JP2952294B2 - ポリエーテルケトン系樹脂組成物 - Google Patents

ポリエーテルケトン系樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、エンジニアリングプラスチック材料とし
て優れた特性を有するポリエーテルケトン系樹脂組成物
に関する。
〔従来の技術〕
従来、ポリエーテルケトン樹脂は、耐熱性、難燃性、
耐薬品性などに優れたエンジニアリングプラスチック材
料として、特に電気・電子機器類、自動車等の車輌機器
類などの分野において使用されて来た。しかしこの樹脂
は、非粘着性、摺動特性、高温剛性が満足できるもので
なく、これらの特性が要求される複写機等の事務機器類
の分野においては、適用できるものでなかった。また、
ポリエーテルケトン樹脂に対して、ポリテトラフルオロ
エチレン、ポリテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオ
ロプロピレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン−
パーフルオロプロピレン共重合体などのフッ素樹脂を添
加することによる非粘着性および摺動特性の改良の試み
がなされている。この場合、充分な非粘着性および摺動
特性を前記樹脂組成物に付与するためには、前記したフ
ッ素樹脂をかなり多く添加する必要があるが、あまり過
量のフッ素樹脂を添加すると、樹脂組成物の具備すべき
機械的強度、特に高温剛性が維持できなくなる。この欠
点を補うためにガラス繊維や炭素繊維などの繊維状強化
剤を併用することも考えられるが、前記した充分な強度
を保持するためには、これらを相当多量に添加せざるを
得ず、その場合には、繊維状強化剤の配向に基づく異方
性やそりが発生したり、摺動時に相手材が損傷し易く充
分な潤滑性が得られないという問題が新たに生ずる。
〔発明が解決しようとする課題〕
このように従来の技術においては、優れた耐熱性、難
燃性、耐薬品性などに加えて非粘着性に優れ、高温で機
械的強度が大きく、しかも摺動特性に優れたポリエーテ
ルケトン系樹脂組成物は得られていないという問題があ
り、これらを解決することが課題となっていた。
〔課題を解決するための手段〕
上記の問題を解決するため、この発明はポリエーテル
ケトン樹脂100重量部に対して、3,3,3−トリフルオロ−
2−トリフルオロメチルプロペンと1,1−ジフルオロエ
チレンとの共重合体を10〜90重量部添加してポリエーテ
ルケトン系樹脂組成物とする手段を採用したものであ
る。以下その詳細を述べる。
まず、この発明で用いるポリエーテルケトン樹脂は、 一般式 -CO-Ar1-CO-Ar2 (式中、Ar1およびAr2は、ポリマー主鎖の一部を形成す
るジアリールエーテル結合を少なくともその一つが有す
る芳香族残基であり、Ar1およびAr2は芳香族炭素原子を
介してカルボニル基に共有結合している。) で示される繰り返し単位を単独で、またはこの繰り返し
単位と、 など で示される他の繰り返し単位とが、ポリエーテルケトン
樹脂本来の特性が失われない範囲で、具体的には50モノ
マー%未満の量程度に共存した重合体である。そして、
好適なポリエーテルケトン樹脂としては、 などの繰り返し単位を有するものをあげることができ、
これらは、たとえば英国アイ・シー・アイ社から、ビク
トレックス(VICTREX)−PEEKまたはビクトレックス(V
ICTREX)−PEKとして市販されている。なお、ポリエー
テルケトンの製造方法は特開昭54−90296号公報などに
開示されている。
つぎに、この発明に用いられる3,3,3−トリフルオロ
−2−トリフルオロメチルプロペンと1,1−ジフルオロ
エチレンとの共重合体は、式(I) で示される繰り返し単位が単独で、またはこの繰り返し
単位と共にCH2CF2で示される繰り返し単位とが(I)式
の共重合体本来の特性が失われないように、20モノマー
%未満の割合で共存する共重合体である。3,3,3−トリ
フルオロ−2−トリフルオロメチルプロペンと1,1−ジ
フルオロエチレンとの共童合体の製造方法は、特公昭49
−32785号公報などに開示されているように、3,3,3−ト
リフルオロ−2−トリフルオロメチルプロペンと1,1−
ジフルオロエチレンとを所定溶媒中で共重合することか
ら製造され、その場合、両物質の配合モル比は、1:9か
ら9:1の範囲とし、約−15℃から約80℃の温度範囲で共
重合させる。このような共重合体としては、たとえば、
米国アウジモント社製:CM−Xを挙げることができる。
以上述べたポリエーテルケトン樹脂および3,3,3−ト
リフルオロ−2−トリフルオロメチルプロペンと1,1−
ジフルオロエチレンの共重合体を配合するにあっては、
ポリエーテルケトン樹脂100重量部に対してこの共重合
体を10〜90重量部配合する。なぜなら10重量部未満の少
量では、優れた非粘着性、摺動特性が得られず、90重量
部を越える多量では、高温剛性や機械的強度が非常に低
くなるためである。
なお、この発明の樹脂組成物には、一般の合成樹脂に
対して配合し得る汎用の充填材をこの発明の目的を阻害
しない範囲の量で適宜配合することができる。このよう
な充填材の具体例としては、シリコーン樹脂、ポリエー
テルサルホン樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリイミ
ド樹脂等の耐熱性高分子材料、耐熱性繊維補強材(たと
えば、ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、チタ
ン酸カリウムホイスカー、ウォラストナイト、セラミッ
ク繊維、マグネシウムホイスカー、ホウ酸アルミニウム
ホイスカー、鋼線、銅線、ステンレス銅線、炭化ケイ素
繊維その他の耐熱性無機質繊維または芳香族アミドなど
の耐熱性有機繊維)、熱伝導性改良材(グラファイト、
亜鉛、アルミニウム等の金属または酸化マグネシウム、
酸化亜鉛等の無機化合物の粉末)、断熱性向上剤(ガラ
スビーズ、シリカバルーン、珪藻土、炭酸マグネシウム
粉末、石綿等)、潤滑性向上剤(二硫化モリブデン、グ
ラファイト、カーボン、マイカ、タルク等の固体潤滑
材)、着色材(酸化鉄、硫化カドミニウム、セレン化カ
ドミニウムその他の無機顔料、カーボンブラック等)を
例示することができる。
この発明における上記した諸原料の配合、加熱、混合
などの諸操作は、特に限定されるものではなく、たとえ
ば、ヘンシェルミキサー、タンブラーミキサー等の混合
機によって乾式混合した後に、直接、射出成形機や溶融
押出機に供給して成形してもよく、また、熱ロール、ニ
ーダー、溶融押出機などで溶融混合してもよい。このと
きの溶融温度は300〜400℃、好ましくは、320〜380℃が
適当である。この発明の組成物を成形するにあたって
は、その方法を特に限定するものではなく、圧縮成形、
押出成形、射出成形などが可能である。また、この発明
の樹脂組成物は、溶融混合した後、ジェットミル、冷凍
粉砕機等によって粉砕し、そのままもしくは所望の粒径
毎に分級した粉末とし、この粉末を用いて、流動浸漬塗
装、静電粉体塗装などを行うことができる。
〔作用〕
この発明におけるポリエーテルケトン系樹脂組成物
は、射出成形その地の手法で成形されると成形体表層部
に、3,3,3−トリフルオロ−2−トリフルオロメチルプ
ロペンと1,1−ジフルオロエチレンとの共重合体である
フッ素樹脂が高密度に分布するようになり、非粘着性お
よび優れた潤滑性、耐摩耗性を示すと共に、このフッ素
樹脂の強度、剛性によって、成形体全体が優れた強度お
よび高温剛性を示すようになると推定される。
〔実施例〕
実施例および比較例に使用した原材料を一括して示す
とつぎのとおりである。なお、〔 〕内に略号を記人
し、また配合割合はすべて重量部である。
ポリエーテルケトン樹脂(英国アイ・シー・アイ社
製:ビクトレックス−PEEK 450P)〔PEEK〕 ポリエーテルケトン樹脂(英国アイ・シー・アイ社
製:ビクトレックス−PEK 220G)〔PEK〕 3,3,3−トリフルオロ−2−トリフルオロメチルプ
ロペンと1,1−ジフルオロエチレンの共重合体(米国ア
ウジモント社製:CM−X)〔CM−X〕 ポリテトラフルオロエチレン(三井デュポンフロロ
ケミカル社製:テフロン 7J)〔PTFE〕 ポリテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロ
ピレン共重合体(三井デュポンフロロケミカル社製:FER
100)〔FEP〕 ポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロプロピ
レン共重合体(三井デュポンフロロケミカル社製:PFA−
340J)〔PFA〕 グラファイト(日本黒鉛社製:ACP)〔GRP〕 実施例1〜5 第1表に示す配合割合で配合し、よく混合した諸原料
を二軸溶融押出機(池貝鉄工社製:PCM−30)に供給し、
シリンダー温度365℃、スクリュー回転数100rpmの条件
で溶融混合すると共に、押出し造粒した。得られたペレ
ットをシリンダー温度380℃、射出圧1200kg/cm2、金型
温度200℃の条件下で射出成形し、摩擦摩耗試験片(内
径17mm、外径21mm、長さ10mm)および曲げ試験片(ASTM
−D790に準拠)、引張り弾性率試験片(幅4mm、長さ25m
m、厚さ1mm)及び接触角試験片(直径10mm、厚さ3mm)
を作製した。得られた試験片に対する各試験方法はつぎ
のとおりである。
1)摩擦摩耗試験 スラスト型摩擦摩耗試験機により相手材を軸受鋼(SU
J2)とし、滑り速度毎分32m、荷重6.25kg/cm2の条件の
もとに摩擦係数および摩耗係数(cm3kg・m)を求め
た。
2)曲げ強度試験 ASTM−D790に準拠する方法を用いた。
3)引張り弾性率試験(弾性率の保持率) 東洋精機製作所製の動的粘弾性測定装置を用いて周波
数10Hzで引張り応力を加え、温度変化に対する引張り弾
性率の変化を25℃および200℃で求めた。
4)非粘着性(水に対する接触角)試験 エルマ光学社製ゴニオメータ式接触角測定器G−I型
を用いて水に対する接触角を求めた。
比較例1〜5: 諸原料を第1表に示す配合割合で混合した以外は、実
施例1と全く同じ操作を行なって試験片を作製して前記
各試験を行ない、得られた結果を第1表に併記した。
この表から実施例1〜5は、曲げ強度、引張り弾性率
にも優れると共に、非粘着性が著しく優れており、また
摺動性、耐摩耗性に大変優れている。これに対して、CM
−Xを添加していない比較例1は、非粘着性、摺動性
(摩擦係数)、耐摩耗性の点で劣っていた。また、添加
されるフッ素樹脂がそれぞれPTFE、FEP、PFAである比較
例2〜4は、曲げ強度が小さく、また、高温剛性(200
℃における引張り弾性率)に劣り、潤滑性、耐摩耗性も
あまり良くない。さらに、フッ素樹脂(CM−X)を用い
ているが、添加量が過量(100重量部)の比較例5は、
曲げ強度、高温剛性に劣り、耐摩耗性もあまり良くなか
った。
〔効果〕
この発明のポリエーテルケトン系樹脂組成物は、ポリ
エーテルケトン樹脂本来の優れた機械的、熱的、電気的
特性を損なうことなく非粘着性に優れ、しかもきわめて
好ましい摺動特性を発揮するので、高温下で使用される
摺動部材として最適である。したがって、その優れた非
粘着性を活かして、潤滑および非粘着性を必要とする用
途、たとえば、付着性の強いトナーに接触する複写機内
の軸受、ヒートローラや感光体のような回転体から複写
紙を剥離する爪部材などの格好の素材になり、この発明
の意義はきわめて大きいといえる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエーテルケトン樹脂100重量部に対し
    て、3,3,3−トリフルオロ−2−トリフルオロメチルプ
    ロペンと1,1−ジフルオロエチレンとの共重合体を10〜9
    0重量部添加したことを特徴とするポリエーテルケトン
    系樹脂組成物。
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