JPH0799704A - 電気自動車用動力制御装置 - Google Patents

電気自動車用動力制御装置

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Publication number
JPH0799704A
JPH0799704A JP5238165A JP23816593A JPH0799704A JP H0799704 A JPH0799704 A JP H0799704A JP 5238165 A JP5238165 A JP 5238165A JP 23816593 A JP23816593 A JP 23816593A JP H0799704 A JPH0799704 A JP H0799704A
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JP
Japan
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motor
regenerative
battery
value
power
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Pending
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JP5238165A
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English (en)
Inventor
Susumu Komiyama
晋 小宮山
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/70Energy storage systems for electromobility, e.g. batteries

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  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アクセルがオフされたときやブレーキペダル
が踏まれたときに、バッテリーが満充電近くの状態であ
っても、必要な回生制動力を確保しながら、回生抵抗な
しで、常に一定の制動力を確保する。 【構成】 アクセルペダル5が戻されたとき、バッテリ
ー7の放電深度を検知し、このバッテリー7が充電可能
な場合には、第1モータ9と、第2モータ10とを回生
運転させ、この回生運転によって得られた回生電力でバ
ッテリー7を充電し、またこのバッテリー7が充電不可
能な場合には、第1モータ9または第2モータ10のい
ずれかを回生運転させ、この回生運転によって得られた
回生電力で第1モータ9または第2モータ10の残って
いる方を力行運転させ、バッテリー7に対する充電を行
なうことなく、回生制動をかける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は同軸上に配置された複数
のモータを動力源とする電気自動車に搭載され、前記各
モータの力行駆動や回生制動などを行なう電気自動車用
動力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電気自動車のモータを制御する電気自動
車用動力制御装置として、従来、特開昭61−1477
43号(特願昭59−269358号)公報に開示され
た“電気自動車の回生制動装置”が知られている。
【0003】図8は上記公報で開示されている電気自動
車の回生制動装置の構成例を示すブロック図である。
【0004】この図に示す回生制動装置201は、電気
自動車の速度を低下させるとき、回生制動指令を出力す
る回生制動指令発生器202と、電気自動車の動力源と
なるバッテリー203と、力行指令が入力されたとき、
バッテリー203を電源として電気自動車の動力源とな
るモータ205を力行運転させ、回生制動指令発生器2
02から回生制動指令が出力されたとき、モータ205
を回生制動させるとともに、この回生制動によって得ら
れた回生電力でバッテリー203を充電するコントロー
ラ204と、一端がバッテリー203の一端に接続され
る負荷装置206と、バッテリー203の端子電圧を検
出して電圧検出信号Vを出力する電圧検出器207と、
回生制動指令発生器202から回生制動指令が出力され
たとき、予め設定されている基準電圧Vref より電圧検
出器207から出力される電圧検出信号Vの値が大きい
とき、負荷装置206の他端をバッテリー203の他端
に接続させて、コントローラ204で回生された回生電
力を消費してバッテリー203が過充電状態にならない
ようにする通電制御器208とを備えている。
【0005】そして、電気自動車のアクセルペダルが踏
み込まれて力行指令が入力されたとき、コントローラ2
04によってバッテリー203の電力に基づき、モータ
205を力行運転させて電気自動車を走行させ、また前
記アクセルペダルが戻されて回生制動指令発生器202
から回生制動指令が出力されたとき、コントローラ20
4によってモータ205を回生制動させるとともに、こ
のとき前記バッテリー203の放電深度が大きければ、
回生制動動作によって得られた回生電力をバッテリー2
03に戻し、また前記バッテリー203の放電深度が小
さければ、回生制動動作によって得られた回生電力を負
荷装置206で消費させて熱として外部に放出させる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の電気自動車用動力制御装置においては、バッテ
リー203が満充電状態であっても、一定の回生制動力
が得られるように、バッテリー203が満充電状態のと
きには、回生制動動作によって得られた回生電力を負荷
装置206で消費させるようにしているので、本来、軽
量化を望まれる電気自動車に、大きく、重い負荷装置、
例えば数十kW級、数十kg級の負荷装置206を搭載
しなければならないという問題があった。
【0007】そこで、このような問題を解決する方法と
して、電気自動車のモータ205を回生制動させたとき
得られる回生電力の一部をモータ205で消費させるこ
とも考えられる。
【0008】しかしながら、このような方法では、図9
に示す実験結果から分かるように、通常のモータでは、
モータの効率に対し、不安定になる領域(不安定領域)
があることから、モータの効率を零にすることができな
い。
【0009】このため、モータが一台しか搭載されてい
ない電気自動車では、このモータによって回生電力を完
全に消費させることができず、負荷装置の容量を小さく
することができるものの、これを完全に無くすことがで
きないという問題があった。
【0010】本発明は上記の事情に鑑み、アクセルがオ
フされたときやブレーキペダルが踏み込まれたときの踏
力、ストロークなどに応じた回生制動力を確保すること
ができるとともに、その時点におけるバッテリーの最大
回生電力以下に回生電力を制御することができ、これに
よってバッテリーが満充電近くの状態であっても、負荷
装置(以下、これを回生抵抗と記す)なしで、常に一定
の制動力を確保することができる電気自動車用動力制御
装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、電気自動車に搭載された複数のモータを
個々に力行運転、回生運転させる電気自動車用動力制御
装置において、アクセルペダルが戻されたとき、または
ブレーキペダルが踏まれたときに、各モータを回生運転
して得られる回生電力をバッテリーに戻すことができる
かどうかを判定する充電可能判定部と、この充電可能判
定部によって各モータを回生運転して得られる回生電力
を全てバッテリーに戻すことができると判定されたと
き、前記各モータを回生運転させるとともに、この回生
運転によって得られた回生電力を前記バッテリーに戻す
全回生運転部と、前記充電可能判定部によって各モータ
を回生運転して得られる回生電力を全てバッテリーに戻
すことができないと判定されたとき、各モータの一部を
回生運転させるとともに、この回生運転によって得られ
た回生電力の少なくとも前記バッテリーに対し充電する
ことができない分を残りのモータに消費させる半回生運
転部とを備えたことを特徴としている。
【0012】
【作用】上記の構成において、アクセルペダルが戻され
たときやブレーキペダルがふまれたとき、充電可能判定
部によって各モータを回生運転して得られる回生電力を
バッテリーに戻すことができるかどうかが判定されると
ともに、この充電可能判定部で各モータを回生運転して
得られる回生電力を全てバッテリーに戻すことができる
と判定されれば、全回生運転部によって前記各モータが
回生運転されるとともに、この回生運転で得られた回生
電力が前記バッテリーに戻され、また前記充電可能判定
部で各モータを回生運転して得られる回生電力を全てバ
ッテリーに戻すことができないと判定されれば、半回生
運転部によって各モータの一部が回生運転させられると
ともに、この回生運転によって得られた回生電力の少な
くとも前記バッテリーに戻すことができない分が残りの
モータに消費させられる。
【0013】
【実施例】図1は本発明による電気自動車用動力制御装
置の一実施例を示すブロック図である。
【0014】この図に示す電気自動車用動力制御装置1
は、ブレーキペダル2と、複数のブレーキ機構3と、ア
クセルペダル5と、回生制動力レンジ切換レバー6と、
バッテリー7と、制御装置8とを備えており、アクセル
ペダル5の踏み込み量および回生制動力レンジ切換レバ
ー6のレンジ位置に基づいて同軸に接続された第1、第
2モータ9、10を高効率励磁で力行運転し、あるいは
回生制動する。またブレーキペダル2が踏み込まれたと
き、この踏み込み量に応じて油圧回路で各ブレーキ機構
3を動作させてデファレンシャルギア機構11によって
接続された各タイヤ12を制動させて電気自動車を減
速、停止させる。
【0015】ブレーキペダル2は、運転者によって電気
自動車を減速させたり、停止させるときに踏み込まれて
油圧回路を動作させ、その踏み込み量に応じた強さで前
記各ブレーキ機構3を動作させる。
【0016】各ブレーキ機構3は、電気自動車に設けら
れた各車輪軸13に各々設けられており、前記油圧回路
を介してブレーキ用の圧力が伝達されたとき、各車輪軸
13に固定されたブレーキディスク板などにブレーキパ
ッドなどを押し付けて対応するタイヤ12の回転力を機
械的に低減させる。
【0017】また、アクセルペダル5は、運転者によっ
て電気自動車を加速させるときに踏み込まれる、このア
クセルペダル5が運転者によって踏み込まれたとき、ア
クセルスイッチ(図示は省略する)によってこれを検出
してアクセル指令を生成し、これを前記制御装置8に供
給し、また前記運転者によってアクセルオフされたと
き、前記アクセルスイッチによってこれを検出してアク
セルオフ指令を生成し、これを制御装置8に供給する。
【0018】また、回生制動力レンジ切換レバー6は、
従来のエンジンブレーキに相当する回生制動力の大きさ
を切り換えるとき、運転者によって操作されるレバーで
あり、運転者によって操作された位置(レンジ位置)に
応じた制動力レンジ信号を生成し、これを制御装置8に
供給する。
【0019】また、バッテリー7は、充放電自在に構成
されている直流電源であり、蓄積された電力を制御装置
8に供給する一方、制御装置8から出力される回生電圧
を取り込んでこれを蓄える。
【0020】制御装置8は、アクセルペダル5が戻され
たとき、これを検出してアクセルオフ信号を生成するア
クセルオフセンサ14と、バッテリー7の端子間電圧
(バッテリー電圧)を検出して電圧検出信号を生成する
電圧センサ15と、バッテリー7に対して入出力する電
流を検出して電流検出信号を生成する電流センサ16
と、第1モータ9および第2モータ10の回転数を検出
して回転検出信号を生成する回転センサ17と、前記ア
クセルスイッチから出力されるアクセル指令や前記アク
セルオフセンサ14から出力されるアクセルオフ信号、
電圧センサ15から出力される電圧検出信号、電流セン
サ16から出力される電流検出信号、回転センサ17か
ら出力される回転検出信号に基づいて第1、第2力行運
転指令や第1、第2回生運転指令などを生成するコント
ローラ18とを備えている。
【0021】さらに、この制御装置8は、コントローラ
18から第1力行運転指令が出力されたときにバッテリ
ー7から出力されるバッテリー電圧(直流電圧)などを
取り込んで交流の駆動電圧を生成して第1モータ9を力
行駆動し、またコントローラ18から第1回生運転指令
が出力されたときに第1モータ9を回生運転させてタイ
ヤ12を回生制動させるとともに、この回生運転によっ
て得られた回生電力をバッテリー7に戻してこれを充電
する第1インバータ19と、コントローラ18から第2
力行運転指令が出力されたときにバッテリー7から出力
されるバッテリー電圧(直流電圧)を取り込んで交流の
駆動電圧を生成して第2モータ10を力行駆動し、また
コントローラ18から第2回生運転指令が出力されたと
きに第2モータ10を回生運転させてタイヤ12を回生
制動させるとともに、この回生運転によって得られた回
生電力をバッテリー7に戻してこれを充電する第2イン
バータ20とを備えている。
【0022】そして、上記構成の制御装置8は、アクセ
ルペダル5が踏み込まれたとき、この踏み込み量に応じ
てバッテリー7の直流電圧に基づいて交流の第1、第2
駆動電流を生成して第1、第2モータ9、10を駆動し
て電気自動車を力行させ、この後アクセルペダル5が戻
されたとき、バッテリー7の放電深度を検知し、このバ
ッテリー7が充電可能な場合には、第1モータ9と、第
2モータ10とを回生運転させ、この回生運転によって
得られた回生電力でバッテリー7を充電する。また、こ
のバッテリー7が充電不可能な場合には、第1モータ9
または第2モータ10のいずれかを回生運転させ、この
回生運転によって得られた回生電力で第1モータ9また
は第2モータ10の残っている方を力行運転させ、バッ
テリー7に対する充電を行なうことなく、回生制動をか
ける。
【0023】次に、図1に示すブロック図および図2に
示すフローチャートを参照しながら、この実施例の回生
運転動作について説明する。
【0024】まず、アクセルペダル8が踏み込まれてい
る状態から、このアクセルペダル5が戻されてオフにさ
れると、制御装置8内にあるコントローラ18はアクセ
ルオフセンサ14の出力に基づいて、これを検知し回生
運転処理を開始する。
【0025】そして、この回生運転処理において、コン
トローラ18は、初めにアクセルスイッチから出力され
るアクセル指令を取り込んで、アクセルペダル5の踏み
込み量を記憶する(ステップST1)。また回生制動力
レンジ切換レバー6から出力される制動力レンジ信号を
取込んで現在のレバー位置(レンジ位置)を記憶する
(ステップST2)。さらに回転センサ17から出力さ
れる回転検出信号を取り込んで電気自動車の現在の車速
Sを演算してこれを記憶した後(ステップST3)、こ
れらの記憶内容に基づいて予め設定されているマップを
アクセスして現在のアクセルペダル戻し量、回生制動力
レンジ切換レバー6のレンジ位置、車速Sに対応するエ
ンジンブレーキ相当の回生制動力値T* を求める(ステ
ップST4)。
【0026】また、この動作と並行して、コントローラ
18は電圧センサ15から出力される電圧検出信号を取
込んで、現在のバッテリー電圧値Vを記憶するととも
に、電流センサ16から出力される電流検出信号を取り
込んで、現在、バッテリー7に入出力される電流値Iを
記憶する(ステップST5)。そして、これら現在のバ
ッテリー電圧値Vとバッテリー入出力電流値Iとに基づ
いてバッテリー7の放電深度DODを演算した後(ステ
ップST6)、この放電深度DODに基づいて予め設定
されているマップをアクセスしてに現在のバッテリー放
電深度DODに対応する最大回生電力値Pmax * を求め
る(ステップST7)。
【0027】この後、コントローラ18は上述した回生
制動力値演算処理で求められた回生制動力値T* と、最
大回生電力値演算処理で求められた最大回生電力値P
max *と、回転センサ17から出力される回転検出信号
に基づいて得られた車速Sとに基づいて予め設定されて
いる3次元マップをアクセスして第1モータ9に対する
正負の出力トルク値、すなわち力行運転または回生運転
に対する出力トルク値T1 を求める(ステップST
8)。
【0028】次いで、コントローラ18は、第1モータ
9に対する出力トルク値T1 に基づいて第1インバータ
19内の励磁回路を動作させて第1モータ9を高効率励
磁しながらこの第1モータ9の出力トルクを出力トルク
値T1 にするように、第1モータ9を力行駆動させた
り、回生駆動させるとともに(ステップST9)、前記
出力トルク値T’から前記出力トルク値T1 を減算して
第2モータ10に対する出力トルク値T2 を求め(ステ
ップST10)、この出力トルク値T2 に基づいて第2
インバータ20内の励磁回路を動作させて第2モータ1
0を高効率励磁しながらこの第2モータ10の出力トル
クを出力トルク値T2 にするように、第2モータ10を
力行駆動させたり、回生駆動させる(ステップST1
1)。
【0029】これによって、バッテリー7の放電深度が
大きく、このバッテリー7に対する最大回生電力Pmax
* が大きいときには、第1インバータ19と、第2イン
バータ20とによって第1モータ9と、第2モータ10
とを回生運転させ、この回生運転によって得られた回生
電力によりバッテリー7を充電することができ、またバ
ッテリー7の放電深度が小さく、このバッテリー7に対
する最大回生電力Pma x * が小さいときには、第1イン
バータ19または第2インバータ20によって第1モー
タ9または第2モータ10のいずれか一方を高効率で回
生運転させ、この回生運転によって得られた回生電力を
第1モータ9または第2モータ10の残っている方で消
費させることができる。
【0030】このようにこの実施例においては、アクセ
ルペダル5が踏み込まれたとき、この踏み込み量に応じ
てバッテリー7の直流電圧に基づき、交流の第1、第2
駆動電流を生成して第1、第2モータ9、10を駆動し
て電気自動車を力行させ、この後アクセルペダル5が戻
されたとき、バッテリー7の放電深度を検知し、バッテ
リー7が充電可能な場合には、第1モータ9と、第2モ
ータ10とを回生運転させるとともに、この回生運転に
よって得られた回生電力でバッテリー7を充電し、また
このバッテリー7が充電不可能な場合には、第1モータ
9または第2モータ10のいずれかを回生運転させ、こ
の回生運転によって得られた回生電力で第1モータ9ま
たは第2モータ10の残っている方を力行運転させ、バ
ッテリー7に対する充電を行なうことなく、回生制動を
かけるようにしたので、アクセルがオフされたとき、そ
の戻し量、ストロークなどに応じた回生制動力を確保す
ることができるとともに、その時点におけるバッテリー
7の最大回生電力以下に回生電力を制御することがで
き、これによってバッテリー7が満充電近くの状態であ
っても、回生抵抗なしで、常に一定の制動力を確保する
ことができる。
【0031】図3は本発明による電気自動車用動力制御
装置の他の実施例を示すブロック図である。なお、この
図において、図1の各部と同一部分には、同一符号を付
してその説明を省略する。また、説明を簡単にするた
め、第1モータ9の出力トルクおよび熱容量は、第2モ
ータ10の出力トルクおよび熱容量より大きな値に設定
されている。
【0032】この図に示す電気自動車用動力制御装置1
は、アクセルペダル5の踏み込み量およびブレーキペダ
ル2の踏み込み量、回生制動力レンジ切換レバー6のレ
ンジ位置に基づいて同軸に接続された第1、第2モータ
9、10を高効率励磁または効率を悪化させた励磁で力
行運転させたり、回生制動させるとともに、ブレーキペ
ダル2が踏み込み量に応じて各ブレーキ機構3を動作さ
せてデファレンシャルギア機構11によって接続された
各タイヤ12を制動させて電気自動車を減速、停止させ
る。
【0033】制御装置8には、ブレーキペダル2から出
力されるブレーキ指令を取り込んでブレーキ踏み込み量
信号を生成するペダル踏力センサ21が設けられてお
り、ペダル踏力センサ21から出力されるブレーキ踏み
込み量信号は、前記アクセルスイッチからのアクセル指
令や前記アクセルオフセンサ14から出力されるアクセ
ルオフ信号、電圧センサ15から出力される電圧検出信
号、電流センサ16から出力される電流検出信号、回転
センサ17から出力される回転検出信号とともにコント
ローラ18に供給されている。そして、このコントロー
ラ18では第1、第2力行運転指令や第1、第2回生運
転指令などが生成される。
【0034】さらに、この制御装置8はコントローラ1
8から第1力行運転指令が出力されたとき、バッテリー
7から出力されるバッテリー電圧(直流電圧)などを取
り込んで指定された励磁電流、トルク電流比の交流の駆
動電圧を生成して第1モータ9を力行駆動し、またコン
トローラ18から第1回生運転指令が出力されたとき、
第1モータ9を指定された励磁電流、トルク電流比で回
生運転させてタイヤ12を回生制動させるとともに、こ
の回生運転によって得られた回生電力をバッテリー7な
どに戻してこれを充電する第1インバータ19と、コン
トローラ18から第2力行運転指令が出力されたとき、
バッテリー7から出力されるバッテリー電圧(直流電
圧)などを取り込んで指定された励磁電流、トルク電流
比の交流の駆動電圧を生成して第2モータ10を力行駆
動し、またコントローラ18から第2回生運転指令が出
力されたとき、第2モータ10を指定された励磁電流、
トルク電流比で回生運転させてタイヤ12を回生制動さ
せるとともに、この回生運転によって得られた回生電力
をバッテリー7に戻してこれを充電する第2インバータ
20とを備えている。
【0035】上記構成の制御装置8は、アクセルペダル
5が踏み込まれたとき、この踏み込み量に応じてバッテ
リー7の直流電圧に基づいて交流の第1、第2駆動電流
を生成して第1、第2モータ9、10を駆動して電気自
動車を力行させ、この後前記アクセルペダル5が戻され
たときやブレーキペダル2が踏み込まれたときにバッテ
リー7の放電深度を検知し、バッテリー7が充電可能な
場合には、第1モータ9と、第2モータ10とを回生運
転させ、この回生運転によって得られた回生電力でバッ
テリー7を充電する。また、このバッテリー7が充電不
可能な場合には、第1モータ9または第2モータ10の
いずれか一方を高効率励磁制御方式で回生運転させ、こ
の回生運転によって得られた回生電力で第1モータ9ま
たは第2モータ10の残っている方を高効率励磁制御方
式で力行運転させ得るかどうかを判定し、これが可能で
あれば、第1モータ9または第2モータ10のいずれか
一方を高効率励磁制御方式で回生運転させ、この回生運
転によって得られた回生電力で第1モータ9または第2
モータ10の他方を高効率励磁制御方式で力行運転させ
る。また、これが不可能であれば、第1モータ9を不安
定にならない範囲でこの第1モータ9を回生運転させ、
この回生運転によって得られた回生電力で第2モータ1
0が不安定にならない範囲でこの第2モータ10を力行
運転させる。これによって、バッテリー7に対する充電
を行なうことなく、回生制動をかける。
【0036】次に、図3乃至図7を参照しながら、この
実施例の回生運転動作について説明する。
【0037】まず、アクセルペダル5が踏み込まれてい
る状態から、このアクセルペダル5が戻されてオフにさ
れると、制御装置8内にあるコントローラ18はアクセ
ルオフセンサ14の出力に基づいて、これを検知し回生
運転処理を開始する。
【0038】そして、この回生運転処理において、コン
トローラ18は、初めに、アクセルスイッチから出力さ
れるアクセル指令を取り込んで、アクセルペダル5の踏
み込み量を記憶する(ステップST15)。また、回生
制動レンジ切換レバー6から出力される制動力レンジ信
号を取込んで現在のレバー位置(レンジ位置)を記憶す
る(ステップST16)。さらに回転センサ17から出
力される回転検出信号を取り込んで現在の車速Sを演算
し、これを記憶した後(ステップST17)、これらの
記憶内容に基づいて予め設定されているマップをアクセ
スして現在のアクセルペダル戻し量、回生制動レンジ切
換レバー6のレンジ位置、車速Sに対応するエンジンブ
レーキ相当の回生制動力値Teを求める(ステップST
18)。
【0039】また、この動作と並行して、コントローラ
18はペダル踏力センサ21の出力に基づいてブレーキ
ペダル2のブレーキ踏み込み量Fを検知するとともに
(ステップST19)、このブレーキ踏み込み量Fに基
づいて図7に示す如く予め設定されているマップをアク
セスして前記ブレーキ踏み込み量Fに対する回生制動力
値Tbを求めた後(ステップST20)、これらの各回
生制動力値Te、Tbを加算して全回生制動力(制動ト
ルク)Tを求め(ステップST21)、さらにこの全回
生制動力Tと、前記回転センサ17によって得られた車
速Sを示す回転数Nと、予め設定されている係数値
“1.026”とを乗算して回生運転によって得られる
エネルギー(回生エネルギー)Pを求める(ステップS
T22、ST23)。
【0040】また、この動作と並行して、コントローラ
18は電圧センサ15から出力される電圧検出信号を取
込んで、現在のバッテリー電圧値Vを記憶するととも
に、電流センサ16から出力される電流検出信号を取り
込んで、現在、バッテリー7に入出力される電流値Iを
記憶した後(ステップST24)、これら現在のバッテ
リー電圧値Vと、バッテリー入出力電流値Iとに基づい
て前記バッテリー7の放電深度DODを演算した後(ス
テップST25)、この放電深度DODに基づいて予め
設定されているマップをアクセスしてに現在のバッテリ
ー放電深度DODに対応する最大回生電力値Pmax を求
める(ステップST26)。
【0041】この後、コントローラ18は上述した回生
制動力値演算処理で求められた回生エネルギーPと、最
大回生電力値演算処理で求められた最大回生電力値P
max とを比較し、“P≦Pmax ”であれば(ステップS
T27)、回生運転によって得られる回生エネルギーP
をバッテリー7に全て戻すことができると判定し、図5
に示す如く前記車速Sに基づいて予め設定されているマ
ップをアクセスして前記車速Sに対する第1モータ9の
出力トルクT1 、すなわち最も効率良く回生エネルギー
を得ることができる第1モータ9の出力トルクT1 を求
めるとともに(ステップST28)、前記全回生制動力
Tから第1モータ9の出力トルクT1 を減算して第2モ
ータ10の出力トルクT2 を求め(ステップST2
9)、これらの各出力トルク値T1 、T2 に基づいて第
1、第2インバータ19、20内の励磁回路を動作させ
て、第1、第2モータ9、10を高効率励磁ベクトル制
御しながらこれら第1、第2モータ9、10の出力トル
クを出力トルク値T1 、T2 にするように、第1、第2
モータ9、10を回生運転させるとともに、この回生運
転によって得られた回生電力でバッテリー7を充電させ
る(ステップST30)。
【0042】これによって、バッテリー7の放電深度が
大きく、このバッテリー7に対する最大回生電力値P
max が大きいときには、第1インバータ19と、第2イ
ンバータ20とによって第1モータ9と、第2モータ1
0とを回生運転させ、この回生運転によって得られた回
生電力によりバッテリー7を充電することができる。
【0043】また、上述した回生エネルギーPと、最大
回生電力値Pmax との比較処理において、“P≦
max ”でなければ(ステップST27)、コントロー
ラ18は回生運転によって得られる回生エネルギーPの
全てをバッテリー7に戻すことができないと判定し、こ
の判定結果に基づいて前記回生エネルギーPから前記最
大回生電力値Pmax を減算して第1モータ9や第2モー
タ10によって消費させなければならない電力量PLOSS
を求める(ステップST31)。
【0044】次いで、コントローラ18は“1≦k≦
m”の範囲に設定される変数kの値を“k=1”とした
後(ステップST32)、第1モータ9に対する出力ト
ルクの最小値T1min(回生トルクの最大値)から第1モ
ータ9に対する出力トルクの最大値T1max(力行トルク
の最大値)の範囲にある値を前記変数kに対する第1モ
ータ9に対する仮の出力トルク(仮出力トルク)T1k
するとともに(ステップST33)、前記全回生制動力
Tから前記第1モータ9の仮出力トルクT1kを減算して
第2モータ10の仮の出力トルク(仮出力トルク)T2k
を求める(ステップST34)。
【0045】この後、コントローラ18は第1モータ9
の仮出力トルクT1kでこの第1モータ9を高効率励磁で
ベクトル制御したとき、この第1モータ9で熱として消
費されるエネルギー(仮損失値P1k)を求めるととも
に、第2モータ10の仮出力トルクT2kでこの第2モー
タ10を高効率励磁でベクトル制御したとき、この第2
モータ10で熱として消費されるエネルギー(仮損失値
2k)を求め(ステップST35)、これら第1モータ
9の仮損失値P1kと、第2モータ10の仮損失値P2k
を加算した値が上述した第1モータ9や第2モータ10
によって消費させなければならない電力量PLOSSと一致
しているかどうかを判定する(ステップST36)。
【0046】ここで、これらが一致していなければ、コ
ントローラ18は変数kが最大値mを越えているまで、
この変数kの値をインクリメントしながら、上述した第
1モータ9の仮出力トルクT1kの設定処理およびこの仮
出力トルクT1kに対する仮損失値P1kの算出処理と、第
2モータ10の仮出力トルクT2kの設定処理およびこの
仮出力トルクT2kに対する仮損失値P2kの算出処理とを
繰り返し行ない、これら第1モータ9の仮損失値P
1kと、第2モータ10の仮損失値P2kとを加算した値が
上述した第1モータ9や第2モータ10によって消費さ
せなければならない電力量PLOSSと一致しているかどう
かを判定する(ステップST33〜ST38)。
【0047】そして、第1モータ9の仮損失値P1kと、
第2モータ10の仮損失値P2kとを加算した値が上述し
た第1モータ9や第2モータ10によって消費させなけ
ればならない電力量PLOSSと一致すれば(ステップST
36)、コントローラ18は第1モータ9の仮出力トル
クT1kをこの第1モータ9に対する実際の出力トルク値
1 とするとともに、第2モータ10の仮出力トルクT
2kを実際の出力トルク値T2 とした後(ステップST3
8)、第1モータ9に対する出力トルク値T1に基づい
て第1インバータ19内の励磁回路を動作させて第1モ
ータ9を高効率励磁でベクトル制御して、この第1モー
タ9の出力トルクを出力トルク値T1 にするように、第
1モータ9を回生運転させたり、力行運転させるととも
に、第2モータ10に対する出力トルク値T2 に基づい
て第2インバータ20内の励磁回路を動作させて第2モ
ータ10を高効率励磁でベクトル制御して、この第2モ
ータ10の出力トルクを出力トルク値T2 にするよう
に、第2モータ10を回生運転させたり、力行運転させ
る(ステップST40)。
【0048】これによって、バッテリー7の放電深度が
小さく、このバッテリー7に対する最大回生電力値P
max が小さいとき、第1インバータ19または第2イン
バータ20によって第1モータ9または第2モータ10
のいずれか一方を高効率で回生運転させ、この回生運転
によって得られた回生電力を第1モータ9または第2モ
ータ10の残っている方で消費させることができる。
【0049】また、上述した処理において、第1モータ
9の仮損失値P1kと、第2モータ10の仮損失値P2k
を加算した値が上述した第1モータ9や第2モータ10
によって消費させなければならない電力量PLOSSと一致
しなければ(ステップST36、ST37)、コントロ
ーラ18は第1モータ9と、第2モータ10とを高効率
励磁でベクトル制御すると、必要な全回生制動力Tを得
るのに必要な電力量PLOSSを確保することができないと
判定して第1モータ9と、第2モータ10とを効率を悪
化させて制御する処理に移行する。
【0050】この処理において、コントローラ18は図
6に示す如くまず、第1モータ9の出力トルクT1 とし
て、第1モータ9の回生トルクを最大にする値、すなわ
ち第1モータ9に対する最小の出力トルクT1minをこの
第1モータ9の出力トルクT1 とし、第1モータ9を高
効率励磁でベクトル制御して出力トルクT1minにしたと
きの損失値を最小損失値P1minとする(ステップST4
1)。
【0051】この後、コントローラ18は全回生制動力
Tから第1モータ9の出力トルクT1minを減算して第2
モータ10の出力トルク(力行トルク)T2 を求めると
ともに、第2モータ10を高効率励磁でベクトル制御し
て出力トルクT2 にしたときの損失値を最小損失値P
2minとする(ステップST42)。
【0052】次いで、コントローラ18は予め設定され
ているマップをアクセスして、第1モータ9に出力トル
クT1 の回生トルクを出させたときにおいて、安定範囲
内で最も効率を悪化させた場合における損失値を演算
し、この値をP1maxとするとともに、第2モータ10に
出力トルクT2 で力行トルクを出させたときの最大損失
値を演算し、この値をP2maxとする(ステップST4
3)。
【0053】次いで、コントローラ18は第1モータ9
の回生トルクが第2モータ10の力行トルクより、その
絶対値が大きく設定され、同じ効率であっも、第1モー
タ9の方が損失が大きく、大きな熱を出すことから、損
失が小さい第2モータ10の効率を第1モータ9より
も、先に悪化させるために、まず“1≦j≦jmax ”の
範囲に設定される変数jの値を“j=1”とした後(ス
テップST44)、第1モータ9に対する損失値の最小
値P1minから前記第1モータ9に対する損失値の最大値
1maxまでの範囲内にある値を変数jに対する第1モー
タ9に対する仮の損失値(仮損失値)P1jとするととも
に(ステップST45)、“1≦i≦ima x ”の範囲に
設定される変数iの値を“i=1”とした後(ステップ
ST46)、第2モータ10に対する損失値の最小値P
2minから第2モータ10に対する損失値の最大値P2max
までの範囲内にある値を変数iに対する第2モータ10
に対する仮の損失値(仮損失値)P2iとした後(ステッ
プST47)、これら第1モータ9の仮損失値P1jと、
第2モータ10の仮損失値P2iとを加算した値が上述し
た第1モータ9や第2モータ10によって消費させなけ
ればならない電力量PLOSSと一致しているかどうかを判
定する(ステップST48)。
【0054】ここで、これらが一致していなければ、コ
ントローラ18は変数iが最大値imax を越えているま
で、この変数iの値をインクリメントしながら、上述し
た第2モータ10の仮損失値P2iの設定処理を繰り返
し、これら第1モータ9の仮損失値P1jと、第2モータ
10の仮損失値P2iとを加算した値が上述した第1モー
タ9や第2モータ10によって消費させなければならな
い電力量PLOSSと一致しているかどうかを判定する(ス
テップST45〜ST50)。
【0055】そして、変数iが最大値imax を越えれば
(ステップST49)、コントローラ18は変数jの値
をインクリメントして第1モータ9の仮損失値P1jの設
定をやり直した後(ステップST51、ST52)、変
数iが最大値imax を越えるまで、この変数iの値をイ
ンクリメントしながら、上述した第2モータ10の仮損
失値P2iの設定処理を繰り返し、これら第1モータ9の
仮損失値P1jと、第2モータ10の仮損失値P2iとを加
算した値が上述した第1モータ9や第2モータ10によ
って消費させなければならない電力量PLOSSと一致して
いるかどうかを判定する(ステップST47〜ST5
0)。
【0056】以下、コントローラ18は変数jが最大値
max を越えるまで、第1モータ9の仮損失値P1jの設
定処理および第2モータ10の仮損失値P2iの設定処理
を繰り返し、これら第1モータ9の仮損失値P1jと、第
2モータ10の仮損失値P2iとを加算した値が上述した
第1モータ9や第2モータ10によって消費させなけれ
ばならない電力量PLOSSと一致しているかどうかを判定
する(ステップST45〜ST52)。
【0057】そして、第1モータ9の仮損失値P1jと、
第2モータ10の仮損失値P2iとを加算した値が上述し
た第1モータ9や第2モータ10によって消費させなけ
ればならない電力量PLOSSと一致すれば(ステップST
48)、コントローラ18は第1モータ9に対する仮損
失値P1jを実際の損失値P1 とするとともに、第2モー
タ10に対する仮損失値P2iを実際の損失値P2 とした
後、予め設定されているマップをアクセスして第1モー
タ9に対する損失値P1 を実現するのに必要な励磁電流
と、トルク電流の比を求めるとともに、第2モータ10
に対する損失値P2 を実現するのに必要な励磁電流と、
トルク電流の比を求める(ステップST53)。
【0058】また、変数jが最大値jmax を越え、かつ
変数iが最大値imax を越えても、第1モータ9の仮損
失値P1jと、第2モータ10の仮損失値P2iとを加算し
た値が上述した第1モータ9や第2モータ10によって
消費させなければならない電力量PLOSSと一致しなけれ
ば、コントローラ18は第1モータ9の仮損失値P
1jと、第2モータ10の仮損失値P2iとを加算した値の
うち、上述した第1モータ9や第2モータ10によって
消費させなければならない電力量PLOSSに最も近い値と
なる第1モータ9の仮損失値P1jと、第2モータ10の
仮損失値P2iとを選択する(ステップST49、ST5
1)。
【0059】そして、コントローラ18は第1モータ9
に対する仮損失値P1jを実際の損失値P1 とするととも
に、第2モータ10に対する仮損失値P2iを実際の損失
値P2 とした後、予め設定されているマップをアクセス
して第1モータ9に対する損失値P1 を実現するのに必
要な励磁電流と、トルク電流の比を求めるとともに、第
2モータ10に対する損失値P2 を実現するのに必要な
励磁電流と、トルク電流の比を求める(ステップST5
3)。
【0060】この後、コントローラ18は第1モータ9
に対する励磁電流と、トルク電流の比に基づいて第1イ
ンバータ19を制御し、この第1インバータ19によっ
て第1モータ9をベクトル制御させて回生運転させると
ともに、第2モータ10に対する励磁電流と、トルク電
流の比に基づいて第2インバータ20を制御し、この第
2インバータ20によって第2モータ10をベクトル制
御させて力行運転させる(ステップST54)。
【0061】これによって、バッテリー7の放電深度が
小さく、このバッテリー7に対する最大回生電力値P
max が小さく、さらに第1インバータ19および第2イ
ンバータ20を高効率励磁しても、必要な電力量PLOSS
を確保することができないときでも、第1インバータ1
9によって第1モータ9が不安定にならない範囲でこの
第1モータ9の効率を悪化させて回生運転させるととも
に、第2インバータ20によって第2モータ10が不安
定にならない範囲でこの第2モータ10を力行運転させ
て必要な電力量PLOSSを確保することができる。
【0062】このようにこの実施例においては、アクセ
ルペダル5が戻されたときやブレーキペダル2が踏み込
まれたとき、バッテリー7の放電深度を検知し、前記バ
ッテリー7が充電可能な場合には、第1モータ9と、第
2モータ10とを回生運転させ、この回生運転によって
得られた回生電力でバッテリー7を充電し、またこのバ
ッテリー7が充電不可能な場合には、第1モータ9また
は第2モータ10のいずれか一方を高効率励磁制御方式
で回生運転させ、この回生運転によって得られた回生電
力で第1モータ9または第2モータ10の残っている方
を高効率励磁制御方式で力行運転させ得るかどうかを判
定し、これが可能であれば、第1モータ9または第2モ
ータ10のいずれか一方を高効率励磁制御方式で回生運
転させ、この回生運転によって得られた回生電力で第1
モータ9または第2モータ10の他方を高効率励磁制御
方式で力行運転させ、またこれが不可能であれば、第1
モータ9が不安定にならない範囲でこの第1モータ9を
回生運転させ、この回生運転によって得られた回生電力
で第2モータ10が不安定にならない範囲でこの第2モ
ータ10を力行運転させるようにしたので、アクセルが
オフされたときやブレーキペダル2が踏み込まれたとき
の踏力、ストロークなどに応じた回生制動力を確保する
ことができるとともに、その時点におけるバッテリー7
の最大回生電力以下に回生電力を制御することができ、
これによってバッテリー7が満充電近くの状態であって
も、回生抵抗なしで、常に一定の制動力を確保すること
ができる。
【0063】さらに、この実施例においては、ブレーキ
ペダル2が踏み込まれたときにも、第1、第2モータ
9、10の少なくともいずれか一方を回生運転させるよ
うにしているので、バッテリー7に十分な電力を戻すこ
とができる状態であれば、図1に示す実施例の装置より
も、より多くの電力を回生してこれをバッテリー7に戻
すことができる。
【0064】また、この実施例においては、全体で回生
制動力が得られるように、第1、第2モータ9、10の
うちの一方で回生運転を行ない、残っている方で力行運
転を行なうため、回生トルクの方が力行トルクより大き
くなければならない。これにより、より大きなトルクを
出せ、かつ熱容量の大きなモータを回生運転用のモータ
として使用しなければならないため、第1モータ9を回
生用、第2モータ10を力行用として決めているが、出
力トルクおよび熱容量が同じモータを第1、第2モータ
9、10として使用するときには、これら第1、第2モ
ータ9、10に温度センサを設け、これらの各温度セン
サによって温度が低い方のモータを回生運転させ、温度
が高いモータを力行運転させるようにしても良い。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ア
クセルがオフされたときやブレーキペダルが踏み込まれ
たときの踏力、ストロークなどに応じた回生制動力を確
保することができるとともに、その時点におけるバッテ
リーの最大回生電力以下に回生電力を制御することがで
き、これによってバッテリーが満充電近くの状態であっ
ても、回生抵抗なしで、常に一定の制動力を確保するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電気自動車用動力制御装置の一実
施例を示すブロック図である。
【図2】図1に示す電気自動車用動力制御装置の動作例
を示すフローチャートである。
【図3】本発明による電気自動車用動力制御装置の他の
実施例を示すブロック図である。
【図4】図3に示す電気自動車用動力制御装置の動作例
を示すフローチャートである。
【図5】図3に示す電気自動車用動力制御装置の動作例
を示すフローチャートである。
【図6】図3に示す電気自動車用動力制御装置の動作例
を示すフローチャートである。
【図7】図3に示す電気自動車用動力制御装置の制動特
性例を示す説明図である。
【図8】従来から知られている電気自動車用動力制御装
置の一例を示すブロック図である。
【図9】実験によって得られているモータの効率−トル
ク指令電流/駆動指令電流特性例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 電気自動車用動力制御装置 2 ブレーキペダル 3 ブレーキ機構 5 アクセルペダル 6 回生制動レンジ切換レバー 7 バッテリー 8 制御装置 9 第1モータ 10 第2モータ 11 デファレンシャルギャ機構 12 タイヤ 13 車輪軸 14 アクセルオフセンサ 15 電圧センサ 16 電流センサ 17 回転センサ 18 コントローラ(充電可能判定部、全回生運転部、
半回生運転部) 19 第1インバータ 20 第2インバータ 21 ペダル踏力センサ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気自動車に搭載された複数のモータを
    個々に力行運転、回生運転させる電気自動車用動力制御
    装置において、 アクセルペダルが戻されたとき、またはブレーキペダル
    が踏まれたときに、各モータを回生運転して得られる回
    生電力をバッテリーに戻すことができるかどうかを判定
    する充電可能判定部と、 この充電可能判定部によって各モータを回生運転して得
    られる回生電力を全てバッテリーに戻すことができると
    判定されたとき、前記各モータを回生運転させるととも
    に、この回生運転によって得られた回生電力を前記バッ
    テリーに戻す全回生運転部と、 前記充電可能判定部によって各モータを回生運転して得
    られる回生電力を全てバッテリーに戻すことができない
    と判定されたとき、各モータの一部を回生運転させると
    ともに、この回生運転によって得られた回生電力の少な
    くとも前記バッテリーに対し充電することができない分
    を残りのモータに消費させる半回生運転部と、 を備えたことを特徴とする電気自動車用動力制御装置。
JP5238165A 1993-09-24 1993-09-24 電気自動車用動力制御装置 Pending JPH0799704A (ja)

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JP2016178840A (ja) * 2015-03-23 2016-10-06 日立オートモティブシステムズ株式会社 車両制御装置及び車両制御方法

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