JPH07329685A

JPH07329685A - エアバッグ

Info

Publication number: JPH07329685A
Application number: JP6128971A
Authority: JP
Inventors: Shigenori Maruyama; 重典円山; Tadayuki Ato; 忠之阿藤; Yoshihiko Minami; 善彦南
Original assignee: Takata Corp
Current assignee: Takata Corp
Priority date: 1994-06-10
Filing date: 1994-06-10
Publication date: 1995-12-19

Abstract

(57)【要約】【目的】乗員の脚部を保護でき、腰部を拘束できるエ
アバッグを提供する。製造が容易な助手席用又は後席用
エアバッグを提供する。【構成】ロワーパネル３４とアッパーパネル３６とを
重ね合わせ、それらの周縁部を縫い合わせることにより
エアバッグ１８を構成する。ロワーパネル３４はアッパ
ーパネル３６よりも長い。ロワーパネル３４の一部を重
ね合わせて外方に延出させる。延出部３７ａ，３７ｂの
側辺を糸５５で縫い合わせることにより膨出部３７が形
成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は車両の衝突時等に助手席
又は後席乗員を保護するためのエアバッグ装置のエアバ
ッグに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の助手席用エアバッグについて第１
８図を参照して説明する。

【０００３】この助手席用エアバッグ１は、その後部に
インフレータ（図示略）からのガスを受け入れるための
開口２を有する。このエアバッグ１は布製のものであ
り、開口２の周縁部には合成樹脂を含浸したり、補強布
を重ね縫いしたりすることによりフラップ部３が設けら
れている。このフラップ部３には、複数個のボルト又は
リベットの挿通孔４が設けられており、このボルト又は
リベットによってエアバッグ１がエアバッグ装置のコン
テナ（図示略）に連結可能とされている。

【０００４】このエアバッグ１は、第１９図に示すよう
に、長いセンターパネル６の側縁にサイドパネル７の周
縁を縫い付けることにより製作される。

【０００５】なお、このサイドパネル７に予めベントホ
ール５を設けておく。展開したエアバッグ１に乗員が突
っ込んできた場合、このベントホール５からエアバッグ
内部のガスが流出し、乗員に与えられる衝撃が小さくな
る。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】このような従来の助手
席用エアバッグは、規定サイズに裁断されたセンターパ
ネル６に対しサイドパネル７を縫い付ける作業が立体縫
いとなるため、縫製がきわめて面倒である。

【０００７】即ち、センターパネル６に対しサイドパネ
ル７を縫い付けるには、それらの縁部を重ね合わせてミ
シンで縫うのであるが、双方の縁部を重ね合わせるには
センターパネル６をサイドパネル７の縁部に沿って湾曲
させる必要があるため、パネル６、７を重ね合わせにく
い。また、センターパネル６を湾曲させながら両パネル
の縁部を縫い合わせるため、縫製作業がむずかしく、か
つ、手間がかかる。

【０００８】特に、一方のサイドパネルをセンターパネ
ルに縫着した後、他方のサイドパネルをセンターパネル
に縫い合わせる場合には、縫い付けられたサイドパネル
が嵩張り、縫製作業を行ないにくい。

【０００９】

【課題を解決するための手段】請求項１のエアバッグ
は、助手席又は後席用のエアバッグ装置のエアバッグに
おいて、２枚のパネルを重ね合わせ、それらの周縁部を
接合してなり、一方のパネルに、乗員の膝の前方に入り
込む膨出部を設けてなることを特徴とするものである。

【００１０】請求項２のエアバッグは、請求項１におい
て、前記一方のパネルは、車両前後方向の長さが他方の
パネルよりも長いものとなっており、該一方のパネルの
該前後方向の途中部分が重ね合わされて外方に延出さ
れ、この延出された部分の側辺部同志が接合されること
により前記膨出部が設けられていることを特徴とするも
のである。

【００１１】請求項３のエアバッグは、請求項１又は２
において、一方のパネルに、ベントホールと、インフレ
ータからのガスを受け入れるインフレータ用開口とが設
けられていることを特徴とするものである。

【００１２】請求項４のエアバッグは、請求項１ないし
３のいずれかにおいて、パネルは布であり、接合は縫合
であることを特徴とするものである。

【００１３】

【作用】かかる本発明のエアバッグは、展開されたとき
に膨出部が乗員の膝の前に入り込むため、乗員の下脚を
保護できる。また、この膨出部は、乗員の下半身が前方
へ移動することも抑制する。

【００１４】このエアバッグは、２枚の布などのパネル
を重ね合わせた状態でそれらの周縁を縫合等により接合
することにより製作されるものであるため、製作がきわ
めて簡単である。

【００１５】請求項２のエアバッグは、一方のパネルの
途中部分を重ね合わせて外方に延出させ、この延出され
た部分の側辺を接合することにより膨出部を形成するた
め、膨出部を簡単に形成できる。

【００１６】なお、請求項３のエアバッグは、一方の布
片にインフレータ用開口とベントホールとが設けられて
いるため、インフレータ用開口とベントホールとの相対
的な位置関係を一定にすることができる。

【００１７】

【実施例】以下図面を参照して実施例について説明す
る。第１〜９図は本発明の実施例に係るエアバッグの説
明図、第１０〜１２図はエアバッグ装置を備えた自動車
の内部を示す側面図である。

【００１８】第１２図の通り、自動車１０のインストル
メントパネル１２に助手席用エアバッグ装置１４が設置
されている。この助手席用エアバッグ装置１４は、ケー
ス１６と、このケース１６内に収納されたエアバッグ１
８と、エアバッグ１８を展開させるためのガスを発生す
るインフレータ２０と、ケース１６を覆うリッド２２と
を備えている。

【００１９】リッド２２の車両前方側の縁部は、ケース
１６に対し、リッド２２が車両室内２４側へ回動するこ
とを許容するように連結されている。リッド２２の車両
後方側の辺部は、インフレータ２０が作動してエアバッ
グ１８が展開するときに、このエアバッグ１８に押され
てケース１６から離反し得るように該ケース１６に連結
されている。

【００２０】本実施例で用いられているエアバッグ１８
は、第１，２図に示される通り、下側のロワーパネル３
４と上側のアッパーパネル３６との２枚の布を縫い合わ
せて袋形状としたものである。このエアバッグ１８は、
助手席乗員の膝の前方に展開される膨出部３７を備えて
いる。このエアバッグ１８は、第１０〜１２図の通り、
自動車１０のシート２６のシートクッション２８とシー
トバック３０との交叉隅部付近３２に向かって展開する
よう構成されている。

【００２１】ロワーパネル３４には、インフレータ２０
からのガスを受け入れるための開口３８と、ベントホー
ル４０とが設けられている。この開口３８の周縁部に設
けられたフラップ４２，４４，４６，４８がケース１６
に連結されている。

【００２２】第９図に示される通り、パネル３４、３６
は、それぞれ自動車１０の前後方向に長く延在する形状
のものであり、開口３８はこのエアバッグ１８の自動車
の前寄りの位置に設けられている。

【００２３】第１〜３図の通り、フラップ４２，４６
は、ロワーパネル３４と一体に設けられている。フラッ
プ４４，４８は、ロワーパネル３４とは別体の布を縫い
付けることにより設けられている。ただし、すべてのフ
ラップをロワーパネルと一体としても良く、すべてのフ
ラップをロワーパネルと別体としても良い。

【００２４】これらフラップ４２〜４８には、リベット
やボルトを通すための開口（円形孔でもスリットでも良
い。）５０が設けられている。フラップ４２〜４８の先
端は補強ロッド５２を抱え込むように折り返され、且つ
フラップ４２〜４８に対し縫合されている。

【００２５】第２，４図の通り、ベントホール４０の周
囲には環状のパッチクロス５４が縫い付けられている。

【００２６】第５，６図の通り、ロワーパネル３４はア
ッパーパネル３６よりも車両前後方向の長さが長いもの
である。第７図の通り、このロワーパネル３４の車両前
後方向の途中を重ね合わせてエアバッグ外方に延出させ
る。そして、この延出部３７ａ，３７ｂの側辺部を糸５
５で縫い合わせることにより、膨出部３７が形成され
る。

【００２７】このパネル３４，３６は、第８図に示すよ
うに縫製機の作業台５６の上において重ね合わされ、第
９図の如く、パネル３４，３６の周縁部が糸５８でしっ
かりと縫い合わされる。

【００２８】このように、平らな作業台５６上で２枚の
パネル３４，３６を重ね合わせた状態でそれらを縫製す
るため、縫製作業がきわめて容易である。

【００２９】なお、パネル３４の延出部３７ａ，３７ｂ
の側辺部を糸５５で縫い合わせた後、パネル３６をパネ
ル３４と縫い合わせるのが好ましい。第８図ではパネル
３６を作業台５６上に置いているが、パネル３４を作業
台５６上に置き、パネル３６を上から被せるようにして
も良い。

【００３０】なお、パネル３４，３６は、それらの織目
の方向が斜交するように構成されるのが好ましい。

【００３１】このように構成されたエアバッグ装置１４
を搭載した自動車１０が衝突すると、インフレータ２０
がガスを噴出し、エアバッグ１８が展開される。展開す
るエアバッグ１８に押圧されることにより、リッド２２
が車両室内２４側に開き、第１０図に示されるようにエ
アバッグ１８が車両室内２４内に送り出される。そし
て、第１１図に示される通り、エアバッグ１８はシート
クッションとシートバックとの交叉隅部３２付近に向か
って展開される。そして、遂には、第１２図に示す通
り、エアバッグ１８は乗員の腰部６０に当たり、この乗
員の腰部６０を拘束すると共に、膨出部３７が乗員の膝
５９前方に展開される。

【００３２】この膨出部３７により乗員の下脚が保護さ
れる。この膨出部３７は、乗員の身体が前方に移動する
ことを抑制する作用も発揮する。

【００３３】また、腰部６０がエアバッグ１８で拘束さ
れると、乗員の胸から頭などの上半身の前方に大きくエ
アバッグを展開させた場合と同じように乗員を十分に保
護できることが種々の実験の結果認められた。

【００３４】このエアバッグ装置１４のエアバッグ１８
は、乗員の上半身の前方に大きく展開される従来のエア
バッグに比べ、容積が小さい。従って、エアバッグ１８
が展開完了に至るまでの時間が短いものとなる。また、
インフレータ２０の出力を小さくすることが可能であ
る。

【００３５】上記実施例では、２枚のパネル３４、３６
を縫い合わせたエアバッグ１８が用いられているが、本
発明のエアバッグは、第１３図に示すエアバッグ１８Ａ
のように、１枚のパネル６２を折り返し、上パネル６２
ａと下パネル６２ｂの周縁部を縫着して構成されたもの
であっても良い。６３は膨出部であり、下パネル６２ｂ
の一部を重ね合わせて外方に延出させ、延出部６３ａ，
６３ｂの側辺を糸５５で縫い合わされることにより形成
されている。

【００３６】第１４図は本発明の別の実施例に係るエア
バッグ１８Ｂの断面図、第１５図はエアバッグ装置を備
えた自動車の内部の側面図である。

【００３７】本実施例で用いられているエアバッグ１８
Ｂは、その膨出部３７の入口部が糸６４で縫い合わされ
たものである。この糸６４は、エアバッグ１８Ｂの内部
の圧力が所定圧力以上になり、糸６４に加えられる張力
が所定値以上になると切れる特性のものである。その他
の構成は第１〜１２図の実施例と同様であり、同一符号
は同一部分を示している。

【００３８】このように構成されたエアバッグ装置にお
いても、インフレータが作動することによりエアバッグ
１８Ｂが展開される。第１５図の実線で示される中間展
開状態になるまでは糸６４は切れない。この中間展開状
態を過ぎると、エアバッグ１８Ｂ内のガス圧力は高くな
り、糸６４に加えられる張力が糸６４の引張強度を超え
るようになり、糸６４が切れる。

【００３９】このように、エアバッグの展開工程の後半
に糸６４が切れるため、エアバッグ１８Ｂは、その先端
側がまず矢印９９のようにシートクッション２８に向か
って展開し、その後糸６４が切れることにより矢印１０
０で示すように、シートクッション２８とシートバック
３０との交叉隅部３２に向かって展開するようになる。
なお、糸６４が切れることにより膨出部３７が乗員の膝
５９の前方に展開する。

【００４０】本発明では、第１６，１７図のエアバッグ
１８Ｃ，１８Ｄのように、インフレータ用開口３８の位
置を変えることにより、トップマウント型エアバッグ装
置及びミッドマウント型エアバッグ装置のいずれにも採
用できる。

【００４１】トップマウント型エアバッグ装置とは、第
１６図の如く、インストルメントパネルの上面部分に設
けられるものであり、ミッドマウント型エアバッグ装置
とは、第１７図の如く、インストルメントパネル１２の
高さ方向の中間部分に設けられるものである。

【００４２】上記実施例では、エアバッグ装置はいずれ
もインストルメントパネル１２に設置されているが、シ
ートバック３０に設置し、リヤシートの乗員を保護する
用途に用いられても良い。

【００４３】上記実施例では、パネルは布であるが、合
成樹脂シートであっても良い。

【００４４】上記実施例では縫い合わせによりアッパー
パネルとロワーパネルとを接合しているが、接着又は溶
着により接合しても良い。

【００４５】

【発明の効果】以上の通り、本発明のエアバッグは、乗
員の膝の前方に展開される膨出部を有しており、乗員の
下脚を十分に保護できる。また、乗員の下半身が前方に
移動することも抑制できる。

【００４６】本発明のエアバッグは、２枚のパネルを重
ね合わせ、周縁部を接合することにより製造されるもの
であり、製造が簡単である。従って、本発明によると、
助手席用エアバッグ装置あるいは後席用エアバッグ装置
の製造コストを著しく低減することができる。

【００４７】請求項２のエアバッグは、膨出部をきわめ
て容易に形成することができる。

【００４８】請求項３のエアバッグは、ベントホールと
インフレータ用開口との相対的な位置関係を確実に設計
通りのものとすることができる。

【００４９】請求項４のエアバッグは、縫製により容易
に製作することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例に係るエアバッグの斜視図である。

【図２】実施例に係るエアバッグの断面図である。

【図３】図２のIII-III 線に沿う断面図である。

【図４】実施例に係るエアバッグのベントホールの断面
図である。

【図５】実施例に係るエアバッグのアッパーパネルの平
面図である。

【図６】実施例に係るエアバッグのロワーパネルの平面
図である。

【図７】実施例に係るエアバッグのロワーパネルの縫製
途中の平面図である。

【図８】実施例に係るエアバッグの縫製方法を示す側面
図である。

【図９】実施例に係るエアバッグの底面図である。

【図１０】実施例に係るエアバッグ装置を搭載した自動
車の内部の側面図である。

【図１１】実施例に係るエアバッグ装置を搭載した自動
車の内部の側面図である。

【図１２】実施例に係るエアバッグ装置を搭載した自動
車の内部の側面図である。

【図１３】別の実施例に係るエアバッグ１８Ａの製造方
法を示す斜視図である。

【図１４】さらに別の実施例に係るエアバッグ１８Ｂの
断面図である。

【図１５】実施例に係るエアバッグ１８Ｂを備えた自動
車の内部の側面図である。

【図１６】別の実施例に係るエアバッグ１８Ｃを備えた
自動車の内部の側面図である。

【図１７】本発明の異なる実施例に係るエアバッグ１８
Ｄを備えた自動車の内部の側面図である。

【図１８】従来の助手席用エアバッグの斜視図である。

【図１９】従来の助手席用エアバッグの構造を示す分解
図である。

【符号の説明】

１０自動車１２インストルメントパネル１４助手席用エアバッグ装置１６ケース１８，１８Ａ，１８Ｂ，１８Ｃ，１８Ｄエアバッグ２０インフレータ２２リッド２８シートクッション３０シートバック３２交叉隅部３４ロワーパネル３６アッパーパネル３７膨出部３８インフレータ用開口

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】助手席又は後席用のエアバッグ装置のエ
アバッグにおいて、２枚のパネルを重ね合わせ、それら
の周縁部を接合してなり、一方のパネルに、乗員の膝の
前方に入り込む膨出部を設けてなることを特徴とするエ
アバッグ。
【請求項２】請求項１において、前記一方のパネル
は、車両前後方向の長さが他方のパネルよりも長いもの
となっており、該一方のパネルの該前後方向の途中部分が重ね合わされ
て外方に延出され、この延出された部分の側辺部同志が
接合されることにより前記膨出部が設けられていること
を特徴とするエアバッグ。
【請求項３】請求項１又は２において、一方のパネル
に、ベントホールと、インフレータからのガスを受け入
れるインフレータ用開口とが設けられていることを特徴
とするエアバッグ。
【請求項４】請求項１ないし３のいずれか１項におい
て、パネルは布であり、接合は縫合であることを特徴と
するエアバッグ。