JPH0786274B2

JPH0786274B2 - 屋根ユニット結合体

Info

Publication number: JPH0786274B2
Application number: JP2259774A
Authority: JP
Inventors: 一道松田
Original assignee: Sekisui Chemical Co Ltd
Current assignee: Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date: 1990-09-27
Filing date: 1990-09-27
Publication date: 1995-09-20
Anticipated expiration: 2010-09-20
Also published as: JPH04136349A

Description

【発明の詳細な説明】（産業上の利用分野）本発明は、傾斜した屋根面を有する複数の屋根ユニット
が結合している結合体に関する。

（従来の技術）近年、建物の工業生産化率を高める一方式としてユニッ
ト建物が広く普及している。このユニット建物は、一棟
の建物を予めいくつかのユニットに分けて工場生産し、
これらを建築現場において組み立てる方式の建物であ
る。ユニット建物を構成するユニットとしては、壁や床
を含む建物本体を構成する本体ユニットと、建物の屋根
部分を構成する屋根ユニットとがある。

ところで、屋根面が傾斜している屋根ユニットは、本体
ユニットに比べて高さ寸法が小さいため、そのままトラ
ックの荷台に載せて輸送したり、倉庫に保管したりした
のでは極めて効率が悪い。そこで従来は、二個の屋根ユ
ニットを屋根面同士が対向するように積み重ねて枠体内
に納め、各屋根ユニットの両端部を枠体に固定して結合
させた結合体としている（実開昭63−67491号公報参
照）。そうすることにより、屋根ユニットを二個単位で
輸送及び保管することができ、効率が良い。

（発明が解決しようとする課題）しかしながら、従来の屋根ユニット結合体は、一方の屋
根ユニットの屋根面が下を向いた状態となっているの
で、建築現場で建物を組み立てる際、屋根面が下を向い
ている屋根ユニットを枠体から取り出した後、屋根面が
上になるよう向きを変えなければならない。特に近年
は、建築現場における組立工数をできるだけ減少させる
ために各ユニットが大型化する傾向にあり、屋根ユニッ
トの向きを変える作業は大掛りな作業となる。即ち、屋
根ユニットの向きを変えるために多くの時間を要するこ
とになり、能率が悪いという問題があった。

本発明は、上記従来の問題に着目し、屋根ユニットを効
率良く輸送及び保管することができ、かつ建築現場にお
ける建物の組み立てを能率良く行うことができる屋根ユ
ニット結合体を提供することを目的としている。

（課題を解決するための手段）本発明は、上述のような課題を解決することを目的とし
てなされたもので、この目的達成のために、本発明の屋
根ユニット結合体は、傾斜した屋根面を有する複数の屋
根ユニットが、上下に積み重ねられていると共に連結治
具に固定されて結合している屋根ユニット結合体におい
て、前記屋根ユニットが屋根面を上にして上下に積み重
ねられ、前記連結治具が前記屋根ユニット間に設けられ
ているものである。

ここで、屋根ユニットと連結治具の固定構造としては、
例えば、屋根ユニットは梁を含む構造体を備え、該構造
体の四隅近傍にブラケットが設けられており、連結治具
は上部に梁受けが設けられていると共に、下部にジョイ
ントプレートが設けられており、前記下側の屋根ユニッ
トのブラケットと前記連結治具のジョイントプイレート
がボルトとナットで連結され、前記上側の屋根ユニット
の梁が前記連結治具の梁受けに挿入支持されている構造
がある。

（作用）本発明の屋根ユニット結合体にあっては、複数の屋根ユ
ニットが屋根面を上にして上下に積み重ねられているの
で、屋根ユニットを複数単位で輸送及び保管することが
できる。また、両方の屋根ユニットの屋根面が上を向い
ているので、屋根ユニットを複数単位で輸送した後に建
築現場で建物を組み立てる際、屋根ユニットの向きを変
える必要がない。

また、連結治具が前記屋根ユニット間に設けられている
ので、連結治具の数を増やしていけば、屋根ユニットの
積み重ね段数を増やすことができる。

（実施例）以下、本発明の実施例を図面により詳述する。

まず、実施例の構成を説明する。

第１図及び第２図は、本発明実施例の屋根ユニット結合
体を示す側面図で、図中１は屋根ユニット、２は連結治
具である。

前記屋根ユニット１は、第３図に示すように切妻屋根を
桁行き方向のＡ−Ａ線と梁間方向のＢ−Ｂ線とで分割し
た形状を成しており、傾斜した屋根面を有している。

また、この屋根ユニット１の構造体は、両側部にトラス
10,10が設けられ、該トラス10,10間に継梁11と軒梁12と
が桁行き方向に平行に設けられて構成されている。ま
た、トラス間10,10には、これら継梁11及び軒梁12に直
交して垂木13がほぼ等間隔に並設され、該垂木13の上面
には野地板14が固定されている。更に、継梁11と軒梁12
には、ブラケット15,16が固定されている。尚、野地板1
4のうち、ブラケット15,16の上方に位置する部位には、
孔141,142が形成されている。

前記連結治具２は、複数の型鋼を溶接等により結合させ
て製作されている。即ち、まず、水平出しをするための
基礎梁21が設けられ、該基礎梁21の一端には、上面に柱
22が直角に固定されていると共に、下面にボルト通し孔
を有するジョイントプレート23が固定され、前記基礎梁
21の他端には、下面に脚24が直角に固定されていると共
に、上面に軒梁受け25が固定されている。また、柱22の
上端には継梁受け26が固定され、脚24の下端にはボルト
通し孔を有するジョイントプレート27が固定されてい
る。更に、前記基礎梁21と柱22との間及び基礎梁21と脚
24との間には、筋交28,29が架け渡されている。

本実施例の屋根ユニット結合体は、二個の屋根ユニット
１が屋根面を上にした状態で上下二段に積み重ねられ、
各々連結治具２に固定されている。また、連結治具２
は、前記屋根ユニット1,1間の両端の二箇所に設けられ
ている。

前記屋根ユニット１と連結治具２の固定構造は次のよう
になっている。

まず、下側の屋根ユニット１と連結治具２の固定構造
は、屋根ユニット１の継梁11と軒梁12に固定されたブラ
ケット15,16がそれぞれ連結治具２のジョイントプレー
ト23,27に対して両面に軸を有するボルト３とナット４
で締め付け固定された構造となっている。尚、前記ボル
ト３は、野地板14の孔141,142を通過する径になってい
る。また、前記ブラケット15,16の上面にも、予めボル
ト通し孔を形成しておき、更にその裏側にナット４を溶
着しておくとよい。

次に、上側の屋根ユニット１と連結治具２の固定構造
は、屋根ユニット１の継梁11と軒梁12がそれぞれ連結治
具２の継梁受け26と軒梁受け25に挿入支持され、かつ継
梁11に固定されたブラケット15が連結治具２の継梁受け
26にボルト５とナット４で締結固定されている。尚、前
記ブラケット15の側面には、予めボルト通し孔を形成し
ておき、更に、その裏側にナット４を溶着しておくとよ
い。

尚、連結治具２の側面に、倒れ防止用の控え柱を設け、
屋根ユニット１の屋根面に支持させるようにすると更に
好ましい。

次に、実施例の作用を説明する。

本実施例の屋根ユニット結合体にあっては、二個の屋根
ユニット１が屋根面を上にして上下に積み重ねられ、前
記連結治具２が前記屋根ユニット1,1間に設けられてい
るので、屋根ユニット１を二個単位で輸送及び保管する
ことができる。また、両方の屋根ユニット１の屋根面が
上を向いているので、屋根ユニット１を二個単位で輸送
した後に建築現地で建物を組み立てる際、屋根ユニット
１の向きを変える必要がない。そのために、建築現場に
おける建物の組み立てを能率良く行うことができる。

また、本実施例の屋根ユニット結合体は、屋根ユニット
１と連結治具２との固定構造が、ボルト3,5とナット４
を用いたリジットな構造であるため、輸送及び保管時に
おける安定性を確保することができる。

以上、本発明の実施例を図面により詳述してきたが、具
体的な構成はこの実施例に限られるものではなく本発明
の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明
に含まれる。

例えば、実施例では、切妻屋根を分割した形状を成す屋
根ユニットを適用したが、屋根ユニットの形状は実施例
に限らず、傾斜した屋根面を有する形状のものであれば
よい。例えば、寄棟屋根を分割した形状を成す屋根ユニ
ットでもよい。

また、屋根ユニットと連結治具の固定構造は実施例に限
られない。

更に、実施例では、屋根ユニットが二段に積み重ねられ
ている屋根ユニット結合体を示したが、連結治具を追加
して屋根ユニットを三段以上に積み重ねたものにしても
よい。

（発明の効果）以上説明してきたように、本発明の屋根ユニット結合体
にあっては、両方の屋根ユニットが屋根面を上にして積
み重ねられているので、屋根ユニットを効率良く輸送及
び保管することができるだけでなく、屋根ユニットの向
きを変える手間を省いて建築現場における建物の組み立
てを能率良く行うことができるという効果が得られる。

また、連結治具が屋根ユニット間に設けられているの
で、屋根ユニットの積み重ね段数を適宜選択することが
できるという効果も得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本発明実施例の屋根ユニット結合体
を示す側面図、第３図は四つの屋根ユニットにより構成
された切妻屋根を示す平面図である。１……屋根ユニット 11……継梁、12……軒梁２……連結治具 23,27……ジョイントプレート 25……軒梁受け、26……継梁受け３……ボルト４……ナット

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】傾斜した屋根面を有する複数の屋根ユニッ
トが、上下に積み重ねられていると共に連結治具に固定
されて結合している屋根ユニット結合体において、前記
屋根ユニットが屋根面を上にして上下に積み重ねられ、
前記連結治具が前記屋根ユニット間に設けられているこ
とを特徴とする屋根ユニット結合体。
【請求項２】屋根ユニットは梁を含む構造体を備え、該
構造体の四隅近傍にブラケットが設けられており、連結
治具は上部に梁受けが設けられていると共に、下部にジ
ョイントプレートが設けられており、前記下側の屋根ユ
ニットのブラケットと前記連結治具のジョイントプイレ
ートがボルトとナットで連結され、前記上側の屋根ユニ
ットの梁が前記連結治具の梁受けに挿入支持されている
ことを特徴とする請求項１記載の屋根ユニット結合体。