JPH078047A - 施肥装置の肥料繰出し部構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 肥料粉等の回収と肥料繰出し量の計量とをそ
れぞれ楽に行なうことができる肥料繰出し部構造を具備
する施肥装置を提供すること。 【構成】 肥料繰出し部内に掻出し体支持板を張設し
て、同掻出し体支持板の上方位置に肥料繰出し流路を形
成すると共に、下方位置に肥料掻出し流路を形成し、か
つ、掻出し体支持板の後部に連通孔を形成して、同連通
孔を介して上記肥料繰出し流路と肥料掻出し流路とを連
通させ、肥料繰出し部の中途部に肥料粉等回収部を肥料
掻出し流路に連通させて連結し、同連通連結部の位置に
肥料粉等回収用フィルターを張設し、しかも、肥料粉等
回収用フィルターを、連通連結部に張設して肥料等繰出
し流路と肥料掻出し流路とを連通させた位置と、連通連
結部を開放して肥料繰出し流路と肥料粉等回収部とを連
通させた位置とに姿勢変更可能とし、さらに、肥料繰出
し部の外部に肥料粉等回収フィルターの姿勢変更操作部
を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、施肥装置の肥料繰出し
部構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、施肥装置の一形態として、施肥ホ
ッパーの底部に肥料繰出し部の上端部を連通連設し、同
肥料繰出し部の下端部に肥料繰出しパイプの上端を連通
連結し、肥料繰出しパイプの下端を圃場面の近傍まで伸
延させて、作溝器により圃場に形成した溝部に肥料を、
施肥ホッパー→肥料繰出し部→肥料繰出しパイプを通し
て一定量づつ繰出すようにしたものがある。

【０００３】そして、かかる施肥装置により施肥作業を
行なう際には、あらかじめ肥料繰出し部を駆動させて肥
料繰出し量の検査を行ない、一定量の肥料繰出しが行な
われることを確認した後に、実際の施肥作業を行なうよ
うにしている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した事
前の肥料繰出し量の検査は、肥料繰出しパイプの先端開
口部に計量カップを配置して、同計量カップに肥料を採
集して行なったり、また肥料繰出しパイプを肥料繰出し
部から取外して、同肥料繰出し部の下端開口部に計量カ
ップを配置して、同計量カップに肥料を採集して行なう
ようにしているために、かかる計量カップを逐一用意し
たり、また、収納したりする手間を要する上に、肥料の
採集中は作業者が計量カップを手に持っていなければな
らないという煩わしさがあった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、肥
料繰出し部内に掻出し体支持板を張設して、同掻出し体
支持板の上方位置に肥料繰出し流路を形成すると共に、
下方位置に肥料掻出し流路を形成し、かつ、掻出し体支
持板の後部に連通孔を形成して、同連通孔を介して上記
肥料繰出し流路と肥料掻出し流路とを連通させ、肥料繰
出し部の中途部に肥料粉等回収部を肥料掻出し流路に連
通させて連結し、同連通連結部の位置に肥料粉等回収用
フィルターを張設し、しかも、肥料粉等回収用フィルタ
ーを、連通連結部に張設して肥料等繰出し流路と肥料掻
出し流路とを連通させた位置と、連通連結部を開放して
肥料繰出し流路と肥料粉等回収部とを連通させた位置と
に姿勢変更可能とし、さらに、肥料繰出し部の外部に肥
料粉等回収フィルターの姿勢変更操作部を設けたことを
特徴とする施肥装置の肥料繰出し部構造を提供せんとす
るものである。

【０００６】また、本発明では、肥料粉等回収部の底部
に、肥料繰出し部への飛散泥土等の付着を防止するため
の防泥カバー体を着脱自在に取付けたことにも特徴を有
する。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。

【０００８】図１に示すＡは乗用田植機であり、同乗用
田植機Ａは、自走可能な走行部１の後方に植付部15を昇
降リンク機構30により昇降自在に連結している。

【０００９】走行部１は、図１に示すように、車体フレ
ーム２の前部にエンジン３を搭載し、車体フレーム２の
後部にミッションケース４を配設し、同ミッションケー
ス４の前方位置にフロントアクスルケース５を介して水
田走行用の前輪６を取付けると共に、前記ミッションケ
ース４の後方位置にリヤアクスルケース７を介して水田
走行用の後輪８を取付けている。

【００１０】そして、前記エンジン２等を覆うボンネッ
ト９の両側に予備苗載台10を取付けると共に、ステップ
11を形成する車体カバー12によって前記ミッションケー
ス４等を覆い、前記車体カバー12の上部に運転席13を取
付けて、その運転席13の前方位置で前記ボンネット９の
後部に操向ハンドル14を設けている。31は主変速レバ
ー、30は植付昇降兼変速用変速レバーである。

【００１１】植付部15は、図１及び図２に示すように、
植付ミッションケース20の後方位置に、複数個の植付ケ
ース21を左右幅方向に間隔を開けて配置すると共に、伝
動ケース33を介して連動連設し、同植付ケース21上に前
高後低の前傾式苗載台16を下部レール18及びガイドレー
ル19を介して左右往復摺動自在に支持させると共に、各
植付ケース21に一方向に等速回転させるロータリケース
22を取付け、同ロータリケース22の回転軸芯を中心に対
称位置に一対の植付爪23,23 を取付けている。24はセン
ターフロート、25はサイドフロートである。

【００１２】そして、植付ミッションケース20の前部に
は、図１に示すように、ローリング支点軸26を介して植
付ヒッチ27を設け、トップリンク28及びロワリンク29を
具備する昇降リンク機構30を介して植付部15を昇降させ
る昇降シリンダ31をロワリンク29に連結し、前記前後輪
６，８を走行駆動して移動すると共に、左右に往復動さ
せる苗載台16から一株分の苗を植付爪23によって取出
し、連続的に苗植え作業を行うように構成している。

【００１３】左右最外側に位置する植付ケース21の各後
部には、図１及び図２に示すように、施肥装置支持フレ
ーム40,40 をそれぞれ立設し、両支持フレーム40,40 の
上端間に横支持フレーム49を横架し、同横支持フレーム
49に複数個の施肥装置41を取付ける一方、各施肥装置支
持フレーム40の中途部よりそれぞれ薬剤散布装置取付用
フレーム42,42 を後上方へ向けて伸延させて形成し、両
取付用フレーム42,42の上端間に横フレーム43を横架
し、同横フレーム43の略中央部に薬剤散布装置44を取付
けている。48は、サイドフロート25に取付けた作溝器で
ある。

【００１４】また、施肥装置41は、図２及び図３に示す
ように、横支持フレーム49に肥料ホッパー46をステー85
を介して取付け、同肥料ホッパー46の下端左右側部に左
右一対の肥料繰出し部45,45 を連通連設する一方、各肥
料繰出し部45,45 の下端よりサイドフロート35に取付け
た作溝器44,44 に向けて肥料繰出しパイプ47,47 を伸延
させて形成している。

【００１５】薬剤散布装置44は、図２及び図３に示すよ
うに、横フレーム43に薬剤散布部50を取付け、同薬剤散
布部50上に薬剤ホッパー51を載置状態にて連通連設して
いる。52は、伝動機構、53は化粧カバーである。

【００１６】上記のような構成において、本発明の要旨
は、施肥装置41の肥料繰出し部45の構造にあり、以下に
説明する。

【００１７】すなわち、肥料繰出し部45は、図４に示す
ように、上部に位置するギヤケース55と中途部に位置す
る繰出しケース56と下部に位置する繰出しケース57とを
順次連設し、ギヤケース55よりロール駆動用中空軸58を
繰出しケース56中に伸延させ、同中空軸58の下端部に繰
出しケース56の下部に配設した繰出しロール59を連動連
結すると共に、ギヤケース55より繰出し駆動軸60を中空
軸58中を通して掻出しケース57の上部位置まで伸延さ
せ、同繰出し駆動軸60の下端に掻出しケース57内に配置
した掻出し体61を連動連結している。87は連結ボルトで
ある。

【００１８】そして、ギヤケース55は、図２に示すよう
に、植付ケース21との間に伝動機構86を介設して、同伝
動機構85により植付ケース21より動力を取入れるように
している。55a,55b はそれぞれ入力用傘歯車、55c はス
ペーサ、55d は中空ギヤ支軸、55e はブッシュである。

【００１９】繰出しケース56は、図４に示すように、中
央部に軸受用筒状部62を形成し、周壁前部にホッパー接
続部63を形成し、周壁後部に排出孔64を形成し、同排出
孔64にキャップ65を着脱自在に取付け、下部に上記繰出
しロール59を配設している。

【００２０】しかも、繰出しロール59は、上側ロール59
a と中間ロール59b と下側ロール59c とから形成し、前
記ロール駆動用中空軸58には中間ロール59b のみを連動
連結して、同中間ロール59b を回転させて、各ロール59
a,59b,59c に形成した繰出し孔59d,59e,59f を符合させ
ることにより、繰出しケース56内と掻出しケース57内と
を連通させて、一定量の肥料を掻出しケース57内に繰出
すことができるようにしている。

【００２１】掻出しケース57は、図４に示すように、上
部に掻出し体支持板70を横架し、同掻出し体支持板70に
掻出し体61の上端部を回転自在に取付ける一方、同支持
板70と下側ロール59との間に支持スプリング71を介在さ
せて肥料繰出し流路72を形成保持すると共に、掻出し体
支持板70の下方に肥料掻出し流路73を形成しており、掻
出し体支持板70の後部には連通孔74を形成して、同連通
孔74を介して上記肥料繰出し流路72と肥料掻出し流路73
とを連通させている。

【００２２】しかも、掻出しケース57の周壁後部57a に
は、図３及び図４に示すように、肥料粉等回収部として
の肥料粉等回収カップ75を係止用フック76により着脱自
在に取付けており、同周壁後部57a には上記肥料粉等回
収カップ75と掻出しケース57内とを連通する連通連結部
としての回収用連通孔77を形成している。

【００２３】さらに、掻出しケース57内には、図４及び
図５に示すように、周壁後部57a に肥料粉等回収フィル
ター78の下端を支軸79により前後揺動自在に取付けて、
同フィルター78を、先端部78a が回収用連通孔77よりも
上方に位置する周壁後部57aの内面に当接したフィルタ
ー使用位置と、先端部78a が掻出し体支持板70の後端縁
部70a に当接したフィルター不使用位置との間で姿勢変
更可能としている。

【００２４】そして、上記支軸79は、図５に示すよう
に、一側端を掻出しケース57の周壁の外方位置まで突出
させて、同突出端に姿勢変更操作部80を取付けている。

【００２５】このようにして、姿勢変更操作部80を回動
操作することにより、肥料粉等回収フィルター78の姿勢
を容易に変更することができるようにしており、同フィ
ルター78をフィルター使用位置にした場合には、肥料が
肥料繰出し流路72→連通孔74→肥料掻出し流路73を通し
て流下する際に、肥料粉等は、同フィルター78→回収用
連通孔77を通して肥料粉等回収カップ75内に回収するこ
とができるようにしている。

【００２６】従って、肥料粉等が掻出しケース57や肥料
繰出しパイプ47の内面に付着するのを防止することがで
きて、肥料の繰出し効率を良好に確保することができ
る。

【００２７】また、肥料粉等回収フィルター78を、上記
フィルター使用位置からフィルター不使用位置に姿勢変
更した場合には、肥料繰出し流路72→連通孔74→肥料掻
出し流路73の上部→回収用連通孔77→肥料粉等回収カッ
プ75へ連通する流路が形成され、肥料繰出し流路72内に
繰出された一定量の肥料を上記回収カップ75内に採集し
て計量することができるようにしている。

【００２８】従って、肥料繰出し量の確認を楽に、かつ
確実に行なうことができる。

【００２９】また、肥料粉等回収カップ75は、図６に示
すように、左右側壁75a,75a に係止用突部75b,75b を突
設して、両係止用突部75b,75b を左右一対の前記係止用
フック76,76 に係止させて、掻出しケース57に取付け可
能としていると共に、底部左右側位置に左右一対の差込
み溝形成片75c,76c を一体成形して、同差込み溝形成片
75c,75c に防泥カバー体81を差込み片82を介して着脱自
在に取付け可能としている。75d は嵌合用凹部である。

【００３０】防泥カバー体81は、図２、図３、及び図６
に示すように、肥料繰出し部45の直下方に張設して、飛
散泥土等が同肥料繰出し部45に付着するのを防止するた
めのものであり、上面略中央部に前記差込み片82を取付
け、同差込み片82と一体的にストッパー片83を形成して
いる。81a はパイプ嵌入孔、83a は嵌合用凸部、84は取
付用ビスである。

【００３１】このようにして、防泥カバー体81を、肥料
粉等回収カップ75に着脱自在に取付けて、同防泥カバー
体81により肥料繰出し部45に飛散泥土等が付着するのを
防止すると共に、同防泥カバー体81を取外すことにり、
肥料繰出し部45のメンテナンスや同防泥カバー体81自体
の洗浄を楽に行なうことができるようにしている。

【００３２】しかも、防泥カバー体81は肥料粉等回収カ
ップ75を取付部材として取付けているために、専用の取
付部材が不要となり、本機の構造を簡易で、かつ軽量コ
ンパクトに構成することができる。

【００３３】また、肥料ホッパー46は、図２に示すよう
に、側面視にて前方へ張出し状に形成して、同肥料ホッ
パー46内に肥料を満載した際には、前部側に重心が位置
するようにして、本機の前後重量バランスを良好にする
ことができるようにしている。

【００３４】

【発明の効果】本発明によれば、次のような効果が得ら
れる。

【００３５】 本発明では、肥料粉等回収用フィルタ
ーを、連通連結部に張設して肥料等繰出し流路と肥料掻
出し流路とを連通させた位置に姿勢を変更した場合に
は、同フィルター上にて肥料を流下させて繰出しなが
ら、同フィルターを通して肥料粉等を肥料粉等回収部に
回収することができるために、肥料粉等が肥料繰出しパ
イプの内面に付着するのを防止することができて、肥料
の繰出し効率を良好に確保することができる。

【００３６】 肥料粉等回収フィルターを、連通連結
部を開放して肥料繰出し流路と肥料粉等回収部とを連通
させた位置に姿勢を変更した場合には、肥料繰出し部か
ら繰出される一定量の肥料を肥料粉等回収用フィルター
に採集して計量することができ、かかる肥料繰出し量の
確認を楽にかつ確実に行なうことができる。

【００３７】 肥料粉等回収用フィルターの姿勢変更
操作は、肥料繰出し部の外部に設けた姿勢変更操作部に
より、別途部品を取外すことなく簡単に行なうことがで
きる。

【００３８】 肥料粉等回収部の底部に防泥カバー体
を着脱自在に取付けた場合には、同防泥カバー体により
飛散泥土等が肥料繰出し部に付着するのを防止すること
ができて、同肥料繰出し部の肥料繰出し機能を良好に確
保することができる。

【００３９】 防泥カバー体は肥料粉等回収部から取
外すことができるために、肥料繰出し部のメテンナンス
や、防泥カバー体自体の洗浄を楽に行なうことができ
る。

【００４０】 防泥カバー体は、肥料粉等回収部を取
付部材として取付けているために、専用の取付部材が不
要となり、本機の構造を簡易で、かつ軽量コンパクトに
構成することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る肥料繰出し部構造を具備する施肥
装置を装備した乗用田植機の側面図。

【図２】同施肥装置の拡大側面図。

【図３】同施肥装置の拡大背面図。

【図４】肥料繰出し部の断面側面説明図。

【図５】肥料粉等回収フィルターの正面図。

【図６】防泥カバー体の取付け説明図。

【符号の説明】

Ａ 乗用田植機 15 植付部 20 植付ミッションケース 40 施肥装置支持フレーム 41 施肥装置 42 薬剤散布装置取付用フレーム 44 薬剤散布装置 45 肥料繰出し部 46 肥料ホッパー 47 肥料繰出しパイプ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 肥料繰出し部内に掻出し体支持板を張設
   して、同掻出し体支持板の上方位置に肥料繰出し流路を
   形成すると共に、下方位置に肥料掻出し流路を形成し、
   かつ、掻出し体支持板の後部に連通孔を形成して、同連
   通孔を介して上記肥料繰出し流路と肥料掻出し流路とを
   連通させ、 肥料繰出し部の中途部に肥料粉等回収部を肥料掻出し流
   路に連通させて連結し、同連通連結部の位置に肥料粉等
   回収用フィルターを張設し、 しかも、肥料粉等回収用フィルターを、連通連結部に張
   設して肥料等繰出し流路と肥料掻出し流路とを連通させ
   た位置と、連通連結部を開放して肥料繰出し流路と肥料
   粉等回収部とを連通させた位置とに姿勢変更可能とし、 さらに、肥料繰出し部の外部に肥料粉等回収フィルター
   の姿勢変更操作部を設けたことを特徴とする施肥装置の
   肥料繰出し部構造。
2. 【請求項２】 肥料粉等回収部の底部に、肥料繰出し部
   への飛散泥土等の付着を防止するための防泥カバー体を
   着脱自在に取付けたことを特徴とする請求項１記載の施
   肥装置の肥料繰出し部構造。