JP3307564B2 - サーボ系の駆動制御装置 - Google Patents

サーボ系の駆動制御装置

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JP3307564B2
JP3307564B2 JP15951997A JP15951997A JP3307564B2 JP 3307564 B2 JP3307564 B2 JP 3307564B2 JP 15951997 A JP15951997 A JP 15951997A JP 15951997 A JP15951997 A JP 15951997A JP 3307564 B2 JP3307564 B2 JP 3307564B2
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岳男 清水
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、モータ等の回転
体の回転速度をマイナーループにより指令値に追従させ
ることを目標とするサーボ系の駆動制御装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】図8は従来のサーボ系の駆動制御装置の
ブロック線図である。図8において、3は比例ゲインK
Vを示すブロック、4はフィルタを示すブロック、5は
トルク定数TMを示すブロック、6は慣性(イナーシ
ャ)JMを有する回転体としてのモータ(例えばダイレ
クト・ドライブ・モータが考えられる)を示すブロッ
ク、8はモータの回転位置を算出する積分器を示すブロ
ック、9はモータと負荷との間の剛性KLを示すブロッ
ク、10は負荷を示すブロック、11は負荷の位置を算
出する積分器を示すブロックである。2は比例ゲインK
V(ブロック3)及びフィルタ(ブロック4)を有する
速度補償器である。12はブロック6が示すモータの近
傍に取り付けられた速度算出手段としての速度検出器に
より検出されたモータの回転速度を示すモータ速度信号
である。なお、ブロック6にはモータ及び速度検出器が
含まれるとして説明する。1は比例ゲインKV(ブロッ
ク3)とフィルタ(ブロック4)とトルク定数TM(ブ
ロック5)とモータ(ブロック6)とモータ速度信号1
2とを含み構成される速度のマイナーループを示す。7
はモータ及び速度検出器(ブロック6)と積分器(ブロ
ック8)と剛性KL(ブロック9)と負荷(ブロック1
0)とを含み構成される構造物モデルを示す。また、1
a,7a,7bは減算器である。なお、図6において
は、電流ループは簡略化のため省略している。また、図
6においては、制御対象である構造物モデル7の運動方
程式を伝達関数の形式で表している。
【0003】次に動作について説明する。速度のマイナ
ーループ1において、速度のマイナーループ1の入力値
である速度指令信号と、ブロック6に含まれる速度検出
器により検出されたモータ速度信号12とが減算器1a
により比較され、その誤差が計算されて速度補償器2に
与えられる。この速度補償器2に与えらた誤差は比例ゲ
インKV(ブロック3)によりP補償(比例させる補
償)され、フィルタ(ブロック4)にて共振ピークに対
する補償をされた後、電流指令信号としてトルク定数T
M(ブロック5)が乗じられ、構造物モデル7の入力ト
ルク信号となる。なお、速度検出器が備えられていない
場合は、モータに取り付けられたエンコーダからの位置
検出信号を計算機などで微分してモータの回転速度を算
出するように構成しても良い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のサーボ系の駆動
制御装置は以上のように構成されているので、例えば被
駆動制御対象として減速器のないダイレクト・ドライブ
・モータを用いた構造物の制御の場合、モータの慣性J
Mが構造物の慣性JLに比べ、十分大きくない場合、共振
点と***振点が離れ、共振ピークが高くなり、むだ時間
による位相遅れと相まって、制御系を安定させるのが困
難となる際に、構造物モデルの共振ピークの周波数に合
うように、速度補償器にフィルタ(主にノッチフィル
タ)を設けて、ピークゲインを落とすことが必要であっ
た。よって、共振ピークの逆特性に近似したノッチフィ
ルタを最適設定しなければならず、ノッチフィルタの特
性を決定するために共振周波数を推定または測定するこ
とが必要で、また、共振周波数は構造物の姿勢等により
変化する場合があり、サーボ系の応答帯域を上げたい場
合、そのフィルタの最適設定が困難となるなどの問題点
があった。
【0005】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、モータ等の回転体と、この回転
体により制御される構造物との共振ピークを下げるため
のノッチフィルタ等を設ける必要がなく、サーボ系の応
答帯域内での特性を変化させずに回転体と構造物との共
振点と***振点を近づけて、結果として共振ピークを下
げ、安定なサーボ系を得ることができるサーボ系の駆動
制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
サーボ系の駆動制御装置は、回転体の加速度信号に伝達
関数を乗じた信号を回転体の回転速度の速度補償信号に
フィードバックする構成を備え、上記伝達関数はサーボ
系の応答領域より高域で等価慣性を増す特性を持ち、こ
の伝達関数により、サーボ系の応答帯域内では上記回転
体の慣性を変えず、上記回転体と、この回転体により駆
動される構造物との共振点を含むサーボ系の応答帯域外
では上記回転体の等価慣性を増加させるように制御する
ことを特徴とするものである。請求項2に係るサーボ系
の駆動制御装置は、回転体の回転速度をマイナーループ
により指令値に追従させることを目標とするサーボ系の
駆動制御装置において、比例ゲインによるP補償を行う
回転速度の速度補償手段と、上記回転体の回転速度信号
を算出し上記速度補償手段にフィードバックする速度算
出手段と、上記回転体の加速度信号を算出する加速度算
出手段と、上記加速度信号に伝達関数を乗じた信号を上
記速度補償手段で算出された速度補償信号にフィードバ
ックする構成とを備え、上記伝達関数はサーボ系の応答
領域より高域で等価慣性を増す特性を持ち、この伝達関
数により、サーボ系の応答帯域内では上記回転体の慣性
を変えず、上記回転体と、この回転体により制御される
構造物との共振点を含むサーボ系の応答帯域外では上記
回転体の等価慣性を増加させるように制御することを特
徴とするものである。 請求項3に係るサーボ系の駆動制
御装置は、回転体の回転速度をマイナーループにより指
令値に追従させることを目標とするサーボ系の駆動制御
装置において、比例ゲインによるP補償を行う回転速度
の速度補償手段と、上記回転体の回転速度信号を算出し
上記速度補償手段にフィードバックする速度算出手段
と、上記回転速度信号から加速度信号を求める加速度算
出手段と、上記加速度信号に伝達関数を乗じた信号を上
記速度補償手段で算出された速度補償信号にフィードバ
ックする構成とを備え、上記伝達関数はサーボ系の応答
領域より高域で等価慣性を増す特性を持ち、この伝達関
数により、サーボ系の応答帯域内では上記回転体の慣性
を変えず、上記回転体と、この回転体により制御される
構造物との共振点を 含むサーボ系の応答帯域外では上記
回転体の等価慣性を増加させるように制御することを特
徴とするものである。
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.以下、この発明の実施の形態1を図に基
づいて説明する。図1は本実施の形態1に係るサーボ系
の駆動制御装置のブロック線図である。図1において、
3は比例ゲインKVを示すブロック、17はブロック3
のゲインKVを有する速度補償手段としての速度補償
器、5はトルク定数TMを示すブロック、18は慣性JM
を有する被駆動制御対象(回転体)としてのモータ(一
例としてダイレクト・ドライブ・モータが考えられる
が、本発明はこれに限定されない)を示すブロックであ
る。なお、このブロック18には、そのモータ及び加速
度算出手段としての加速度検出器が含まれているとして
説明する。14はモータの回転速度を算出し速度補償器
2にフィードバックする速度算出手段としての積分器を
示すブロック、8はモータの回転位置を算出する積分器
を示すブロック、9はモータと負荷との間の剛性KL
示すブロック、10は慣性JLの負荷を示すブロック、
11は負荷の位置を算出する積分器を示すブロック、1
2はモータ速度信号Y(S)である。
【0013】13はブロック18に含まれる加速度検出
器からのモータ加速度信号15に基づいて、サーボ系の
応答帯域内ではモータの慣性を変えず、モータと、この
モータにより駆動される構造物との共振点を含むサーボ
系の応答帯域外ではモータの等価慣性を増加させるよう
に制御するための慣性制御手段としての伝達関数G
(S)を示すブロックである。1aは入力値である速度
指令信号U(S)とモータ速度信号12との差を算出す
る減算器、16は速度補償器17の出力とブロック13
の出力との差を算出する減算器、7aはブロック15の
出力とブロック9の出力との差を算出する減算器、7b
はブロック8の出力とブロック11の出力との差を算出
する減算器である。
【0014】1は減算器1a,1b,7aと速度補償器
17とトルク定数TM(ブロック5)とモータ及び加速
度検出器(ブロック18)と積分器(ブロック14)と
伝達関数(ブロック13)とを含み構成される速度のマ
イナーループを示す。この速度のマイナーループ1はブ
ロック13からの信号を電流指令値にフィードバックし
ている。7はモータ及び加速度検出器(ブロック18)
と積分器(ブロック14)と積分器(ブロック8)と減
算器7a,7bと剛性KL(ブロック9)と負荷(ブロ
ック10)と積分器(ブロック11)とを含み構成され
る構造物モデルを示す。
【0015】次に動作について説明する。速度のマイナ
ーループ1において、速度のマイナーループ1の入力値
である速度指令信号U(S)は、減算器1aにより積分
器(ブロック14)からのモータ速度信号12と比較さ
れ、その誤差が計算されて速度補償器17に与えられ
る。この速度補償器2に与えられた誤差は、比例ゲイン
Kv(ブロック3)によりP補償された後、電流指令信
号となる。この電流指令信号は、ブロック18に含ま
れ、モータの近傍に取り付けられた加速度検出器により
検出されたモータ加速度信号15にブロック13の伝達
関数G(S)を乗じた信号と減算器1bにて比較され、
その誤差が計算され、次に、その誤差にトルク定数TM
(ブロック5)を乗じて、構造物モデル7の入力トルク
信号となる。
【0016】このように本実施の形態1では、モータの
近傍に取り付けられた加速度検出器により、モータ加速
度を検出し、この加速度に伝達関数G(S)を乗じた信
号を電流指令信号にフィードバックする速度のマイナー
ループ1を備えている。伝達関数G(S)は、サーボ制
御系のモータと、このモータにより制御される構造物と
の共振を回避するために、モータの慣性を変えずに、モ
ータの等価慣性を変えるためのものであり、例えばサー
ボ系の応答帯域内では応答が小さく、サーボ系の応答帯
域外(応答帯域よりも高域)のある一定の周波数W0以
上において応答するようなハイパスフィルタを用いるこ
とにより実現される。このような伝達関数G(S)より
出力される信号を電流指令信号にフィードバックするこ
とにより、周波数W0以上の高域側においてはモータの
等価慣性を増すことが可能となり、これによりモータと
構造物との共振点と***振点とが近くなり、結果として
共振ピークを下げ、安定なサーボ系を得ることができ
る。
【0017】例えば、一定の周波数(後述する折れ点)
W0(100rad/sec)以上において応答するよ
うなハイパスフィルタを用いたときの伝達関数G(S)
は、
【0018】
【数1】
【0019】となる。また、制御対象の共振周波数W1
と周波数W0とサーボ系の応答帯域内の周波数(設計
値)W2との大小関係はW1>W0>W2となる。即
ち、
【0020】
【数2】
【0021】となる。但し、伝達関数G(S)は1次の
ハイパスと限定しておらず、サーボ系の応答帯域より高
域で、等価慣性を増す特性を持つものであれば良い。
【0022】図2は、上記式(1)に示した伝達関数G
(S)の周波数特性を示すボード線図である。図2にお
いて、21はゲイン曲線を示し、この場合は傾き+20
dB/decの式(1)の伝達関数G(S)を示す。2
2は伝達関数G(S)に対応する位相曲線をしめす。
【0023】図3は図1中の伝達関数G(S)及びモー
タ加速度信号をカットしたサーボ系の周波数特性を示す
ボード線図である。図3において、31はゲイン曲線を
示し、このゲイン曲線31は、低周波域では構造物モデ
ルに含まれるばねは剛性とみなせるので、単純な慣性J
M+JLを持つ系に比例ゲイン補償を含んだ特性となる。
ゲイン曲線31における傾き−20dB/decでのゲ
インは1rad/secにおいて
【0024】
【数3】
【0025】となる。また、ゲイン曲線31の点31a
は共振点を示し、この共振点31aは
【0026】
【数4】
【0027】となる。また、***振点31bは
【0028】
【数5】
【0029】となる。このゲイン曲線31は、高周波域
ではばね定数はゼロとみなせるので、単純な慣性JM
持つ系に比例ゲイン補償を含んだ特性となる。高周波域
のゲイン曲線31における傾き−20dB/decでの
ゲインは1rad/secにおいて
【0030】
【数6】
【0031】となる。また、図3において、32はゲイ
ン曲線31に対応する位相曲線を示す。
【0032】図4は図1に示すブロック線図を次の図5
及び図6に示すようなブロック線図に変形した場合に得
られる伝達関数によるゲイン曲線及び位相曲線を示すボ
ード線図である。まず、図1に示すブロック線図を図5
に示すように変形し、更に図6に示すように変形する。
図6において、61で示す部分を遮断した場合、62で
示す部分の伝達関数は
【0033】
【数7】
【0034】であるが、61で示す部分が接続されてい
る場合は、62で示す部分の伝達関数は
【0035】
【数8】
【0036】となる。伝達関数G(S)が前述した図2
に示すような特性のハイパスフィルタで実現された場
合、高周波域においては伝達関数G(S)は0[dB]
(つまり1倍)なので、図6において、62で示す部分
の伝達関数は
【0037】
【数9】
【0038】となる。簡単化のため、TM=1とする
と、上記式(7)は1/JMとなり、上記式(9)は
(1/JM)/(1+1/JM)となる。よって、加速度
フィードバックが有効となる周波数W0[rad/se
c]よりも高周波域において、モータの等価慣性が(1
+1/JM)倍大きくなる。図4に示す特性では、周波
数W0[rad/sec]付近から加速度フィードバッ
クの影響が出る。
【0039】ここで、図4に戻って、41はゲイン曲線
を示し、このゲイン曲線41は、低周波域では図3に示
すゲイン曲線31と同様な特性となる。一方、高周波域
では加速度フィードバックがかかるので、高周波域のゲ
イン曲線41における傾き−20dB/decでのゲイ
ンは1rad/secおいて
【0040】
【数10】
【0041】となる。また、ゲイン曲線41の点41a
は共振点を示し、この共振点31aは
【0042】
【数11】
【0043】の近傍になる。ゲイン曲線41の点41b
は***振点を示し、この***振点41bは
【0044】
【数12】
【0045】となる。
【0046】実施の形態2.なお、上記実施の形態1で
はモータ加速度信号に伝達関数G(S)を乗じた信号を
電流指令信号にフィードバックするようにしたが、本実
施の形態2ではモータ速度信号から計算処理によりモー
タ加速度信号を求め、このモータ加速度信号に伝達関数
G(S)を乗じた信号を電流指令信号にフィードバック
するようにしている。
【0047】以下、この発明の実施の形態2を図に基づ
いて説明する。図7は本実施の形態2に係るサーボ系の
駆動制御装置のブロック線図である。図7において、3
は比例ゲインKVを示すブロック、17はブロック3の
ゲインKVを有する速度補償手段としての速度補償器、
5はトルク定数TMを示すブロック、6は慣性JMを有す
るモータを示すブロックである。なお、このブロック6
には、そのモータ及び速度検出手段としての速度検出器
が含まれているとして説明する。8はモータの回転位置
を算出する積分器、9はモータと負荷との間の剛性KL
を示すブロック、10は慣性JLの負荷を示すブロッ
ク、11は負荷の位置を算出する積分器を示すブロッ
ク、12はモータ速度信号Y(S)である。
【0048】16はブロック6に含まれる速度検出器か
らのモータ速度信号12を微分してモータ加速度信号を
求め、このモータ加速度信号に基づいて、サーボ系の応
答帯域内ではモータの慣性を変えず、モータと、このモ
ータにより駆動される構造物との共振点を含むサーボ系
の応答帯域外ではモータの等価慣性を増加させるように
制御するための慣性制御手段としての伝達関数G(S)
と微分要素Sの積を示すブロックである。1aは入力値
である速度指令信号U(S)とモータ速度信号12との
差を算出する減算器、1bは速度補償器17の出力とブ
ロック16の出力との差を算出する減算器、7aはブロ
ック5の出力とブロック9の出力との差を算出する減算
器、7bはブロック8の出力とブロック11の出力との
差を算出する減算器である。
【0049】1は、減算器1a,1b,7aと、速度補
償器17と、トルク定数TM(ブロック5)と、モータ
及び速度検出器(ブロック6)と、伝達関数G(S)と
微分要素Sの積(ブロック16)とを含み構成される速
度のマイナーループを示す。この速度のマイナーループ
1はブロック16からの信号を電流指令信号にフィード
バックしている。7は、モータ及び速度検出器(ブロッ
ク6)と積分器(ブロック8)と減算器7a,7bと剛
性KL(ブロック9)と負荷(ブロック10)と積分器
(ブロック11)とを含み構成される構造物モデルを示
す。
【0050】次に動作について説明する。速度のマイナ
ーループ1において、速度のマイナーループ1の入力値
である速度指令信号U(S)は、減算器1aによりブロ
ック6からのモータ速度信号12と比較され、その誤差
が計算されて速度補償器17に与えられる。この速度補
償器17に与えられた誤差は、比例ゲインKV(ブロッ
ク3)によりP補償された後、電流指令信号となる。こ
の電流指令信号は、ブロック6に含まれ、モータの近傍
に取り付けられた速度検出器により検出されたモータ速
度信号12にブロック16のS・G(S)を乗じた信号
と減算器1bにて比較され、その誤差が計算され、次
に、その誤差にトルク定数TM(ブロック5)を乗じ
て、構造物モデル7の入力トルク信号となる。
【0051】このように本実施の形態2では、モータの
近傍に取り付けられた速度検出器により、モータの回転
速度を検出し、この回転速度にS・G(S)を乗じた信
号を電流指令信号にフィードバックする速度のマイナー
ループ1を備えている。このようなS・G(S)より出
力される信号を電流指令信号にフィードバックすること
により、サーボ系の応答帯域外(応答帯域よりも高域)
のある一定の周波数以上の高域側においてはモータの等
価慣性を増すことが可能となり、これによりモータと構
造物との共振点と***振点が近くなり、結果として共振
ピークを下げ、安定なサーボ系を得ることができる。ま
た、構成としては、本実施の形態2の方が上記実施の形
態1よりも簡易になる。
【0052】
【発明の効果】以上のように請求項1に係る発明によれ
ば、回転体の加速度信号に伝達関数を乗じた信号を回転
体の回転速度の速度補償信号にフィードバックする構成
を備え、上記伝達関数はサーボ系の応答領域より高域で
等価慣性を増す特性を持ち、この伝達関数により、サー
ボ系の応答帯域内では上記回転体の慣性を変えず、上記
回転体とこの回転体により駆動される構造物との共振点
を含むサーボ系の応答帯域外では上記回転体の等価慣性
を増加させるように制御したので、回転体と、この回転
体により制御される構造物との共振ピークを下げるため
のノッチフィルタ等を設ける必要がなく、サーボ系の応
答帯域内での特性を変化させずに回転体と構造物との共
振点と***振点を近づけることができ、これにより共振
ピークが下がり、安定なサーボ系を得ることができると
いう効果がある。請求項2に係る発明によれば、回転体
の回転速度をマイナーループにより指令値に追従させる
ことを目標とするサーボ系の駆動制御装置において、比
例ゲインによるP補償を行う回転速度の速度補償手段
と、上記回転体の回転速度信号を算出し上記速度補償手
段にフィードバックする速度算出手段と、上記回転体の
加速度信号を算出する加速度算出手段と、上記加速度信
号に伝達関数を乗じた信号を上記速度補償手段で算出さ
れた速度補償信号にフィードバックする構成とを備え、
上記伝達関数はサーボ系の応答領域より高域で等価慣性
を増す特性を持ち、この伝達関数により、サーボ系の応
答帯域内では上記回転体の慣性を変えず、上記回転体
と、この回転体により制御される構造物との共振点を含
むサーボ系の応答帯域外では上記回転体の等価慣性を増
加させるように制御したので、回転体と、この回転体に
より制御される構造物との共振ピークを下げるためのノ
ッチフィルタ等を設ける必要がなく、サーボ系の応答帯
域内での特性を変化させずに回転体と構造物との共振点
と***振点を近づけることができ、これにより共振ピー
クが下がり、安定なサーボ系を得ることができるという
効果がある。 請求項3に係る発明によれば、回転体の回
転速度をマイナーループにより指令値に追従させること
を目標とするサーボ系の駆動制御装置において、比例ゲ
インによるP補償を行う回転速度の速度補償手段と、上
記回転体の回転速度信号を算 出し上記速度補償手段にフ
ィードバックする速度算出手段と、上記回転速度信号か
ら加速度信号を求める加速度算出手段と、上記加速度信
号に伝達関数を乗じた信号を上記速度補償手段で算出さ
れた速度補償信号にフィードバックする構成とを備え、
上記伝達関数はサーボ系の応答領域より高域で等価慣性
を増す特性を持ち、この伝達関数により、サーボ系の応
答帯域内では上記回転体の慣性を変えず、上記回転体
と、この回転体により制御される構造物との共振点を含
むサーボ系の応答帯域外では上記回転体の等価慣性を増
加させるように制御したので、回転体と、この回転体に
より制御される構造物との共振ピークを下げるためのノ
ッチフィルタ等を設ける必要がなく、サーボ系の応答帯
域内での特性を変化させずに回転体と構造物との共振点
と***振点を近づけることができ、これにより共振ピー
クが下がり、安定なサーボ系を得ることができるという
効果がある。
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係るサーボ系の駆
動制御装置のブロック線図である。
【図2】 図1中のブロック13の伝達関数G(S)の
一例としてあげられた折れ点W0のハイパスフィルタの
周波数応答を示すシミュレーション結果のボード線図で
ある。
【図3】 図1中のブロック13の伝達関数G(S)か
らの出力をフィードバックしないときの速度のマイナー
ループ1の開ループの周波数応答を示すシミュレーショ
ン結果のボード線図である。
【図4】 図1中のブロック13の伝達関数G(S)か
らの出力をフィードバックしたときの速度のマイナール
ープ1の開ループの周波数応答を示すシミュレーション
結果のボード線図である。
【図5】 図1に示すブロック線図を変形したブロック
線図である。
【図6】 図5に示すブロック線図を更に変形したブロ
ック線図である。
【図7】 この発明の実施の形態2に係るサーボ系の駆
動制御装置のブロック線図である。
【図8】 従来のサーボ系の駆動制御装置のブロック線
図である。
【符号の説明】
1 速度のマイナーループ、1a,1b,7a,7b
減算器、2,17 速度補償器(速度補償手段)、3
比例ゲインを示すブロック、5 トルク定数を示すブロ
ック、6 モータ(回転体)及び速度検出器を示すブロ
ック、7 構造物モデル、8 モータの回転位置を算出
する積分器を示すブロック、9 モータと負荷の間の剛
性を示すブロック、10 負荷を示すブロック、11
負荷の位置を算出する積分器を示すブロック、12 Y
(S)モータ速度信号、13 伝達関数を示すブロック
(慣性制御手段)、14 モータの回転速度を算出する
積分器を示すブロック(速度算出手段)、15 モータ
加速度信号、16 微分要素と伝達関数の積を示すブロ
ック(慣性制御手段)、18 モータ及び加速度検出器
を示すブロック(加速度算出手段)、19 U(S)速
度指令信号。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−47803(JP,A) 特開 平8−23691(JP,A) 池田英俊,周波数応答に基づく振動抑 制制御系の特性解析,電気学会研究会資 料,日本,社団法人電気学会,1996年 1月16日,第96−1/11巻,p.55−64 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05B 11/36 501 G05B 7/02 H02P 5/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転体の加速度信号に伝達関数を乗じた
    信号を回転体の回転速度の速度補償信号にフィードバッ
    クする構成を備え、上記伝達関数はサーボ系の応答領域
    より高域で等価慣性を増す特性を持ち、この伝達関数に
    より、サーボ系の応答帯域内では上記回転体の慣性を変
    えず、上記回転体とこの回転体により駆動される構造物
    との共振点を含むサーボ系の応答帯域外では上記回転体
    の等価慣性を増加させるように制御することを特徴とす
    るサーボ系の駆動制御装置。
  2. 【請求項2】 回転体の回転速度をマイナーループによ
    り指令値に追従させることを目標とするサーボ系の駆動
    制御装置において、比例ゲインによるP補償を行う回転
    速度の速度補償手段と、上記回転体の回転速度信号を算
    出し上記速度補償手段にフィードバックする速度算出手
    段と、上記回転体の加速度信号を算出する加速度算出手
    段と、上記加速度信号に伝達関数を乗じた信号を上記速
    度補償手段で算出された速度補償信号にフィードバック
    する構成とを備え、上記伝達関数はサーボ系の応答領域
    より高域で等価慣性を増す特性を持ち、この伝達関数に
    より、サーボ系の応答帯域内では上記回転体の慣性を変
    えず、上記回転体と、この回転体により制御される構造
    物との共振点を含むサーボ系の応答帯域外では上記回転
    体の等価慣性を増加させるように制御することを特徴と
    するサーボ系の駆動制御装置。
  3. 【請求項3】 回転体の回転速度をマイナーループによ
    り指令値に追従させることを目標とするサーボ系の駆動
    制御装置において、比例ゲインによるP補償を行う回転
    速度の速度補償手段と、上記回転体の回転速度信号を算
    出し上記速度補償手段にフィードバックする速度算出手
    段と、上記回転速度信号から加速度信号を求める加速度
    算出手段と、上記加速度信号に伝達関数を乗じた信号を
    上記速度補償手段で算出された速度補償信号にフィード
    バックする構成とを備え、上記伝達関数はサーボ系の応
    答領域より高域で等価慣性を増す特性を持ち、この伝達
    関数により、サーボ系の応答帯域内では上記回転体の慣
    性を変えず、上記回転体と、この回転体により制御され
    る構造物との共振点を含むサーボ系の応答帯域外では上
    記回転体の等価慣性を増加させるように制御することを
    特徴とするサーボ系の駆動制御装置
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Title
池田英俊,周波数応答に基づく振動抑制制御系の特性解析,電気学会研究会資料,日本,社団法人電気学会,1996年 1月16日,第96−1/11巻,p.55−64

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