JPH073230B2 - スクロ−ル気体圧縮機 - Google Patents

スクロ−ル気体圧縮機

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JPH073230B2
JPH073230B2 JP29947986A JP29947986A JPH073230B2 JP H073230 B2 JPH073230 B2 JP H073230B2 JP 29947986 A JP29947986 A JP 29947986A JP 29947986 A JP29947986 A JP 29947986A JP H073230 B2 JPH073230 B2 JP H073230B2
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suction
discharge
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明はスクロール気体圧縮機に関するものである。
従来の技術 低振動、低騒音特性を備えたスクロール圧縮機は、吸入
室が外周部に有り、吐出ポートが渦巻きの中心部に設け
られ、圧縮流体の流れが一方向で往復動式圧縮機や回転
式圧縮機のような流体を圧縮するための吐出弁を必要と
せず圧縮比が一定で、吐出脈動も比較的小さくて大きな
吐出空間を必要としないことが一般に知られている。
しかし、特に気体を圧縮する場合などは圧縮部の漏れ隙
間を小さくするために渦巻き部の寸法精度を極めて高く
する必要があるが、部品形状の複雑さ、寸法精度のバラ
ツキなどにより、スクロール気体圧縮機のコストが高く
性能のバラツキも大きいという問題があった。
そこで、この種の問題解決のための方策として、圧縮途
中の気体漏れ防止のために潤滑油膜を利用したシール効
果により渦巻き部寸法精度の適正化と圧縮機性能の安定
化を期待することが大きく、第12図に示す構成が考えら
れ、摺動部に供給した潤滑油の一部を吸入気体と共に圧
縮室に流入させ、圧縮吐出後に圧縮気体から潤滑油を分
離後、油戻し通路を介して再び潤滑油溜に通じる空間に
戻して圧縮機外部への潤滑油流出を少なくするという考
え方の下に、吐出空間582に設けられたキャップ519内の
空間520で圧縮気体から分離された潤滑油が孔522〜孔58
4の油戻し通路を通じて吸入通路となる空間580に戻さ
れ、油溜508に集められ、ポンプ装置によって再び摺動
部に供給される構成であった(特開昭60−75795号公
報)。
また、第13図の構成も考えられ、吐出室674に設けられ
た油分離エレメント672によって圧縮気体に含まれる潤
滑油を分離して固定スクロール鏡板603上の油溜673に潤
滑油を収集し、固定スクロール601と旋回スクロール606
との間の摺動面631に差圧給油の後、吸入室699に潤滑油
を流入させて油膜のシール効果によって圧縮室内での圧
縮気体漏れを少なくする構成であった(特開昭56−1657
87号公報)。
また、第14図、第15図のように潤滑油を圧縮途中の圧縮
室に直接流入される構成も考えられ、第14図は密閉容器
701内の上部にモータ703を配置し下部に圧縮部を配置し
て密閉容器内空間702を吐出室とした構造で、吐出室底
部の油溜710の潤滑油を油吸い込み管722を介して圧縮途
中の圧縮室723に直接流入させる構成であり(特開昭57
−8386号公報)、第15図は密閉容器801内の上部に圧縮
部を配置し下部にモータ803を配置して密閉容器内空間8
02を吐出室とした構造で、旋回スクロール804の気体圧
縮時に作用するスラスト力を軽減するために旋回スクロ
ール804の反圧縮室側背面に設けた中間圧力状態の背圧
室808を中継し、その前後に設けた駆動軸802内の油穴89
9、給油配管815を通して密閉容器801内底部の油溜809の
潤滑油を圧縮途中の圧縮室823に差圧により流入させる
構成であった(特開昭59−110893号公報)。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記の第12図のような油戻し通路(孔522
〜孔584)を介して吐出空間582と低圧側の空間580とが
常に連通している構成では、例え常に空間520や吐出空
間582に潤滑油が存在する場合でも圧縮機駆動軸の回転
速度の変化に伴い摺動部給油量などが変化して、圧縮気
体中に含まれる潤滑油量も変化すると共に吐出空間582
と低圧側の空間580との差圧や潤滑油の粘性も変化する
などして、過不足なく潤滑油を戻す油戻し通路の設定が
極めて困難であり、圧縮機高速運転時などは潤滑油の吐
出量が多くて圧縮機外部への潤滑油多量流出を防ぐこと
が不可能である。
また、圧縮機停止中に空間520や吐出空間582の潤滑油が
差圧や自重などで圧縮機底部の油溜508に流入し、圧縮
機再起動後しばらくの間は空間520や吐出空間582に充分
な潤滑油が無く、多量の圧縮気体が油戻し通路(孔522
〜孔584)を通して低圧側の空間580に流入して吸入効
率,圧縮効率の著しい低下や耐久性劣化を招くという問
題があった。
また、上記の第13図のような固定スクロール鏡板603上
の油溜673の潤滑油を摺動面631を介して吸入室699に流
入させる構成では、第18図の場合と同様に圧縮機駆動軸
が高速回転して気体吐出量が増加すると油溜673の潤滑
油が無い状態もある。このような場合には吐出室674の
圧縮気体が摺動面631を介して吸入室699に多量流入し、
吸入効率,圧縮効率の著しい低下は勿論のこと摺動面63
1の摩耗や焼き付きを引き起こすなどの問題があった。
また、上記の第14図のような吐出圧力に等しい密閉容器
内空間702の底部の油溜710の潤滑油を圧縮途中の圧縮室
723に差圧により流入させる構成では、冷媒圧縮機など
に使用する際圧縮機停止中にその自重や差圧などにより
圧縮機外部の冷凍サイクルから圧縮機内に帰還した多量
の冷媒が液化状態で油溜710の上部のモータ703下面にま
で溜まり、冷媒液や潤滑油が油吸い込み管722などを通
じて圧縮室723に流入し充満する場合もあり、このよう
な状態では圧縮負荷が過大のため再起動運転不能であ
り、例えモータ703の起動トルクが大きくて再起動でき
るとも圧縮機破損を招く。
また、圧縮機運転条件によって油溜710の潤滑油が不足
する場合もあり、このような状態では圧縮室723に圧縮
気体が流入して圧縮効率の著しい低下や圧縮室内異常圧
力上昇に伴う圧縮機破損などを招くという問題があっ
た。
また、上記の第15図のような圧縮機底部の油溜809に通
じる中間圧力状態の背圧室808を経由して圧縮途中の圧
縮室823に潤滑油を供給する構成でも、上記の第20図の
場合と同様に油溜809の潤滑油が不足する場合には圧縮
効率の著しい低下や耐久性低下を招くという問題もあっ
た。
また一方、第16図,第17図でも示すように圧縮機運転時
に吐出室910底部の油溜916に通じる給油通路919を開い
て圧縮部に差圧給油し、圧縮機停止時に給油通路を閉じ
る構成の発明が特公昭59−44517号公報によっても知ら
れているが、この発明は吐出ポート907の下流に吐出弁9
08を必要とするスライドベーン型回転式圧縮機の吐出弁
908通過前のシリンダ927の圧力と吐出弁908通過後の吐
出室910の圧力との差圧を利用してプランジャー922を作
動させ給油通路919の開閉弁925を制御する構成である。
しかし、圧縮機冷時起動運転直後しばらくの間などは、
吐出室910の圧力が低くてシリンダ927内圧縮初期行程か
ら吐出弁908が開き吐出室910とシリンダ927との圧力差
が小さい。このため開閉弁925が開かず圧縮部への給油
も無いので、ベーン905のジャンピング現象が生じて異
音や圧縮効率低下を招くなどの問題が有り、圧縮機運転
条件に影響されない給油通路制御装置の実用化が望まれ
ていた。
そこで、本発明はスクロール圧縮機が圧縮室圧力を上昇
させるための吐出弁を必要とせず圧縮比が一定であるこ
とに着目し、吸入室および吐出室に連通しない圧縮室と
吸入室などとの圧力差を利用して応用範囲の広い給油通
路制御装置を実用化することにより高効率、耐久性に優
れたスクロール気体圧縮機を提供するものである。
問題点を解決するための手段 上記問題を解決するために本発明のスクロール気体圧縮
機は、吐出室の油溜または吐出室に通じる油溜とその油
溜よりも圧力が低く吐出室にも吸入室にも通じない第2
圧縮室とを給油通路により連通させ、給油通路の途中に
は給油通路を開閉する開閉弁とその開閉弁を制御するア
クチェータとで構成される給油通路制御弁装置を設け、
アクチェータには弁体とその弁体の両側に配置した弁体
の背圧室Aと背圧室Bおよび弁体を付勢するバネ装置を
設け、背圧室Aは吐出室にも吸入室にも連通せず第2圧
縮室よりも圧縮後行程の第1圧縮室に通じ、背圧室Bは
吸入室また吸入室に通じる第3圧縮室または吸入室に通
じる吸入側に通じ、背圧室Aと背圧室Bとの間のに差圧
がありその差圧が第1設定値の範囲にある場合に弁体が
バネ装置に抗して前進して開閉弁を開き、差圧が第1設
定値よりも大きい第2設定値の範囲にある場合に弁体が
さらに前進して開閉弁を閉じ、差圧のない場合に弁体が
後退して開閉弁を閉じる給油通路制御弁装置を備えた構
成である。
作用 本発明は上記構成によって、圧縮機が始動し旋回スクロ
ールが旋回運動をして吸入室内の気体が圧縮室に吸入さ
れ一定の圧縮比にまで圧縮されて吐出室に吐出されると
共に、給油通路の途中に設けられた給油通路制御弁装置
の背圧室Aと背圧室Bとの間に差圧が生じて弁体が前進
して開閉弁を開いて給油通路を連通させ、吐出室の油溜
(吐出室に通じる油溜)の潤滑油は第2圧縮室に給油さ
れる。
万一、吐出室の油溜(吐出室に通じる油溜)に潤滑油が
無い場合には給油通路を通じて高温高圧の圧縮気体が第
2圧縮室に多量に流入して第1圧縮室の圧力が異常上昇
して背圧室Aの圧力も異常に上昇し背圧室Aと背圧室B
との間の差圧も設定値を超え、弁体がバネ装置の付勢力
に抗してさらに前進し開閉弁を閉じて給油通路を閉じ
る。圧縮機が停止すると圧縮室間の隙間を通じて圧縮空
間の圧力と吸入室圧力とがほぼ等しくなり(圧縮機停止
直後は、逆流防止弁が圧縮空間と吐出室との間に設けら
れている場合は圧縮室と吸入室との圧力が吸入側の圧力
になり、逆流防止弁が吸入側に設けられている場合は圧
縮室と吸入室の圧力が吐出室圧力になり、逆流防止弁の
ない場合は旋回スクロールが逆転をして圧縮室と吸入室
との圧力差が瞬時に無くなる)、弁体がバネ装置の付勢
力や弁体の自重などにより後退して開閉弁を閉じて給油
通路を遮断し、吐出室の油溜(吐出室に通じる油溜)の
潤滑油の無駄な流失を防ぎ、有益な潤滑油の使用によっ
て圧縮効率と耐久性を向上することができる。
実 施 例 以下本発明の5実施例のスクロール気体圧縮機につい
て、図面を参照しながら説明する。
第1図は本発明の第1の実施例における密閉型スクロー
ル冷媒圧縮機の縦断面図を示し、第2図、第3図、第4
図は第1図における給油通路制御弁装置の動作を説明す
る縦断面図を示し、第5図は第1図のA−A線における
圧縮部の横断面図を示し、第6図は吐出側に近くて吐出
室に連通しない圧縮室の圧力変化と給油通路制御弁装置
に導入された圧力変化との比較説明図を示し、第8図〜
第11図は本発明の別の実施例における密閉型スクロール
冷媒圧縮機の縦断面図と部分断面図を示す。
第1図において、1,2は鉄製の密閉ケース、3は鉄製の
フレームでその外周面部で密閉ケース1,2と共に単一の
溶接ビード4によって溶接密封され密閉ケース1,2内を
上側の吐出室5と下側の駆動室6(低圧側)に仕切って
いる。
フレーム3に支承されインバータ電源(図示なし)によ
って運転制御されるモータ7により回転駆動される駆動
軸8の上端部の偏心穴9には旋回スクロール10の旋回軸
11が填め込まれ、旋回スクロール10の自転阻止部品12が
旋回スクロール10とフレーム3に係合し、旋回スクロー
ル10に噛み合う固定スクロール13がフレーム3にボルト
固定され、固定スクロール13の鏡板14には吐出ポート15
が設けられ、鏡板14の上面には吐出ポート15の開口端を
塞ぐ逆止弁16と給油通路制御弁装置17eが取り付けられ
ている。吐出室5の底部は吐出室油溜18でその上部には
多数の***を有した傘状のパンチングメタル19が密閉ケ
ース1に取り付けられ、密閉ケース1とパンチングメタ
ル19との間には細鉄線から成るフィルター20が詰めら
れ、吐出室5は密閉ケース1の上面に設けられた吐出管
21を通じて外部の冷凍サイクル配管系を経て密閉ケース
2の側面に設けられた吸入管22を通じて低圧側の駆動室
6に連通し、駆動室6の底部にはモータ室油溜23が設け
られ、偏心穴9とモータ室油溜23とを連通する偏心油穴
24を有した駆動軸8の下端がモータ室油溜23に埋没して
いる。
第2図、第3図、第4図、第5図において、給油通路制
御弁装置17eは鏡板14にガスケット25を挾んで取り付け
られ、本体ケース26eに設けられてその一端がメクラ栓2
7によって塞がれたシリンダ28e内には外周溝29を有した
プランジャー30が移動可能に装着されている。シリンダ
28eはプランジャー30によって2つの背圧室に仕切ら
れ、メクラ栓27の側の背圧室B31はガス穴32によって吸
入室33に通じ、他方の背圧室A34は極細の圧力導入穴35
によって吐出ポート15とは連通せず吐出ポート15に最も
近い圧縮室A36(第1圧縮室)に連通している。背圧室B
31にはプランジャー30の一端に設けられた円筒穴37に挿
入支持されプランジャー30に付勢力を与えるバネ装置38
がコイルバネA38aとコイルバネB38bの二重構造で形成さ
れ、コイルバネB38bの外側に配置された形状記憶合金製
のコイルバネA38aは、その自由長さがコイルバネB38bよ
りも長く、コイルバネB38bのバネ定数はコイルバネA38a
よりも極端に大きく設定され、コイルバネA38aの付勢力
は吸入室33と圧縮室A36との間の差圧がほとんど無い場
合に背圧室B31の容積を広げるべくプランジャー30を一
定量移動させ、第3図の位置でプランジャー30が停止
し、吸入室33と圧縮室A36との間に差圧がありその差圧
が設定値の範囲にある場合に、プランジャー30に使用す
る差圧力は背圧室B31の容積をコイルバネA38aに抗して
狭めるべくプランジャー30を前進させるが、コイルバネ
B38bをわずかに収縮せしめた第2図の位置でプランジャ
ー30停止し、コイルバネA38aはそれ自身の温度が設定温
度(例えば130℃)を超えるとバネ定数が急増して付勢
力を強めてプランジャー30を第3図の位置に復帰させ
る。
圧力導入穴35を介して圧縮室A36に通じる背圧室A34の圧
力が異常上昇して背圧室A34と背圧室B31との間の差圧が
設定値を超えた場合には、プランジャー30がコイルバネ
A38a、コイルバネB38bに抗して移動し、第4図の位置で
停止する。
吸入室33と圧縮室A36との間に位置して吸入室33とは連
通しない圧縮室B39(第3圧縮室)(圧縮室Ba39a)は、
極細の油インジェクション穴40(インジェクション管40
a)と外周溝29と極細の油吸い込み穴41で構成される給
油通路を介して吐出室油溜18の底部に通じ、プランジャ
ー30の停止位置により給油通路が連通または遮断され
る。
第6図において、横軸は駆動軸8の回転角度を表し、縦
軸は冷媒圧力を表し、吸入・圧縮・吐出過程における冷
媒ガスの正常,異常時の圧力変化状態を表す。
第7図において、横軸は駆動軸8の回転角度を表し、縦
軸は冷媒圧力を表し、実線42は正常運転時の圧縮室A36
の圧力、点線71は異常圧力上昇時の圧縮室A36の圧力、
一点鎖線43は正常運転時の背圧室B34の圧力、二点鎖線7
2は圧縮室A36の圧力が異常上昇した場合に追従して変化
する背圧室A34の圧力をそれぞれ表す。
第8図は別の実施例のスクロール冷媒圧縮機の縦断面図
で、固定スクロール13aの鏡板14aに取り付けられた給油
通路制御弁装置17eを介して吐出室油溜18が駆動室6と
フレーム3aの軸受油溜44に通じている。すなわち、吐出
室油溜18は固定スクロール13aの鏡板14aに設けられた油
吸い込み穴41a,給油通路制御弁装置17eのプランジャー3
0の外周溝29,鏡板14aに設けられてその途中に逆流防止
弁装置を内蔵した(図示なし)油穴A45,フレーム3aに設
けられた油穴B46および油穴C46cによって構成される給
油通路を介して軸受油溜44または駆動室6に通じてい
る。
第9図は別の実施例のスクロール冷媒圧縮機の断面図
で、1b,2bは鉄製の密閉ケース、45は鉄製の支持板でそ
の外周面部で密閉ケース1b,2bと共に単一の溶接ビード
によって溶接密封され、支持板45の上面には旋回スクロ
ール10bを挾んで固定スクロール13bが取り付けられ下面
には駆動軸8bを支承するフレーム3bが取り付けられ、吐
出室5bと駆動室6bとは固定スクロール13bの鏡板14bの上
面に開口した吐出ガス通路46aと支持板45に設けられた
吐出ガス通路46bとで連通し、旋回スクロール10bと支持
板45とフレーム3bとで形成された中間圧背圧室47は駆動
軸8bに設けられた軸心油穴48や駆動軸8bに係合する軸受
49,50,旋回軸受51の各微小隙間を経由してモータ室油溜
23bに連通すると共に、旋回スクロール10bに設けられた
極細のバイパス穴50を介して吸入室33bにも連通してい
る。旋回スクロール10bが中間圧背圧室47の圧力によっ
て押し付けられる固定スクロール13bの鏡板14bの下面に
設けられた環状油溝53は鏡板14b上面に取り付けられた
給油通路制御弁装置17eを介して吐出室油溜18bに通じて
いる。すなわち、吐出室油溜18bから環状油溝53までの
給油通路は、固定スクロール13bの鏡板14bに設けられた
油吸い込み穴41b,給油通路制御弁装置17eのプランジャ
ー30の外周溝29,鏡板14bに設けられた油穴54によって順
次通じている。
吸入管22bは密閉ケース1bと鏡板14bを貫通して吸入室33
bに達し、吸入管22bの端部と吸入室33bとの間には逆止
弁16bが設けられ、吐出管21bは密閉ケース2bに設けられ
て駆動室6bに通じている。
第10図は別の実施例のスクロール冷媒圧縮機の縦断面図
で、密閉ケース1cの内部全体が吐出室5cで、上部にモー
タ7、下部に圧縮部と給油通路制御弁装置17cとが固定
スクロール13cの鏡板14cに取り付けられ底部の油溜23c
に浸漬して配置され、油溜23cから吸入室33cまでの給油
通路(第1給油通路とする)は、給油通路制御弁装置17
cの本体ケース26cに取り付けられた油吸い込み管41g,外
周溝29g,鏡板14cに設けられた油穴55,フレーム3cと固定
スクロール13cに挾まれた支持板45cに設けられた油穴5
6,フレーム3cに設けられた油穴57,駆動軸8cを支承する
軸受58の微小な軸受隙間,フレーム3cと支持板45cと旋
回スクロール10cとで形成された中間圧背圧室47c,駆動
軸8cの下端に設けられた旋回軸受51cと旋回スクロール1
0cの旋回軸11cとの間の微小な軸隙間,旋回スクロール1
0cに設けられた油穴59,バイパス穴52cで構成され、油溜
23cから圧縮室B39c(第2圧縮室)までの給油通路(第
2給油通路とする)は、油吸い込み穴41c,外周溝29c,鏡
板14cに設けられたインジェクション穴40cで構成され、
プランジャー30cが図示の位置では油溜23cから吸入室33
cまでの第1給油通路および油溜23cから圧縮室B39cまで
の第2給油通路が開通し、背圧室Bの容積が最小になる
までプランジャー30cが左へ移動すると第1給油通路は
開通を続けるが第2給油通路は遮断され、背圧室A34の
容積が最小になるまでプランジャー30cが右へ移動する
第1給油通路および第2給油通路はともに遮断されるよ
うに構成されている。
吐出ポート15cから吐出室5cまでの圧縮ガス通路は、固
定スクロール13cと本体ケース26cとで形成された吐出ガ
ス通路60,固定スクロール13cと支持板45cとフレーム3c
にそれぞれ設けられた吐出ガス通路61,62,63で構成され
る。
また、フレーム3cに設けられた軸受64に対向する駆動軸
8cの表面には螺線状の油溝65が設けられ、油溝65の巻き
方向は駆動軸8cの回転に伴うネジポンプ作用により油穴
57の潤滑油を軸受64の上部開口端へも供給できる方向に
設けられている。
また、吸入管22cは密閉ケース1cを貫通して固定スクロ
ール13cに挿入され、逆止弁(図示なし)を介して吸入
室33cに連通し、吐出管21cは密閉ケース1cの上側面に設
けられている。
第11図は給油通路制御弁装置の開閉弁部を固定スクロー
ル13dの鏡板14dの内部に設けた別の実施例のスクロール
冷媒圧縮機の部分断面図で、シリンダ28dが鏡板14dに設
けられ、吐出室5とは連通せず吐出室5に最も近い側の
圧縮室A36と背圧室A34dとは埋め込みネジ66とネジ穴と
の微小隙間を介して圧力導入穴35dで連通され、吸入室3
3とは連通せず吸入室33に近い側の圧縮室B39とプランジ
ャー30の外周溝29とは鏡板14dに設けられたインジェク
ション穴40d,鏡板14dとガスケット25dとガスケット押さ
え67とで形成される極細のインジェクション通路68とで
連通し、プランジャー30に付勢力を与えるバネ装置38は
前述のようにそれ自身が設定温度(例えば130℃)を超
えるとその付勢力を強めて外周溝29とインジェクション
通路68との連通を断つべくプランジャー30を作動させる
ような前述のバネ特性を備えた形状記憶合金材質から成
り、吐出室油溜18から圧縮室B39までの給油通路が油吸
い込み穴41d,外周溝29,インジェクション通路68,インジ
ェクション穴40dで構成される。
以上のように構成されたスクロール冷媒圧縮機につい
て、その動作を説明する。
第1図〜第7図において、モータ7によって駆動軸8が
回転駆動されると旋回スクロール10が旋回運動をし、圧
縮機に接続した冷凍サイクルから吸入冷媒ガスが吸入管
22を通して駆動室6に流入し、その中に含まれる潤滑油
の一部が分離された後に吸入室33に吸入され、この吸入
冷媒ガスは旋回スクロール10と固定スクロール13との間
に形成された圧縮室内に閉じ込められ、旋回スクロール
10の旋回運動に伴って順次圧縮され中央部の吐出ポート
15,逆止弁16を経て吐出室5へ吐出され、吐出冷媒ガス
中に含まれる潤滑油の一部はその自重およびパンチング
メタル19の***や細鉄製から成るフィルター20を通過す
る際にその表面に付着などして吐出冷媒ガスから分離し
て吐出室油溜18に収集され、残りの潤滑油は吐出冷媒ガ
スと共に吐出管21を経て外部の冷凍サイクルへ搬出さ
れ、再び吸入冷媒ガスと共に吸入管22を通して圧縮機内
に帰還する。
一方、駆動室6で吸入冷媒ガスから分離した底部のモー
タ室油溜23に収集された潤滑油は駆動軸8の偏心油穴24
による遠心ポンプ作用で偏心油穴24,駆動軸8に係わる
軸受隙間(偏心穴9と旋回軸11との隙間を含む),旋回
スクロール10に係わるスラスト軸受部や自転阻止部品12
の摺動面を順次潤滑して吸入冷媒ガスと共に吸入室33へ
流入し、隣接する圧縮空間の隙間を油膜で密封し圧縮冷
媒ガスの漏洩を少なくする。
また、吐出室5に連通せず吐出ポート15に最も近い側の
圧縮室A36の圧縮機運転中の圧力は第6図に示すように
大きく変化するが、極細の圧力導入穴35を介して導入し
た背圧室A圧力43はその変化が少なくて圧縮室B圧力42
aの最大値よりも大きい。このため背圧室A34の圧力は吸
入室33に通じる背圧室B31の圧力よりも安定して大き
く、このためにプランジャー30がコイルバネA38aの付勢
力に抗して前進しコイルバネB38bにも付勢力を与える。
しかも、コイルバネB38bの付勢力が大きいのでプランジ
ャー30は第2図に示す位置で停止して給油通路が開か
れ、吐出室油溜18の潤滑油は油吸い込み穴41,外周溝29,
インジェクション穴40e(またはインジェクション管40
a),インジェクション穴40を経て漸次減圧されて圧縮
室B39に間欠給油され、この潤滑油はモータ室油溜23か
ら給油され、吸入冷媒ガスと共に吸入室33を経て圧縮室
B39に搬送されて来た潤滑油と合流し、隣接する圧縮室
間の隙間を油膜でより一層の密封を図り、圧縮冷媒ガス
と共に吐出室5へ吐出される。
また、万一、圧縮機運転中に冷凍サイクル配管系の詰ま
り現象などによって圧縮機内への潤滑油帰還が無く吐出
室油溜18の潤滑油が不足して給油通路を経て高温で粘性
の小さい吐出冷媒ガスが圧縮室B39に多量流入した場合
は、第6図に示すように圧縮室の圧力が点線70のように
異常上昇し、第7図に示すように圧力導入穴開口部の圧
縮室Aの圧力72もその平均圧力が高くなる。この結果、
プランジャー30はコイルバネB38bの付勢力に抗して前進
し第4図に示す位置で停止し給油通路を遮断する。ま
た、圧縮機停止後は前述の如くプランジャー30が第13図
に示す位置に後退して給油通路を遮断する。
また、圧縮室や吐出室5内が異常温度上昇しコイルバネ
A38aが設定温度(例えば130℃)を超えると、形状記憶
合金材質から成るコイルバネA38aの付勢力と自由長さが
増大してプランジャー30は第3図の位置に移動し給油通
路が遮断される。
また、圧縮機停止後は逆止弁16が閉じ、吐出室5の圧力
は数分間ほぼ吐出圧力状態を保持されるが相対滑り運動
の無い圧縮室間の隙間は油膜による密封効果が無く、吐
出ポート15と各圧縮室の圧力は旋回スクロールの瞬時逆
転によって吸入室33と同じ圧力になる。
この結果、プランジャー30はコイルバネA38aの付勢力に
よって移動し、第3図に示すように給油通路が遮断され
て吐出室油溜18から圧縮室B39への給油が停止する。
第8図においては、圧縮機運転中の吐出室油溜18の潤滑
油は上述のようにプランジャー30の作動によって油吸い
込み穴41a,外周溝29,油穴A45,油穴B46で構成される第1
給油通路および油穴B46の途中から油穴C46cを介して駆
動室6へバイパスする第2給油通路を経て適切に漸次減
圧され、軸受油溜44への給油と駆動室6への油戻しに供
され、その後は駆動軸8に係わる軸受部や旋回スクロー
ル10のスラスト軸受部などの摺動面を潤滑しながら低圧
側の駆動室6や吸入室33に流入する。吸入冷媒ガスと共
に吸入室に流入した潤滑油は上述のように隣接する圧縮
室間の隙間を油膜により密封して圧縮効率を高め、駆動
室6に流入した潤滑油は底部のモータ室油溜23に収集さ
れた後、駆動軸8に設けられた偏心油穴24の遠心ポンプ
作用によって上述のように各摺動面へ供給される。
なお、圧縮機停止後の給油通路の遮断や冷媒ガスの流
れ,冷媒ガス中の潤滑油の分離などについては上述と同
様で説明を省略する。
第9図においては、モータ7によって駆動軸8が回転駆
動されて旋回スクロールが旋回運動をし、圧縮機に接続
した冷凍サイクルから吸入冷媒ガスが吸入管22bを通
り、その終端部に設けられた逆止弁16bに抗して吸入室3
3bに流入され、圧縮室内で一定の圧縮比にまで圧縮され
た後、吐出室5bへ吐出され、吐出冷媒ガス中に含まれる
潤滑油の一部はその自重などによって吐出冷媒ガスから
分離して吐出室油溜18bに収集される。その後、吐出冷
媒ガスは吐出冷媒ガス通路46a,46bを経て駆動室6bに搬
送され、吐出冷媒ガス中の潤滑油の一部は駆動室6bでも
分離して底部のモータ室油溜23bに収集される。モータ
室油溜23bの潤滑油は中間圧背圧室47との差圧により駆
動室8bの軸心油穴48,旋回軸受51の微小隙間,フレーム3
bの軸受49,50の微小隙間を経て漸次減圧されて中間圧背
圧室47に給油された後、バイパス穴52を通じて吸入室33
bに流入して隣り合う圧縮室間隙間を油膜で密封して圧
縮効率を高める。
また、中間圧背圧室47の潤滑油圧力は旋回スクロール10
bを固定スクロール13bの鏡板14b面に押圧するスラスト
力を生じる。
また、給油通路制御弁装置17eのプランジャー30は前述
の如く圧縮機運転中に給油通路を開き、吐出室油溜18b
の潤滑油は油吸い込み穴41b,外周溝29,油穴54を経て鏡
板14bの環状油溝53に差圧給油され、鏡板14bと旋回スク
ロール10bとの摺動面の潤滑に供された後、吸入室33bに
流入して隣り合う圧縮室間の隙間の密封にも寄与する。
また、圧縮機停止後は逆止弁16bが吸入管22bを塞ぎ、圧
縮室圧力は吐出室圧力に等しくなり、前述の如くプラン
ジャー30は給油通路を遮断する。
第10図においては、吸入管22cを通して吸入室33cに流入
した吸入冷媒ガスは圧縮された後、吐出ポート15c,吐出
ガス通路60,61,62,63を経て吐出室5cに吐出され、吐出
冷媒ガス中に含まれる潤滑油の一部はその自重などによ
って吐出冷媒ガスから分離して底部のモータ室油溜23c
に収集され、残りの潤滑油は吐出冷媒ガスと共に吐出管
21cを通して外部の冷凍サイクルへ搬出される。
前述の如く圧縮機運転中は、給油通路制御弁装置17cの
プランジャー30cが作動して給油通路を開き、モータ室
油溜23cの潤滑油は油吸い込み管41g,外周溝29g,油穴55,
56,57,駆動軸8cと軸受58との間の微小隙間,中間圧背圧
室47c,旋回軸11cと旋回軸受51cとの間の微小隙間,油穴
59,バイパス穴52cを経て漸次減圧され摺動面を潤滑しな
がら吸入室33cに流入する第1給油通路と、油吸い込み
穴41c,外周溝29c,インジェクション穴40cを経て漸次減
圧されながら圧縮室B39cに流入する第2給油通路とを通
じて圧縮空間に差圧給油され、吸入冷媒ガスと共に再び
圧縮・吐出され、その過程で圧縮室間の隙間を油膜で密
封して圧縮冷媒ガスの漏洩を少くする。
なお、油穴57の潤滑油の一部は駆動軸8cの外周に設けら
れた螺線状の油溝のネジポンプ作用により吐出室5cへも
搬出されて軸受64の摺動面を潤滑する。
圧縮機内の潤滑油が一時的に不足して油溜23cの油面が
油吸い込み穴41cの開口端まで低下した場合は、第2給
油通路を通じて圧縮室B39cに吐出冷媒ガスが流入し、前
述のようにプランジャー30cがさらに前進して第2給油
通路を閉じて潤滑油不足を防ぐが、第1給油通路は開通
を続けて潤滑油が軸受部などの摺動面へ差圧給油され
る。
また、前述の如く圧縮機停止後は、プランジャー30cが
給油通路を遮断する。
第11図においては、圧縮機運転中に吐出室油溜18の潤滑
油が不足した場合には、高温で粘性の少ない圧縮冷媒ガ
スが給油通路(油吸い込み穴41d,外周溝29,インジェク
ション通路68,インジェクション穴40d)を経て圧縮室B3
9に多量流入し、圧縮冷媒ガスの圧力や温度を異常上昇
せしめる。この結果、鏡板14dの内部に装着された形状
記憶合金材質から成るコイルバネ38は圧縮室A36,圧縮室
B39,吐出室5か等の直接的伝熱によって早急に設定温度
(例えば130℃)を超えて付勢力が増大しプランジャー3
0を後退せしめて給油通路を遮断する。
また、吐出室油溜18に潤滑油が充分にあり、通常の圧縮
機運転中や停止後の給油通路の開閉については上述の通
りである。
以上のように上記実施例によれば吐出室油溜18の底部と
吸入室33にも吐出室5にも通せず吸入室33に近い側の圧
縮室B39(吸入圧力と吐出圧力との間の中間圧力)との
間を油吸い込み穴41,外周溝29,イジェクション穴40e,40
で形成される給油通路により連通させ、給油通路の途中
には給油通路を開閉するプランジャー30とアクチェータ
とで構成される給油通路制御弁装置17eを設け、アクチ
ェータにはプランジャー30とその両側に配置した背圧室
A34と背圧室B31およびプランジャー30を背圧室A34の方
へ付勢するバネ装置38を設け、背圧室A34は吐出室5に
も吸入室33にも連通せず圧縮室B39よりも圧縮後行程の
圧縮室A36に通じ、背圧室B31は吸入室33に通じ、背圧室
A34と背圧室B31との間に差圧がありその差圧が第1設定
値の範囲にある場合に、プランジャー30がバネ装置に抗
して前進して吐出室油溜18に通じる油吸い込み穴41と圧
縮室B39に通じるインジェクション穴40eとの間をプラン
ジャー30の外周溝29を介して連通し、背圧室A34と背圧
室B31との間の差圧が第1設定値よりも大きい第2設定
値の範囲にある場合に、プランジャー30がバネ装置38に
抗してさらに前進して油吸い込み穴41とインジェクショ
ン穴40eとの間を遮断して給油通路を閉じ、背圧室A34と
背圧室B31との間の差圧のない場合にバネ装置38の付勢
力によってプランジャー30が後退して油吸い込み穴41と
インジェクション穴40eとの間を遮断して給油通路を閉
じる給油通路制御弁装置17eを備えることにより、圧縮
機運転中は冷媒ガスの圧縮比が一定なために圧縮室A36
の圧力は吐出室5の圧力に影響されずに吸入室33の圧力
の一定倍率の圧力まで確実に上昇し、アクチェータのプ
ランジャー30が差圧力によって前進して圧縮機起動直後
から給油通路を開き、吐出室油溜18の潤滑油を圧縮初期
行程から圧縮室B39へ油インジェクションさせて吸入体
積効率を低下することなく隣接する圧縮室間の隙間を油
膜で密封して、圧縮機起動初期から圧縮効率を高めると
共に圧縮冷媒ガスの異常温度上昇を防ぎ耐久性を向上で
きる。また、圧縮室への油インジェクションによりスク
ロール部の加工寸法精度を適性化して圧縮機コストの低
減が図れる。また、吐出室油溜18の潤滑油が不足して粘
性が低く通路抵抗の極めて小さい吐出冷媒ガスが圧縮室
B39に流入した場合でも圧縮室圧力が異常に上昇して差
圧が設定値を超えてプランジャー30をさらに前進せしめ
て給油通路を閉じ、圧縮効率の低化を防ぐ。
また、圧縮機停止後は吸入室33と圧縮室A36との差圧が
無くなり給油通路が遮断されるので、吐出室油溜18から
圧縮室B39への無駄な潤滑油流入を防止して、潤滑油の
有効利用による摺動面の耐久性や圧縮効率の向上,圧縮
機再起動時の油圧縮による圧縮機破損防止を図ることも
出来る。
また、上記実施例によればバネ装置38がバネ定数と自由
長さの異なるコイルバネA38aとコイルバネB38bのバネか
ら成ることにより、背圧室間の差圧力によってバネ装置
38の付勢力に抗して前進移動するプランジャー30の停止
位置が差圧力に多少の変動が生じる場合でも安定してお
り、この結果、プランジャー30による給油通路の開通,
遮断にチャタリング現象も生ぜず、給油を必要とする圧
縮機運転時にプランジャー30が前進して給油通路を閉じ
ることもなく、安定した差圧給油によって安定した圧縮
効率の向上に寄与する。
また、プランジャー30と圧縮室A36との間のインジェク
ション穴40と、その底部にモータ室油溜23を有し吸入通
路でもあり駆動軸8の遠心ポンプ作用による給油装置を
備えた駆動室6との間または駆動軸を支承する軸受の間
に設けられた軸受油溜44との間を油穴A45,油穴B46,油穴
C46cで構成する油戻し通路で連通させることにより、圧
縮機運転中は給油通路は開閉弁(プランジャー30)を開
いて吐出室内で吐出冷媒ガス中から分離した潤滑油を軸
受摺動面などに給油しながら給油装置の油溜に戻して圧
縮機外部への無駄な潤滑油流出を防いで、圧縮室B39へ
の油インジェクション効果による圧縮効率の向上,摺動
部摩耗の低減による耐久性向上を図ると共に、圧縮機外
部冷凍サイクル中に配した熱交換器の性能向上も図るこ
とが出来る。
なお上記実施例では冷媒圧縮機について動作を説明した
が、潤滑油を使用する酸素,窒素,ヘリゥムなどの他の
気体圧縮機の場合も同様の作用効果を期待できる。
また、上記実施例ではインジェクション管40aを用いて
プランジャー30の外周溝29と圧縮室A36とを連通した
が、インジェクション管40aの代わりに鏡板14にその通
路を設けてもよい。
また、上記実施例では背圧室B31と吸入室33とを連通し
たが、プランジャー30の寸法やコイルバネ38などを適切
に選定することにより、吸入室33に通じる圧縮室(第3
圧縮室とする)と背圧室B31とを連通してもよい。
また、上記実施例ではプランジャーが水平方向に移動す
るように給油通路制御弁装置を固定スクロールの鏡板に
取り付け、背圧室Aと背圧室Bとの間に差圧が無くなっ
た場合にバネ装置の付勢力によってプランジャーを後退
せしめる構成であるが、背圧室Aを下側に、背圧室Bを
上側に配置して、両室間の差圧が無くなった場合にプラ
ンジャーがその自重により後退して開閉弁を遮断する立
置型の給油通路制御弁装置を鏡板の上面または側面に取
り付けてもよい。
また、上記実施例ではバネ装置38をバネ定数と自由長さ
の異なるコイルバネA38aとコイルバネB38bとで構成した
が、その変位が進行途中でバネ定数が急増するバネ(例
えば、円錐形コイルバネなど)や、自由長さの異なる複
数個のコイルバネで構成した場合も同様の作用効果を生
じる。
また、上記実施例ではプランジャー30の外周部に特別な
シール部材を設けていないが、例えばテフロン製のピス
トンリングやテフロン被膜を施したゴム製のオーリング
(O−リング)を使用してプランジャー30外周部からの
軸方向漏れを少なくしてもよい。
発明の効果 以上のように本発明は、吐出室の油溜または吐出室に通
じる油溜とその油溜よりも圧力が低く吐出室にも吸入室
にも通じない第2圧縮室とを給油通路により連通させ、
給油通路の途中には給油通路を開閉する開閉弁とその開
閉弁を制御するアクチェータとで構成される給油通路制
御弁装置を設け、アクチェータには弁体とその弁体の両
側に配置した弁体の背圧室Aと背圧室Bおよび弁体を付
勢するバネ装置を設け、背圧室Aは吐出室にも吸入室に
も連通せず第2圧縮室よりも圧縮後行程の第1圧縮室に
通じ、背圧室Bは吸入室または吸入室に通じる第3圧縮
室または吸入室に通じる吸入側に通じ、背圧室Aと背圧
室Bとの間に差圧がありその差圧が第1設定値の範囲に
ある場合に弁体がバネ装置に抗して前進して開閉弁を開
き、差圧が第1設定値よりも大きい第2設定値の範囲に
ある場合に弁体がさらに前進して開閉弁を閉じ、差圧の
ない場合に弁体が後退して開閉弁を閉じる給油通路制御
弁装置を備えることにより、圧縮機運転中はスクロール
圧縮機構における圧縮気体の圧縮比が一定なために第1
圧縮室の圧力は吐出室の圧力に影響されずに吸入室の圧
力の一定倍率の圧力まで確実に上昇し、第1圧縮室に通
じる背圧室Aと吸入室(または第3圧縮室または吸入室
に通じる吸入側)に通じる背圧室Bとの間の差圧力によ
ってアクチェータの弁体が前進して開閉弁を開き、これ
によって圧縮機起動直後から給油通路が開いて吐出室の
油溜または吐出室に通じる油溜の潤滑油を第2圧縮室に
油インジェクションして吸入体積効率を低下させること
なく圧縮室間の隙間密封効果によって、圧縮機起動初期
から圧縮空間の圧縮気体漏れを少なくして圧縮効率を高
めると共に圧縮部の異常温度上昇を防いで耐久性を向上
し、スクロール部の加工寸法精度を量産適性化して圧縮
機コストの低減を図ることができる。
また、圧縮機高速運転などは吐出室内(または油分離装
置内)での吐出気体の流速度が増大して潤滑油まき込み
現象が生じ、吐出室内(または油分離装置内)での潤滑
油分離効率が劣下して吐出室の油溜の潤滑油が不足した
場合、あるいは、圧縮機に接続する外部の配管系の詰ま
り現象などによって圧縮機内への潤滑油帰還がなく吐出
室の油溜の潤滑油が不足した場合などは、給油通路を経
て吐出気体が第2圧縮室に多量流入して第2圧縮室より
も圧縮後行程の第1圧縮室の圧力が異常上昇し、これに
追従して背圧室Aの圧力も異常上昇して背圧室Aと背圧
室Bとの差圧が増大し、弁体がバネ装置の付勢力に抗し
てさらに前進して給油通路が閉じ、第2圧縮室への吐出
気体の流入を阻止し、圧縮室内圧力や圧縮部温度の異常
上昇を防止して圧縮効率や耐久性(破損,摺動部摩耗な
ど)の低下を防ぐことが出来る。
また、圧縮機停止後は吸入室(または吸入室に通じる第
3圧縮室または吸入室に通じる吸入側)と第1圧縮室と
が同じ圧力になり、背圧室Aと背圧室Bとの差圧が無く
なりバネ装置の付勢力などによって弁体が後退して開閉
弁を閉じて給油通路が遮断されるので、吐出室の油溜
(または吐出室に通じる油溜)から圧縮室内への無駄な
潤滑油流入(吸入側に逆転防止弁のない場合は吸入側へ
も流入する)を防止して圧縮機再起動直後の給油不足や
油圧縮を無くして耐久性を向上できるなど吐出室圧力の
影響を受けることなく圧縮機の運転状態(停止または運
転中)と油溜の潤滑油の有無を検出する機能と給油通路
の開閉を制御する機能とを備えた応答性の高い給油通路
制御弁装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例における密閉型スクロー
ル冷媒圧縮機の縦断面図、第2図,第3図,第4図は第
1図における給油通路制御弁装置の動作を説明する要部
縦断面図、第5図は第1図のA−A線における圧縮部の
横断面図、第6図は吸入行程から圧縮行程までの気体の
圧力変化の説明図、第7図は圧縮室の定点における圧力
変化などの比較説明図、第8図,第9図,第10図は本発
明のそれぞれ異なる別の実施例の密閉型スクロール冷媒
圧縮機の縦断面図、第11図は本発明の別の実施例のスク
ロール型冷媒圧縮機の部分断面図、第12図〜第15図はそ
れぞれ異なる従来のスクロール型気体圧縮機の縦断面図
および部分断面図、第16図は従来の給油通路制御装置を
備えたロータリ型気体圧縮機の縦断面図、第17図は第16
図のA−A線における縦断面図である。 1,2……密閉ケース、5……吐出室、6……駆動室、7
……モータ、10……旋回スクロール、13……固定スクロ
ール、15……吐出ポート、17……給油通路制御弁装置、
18……吐出室油溜、23……モータ室油溜、30……プラン
ジャー、31……背圧室B、33……吸入室、34……背圧室
A、36……圧縮室A、38……コイルバネ、39……圧縮室
B、40……インジェクション穴、41……油吸い込み穴、
44……軸受油溜、47……中間圧背圧室。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】固定スクロールに対して旋回スクロールを
    揺動回転自在に噛み合わせ、両スクロール間に渦巻き形
    の圧縮空間を形成し、前記圧縮空間は吸入側より吐出側
    に向けて連続移行する複数個の圧縮室に区画されて流体
    を圧縮するスクロール式圧縮機構を形成し、吐出室の油
    溜または吐出室に通じる油溜と前記油溜よりも圧力が低
    く前記吐出室にも吸入室にも通じない第2圧縮室とを給
    油通路により連通させ、前記給油通路の途中には前記給
    油通路を開閉する開閉弁と前記開閉弁を制御するアクチ
    ェータとで構成される給油通路制御弁装置を設け、前記
    アクチェータには弁体と前記弁体の両側に配置した前記
    弁体の背圧室Aと背圧室Bおよび前記弁体を付勢するバ
    ネ装置を設け、前記背圧室Aは前記吐出室にも吸入室に
    も連通せず前記第2圧縮室よりも圧縮後行程の第1圧縮
    室に通じ、前記背圧室Bは前記吸入室または前記吸入室
    に通じる第3圧縮室または前記吸入室に通じる吸入側に
    通じ、前記背圧室Aと前記背圧室Bとの間に差圧が有り
    その差圧が第1設定値の範囲にある場合に前記弁体が前
    記バネ装置に抗して前進し前記開閉弁を開き、前記差圧
    が前記第1設定値よりも大きい第2設定値の範囲にある
    場合に前記弁体がさらに前進して前記開閉弁を閉じ、前
    記差圧のない場合に前記弁体が後退して前記開閉弁を閉
    じる給油通路制御弁装置を備えたスクロール気体圧縮
    機。
  2. 【請求項2】バネ装置が変位進行途中でバネ定数が急増
    するバネ、またはバネ定数と自由長さ若しくは自由長さ
    の異なる複数個のバネから成る特許請求の範囲第1項記
    載のスクロール気体圧縮機。
  3. 【請求項3】開閉弁と第1圧縮室との間の給油通路とそ
    れよりも下流側の給油装置を備えた油溜室との間または
    摺動部との間を油戻し通路により連通させた特許請求の
    範囲第1項または第2項記載のスクロール気体圧縮機。
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JPS63150491A (ja) 1988-06-23

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