JPH0793840B2 - 誘導電動機の制御装置 - Google Patents

誘導電動機の制御装置

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JPH0793840B2
JPH0793840B2 JP62121161A JP12116187A JPH0793840B2 JP H0793840 B2 JPH0793840 B2 JP H0793840B2 JP 62121161 A JP62121161 A JP 62121161A JP 12116187 A JP12116187 A JP 12116187A JP H0793840 B2 JPH0793840 B2 JP H0793840B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、誘導電動機の制御装置、特にベクトル制御
方式を適用して誘導電動機の磁束とトルクを制御する装
置に関するものである。
[従来の技術] 従来、この種の制御装置として第8図に示すものがあっ
た。この制御装置の構成は、例えば文献(ニュードライ
ブエレクトロニクス、電気書院発行、昭和57年)の第6
章に示されている。図において、(1)は誘導電動機、
(2)は誘導電動機(1)の回転速度を検出する回転検
出器、(3)は誘導電動機(1)の1次電流を検出する
電流検出器、(4)は誘導電動機(1)を可変周波数で
駆動する可変周波数電力変換装置、(5)は2次磁束指
令値Φ2を発生する磁束指令発生器、(6)はトルク
指令値τ を発生するトルク指令発生器である。
(21)は2次磁束指令値Φ2とトルク指令値τ
を入力し、後述の演算により誘導電動機(1)の励磁電
流成分指令値Iαs とトルク電流成分指令値Iβs
を発生する電流成分指令発生回路、(22)は2次磁束指
令値Φ2と誘導電動機(1)の回転速度ωと電流成
分指令発生回路(21)の出力とを入力し、後述の演算に
より誘電電動機(1)に供給すべき1次電流の指令値を
発生する1次電流指令発生回路、(23)は1次電流指令
発生回路(22)の出力と電流検出器(3)の出力から可
変周波数電力変換装置(4)への制御信号を発生する電
流制御回路である。
ここで、電流成分指令発生回路(21)では次式の演算が
行なわれる。
但し、T2=L2/R2;2次時定数 R2、L2、Mはそれぞれ誘導電動機(1)の2次抵抗、2
次自己インダクタンス、1次2次相互インダクタンスで
ある。Pmは極対数であり、Pは微分演算子である。
次に、1次電流指令発生回路(22)では次式の演算が行
なわれる。
θ =∫(ω+ω)dt …(4) Ius*=Iαs cosθ −Iβs sinθ …(5) 但し、ωs;すべり周波数、ωr;回転速度 Ius*、Ivs*;u相巻線及びv相巻線の1次電流指令値 次に、電流制御回路(23)では、1次電流指令値Iu
s*、Ivs*が、電流検出器(3)から出力される1次電
流実際値Ius、Ivsとそれぞれ比較され、1次電流指令
値波形と実際の電流波形とが一致するように可変周波数
電力変換装置(4)への制御信号が演算される。このと
き、w相巻線を流れる1次電流については電流制御回路
(23)中で次式の関係式を用いて、Iws*、Iwsが演算
され、Ius、Ivsと同様に制御される。
Iws*=−(Ius*+Ivs*) …(7) Iws=−(Ius+Ivs) …(8) 以上の(1)〜(7)の関係式に従って1次電流指令値
Ius*、Ivs*、Iws*を演算し、更に実際の1次電流Iu
s、Ivs、Iwsが対応する指令値に追従するように制御
するベクトル制御方式により、誘導電動機(1)の発生
トルクτと磁束Φ2とをそれぞれの指令値に応じて制
御できることが知られている。
ところで、このベクトル制御方式では、(3)式によっ
てすべり周波数ωを演算するために、誘導電動機
(1)の2次抵抗R2の値が必要である。しかし、2次抵
抗R2の値は温度によって変化するので、1次電流指令発
生回路(22)中のR2の値を何らかの手段を用いて修正し
ないと、(4)式で演算される2次磁束ベクトルの位相
θoと誘導電動機(1)中で発生する実際の2次磁束
ベクトルの位相θoとの間に偏差が生じ、誘導電動機
(1)の発生トルクτと2次磁束Φ2とをそれぞれの
指令値に応じて独立に制御することが不可能となる。
このR2の温度変化に対する補正回路として例えば第9図
に示すものがあった。この補正回路の構成は文献(昭和
55年電気学会全国大会講演論文集、論文番号541、P64
7)に示されている。図において、(30)は誘導電動機
(1)の1次電圧Vus、Vvsを入力して後述の演算によ
り2次磁束Φを検出する回路、(31)は減算器、(32)
は積分器、(33)は加算器である。
次に、この補正方式の原理と動作について説明する。な
お、以下では1次電流指令発生回路(22)で用いられる
2次抵抗の値は実際の値と区別するために右肩に*印を
付けることとする。
さて、固定子座標軸(d−q座標軸とする)上の誘導電
動機の固定子側(1次側)の電圧方程式は一般に次式で
与えられる。
但し、Vds、Vqs;1次電圧のd軸、q軸成分 Ids、Iqs;1次電流のd軸、q軸成分 Φ2d、Φ2q;2次磁束のd軸、q軸成分 R1、L1は1次抵抗、1次自己インダクタンス、σは漏れ
係数で次式で与えられる。
σ=1−M2/(L1・L2) …(11) (9)、(10)式より2次磁束Φ2の振幅は次式より得
られる。
ところで、(12)、(13)式において、通常の誘導電動
機では低速回転時を除くと第2項及び第3項は第1項に
較べて無視できるので、第1項のみを用いてΦ2を演算
することができる。また、Vds、Vqsは次式を用いて1
次電圧Vus、Vvsから得られる。
回路(30)は、(12)〜(15)式の演算を行なって2次
磁束Φ2の振幅を検出する。
次に、1次電流値指令発生回路(22)の中の2次抵抗R2
の値が実際の2次抵抗R2の値と一致しない場合のΦ2
との誤差について考える。
まず、誘導電動機(1)の1次電流は指令値通りに流れ
ていると仮定すると次式が成り立つ。
αs +Iβs =Iαs *2+Iβs *2…(16) また、定常状態においては、(3)式のすべり周波数は
誘導電動機(1)の実際のすべり周波数と一致するの
で、次式が成立つ、 但し、Iαs、Iβs;誘導電動機に供給される励磁電
流成分、トルク電流成分の実際値である。
(16)、(17)式より次式が得られる。
但し、x=Iβs /Iαs 、 k=R2/R2 さらに、(1)式より定常状態ではΦ2=MIαs
Φ2=MIαsなので、(18)式より次式が得られる。
(19)式より、R2>R2のときk>1なのでΦ2<Φ2
、R2<R2のときk<1なのでΦ2>Φ2となる。
従って、Φ2>Φ2のときR2を増加させ、Φ2<Φ
のときR2を減少させればよい。第9図の補正回路
ではΦ2とΦ2との偏差Φ2−Φ2を減算器(31)
で求め、この偏差を積分器(32)で積分することによ
り、R2の補正量△R2を得る。
更に、加算器(33)で初期設定値R20と加算すること
により修正された2次抵抗値R2を得る。このR2
(3)式の演算に用いることにより、常にΦ2がΦ2
に一致するような制御が行われるので、R2の温度変化に
依らず良好なベクトル制御性能が得られる。
[発明が解決しようとする問題点] 従来の誘導電動機の制御装置は以上のように構成されて
おり、運転状態において誘導電動機の2次抵抗値の温度
変化に対処すべく、制御回路中の2次抵抗値に補正して
いた。ところが、実際の1次電流をそれぞれの指令値通
りに制御する電流制御回路の特性によって、1次電流の
実際値と指令値との間に偏差が生じたり、可変周波数電
力変換装置の電流耐量、電圧耐量などの制限から運転状
態によって制御系が飽和したりすると、指令値通りの励
磁電流成分を誘導電動機に供給できなくなる。
このような場合には、2次抵抗値は正しく設定されてい
るにもかかわらず、2次磁束の指令値と実際値との間に
偏差が生じ、補正回路が正常に動作しない。また、(1
9)式から分るようにR2がR2より小さい場合にはΦ2
はΦ2より大きくなるが、磁気飽和の影響でΦ2の増
加の割合が制限される場合にも、補正回路は正常に動作
しない。
この発明は、かかる問題点を解決するためになされたも
ので、電流制御回路の特性に起因する電流制御偏差、可
変周波数電力変換装置の電流耐量、電圧耐量などの制限
によって生じる制限系の飽和や、誘導電動機の磁気飽和
などの影響を受けずに、2次抵抗の温度変化による影響
を抑圧できる誘導電動機の制御装置を得ることを目的と
している。
[問題点を解決するための手段] この発明に係る誘導電動機の制御装置は、2次抵抗を含
む誘導電動機の定数、誘導電動機の1次電流及び回転速
度から2次磁束の振幅と位相とを検出する磁束ベクトル
検出回路と、この磁束ベクトル検出回路の出力を用いて
1次電圧の2次磁束ベクトルに直交する成分を推定する
電圧成分推定回路と、対応する実際の電圧成分を検出す
る電圧成分検出回路とを、2次抵抗の温度変化に対する
補正手段として用いるものである。
[作用] この発明において、磁束ベクトル検出回路と電圧成分推
定回路は、誘導電動機の定数以外は実際に誘導電動機に
供給される1次電流及び実際の回転速度から2次磁束ベ
クトルに直交する1次成分を推定するので、誘導電動機
の定数を正確に演算するための手段として有効に機能す
る。
[実施例] 以下、この発明の一実施例を図について説明する。第1
図において、(1)〜(6)は上記従来装置と同一のも
のを示す。(7)は磁束ベクトル検出回路、(8)は電
流ベクトル制御回路、(9)は電圧成分検出回路、(1
0)は電圧成分推定回路、(11)は修正回路である。以
下、更に詳細に各構成部分の実施例を示しながら説明す
る。
まず、磁束ベクトル検出回路(7)における2次磁束ベ
クトルの振幅の位相の検出原理について説明する。固定
子座標軸上の誘導電動機の回転子側(2次側)の電圧方
程式は次式で与えられる。
(R2+pL2)Φ2d−MR2 Ids+L2 ωr Φqs=0 (R2+pL2)Φ2q−MR2 Iqs−L2 ωr Φ2d=0 …(20) 次に、(20)式を角速度ωで回転する回転座標軸(α
−β座標軸とする)上の関係式に変換するために次式で
示される座標回転の式を用いる。
Ids=Iαscos θo−Iβssin θo Iqs=Iαssin θo+Iβscos θo …(21) Φ2d=Φ2αcos θo−Φ2βsin θo Φ2q=Φ2αsin θo+Φ2βcos θo …(22) 但し、θo=∫ωdt …(23) (21)、(22)式を(20)式に代入してIds、Iqs、Φ
2d、Φ2q、を消去すると次式が得られる。
(R2+pL2)Φ2α−MR2 Iαs −L2(ω−ω)Φ2β=0 (R2+pL2)Φ2β−MR2 Iβs +L2(ω−ω)Φ2α=0 …(24) ここで、Φ2β=0となる条件を求めるために(24)式
でΦ2β=0とおくと次式が得られる。
但し、T2=L2/R2 従って、(26)式に応じて回転座標軸の角速度ωを定
めれば、常にΦ2βは零とすることができる。その際、
ω、Iβs、Φ2αが必要であるが、Φ2aは(25)式
を用いてIαsから求めることができる。更に、
αs、Iβsは(27)式に示す変換式((21)式の逆
変換式となる)よりIds、Iqsから得られ、しかも、I
ds、Iqsは(15)式と同様に公知の関係式を用いて1次
電流Ius、Ivsから得られる。以上のことから、誘導電
動機の1次電流Ius、Ivsと回転速度ωより2次磁束
Φ2α、励磁電流成分Iαsとトルク電流成分Iβs
演算できることがわかる。
αs=Idscos θo+Iqssin θo Iβs=−Idssin θo+Iqscos θo …(27) 更に、このとき、(23)式によって得られるθoは2次
磁束ベクトルの位相に他ならない。
第2図は、第1図の実施例における磁束ベクトル検出回
路(7)の一実施例を示す構成図である。図において
(700)、(701)、(702)、(710)、(711)、及び
(716)は係数器、(703)、(709)及び(718)は加算
器、(708)及び(712)は減算器、(704)、(705)、
(706)及び(707)は乗算機能を備えたD/Aコンバー
タ、(713)は積分器、(714)及び(715)は乗算器、
(717)は割算器、(719)はV/Fコンバータ、(720)は
カウンタ、(721)及び(722)はROMである。
次に動作について説明する。まず、係数器(700)と加
算器(703)の出力としてIds、Iqsがそれぞれ(15)
式と同様の演算により、Ius、Ivsから得られる。次
に、ROM(721)と(722)の出力として得られるsin θ
oとcos θoのディジタル量とIds、IqsとをD/Aコン
バータ(704)〜(707)で乗算し、減算器(708)と加
算器(709)に入力すると、(27)式の演算によりI
βs、Iαsがそれぞれの出力として得られる。次に、
係数器(711)、減算器(712)、積分器(713)及び乗
算器(714)により(25)式の演算が行われ、Iαs
らΦ2αが得られる。
更に、IβsとΦ2αとにより割算器(717)の出力と
して、 (MR2/L2)×(Iβs/Φ2α) が得られるので、加算器(718)で誘導電動機の回転速
度ωと加算することにより、(26)式のωが得られ
る。このωをV/Fコンバータ(719)に入力してω
大きさに比例したパルス列を得て、このパルス列をカウ
ンタ(720)で計数することにより、(23)式で示され
る回転座標軸の位相θoが得られる。従って、sin θo
とcos θoの値をそれぞれ記憶させた2つのROM(72
1),(722)のアドレスとしてカウンタ(720)の出力
を入力すると、2つの正弦波sin θoとcos θoのディ
ジタル値が出力される。
第3図は、第1図の実施例における電流ベクトル制御回
路(8)の一実施例を示す構成図である。図において、
(21)は上記従来装置と同一のものである。(81)は1
次電流指令値発生回路、(82)は1次電圧指令発生回
路、(83)はPWM回路である。(820)、(821)及び(8
23)は減算器、(822)及び(824)は加算器、(82
5)、(826)及び(827)は増幅器、(830)、(831)
及び(832)は比較器、(833)は三角波発生器、(83
4)、(835)及び(836)はNOT(反転)回路である。
次に動作について説明する。まず、1次電流指令回路
(81)では電流成分指令発生回路(21)から出力される
αs 、Iβs と磁束ベクトル検出回路(7)から
出力されるsin θo、cos θoから(21)式の演算によ
りIds*、Iqs*が得られ、更に(15)式と同様の関係式
により1次電流指令値Ius*、Ivs*が出力される。具体
的な回路構成は第2図においてIus、IvsをIαs、I
βsに変換するまでの回路と同様なので省略する。
次に、1次電圧指令発生回路(82)ではU相1次電流指
令Ius*と実際のIusとの偏差を減算器(820)で得て、
更にこの偏差と増幅器(825)で増幅し、U相1次電圧
指令値Vus*が出力される。V相1次電圧指令値Vvs*
同様にしてIvs*とIvsとから得られる。また、W相1
次電圧指令値Vws*は、まずIus*とIvs*とから(7)
式を用いて加算器(822)で−Iws*を求め、IusとIvs
とから(8)式を用いて加算器(824)で−Iwsを求め
た後、減算器(823)により電流偏差Iws*−Iwsを演算
し、増幅器(827)で増幅することによって得られる。
次に、PWM回路(83)は、可変周波数電力変換装置
(4)としパワートランジスタをスイッチング素子とし
て用いたトランジスタインバータ回路を用いたときに使
用される。この回路では、1次電圧指令発生回路(82)
から出力される1次電圧指令値Vus*、Vvs*、Vws*
三角波発生器(833)、比較器(830)〜(832)、NOT回
路(834)〜(836)によりトランジスタインバータ回路
(図示せず)への制御信号、即ちベース信号に変換され
る。その結果、1次電圧指令値Vus*、Vvs*、Vws*
応じた1次電圧Vus、Vvs、Vwsが誘導電動機(1)に
印加され、1次電流Ius、Ivs、Iwsはそれぞれの指令
値に追従する。
第4図は、第1図の実施例における電流ベクトル制御回
路(8)の他の一実施例を示す構成図である。図におい
て、(21)は上記従来装置と同一のものであり、(83)
は第3図のPWM回路と同一のものである。(840)及び
(841)は減算器、(842)及び(843)は増幅器、(8
5)は座標変換回路である。
次に動作について説明する。まず、電流成分指令発生回
路(21)から出力されるIαs と磁束ベクトル検出回
路(7)で得られるIαsとの偏差が減算器(840)で
得られ、更に増幅器(842)で増幅され、α軸電圧成分
指令値Vαs が得られる。同様にして減算器(841)
と増幅器(843)とによって回路(21)から出力される
βs と磁束ベクトル検出回路(7)で得られるI
βsとからβ軸電圧成分指令値Vβs が得られる。次
に、座標変換回路(85)ではこれらのVαs とVβs
と磁束ベクトル検出回路(7)から出力されるsin θ
o、cos θoから1次電圧指令値Vus*、Vvs*、Vws*
が出力されるが、具体的な回路構成は第3図の1次電流
指令発生回路(81)においてIαs 、Iβs をそれ
ぞれVαs 、Vβs で置き換えたものであるので省
略する。
次に、電圧成分検出回路(9)、電圧成分推定回路(1
0)及び修正回路(11)による2次抵抗R2の修正原理に
ついて説明する。
まず、(9)、(10)式を角速度ω回転するα−β座
標軸上の関係式に変換するために、(21)、(22)式及
び次の(28)を代入してVds、Vqs、Ids、Iqs、Φ2
d、Φ2qを消去すると(29)式が得られうる。
Vds=Vαscos θo−Vβssin θo Vqs=Vαssin θo−Vβscos θo …(28) ここで、磁束ベクトル検出回路(7)で2次磁束ベクト
ルの位相θoが正確に検出される場合にはΦ2β=0と
なり、(29)式から次式が得られる。
従って、磁束ベクトル検出回路(7)で得られる と誘導電動機の定数R1、L1、M、σを用いて2次磁束ベ
クトルに直交するβ軸電圧成分を次式により推定でき
る。
但し、 のついた変数は推定値を示す。
ところが、磁束ベクトル検出回路(7)中の2次抵抗の
値R2が実際のR2と一致しない場合には、上記のように
2次磁束ベクトルが正確に推定されない。
と実際のIαs、Iβs、Φ2α、ωとの関係は(1
6)、(17)式でIαs 、Iβs をそれぞれ と置き換えることにより次式で示される。
従って、実際に誘導電動機に印加されるVαs、Vβs
は定常状態では(29)、(32)〜(35)式より次式とな
る。
次に、磁束ベクトル検出回路(7)によって得られる2
次磁束ベクトルの位相の推定値 と実際の位相θoとの偏差を とすると、(37)式のVαs、Vβsと、 と実際のVds、Vqsから検出されるVαs′、Vβs
との関係は次式で与えられる。
αs′=Vαscos θ−Vβssin θ Vβs′=Vαssin θ−Vβscos θ …(38) 一方、電流成分についても(38)式と同様に次式が成り
立つ。
(32)、(33)、(39)次式を用いてsin θ、cos θを
求めると次式となる。
(37)、(40)、(41)式を(38)式に代入すると次式
が得られる。
従って、定常状態であることを考慮すると(32)、(4
2)式より次式が得られる。
上式より、k>1(R2>R2)のときA<1、(1+kx
2)/(1+k2x2)<1より となり、また、k<1(R2<R2)のときA>1、(1
+kx2)/(1+k2x2)>1より となる。
従って、Vβs′と の偏差が零となるように、磁束ベクトル検出回路(7)
中のR2値を修正することにより、常に正確な2次磁束
ベクトルを検出することができる。なお、(42)式にお
いて、 は(34)式より誘導電動機中の実際の2次磁束の振幅Φ
2αを表している。
ところで、k>1のときA>1となり、Φ2αはΦ2
より大きくなろうとするが、Φ2が定格値の場合には
磁気飽和のためにΦ2αの増加が制限されることが多
く、R2の値が正しく修正されない。このような場合に
は、Φ2又は が予め設定された定格値以下のあるレベルより小さい範
囲でR2の値を修正することにより、磁気飽和の影響を
取り除くことができる。
第5図は第1図の実施例における電圧成分検出回路
(9)の一実施例を示す構成図である。図において、
(91)、(92)、(93)は係数器、(94)は加算器、
(95)、(96)は乗算機能を備えたD/Aコンバータ、(9
7)は減算器である。
次に動作について説明する。まず、係数器(91)及び加
算器(94)の出力として、実際の1次電圧Vus、Vvsよ
り(15)式の演算をして、Vds、Vqsが得られる。この
Vds、Vqsと磁束ベクトル検出回路(7)から出力され
るsin θoとcos θoをそれぞれD/Aコンバータ(9
5)、(96)で乗算し、減算器(97)に入力すると、(2
8)式の関係より2次磁束ベクトルに直交する1次電圧
のβ軸電圧成分Vβs′が出力される。
第6図は、第1図の実施例における電圧成分推定回路
(10)の一実施例を示す構成図である。図において、
(101)、(103)、(106)、(108)は係数器、(10
2)は微分器、(104)、(109)は加算器、(105)、
(107)は乗算器である。この電圧成分推定回路(10)
により、磁束ベクトル検出回路(7)で得られる
αs、Iβs、Φ2α、ωのそれぞれの推定値 と誘導電導機の定数R1、L1、M、σを用いて(31)式の
演算が行われ、β軸電圧成分の推定値 が得られる。
第7図は、第1図の実施例における修正回路(11)の一
実施例を示す構成図である。図において、(111)は減
算器、(112)はホールド機能付積分器、(113)は加算
器、(114)はホールド信号発生器である。
次に動作について説明する。まず、電圧成分検出回路
(9)で検出されたβ軸電圧成分Vβs′と電圧成分推
定回路(10)で推定されたβ軸電圧成分 との偏差を減算器(111)で得る。上記のようにR2>R
2のとき R2<R2のとき となるので、この偏差を積分器(112)で積分すること
により、R2の修正量△R2が得られ、R2の初期設定
値R20と加算器(113)で加算することにより修正され
たR2が得られる。このR2を磁束ベクトル検出回路
(7)で用いることにより、常に正確な2次磁束ベクト
ルを検出することが可能である。
ところで、R2<R2の場合には上記の理由で磁気飽和が
問題となるおそれがある。そこで、ホールド信号発生器
(114)は磁束ベクトル検出回路(7)から出力される の振幅が予め設定された値以上になったときにはホール
ド信号を発生し、積分器(112)の動作を停止させる。
その結果、磁気飽和の影響は解消される。
なお、第5図の実施例において、実際の1次電圧Vus、
Vvsの代わりに第3図の実施例における1次電圧指令値
Vus*、Vvs*を用いてもよい。この場合は、電源電圧変
動によってVus*、Vvs*の値が変化するための、その変
動に応じてVus*、Vvs*の値を補正しなければならない
ことはいうまでもない。
また、第4図の実施例では、増幅器(843)の出力とし
てβ軸電圧成分指令値Vβs が得られるので、この電
圧成分指令値Vβs を電圧成分検出回路(9)で得ら
れるVβs′の代わりに用いてもよい。この場合には、
第1図の実施例において電圧成分検出回路(9)は省略
される。また、電源電圧変動に応じてVβs の値を補
正しなければならないことにいうまでもない。
更に、第7図の実施例において、2次磁束の振幅の推定
の代わりに指令値Φ2を用いてもよい。
[発明の効果] 以上のようにこの発明によれば、誘導電動機に印加され
る1次電圧の2次磁束ベクトルに直交する成分を、誘導
電動機の2次抵抗値によって影響を受ける方式を受けな
い方式の2通りの方式で演算し、得られた演算結果の偏
差を基いて影響を受ける方式で用いられる磁束ベクトル
検出回路中の2次抵抗値を補正するように構成したの
で、可変周波数電力変換装置の電流耐量や電圧耐量の制
限による制御系の飽和の影響を受けない。更に、2次磁
束指令値又は推定値が予め設定された値以下の領域での
み2次抵抗値の補正を行うようにしたので、磁気飽和の
影響を受けない効果も得られている。
更に、1次電圧の2次磁束ベクトルに直交する成分を利
用しているので、低速回転時においても、正確に誘導電
動機の2次抵抗を修正することができるという効果を有
する。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例による誘導電動機の制御装
置のブロック図、第2図は第1図の実施例に含まれる磁
束ベクトル検出回路の実施例を示す構成図、第3図及び
第4図は第1図の実施例に含まれる電流ベクトル制御回
路の実施例を示す構成図、第5図は第1図の実施例に含
まれる電圧成分検出回路の実施例を示す構成図、第6図
は第1図の実施例に含まれる電圧成分推定回路の実施例
を示す構成図、第7図は第1図の実施例に含まれる修正
回路の実施例を示す構成図である。 第8図は従来の誘導電動機の制御装置のブロック図、第
9図は誘導電動機の2次抵抗値の温度変化に対する従来
の補正回路の構成図である。 図において、(1)は誘導電動機、(2)は回転検出
器、(3)は電流検出器、(4)は可変周波数電力変換
装置、(5)は磁束指令発生器、(6)はトルク指令発
生器、(7)は磁束ベクトル検出回路、(8)は電流ベ
クトル制御回路、(9)は電圧成分検出回路、(10)は
電圧成分推定回路、(11)は修正回路である。 なお、図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘導電動機の回転速度又は回転角を検出す
    る回転検出器と、誘導電動機の1次電流を検出する電波
    検出器と、誘導電動機を可変周波数で駆動する可変周波
    数電力変換装置と、上記回転検出器の出力と上記電流検
    出器の出力を入力し、誘導電動機の定数を用いた関数演
    算により誘導電動機中で発生する2次磁束の振幅と位相
    とを検出する磁束ベクトル検出回路と、トルク指令値又
    はその相当値と磁束指令値又はその相当値に従って誘導
    電動機に供給すべき1次電流の指令値を演算すると共
    に、誘導電動機の1次電流の実際値がこの指令値に追従
    するような制御信号を上記可変周波数電力変換装置に出
    力する電流ベクトル制御回路と、誘導電動機に印加され
    る1次電圧の2次磁束ベルトルに直交する成分を検出す
    る電圧成分検出回路と、上記磁束ベクトル検出回路の出
    力を入力し、誘導電動機の定数を用いた関数演算により
    上記電圧成分を推定する電圧成分推定回路と、上記電圧
    成分検出回路の出力と上記電圧成分推定回路の出力に応
    じて上記磁束ベクトル検出回路に含まれる誘導電動機の
    2次抵抗値を修正する修正回路と、を備えたことを特徴
    とする誘導電動機の制御装置。
  2. 【請求項2】電圧成分検出回路は、誘導電動機に印加さ
    れる1次電圧の実際値と磁束ベクトル検出回路から出力
    される2次磁束の位相信号とから、1次電圧の2次磁束
    ベクトルに直交する成分を検出するものである特許請求
    の範囲第1項記載の誘導電動機の制御装置。
  3. 【請求項3】電圧成分検出回路は、電流ベクトル制御回
    路中で得られる1次電圧の指令値から、1次電圧の2次
    磁束ベクトルに直交する成分を検出するものである特許
    請求の範囲第1項記載の誘導電動機の制御装置。
  4. 【請求項4】修正回路は、磁束ベクトル検出回路から出
    力される2次磁束の振幅が予め設定された値以下になっ
    た時のみ、磁束ベクトル検出回路中の2次抵抗値を修正
    するものである特許請求の範囲第1項記載の誘導電動機
    の制御装置。
  5. 【請求項5】修正回路は、磁束指令値が予め設定された
    値以下になった時のみ、磁束ベクトル検出回路中の2次
    抵抗値を修正するものである特許請求の範囲第1項記載
    の誘導電動機の制御装置。
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