を必要とすることなく形成することができるた
め、高度なガスバリア性を有するバリア性積層フィルム
を比較的安価に提供することができるという効果を奏す
る。
Claims (8)
- 【請求項1】 フィルム基材上に、直接、あるいは他の
層を介して無機・有機ハイブリッドポリマー層(ORM
OCER層)が形成されてなるバリア性積層フィルムに
おいて、 前記ORMOCER層が、前記ORMOCER層を構成
する出発化合物の総モル数に対して、以下の化学式で示
されるポリメトキシシロキサンを20〜40モル%含む
出発化合物により合成されてなることを特徴とするバリ
ア性積層フィルム。 【化1】 - 【請求項2】 フィルム基材上に、直接、あるいは他の
層を介して無機・有機ハイブリッドポリマー層(ORM
OCER層)が形成されてなるバリア性積層フィルムに
おいて、 前記ORMOCER層の厚みが、0.05〜0.95μ
mの範囲内であることを特徴とするバリア性積層フィル
ム。 - 【請求項3】 前記ORMOCER層の厚みが、0.0
5〜0.95μmの範囲内であることを特徴とする請求
項1記載のバリア性積層フィルム。 - 【請求項4】 前記他の層が、物理的蒸着法(PVD
法)および/または低温プラズマ気相成長法(CVD
法)により形成される金属酸化物層である請求項1から
請求項3までのいずれかの請求項に記載のバリア性積層
フィルム。 - 【請求項5】 前記金属酸化物層を構成する金属酸化物
が、ケイ素酸化物、および/または炭化ケイ素酸化物で
あることを特徴とする請求項4記載のバリア性積層フィ
ルム。 - 【請求項6】 前記金属酸化物層の厚みが、5〜100
0nmの範囲内であることを特徴とする請求項4または
請求項5に記載のバリア性積層フィルム。 - 【請求項7】 前記フィルム基材が、5μm〜2mmの
範囲内の厚みを有するポリエチレンテレフタレートであ
ることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれ
かの請求項に記載のバリア性積層フィルム。 - 【請求項8】 5μm〜2mmの範囲内の厚みを有する
ポリエチレンテレフタレートからなるフィルム基材上
に、5〜1000nmの範囲内の厚みを有する金属酸化
物層が形成され、さらにその上に0.05〜0.95μ
mの範囲内の厚みを有する無機・有機ハイブリッドポリ
マー(ORMOCER層)が積層されてなるバリア性積
層フィルムであって、前記バリア性積層フィルムの温度
25℃、相対湿度90%における酸素透過度が1.0cc/m2
・day・atm以下であり、かつ前記バリア性積層フィルム
の温度40℃、相対湿度100%における水蒸気透過度
が1.0g/m2・day・atm以下であることを特徴とするバリ
ア性積層フィルム。
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