JPH08137503A - 共振比制御による2慣性共振系の振動抑制装置 - Google Patents

共振比制御による2慣性共振系の振動抑制装置

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JPH08137503A
JPH08137503A JP6276167A JP27616794A JPH08137503A JP H08137503 A JPH08137503 A JP H08137503A JP 6276167 A JP6276167 A JP 6276167A JP 27616794 A JP27616794 A JP 27616794A JP H08137503 A JPH08137503 A JP H08137503A
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和也 小倉
Yasuhiro Yoshida
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Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 共振比制御に一次遅れフィルタを加えて特性
を大幅に改善した。 【構成】 モータの角速度指令ωM*とモータの角速度
ωMとの偏差を速度アンプ21に入力し、その出力に得
られた入力トルクτiを補償フィルタである一次遅れフ
ィルタ22に供給する。この一次遅れフィルタ22の出
力はゲイン部23を介して第1偏差器24のプラス端に
与えられる。第1偏差器24のマイナス端には共振比ゲ
イン部25からの出力が与えられる。第1偏差器24の
偏差出力としてモータトルク指令τMを得る。このモー
タトルク指令は2慣性系26と第2偏差器27のプラス
端に入力される。2慣性系26の出力に得られるモータ
の角速度ωMは微分要素28を介して第2偏差器27の
マイナス端に与えられる。第2偏差器27の偏差出力は
一次遅れフィルタ29に入力され、その出力に軸トルク
推定値∧τSを得る。この軸トルク推定値は前記共振比
ゲイン部25に供給される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は共振比制御による振動
抑制装置に係り、特にモータと負荷が弾性軸で結合され
ているような共振比制御による2慣性共振系の振動抑制
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エレベータや鉄鋼の圧延機,ロボットの
アームなどにおいて電動機と負荷が剛性の低い軸で結合
されていると、軸ねじり振動が発生し、速度制御系の応
答を速くすることができなくなるという問題がある。軸
ねじり振動は電動機と負荷との慣性モーメントの比によ
って影響を受け、特に負荷の慣性モーメントが電動機よ
り小さい場合はより振動的となり、振動抑制制御はさら
に困難なものになる。近年、軸トルクを高速に推定し、
トルク指令へフィードバックすることにより、見かけ上
のモータ慣性を低くして、安定化を図る共振比(モータ
共振周波数と例えばロボットのアーム共振周波数との
比)制御手段が提案されている。(参考文献A:電学
論、113巻10号、平成5年;共振比制御による2慣
性共振系の振動抑制制御) 上記文献の共振比制御を用いると、負荷の慣性がモータ
の慣性より小さい場合でも、良好な振動抑制効果が得ら
れる。しかし、外乱抑圧効果が低下するので、負荷トル
クオブザーバを追加して外乱抑圧効果を向上させる方式
も提案されている。(参考文献B:平成5年電気学会全
国大会、669;共振比制御とSFCによる2慣性系の
制御) しかしながら、共振比制御は軸トルクが高速で推定でき
るという仮定のもとに制御を行っているため、軸トルク
オブザーバのゲインが大きくできない場合、例えば速度
検出器のノイズが多くてオブザーバゲインを大きくする
と支障が起こる場合などには、振動抑制効果が落ちてし
まい、2慣性系は振動的になる。この対策として提案さ
れたのが、低慣性化制御である。(参考文献C:電気学
会研究資料、IEA−94−12;低慣性化制御を用い
た2慣性共振系の振動抑制制御) 低慣性化制御は、元来1慣性系に用いられてきた手法で
あるが、(参考文献D:平成3年電気学会産業応用部門
全国大会、142;誘導機を用いた低慣性化制御方式)
これを2慣性系に応用することで、共振比制御よりも振
動抑制効果の高いものとなる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】共振比制御は、軸トル
クが高速で推定できるとの仮定の上に成り立っており、
オブザーバゲインが十分大きくできない場合は、振動抑
制効果は落ちてしまう。また、低慣性化制御は、その特
徴として、オブザーバの入力段において一次遅れのフィ
ルタがフィードフォワードで入っており、オブザーバゲ
インが十分大きくできない場合においても、良好な振動
抑制効果を発揮するが、一次遅れフィルタの理論的な効
果は解明されておらず、フィルタの時定数も根軌跡など
を利用して解析的に求められているにすぎない。
【0004】この発明は上記の事情に鑑みてなされたも
ので、一次遅れフィルタの時定数を理論的に決定するこ
とができるようにするとともに、共振比制御に一次遅れ
フィルタを加えて特性を大幅に改善した共振比制御によ
る2慣性共振系の振動抑制装置を提供することを目的と
する。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、第1発明は、2慣性共振系と、モー
タの角速度指令と2慣性共振系の角速度との偏差出力を
増幅する速度アンプと、この速度アンプの出力が供給さ
れる補償フィルタと、この補償フィルタの出力が供給さ
れるゲイン部と、このゲイン部と共振比ゲイン部との偏
差を前記2慣性共振系のトルク指令として送出する第1
偏差器と、この第1偏差器からのトルク指令とモータの
角速度の微分要素出力との偏差を取る第2偏差器と、こ
の第2偏差器の出力が供給され、出力に得られる軸トル
ク推定値を前記共振比ゲイン部に供給する一次遅れフィ
ルタとを備えてなるものである。
【0006】第2発明は、2慣性共振系と、モータの角
速度指令と2慣性共振系の角速度との偏差出力を増幅す
る速度アンプと、この速度アンプの出力が供給されるゲ
イン部と、このゲイン部と共振比ゲイン部との偏差を取
る第1偏差器と、この第1偏差器の偏差出力が供給さ
れ、出力にトルク指令を送出する補償フィルタと、この
補償フィルタから得られるトルク指令とモータの角速度
の微分要素出力との偏差を取る第2偏差器と、この第2
偏差器の出力が供給され、出力に得られる軸トルク推定
値を前記共振比ゲイン部に供給する一次遅れフィルタと
を備えてなるものである。
【0007】第3発明は、2慣性共振系と、モータの角
速度指令と2慣性共振系の角速度との偏差出力を増幅す
る速度アンプと、この速度アンプの出力が供給される補
償フィルタと、この補償フィルタの出力が供給されるゲ
イン部と、このゲイン部と共振比ゲイン部との出力を加
算して前記2慣性共振系にトルク指令として供給する加
算部と、前記2慣性共振系に並列接続され、出力に得ら
れる軸トルク推定値を前記共振比ゲイン部に供給する軸
トルクオブザーバとを備えてなるものである。
【0008】第4発明は、前記軸トルクオブザーバが一
次遅れ系オブザーバで構成されたことを特徴とする。
【0009】第5発明は、前記速度アンプと補償フィル
タとの間に外乱抑制部を設けたことを特徴とするもので
ある。
【0010】
【作用】第1発明と第2発明においては、補償フィルタ
と一次遅れフィルタを設けて振動抑制を行い、第3発明
と第4発明では、補償フィルタと軸トルクオブザーバあ
るいは一次遅れ系オブザーバで振動抑制を行う。
【0011】
【実施例】以下この発明の一実施例を図面に基づいて説
明するに当たって、まず、2慣性系モデルと共振周波数
について述べる。2慣性系モデルは図1に示すように表
せる。この図1において、τMはモータの発生トルク、
τSは軸トルク、τLは負荷トルク、ωM,ωLはモータ及
び負荷の角速度、TM,TLはモータの機械時定数、TS
は軸のばね時定数である。この図1では解析しにくいの
で、解析し易いように図1を変形すると図2のようにな
る。ただし、ここでは、振動抑制のみを目標とするの
で、外乱は除いてある。図2において、GM(S)、G
ω(S)は伝達関数で、これら関数は後述の(2)、
(3)式で与えられる。始めに、τMからωMへの伝達関
数GM(S)を求める。
【0012】
【数1】
【0013】上記(1)式より次の(2)式が得られ
る。
【0014】
【数2】
【0015】また、同様に伝達関数Gω(S)は次の
(3)式になる。
【0016】
【数3】
【0017】図1の2慣性系に対し,共振比制御や低慣
性化制御を行ったときの共振周波数ωmと***振周波数
ωaは次の(4)、(5)式となる。
【0018】
【数4】
【0019】(4)式において、通常KはR2=5とし
て、 K=TM(R2−1)/TL=4TM/TL ………(6) とできる。このときの、τMからωMまでの周波数特性は
図3のようになる。
【0020】次に軸トルクオブザーバを表すと図4に示
すようになる。この図4は図5のように変形することが
できる。図5からは軸トルクが一次遅れを通して推測さ
れ、これにより検出ノイズなどを低減することができ
る。図4と図5の変数の関係は次の(7)式になる。
【0021】T=TM*/KLS ………(7) (7)式のオブザーバゲインKLSを増せば高い周波数ま
で推測できるようになり、振動抑制能力が増大する。し
かしながら、前述したようにゲインを上げると検出ノイ
ズも拾ってしまうので、あまり高くできないという問題
がある。このため、オブザーバゲインは振動抑制と外乱
抑制の2点を考慮に入れて決定しなければならない。こ
こでは、オブザーバゲインの最小値を示す。図6のよう
に振動抑制を行うには次式を満足しなければならない。
【0022】1/T>ωm …………(8) また、(4)、(6)、(7)式より次の(9)式のK
LSを選択しなければならない。
【0023】
【数5】
【0024】次に述べる図7から図9のブロック図は、
この発明の実施例と比較する低慣性化制御のもので、図
7において、11は振動抑制効果を高めるための補償フ
ィルタ、12は低慣性化ゲイン部、13は軸トルクオブ
ザーバ、14は2慣性系である。13aは一次遅れフィ
ルタ、∧τSは軸トルク推定値である。
【0025】図8は図7を変形したブロック図で、この
図8により軸トルクが一次遅れフィルタ13aを通して
推測されていることが分かる。なお、補償フィルタ11
も変形されている。
【0026】図9は図8をさらに変形したブロック図
で、2つのフィルタA,Bが加わっていることを示して
いる。この2つのフィルタA,Bを用いて以下補償フィ
ルタの振動抑制効果を説明する。
【0027】次に図9に示した2つのフィルタA,Bの
特性を考慮し、この特性値をどのように決定するかを考
察する。
【0028】(1)フィルタA このフィルタAは、モータへのトルク指令τMに対する
フィルタであり、原則的には全ての信号を通過させねば
ならない。また、振動抑制の観点から言えば、共振周波
数を通すようなフィルタでなければならない。これによ
り、(8)式より次の(13)式となるべきである。T
Fはフィルタ時定数である。
【0029】TF<T<1/ωm ……(13) (2)フィルタB 図8に示すように軸トルクは一次遅れフィルタを通して
推測され、これにより速度検出の際の外乱を除去してい
る。そのため、オブザーバ時定数Tは一般に小さく取る
ことができない。しかしながら、時定数Tが大きいと、
共振周波数までもカットしてしまい、振動抑制が不可能
になる。これらの問題を解決するのがフィルタBであ
る。フィルタBの時定数TFを次の(14)式のように
することにより、オブザーバ時定数Tの影響を打ち消す
ことができる。
【0030】TF≒T ……(14) また、一般にK>1であるので、フィルタBの特性を改
善することができる。上記のことから、フィルタ時定数
TFは(13)、(14)式を満足するように設計すれ
ばよいことになる。言い換えれば、フィルタA,Bは共
振周波数ωmを通す様なフィルタでなければならない。
【0031】ここで、共振周波数ωmを通すようなフィ
ルタA,Bを得る場合について述べる。フィルタAは次
式(15)で表すことができ、ゲインは(16)式で表
される。
【0032】
【数6】
【0033】同様にフィルタBについては次のように表
せる。ここで、次式(17)よりゲインを求めると式が
複雑になるので、Kが十分大きいと仮定し、(18)式
の様にして求める。
【0034】
【数7】
【0035】さて、ω=ωmのときに(16)、(1
9)式のゲインがより大きな値を取れば良いので、以下
のようにすることができる。(16)式より両辺を時定
数TFで微分すると、K>1より(20)式が得られ
る。このため、(16)式は単調増加関数となる。
【0036】
【数8】
【0037】また、(19)式より同様にして(13)
式から次の(21)式が得られ、(19)式は単調減少
関数となる。
【0038】
【数9】
【0039】よってω=ωmのときに(16)、(1
9)式のゲインがより大きな値を取るためには、次の
(22)式を満足すれば良い。図10に共振周波数をパ
スするための条件を示す。
【0040】
【数10】
【0041】よってTF>0よりTFは次式で表される。
【0042】
【数11】
【0043】図11(a)〜(c)は時定数TFの変化
によるフィルタA,Bの特性を示したものである。ωm
<1/Tであれば、振動抑制のためには共振比制御でも
かまわない。しかしながら、ωm>1/Tとなると、図
6に示したように振動抑制ができなくなってしまう。し
かし、図11(b),(c)に示すように特性改善バン
ドに入っている時には抑制される。また、そのようにT
Fを設定する。さらに、低慣性化制御では時定数TFの設
定では1/T以上の周波数も通過させるようにすること
ができる(図11(b))。これにより、オブザーバゲ
インが上げられない場合においても時定数TFを(2
6)式のようにすることにより、特性を改善できる。
【0044】上記のようにして得られたフィルタを使用
した2慣性共振系の振動抑制装置のシミュレーションの
結果を図12、図13に示す。このシミュレーションに
使用した定数を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】図12、図13において、特性曲線aは
(26)式により求めた時定数TFを用いたものであ
り、特性曲線bは根軌跡により最適なTFを求めシミュ
レーションを行ったものである。次表にこれら時定数T
Fの値を示す。
【0047】
【表2】
【0048】上記図12よりKが十分大きな値(K=1
6)の時は、特性曲線aとbがほぼ一致している。しか
し、図13のようにKがあまり大きくない値(K=4)
のときには、より振動的になっている。これは、(1
7)式から(18)式に至る際のKが十分に大きいとし
た仮定が成立しなくなるためである。逆に言えばKが十
分大きいときには(26)式により時定数TFが計算で
きることになる。
【0049】次にこの発明の第1実施例を図14により
述べる。前述したシミュレーション結果によりKの大き
さ次第では(26)式が適用できないことが判明した。
これは(15)、(17)式における(1+STF
K)という項が大きな影響を及ぼしているからである。
この項は特性改善には何の役割も果たしておらず省略し
ても良い項である。そこで、図8の低慣性化制御より図
14に示す共振比制御+一次遅れフィルタの構成に変形
する。図14において、モータの角速度指令ωM*とモ
ータの角速度ωMとの偏差を速度アンプ21に入力し、
その出力に得られた入力トルクτiを補償フィルタであ
る一次遅れフィルタ22に供給する。この一次遅れフィ
ルタ22の出力はゲイン部23を介して第1偏差器24
のプラス端に与えられる。
【0050】第1偏差器24のマイナス端には共振比ゲ
イン部25からの出力が与えられる。第1偏差器24の
偏差出力としてモータトルク指令τMを得る。このモー
タトルク指令は2慣性系26と第2偏差器27のプラス
端に入力される。2慣性系26の出力に得られるモータ
の角速度ωMはオブザーバの慣性モーメントの微分要素
28を介して第2偏差器27のマイナス端に与えられ
る。第2偏差器27の偏差出力は一次遅れフィルタ29
に入力され、その出力に軸トルク推定値∧τSを得る。
この軸トルク推定値は前記共振比ゲイン部25に供給さ
れる。
【0051】上記のように構成することにより、一次遅
れフィルタ22、29には、(1+STF/K)の項を
含まないために、慣性比Kに左右されないフィルタ特性
にすることができる。なお、第1実施例の速度アンプ2
1と一次遅れフィルタ22との間に図示しないが、外乱
抑制部を設けるようにしても良い。この外乱抑制部を設
けることにより、外乱に対して強くなる。
【0052】次に第2実施例を図15について述べる。
第2実施例は図14の第1実施例を変形したもので、図
14と同一部分は同一符号を付して示した。図15にお
いて、第1偏差器24と2慣性系26との間に一次遅れ
フィルタ30を設け、第2偏差器27と共振比ゲイン部
25との間に設けられる一次遅れフィルタ31は後述す
るように構成される。この第2実施例で使用されるフィ
ルタ30、31も第1実施例と同様に(1+STF
K)の項を含まないために、慣性比Kに左右されないフ
ィルタ特性にすることができる。
【0053】ここで、第2実施例で使用したフィルタ3
0、31の設計手段を述べる。フィルタ30は次の(2
7)式から得られ、ゲインは(28)式のように表され
る。
【0054】
【数12】
【0055】同様にフィルタ31は次式の(29)、
(30)式から得られる。
【0056】
【数13】
【0057】さて、ω=ωmのときの時定数TFの値は以
下のようにして得られる。
【0058】
【数14】
【0059】上記(33)式を用いて前記と同様にシミ
ュレーションを行った。用いた時定数TFの値を表3に
示す。
【0060】
【表3】
【0061】ただし、制御系が異なるので、表2と表3
は直接比較することはできない。図16、図17にシミ
ュレーション結果を示す。なお、図16、図17に示す
特性曲線a,bは図12、図13と同様なもので、特性
曲線cがこの発明の実施例における共振比制御+一次遅
れフィルタのシミュレーションの結果である。図16に
おいては、特性曲線a,b,cとも特性がほとんど変わ
らないが、図17においては、特性曲線cが多少悪い特
性を示している。これは前述したフィルタA,Bの関係
からである。フィルタA,Bと前記フィルタ30、31
は図8と図15の違いから(15)(17)、(2
7)、(29)式のようになった。フィルタA,Bの特
性は図11に示したが、別の観点から両者のフィルタの
特性の変化を見てみる。図18に示したのは(15)、
(17)式の全体的なボード線図である。また、(2
7)、(29)式のボード線図は図19のようになる。
【0062】ここで、フィルタAとフィルタ30につい
て見てみると、フィルタAはω=K/TF以降の特性が
フィルタ30とは異なるので、ω1での特性が図20に
示すように異なる。フィルタAとフィルタ30に関して
は、フィルタAの方が良い特性を示している。また、逆
にフィルタBとフィルタ31に関しては、フィルタ31
の方が良い特性を示している。これらの違いを見るため
に図21にシミュレーションした結果を示す。なお、シ
ミュレーションの定数は図16、図17と同様である。
【0063】図21によりKLSの低下によって低慣性化
制御の方が良い応答を示すようになるが、この理由は、
フィルタAとフィルタBの重要度の違いから来ているか
らである。つまり、フィルタAはフィルタBを通した信
号を含め、モータに対する指令をすべて通さねばならな
い。よって、フィルタBよりもフィルタAの方が重要視
されるべきであり、前述したようにフィルタ30よりも
フィルタAの方が特性が良いため、低慣性化制御の方が
良い応答を示すようになる。
【0064】上記実施例の共振比制御の特性改善一次遅
れフィルタは、図22に示す第3実施例および図23に
示す第4実施例の共振比制御にも適用可能である。図2
2の第3実施例は軸トルクオブザーバ41を電動機機械
時定数の積分要素41aとオブザーバゲイン41bから
構成され、また図23の第4実施例は図7に示した低慣
性化制御で使用した一次遅れのオブザーバにより構成し
たものである。なお、図22、図23において、42は
加算部である。
【0065】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
低慣性化制御から振動抑制能力を有する2つのフィルタ
を得、これら2つのフィルタの共振周波数を合わせて補
償フィルタの時定数を決定して共振比制御と一次遅れフ
ィルタを得るようにしたので、振動抑制効果が得られる
とともに、構成の簡素化を図ることができる利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】2慣性系モデルのブロック図。
【図2】図1のモデルの変形を示すブロック図。
【図3】2慣性系の周波数特性図。
【図4】軸トルクオブザーバを示すブロック図。
【図5】図4の軸トルクオブザーバを変形して一次遅れ
系で表したオブザーバのブロック図。
【図6】オブザーバゲインと共振周波数の関係を示す特
性図。
【図7】低慣性化制御を示すブロック図。
【図8】低慣性化制御の変形を示すブロック図。
【図9】図8の変形例を示すブロック図。
【図10】共振周波数をパスするための条件を示す特性
図。
【図11】フィルタの時定数TFの変化によるフィルタ
の特性図。
【図12】シミュレーション結果による特性図。
【図13】シミュレーション結果による特性図。
【図14】この発明の第1実施例を示すブロック図。
【図15】この発明の第2実施例を示すブロック図。
【図16】実施例によるシミュレーション結果の特性
図。
【図17】実施例によるシミュレーション結果の特性
図。
【図18】フィルタA,Bのボード線図。
【図19】フィルタ30、31のボード線図。
【図20】フィルタAとフィルタ30の比較特性図。
【図21】オブザーバゲインKLSを変化させたときのシ
ミュレーション結果を示す特性図。
【図22】この発明の第3実施例を示すブロック図。
【図23】この発明の第4実施例をしめすブロック図。
【符号の説明】
21…速度アンプ 22、30…補償フィルタである一次遅れフィルタ 23…ゲイン部 24…第1偏差器 25…共振比ゲイン部 26…2慣性共振系 27…第2偏差器 28…微分要素部 29、31…一次遅れフィルタ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2慣性共振系と、モータの角速度指令と
    2慣性共振系の角速度との偏差出力を増幅する速度アン
    プと、この速度アンプの出力が供給される補償フィルタ
    と、この補償フィルタの出力が供給されるゲイン部と、
    このゲイン部と共振比ゲイン部との偏差を前記2慣性共
    振系のトルク指令として送出する第1偏差器と、この第
    1偏差器からのトルク指令とモータの角速度の微分要素
    出力との偏差を取る第2偏差器と、この第2偏差器の出
    力が供給され、出力に得られる軸トルク推定値を前記共
    振比ゲイン部に供給する一次遅れフィルタとを備えてな
    る共振比制御による2慣性共振系の振動抑制装置。
  2. 【請求項2】 2慣性共振系と、モータの角速度指令と
    2慣性共振系の角速度との偏差出力を増幅する速度アン
    プと、この速度アンプの出力が供給されるゲイン部と、
    このゲイン部と共振比ゲイン部との偏差を取る第1偏差
    器と、この第1偏差器の偏差出力が供給され、出力にト
    ルク指令を送出する補償フィルタと、この補償フィルタ
    から得られるトルク指令とモータの角速度の微分要素出
    力との偏差を取る第2偏差器と、この第2偏差器の出力
    が供給され、出力に得られる軸トルク推定値を前記共振
    比ゲイン部に供給する一次遅れフィルタとを備えてなる
    共振比制御による2慣性共振系の振動抑制装置。
  3. 【請求項3】 2慣性共振系と、モータの角速度指令と
    2慣性共振系の角速度との偏差出力を増幅する速度アン
    プと、この速度アンプの出力が供給される補償フィルタ
    と、この補償フィルタの出力が供給されるゲイン部と、
    このゲイン部と共振比ゲイン部との出力を加算して前記
    2慣性共振系にトルク指令として供給する加算部と、前
    記2慣性共振系に並列接続され、出力に得られる軸トル
    ク推定値を前記共振比ゲイン部に供給する軸トルクオブ
    ザーバとを備えてなる共振比制御による2慣性共振系の
    振動抑制装置。
  4. 【請求項4】 前記軸トルクオブザーバは一次遅れ系オ
    ブザーバで構成したことを特徴とする請求項3記載の共
    振比制御による2慣性共振系の振動抑制装置。
  5. 【請求項5】 前記速度アンプと補償フィルタとの間に
    外乱抑制部を設けたことを特徴とする請求項1、2、3
    及び4記載の2慣性共振系の振動抑制装置。
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