JPH0820569B2 - 多層干渉膜 - Google Patents

多層干渉膜

Info

Publication number
JPH0820569B2
JPH0820569B2 JP61149015A JP14901586A JPH0820569B2 JP H0820569 B2 JPH0820569 B2 JP H0820569B2 JP 61149015 A JP61149015 A JP 61149015A JP 14901586 A JP14901586 A JP 14901586A JP H0820569 B2 JPH0820569 B2 JP H0820569B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
multilayer interference
interference film
rays
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP61149015A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS635304A (ja
Inventor
千城 毎熊
正信 和久本
文明 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP61149015A priority Critical patent/JPH0820569B2/ja
Publication of JPS635304A publication Critical patent/JPS635304A/ja
Publication of JPH0820569B2 publication Critical patent/JPH0820569B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Filters (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 この発明は、特定波長の光を選択的に透過あるいは反
射する多層干渉膜に関する。
〔背景技術〕
従来、水銀灯等のHID光源を用いた照明器具や、紫外
線硬化装置に用いられる高出力の紫外線ランプ等におい
ては、ランプから放射される不必要な熱線や紫外線等に
よって、被照射物が損傷を受けたり、使用者がこの熱に
よって不快感を感じると言う難点があった。
たとえば、紫外線硬化装置に用いられる紫外線ランプ
では、第6図にみるように、紫外線ランプ5の後ろ側に
アルミ板等の反射板4を置いて、被照射物への紫外線照
射の効率を高めているが、同時に熱線も被照射物に照射
されるため、被照射物が熱損傷する恐れがある。
そこで、被照射物の損傷や熱による不快間を防ぐた
め、第8図にみるような多層干渉膜1′によって、不必
要な熱線や紫外線を取り除くことが行われている。この
多層干渉膜1′は、基板2表面に、屈折率の大きい物質
からなる光の波長程度の厚みのλ/4膜Hと屈折率の小さ
い物質からなる光の波長程度の厚みのλ/4膜Lとを交互
に形成してなるもので、各λ/4膜中における光の干渉を
利用して、特定の波長の光のみを選択的に透過あるいは
反射しようとするものである。
このような多層干渉膜1′を、前述した紫外線硬化装
置に使用する場合には、たとえば、第7図(a)にみる
ように、アルミ板にかわって、反射板4として使用する
ことができる。その場合には、この多層干渉膜1′は、
第9図にみるように、熱線および可視光線は透過する
が、紫外線は反射する、いわゆる、コールドミラーとし
て使用される。このようなコールドミラーでは、紫外線
は、多層干渉膜1′によって反射されて被照射物に到達
するが、熱線および可視光線は多層干渉膜1′を透過し
て、除去されてしまうため、被照射物には到達しない。
したがって、被照射物が熱損傷する恐れがなくなるので
ある。
多層干渉膜1′は、また、第7図(b)にみるよう
に、紫外線硬化装置の紫外線ランプ5の前面に置かれる
フィルタ6として使用することもできる。その場合に
は、この多層干渉膜1′は第10図にみるように、熱線お
よび可視光線は反射するが、紫外線は透過するものであ
る必要がある。このようなフィルタ6を紫外線ランプ5
の前面に配置すると、紫外線ランプ5より発生し、直接
に、あるいは、反射板4によって集められた光のうち、
熱線および可視光線の成分が、このフィルタ6によって
反射されて除去され、紫外線のみが被照射物に到達す
る。したがって、やはり、被照射物が熱損傷する恐れが
なくなるのである。
また、この多層干渉膜1′を、前述した紫外線硬化装
置以外の用途に使用する場合には、それに応じた、すな
わち、除去したい波長の光を除去することができる多層
干渉膜1′を作製すればよい。
たとえば、前述した水銀灯等のHIDランプにおいて、
熱による不快感を防ぐためには、熱線のみを反射し、そ
れ以外の波長の光を透過するフィルタとするか、逆に、
熱線のみを透過し、それ以外の光を反射するコールドミ
ラーとして、この多層干渉膜1′を作製すればよい。ま
た、紫外線による被照射物の損傷を防ぐためには、紫外
線のみを反射するフィルタか、逆に、紫外線のみを透過
する反射鏡として、この多層干渉膜1′を作製すればよ
いのである。
以上のように、多層干渉膜1′を使用すれば、不必要
な熱線や紫外線等を除去することができるのであるが、
このような多層干渉膜1′は、長期間使用すると、その
表面に、雰囲気中の浮遊物(主に有機物質)が汚れとし
て付着し、反射あるいは透過の効率が低下する、と言う
問題がある。たとえば、使用する雰囲気にもよるが、紫
外線硬化装置で1年間使用すると、20〜50%も効率が低
下してしまう場合もある。このため、このような多層干
渉膜1′を使用するにあたっては、必要に応じて、表面
の清掃を行う必要があるが、特に有機物の汚れは、λ/4
膜表面に焼き付いてしまうため、容易に取り除くことが
できない。
〔発明の目的〕
この発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであっ
て、初期の反射あるいは透過効率を長期間に渡って維持
することができる多層干渉膜を提供することを目的とし
ている。
〔発明の開示〕
以上の目的を達成するため、この発明は、基板表面に
屈折率の大きいλ/4膜と屈折率の小さいλ/4膜とが交互
に積層形成され、その最上層に、透明な光触媒層が形成
されていることを特徴とする多層干渉膜を要旨としてい
る。
以下に、この発明を、その一実施例をあらわす図面を
参照しつつ、詳しく説明する。
第1図にみるように、この発明の多層干渉膜1は、基
板2表面に、屈折率の大きいλ/4膜Hと、屈折率の小さ
いλ/4膜Lとを交互に積層形成している点では、従来の
ものとかわらない。
各λ/4膜H,Lの材料としても従来と同様の化合物を使
用することができる。たとえば、屈折率の大きいλ/4膜
Hとしては、TiO2,CeO2,ZrO2,ZnS等の、屈折率nが2.0
〜2.6程度の高屈折率物質による薄膜が挙げられる。ま
た、屈折率の小さいλ/4膜Lとしては、CaF2,MgF2,Si
O2,Al2O3等の、屈折率nが1.3〜1.6程度の低屈折率物質
による薄膜が挙げられる。そして、以上のような化合物
の組み合わせおよび各λ/4膜H,Lの膜厚を選んでやれ
ば、必要とする波長の光を反射あるいは透過させること
ができるようになる。
以上のような各λ/4膜H,Lを形成する方法も、通常と
同様の方法によることができる。たとえば、抵抗加熱に
よる真空蒸着法,電子銃による電子ビーム蒸着法,スパ
ッタリング法,イオンプレーティング法等を使用するこ
とができるのである。また、以上のような方法によって
λ/4膜H,Lを形成するにあたり、基板を室温以上に加熱
するようであってもよい。一般に、基板温度が高ければ
高い程、形成される薄膜の硬度は高く、その耐久性も向
上するからである。しかしながら、あまり基板温度が高
すぎると、作業性,生産性等が悪くなる恐れがある。し
たがって、基板温度は、室温〜350℃程度であることが
好ましい。
以上のようにして積層形成された複数のλ/4膜H,L,…
の最上層に、透明な光触媒層3が形成されることで、こ
の発明は構成されている。
光触媒層3に使用される化合物としては、TiO2,Fe
2O3,In2O3およびWO3からなる群より選ばれた少なくとも
1つの化合物が用いられる。
このような材料からなる光触媒層3は、先のλ/4膜と
同様の方法によって形成することができる。すなわち、
抵抗加熱による真空蒸着法,電子銃による電子ビーム蒸
着法,スパッタリング法,イオンプレーティング法等を
使用することができるのである。また、この発明では、
スプレー法あるいは浸漬法等の方法で、前記化合物中の
金属(Ti,Fe,In,W等)を含む有機金属化合物溶液を、積
層されたλ/4層H,Lの表面に塗布し、乾燥したあと、そ
れを高温で焼き付けることによって、光触媒層3を形成
することもできる。
以上のような方法で形成される光触媒層3の膜厚は0.
5〜5μmである。なぜなら、光触媒層3の膜厚が0.5μ
m未満では、その触媒効果が充分でなく、また、λ/4膜
の膜厚に近づくため、光触媒層3とλ/4膜との間で干渉
が発生して、選択的に反射,透過できる光の波長が変化
してしまう恐れがある。また、逆に、光触媒層3の膜厚
が5μmを越えると、場合によっては、その透明性が著
しく低下する恐れがあり、透明性が低下しない場合であ
っても、5μm以下の膜厚の場合と触媒効果が余り変わ
らない傾向があるからである。
以上のような光触媒層3には、さらに、Pt,Pd,Rhおよ
びIrよりなる群から選ばれた少なくとも1つの金属を担
持させるようであってもよい。このような金属は、付着
した汚れを分解する触媒として働くものであって、それ
を光触媒層3に担持させることにより、汚れの除去作用
をより活発に行わせることができるようになるのであ
る。このような金属を光触媒層3に担持させる方法は、
この発明では、特に限定されないが、たとえば、以下の
ような方法を用いることができる。すなわち、前記金属
の可溶性塩を水溶液とし、それに前記光触媒層3が形成
された多層干渉膜1を浸漬して、前記可溶性塩を光触媒
層3に染み込ませる。そのあと、これに、紫外線等を照
射して可溶性塩を分解し、光触媒層3中に、前記金属を
担持させるのである。なお、以上のようにして担持させ
る金属の量も、この発明では特に限定されないが、光触
媒層に対して、0.1〜2%の金属を担持させることが好
ましい。なぜなら、担持量が0.1%未満では、担持させ
る効果が充分に得られず、2%を越えると、光触媒層3
の透明性が低下してしまう恐れがあるからである。
以上のように、基板2表面に屈折率の大きいλ/4膜H
と屈折率の小さいλ/4膜Lとが交互に積層形成され、そ
の最上層に、透明な光触媒層3が形成されてなる、この
発明の多層干渉膜1は、たとえば、第4図にみるよう
に、紫外線硬化装置の反射板4として使用することがで
きる。その場合には、この多層干渉膜1は、第2図にみ
るように、熱線は透過するが、それ以外の波長の光は反
射する、いわゆる、コールドミラーである必要がある。
このようなコールドミラーでは、紫外線ランプ5から出
た熱線以外の光は、多層干渉膜1によって反射されて被
照射物に到達するが、熱線は多層干渉膜1を透過して、
除去されてしまうため、被照射物には到達しない。した
がって、被照射物が熱損傷する恐れがなくなる。
また、この発明の多層干渉膜1は、第5図にみるよう
に、紫外線照射装置の紫外線ランプ5の前面に置かれる
フィルタ6として使用することもできる。その場合に
は、この多層干渉膜1は第3図にみるように、熱線およ
び可視光線は反射するが、紫外線は透過するものである
必要がある。このようなフィルタ6を紫外線ランプ5の
前面に配置すると、紫外線ランプ5より発生し、直接
に、あるいは、反射板4によって集められた光のうち、
熱線および可視光線の成分が、このフィルタ6によって
反射されて除去され、紫外線のみが被照射物に到達す
る。したがって、やはり、被照射物が熱損傷する恐れが
なくなる。
以上のように、反射板あるいはフィルタ等として使用
されるこの発明の多層干渉膜1においては、その最上層
に形成された光触媒層3表面に、雰囲気中の浮遊物(主
に有機物質)が汚れとして付着しても、それは、この光
触媒層3中のTiO2,Fe2O3,In2O3およびWO3等の金属化合
物や、Pt,Pd,RhおよびIr等の金属と、光源からの紫外線
との作用によって分解され除去される。したがって、こ
のような汚れが、光触媒層3表面に残ることはなく、そ
の表面を常に清潔に保つことができるようになる。
なお、この発明の多層干渉膜1が、以上のような紫外
線硬化装置以外の用途にも使用できることは、従来のも
のと同様である。
たとえば、水銀灯等のHIDランプにおいて、熱による
不快感を防ぐためには、熱線のみを反射し、それ以外の
波長の光を透過するフィルタとするか、逆に、熱線のみ
を透過し、それ以外の光を反射するコールドミラーとし
て、この発明の多層干渉膜1を作製すればよい。また、
紫外線による被照射物の損傷を防ぐためには、紫外線の
みを反射するフィルタか、逆に、紫外線のみを透過する
反射鏡として、この発明の多層干渉膜1を作製すればよ
い。要するに、基板表面に屈折率の大きいλ/4膜と屈折
率の小さいλ/4膜とが交互に積層形成され、その最上層
に、透明な光触媒層が形成されているのであれば、その
他の構成は、特に限定されないのである。
つぎに、この発明の実施例について、比較例とあわせ
て説明する。
(実施例1) プレス成形された硬質ガラス基板を、1×10-4〜2×
10-5Torrの真空中で300℃に加熱しながら、電子ビーム
蒸着法により、屈折率が大きいλ/4膜である酸化チタン
(TiO2)と、屈折率が小さいλ/4膜であるフッ化マグネ
シウム(MgF2)とを交互に形成し、15層のλ/4膜を積層
した。つぎに、この15層のλ/4膜の最上層に、同じく、
電子ビーム蒸着法によって酸化チタン(TiO2)を蒸着
し、厚み1.0〜1.2μmの光触媒層を積層し、表面に多層
干渉膜が形成されたコールドミラーを得た。得られたコ
ールドミラーは、可視光線(450〜750nm)の平均反射率
が93%、熱線(800〜2400nm)の平均透過率が82%であ
った。以上のようなコールドミラーをミニハロゲンラン
プスポットライトの反射板として使用したところ、1000
0時間運転後も、その表面への汚れの付着は殆ど認めら
れず、また、平均反射率および平均透過率も殆ど変化し
なかった。
(実施例2) 実施例1で得られた15層のλ/4膜を、テトライソプロ
ポキシチタン〔Ti(O−iC3H7〕の5%エタノール
溶液に繰り返し浸漬,乾燥させたあと、500℃で30分間
焼付し、酸化チタンからなる光触媒層が形成された多層
干渉膜を得た。形成された光触媒層の膜厚は1μmであ
った。つぎに、この多層干渉膜が形成された硬質ガラス
基板を、塩化白金水溶液に浸漬したあと、これに紫外線
を照射して、光触媒層に白金を担持させてコールドミラ
ーを得た。光触媒層への白金の担持量は、1%であっ
た。こうして得られたコールドミラーは、可視光線の平
均反射率が92%、熱線の平均透過率が80%であった。こ
のコールドミラーをミニハロゲンランプスポットライト
の反射板として使用したところ、先の実施例1と同様
に、10000時間運転後も、その表面への汚れの付着は殆
ど認められず、また、平均反射率および平均透過率も殆
ど変化しなかった。
(比較例1) 15層のλ/4膜最上層に、光触媒層を形成しなかった以
外は、実施例1,2と同様にして、コールドミラーを作製
した。得られたコールドミラーの製造直後の可視光線の
平均反射率は93%、熱線の平均透過率は82%であった。
このコールドミラーをミニハロゲンランプスポットライ
トの反射板として使用したところ、10000時間運転後に
は、その表面に、かなりの汚れが付着していることが観
察され、可視光線の平均反射率が80%に、また、熱線の
平均透過率が67%に低下していた。
(実施例3) 熱曲げ成形によってパラボラ形に成形された硬質ガラ
ス基板を、1×10-4〜2×10-5Torrの真空中で300℃に
加熱しながら、電子ビーム蒸着法により、屈折率が大き
いλ/4膜である酸化チタン(TiO2)と、屈折率が小さい
λ/4膜である二酸化珪素(SiO2)とを交互に形成し、15
層のλ/4膜を積層した。つぎに、この15層のλ/4膜の最
上層に、同じく、電子ビーム蒸着法によって酸化インジ
ウム(In2O3)を蒸着し、厚み1.0〜1.2μmの光触媒層
を積層し、第4図にみるように、表面に多層干渉膜が形
成されたコールドミラーを得た。得られたコールドミラ
ーは、紫外線(250〜400nm)の平均反射率が87%、可視
光線および熱線(450〜2400nm)の平均透過率が95%で
あった。以上のようなコールドミラーを紫外線硬化装置
の反射板として使用したところ、3000時間運転後も、そ
の表面への汚れの付着は殆ど認められず、また、平均反
射率および平均透過率も殆ど変化しなかった。
(実施例4) 実施例3で得られた15層のλ/4膜を、テトライソプロ
ポキシチタン〔Ti(O−iC3H7〕の5%エタノール
溶液に繰り返し浸漬,乾燥させたあと、500℃で30分間
焼付し、酸化チタンからなる光触媒層が形成された多層
干渉膜を得た。形成された光触媒層の膜厚は1.2μmで
あった。つぎに、この多層干渉膜が形成された硬質ガラ
ス基板を、塩化パラジウム水溶液に浸漬したあと、これ
に紫外線を照射して、光触媒層にパラジウムを担持させ
てコールドミラーを得た。光触媒層へのパラジウムの担
持量は、0.5%であった。こうして得られたコールドミ
ラーは、紫外線の平均反射率が83%、可視光線および熱
線の平均透過率が90%であった。このコールドミラーを
紫外線硬化装置の反射板として使用したところ、先の実
施例3と同様に、3000時間運転後も、その表面への汚れ
の付着は殆ど認められず、また、平均反射率および平均
透過率も殆ど変化しなかった。
(比較例2) 15層のλ/4膜最上層に、光触媒層を形成しなかった以
外は、実施例3,4と同様にして、コールドミラーを作製
した。得られたコールドミラーの製造直後の紫外線の平
均反射率は88%、可視光線および熱線の平均透過率は97
%であった。このコールドミラーを紫外線硬化装置の反
射板として使用したところ、3000時間運転後には、その
表面に、かなりの汚れが付着していることが観察され、
紫外線の平均反射率が75%に、また、可視光線および熱
線の平均透過率が70%に低下していた。
(実施例5) 硬質ガラス基板を、1×10-4〜2×10-5Torrの真空中
で300℃に加熱しながら、電子ビーム蒸着法により、屈
折率が大きいλ/4膜である酸化チタン(TiO2)と、屈折
率が小さいλ/4膜であるフッ化マグネシウム(MgF2)と
を交互に形成し、15層のλ/4膜を積層した。つぎに、こ
の15層のλ/4膜の最上層に、同じく、電子ビーム蒸着法
によって酸化チタン(TiO2)を蒸着し、厚み1.0〜1.2μ
mの光触媒層を積層し、表面に多層干渉膜が形成された
紫外線除去用のフィルタを得た。得られたフィルタは、
紫外線(250〜400nm)の平均反射率が93%、可視光線
(400〜800nm)の平均透過率が82%であった。以上のよ
うなフィルタをミニハロゲンランプスポットライトに使
用したところ、10000時間運転後も、その表面への汚れ
の付着は殆ど認められず、また、平均反射率および平均
透過率も殆ど変化しなかった。
(実施例6) 実施例5で得られた15層のλ/4膜を、テトライソプロ
ポキシチタン〔Ti(O−iC3H7〕の5%エタノール
溶液に繰り返し浸漬,乾燥させたあと、500℃で30分間
焼付し、酸化チタンからなる光触媒層が形成された多層
干渉膜を得た。形成された光触媒層の膜厚は1μmであ
った。つぎに、この多層干渉膜が形成された硬質ガラス
基板を、塩化白金水溶液に浸漬したあと、これに紫外線
を照射して、光触媒層に白金を担持させて紫外線除去用
のフィルタを得た。光触媒層への白金の担持量は、1%
であった。こうして得られたフィルタは、紫外線の平均
反射率が92%、可視光線の平均透過率が80%であった。
このコールドミラーをミニハロゲンランプスポットライ
トに使用したところ、先の実施例5と同様に、10000時
間運転後も、その表面への汚れの付着は殆ど認められ
ず、また、平均反射率および平均透過率も殆ど変化しな
かった。
(比較例3) 15層のλ/4膜最上層に、光触媒層を形成しなかった以
外は、実施例5,6と同様にして、紫外線除去用のフィル
タを作製した。得られたフィルタの製造直後の紫外線の
平均反射率は93%、可視光線の平均透過率は82%であっ
た。このフィルタをミニハロゲンランプスポットライト
に使用したところ、10000時間運転後には、その表面
に、かなりの汚れが付着していることが観察され、紫外
線の平均反射率が80%に、また、可視光線の平均透過率
が67%に低下していた。
(実施例7) 硬質ガラス基板を、1×10-4〜2×10-5Torrの真空中
で300℃に加熱しながら、電子ビーム蒸着法により、屈
折率が大きいλ/4膜である酸化チタン(TiO2)と、屈折
率が小さいλ/4膜である二酸化珪素(SiO2)とを交互に
形成し、15層のλ/4膜を積層した。つぎに、この15層の
λ/4膜の最上層に、同じく、電子ビーム蒸着法によって
酸化インジウム(In2O3)を蒸着し、厚み1.0〜1.2μm
の光触媒層を積層し、紫外線のみを透過するフィルタを
得た。得られたフィルタは、紫外線(250〜400nm)の平
均透過率が87%、可視光線および熱線(450〜2400nm)
の平均反射率が95%であった。以上のようなフィルタ
を、第5図にみるように、紫外線硬化装置に使用したと
ころ、3000時間運転後も、その表面への汚れの付着は殆
ど認められず、また、平均反射率および平均透過率も殆
ど変化しなかった。
(実施例8) 実施例7で得られた15層のλ/4膜を、テトライソプロ
ポキシチタン〔Ti(O−iC3H7〕の5%エタノール
溶液に繰り返し浸漬,乾燥させたあと、500℃で30分間
焼付し、酸化チタンからなる光触媒層が形成された多層
干渉膜を得た。形成された光触媒層の膜厚は1.2μmで
あった。つぎに、この多層干渉膜が形成された硬質ガラ
ス基板を、塩化パラジウム水溶液に浸漬したあと、これ
に紫外線を照射して、光触媒層にパラジウムを担持させ
て紫外線のみを透過するフィルタを得た。光触媒層への
パラジウムの担持量は、0.5%であった。こうして得ら
れたフィルタは、紫外線の平均透過率が83%、可視光線
および熱線の平均反射率が90%であった。このフィルタ
を、先の実施例7と同様に、第5図の紫外線硬化装置に
使用したところ、3000時間運転後も、その表面への汚れ
の付着は殆ど認められず、また、平均反射率および平均
透過率も殆ど変化しなかった。
(比較例4) 15層のλ/4膜最上層に、光触媒層を形成しなかった以
外は、実施例7,8と同様にして、紫外線のみを透過する
フィルタを作製した。得られたフィルタの製造直後の紫
外線の平均透過率は88%、可視光線および熱線の平均反
射率は97%であった。このフィルタを第5図の紫外線硬
化装置に使用したところ、3000時間運転後には、その表
面に、かなりの汚れが付着していることが観察され、紫
外線の平均透過率が75%に、また、可視光線および熱線
の平均反射率が70%に低下していた。
〔発明の効果〕
この発明の多層干渉膜は、以上のようであり、基板表
面に屈折率の大きいλ/4膜と屈折率の小さいλ/4膜とが
交互に積層形成され、その最上層に、透明な光触媒層が
形成されているため、初期の反射あるいは透過効率を長
期間に渡って維持することができるようになっている。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の多層干渉膜の一実施例の構成を説明
する説明図、第2図はこの発明の多層干渉膜をコールド
ミラーとして使用する場合の光の波長と反射率ならびに
透過率の関係の一例をあらわすグラフ、第3図は同じく
フィルタとして使用する場合の光の波長と反射率ならび
に透過率の関係の一例をあらわすグラフ、第4図はこの
発明の多層干渉膜をコールドミラーとして使用する場合
の構成を説明する説明図、第5図はこの発明の多層干渉
膜をフィルタとして使用する場合の構成を説明する説明
図、第6図は従来の反射板を説明する説明図、第7図
(a),(b)は従来の多層干渉膜をコールドミラーな
らびにフィルタとして使用する場合の構成を説明する説
明図、第8図は従来の多層干渉膜の構成を説明する説明
図、第9図は従来の多層干渉膜をコールドミラーとして
使用する場合の光の波長と反射率ならびに透過率の関係
の一例をあらわすグラフ、第10図は同じくフィルタとし
て使用する場合の光の波長と反射率ならびに透過率の関
係の一例をあらわすグラフである。 1……多層干渉膜、2……基板、3……光触媒層、H…
…屈折率の大きいλ/4膜、L……屈折率の小さいλ/4膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板表面に屈折率の大きいλ/4膜と屈折率
    の小さいλ/4膜とが交互に積層形成され、その最上層
    に、TiO2,Fe2O3,In2O3およびWO3からなる群から選ばれ
    た少なくとも1つであり、その膜厚がλ/4膜よりも厚く
    0.5〜5μmである透明な光触媒層が形成されているこ
    とを特徴とする多層干渉膜。
  2. 【請求項2】光触媒層に、Pt,Pd,RhおよびIrよりなる群
    から選ばれた少なくとも1つの金属が担持されている特
    許請求の範囲第1項記載の多層干渉膜。
  3. 【請求項3】熱線を透過し、それ以外の波長の光を反射
    するコールドミラーに用いられる特許請求の範囲第1項
    または第2項に記載の多層干渉膜。
  4. 【請求項4】必要外の波長の光をカットするフィルタに
    用いられる特許請求の範囲第1項または第2項に記載の
    多層干渉膜。
JP61149015A 1986-06-25 1986-06-25 多層干渉膜 Expired - Fee Related JPH0820569B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61149015A JPH0820569B2 (ja) 1986-06-25 1986-06-25 多層干渉膜

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP61149015A JPH0820569B2 (ja) 1986-06-25 1986-06-25 多層干渉膜

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS635304A JPS635304A (ja) 1988-01-11
JPH0820569B2 true JPH0820569B2 (ja) 1996-03-04

Family

ID=15465808

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP61149015A Expired - Fee Related JPH0820569B2 (ja) 1986-06-25 1986-06-25 多層干渉膜

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0820569B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2724563B2 (ja) * 1990-01-14 1998-03-09 株式会社堀場製作所 多層膜干渉フィルタ
JPH04267202A (ja) * 1991-02-21 1992-09-22 Horiba Ltd 多層膜干渉フィルタ
US6387844B1 (en) 1994-10-31 2002-05-14 Akira Fujishima Titanium dioxide photocatalyst
JP3491382B2 (ja) * 1995-04-21 2004-01-26 東芝ライテック株式会社 蛍光ランプおよび照明器具
CZ297518B6 (cs) * 1995-09-15 2007-01-03 Rhodia Chimie Podklad opatřený povlakem, majícím fotokatalytické vlastnosti, zasklívací materiál obsahující uvedený podklad, použití uvedeného podkladu, způsob výroby tohoto podkladu, disperze protento způsob a použití této disperze při uved
FR2738813B1 (fr) * 1995-09-15 1997-10-17 Saint Gobain Vitrage Substrat a revetement photo-catalytique
JP2006276773A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Kyocera Kinseki Corp 赤外カットフィルタとそれを用いた光学ローパスフィルタ

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59147304A (ja) * 1983-02-10 1984-08-23 Fuji Photo Optical Co Ltd 耐環境性干渉膜フイルタ

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS49145642U (ja) * 1973-04-16 1974-12-16

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59147304A (ja) * 1983-02-10 1984-08-23 Fuji Photo Optical Co Ltd 耐環境性干渉膜フイルタ

Also Published As

Publication number Publication date
JPS635304A (ja) 1988-01-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5154923B2 (ja) 可視スペクトルの光子を吸収するよう改質された光触媒特性を伴うフィルムを有する、ガラス基材のような、基材
JP4414361B2 (ja) 光触媒コーティングを備えた基材
JP5090904B2 (ja) 光触媒被覆物を有する基板
US11520087B2 (en) Reflective optical element
JPS635301A (ja) 反射鏡
US20100304059A1 (en) Material with photocatalytic properties
JP2003220340A (ja) 酸化チタン光触媒薄膜および該酸化チタン光触媒薄膜の製造方法
WO1997023572A1 (fr) Procede photocatalytique pour rendre une surface hydrophile et materiau composite ayant une surface rendue hydrophile par un processus photocatalytique
JPH06278244A (ja) 積層体
JP3904355B2 (ja) 親水性光触媒部材
JPH0820569B2 (ja) 多層干渉膜
JP2000271491A (ja) 光触媒膜及びその製造方法
JP2691651B2 (ja) 反射鏡
JP2011149712A (ja) 時計用カバーガラス、および時計
JPH08220305A (ja) 反射防止フィルター
JP4039786B2 (ja) 多機能ガラス
JP2698623B2 (ja) 反射鏡
JPS6236201B2 (ja)
JPH10268129A (ja) 赤外反射膜、管球および照明器具
JP2002191983A (ja) 可視光線応答型光触媒
JP3400259B2 (ja) 親水性被膜およびその製造方法
US5541470A (en) Method for making a tantala/silica interference filter on a vitreous substrate and an electric lamp made thereby
JPH11180736A (ja) 多層膜付きガラス
JP2003176426A (ja) 親水性被膜及び親水性基体の製造方法及びそれにより得られる親水性被膜及び親水性基体
JPH1060665A (ja) 親水性被膜およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees