JPH0737570B2 - 帯電防止性樹脂組成物 - Google Patents

帯電防止性樹脂組成物

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JPH0737570B2
JPH0737570B2 JP8988086A JP8988086A JPH0737570B2 JP H0737570 B2 JPH0737570 B2 JP H0737570B2 JP 8988086 A JP8988086 A JP 8988086A JP 8988086 A JP8988086 A JP 8988086A JP H0737570 B2 JPH0737570 B2 JP H0737570B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明はポリアミドイミドあるいはポリエーテルイミド
の帯電防止性樹脂組成物に関するものである。
<従来の技術> 近年、射出成形可能なポリアミドあるいはポリエーテル
イミド樹脂はその優れた耐熱性、機械的強度、摺動特性
から機械部品等の射出成形用材料としての有用性が高ま
つている。
一方、導電性樹脂組成物として熱可塑性樹脂または熱硬
化性樹脂に通常のカーボンブラツク、通常の黒鉛および
非導電性フイラーを混合・混練せしめた成形可能な樹脂
組成物が特開昭59−96142号公報により知られている。
<発明が解決しようとする問題点> この特開昭59−96142号公報には記載された技術をポリ
アミドイミドあるいはポリエーテルイミド樹脂に適用す
ると確かに帯電防止性は得られる。
しかしながらもともと溶融粘度が極めて高く射出成形性
に問題のあるこれらの樹脂は、かかる技術の適用、つま
り帯電防止化により、射出成形性が一層悪くなり、無理
な成形のため寸法安定性が損われ、また機械的強度も著
しく損われてしまうなどの欠陥を有している。
よつて、帯電防止性を有しながら、従来より高いレベル
の射出成形流動性、寸法安定性および機械的強度も同時
に兼備えた樹脂組成物を提供することを課題として鋭意
検討した結果、特定のカーボンブラツク、特定の黒鉛、
つまり鉛状黒鉛を比較的少量使用することにより、課題
が達成されることを見出し、本発明に到達した。
<問題点を解決するための手段> 本発明の目的は(a)ポリアミドイミド、ポリエーテル
イミドから選ばれる一種または二種以上の混合物からな
る射出成形可能な樹脂35〜90重量%、(b)DBP吸油量
が400ml/100g以上で、かつニツケルとバナジウムの合計
量が200ppm以下の導電性カーボンブラツク0.5〜3.0重量
%、(c)天然鱗状黒鉛2〜18重量%、(d)カルシウ
ム、マグネシウム、バリウムの炭酸塩、硫酸塩、リン酸
塩、珪酸塩あるいはタルク、マイカから選ばれる一種ま
たは二種以上の混合物からなる無機充填材5〜40重量%
とを含有し、かつ(b)および(c)成分の合計量を4
〜20重量%にすることを特徴とする帯電防止性、耐熱樹
脂組成物により達成された。
本発明が対象とする射出成形可能な樹脂とは下記2種の
化学構造式のいずれかを主成分とする耐熱性樹脂から選
ばれる一種または二種以上の混合物である。
(1) ポリアミドイミド 但し、Rは下記(イ)〜(ヘ)の群から選ばれる官能基
を示す。
(2) ポリエーテルイミド なお(1)〜(2)式のnおよびmは10〜1000なる整数
を示す。
これらの樹脂の配合量は成形流動性および機械的強度を
保つために、樹脂組成物中に35重量%以上必要とする。
一方、本発明の他成分による帯電防止性、寸法安定性の
付与のために該樹脂の配合量の上限は90重量%である。
次に本発明に使用する導電性カーボンブラツクは、DBP
吸油量が400ml/100g以上で、かつニツケルとバナジユム
の合計量が200ppm以下のものである。
一般的に使用されている導電性カーボンブラツク中のニ
ツケルとバナジユムの合計量は、1000ppmを超えている
のが通常であるが、本発明においては、200ppm以下の導
電性カーボンブラツクを使用することが重要であり、特
にバナジウム分80ppm以下、ニツケル分40ppm以下の範囲
にあることが好ましい。
この合計量が200ppmを超えると、カーボンブラツクの分
散性が低下すると共に、組成物の機械的強度の低下のみ
ならず、帯電防止効果の低下も著しい。
また、導電性カーボンブラツクの表面積も重要な基本条
件であり、DBP吸油量で表示すれば400ml/100g以上が必
要である。ここで云うDBP吸油量とはASTM−D2414−79に
規定された方法に従つて測定した吸油量を意味する。こ
のカーボンブラツクのDBP吸油量が400ml/100gより小さ
くなると、十分な帯電防止性の組成物を得るにはカーボ
ンブラツクを多量に添加せねばならず、その分最終組成
物としての成形性、機械的強度が損なわれるので好まし
くない。本発明が対象となる導電性カーボンブラツクに
ついては、DBP吸油量の上限は特に制限はないが、製造
上の都合から通常、750ml/100g以下のものが好ましく使
用される。
該カーボンブラツクの添加量は0.5〜3.0重量%の範囲に
あることが必要であり、さらに0.7〜2.5重量%が好まし
い。
上記導電性カーボンブラツクの添加量が0.5重量%より
少ないと、本発明対象の特定の黒鉛と併用しても実用で
きる範囲で帯電防止性を付与することが困難となり好ま
しくない。一方、3.0重量%より多くなると、組成物の
成形流動性および機械的強度を十分に保つことが困難に
なり好ましくない。
次に本発明に使用する黒鉛として、天然鱗状黒鉛である
ことが必要である。一般に工業材料としての黒鉛はコー
クス、タール、ピツチなどを高温で黒鉛化処理した人造
黒鉛と天然黒鉛に大別される。さらに天然黒鉛は産地に
より鱗状黒鉛と土状黒鉛に分類される。本発明者らは天
然鱗状黒鉛なる特定の黒鉛が次の理由によつて特に優れ
ていることを見い出した。
(1) 人造黒鉛および土状黒鉛に比べ高い帯電防止効
果を与える。
(2) 本発明に適用される導電性カーボンブラツクの
分散を高める効果が最も高いため、カーボンブラツク添
加による成形性、機械的強度の低下を著しく軽減する。
本発明においては天然鱗状黒鉛の粒度は特に制限されな
いが、検鏡測定法による平均粒径が0.8〜12μのものが
比較的好ましい。
また該黒鉛の添加濃度は2〜18重量%の範囲にあること
が必要である。2重量%未満では黒鉛自体による帯電防
止性増大効果はもとより、導電性カーボンブラツクの分
散性を十分に高めることも困難である。
一方、18重量%を越えると導電性カーボンブラツクが0.
5重量%未満でも黒鉛自体によつて、十分高い帯電防止
性が付与されるが、射出成形における配向の影響を増大
せしめ、成形品の寸法安定性を低下させるので好ましく
ない。この影響は例えば、成形品の線膨張係数が樹脂組
成物の流れ方向と流れと垂直方向との差が大きくなるか
たちで現われ、高い寸法精度を要求する精密成形品の実
用的価値を損なわしめる。
さらに本発明が対象とする導電性カーボンブラツクと天
然鱗状黒鉛の合計量については4〜20重量%の範囲にあ
ることが必要である。該合計量が4重量%未満である場
合において、カーボンブラツクの占める割合が少ない場
合は、帯電防止性が不十分であり、カーボンブラックの
占める割合が多い場合は帯電防止性が十分でも、黒鉛が
少な過ぎるためにい導電性カーボンブラツクの分散性が
悪く、射出成形性および機械的強度が著しく損なわれ
る。また該合計量が20重量%を越すと、射出成形におけ
る配向の悪影響が増大し、かつ成形品の機械的強度レベ
ルも大巾に低下するので好ましくない。
次に、本発明の樹脂組成物の第4成分として、カルシウ
ム、マグネシウム、バリウムの炭酸塩、硫酸塩、リン酸
塩、珪酸塩あるいはタルク、マイカから選ばれる一種ま
たは二種以上の混合物からなる無機充填材を5〜40重量
%必要とする。本発明の樹脂組成物においてはかかる無
機充填材は射出成形品に高い寸法安定性を与えるために
必要である。また、かかる無機充填材は導電性カーボン
ブラツクと黒鉛の帯電防止効果を高める作用がある他、
剛性や耐熱性を高める点でも作用である。これら無機充
填材の添加量は要求性能に応じて適当に決める必要があ
るが、一般には5〜40重量%の範囲が必要である。5重
量%未満では寸法安定化効果は乏しく、また40重量%を
越えると機械的強度の維持は困難となる。
また、かかる無機充填材の粒径は特に制限はないが、多
くの場合50μ以下の平均粒径のものが好適である。
さらに当然ながら、本発明の樹脂組成物においては、上
記4成分の他に、適当な他の充填材、熱安定剤を添加し
て、強化、熱膨張抑制、摺動性増大、耐熱性向上、寸法
安定化増大等の効果を与えることができる。この追加添
加され得る充填材としては、特に限定しないが耐熱性の
優れた繊維材料や固体微粉末が有効である。繊維材料と
しては硝子繊維、カーボン繊維、スチール繊維、黄銅繊
維、チタン酸カリウムウイスカー等の耐熱、耐久性の優
れたものが用いられる。また、固体微粉末としては、コ
ロイダルシリカ、石英粉末、二硫化タングステン、二硫
化モリブデン、窒化ホウ素、フエライト粉末、マグネタ
イト粉末等が用いられる。これら充填材のうちカーボン
繊維、スチール繊維、黄銅繊維は帯電防止性の面から導
電性カーボンブラツクおよび黒鉛を本発明の添加範囲内
において減少させ得る効果がある。
また、本発明の樹脂組成物に対して、少量であれば、ポ
リサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリアリルサルホ
ン、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、射
出成形可能なポリイミドなどの公知の熱可塑性重合体を
併用してもよい。
本発明の樹脂組成物は以上記述した成分原料を混合、混
練することによつて得られる。混練には通常の方法、例
えばバンバリーミキサー等によるバッチ式混練で混練後
粉砕するか、あるいはヘンシエルミキサーでドライブレ
ンド後、押出機で連続的に混練押出してペレツトに成形
するか、または粉砕して不定形粒状にする方法が採用で
きる。
<実施例> 次に実施例により詳細に説明する。
実施例および比較例に記す体積固有抵抗および線膨張率
の等方性の測定方法は次のとおりである。
(1) 体積固有抵抗 東亜エレクトロニクス(株)製のウルトラメゴームメー
ター、SM−10E型を用いて、射出成形した直径40mm、厚
さ3mmの円板を面荷重5kg/cm2、加電圧1000V、雰囲気23
℃、60%RHで測定する。
(2) 線膨張率の等方性 フイルムゲートの金型で射出整形したサイズ30mm角、厚
さ3mmの平板の中央部分から断面3mm角、長さ16mmの角柱
を樹脂の流れ方向と流れと直角方向に切出す。(1枚の
平板からテストピース1本作成)このテストピースの長
さ方向の線膨張率を理学電機製の熱機械解析装置(TM
A)を用いて、昇温温度1゜K/min、測定温度範囲30〜80
℃の条件で測定する。線膨張率の等方性は樹脂の流れ方
向の線膨張率と流れと直角方向の線膨張率との差で表示
し、この差が小さい程、寸法安定性が大きいと判定す
る。
なお実施例1〜7、比較例1〜8の組成を表−1に、そ
の物性測定結果を表−2に、実施例8〜19、比較例9〜
14の組成を表−3に、その物性測定結果を表−4にそれ
ぞれ示した。
実施例1 次の化学構造式で示されるポリアミドイミド(PAI)粉
3.5kgとDBP吸油量480ml/100g、ニツケル分15ppm、バナ
ジウム分50ppmなる導電性カーボンブラツク(ライオン
アクゾ製、EC−DJ600)0.15kgと天然鱗状黒鉛(CP、日
本黒鉛工業製)1.5kgと炭酸カルシウム粉末(KSS−100
0、金平鉱業製)2.4kgとガラス繊維(チヨツプド・スト
ランド、TN−101、日本硝子電気製)2.45kgとを50の
ドラムタンブラーで10分間均一に混合した後、45m/mφ
2軸押出機(PCM−45、池貝鉄工製)を用いて、シリン
ダー温度335℃設定、スクリユー回転数80rpmで混練押出
し、ホツトカツトにてペレツト状にした。得られたペレ
ツトを75TON射出成形機(サイキヤツプ、住友重機械工
業製)でシリンダー温度328℃、金型温度160℃、射出圧
力1000kg/cm3の条件により、体積固有抵抗試験片(直径
40mm、厚さ3mm円板)、1号ダンベル(ASTM−D−63
8)、曲げ弾性率測定試験片(130mm×12.4mm×3mm)、
線膨張率測定試験片(30mm×30mm×3mm、正方形板)を
成形し、帯電防止性能として体積固有抵抗(Rv)を、強
度として引張強度(TS)、および曲げ弾性率(FM)を、
寸法安定性の目安として線膨張等の等方性(ELE)を測
定した。表−1に示すごとく得られた組成物は成形流動
性が実用上可であり、Rvは平均値8×104Ω・cmを示
し、バラツキ範囲(n=50)7×104〜9×104Ω・cmで
実用上十分に均一であり、TS800kg/cm2、FM22×104kg/c
m2、ELE0.02×10-5/℃を示し、帯電防止性に優れ、かつ
強度、寸法安定性も成形材料として充分なものであつ
た。
実施例2 実施例1において、PAI配合量、炭酸カルシウム添加量
およびガラス繊維配合量を表−1に示すごとくに変えて
組成物を得、実施例1と同様に試験した。結果を表−2
示すごとく、成形材料として十分なものであつた。
実施例3 実施例1においてPAIを9.0kgに、黒鉛を0.35kgに、炭酸
カルシウムを0.5kgに変更し、かつガラス繊維無添加と
した以外は実施例1と同様に試験したところ、表−2に
示すごとく、成形流動性が良く、帯電防止性、強度、寸
法安定性も成形材料として充分なものであつた。
比較例1 実施例1においてPAI配合量を3.0kg、炭酸カルシウム2.
7kg、ガラス繊維2.65kgに変えた場合、タンブラーで混
合した配合物を、2軸押出機のシリンダー温度を345℃
に高く設定して、ようやくホツトカツトにてペレツト状
になるも、テストピースの射出成形の流動性が悪く、成
形不可であつた。
比較例2 実施例1においてPAI配合量を9.2kg、導電性カーボンブ
ラツク0.10kg、黒鉛0.20kg、炭酸カルシウム0.5kg、ガ
ラス繊維無添加に、それぞれ変えた場合の組成物は表−
2に示すごとくRvのバラツキ範囲が大きく、かつELEが
大きいため、寸法安定性も悪く、成形材料として実用的
価値の乏しいものであつた。
実施例4 下記化学構造式のPAI粉末7.0kgとDBP吸油量420ml/100
g、ニツケル分40ppm、バナジウム分140ppmなる導電性カ
ーボンブラツク0.2kgと天然鱗状黒鉛(CSP、日本黒鉛工
業製)0.8kgと硫酸カルシウム二水和物(半井化学薬品
製)の微粉末2.0kgとを50のドラムタンブラーで10分
間均一に混合した後、以下、実施例1と同条件で混練押
出し、成形、評価を行つた。
結果は表−2に示すごとく、得られた組成物は帯電防止
性に優れ、強度レベル、寸法安定性も高く実用価値の高
いものであつた。
比較例3 実施例4において、導電性カーボンブラツクのDBP吸油
量を350ml/100gに変えた以外は実施例4と同様に混練り
押出し、各試験片を成形し、測定した。結果は表−2に
示すごとく、帯電防止性は一応認められるもののバラツ
キが大きく、実用上不満足なものであつた。
比較例4 実施例4において導電性カーボンブラツク中のニツケル
とバナジウムの合計量を3000ppmに変えた以外は実施例
4と同様に試験した。結果を表−2に示すごとく、カー
ボンブラツクの分散性が悪いために成形流動性が悪く、
体積固有抵抗のバラツキが大きく、寸法安定性も低いも
のであつた。
実施例5 実施例1においてPAI配合量を8.0kg、導電性カーボンブ
ラツク添加量を0.05kg、黒鉛を1.0kg、炭酸カルシウム
2.4kgをタルク(MST、竹原化学製)0.95kg、ガラス繊維
を無添加に、それぞれ変えた以外は実施例1と同様に試
験した。評価結果を表−2に示す。帯電防止性はやや低
いが、バラツキが少ないために実用範囲にあり、強度レ
ベルおよび寸法安定性は充分なものであつた。
実施例6 実施例5において導電性カーボンブラツクを0.30kg、タ
ルク配合量を0.70kgにそれぞれ変えた他は実施例5と同
様に試験した。表−2に示すごとく、得られた組成物は
帯電防止性と寸法安定性に優れ、成形流動性、強度も実
用上問題ないものであつた。
比較例6 実施例5において導電性カーボンブラツク添加量を0.35
kg、黒鉛を1.35kg、タルク配合量を6kgにそれぞれ変え
た以外は実施例5と同様に試験したところ、成形流動性
が悪く強度も著しい低いものであつた。
実施例7 実施例1において、PAI配合量は8.0kg、導電性カーボン
ブラツク添加量を0.10kg、黒鉛添加量を1.0kg、炭酸カ
ルシウム2.4kgをマイカ(スゾライト・マイカ325−HK、
マリエツタリソースインターナシヨナル社製)0.9kg、
ガラス繊維配合量を無添加にそれぞれ変えた他は実施例
1と同様に試験した。結果を表−2に示すごとく、成形
製、帯電防止性、強度、寸法安定性が成形材料として充
分満足すべきものであつた。
比較例7および8 実施例7においても、黒鉛の種類を天然土状(AP、日本
黒鉛工業製)あるいは人造黒鉛粉末(日本カーボン製SE
G−RH丸棒の粉砕品)に変えた他は実施例7と同様に試
験し、結果を表−2に示す。いずれの組成物も帯電防止
性が低く、線膨張率の等方性からみて精密成形用の組成
物としては寸法安定性が不十分であつた。
実施例8 実施例5において、PAI配合量を7.5kg、導電性カーボン
ブラツク添加量を0.25kg、黒鉛添加量を0.20kg、タルク
0.95kgをリン酸カルシウム(第三)(半井化学薬品製)
の微粉末2.05kgに、それぞれ変えた他は実施例5と同様
に試験した。表−4に示すごとく、得られた組成物は帯
電防止性および寸法安定性に優れ、成形流動性および引
張強度も実用に耐えるものであつた。
実施例9 実施例5において、PAI配合量を7.5kg、導電性カーボン
ブラツク添加量を0.20kg、黒鉛添加量を1.8kgに、タル
ク0.95kgを炭酸マグネシウム(塩基性)(半井化学薬品
製)の粉末0.50kgに、それぞれ変えた他は実施例5と同
様に試験した。得られた組成物は表−4に示すごとく、
物性バランスに優れ、成形材料として充分なものであつ
た。
比較例9 実施例8において、黒鉛を0.15kg、リン酸カルシウム
(第三)の配合量を2.1kgに、それぞれ変えた他は実施
例8と同様に実施した。この結果、表−4に示すごと
く、導電性カーボンブラツクの分散性が悪いために体積
固有抵抗値のバラツキが大きく、寸法安定性も不充分な
ものであつた。
比較例10 実施例9において導電性カーボンブラツク添加量を0.10
kg、黒鉛添加量を1.9kgに、それぞれ変更した他は実施
例9と同様に実施した。得られた組成物は流動性が良好
なるも、線膨張率の等方性が低いため、成形材料として
は不充分なものであつた。
実施例10 実施例8において、導電性カーボンブラツクを0.15kg
に、黒鉛添加量を0.25kgに、リン酸カルシウム粉末2.05
kgを炭酸バリウム粉末(半井化学薬品製)2.10kgに、そ
れぞれ変更した他は実施例と同様に試験した。得られた
組成物は表−4に示すごとく、成形材料として満足なも
のであつた。
実施例11 実施例10において、PAI配合量を6.5kg、導電性カーボン
ブラツク添加量(B)を0.20kgに、黒鉛添加量(C)を
1.8kgに、炭酸バリウム粉末2.10kgを硫酸マグネシウム
無水物(半井化学薬品性)の粉末1.50kgに、それぞれ変
更した他は実施例10と同様に試験した。表−4に結果を
示すごとく、得られた組成物は帯電防止性に優れ、強度
レベル、寸法安定性も問題ないものであつた。
比較例11 実施例10において、導電性カーボンブラツク添加量
(B)を0.050kgに、黒鉛添加量(C)を0.20kg
((B)+(C)0.25kg)に、炭酸バリウム粉末を2.25
kgに、それぞれ変えた他は実施例10と同様に試験した。
得られた組成物は表−4に示すごとく帯電防止性が不十
分であつた。
比較例12 実施例11において、導電性カーボンブラツク添加量
(B)を0.30kg((B)+(C)2.1kg)に、硫酸マグ
ネシウム粉末を1.40kgに変更した他は実施例11と同様に
実施した。得られた組成物は表−4に示すごとく、帯電
防止性が優れるも、強度レベルおよび寸法安定性も低
く、成形材料として不充分なものであつた。
実施例12〜16 実施例5において、導電性カーボンブラツクを0.15kg、
黒鉛添加量を0.65kgに、第4成分として、半井化学薬品
製の硫酸バリウム粉末(実施例12)、リン酸マグネシウ
ム(第一)粉末(実施例13)、リン酸バリウム(メタ)
粉末(実施例14)、ケイ酸カルシウム粉末(実施例1
5)、ケイ酸マグネシウム粉末(実施例16)のいずれか
を1.20kgに、それぞれ変更した他は、実施例5と同様に
試験した。結果を表−4に示すごとく、得られた組成物
はいずれも物性バランスよく、射出成形材料として充分
なものであつた。
実施例17 実施例10において、PAI配合量を8.7kgに、黒鉛添加量を
0.65kgに、炭酸バリウム2.1kgを炭酸カルシウム粉末0.5
0kgに、それぞれ変更した他は実施例10と同様に実施し
たところ、得られた組成物は表−4に示すごとく、物性
バランスに優れ、成形材料として満足なものであつた。
比較例13 実施例17において、、PAIを8.9kgに、炭酸カルシウム添
加量を0.30kgに、それぞれ変えた他は実施例17と同様に
試験したところ、表−4に示すごとく、寸法安定性が悪
く、成形材料として不充分なものであつた。
実施例18 実施例17において、PAI配合量を5.2kgに、炭酸カルシウ
ム添加量を4.0kgに、それぞれ変更した他は実施例17と
同様に実施した。表−4に示すごとく、得られた組成物
は帯電防止性、強度が十分で、かつ寸法安定性にとくに
優れ、成形材料として好ましいものであつた。
比較例14 実施例18において、PAI配合量を4.7kgに、炭酸カルシウ
ム添加量を4.5kgに、それぞれ変更した他は実施例18と
同様に試験したところ、表−4に示すごとく、強度レベ
ルが成形材料として不充分なものであつた。
実施例19 下記化学構造式を有するポリエーテルイミド粉末5.5kg
とDBP吸油量480ml/100g、ニツケル分15ppm、パナジウム
分50ppmなる導電性カーボンブラツク(ライオンアクゾ
製、EC−DJ600)0.20kgと天然鱗状黒鉛(CSP、日本黒鉛
工業製)1.0kgとタルク粉末(MST、竹原化学製)0.8kg
とガラス繊維(チヨツプド・ストランド、TN−102、日
本硝子電機製)2.5kgとを50のドラムタンブラーで10
分間均一に混合した後、30m/mφ2軸押出機(PCM−30、
池貝鉄工製)を用いてシリンダー温度350℃設定、スク
リユー回転数70rpmで混練押出し、ホツトカツトにてペ
レツト状にした。得られたペレツトを75TON射出成形機
(サイキヤツプ、住友重機械工業製)でシリンダー温度
365℃、金型温度95℃、射出圧力1050kg/cm3の条件によ
り、実施例1と同じテストピースを成形し測定した。
表−4に示すごとく得られた組成物は成形流動性、帯電
防止性、強度および寸法安定性について、バランスよ
く、いずれも十分なレベルに保たれており、成形材料と
して優れたものであつた。
<発明の効果> 本発明により、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド
の機械的強度の低下を少なくして、かつ高い帯電防止性
と優れた寸法安定性を有する樹脂組成物を得ることがで
きるので、従来の耐熱性帯電防止性樹脂組成物の場合と
は異なり、特に精密射出成形用材料として優れた組成物
を提供できる。従つて、本発明の樹脂組成物は種種の用
途に適用することができる。例えば、VTR、ビデオデイ
スク、コンパクトデイスク等における光・磁気応用機
器、またOA機器やその他一般工業用機器等の摺動部品に
おいて、帯電防止性が要求される種々のメカ部品用成形
材料として、さらに特殊な用途では複写機の紙分離ツメ
用成形材料など、多くの分野において利用することがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 3/34

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ポリアミドイミド、ポリエーテルイ
    ミドから選ばれる一種または二種以上の混合物からなる
    射出成形可能な樹脂35〜90重量% (b)DBP吸油量が400ml/100g以上で、かつニッケルと
    バナジュウムの合計量が200ppm以下の導電性カーボンブ
    ラック0.5〜3.0重量% (c)天然鱗状黒鉛2〜18重量% (d)カルシウム、マグネシウム、バリウムの炭酸塩、
    硫酸塩、リン酸塩、珪酸塩あるいはタルク、マイカから
    選ばれる一種または二種以上の混合物からなる無機充填
    材5〜40重量% とを含有し、かつ(b)および(c)成分の合計量を4
    〜20重量%にすることを特徴とする帯電防止性樹脂組成
    物。
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