JP2005048009A - フェノール樹脂成形材料 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の黒鉛を使用したフェノール樹脂成形材料の持つ耐摩耗性等を維持しつつ、寸法精度に優れていて、自動車用部品、汎用機械用部品、家庭電化製品用部品、OA機器及びその周辺機器用部品等に好適に用いられるフェノール樹脂成形材料を提供する。
【解決手段】フェノール樹脂、黒鉛、繊維長が実質的に10〜150μmであり、平均繊維長が50〜100μmのガラス繊維、及び粒径が実質的に0.1〜15μmであり平均粒径が0.5〜10μmの無機粉末を含有する材料を加熱混練してなることを特徴とするフェノール樹脂成形材料であり、その配合割合は、成形材料全体に対して、フェノール樹脂20〜40重量%、黒鉛5〜40重量%、前記ガラス繊維10〜40重量%、及び前記無機粉末が5〜40重量%である。
【選択図】 なし
【解決手段】フェノール樹脂、黒鉛、繊維長が実質的に10〜150μmであり、平均繊維長が50〜100μmのガラス繊維、及び粒径が実質的に0.1〜15μmであり平均粒径が0.5〜10μmの無機粉末を含有する材料を加熱混練してなることを特徴とするフェノール樹脂成形材料であり、その配合割合は、成形材料全体に対して、フェノール樹脂20〜40重量%、黒鉛5〜40重量%、前記ガラス繊維10〜40重量%、及び前記無機粉末が5〜40重量%である。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フェノール樹脂成形材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、耐摩耗性に優れ且つ動摩擦係数が低いフェノール樹脂成形材料を得る手段として固体潤滑剤である黒鉛が用いられる。黒鉛は優れた耐摩耗性と摺動特性を発現するが、反面機械的強度に劣ることから、ガラス繊維と併用し機械的強度を付与している。一般的に成形材料に用いられるガラス繊維は、繊維長1〜6mmのチョップドストランドが主流であり、その繊維長は成形材料中或いは成形体中において平均繊維長150〜350μmで存在する。このため機械的強度は向上するものの、繊維の配向の影響により寸法において異方差を生じやすいことから、寸法精度や寸法のばらつきに劣るという欠点があった。このため耐摩耗性、摺動特性に加え寸法精度の要求されるコンプレッサーやポンプのベーン或いは軸受け用には不向きであった。
【0003】
また、成形体中にガラス繊維が存在することにより、摺動時、ガラス繊維自身が摩擦界面において砕け、相手材を攻撃する、成形体自体の樹脂部分をガラス繊維の破片が削り取り成形体を摩耗させるといった悪影響があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、上記の点について鋭意検討を行った結果、機械的強度を保持しつつ、寸法精度が良好で、寸法ばらつきが小さく、かつ耐摩耗性に優れたフェノール樹脂成形材料を見出した。
即ち、本発明は、ガラス繊維を用いた上で、従来技術では難しかった耐摩耗性及び寸法精度に優れたフェノール樹脂成形材料を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、下記(1)〜(2)記載の本発明により達成される。
(1) フェノール樹脂、黒鉛、繊維長が実質的に10〜150μmであり、平均繊維長が50〜100μmのガラス繊維、及び粒径が実質的に0.1〜15μmであり平均粒径が0.5〜10μmの無機粉末を含有する材料を加熱混練してなることを特徴とするフェノール樹脂成形材料。
(2) 成形材料全体に対して、フェノール樹脂20〜40重量%、黒鉛5〜40重量%、前記ガラス繊維10〜40重量%、及び前記無機粉末5〜40重量%を含有する材料を加熱混練してなる請求項1記載のフェノール樹脂成形材料。
【0006】
本発明において、用いられるフェノール樹脂は、ノボラック型フェノール樹脂(以下、ノボラック樹脂という)、レゾール型フェノール樹脂(以下、レゾール樹脂という)があるが、特に限定されるものではない。これらは、単独或いは併用して用いることができるが、ノボラック樹脂の場合、通常硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを使用する。ヘキサメチレンテトラミンの配合量は、ノボラック樹脂100重量部に対し、10〜20重量部が好ましい。一方、レゾール樹脂は、自硬化性の樹脂であるため、ノボラック樹脂と異なりヘキサメチレンテトラミンを用いることなく硬化させることができる。
【0007】
フェノール樹脂(ヘキサメチレンテトラミンを用いる場合これを含む)は、成形材料全体に対して、通常20〜40重量%である。フェノール樹脂が20重量%未満であると、流動性が低下するため、成形材料の生産が困難となること、成形が困難になるといった問題が生じることがある。40重量%を越えると成形収縮や後収縮による寸法変化が大きくなり、寸法精度の低下や寸法ばらつきの増大に繋がることから所定の成形体寸法を維持することが難しい場合がある。
【0008】
本発明には基材として黒鉛を用いる。黒鉛としては天然黒鉛、人造黒鉛の何れも使用することができる。またその形状は、粒状、鱗片状などいずれも使用できる。黒鉛は、優れた固体潤滑剤であり、特に摩擦係数を低下させる効果が大きい。本発明においては、黒鉛を、成形材料全体に対して、好ましくは5〜40重量%、さらに好ましくは20〜40重量%配合する。前記下限値を下回ると、十分な低摩擦係数が得られないことがあり、耐摩耗特性の向上が不十分となる場合がある。また、前記上限値を上回ると、ガラス繊維による機械的強度向上効果を低下させる場合がある。
【0009】
本発明においては、基材としてガラス繊維を用いる。ガラス繊維は、実質的に繊維長150μm以下で平均繊維長50〜100μmのミルドファイバーを用いる。ガラス繊維を併用することにより、機械的強度を向上させることができる。150μmを越えるものが多くなると、配向性が出るため流れ方向と直交方向で寸法の異方差が生じ易くなり寸法精度が低下する要因となる。ただし、繊維長10μm未満のものが多いと、充分な機械的強度を得ることが難しくなる。また、平均繊維長は50〜100μmが好ましい。平均繊維長が50μm未満では成形材料の生産時せん断力が弱くなり十分に混練されにくくなる。100μmを越えると成形時の流動性が低下してくる。ガラス繊維の配合割合は、成形材料全体に対して、好ましくは10〜40重量%であり、さらに好ましくは10〜25重量%である。これにより、耐摩耗特性と機械的強度とをともに良好とすることができる。前記下限値を下回るとその配合効果が小さく、前記上限値を上回る量を配合すると耐摩耗性が低下するようになる。
【0010】
本発明において、基材として無機粉末を用いる。無機粉末としては、焼成されたカオリナイト、焼成クレー、タルク、シリカ、ガラス粉末、ガラスビーズ、炭酸カルシウム、ウォラストナイト等の通常のフェノール樹脂成形材料に用いられる粉末或いは粒状のものを単独或いは併用して用いることができる。これら無機粉末基材は、成形の際、流動時に配向がなく、成形収縮や後収縮が均一となり、良好な寸法精度、寸法安定性を確保することが可能となる。更に無機粉末は、ガラス繊維とフェノール樹脂との間に入り込み、最密充填されることから摩擦時のフェノール樹脂の脱落を抑え、耐摩耗特性を向上させる効果がある。
【0011】
これら無機粉末は、粒径が実質的に15μm以下であり、15μm以上では摩耗性が低下する。平均粒径0.5〜10μmであることが好ましい。平均粒径0.5μm未満では、成形材料生産時に無機粉末が凝集し易くなるため分散しにくく、また、かさばりが大きいため配合量を多くできない。また平均粒径10μmを越えると機械的強度が低下することがある。これら無機粉末の配合量は、成形材料全体にたいして、5〜40重量%が好ましく、さらに10〜30重量%が好ましい。前記下限値未満では、摩耗特性が低下するようになる。また前記上限値を越えると成形材料の生産性が低下するようになる。
【0012】
本発明のフェノール樹脂成形材料を製造する方法は、通常の方法が採用される。即ち、上記の配合物を所定の配合割合で混合し、更に着色剤、硬化触媒等を加え加熱ロールにより混練し、シート状にしたものを顆粒状に粉砕して得られる。
【0013】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。
表1に各実施例及び比較例の成形材料組成を示した。また、表2に各実施例及び比較例で得られた成形材料の特性評価結果を示した。
【0014】
実施例及び比較例に用いた各配合物の原料は以下の通りである。
フェノール樹脂:ノボラック樹脂、住友ベークライト(株)製PR−50716
黒鉛:日本黒鉛(株)製土壌黒鉛(粒度100メッシュパス)
ガラス繊維:(株)ヴェトロテックス製ミルドファイバーREV(繊維長20〜120μm、平均繊維長80μm、繊維径10〜13μm)
ガラス繊維:(株)ヴェトロテックス製チョップドストランドRES(平均繊維長3mm、繊維径10〜13μm)
無機粉末:水澤化学(株)製珪酸アルミニウム(粒径1〜10μm、平均粒径5μm)
着色剤:カーボンブラック
硬化触媒:酸化マグネシウム
離型剤:ステアリン酸
【0015】
これらを表1に示す割合で配合し、加熱ロール間で混練し、次いで、シート状にし冷却したものを粉砕して顆粒状の成形材料とした。
【表1】
【0016】
特性を測定するための試験片は、上記成形材料を用いて、トランスファー成形により作製した。成形条件は、金型温度175℃、硬化時間3分とした。得られた成形体について、特性の評価を実施した。
表2における各成形材料の特性は、機械的強度として曲げ強さを、物理特性として、成形収縮率をJIS K 6911「熱硬化性プラスチック一般試験方法」により測定した。異方差の測定は、線膨張係数α1を直交/平行方向でTMA法により実施した。耐摩耗性評価は、成形した成形体を、鈴木式摩耗試験機により相手材をS55Cとして4時間後の摩擦係数及び成形体自身及び相手材の摩耗量を測定した。
【0017】
【表2】
【0018】
実施例は、比較例に示す材料のチョップドストランドをミルドファイバーに置換した材料である。いずれも比較例に比べ、線膨張係数の異方性が小さい材料であった。摩耗特性はいずれも良好であり摩耗特性と寸法精度のよい材料である。
【0019】
【発明の効果】
以上の実施例及び比較例により得られた結果から明らかなように、本発明のフェノール樹脂成形材料は、従来のフェノール樹脂成形材料に比べ摩耗特性において優れた効果を発揮し、且つ寸法精度に優れ異方差の少ない材料である。このため自動車用部品、汎用機械用部品、家庭電化製品用部品、OA機器及びその周辺機器用部品等において、耐摩耗性及び寸法精度を必要とする部分へ好適に適用される。
【発明の属する技術分野】
本発明は、フェノール樹脂成形材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、耐摩耗性に優れ且つ動摩擦係数が低いフェノール樹脂成形材料を得る手段として固体潤滑剤である黒鉛が用いられる。黒鉛は優れた耐摩耗性と摺動特性を発現するが、反面機械的強度に劣ることから、ガラス繊維と併用し機械的強度を付与している。一般的に成形材料に用いられるガラス繊維は、繊維長1〜6mmのチョップドストランドが主流であり、その繊維長は成形材料中或いは成形体中において平均繊維長150〜350μmで存在する。このため機械的強度は向上するものの、繊維の配向の影響により寸法において異方差を生じやすいことから、寸法精度や寸法のばらつきに劣るという欠点があった。このため耐摩耗性、摺動特性に加え寸法精度の要求されるコンプレッサーやポンプのベーン或いは軸受け用には不向きであった。
【0003】
また、成形体中にガラス繊維が存在することにより、摺動時、ガラス繊維自身が摩擦界面において砕け、相手材を攻撃する、成形体自体の樹脂部分をガラス繊維の破片が削り取り成形体を摩耗させるといった悪影響があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、上記の点について鋭意検討を行った結果、機械的強度を保持しつつ、寸法精度が良好で、寸法ばらつきが小さく、かつ耐摩耗性に優れたフェノール樹脂成形材料を見出した。
即ち、本発明は、ガラス繊維を用いた上で、従来技術では難しかった耐摩耗性及び寸法精度に優れたフェノール樹脂成形材料を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、下記(1)〜(2)記載の本発明により達成される。
(1) フェノール樹脂、黒鉛、繊維長が実質的に10〜150μmであり、平均繊維長が50〜100μmのガラス繊維、及び粒径が実質的に0.1〜15μmであり平均粒径が0.5〜10μmの無機粉末を含有する材料を加熱混練してなることを特徴とするフェノール樹脂成形材料。
(2) 成形材料全体に対して、フェノール樹脂20〜40重量%、黒鉛5〜40重量%、前記ガラス繊維10〜40重量%、及び前記無機粉末5〜40重量%を含有する材料を加熱混練してなる請求項1記載のフェノール樹脂成形材料。
【0006】
本発明において、用いられるフェノール樹脂は、ノボラック型フェノール樹脂(以下、ノボラック樹脂という)、レゾール型フェノール樹脂(以下、レゾール樹脂という)があるが、特に限定されるものではない。これらは、単独或いは併用して用いることができるが、ノボラック樹脂の場合、通常硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを使用する。ヘキサメチレンテトラミンの配合量は、ノボラック樹脂100重量部に対し、10〜20重量部が好ましい。一方、レゾール樹脂は、自硬化性の樹脂であるため、ノボラック樹脂と異なりヘキサメチレンテトラミンを用いることなく硬化させることができる。
【0007】
フェノール樹脂(ヘキサメチレンテトラミンを用いる場合これを含む)は、成形材料全体に対して、通常20〜40重量%である。フェノール樹脂が20重量%未満であると、流動性が低下するため、成形材料の生産が困難となること、成形が困難になるといった問題が生じることがある。40重量%を越えると成形収縮や後収縮による寸法変化が大きくなり、寸法精度の低下や寸法ばらつきの増大に繋がることから所定の成形体寸法を維持することが難しい場合がある。
【0008】
本発明には基材として黒鉛を用いる。黒鉛としては天然黒鉛、人造黒鉛の何れも使用することができる。またその形状は、粒状、鱗片状などいずれも使用できる。黒鉛は、優れた固体潤滑剤であり、特に摩擦係数を低下させる効果が大きい。本発明においては、黒鉛を、成形材料全体に対して、好ましくは5〜40重量%、さらに好ましくは20〜40重量%配合する。前記下限値を下回ると、十分な低摩擦係数が得られないことがあり、耐摩耗特性の向上が不十分となる場合がある。また、前記上限値を上回ると、ガラス繊維による機械的強度向上効果を低下させる場合がある。
【0009】
本発明においては、基材としてガラス繊維を用いる。ガラス繊維は、実質的に繊維長150μm以下で平均繊維長50〜100μmのミルドファイバーを用いる。ガラス繊維を併用することにより、機械的強度を向上させることができる。150μmを越えるものが多くなると、配向性が出るため流れ方向と直交方向で寸法の異方差が生じ易くなり寸法精度が低下する要因となる。ただし、繊維長10μm未満のものが多いと、充分な機械的強度を得ることが難しくなる。また、平均繊維長は50〜100μmが好ましい。平均繊維長が50μm未満では成形材料の生産時せん断力が弱くなり十分に混練されにくくなる。100μmを越えると成形時の流動性が低下してくる。ガラス繊維の配合割合は、成形材料全体に対して、好ましくは10〜40重量%であり、さらに好ましくは10〜25重量%である。これにより、耐摩耗特性と機械的強度とをともに良好とすることができる。前記下限値を下回るとその配合効果が小さく、前記上限値を上回る量を配合すると耐摩耗性が低下するようになる。
【0010】
本発明において、基材として無機粉末を用いる。無機粉末としては、焼成されたカオリナイト、焼成クレー、タルク、シリカ、ガラス粉末、ガラスビーズ、炭酸カルシウム、ウォラストナイト等の通常のフェノール樹脂成形材料に用いられる粉末或いは粒状のものを単独或いは併用して用いることができる。これら無機粉末基材は、成形の際、流動時に配向がなく、成形収縮や後収縮が均一となり、良好な寸法精度、寸法安定性を確保することが可能となる。更に無機粉末は、ガラス繊維とフェノール樹脂との間に入り込み、最密充填されることから摩擦時のフェノール樹脂の脱落を抑え、耐摩耗特性を向上させる効果がある。
【0011】
これら無機粉末は、粒径が実質的に15μm以下であり、15μm以上では摩耗性が低下する。平均粒径0.5〜10μmであることが好ましい。平均粒径0.5μm未満では、成形材料生産時に無機粉末が凝集し易くなるため分散しにくく、また、かさばりが大きいため配合量を多くできない。また平均粒径10μmを越えると機械的強度が低下することがある。これら無機粉末の配合量は、成形材料全体にたいして、5〜40重量%が好ましく、さらに10〜30重量%が好ましい。前記下限値未満では、摩耗特性が低下するようになる。また前記上限値を越えると成形材料の生産性が低下するようになる。
【0012】
本発明のフェノール樹脂成形材料を製造する方法は、通常の方法が採用される。即ち、上記の配合物を所定の配合割合で混合し、更に着色剤、硬化触媒等を加え加熱ロールにより混練し、シート状にしたものを顆粒状に粉砕して得られる。
【0013】
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。
表1に各実施例及び比較例の成形材料組成を示した。また、表2に各実施例及び比較例で得られた成形材料の特性評価結果を示した。
【0014】
実施例及び比較例に用いた各配合物の原料は以下の通りである。
フェノール樹脂:ノボラック樹脂、住友ベークライト(株)製PR−50716
黒鉛:日本黒鉛(株)製土壌黒鉛(粒度100メッシュパス)
ガラス繊維:(株)ヴェトロテックス製ミルドファイバーREV(繊維長20〜120μm、平均繊維長80μm、繊維径10〜13μm)
ガラス繊維:(株)ヴェトロテックス製チョップドストランドRES(平均繊維長3mm、繊維径10〜13μm)
無機粉末:水澤化学(株)製珪酸アルミニウム(粒径1〜10μm、平均粒径5μm)
着色剤:カーボンブラック
硬化触媒:酸化マグネシウム
離型剤:ステアリン酸
【0015】
これらを表1に示す割合で配合し、加熱ロール間で混練し、次いで、シート状にし冷却したものを粉砕して顆粒状の成形材料とした。
【表1】
【0016】
特性を測定するための試験片は、上記成形材料を用いて、トランスファー成形により作製した。成形条件は、金型温度175℃、硬化時間3分とした。得られた成形体について、特性の評価を実施した。
表2における各成形材料の特性は、機械的強度として曲げ強さを、物理特性として、成形収縮率をJIS K 6911「熱硬化性プラスチック一般試験方法」により測定した。異方差の測定は、線膨張係数α1を直交/平行方向でTMA法により実施した。耐摩耗性評価は、成形した成形体を、鈴木式摩耗試験機により相手材をS55Cとして4時間後の摩擦係数及び成形体自身及び相手材の摩耗量を測定した。
【0017】
【表2】
【0018】
実施例は、比較例に示す材料のチョップドストランドをミルドファイバーに置換した材料である。いずれも比較例に比べ、線膨張係数の異方性が小さい材料であった。摩耗特性はいずれも良好であり摩耗特性と寸法精度のよい材料である。
【0019】
【発明の効果】
以上の実施例及び比較例により得られた結果から明らかなように、本発明のフェノール樹脂成形材料は、従来のフェノール樹脂成形材料に比べ摩耗特性において優れた効果を発揮し、且つ寸法精度に優れ異方差の少ない材料である。このため自動車用部品、汎用機械用部品、家庭電化製品用部品、OA機器及びその周辺機器用部品等において、耐摩耗性及び寸法精度を必要とする部分へ好適に適用される。
Claims (2)
- フェノール樹脂、黒鉛、繊維長が実質的に10〜150μmであり、平均繊維長が50〜100μmのガラス繊維、及び粒径が実質的に0.1〜15μmであり平均粒径が0.5〜10μmの無機粉末を含有する材料を加熱混練してなることを特徴とするフェノール樹脂成形材料。
- 成形材料全体に対して、フェノール樹脂20〜40重量%、黒鉛5〜40重量%、前記ガラス繊維10〜40重量%、及び前記無機粉末が5〜40重量%を含有する材料を加熱混練してなる請求項1記載のフェノール樹脂成形材料。
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Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007177147A (ja) * | 2005-12-28 | 2007-07-12 | Asahi Organic Chem Ind Co Ltd | フェノール樹脂成形材料 |
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-
2003
- 2003-07-31 JP JP2003204511A patent/JP2005048009A/ja active Pending
Cited By (10)
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US8038658B2 (en) | 2005-09-28 | 2011-10-18 | Terumo Kabushiki Kaisha | Synthetic resin needles and synthetic resin composition for needles |
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US7772317B2 (en) | 2005-11-11 | 2010-08-10 | Hitachi Chemical Company, Ltd. | Resin molding material |
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