JPH08183876A - 難燃性熱可塑性重合体組成物 - Google Patents

難燃性熱可塑性重合体組成物

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JPH08183876A
JPH08183876A JP7196078A JP19607895A JPH08183876A JP H08183876 A JPH08183876 A JP H08183876A JP 7196078 A JP7196078 A JP 7196078A JP 19607895 A JP19607895 A JP 19607895A JP H08183876 A JPH08183876 A JP H08183876A
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resin
flame
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thermoplastic polymer
ammonium polyphosphate
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JP7196078A
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Masuo Iwata
田 満寿夫 岩
Kensho Narita
田 憲 昭 成
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】(A)周期律表II族〜IV族に属する元素の
酸素含有固体化合物0.1〜5重量%、(B)含窒素有
機化合物1〜20重量%、(C)水不溶性ポリリン酸ア
ンモニウム10〜40重量%、及び(D)熱可塑性重合
体88.9〜35重量%からなる難燃性熱可塑性重合体
組成物。 【効果】このような組成の本発明に係る難燃性熱可塑性
重合体組成物は、難燃化剤が低配合でありながら、難燃
性に優れ、かつ高い耐ブリード性を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は難燃性に優れた熱可塑性
重合体組成物に関する。詳しくは、周期律表II族、III
族又はIV族元素の酸素含有固体化合物(A)、含窒素有
機化合物(B)、メラミン架橋構造を有する被覆層でポ
リリン酸アンモニウムを被覆してなる水不溶性ポリリン
酸アンモニウム粒子(C)及び熱可塑性重合体(D)を
各々特定量で含む難燃性に優れた熱可塑性重合体組成物
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、熱可塑性重合体はその衛生
性、加工性、耐薬品性、耐候性、電気的特性及び機械的
強度等の優位性を生かして産業用及び家庭用電気製品の
分野をはじめとして、建築物、室内装飾品、及び自動車
部品等の各種の分野に多用されており、熱可塑性重合体
が使用される用途も拡大しつつある。かかる用途の拡大
に伴い、該熱可塑性重合体にも難燃性が要求されはじ
め、しかも年々その要求性能が厳しくなってきている。
特に最近では、従来の難燃化技術の主流であるハロゲン
含有化合物と酸化アンチモンとを熱可塑性重合体に配合
した難燃性樹脂組成物は燃焼時又は成型時等にハロゲン
系ガスを発生することが問題視されている。そこで、燃
焼時又は成型時にこれらのハロゲン系ガスを発生しない
難燃性樹脂組成物が要求され始めている。
【0003】これらの要求に応えるために最近の研究で
は樹脂の燃焼温度において吸熱反応により分解及び脱水
反応を起こして樹脂の燃焼を抑制しうる特定の金属水和
物を無機難燃化剤として配合する方策が提案されてい
る。しかし、この場合には金属水和物の難燃性付与効果
が極めて微弱であることを補うために多量に配合するこ
とが目的の難燃性樹脂組成物を得るために必要である。
その結果、得られる難燃性樹脂組成物に成形加工性の低
下が認められる他に、該組成物から得られる成形体に機
械的強度等の諸特性の低下が認められる。従って上述の
多量配合によって生じる諸問題を改善するために更なる
無機化合物の配合が提案されている。
【0004】例えば、モリブテンあるいはモリブテン化
合物の配合(特開平1−268738号公報)及びウィ
スカ状炭化ケイ素の配合(特開平3−9937号公報)
がある。しかし、これらの金属水和物に更に他の無機化
合物を追加して配合した難燃性樹脂組成物は、多量配合
が抱かえる諸問題を解決することはできず、所望の難燃
化を実現する上での上記問題は依然として根本的には解
決されなかった。
【0005】また、最近の別の提案ではポリリン酸アン
モニウムと含窒素有機化合物であって熱分解によって非
引火性ガス(水、二酸化炭素、アンモニア、窒素等)及
び炭素質残差を生じさせる1種以上の含窒素有機化合物
とを組み合わせて配合した難燃性樹脂組成物が見受けら
れる。
【0006】例えば、1,3,5−トリアジン誘導体の
ポリマー又はオリゴマーとポリリン酸アンモニウムとか
らなる難燃性組成物が提案されている。(特開昭59−
147050号公報、EP−0475418号公報)。
しかし、上に挙げたポリリン酸アンモニウムと含窒素有
機化合物とを組み合わせて配合した難燃性樹脂組成物は
金属水和物を主体とした難燃性樹脂組成物よりは低配合
(少量配合)でも高い難燃性を発揮するが、その難燃性
はまだ十分ではない。
【0007】また、上記の難燃性組成物は高い難燃効果
を発現しながらも該組成物を用いて得られる成型品が梅
雨時等の高温多湿の条件下ではその表面へ内部のポリリ
ン酸アンモニウムが激しくブリードするという現象を生
じる。その原因はポリリン酸アンモニウムの化学構造に
起因するその吸湿性、水溶性及び非常に加水分解を受け
やすいという特性に求められる。
【0008】ポリリン酸アンモニウムの加水分解安定性
を改善するために種々の検討がおこなわれてきた。特公
昭53−15478号公報、特公昭52−39930号
公報には水不溶性のメラミンを反応させることによって
加水分解安定なポリリン酸アンモニウムを得る方法が開
示されているが、該ポリリン酸アンモニウムの加水分解
安定性はまだ十分ではない。
【0009】更に、特開昭61−103962号公報に
は、ポリリン酸アンモニウムとメラミン/ホルムアルデ
ヒド樹脂とを懸濁液中で硬化させることにより、加水分
解安定な細分状耐燃剤の製法が開示されている。しか
し、懸濁液中で樹脂成分を硬化させる際に粒子同士の凝
集が生じ、粒径の増大を引き起こす。その為にかかる細
分状耐燃剤を難燃剤の1成分として熱可塑性重合体に添
加したとき、得られる製品の機械的強度が低下するとい
う欠点を有している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は難燃化剤が低
配合でありながら難燃性に優れると共に、耐ブリード性
に優れ、高温高湿度雰囲気下においてもほとんどブリー
ド現象を生じない難燃性重合体組成物を提供することに
ある。即ち、本発明者らは難燃化剤の配合量が低くても
高い難燃性を発揮し、さらに高い耐ブリード性をも兼ね
備えた難燃性熱可塑性重合体組成物を得るべく鋭意研究
を行った。その結果、水不溶性ポリリン酸アンモニウ
ム、特にメラミン架橋構造を有する被覆層でポリリン酸
アンモニウム粒子を被覆してなる水不溶性ポリリン酸ア
ンモニウムと含窒素有機化合物とからなる難燃剤組成物
に対して周期律表のII族、III族又はIV族に分類される
元素の酸素含有固体化合物を少量添加することによっ
て、上述の課題を解決できることを見いだし、更にこの
知見に基づいて検討を重ねた結果、本発明を完成した。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係る難燃性熱可
塑性重合体は、下記成分(A)、(B)、(C)及び
(D)からなりそれらの量の合計が100重量%である
ことを特徴とする: (A)周期律表II族、III族又はIV族に属する元素の酸
素含有固体化合物0.1〜5重量%、好ましくは0.5
〜2重量%、(B)含窒素有機化合物1〜20重量%、
好ましくは3〜18重量%、(C)水不溶性ポリリン酸
アンモニウム10〜40重量%、好ましくは15〜26
重量%及び(D)熱可塑性重合体88.9〜35重量
%、好ましくは81.5〜54重量%。
【0012】本発明では、酸素含有固体化合物に含まれ
る周期律表II族、III族又はIV族に属する元素として
は、Ca、Ba、Sr、Mg、Al、Si、Zn、C
d、Ti、Zr及びSn等を例示できる。これらは単独
であっても2種以上を組合せてもよい。
【0013】本発明で用いられる酸素含有固体化合物と
しては、前記II〜IV族に属する元素の水酸化物、塩基性
炭酸塩、炭酸塩、炭酸塩水和物、ケイ酸塩、ケイ酸塩水
和物、酸化物及び酸化物水和物、及び前記II〜IV族に属
する2種以上の元素の複合酸化物、複合塩及び複合塩水
和物を例示できる。これらは単独で用いても、2種以上
を組合せて用いてもよい。また、このような酸素含有固
体化合物の平均粒径は10μm以下であることが好まし
い。
【0014】本発明で用いられる水不溶性ポリリン酸ア
ンモニウムとしては、特にポリリン酸アンモニウム粒子
と、該粒子の表面を被覆する被覆層とを含み、該被覆層
が、メラミンと、該メラミンのアミノ基を形成する活性
水素と反応しうる官能基を有する架橋化合物と、の反応
によって形成される架橋構造を有する架橋メラミン被覆
ポリリン酸アンモニウム粒子を例示できる。
【0015】また、架橋化合物としては、メラミンのア
ミノ基に帰属する活性水素と反応し得る官能基を有する
一官能又は多官能化合物を挙げることができ、この官能
基は、例えばイソシアネート基、グリシジル基、カルボ
キシル基、メチロール基及びアルデヒド基から選ばれ
る。架橋化合物が多官能である場合、これら基は単一で
あっても、2種以上が組合されていてもよい。
【0016】また、本発明で用いられる架橋メラミン被
覆ポリリン酸アンモニウムにおいて、被覆層は、例えば
粉末状ポリリン酸アンモニウム表面に対して0.5〜2
0重量%の昇華メラミンを付加及び/又は付着させ、次
いでこのメラミンを架橋化合物と反応させることによっ
て得られる。
【0017】本発明で用いられる含窒素有機化合物とし
ては、一般式[I]で表される構造のモノマーを基本単
位とする単独重合体及び/又は共重合体を例示すること
ができる。
【0018】
【化2】
【0019】[式中、Xは、式:−NHR1、−NR2
3、−NHR4又は−NR56(式中、R1、R2及びR
3は、炭素数2〜6を有する線状又は分枝状アルキル基
であり、R2及びR3は同一でも異なっていてもよく、相
互に結合して環を形成してもよく、R4、R5、R6は、
炭素数2〜6を有する線状又は分枝状ヒドロキシアルキ
ル基であり、R5及びR6は同一であっても異なっていて
もよく、相互に結合して環を形成してもよい)で表され
る基であり、Z1はピペラジンの2価の基、式:−HN
(CH2)mNH−で表される2価の基(式中、mは2
〜6の数である)、又は式:−NR7(CH2l8N−
(式中、R7、R8の一方又は両方がヒドロキシエチル基
であり、lは2〜6の数である)で表される基であ
る。] このような含窒素有機化合物としては、特にシアヌル酸
クロライドとジアミンを反応させた反応生成物が挙げら
れる。
【0020】本発明で用いられる熱可塑性重合体として
は、脂肪族系の熱可塑性樹脂;芳香族系の熱可塑性樹
脂;脂肪族系のエラストマー及び芳香族系のエラストマ
ーから選ばれる少なくとも1種のエラストマー;及び1
種以上の熱可塑性樹脂と1種以上のエラストマーもしく
は部分架橋エラストマーとからなる熱可塑性エラストマ
ーを例示することができる。
【0021】さらに具体的には、熱可塑性重合体として
は、下記の熱可塑性樹脂を例示できる。 (1)ポリオレフィン系樹脂; (2)ポリスチレン系樹脂; (3)アクリル系樹脂; (4)ポリビニル系樹脂; (5)ナイロン(ポリアミド樹脂); (6)熱可塑性ポリエステル樹脂; (7)芳香族化合物の単独重合体及び共重合体; (8)熱可塑性1-オレフィン共重合体エラストマー; (9)共役ジエンの単独重合体ゴム及び共重合体ゴム;
及び (10)縮合重合エラストマー。
【0022】これら熱可塑性樹脂(1)〜(10)は、単
独で用いても、2種以上を組み合わせても良い。さら
に、より具体的には、熱可塑性重合体としては、下記重
合体を例示することができる。 (1)ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ1
−ブテン樹脂、ポリ−4−メチル−1−ペンテン樹脂、
ポリ1−ヘキセン樹脂、ポリ1−オクテン樹脂及びポリ
1−デセン樹脂; (2)ポリスチレン樹脂(PS)、耐衝撃性ポリスチレ
ン樹脂(HIPS)、耐熱性ポリスチレン樹脂(スチレ
ン-α-メチルスチレン共重合体樹脂を含む)、アクリロ
ニトリル−スチレン樹脂(AS)及びアクリロニトリル
−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS); (3)ポリメチルアクリレート及びポリメチル(メタ)
アクリレート; (4)ポリ塩化ビニル樹脂及びポリ塩化ビニリデン樹
脂; (5)6−ナイロン、7−ナイロン、11−ナイロン、
12−ナイロン、6,6−ナイロン、6,7−ナイロ
ン、6,10−ナイロン、6,12−ナイロン、テレフ
タル酸単位とp−フェニレンジアミン単位との縮合物、
m−キシリレン−アジピン酸縮合ナイロン(MXD
6)、6−/6,6−共縮合ナイロン及び6−/12−
共縮合ナイロン; (6)ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート及びポリフェニレンテレフタレート; (7)ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリスルホン樹
脂及びポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)、及びポ
リウレタン樹脂(PU); (8)エチレン−プロピレン共重合エラストマー(EP
M)、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合エラ
ストマー(EPDM)、エチレン−プロピレン−2−エ
チリデン−5−ノルボルネン共重合エラストマー(EP
DM)及びプロピレン−1−ブテン共重合エラストマー
(PBM); (9)ポリ−1,3−ブタジエンゴム(BR)、ポリイ
ソプレンゴム(IR)、アクリロニトリル−1.3−ブ
タジエン共重合ゴム(NBR)、クロロプレンゴム、イ
ソブテン−イソプレンゴム(IIR:通称「ブチルゴ
ム」)、天然ゴム(NR);及び (10)ポリウレタンエラストマー。
【0023】これら樹脂(1)〜(10)は、単独で用い
ても、2種以上を組合せて用いてもよい。 [発明の好適様態]以上説明したように、本発明に係る
難燃性熱可塑性樹脂組成物は、特定量の酸素含有固体化
合物(A)、含窒素有機化合物(B)、水不溶性ポリリ
ン酸アンモニウム(C)及び熱可塑性重合体(D)を含
んでいる。以下、各成文(A)〜(D)を更に詳細に説
明する。
【0024】酸素含有固体化合物(A) 本発明の難燃性組成物に用いられる周期律表II族、III
族又はIV族に属する元素の酸素含有固体化合物(A)
は、熱可塑性重合体からなる基材に配合される水不溶性
ポリリン酸アンモニウムと含窒素有機化合物とに対し、
少量配合されると得られる樹脂組成物の難燃性を著しく
向上させる。
【0025】周期律表第II族〜第IV族に属する元素とし
ては、具体的には、Ca、Ba、Sr、Mg、Al、S
i、Zn、Cd、Ti、Zr及びSn等を例示できる。
本発明で用いられる酸素含有固体化合物は、これら第II
族〜第IV族元素の水酸化物、塩基性炭酸塩、炭酸塩、炭
酸塩水和物、ケイ酸塩、ケイ酸塩水和物、酸化物及び酸
化物水和物等、あるいは第II族〜第IV族元素の2種以上
の複合酸化物、複合酸化物水和物、複合塩及び複合塩水
和物等であって良い。
【0026】これら酸素含有固体化合物は、単独で用い
ても2種以上組合せて用いても良い。このような酸素含
有固体化合物としては、具体的には、水酸化カルシウ
ム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸
マグネシウム、塩基性炭酸亜鉛、ケイ酸カルシウム水和
物、酸化マグネシウム水和物、水酸化アルミニウム、酸
化アルミニウム水和物及び酸化チタン水和物並びに、ハ
イドロタルサイト(Mg6Al2(OH)16CO3・4H2
O)、カオリナイト(Al23・2SiO2・2H
2O)、セリサイト(K2O・3Al23・6SiO2
2H2O)、パイロフィライト(Al23・4SiO2
2O)、ベントナイト(Al23・4SiO2・2H2
O)、タルク(3MgO・4SiO2・H2O)等を挙げ
ることができる。
【0027】上述した酸素含有固体化合物(A)は粉末
状であって、かつその平均粒子径が10μm以下である
ことが好ましく、その配合割合は組成物基準で0.1〜
5重量%、好ましくは0.5〜2重量%である。配合量
0.05重量%以下では十分な難燃性の向上が得られ
ず、配合量7重量%以上では難燃性付与効果が大きく低
下する。
【0028】含窒素有機化合物(B) 本発明の難燃性組成物に用いられる含窒素有機化合物
(B)は、粉末状ポリリン酸アンモニウムと共に熱可塑
性重合体中に存在すると、発火又は炎の接触等に起因す
る熱分解によって、非引火性ガス(水、二酸化炭素、ア
ンモニア及び窒素等)を生じ、かつほとんど炭素質残渣
しか残留しない有機化合物である。このような含窒素有
機化合物としては、例えば、前記一般式[I]で表され
る構成単位から選ばれる1種からなる単独重合体及び/
又は2種以上からなる共重合体を挙げることができる。
このような構成単位としては、下記[1]に例示される
構成単位を例示できる。 [1]2−ピペラジニレン−4−モルホリノ−1,3,
5−トリアジン、2−ピペラジニレン−4−ピペリジノ
−1,3,5−トリアジン、2−ピペラジニレン−4−
N,N’−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,
3,5−トリアジン、2−ピペラジニレン−4−N−
(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリア
ジン。
【0029】また、含窒素有機化合物(B)は、[2]
シアヌル酸クロライドとジアミン類との反応によって得
られる生成物であっても良い。このような含窒素有機化
合物としては、好ましくは、 (i)シアヌル酸クロライドとジアミン類とのモル比
(前者/後者=)2/3における反応によって得られる
生成物; (ii)シアヌル酸クロライドとエチレンジアミンとの
モル比(前者/後者=)2/3における反応によって得
られる生成物;及び (iii)シアヌル酸クロライドと1,3−ジアミノプ
ロパンとをモル比(前者/後者=)2/3で反応させて
得られる反応生成物;を例示できる。
【0030】本発明では、このような含窒素有機化合物
(B)とともに、公知の含窒素有機化合物、例えば環状
構造に組み込まれた基>C=0、>C=S又は>NHの
1以上を含有する複素環窒素化合物とアルデヒドとの反
応生成物;ベンジルグアナミンとアルデヒドとの反応生
成物;又はトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌ
レート、トリス(3−ヒドロキシ−N−プロピル)イソ
シアヌレート、トリス(2,3−エポキシプロピル)イ
ソシアヌレート等のイソシアヌル酸の誘導体である含窒
素有機化合物を併用することもできる。
【0031】<トリアジン系モノマーの製造方法>ここ
で、上記式[I]で示される含窒素有機化合物の製造方
法を説明する。即ち、例えば、含窒素有機化合物の一種
である上述の2−ピペラジニレン−4−モルホリノ−
1,3,5−トリアジン(一般式[I]中、Xがモルホ
リノ基、Zがピペラジニリンである構成単位)を構成単
位とする単独重合体を得るには、下記のように操作すれ
ばよい。
【0032】等モルの2,6−ジハロ−4−モルホリノ
−1,3,5−トリアジン(例えば2,6−ジクロロ−
4−モルホリノ−1,3,5−トリアジン又は2,6−
ジブロモ−4−モルホリノ−1,3,5−トリアジン)
とピペラジンとを有機塩基又は無機塩基(例えばトリエ
チルアミン、トリブチルアミン、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、又は炭酸ナトリウム等)の存在下にキシ
レン等の不活性溶媒中で加熱下反応させる。反応終了後
に該反応化合物を濾過して固形物を分離採取し、該固形
物を沸騰水で洗浄して副生物の塩を除去した後に固形物
を乾燥する。
【0033】得られる2−ピペラジニレン−4−モルホ
リノ−1,3,5−トリアジンを構成単位とする単独重
合体は通常の有機溶剤に不溶であり、その融点は観測さ
れず、分解温度304℃程度、真密度1.3g/ccの
ものであった。
【0034】また、2−ピペラジニレン−4−ビス(ヒ
ドロキシエチル)アミノ−1,3,5−トリアジンを構
成単位(一般式[I]中、Xがビス(ヒドロキシエチ
ル)アミノ基、Zがピペラジニレン基)とする単独重合
体を得る場合にも2,6−ジハロ4−ビス(ヒドロキシ
エチル)アミノ−1,3,5−トリアジンを原料として
上述と同様の方法を適用することができる。
【0035】さらに、2−ピペラジニレン−4−モルホ
リノ−1,3,5−トリアジンと2−ピペラジニレン−
4−ビス(ヒドキシエチル)アミノ−1,3,5−トリ
アジンを構成単位とする共重合体を得るにも2,6−ジ
ハロ−4−モルホリノ−1,3,5−トリアジンと2,
6−ジハロ4−ビス(ヒドロキシエチル)アミノ−1,
3,5−トリアジンの混合物を原料として上述と同様の
方法を適用することができる。2,6−ジハロ−4−モ
ルホリノ−1,3,5−トリアジンと2,6−ジハロ−
4−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ−1,3,5
−トリアジンの混合比を任意に選択することにより任意
の組成比を持つ共重合体が得られる。
【0036】シアヌル酸クロライドとエチレンジアミン
との反応生成物を得るには、シアヌル酸クロライドとエ
チレンジアミンとを(前者/後者=)2/3のモル比で
有機又は無機塩基(例えばトリエチルアミン、トリブチ
ルアミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、又は炭
酸ナトリウム等)の存在下に水を溶媒として反応させ
る。反応は、10℃以下の温度から開始し、徐々に溶媒
の還流温度まで加熱して行う。反応終了後に該反応生成
物を濾過して固形物を分離し該固形物を沸騰水で洗浄し
て副生物の塩を除去した後に残る固形物を乾燥する。得
られた固形反応生成物は有機溶媒に不溶であり、室温で
の水に対する溶解度も0.1%以下、分解温度は324
℃であった。
【0037】上述した含窒素有機化合物(B)の配合量
は組成物基準で通常1〜20重量%、好ましくは3〜1
8重量%である。該配合量が0.5重量%以下では十分
な難燃性が付与されず、配合量25重量%以上でもそれ
を上回る難燃性はほとんど発現しない。
【0038】水不溶性ポリリン酸アンモニウム(C) 本発明で用いられる水不溶性ポリリン酸アンモニウム
(C)としては、特にポリリン酸アンモニウム粒子と、
該粒子表面を被覆する被覆層とを有しており、かつ該被
覆層がメラミンのアミノ基に帰属する活性水素と反応し
得る官能基を有する架橋化合物とを反応させることによ
ってメラミン分子間に架橋基が介在してなる架橋構造を
有した、架橋メラミン被覆ポリリン酸アンモニウム粒子
を例示できる。
【0039】このような架橋メラミン被覆ポリリン酸ア
ンモニウムは、ポリリン酸アンモニウム粒子表面に昇華
したメラミンを付加及び/又は付着させたメラミン被覆
ポリリン酸アンモニウム粒子を調製し、次いでこれを架
橋化合物と反応させ、粒表面のメラミンを架橋すること
によって得ることができる。
【0040】架橋前のメラミン被覆ポリリン酸アンモニ
ウムの調製に用いられるポリリン酸アンモニウムは、市
販品を使用すれば良い。該市販品としては、例えば、テ
ラージュ(TERRAJU)S10(商標、チッソ社製)、テラ
ージュ(TERRAJU)S20(商標、チッソ社製)、スミセ
ーフ−P(商標、住友化学工業社製)、エクソリット−
422(商標、ヘキスト社製)、エクソリット−700
(商標、ヘキスト社製)、フォスチェックP/40(商
標、モンサント社製)等を挙げることができる。
【0041】また、使用するメラミンはメラミンモノマ
ーとして市販されているものを使用すれば良い。また、
架橋前のメラミン被覆ポリリン酸アンモニウムの調製に
は、アンモニアの結合量が化学量論量未満のポリリン酸
アンモニウム(以下、これをアンモニア不足ポリリン酸
アンモニウムと記す)を用いることが好ましい。
【0042】アンモニア不足ポリリン酸アンモニウム
は、加熱されたニーダー等の加熱混練装置内にて、ポリ
リン酸アンモニウム粒子を、該ポリリン酸アンモニウム
粒子が溶融すること無く、かつ該ポリリン酸アンモニウ
ム中のアンモニアが容易に脱離を起こす温度、例えば3
00℃以下好ましくは200〜300℃において0.5
〜5時間加熱処理し、本来ポリリン酸アンモニウム中に
化学量論量存在しているアンモニアの一部(化学量論量
のアンモニアに対して5〜10重量%)を脱離させて調
製できる。また、アンモニア不足ポリリン酸アンモニウ
ムは、ポリリン酸アンモニウムの公知の製造工程に於い
てアンモニアの結合量が化学量論量未満となるような条
件を選択することによっても調製できる。
【0043】メラミン被覆ポリリン酸アンモニウムは、
アンモニア不足ポリリン酸アンモニウムの調製に用いた
のと同一の装置に於いてアンモニア不足ポリリン酸アン
モニウム粒子が溶融しない温度でかつメラミンが昇華し
得る温度、即ち250〜300℃の温度に加熱してメラ
ミンを添加し、アンモニア不足ポリリン酸アンモニウム
粒子表面のアンモニアが脱離して酸となったヒドロキシ
ル基に該メラミンを付加及び/又は付着させて調製でき
る。
【0044】付加とはメラミンがポリリン酸アンモニウ
ムに由来する酸素−プロトン結合のプロトンとイオン的
に結合した状態を意味し、付加したメラミンは加熱され
ても安定であり再度脱離することはない。また、付着と
は、メラミンがポリリン酸アンモニウム粒子表面に吸着
された状態をいい、加熱の継続によってポリリン酸アン
モニウム粒子表面に吸着しているメラミンは昇華と吸着
を繰り返し酸素−プロトン結合のプロトンとイオン的に
結合する。この時添加するメラミンの割合は、該ポリリ
ン酸アンモニウムに対して0.5〜20重量%好ましく
は2〜10重量%であり、この方法では、添加したメラ
ミンは全量ポリリン酸アンモニウムに付加及び/又は付
着し、メラミン被覆ポリリン酸アンモニウムが得られ
る。
【0045】次いで、このようにして調製されたメラミ
ン被覆ポリリン酸アンモニウムを、メラミンのアミノ基
を形成する活性水素と反応しうる官能基を1個又は2個
以上有する架橋化合物と反応させる。
【0046】このような架橋化合物に含まれる、メラミ
ンのアミノ基を形成する活性水素と反応しうる官能基と
しては、イソシアネ−ト基、グリシジル基、カルボキシ
ル基、メチロール基及びアルデヒド基等を挙げることが
できる。このような該官能基を1個又は2個以上含有す
る架橋化合物としては、例えばイソシアネート基含有化
合物、具体的には、1,6−ジイソシアネートヘキサ
ン、1,1−ジメチレンビス(4−イソシアネートベン
ゼン)、3,3−ジメチルジフェニル−4,4−ジイソ
シアネート及び1,5−ジイソシアネートナフタレート
等;メチロール基含有化合物、具体的には、メチロール
尿素、メチロールメラミン、トリメチロールエタン及び
トリメチロールプロパン等;アルデヒド基含有化合物、
具体的には、ホルムアルデヒド、マロン酸アルデヒド及
びグリオキザール等;及びエポキシ基含有化合物、具体
的には、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グ
リセロールポリグリシジルエーテル等、を挙げることが
できる。これらは全て市販品で十分である。
【0047】このような架橋基の使用量は架橋前のメラ
ミン被覆ポリリン酸アンモニウムに含有されているメラ
ミン分子に対し0.5〜6モル当量倍、好ましくは1〜
3モル当量倍の該官能基含有相当量である。その使用量
0.5モル当量倍よりも少ない場合にはメラミン被覆層
に十分な架橋構造を形成し難いことから加水分解安定性
の向上が望み得ない。他方、6モル当量倍よりも多い場
合には未反応物が残留するという好ましくない結果が生
じる。
【0048】このような架橋化合物と、メラミン被覆ポ
リリン酸アンモニウムとの反応は、以下のようにして行
うことができる。即ち、加熱攪拌又は加熱混練機能を備
えた反応器内にメラミン被覆ポリリン酸アンモニウム
と、架橋化合物を適当な溶媒に溶解した溶液、例えば、
ホルムアルデヒドを含む水溶液を投入して混合する。次
いでメラミンのアミノ基を形成する活性水素と架橋化合
物とが反応し、架橋構造が容易に形成される温度、80
〜200℃好ましくは100〜150℃に反応器を加熱
昇温し、0.5〜2時間反応させると、メラミン被覆ポ
リリン酸アンモニウムのメラミン被覆層に架橋構造が形
成された水不溶性ポリリン酸アンモニウムが生成する。
【0049】この方法では、架橋反応を単分子の架橋剤
を使用して行っているため、メラミン被覆ポリリン酸ア
ンモニウム粒子の同一粒子上での架橋反応が優先し、か
つ該架橋剤を介して異なる粒子同士の凝集を生じさせる
ことはない。また、反応は溶媒系においても非溶媒系に
おいても進行でき、溶媒系としては水及び/又は有機溶
媒からなる単一溶媒系又は混合溶媒系のいずれも用いる
ことができる。
【0050】このような水不溶性ポリリン酸アンモニウ
ム(C)の配合量は組成物基準で10〜40重量%、好
ましくは15〜26重量%である。該配合量が7重量%
以下、詳しくは5重量%以下では十分な難燃性が得られ
ず、また50重量%、詳しくは45重量%以上に配合し
てもそれを上回る難燃性はほとんど付与されない。
【0051】熱可塑性重合体(D) 本発明の難燃性組成物の基材となる熱可塑性重合体
(D)は、高結晶性重合体、低結晶性重合体及び非結晶
性重合体並びに部分架橋重合体のいずれであっても良
く、また単独で用いても、2種維持用を組み合わせて用
いても良い。即ち、本発明における熱可塑性重合体とは
通常の樹脂加工手段によって成形加工され得るもの全般
にわたり、いかなる樹脂に限らず、ワックス状物及びエ
ラストマー状物並びに樹脂性とエラストマー性とを兼備
する熱可塑性エラストマーをも包含する概念である。
【0052】従って、融点(Tm)が観測されず、それ
に代わって軟化点(Sp)が観測されるものから、固溶
体と言われるガラス状の重合体のように軟化点さえも不
明確なものであっても本発明の基材である熱可塑性重合
体に属する。
【0053】本発明で用いられる熱可塑性重合体として
好適樹脂及びエラストマーを、下記に例示する。 (1)ポリオレフィン系樹脂(α-オレフィンの単独重
合体又は共重合体樹脂) ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ1−ブテ
ン樹脂、ポリ−4−メチル−1−ペンテン樹脂、ポリ−
1−ヘキセン樹脂、ポリ−1−オクテン樹脂及びポリ−
1−デセン樹脂。これらは単独で用いても2種以上を組
み合わせて樹脂ブレンドとして用いても良い。
【0054】上記のポリオレフィン樹脂類の中で好まし
いものは結晶性ポリプロピレン樹脂、例えば、結晶性プ
ロピレン単独重合体樹脂及びプロピレンを主成分とし、
エチレン及び/又は炭素数4個以上の1-オレフィンを共
重合体成分として含む結晶性プロピレン共重合体樹脂で
ある。このような結晶性プロピレン共重合体樹脂におい
て、炭素数4個以上の1−オレフィンとしては、具体的
には、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−
ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン及び1−デセン
を挙げることができ、これらは単独で、又は2種以上を
組み合わせて、共重合成分として用いてもよい。それら
の中でも最も実用的なものはプロピレン−エチレン結晶
性共重合体樹脂又はプロピレン−1−ブテン結晶性共重
合体樹脂である。
【0055】上記の各種の中で他の好ましいものとして
エチレン系重合体、例えば結晶性エチレン単独重合体又
はエチレンを主成分とし、共重合成分としてエチレン及
び/又は炭素原子3個以上の1−オレフィンを含む結晶
性エチレン共重合体を挙げられる。 (2)ポリスチレン系樹脂(スチレンの単独重合体もし
くは共重合体) ポリスチレン樹脂(PS)、耐衝撃性ポリスチレン樹脂
(HIPS)、耐熱性ポリスチレン樹脂(スチレン−α
−メチルスチレン共重合樹脂を包含)、アクリロニトリ
ル−スチレン共重合樹脂(AS)及びアクリロニトリル
−ブタジエン−スチレン共重合樹脂(ABS)等。 (3)アクリル系樹脂(アクリル酸エステル又はアクリ
ル酸エステル誘導体の重合体) ポリメチルアクリレート樹脂(PMA)、ポリメチルメ
タアクリレート樹脂(PMMA)等。 (4)ポリビニル系樹脂(ビニルモノマー又はその誘導
体の重合体) ポリ塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリ塩化ビニリデン樹
脂(PVDC)等。 (5)ポリアミド樹脂(ナイロン) 6−ナイロン、7−ナイロン、11−ナイロン、12−
ナイロン、6,6−ナイロン、6,10−ナイロン、
6,12−ナイロン、全芳香族ナイロン類例えばテレフ
タル酸単位とp−フェニレンジアミン単位との縮合物及
びm−キシリレン−アジピン酸縮合ナイロン類(MXD
6)並びに6−/6,6−共縮合ナイロン及び6−/1
2−共縮合ナイロン (6)熱可塑性ポリエステル樹脂(2個のカルボキシル
基を有する芳香族ジカルボン酸とジヒドロキシ化合物と
の重合体) ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート及びポリフェニレンテレフタレート (7)芳香族化合物の単独重合体及び共重合体 ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリスルホン樹脂、ポ
リフェニレンエーテル樹脂(PPE)及びポリウレタン
樹脂(PU)。
【0056】<エラストマー類>本発明の難燃性重合体
組成物を構成する熱可塑性重合体類には、小割合のエラ
ストマー類が含有されている樹脂ブレンド類又は「熱可
塑性エラストマー類」も包含される。この「熱可塑性エ
ラストマー類」としては、樹脂類とエラストマー類との
単純なブレンド類(組成物類)に加えて、エラストマー
類が部分架橋物として含有される組成物類の両者が包含
される。樹脂性分類及びエラストマー成分類のそれぞれ
の軟化点の中で高温の方以上の温度において混練する事
を要する。
【0057】このようなエラストマー類としては下記の
ものを例示できる。 (8)1-オレフィン類相互の共重合体エラストマー エチレン−プロピレン共重合体エラストマー(EP
M)、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体エ
ラストマー(EPDM)、特に、エチレン−プロピレン
−2−エチリデン−5−ノルボルネン共重合体エラスト
マー(EPDM)、プロピレン−1−ブテン共重合体エ
ラストマー(PBM)。 (9)共役ジエンの単独重合体ゴム及び共重合体ゴム ポリ−1,3−ブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレ
ンゴム(IR)、アクリロニトリル−1,3−ブタジエ
ン共重合体ゴム(NBR)、クロロプレンゴム、イソブ
テン−イソプレンゴム(IIR:通称「ブチルゴ
ム」)、天然ゴム(NR)。 (10)縮合重合エラストマー ポリウレタンエラストマー等。
【0058】上に掲示された各種エラストマーを概念的
に絞り込むと下記の各種を提示し得る。 ポリオレフィン系エラストマー エチレン−プロピレン共重合体エラストマー(EPM) エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体エラスト
マー組成物の部分架橋物、プロピレン結晶性重合体/エ
チレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体エラストマ
ー組成物の部分架橋物。
【0059】以上、熱可塑性重合体(D)として具体的
に説明した樹脂、(共)重合体及びエラストマーは、単
独で用いても、2種以上を組合せて用いても良いことは
言うまでもない。
【0060】このような熱可塑性重合体(D)の配合量
は、組成物基準で88.9〜35重量%、好ましくは8
1.5〜54重量%である。 <他の添加剤>本発明の難燃性熱可塑性重合体組成物に
あっては、熱可塑性重合体に通常添加される各種の添加
剤、例えば酸化防止剤とうに立体障害フェノール系安定
剤類、耐熱安定剤、紫外線防止剤、帯電防止剤、銅害防
止剤、滑剤、中和剤、造核剤又は顔料等を適宜併用する
ことができる。上記の中和剤としては例えば、下記のも
のを挙げることができる。
【0061】高級脂肪酸金属塩類、金属酸化物、金属水
酸化物の複合塩例えばハイドロタルサイトもしくはマナ
セアイト、タルク、マイカ粉末及びホワイトカーボン類
等。重合体組成物の作製 本発明の熱可塑性重合体組成物は例えば次のような手順
によって製造することができる。即ち、熱可塑性重合体
基材に酸素含有固体化合物、水不溶性ポリリン酸アンモ
ニウム及び含窒素有機化合物並びに必要に応じて他の添
加剤をそれぞれ所定量ずつ適当な攪拌混合装置例えばヘ
ンシェルミキサー(商品名)、スパーミキサー又はタン
ブラーミキサー等に挿入し、次いで1〜10min攪拌混合
することによって得られる。得られた混合物をロール混
練機又はスクリュー押し出し機等、必要に応じてベント
付き押し出し機等を用いて溶融混練温度通常170〜2
20℃で溶融混練した後にストランド上に押し出したも
のを切断してペレット化する事によって目的の難燃性組
成物を得ることができる。
【0062】
【実施例】本発明を以下に実施例及び比較例を用いて具
体的に説明するが、本発明はこれらによって限定される
ものではない。実施例及び比較例で用いた評価方法を次
に示す。 1)難燃性:UL94V ULサブジェクト94(アンダ−ラント・ラボラトリー
ズ・インコーポレーテッド)の「機器の部品用プラスチ
ック材料の燃焼試験」に規定された垂直燃焼試験に準
拠。試験片の肉厚:1.2mm(1/12インチ)。 2)難燃性:酸素指数(O.I.) 日本工業規格JIS K7201(酸素指数方による高
分子材料の燃焼試験方法)に準拠 3)熱水浸漬試験評価 試験片(長さ100mm×幅100mm×厚さ2mm)
を射出成形機で成形し、試験片の表面電気抵抗値を振動
容量型微小電流電位計(竹田理研工業社製)で測定し
た。次いで該試験片を95℃の熱水に2時間浸漬させた
後に取りだし、該試験片に付着した水滴をワイパー紙で
拭き取り、試験片の表面電気抵抗値を測定した。熱水浸
漬後に表面電気抵抗値が大幅に低下したものは耐ブリー
ド性不良とした。4)耐ブリード持続期間評価 試験片(長さ100mm×幅100mm×厚さ2mm)
を射出成形機で成形し、試験片の表面電気抵抗値を振動
容量型微小電流電位計(竹田理研工業社製)で測定し
た。次いで該試験片を温度80℃、湿度80%に調節さ
れた恒温恒湿槽に静置し、各経時毎に取り出した。取り
だした該試験片を温度80℃に調節された恒温乾燥器中
で2時間乾燥し試験片の表面電気抵抗値を測定した。
【0063】該試験片の表面電気抵抗値が恒温恒湿槽か
ら取りだした後に大幅に低下したものは高温高湿度条件
下での耐ブリード性不良とし、高温高湿度条件下に暴露
して表面電気抵抗値が低下するまでの日数を調べた。
【0064】本発明の実施例に使用した水不溶性ポリリ
ン酸アンモニウムは以下の方法によって得た。内容積5
Lのガラスフラスコ(加熱混合機能及び脱気機能を装
着)中にメラミン被覆ポリリン酸アンモニウム1000
g及びホルムアルデヒド水溶液(濃度37重量%)6
4.3g、水909g及びメチルアルコール90.9g
を投入して常温において混合した。次に、該フラスコを
加熱して温度80℃までに昇温させ、同温度で還流状態
に1時間保持した後に濾過した。得られた固形物を乾燥
機中に移して2時間乾燥(100℃)して、水不溶性ポ
リリン酸アンモニウムを1010g得た。
【0065】また、水不溶性ポリリン酸アンモニウムを
得るにあたり使用したメラミン被覆ポリリン酸アンモニ
ウムは以下の方法によって得た。予め280℃に加熱さ
れたニーダーに平均粒子径6.4μmのポリリン酸アン
モニウム テラージュ(TERRAJU)S10(商標、チッソ
社製)を2000g投入し、窒素ガス雰囲気又は不活性
ガス雰囲気下で1時間加熱混合しアンモニアを脱離させ
た。このアンモニアが化学量論量よりも不足した状態の
ポリリン酸アンモニアに対して、メラミン200gを添
加する。この時点でニーダーの上蓋を閉じこの状態で2
80℃で4時間加熱混合をおこなう。加熱混合はポリリ
ン酸アンモニウムの状態を変化させることなくおこなわ
れた。このようにして、メラミン被覆ポリリン酸アンモ
ニウムが2100g得られた。電子顕微鏡による観察の
結果、II型ポリリン酸アンモニウム微粒子の粒子表面が
メラミンにより均一に被覆されているのが確認された。
【0066】
【実施例1】熱可塑性重合体(D)として、結晶性プロ
ピレン−エチレンブロック共重合体[エチレン成分含有
量8.5重量%、MFR(230℃;2.16Kgf)20g/10
min](D1)57.0重量%及び高密度ポリエチレ
ン[MI(190℃;2.16Kgf)6.5g/10min;融点
(Tm)130℃;密度0.952g/cc](D2)
10重量%、エチレン−プロピレンゴム[商品名:EP
−02P(日本合成ゴム社製)](D3)10重量%、
酸素含有固体化合物(A)として酸化マグネシウム[商
品名:キョウワマグ(協和化学社製)]0.5重量%、
含窒素有機化合物(B)として2−ピペラジニレン−4
−モルホリノ−1,3,5−トリアジンを構成単位とす
る単独重合体(B1)5重量%及び水不溶性ポリリン酸
アンモニウム(C)としてホルムアルデヒドとの反応に
よって架橋された水不溶性ポリリン酸アンモニウム微粉
末17重量%並びに各種添加剤(E)として2,6-ジ-t-
ブチル-p-クレゾール(E1)0.2重量%、ジミリス
チル-β,β'-チオジプロピオネート(E2)0.2重量
%及びステアリン酸カルシウム(E3)0.1重量%を
ヘンシェルミキサー(商品名)に挿入して3分間攪拌混
合した。得られた混合物を押出機(口径30mm)中で溶融
混練(温度200℃)後に押し出して難燃性重合体組成
物のペレットを得た。得られたペレットを用いて所定の
試験片を作成し、それを用いて酸素指数、及び難燃性測
定をおこなった結果を表1に示す。また、熱水浸積試験
評価及び耐ブリード保持日数評価の結果を表3に示す。
【0067】
【実施例2】酸素含有固体化合物(A)として酸化アル
ミニウム1.0重量%を用いた以外には実施例1に準拠
して作成されたペレットを実施例1における処方に準拠
した酸素指数及び難燃性測定をおこなった。その結果を
表1に示す。また、熱水浸積試験評価及び耐ブリード保
持日数評価の結果を表3に示す。
【0068】
【実施例3】酸素含有固体化合物(A)として水酸化マ
グネシウム2.0重量%、含窒素有機化合物(B)とし
てシアヌルサンクロライドとエチレンジアミンとを反応
モル比(前者/後者=2/3)で反応させて得られた生
成物(B2)5重量%を用いた以外は実施例1に準拠し
て作成されたペレットを実施例1における処方に準拠し
た酸素指数及び難燃性測定をおこなった。その結果を表
1に示す。また、熱水浸積試験評価及び耐ブリード保持
日数評価の結果を表3に示す。
【0069】
【実施例4】酸素含有固体化合物(A)として酸化マグ
ネシウム1.0重量%、含窒素有機化合物(B)として
シアヌル酸クロライドとシアヌルサンクロライドとエチ
レンジアミンとを反応モル比(前者/後者=2/3)で
反応させて得られた生成物(B2)5重量%を用いた以
外は実施例1に準拠して作成されたペレットを実施例1
における処方に準拠した酸素指数及び難燃性測定をおこ
なった。その結果を表1に示す。また、熱水浸積試験評
価及び耐ブリード保持日数評価の結果を表3に示す。
【0070】
【実施例5】酸素含有固体化合物(A)として酸化アル
ミニウム2.0重量%、含窒素有機化合物(B)として
シアヌル酸クロライドとシアヌルサンクロライドとエチ
レンジアミンとを反応モル比(前者/後者=2/3)で
反応させて得られた生成物(B2)5重量%を用いた以
外は実施例1に準拠して作成されたペレットを実施例1
における処方に準拠した酸素指数及び難燃性測定をおこ
なった。その結果を表1に示す。また、熱水浸積試験評
価及び耐ブリード保持日数評価の結果を表3に示す。
【0071】
【実施例6】熱可塑性重合体(D)として低密度ポリエ
チレン[MI(190℃;2.16Kgf)3g/10min;軟化
点96℃;密度0.942g/cc;商品名:ペトロセ
ン186(東ソー社製)](D4)65.5重量%、酸
素含有固体化合物(A)として酸化マグネシウム[商品
名:キョウワマグ(協和化学社製)]1.0重量%、重
量%、含窒素有機化合物(B)として2−ピペラジニレ
ン−4−モルホリノ−1,3,5−トリアジンを構成単
位とする単独重合体(B1)9重量%及び水不溶性ポリ
リン酸アンモニウム(C)としてホルムアルデヒドとの
反応によって架橋された水不溶性ポリリン酸アンモニウ
ム微粉末24重量%並びに各種添加剤(E)として2,6-
ジ-t-ブチル-p-クレゾール(E1)0.2重量%、ジミ
リスチル-β,β'-チオジプロピオネート(E2)0.2
重量%及びステアリン酸カルシウム(E3)0.1重量
%をヘンシェルミキサー(商品名)に装入して3分間攪
拌混合した。得られた混合物を押出機(口径30mm)中で
溶融混練(温度200℃)後に押し出して難燃性重合体
組成物のペレットを得た。得られたペレットを用いて所
定の試験片を作成し、それを用いて酸素指数、及び難燃
性測定をおこなった結果を表1に示す。また、熱水浸積
試験評価及び耐ブリード保持日数評価の結果を表3に示
す。
【0072】
【実施例7】熱可塑性重合体(D)としてポリスチレン
樹脂[MI(190℃;2.16Kgf)1.7g/10min;軟
化点97℃;密度1.05g/cc;商品名:スタイロ
ン475S(旭化成社製)](D5)62.5重量%、
酸素含有固体化合物(A)として水酸化マグネシウム
[商品名:キスマ5A(協和化学社製)]1.0重量
%、含窒素有機化合物(B)として2−ピペラジニレン
−4−モルホリノ−1,3,5−トリアジンを構成単位
とする単独重合体(B1)10重量%及び水不溶性ポリ
リン酸アンモニウム(C)としてホルムアルデヒドとの
反応によって架橋された水不溶性ポリリン酸アンモニウ
ム微粉末26重量%並びに各種添加剤(E)として2,6-
ジ-t-ブチル-p-クレゾール(E1)0.2重量%、ジミ
リスチル-β,β'-チオジプロピオネート(E2)0.2
重量%及びステアリン酸カルシウム(E3)0.1重量
%をヘンシェルミキサー(商品名)に装入して3分間攪
拌混合した。得られた混合物を押出機(口径30mm)中で
溶融混練(温度200℃)後に押し出して難燃性重合体
組成物のペレットを得た。得られたペレットを用いて所
定の試験片を作成し、それを用いて酸素指数、及び難燃
性測定をおこなった結果を表1に示す。また、熱水浸積
試験評価及び耐ブリード保持日数評価の結果を表3に示
す。
【0073】
【比較例1】熱可塑性重合体(D)として、結晶性プロ
ピレン−エチレンブロック共重合体[エチレン成分含有
量8.5重量%、MFR(230℃;2.16Kgf)20g/10
min](D1)56.5重量%及び高密度ポリエチレ
ン[MI(190℃;2.16Kgf)6.5g/10min;融点
(Tm)130℃;密度0.952g/cc](D2)
10重量%、エチレン−プロピレンゴム[商品名:EP
−02P(日本合成ゴム社製)](D3)10重量%、
含窒素有機化合物(B)として2−ピペラジニレン−4
−モルホリノ−1,3,5−トリアジンを構成単位とす
る単独重合体(B1)5重量%、水不溶性ポリリン酸ア
ンモニウム(C)としてホルムアルデヒドとの反応によ
って架橋された水不溶性ポリリン酸アンモニウム微粉末
17重量%及び実施例における酸素含有固体化合物
(A)の代わりに固体酸である硫酸マグネシウム1.0
重量%並びに各種添加剤(E)として2,6-ジ-t-ブチル-
p-クレゾール(E1)0.2重量%、ジミリスチル-β,
β'-チオジプロピオネート(E2)0.2重量%及びス
テアリン酸カルシウム(E3)0.1重量%をヘンシェ
ルミキサー(商品名)に装入して3分間攪拌混合した。
得られた混合物を押出機(口径30mm)中で溶融混練(温
度200℃)後に押し出して難燃性重合体組成物のペレ
ットを得た。得られたペレットを用いて所定の試験片を
作成し、それを用いて酸素指数、及び難燃性測定をおこ
なった結果を表2に示す。
【0074】
【比較例2】酸素含有固体化合物(A)の代わりに固体
酸である硫酸カルシウムを1.0重量%用いる以外は実
施例1に準拠して作成されたペレットを実施例1におけ
る処方に準拠した酸素指数及び難燃性測定をおこなっ
た。その結果を表2に示す。
【0075】
【比較例3】熱可塑性重合体(D)として、結晶性プロ
ピレン−エチレンブロック共重合体[エチレン成分含有
量8.5重量%、MFR(230℃;2.16Kgf)20g/10
min](D1)50.5重量%、酸素含有固体化合物
(A)として水酸化マグネシウム[商品名:キスマ5A
(協和化学社製)]7.0重量%とする以外には実施例
1に準拠して作成されたペレットを実施例1における処
方に準拠した酸素指数及び難燃性測定をおこなった。そ
の結果を表2に示す。
【0076】
【比較例4】熱可塑性重合体(D)として低密度ポリエ
チレン[MI(190℃;2.16Kgf)3g/10min;軟化
点96℃;密度0.942g/cc;商品名:ペトロセ
ン186(東ソー社製)](D4)66.5重量%、含
窒素有機化合物(B)として2−ピペラジニレン−4−
モルホリノ−1,3,5−トリアジンを構成単位とする
単独重合体(B1)9重量%及び粉末状ポリリン酸アン
モニウムとしてテラージュ(TERRAJU)S10(チッソ社
製)を24重量%並びに各種添加剤(E)として2,6-ジ
-t-ブチル-p-クレゾール(E1)0.2重量%、ジミリ
スチル-β,β'-チオジプロピオネート(E2)0.2重
量%及びステアリン酸カルシウム(E3)0.1重量%
をヘンシェルミキサー(商品名)に装入して3分間攪拌
混合した。得られた混合物を押出機(口径30mm)中で溶
融混練(温度200℃)後に押し出して難燃性重合体組
成物のペレットを得た。得られたペレットを用いて所定
の試験片を作成し、それを用いて酸素指数、及び難燃性
測定をおこなった結果を表2に示す。また、熱水浸積試
験評価及び耐ブリード保持日数評価の結果を表3に示
す。
【0077】
【比較例5】熱可塑性重合体(D)としてポリスチレン
樹脂[MI(190℃;2.16Kgf)1.7g/10min;軟
化点97℃;密度1.05g/cc;商品名:スタイロ
ン475S(旭化成社製)](D5)63.5重量%、
含窒素有機化合物(B)として2−ピペラジニレン−4
−モルホリノ−1,3,5−トリアジンを構成単位とす
る単独重合体(B1)10重量%及び粉末状ポリリン酸
アンモニウムとしてテラージュ(TERRAJU)S10(チッ
ソ社製)を26重量%並びに各種添加剤(E)として2,
6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール(E1)0.2重量%、ジ
ミリスチル-β,β'-チオジプロピオネート(E2)0.
2重量%及びステアリン酸カルシウム(E3)0.1重
量%をヘンシェルミキサー(商品名)に装入して3分間
攪拌混合した。得られた混合物を押出機(口径30mm)中
で溶融混練(温度200℃)後に押し出して難燃性重合
体組成物のペレットを得た。得られたペレットを用いて
所定の試験片を作成し、それを用いて酸素指数、及び難
燃性測定をおこなった結果を表2に示す。また、熱水浸
積試験評価及び耐ブリード保持日数評価の結果を表3に
示す。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】
【表3】
【0081】
【発明の効果】本発明の難燃性熱可塑性重合体組成物は
下記の各種効果を発揮する。難燃化剤が低配合でありな
がら高い難燃性能を発揮する。
【0082】高温高湿度の条件下における耐ブリード性
(熱水浸積における抵抗値変化及び高温高湿度条件下に
おける持続日数で測定された)が著しく改善される。電
気製品の分野を始め建材、自動車部品等の分野に一層好
適な素材を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 3/26 KAF 3/32 KAG 3/34 KAH 5/16 KAX 9/04 KCP C08L 21/00 LAY 23/00 KDY 25/04 KFV 61/20 LNG 79/04 LRA 101/00

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記成分(A)、(B)、(C)及び
    (D)からなりそれらの量の合計が100重量%である
    ことを特徴とする難燃性熱可塑性重合体組成物: (A)周期律表II族、III族又はIV族に属する元素の酸
    素含有固体化合物0.1〜5重量%、(B)含窒素有機
    化合物1〜20重量%、(C)水不溶性ポリリン酸アン
    モニウム10〜40重量%、及び(D)熱可塑性重合体
    88.9〜35重量%。
  2. 【請求項2】周期律表II族、III族又はIV族に属する元
    素が、Ca、Ba、Sr、Mg、Al、Si、Zn、C
    d、Ti、Zr及びSnから選ばれる1種以上である請
    求項1に記載の難燃性熱可塑性重合体組成物。
  3. 【請求項3】酸素含有固体化合物(A)が、前記II〜IV
    族に属する元素の水酸化物、塩基性炭酸塩、炭酸塩、炭
    酸塩水和物、ケイ酸塩、ケイ酸塩水和物、酸化物及び酸
    化物水和物、及び前記II〜IV族に属する2種以上の元素
    の複合酸化物、複合塩及び複合塩水和物から選ばれる1
    種以上である請求項1又は2に記載の難燃性熱可塑性重
    合体組成物。
  4. 【請求項4】酸素含有固体化合物(A)の平均粒径が1
    0μm以下である請求項1〜3のいずれかに記載の難燃
    性熱可塑性重合体組成物。
  5. 【請求項5】水不溶性ポリリン酸アンモニウム(C)
    が、ポリリン酸アンモニウム粒子と、該粒子の表面を被
    覆する被覆層とを含み、該被覆層が、メラミンと、該メ
    ラミンのアミノ基を形成する活性水素と反応しうる官能
    基を有する架橋化合物と、の反応によって形成される架
    橋構造を有する請求項1に記載の難燃性熱可塑性重合体
    組成物。
  6. 【請求項6】架橋化合物が、メラミンのアミノ基に帰属
    する活性水素と反応し得る官能基を有し、この官能基が
    イソシアネート基、グリシジル基、カルボキシル基、メ
    チロール基及びアルデヒド基から選ばれることを特徴と
    する請求項5に記載の難燃性熱可塑性重合体組成物。
  7. 【請求項7】架橋化合物が、一官能又は多官能であるこ
    とを特徴とする請求項5に記載の難燃性熱可塑性樹脂組
    成物。
  8. 【請求項8】前記被覆層がポリリン酸アンモニウムに対
    して0.5〜20重量%の昇華メラミンを付加及び/又
    は付着させることによって得られるメラミン被覆ポリリ
    ン酸アンモニウムから得られることを特徴とする請求項
    5に記載の難燃性熱可塑性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】含窒素有機化合物(B)が一般式[I]で
    表される構成単位からなる単独重合体及び/又は共重合
    体であることを特徴とする請求項1に記載の難燃性熱可
    塑性樹脂組成物: 【化1】 [式中、Xは、式:−NHR1、−NR23、−NHR
    4又は−NR56(式中、R1、R2及びR3は、炭素数2
    〜6を有する線状又は分枝状アルキル基であり、R2
    びR3は同一でも異なっていてもよく、相互に結合して
    環を形成していてもよく、R4、R5、R6は、炭素数2
    〜6を有する線状又は分枝状ヒドロキシアルキル基であ
    り、R5及びR6は同一であっても異なっていてもよく、
    相互に結合して環を形成していてもよい)で表される基
    であり、Z1はピペラジンの2価の基、式:−HN(C
    2)mNH−で表される2価の基(式中、mは2〜6
    の数である)、又は式:−NR7(CH2l8N−(式
    中、R7、R8の一方又は両方がヒドロキシエチル基であ
    り、lは2〜6の数である)で表される基である]。
  10. 【請求項10】含窒素有機化合物(B)がシアヌル酸ク
    ロライドとジアミンとを反応させた反応生成物であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の難燃性熱可塑性樹脂組
    成物。
  11. 【請求項11】熱可塑性重合体(D)が、脂肪族系の熱
    可塑性樹脂;芳香族系の熱可塑性樹脂;脂肪族系のエラ
    ストマー及び芳香族系のエラストマーから選ばれる少な
    くとも1種のエラストマー;及び1種以上の熱可塑性樹
    脂と1種以上のエラストマーもしくは部分架橋エラスト
    マーとからなる熱可塑性エラストマーから選ばれること
    を特徴とする請求項1に記載の難燃性熱可塑性重合体組
    成物。
  12. 【請求項12】熱可塑性重合体(D)が下記の単独重合
    体及び共重合体から選ばれる少なくとも1種からなるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性重合体: (1)ポリオレフィン系樹脂; (2)ポリスチレン系樹脂; (3)アクリル系樹脂; (4)ポリビニル系樹脂; (5)ナイロン(ポリアミド樹脂); (6)熱可塑性ポリエステル樹脂; (7)芳香族化合物の単独重合体及び共重合体; (8)熱可塑性1-オレフィン共重合体エラストマー; (9)共役ジエンの単独重合体ゴム及び共重合体ゴム;
    及び (10)縮合重合エラストマー。
  13. 【請求項13】熱可塑性重合体が下記熱可塑性樹脂及び
    エラストマーから選ばれる少なくとも1種からなる請求
    項12に記載の難燃性熱可塑性重合体組成物: (1)ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ1
    −ブテン樹脂、ポリ−4−メチル−1−ペンテン樹脂、
    ポリ1−ヘキセン樹脂、ポリ1−オクテン樹脂及びポリ
    1−デセン樹脂; (2)ポリスチレン樹脂(PS)、耐衝撃性ポリスチレ
    ン樹脂(HIPS)、耐熱性ポリスチレン樹脂(スチレ
    ン-α-メチルスチレン共重合体樹脂を含む)、アクリロ
    ニトリル−スチレン樹脂(AS)及びアクリロニトリル
    −ブタジエン−スチレン樹脂(ABS); (3)ポリメチルアクリレート及びポリメチル(メタ)
    アクリレート; (4)ポリ塩化ビニル樹脂及びポリ塩化ビニリデン樹
    脂; (5)6−ナイロン、7−ナイロン、11−ナイロン、
    12−ナイロン、6,6−ナイロン、6,7−ナイロ
    ン、6,10−ナイロン、6,12−ナイロン、テレフ
    タル酸単位とp−フェニレンジアミン単位との縮合物、
    m−キシリレン−アジピン酸縮合ナイロン(MXD
    6)、6−/6,6−共縮合ナイロン及び6−/12−
    共縮合ナイロン; (6)ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
    フタレート及びポリフェニレンテレフタレート; (7)ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリスルホン樹
    脂及びポリフェニレンエーテル樹脂(PPE)、及びポ
    リウレタン樹脂(PU); (8)エチレン−プロピレン共重合エラストマー(EP
    M)、エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合エラ
    ストマー(EPDM)、エチレン−プロピレン−2−エ
    チリデン−5−ノルボルネン共重合エラストマー(EP
    DM)及びプロピレン−1−ブテン共重合エラストマー
    (PBM); (9)ポリ−1,3−ブタジエンゴム(BR)、ポリイ
    ソプレンゴム(IR)、アクリロニトリル−1.3−ブ
    タジエン共重合ゴム(NBR)、クロロプレンゴム、イ
    ソブテン−イソプレンゴム(IIR:通称「ブチルゴ
    ム」)、天然ゴム(NR);及び (10)ポリウレタンエラストマー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006176731A (ja) * 2004-12-24 2006-07-06 Shin Etsu Chem Co Ltd 難燃樹脂組成物
US7695651B2 (en) 2004-02-16 2010-04-13 Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. Flame retardant additives, emulsion type coating compositions, and flame retardant compositions
JP2020180232A (ja) * 2019-04-25 2020-11-05 日本バイリーン株式会社 液体吸収材

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