JPH07354Y2 - 車両用シートのディバイス構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案は車両用シートのディバイス構造に関するもので
ある。

《従来の技術》 従来、車両用シートは、第５図乃至第７図に示すように
シートクッション40とこのシートクッション40にディバ
イス42により前方に折畳み可能に設けられたシートバッ
ク41とを備えており、シートクッション40の底部の前側
左右には前側脚体43が設けてあり、これら前側脚体43は
ヒンジ44を介して床部45に取り付けられている。また、
シートクッション40の後部には後側脚体46が格納可能に
設けてある。

そして、この車両用シートを格納する場合には、ディバ
イス42のシートバック角度調整用レバー47を操作してロ
ックを外し、シートバック41を前に倒し、後側脚体46の
床部へのロックを解除して、ヒンジ44を支点に前方に回
動していた。

《考案が解決しようとする課題》 しかしながら、従来例にあっては、車両用シートの格納
において、シートバック41のロック解除と後側脚体46の
床部45へのロックの解除とを２動作で行わねばならず操
作性が悪いという問題点があった。

本考案は上記の問題点に着目してなされたものであっ
て、その目的とするところは、シートバックの角度調整
を自由に行うことができるばかりか、操作レバーの操作
によって、シートバックのロック解除とシートクッショ
ンの床部へのロック解除とを同時に行うことができる車
両用シートのディバイス構造を提供することにある。

《課題を解決するための手段》 上記の目的を達成するために、本考案は、シートクッシ
ョン側に設けられたベースプレートにシートバック側の
アームをピンにより前後傾可能に取り付け、このアーム
の下端部に係止歯を形成し、ベースプレートにリクライ
ニング用ロックプレートをその基部でピンにより揺動可
能に取り付け、このリクライニング用ロックプレートの
上縁部に係止歯を形成し、その下端部にカム部とこのカ
ム部に続く逃げ部とを形成し、ベースプレートに、リク
ライニング用ロックプレートの下方に位置させてフロア
ーロックプレートを、その基部においてピンにより揺動
可能に取り付け、このフロアーロックプレートの上縁部
にカム部とこのカム部に続く逃げ部とを形成すると共
に、その下部に、床部に設けたストライカーに係脱可能
に係合するフック部を形成し、ベースプレートに、リク
ライニング用ロックプレートとフロアーロックプレート
との間に位置させてリクライニング用カムプレートとカ
ムプレートを同軸上に揺動可能に取り付け、カムプレー
トに円弧状の孔を形成し、リクライニング用カムプレー
トにピンを設け、両カムプレートを重ねて、ピンを孔に
挿入し、リクライニング用カムプレートにシートバック
角度調整用レバーを取り付け、カムプレートに操作レバ
ーを取り付けた構成にしてある。

《作用》 かかる構成によると、着座可能状態でシートバックの角
度調整を行う場合には、シートバック角度調整用レバー
を上方に回動操作することによりリクライニング用ロッ
クプレートを回動させて、リクライニング用ロックプレ
ートの押し上げを解除し、リクライニング用カムプレー
トの係止歯をアームの係止歯から外してシートバックを
傾動可能になし、このシートバックを所定の角度傾動さ
せて、この位置で、シートバック角度調整用レバーの上
方への回動操作を解除することによりリクライニング用
カムプレートを回動させてリクライニング用ロックプレ
ートを押し上げて、係止歯をアームの係止歯に噛み合わ
す。

また、車両用シートを格納する場合には、操作レバーを
下方向に回動操作してカムプレートを回動させて、フロ
アーロックプレートの押し下げを解除し、このフロアー
ロックプレートを上方に回動してこれのフック部をスト
ライカーより外し、また、カムプレートの回動によっ
て、孔の端部でピンを押し、リクライニング用カムプレ
ートを回動させて、リクライニング用ロックプレートの
押し上げを解除し、係止歯をアームの係止歯から外して
シートバックを傾動可能にし、次に、シートバックを前
に倒してシートクッションに重ね、車両用シートを前方
に回動して格納する。

《実施例》 以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は本考案の一実施例のディバイスを備えた車両用
シートの側面図、第２図は本考案に係わる車両用シート
のディバイスの構成説明図、第３図はカムの分解状態の
斜視図、第４図はフロアーロック部材とシートベルトと
の関係説明図である。

車両用シートは、シートクッション１とこのシートクッ
ション１にディバイスＡにより前方に折畳み可能に設け
られたシートバック２とを備えており、シートクッショ
ン１の底部の前側左右には前側脚体３が設けてあり、こ
れら前側脚体３はヒンジ４を介して床部５に取り付けら
れている。また、シートクッション１の後部には後側脚
体６が格納可能に設けてある。また、床部５には凹部７
が形成してあり、この凹部７内にストライカー８が設け
てある。

前記ディバイスＡは、前記シートクッション１のフレー
ム９の側部に固着されたベースプレート10を備えてお
り、このベースプレート10に、前記シートバック２のフ
レーム11の側部に取り付けられたアーム12がピン13によ
り前後方向に傾動可能に取り付けてある。そして、この
アーム12の下端縁部は円弧状に形成してあり、この下端
縁部に係止歯14が形成してある。ベースプレート10には
リクライニング用ロックプレート15の基部がピン16によ
り揺動可能に取り付けてあり、このリクライニング用ロ
ックプレート15の上縁部には係止歯17が形成してあり、
また、その下縁部にはカム部18とこのカム部18に続く逃
げ部19とが形成してある。また、ベースプレート10に
は、リクライニング用ロックプレート15の下方に位置さ
せてフロアーロックプレート20が、その基部においてピ
ン21により揺動可能に取り付けてあり、このフロアーロ
ックプレート20の上縁部にはカム部22とこのカム部22に
続く逃げ部23とが形成してあり、また、その下部にはフ
ック部24が形成してある。また、ベースプレート10に
は、リクライニング用ロックプレート15とフロアーロッ
クプレート20との間に位置させてリクライニング用カム
プレート25とカムプレート26とがピン27により同軸上に
揺動可能に取り付けてある。カムプレート26は、その下
部にカム部28を備え、上部に円弧状の孔29を備えてい
る。また、リクライニング用カムプレート25は、その上
部にカム部30をその中間部にピン31を備えている。そし
て、両カムプレート25、26は重ねられていて、ピン31は
孔29に挿入されており、リクライニング用カムプレート
25にはシートバック角度調整用レバー32が取り付けてあ
り、カムプレート26には操作レバー33が取り付けてあ
る。そして、シートバック角度調整用レバー32はスプリ
ング34により下方向に付勢されていて、リクライニング
用カムプレート25はピン27を中心にして反時計回り方向
に付勢され、操作レバー33はスプリング35により上方向
に付勢されて、カムプレート26はピン27を中心にして反
時計回り方向に付勢されている。また、フロアーロック
プレート20はスプリング36により反時計回り方向に付勢
されている。

このように、リクライニング用カムプレート25がピン27
を中心にして反時計回り方向に付勢され、カムプレート
26がピン27を中心にして反時計回り方向に付勢されてい
るために、リクライニング用カムプレート25のカム部30
がリクライニング用ロックプレート15のカム部18に接触
してこのリクライニング用ロックプレート15を押し上げ
てこれの係止歯17がアーム12の係止歯14に噛み合ってお
り、また、カムプレート26のカム部28がフロアーロック
プレート20のカム部22に接触してこのカムプレート26を
下方向に押し付けてフック部24をストライカー８に係合
させている。

また、フロアーロックプレート20の上部にはシートベル
ト37のアンカー部38がピン39により取り付けてある。

次に、作用を説明する。

リクライニング用カムプレート25のカム部30がリクライ
ニング用ロックプレート15のカム部18に接触してこのリ
クライニング用ロックプレート15を押し上げてこれの係
止歯17がアーム12に係止歯14に噛み合い、また、カムプ
レート26のカム部28がフロアーロックプレート20のカム
部22に接触してこのカムプレート26を下方向に押し付け
てフック部24がストライカー８に係合されている状態で
は、車両用シートは着座可能状態であり、この着座可能
状態でシートバック２の角度調整を行う場合には、シー
トバック角度調整用レバー32をスプリング34に抗して上
方に回動操作することによりリクライニング用ロックプ
レート15を時計回り方向に回動させてこれのカム部30を
仮想線に示すように逃げ部19に位置させ、リクライニン
グ用ロックプレート15の押し上を解除する。この場合、
リクライニング用ロックプレート15のピン31が孔29内を
移動するためにカムプレート26は回動しない。このため
に、係止歯17がアーム12の係止歯14から外れてシートバ
ック２が傾動可能になり、このシートバック２を所定の
角度傾動させて、この位置で、シートバック角度調整用
レバー32の上方への回動操作を解除することによりリク
ライニング用カムプレート25をスプリング34のばね力で
反時計回り方向に回動させてこれのカム部30をカム部18
に接触させ、リクライニング用ロックプレート15を押し
上げて、係止歯17をアーム12の係止歯14に噛み合わす。

また、車両用シートを格納する場合には、操作レバー33
を下方向にスプリング35に抗して回動操作してカムプレ
ート26を時計回り方向に回動させてこれのカム部28をフ
ロアーロックプレート20のカム部22から外して逃げ部23
に位置させ、フロアーロックプレート20の押し下げを解
除し、このフロアーロックプレート20をスプリング36の
ばね力によって上方に回動してこれのフック部24をスト
ライカー８より外す。また、カムプレート26の時計回り
方向への回動によって、孔29の端部でピン31を押し、リ
クライニング用カムプレート25を時計回り方向に回動さ
せてこれのカム部30を仮想線に示すように逃げ部19に位
置させ、リクライニング用ロックプレート15の押し上を
解除し、係止歯17をアーム12の係止歯14から外してシー
トバック２を傾動可能にする。次に、シートバック２を
前に倒してシートクッション１に重ね、車両用シートを
ヒンジ４を支点にして前方に回動して格納する。

また、シートベルト37をフロアーロックプレート20に取
り付けたために、衝突時などのベルト入力がフロアーロ
ックプレート20、ストライカー８を介して床部５に作用
するので、シートベルト取付部を補強する必要はない。

《考案の効果》 以上説明したように、本考案は、シートクッション側に
設けられたベースプレートにシートバック側のアームを
ピンにより前後傾可能に取り付け、このアームの下端部
に係止歯を形成し、ベースプレートにリクライニング用
ロックプレートをその基部でピンにより揺動可能に取り
付け、このリクライニング用ロックプレートの上縁部に
係止歯を形成し、その下縁部にカム部とこのカム部に続
く逃げ部とを形成し、ベースプレートに、リクライニン
グ用ロックプレートの下方に位置させてフロアーロック
プレートを、その基部においてピンにより揺動可能に取
り付け、このフロアーロックプレートの上縁部にカム部
とこのカム部に続く逃げ部とを形成すると共に、その下
部に、床部に設けたストライカーに係脱可能に係合する
フック部を形成し、ベースプレートに、リクライニング
用ロックプレートとフロアーロックプレートとの間に位
置させてリクライニング用カムプレートとカムプレート
を同軸上に揺動可能に取り付け、カムプレートに円弧状
の孔を形成し、リクライニング用カムプレートにピンを
設け、両カムプレートを重ねて、ピンを孔に挿入し、リ
クライニング用カムプレートにシートバック角度調整用
レバーを取り付け、カムプレートに操作レバーを取り付
けたから、着座可能状態でシートバックの角度調整を行
う場合には、シートバック角度調整用レバーを上方に回
動操作することによりリクライニング用ロックプレート
を回動させて、リクライニング用ロックプレートの押し
上げを解除し、リクライニング用カムプレートの係止歯
をアームの係止歯から外してシートバックを傾動可能に
なし、このシートバックを所定の角度傾動させて、この
位置で、シートバック角度調整用レバーの上方への回動
操作を解除することによりリクライニング用カムプレー
トを回動させてリクライニング用ロックプレートを押し
上げて、係止歯をアームの係止歯に噛み合わす。

このように、シートバックの角度調整を自由に行うこと
ができる。

また、車両用シートを格納する場合には、操作レバーを
下方向に回動操作してカムプレートを回動させて、フロ
アーロックプレートの押し下げを解除し、このフロアー
ロックプレートを上方に回動してこれのフック部をスト
ライカーより外し、また、カムプレートの回動によっ
て、孔の端部でピンを押し、リクライニング用カムプレ
ートを回動させて、リクライニング用ロックプレートの
押し上げを解除し、係止歯をアームの係止歯から外して
シートバックを傾動可能にし、次に、シートバックを前
に倒してシートクッションに重ね、車両用シートを前方
に回動して格納する。

このように、操作レバーの操作によって、シートバック
のロック解除とシートクッションの床部へのロック解除
とを同時に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例のディバイスを備えた車両用
シートの側面図、第２図は本考案に係わる車両用シート
のディバイスの構成説明図、第３図はカムの分解状態の
斜視図、第４図はフロアーロック部材とシートベルトと
の関係説明図、第５図は従来の車両用シートの斜視図、
第６図は同シートバック前倒し状態の斜視図、第７図は
同格納状態の側面図である。 １……シートクッション、２……シートバック、８……
ストライカー、10……ベースプレート、12……アーム、
15……リクライニング用ロックプレート、25……リクラ
イニング用カムプレート、26……カムプレート、32……
シートバック角度調整用レバー、33……操作レバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】シートクッション側に設けられたベースプ
   レートにシートバック側のアームをピンにより前後傾可
   能に取り付け、このアームの下端部に係止歯を形成し、
   ベースプレートにリクライニング用ロックプレートをそ
   の基部でピンにより揺動可能に取り付け、このリクライ
   ニング用ロックプレートの上縁部に係止歯を形成し、そ
   の下縁部にカムとこのカム部に続く逃げ部とを形成し、
   ベースプレートに、リクライニング用ロックプレートの
   下方に位置させてフロアーロックプレートを、その基部
   においてピンにより揺動可能に取り付け、このフロアー
   ロックプレートの上縁部にカム部とこのカム部に続く逃
   げ部とを形成すると共に、その下部に、床部に設けたス
   トライカーに係脱可能に係合するフック部を形成し、ベ
   ースプレートに、リクライニング用ロックプレートとフ
   ロアーロックプレートとの間に位置させてリクライニン
   グ用カムプレートとカムプレートを同軸上に揺動可能に
   取り付け、カムプレートに円弧状の孔を形成し、リクラ
   イニング用カムプレートにピンを設け、両カムプレート
   を重ねて、ピンを孔に挿入し、リクライニング用カムプ
   レートにシートバック角度調整用レバーを取り付け、カ
   ムプレートに操作レバーを取り付けたことを特徴とする
   車両用シートのディバイス構造。