JPH0142981Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、苗植付作業走行に際し、苗植付と併
行して苗育成用肥料とか除草剤等の薬剤を供給し
ていけるように、機体左右方向に複数の吐出口を
備えた肥料タンクに、そこに連続的あるいはほぼ
連続的に肥料あるいは薬剤を供給する主タンクを
接続した施肥装置付田植機に関する。

上記田植機では、一般に、主タンクと肥料タン
クとを１本のパイプ等によつて接続しているが、
その肥料タンクへの供給口近くに主タンクからの
肥料が滞留し、供給口から離れた位置の吐出口へ
の肥料の供給量が少なく、例えば主タンク側が空
になり、肥料タンク中の肥料の量が少なくなつた
場合に、供給口から離れた吐出口において、他の
吐出口よりも早く肥料の供給が停止され、肥料タ
ンク中の肥料を最後まですべての吐出口から万遍
無く供給することができない欠点があつた。

本考案は、上記の点に鑑み、肥料タンク中の肥
料を均平化してその全量をすべての吐出口から均
等に供給できるようにすると共に、そのための構
成を簡単なものにできるようにすることを目的と
する。

本考案は、上記目的の達成のために、冒記した
施肥装置付田植機において、前記肥料タンクに均
平具を付設すると共に、前記均平具と苗植付装置
の作動部とを連動連結してある事を特徴とする。

つまり、主タンクから供給される肥料を、苗の
せ台とか植付ミツシヨンの伝動軸等の苗植付装置
の作動部によつて駆動される均平具により逐次均
平化し、主タンクが空になつた状態でも、吐出口
夫々の上方に互いに同量の肥料を貯留するのであ
る。

従つて、肥料供給の停止が、すべての吐出口に
おいて互いにほぼ同時になり、肥料タンク内に肥
料が残つているにもかかわらず、一部の吐出口か
らの肥料供給が早期に停止されるといつた事を回
避でき、肥料タンク中の肥料のほぼ全量を良好に
供給できるようになつた。しかも、均平具を苗植
付装置の作動部を利用して駆動するから、例えば
電動モータを付設するような場合に比べて、その
駆動構成を簡単なものにできるようになつた。

以下、本考案の実施例を例示図に基いて詳述す
る。

左右一対づつの前車輪１，１と後車輪２，２と
を軸架した走行車体に、前部にエンジン３を搭載
すると共にその後方にハンドル４と運転座席５を
設け、かつ、走行車体の後部に、リンク機構６と
油圧シリンダ７を介して駆動昇降自在に苗植付装
置８を連動連結し、乗用型田植機を構成してあ
る。

前記苗植付装置８は、植付ミツシヨンを内装す
る植付ミツシヨンケース１０に、機体左右方向に
駆動往復移動自在に苗のせ台１１を設けると共
に、前記植付ミツシヨンケース１０から後方に突
設した植付ケース１２に植付爪１３を駆動回動自
在に取付け、かつ、下部に３個の整池フロート１
４…を取付けて構成されている。

前記運転座席５の上方を覆つて日除け１５を設
けると共に、その日除け１５の支持フレーム１６
に肥料を貯留する主タンク１７を取付けてある。

前記植付ケース１２に連設した支持フレーム１
８に、細幅で機体左右方向に長い肥料タンク１９
を取付けると共に、その肥料タンク１９の下部
に、機体左右方向に所定間隔をへだてて５個の吐
出口２０…を設け、前記フロート１４…夫々の苗
植付予定軌跡よりもやや機体左右方向いずれか一
方に偏位した箇所に肥料の対地供給部２１を付設
すると共に、対地供給部２１…夫々と前記吐出口
２０…夫々とを第１供給管２２を介して連通接続
し、かつ、吐出口２０…夫々に定量供給用のロー
タリーバルブ２３を取付けてある。

前記主タンク１７と前記肥料タンク１９の機体
左右方向ほぼ中央箇所とを、苗植付装置８の駆動
昇降を許容する状態で可撓性の１本の第２供給管
２４を介して接続してあり、以上の構成により肥
料を、主タンク１７から第２供給管２４、肥料タ
ンク１９、吐出口２０…、第１供給管２２…及び
対地供給部２１を介して植付苗の近くに供給して
いくように施肥装置を構成してある。

前記主タンク１７と第２供給管２４との接続部
の連通開口面積を、第２供給管２４の管路断面積
より小に構成し、極力、第２供給管２４内に肥料
を充填させずに、主タンク１７から肥料タンク１
９に連続的あるいはほぼ連続的に肥料を流下供給
していくように構成してある。

前記肥料タンク１９の上部空間に、機体左右方
向に摺動移動自在に取付軸２５を設け、その取付
軸２５に板状の均平具２６を取付け、前記取付軸
２５の肥料タンク１９から突出された一端側と、
苗のせ台１１とを連結杆２７を介して連結してあ
り、苗のせ台１１の横移動に伴つて均平具２６を
駆動移動させ、肥料タンク１９内の肥料を均平化
していくように構成してある。

前記主タンク１７は、支持フレーム１６に機体
左右向き軸芯Ｑ周りで回動及び固定自在に取付け
られ、日除け１５に沿つた横長姿勢と、縦長状に
垂下した姿勢とに変更されるように構成され、か
つ、主タンク１７にフアンあるいは真空ポンプ等
の吸引装置２８が付設されると共に、第２供給管
２４が肥料タンク１９に接続分離自在に接続さ
れ、第４図に示すように、第２供給管２４を肥料
タンク１９から分離して肥料袋２９中に挿入する
と共に肥料タンク１９を垂下姿勢にし、その状態
で吸引装置２８を駆動することにより、タンク１
９内を負圧にして主タンク１７内に肥料を良好に
吸引供給させられるように構成してある。

第５図は別実施例を示し、取付軸２５に、苗の
せ台１１の機体左右方向ほぼ中央と、その両側
夫々に位置させて均平具２６…を取付け、両側の
もの２６，２６夫々の下端に、機体内方側への移
動時のみ機体外方側へ逃げる状態で補助均平具２
６ａを付設し、中央の均平具２６で左右方向に肥
料を振り分けるように均平した後、その振り分け
られた肥料を補助均平具２６ａにより更に均平化
し、肥料タンク１９内全体にわたつて良好に均平
していくように構成してある。

第６図及び第７図も別実施例を示し、肥料タン
ク１９に縦軸芯Ｐ周りで機体左右方向に揺動自在
に均平具２６の取付軸２５を取付けると共に、そ
れを所定位置に揺動復帰させるためのスプリング
３０を付設し、かつ、前記取付軸２５を苗のせ台
１１側に突出して、苗のせ台１１に取付けた苗ス
テー３１に、苗のせ台１１の横移動に伴い突出軸
部分２５ａを接当させ、その接当押圧力により均
平具２６を駆動揺動して肥料タンク１９内の肥料
を均平化するように構成してある。

第８図も別実施例を示し、肥料タンク１９を、
２条分用１９ａと３条分用１９ｂとに分割構成
し、それら肥料タンク１９ａ，１９ｂと主タンク
１７を夫々の第２供給管２４，２４を介して接続
し、そして、両肥料タンク１９ａ，１９ｂを、苗
のせ台１１の横移動ストロークよりも大きな間隔
をへだてて設けると共に、両タンク１９ａ，１９
ｂにわたつて摺動自在に取付軸２５を設け、その
取付軸２５に、両タンク１９ａ，１９ｂ夫々内に
位置させる状態で均平具２６，２６を取付けると
共に、両タンク１９ａ，１９ｂ間の所定箇所に位
置させる状態で取付軸２５と苗のせ台１１のステ
ー３１とを連結杆２７ａを介して一体連結し、苗
のせ台１１の横移動に伴つて均平具２６，２６を
駆動摺動させ、タンク１９ａ，１９ｂ内夫々の肥
料を均平化するように構成してある。

上記実施例では、苗のせ台１１を利用して均平
具２６を駆動するようにしているが、例えば、肥
料タンク１９内に中央でラセン方向を反転した状
態でスクリユー軸を設けると共に、そのスクリユ
ー軸と、植付ミツシヨンにおける回転伝動軸とか
植付爪駆動用のクランク軸等とをベベルギア機構
とかチエーンやベルト等による伝動機構等を介し
て連動連結する等均平具２６を駆動させる構造は
各種の変形が可能であり、前記苗のせ台１１や回
転駆動軸、クランク軸等として苗植付装置８の作
動部１１と総称する。

本考案は、除草剤等の薬剤を供給する場合にも
適用できる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る施肥装置付田植機の実施例
を示し、第１図は乗用田植機の全体側面図、第２
図は施肥装置の斜視図、第３図は要部の一部切欠
背面図、第４図は作用説明図、第５図は別実施例
を示す一部切欠背面図、第６図は別実施例を示す
一部切欠平面図、第７図は第６図の側面図、第８
図は別実施例を示す一部切欠背面図である。 ８……苗植付装置、１１……苗植付装置の作動
部、苗のせ台、１７……主タンク、１９……肥料
タンク、２０……吐出口、２５……取付軸、２６
……均平具、３１……ステー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 機体左右方向に複数の吐出口２０…を備えた
   肥料タンク１９に、そこに連続的あるいはほぼ
   連続的に肥料あるいは薬剤を供給する主タンク
   １７を接続した施肥装置付田植機であつて、前
   記肥料タンク１９に均平具２６を付設すると共
   に、前記均平具２６と苗植付装置８の作動部１
   １とを連動連結してある事を特徴とする施肥装
   置付田植機。 前記作動部が苗のせ台１１である実用新案登
   録請求の範囲第項に記載の田植機。 前記作動部が植付ミツシヨンの伝動軸である
   実用新案登録請求の範囲第項に記載の田植
   機。 前記均平具２６の取付軸２５を前記肥料タン
   ク１９に機体左右方向に摺動自在に設けると共
   に、前記苗のせ台１１と前記取付軸２５を一体
   連結してある実用新案登録請求の範囲第項に
   記載の田植機。 前記均平具２６の取付軸２５を肥料タンク１
   ９に縦軸芯周りで機体左右方向に揺動自在に設
   けると共に、前記取付軸２５を、横移動される
   苗のせ台１１に連設のステー３１に接当して押
   圧移動される状態に突設してある実用新案登録
   請求の範囲第項に記載の田植機。