JP3401931B2 - スクロール型流体機械 - Google Patents

スクロール型流体機械

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JP3401931B2
JP3401931B2 JP19837894A JP19837894A JP3401931B2 JP 3401931 B2 JP3401931 B2 JP 3401931B2 JP 19837894 A JP19837894 A JP 19837894A JP 19837894 A JP19837894 A JP 19837894A JP 3401931 B2 JP3401931 B2 JP 3401931B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、主に、冷凍機や空調機
の冷媒圧縮機等に用いられるスクロール型流体機械に関
する。 【0002】 【従来の技術】従来のスクロール型流体機械は、例えば
特開平4−241785号公報にも記載されているよう
に、駆動軸を軸受支持する軸受と、前記駆動軸の偏心軸
部を受入れて、可動スクロールの旋回運動を可能にする
旋回部とをもった軸受ハウジングに、前記可動スクロー
ルの鏡板背面を支持するスラスト受面を設け、このスラ
スト受面の径方向ほぼ中央部に環状油溝を設け、前記軸
受ハウジングに、一端が前記駆動軸の内部に設ける主給
油通路に連通し、他端が前記環状油溝に開口する給油通
路を形成して、該給油通路から前記環状油溝に給油し
て、前記スラスト受面を潤滑するようにしたものが知ら
れている。 【0003】このスクロール型流体機械は、図9に示す
ように、鏡板A1に渦巻体A2を突設した可動スクロー
ルAを、同じく鏡板に渦巻体を突設した固定スクロール
(図示せず)に、各渦巻体A2が対向するように組み合
わせる一方、前記可動スクロールAの鏡板A1に、モー
タに連結される駆動軸Bの偏心軸部B1を嵌合させるボ
ス部A3を形成し、前記可動スクロールAを前記駆動軸
Bの回転駆動に伴い連動させるようにしている。 【0004】さらに、前記駆動軸Bを軸受支持する軸受
C1を有する軸受ハウジングCを設けて、前記可動スク
ロールAの鏡板A1を、前記軸受ハウジングCの頂面部
に形成するスラスト受面C2で支持するようにしてい
る。 【0005】また、前記軸受ハウジングCには、前記偏
心軸部B1及び前記可動スクロールAのボス部A3を、
該可動スクロールAが旋回運動できるように受け入れる
旋回部C3を形成して、前記駆動軸Bの回転駆動によ
り、前記偏心軸部B1を前記旋回部C3内で偏心回転さ
せて、前記可動スクロールAを旋回運動させるようにし
ている。 【0006】さらに、前記軸受ハウジングCのスラスト
受面C2における径方向ほぼ中央部部には、図9及び図
10に示すように、環状油溝C4を設けると共に、前記
軸受ハウジングCに、一端が該環状油溝C4に開口し、
他端が前記軸受C1内周面に開口して、前記駆動軸B内
に形成する主給油通路B2に連通する給油通路C5を形
成することにより、該給油通路C5を介して前記主給油
通路B2の油を前記環状油溝C4に給油し、該環状油溝
の油を前記スラスト受面C2に対して摺動する前記可動
スクロールAの鏡板A1の旋回運動により、該鏡板A1
と前記スラスト受面C2との間に給油して、潤滑するよ
うにしている。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】ところで、スクロール
型流体機械を冷凍機に使用する場合、冷媒として従来
は、フロン(例えばR−22)を使用していたが、環境
問題からフロン使用が規制され、この従来のフロンに代
る代替フロン(例えばHFC134a)の使用が要求さ
れている。この場合、この代替フロンに対して使用する
潤滑油は、従来のフロン(例えばR−22)に使用して
いた潤滑油(スニソ油)がその適合性から使用できず、
潤滑油としてエステル油を使用することから、従来の潤
滑油に比べて潤滑性能が低下する問題がある。 【0008】即ち、従来の潤滑油では、前記環状油溝C
4から可動スクロールAの旋回直径までの長さは、該可
動スクロールAの摺動により旋回直径の範囲内では十分
潤滑することができたのであるが、代替フロン用の前記
エステル油は、粘度が高く、また、圧力がかかると弾か
れる性質を有していることから、潤滑不足が生じ、この
潤滑不足により種々の問題が生ずるのである。 【0009】つまり、前記流体機械を運転する場合、各
渦巻体の内圧により、前記可動スクロールAの鏡板A1
が、その中心部において前記駆動軸Bに向かって撓み、
この結果、前記スラスト受面C2における径方向内側の
面圧が大きくなる。 【0010】従って、前記環状油溝C4から旋回直径の
範囲内であっても、スラスト受面C2における径方向内
側において前記エステル油により形成される油膜が破断
されて潤滑不良が生じ、また、この潤滑不良で、前記ス
ラスト受面C2の径方向内側部分が摩耗するし、場合に
よっては焼き付けが発生する問題が生じ、また、この摩
耗により前記鏡板A1を支持する前記スラスト受面C2
での支持点間の距離が大きくなり、この支持点の距離が
大きくなることで前記鏡板A1の撓みがさらに大きくな
って、前記各渦巻体A2間に隙間が生じ、このためシー
ル性を悪くし、性能低下を招くことになる不具合があっ
た。 【0011】さらに、代替フロンを用いる冷凍機におい
ては、従来のフロンを用いる場合に比べてシステム側の
高圧と低圧との差圧が小さいことから、従来に比べて、
前記鏡板A1の撓み量は少ないのであるが、この撓みが
少なくなる分、前記スラスト受面C2と前記鏡板A1背
面との間の隙間が狭くなるので、前記環状油溝C4から
前記スラスト受面C2へ流出される際の給油通路が狭く
なって、給油量が減少することになり、さらに、代替フ
ロン用のエステル油は、従来のスニソ油に比べて粘度が
高く、前記した通路抵抗が大きくなることと相俟って、
前記スラスト受面C2への給油性能が悪くなり、このこ
とによっても潤滑不良の問題は増長されるのである。 【0012】また、前記公報の従来例では、前記鏡板A
1の撓みによる該鏡板A1の前記スラスト受面C2にお
ける径方向内側での面圧を小さくするため、図9に示す
ように、前記鏡板A1の背面側に該背面の径方向外側か
ら中心に向かって反スラスト受面側に傾斜するテーパー
面A4を形成して、前記鏡板A1がスラスト受面側に撓
んだときに、該鏡板A1の背面が前記スラスト受面C2
に対してほぼ水平になるように構成している。 【0013】この構成によると、前記スラスト受面C2
の径方向内側における面圧は、小さくできるのである
が、このように厚みの薄い前記鏡板A1の背面にテーパ
ー面A4をわざわざ形成することは、加工精度を要する
し、加工も困難と成る問題が生ずるのであって、前記し
た代替フロン使用による問題は基本的に解決できないの
である。 【0014】本発明は、以上の問題に鑑みて成したもの
で、その目的は、環状油溝から給油する構造でありなが
ら、簡単な構造で、コスト高になることなく、軸受ハウ
ジングに形成するスラスト受面の径方向内側での潤滑不
良を防止して、該スラスト受面の摩耗、焼き付けを確実
に防止することができるスクロール型流体機械を提供す
ることにある。 【0015】 【0016】 【0017】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項記載の発明は、駆動軸4の軸受51と、前
記駆動軸4の偏心軸部41を受入れて、可動スクロール
2の旋回運動を可能にする旋回部53とをもった軸受ハ
ウジング5に、前記可動スクロール2の背面を支持する
スラスト受面52を設け、このスラスト受面52の径方
向ほぼ中央部に環状油溝54を設け、前記軸受ハウジン
グ5に、一端が前記駆動軸4の内部に設ける主給油通路
42に連通し、他端が前記環状油溝54に開口する給油
通路55を形成したスクロール型流体機械において、前
記可動スクロール2の背面に、前記軸受ハウジング5の
スラスト受面52における前記環状油溝54より径方向
内方側と対向し、前記旋回部53と前記環状油溝54と
に択一的に連通する油溜8を設けたのである。 【0018】 【0019】 【0020】 【作用】請求項記載の発明では、前記可動スクロール
2の鏡板21背面に、前記軸受ハウジング5のスラスト
受面52における前記環状油溝54より径方向内方側と
対向し、前記旋回部53と前記環状油溝54とに択一的
に連通する油溜8を設けたから、前記旋回部53に返油
される油と、前記環状油溝54にたまる油とを交互に前
記油溜8に取り込んで、該油溜8から前記スラスト受面
52における径方向内側に給油できるので、前記スラス
ト受面52における径方向内側の潤滑をより良好に行な
えるのである。 【0021】 【実施例】まず、第1実施例について説明する。図2に
示したスクロール型流体機械は、冷凍機として使用する
低圧ドーム型のスクロール形圧縮機で、密閉ケーシング
1の内部上方に圧縮要素CFを、ケーシング1の内部下
方にモータMを内装しており、前記圧縮要素CFは、鏡
板21に渦巻体22を突設した可動スクロール2と、同
じく鏡板31に渦巻体32を突設した固定スクロール3
とから成り、各スクロール2,3を各渦巻体22,32
が対向するように組み合わせる一方、前記可動スクロー
ル2の鏡板21に、モータMに連結される駆動軸4の偏
心軸部41を嵌合させるボス部23を形成し、前記可動
スクロール2を前記駆動軸4の回転駆動に伴い連動させ
るようにしている。 【0022】さらに、前記ケーシング1内に、前記駆動
軸4を軸受支持する軸受51を有する軸受ハウジング5
を設けて、前記固定スクロール3を前記軸受ハウジング
5に固定すると共に、前記可動スクロール2の鏡板21
を、前記軸受ハウジング5の頂面部に形成するスラスト
受面52で支持するようにしている。 【0023】また、前記ケーシング1の内部で前記固定
スクロール3の上部側に、仕切体6を配設して、該仕切
体6により、この仕切体6の上部側に前記固定スクロー
ル3に形成する吐出口33が開口し、かつ、吐出冷媒を
ケーシング外部に吐出する外部吐出管11を開口させる
高圧室12を形成すると共に、前記仕切体6の下部側
に、吸入管13が開口し、前記圧縮要素CF及びモータ
Mを配設する低圧室14を区画形成している。 【0024】また、オルダムリング15を、前記可動ス
クロール2の下面側外周部に配設して、前記オルダムリ
ング15により前記可動スクロール2の自転を阻止し、
該可動スクロール2を前記固定スクロール3に対し公転
駆動させるようにしている。 【0025】従って、前記モータMの駆動に伴う前記駆
動軸4の回転により前記可動スクロール2が前記固定ス
クロール3に対して公転駆動し、この公転駆動で前記吸
入管13から前記低圧室14内に吸入された低圧ガスが
前記各スクロール2,3の渦巻体22,32で形成され
る圧縮室内に吸入され、この吸入されたガスが圧縮され
て、この圧縮ガスが前記吐出口33から前記高圧室12
に吐出され、前記外部吐出管11からケーシング1外部
に吐出されるのである。 【0026】また、前記駆動軸4の下端部には、前記ケ
ーシング1の底部に溜る油と連通する容積型油ポンプ等
から成る給油ポンプ7を設けており、該給油ポンプ7に
よりケーシング1底部に溜る油を前記駆動軸4に軸方向
に貫通形成する主給油通路42内に汲み上げて、前記軸
受ハウジング5における前記駆動軸4の軸受51や前記
スラスト受面52等の各摺動部に給油するようにしてい
る。 【0027】また、前記軸受ハウジング5には、前記偏
心軸部41及び前記可動スクロール2のボス部23を、
該可動スクロール2が旋回運動できるように受け入れる
旋回部53を形成しており、前記駆動軸4の回転駆動に
より、前記偏心軸部41を前記旋回部53内で偏心回転
させて、前記可動スクロール2を旋回運動させるように
している。 【0028】さらに、前記軸受ハウジング5のスラスト
受面52は、環状をしており、該スラスト受面52にお
ける径方向中間部に、環状油溝54を設けている。 【0029】なお、前記スラスト受面52に形成される
前記環状油溝54は、該環状油溝54の内径が、前記旋
回部53の内径より前記可動スクロール2の旋回直径の
長さだけ大きい径となる位置に形成するのが好ましい。 【0030】また、前記駆動軸4には、前記主給油通路
42から分岐して、前記軸受ハウジング5の軸受51内
周面に開口する分岐通路43を形成しており、前記軸受
ハウジング5に、一端が該環状油溝54に開口し、他端
が前記軸受51内周面における前記分岐通路43開口部
との対向部で開口し、該分岐通路43を介して前記主給
油通路42に連通する給油通路55を形成している。 【0031】そして、該給油通路55を介して前記主給
油通路42の油を前記環状油溝54に給油して、前記ス
ラスト受面52に対して摺動する前記可動スクロール2
の鏡板21の旋回運動により、前記環状油溝54の油を
前記スラスト受面52と前記鏡板21との間に給油する
ようにしている。 【0032】しかして、以上のスクロール形圧縮機にお
いて、図1乃至図3に示すように、前記可動スクロール
2の鏡板21背面に、前記軸受ハウジング5のスラスト
受面52における前記環状油溝54より径方向内方側と
対向し、前記環状油溝54に連通する油溜8を設けたの
である。 【0033】具体的には、第1実施例では図3に示すよ
うに、前記可動スクロール2の鏡板21の背面で径方向
中間部に、放射状に延びる複数の油溝81を形成して、
これら油溝81により前記油溜8を形成するのであっ
て、該油溜8は、前記可動スクロール2の旋回運動中、
前記環状油溝54には常時連通させ、前記旋回部53に
は連通しないように形成するのである。 【0034】つまり、図1に示すように、前記軸受ハウ
ジング5の前記軸受51及び旋回部53の中心をO1
前記旋回部53の内径をR1、前記環状油溝54の径方
向内方側の径をR2、前記可動スクロール2の中心を
2、該可動スクロール2の旋回半径をRor、前記可動
スクロール2の中心O2から前記鏡板21に形成する前
記油溝81の径方向内方側端部までの長さをlin、前記
可動スクロール2の中心O2から前記油溝81の径方向
外方側端部までの長さをloutとすると、前記油溜8を
前記環状油溝54に常時連通させるために、前記長さl
outを 【0035】 【数1】lout>R2+Ror を満足する長さとし、かつ、前記油溜8を前記旋回部5
3に連通させないようにするために、前記長さlinを、 【0036】 【数2】lin≧R1+Ror を満足する長さとするのである。 【0037】そして、前記油溜8を前記環状油溝54に
常時連通させながら、前記可動スクロール2を旋回させ
るので、この旋回運動により、前記環状油溝54の油を
前記油溜8内に取り込んで、この油溜8の油で前記スラ
スト受面52における径方向内側を潤滑することができ
るのである。 【0038】また、前記油溜8は、前記旋回部53に
は、連通させていないので、前記環状油溝54から取り
入れた油が前記旋回部53に流出することなく、前記油
溜8の油で無駄なく前記スラスト受面52の潤滑を行う
ことができるのである。 【0039】さらに、前記環状油溝54へは、前記駆動
軸4の下端部に設ける前記給油ポンプ7により前記給油
通路55を介して前記主給油通路42から強制的に給油
されるので、この強制給油される前記環状油溝54の油
を前記油溜8に取り込んで、前記スラスト受面52に給
油することができるのである。 【0040】以上のように、前記可動スクロール2の鏡
板21背面に、前記軸受ハウジング5のスラスト受面5
2における前記環状油溝54より径方向内方側と対向
し、前記環状油溝54に連通する油溜8を設けたから、
前記給油通路55を介して前記主給油通路42から前記
環状油溝54に強制給油される油を前記可動スクロール
2の旋回運動により前記油溜8に取り込んで、該油溜8
より前記スラスト受面52における径方向内側に給油で
きるので、強制給油される前記環状油溝54の油を有効
利用して確実に給油することができるのであり、前記ス
ラスト受面52における径方向内側の潤滑を良好に行え
るのである。 【0041】また、前記環状油溝54の油の一部を前記
油溜8により前記スラスト受面52の径方向内側に給油
できるので、前記環状油溝54に強制給油により多量の
油が汲み上げられても、前記スラスト受面52の径方向
外方側からの流出を抑制することができ、この径方向外
方側から流出する油が吸入ガスと共に前記圧縮要素CF
に大量に吸入されて液圧縮が生じるのを防止できるので
ある。 【0042】以上のことから、前記スラスト受面52の
うち、最も潤滑不足の起こりやすい径方向内方側に前記
環状油溝54の油を前記油溜8に溜めて、この油溜8か
ら給油できるので、全体として潤滑不足を解消でき、摩
耗・焼き付けを良好に防止することができるのである。 【0043】この結果、代替フロンを使用する場合で
も、この代替フロンに用いる潤滑油の油膜破断を防止す
ることができ、油切れによる摩耗や焼き付けを確実に防
止することができるのである。また、摩耗を防止できる
ことから、従来例のように、前記可動スクロール2の支
持点がずれるのも防止でき、従って、各スクロールの渦
巻体間のシール性が悪くなり、性能低下が生ずるのも防
止できるのである。 【0044】また、前記第1実施例では、図3に示すよ
うに前記油溜8を放射状に延びる8個の油溝81により
構成したが、この油溝81の周方向ピッチは、前記可動
スクロール2の旋回直径とすることが好ましく、周方向
ピッチを前記旋回直径とすることにより、前記油溜8に
よる前記スラスト受面52の潤滑をより良好に行うこと
ができるのである。 【0045】なお、前記第1実施例では、前記油溜8を
径方向に放射状に延びる油溝81により形成したが、図
4に示す第2実施例のように、環状の油溝82を形成し
て前記油溜8を形成するようにしてもよい。斯くすると
きは、環状の前記油溜8から前記スラスト受面52の径
方向内側全面を確実に給油することができるのである。 【0046】さらに、前記第1実施例では、前記油溜8
を前記環状油溝54に常時連通させるようにしたが、図
5に示す第3実施例のように、前記前記油溜8を前記環
状油溝54に間欠的に連通させ、かつ、前記旋回部53
に連通しないようにしてもよい。 【0047】つまり、前記油溜8を前記環状油溝54に
間欠的に連通させるために、前記長さloutを 【0048】 【数3】R2−Ror<lout≦R2+Ror を満足する長さとし、かつ、前記油溜8を前記旋回部5
3に連通させないようにするため、前記長さlinを、 【0049】 【数2】lin≧R1+Ror を満足する長さとするのである。 【0050】次に、図6に示す第4実施例について説明
する。第4実施例は、前記した第1実施例及び第2実施
例とは異なり、前記可動スクロール2の背面に、前記軸
受ハウジング5のスラスト受面52における前記環状油
溝54より径方向内方側と対向し、前記旋回部53に連
通する油溜8を設けたものである。 【0051】具体的には、第4実施例は、前記可動スク
ロール2の鏡板21の背面に、放射状に延びる複数の油
溝81、または、環状の油溝を形成して、前記油溜8を
形成し、この油溜8を、前記可動スクロール2の旋回運
動中、前記旋回部53には常時連通させ、前記環状油溝
54には連通しないようにするのである。 【0052】つまり、前記油溜8を前記旋回部53に常
時連通させるために、前記長さlinを 【0053】 【数4】lin<R1−Ror を満足する長さとし、かつ、前記油溜8を前記環状油溝
54に連通させないようにするために、前記長さlout
を、 【0054】 【数5】lout≦R2−Ror を満足する長さとするのである。 【0055】そして、前記油溜8を前記旋回部53に常
時連通させながら、前記可動スクロール2を旋回させる
ので、この旋回運動により、前記旋回部53に軸受等か
ら返油され、前記駆動軸4の偏心軸部41の偏心回転に
よる遠心力で持ち上げられた油を、前記油溜8内に取り
込んで、この油溜8の油で前記スラスト受面52におけ
る径方向内側を潤滑することができるのである。 【0056】また、前記油溜8は、前記環状油溝54に
は、連通させていないので、前記旋回部53から取り入
れた油が前記環状油溝に流出することなく、前記油溜8
の油全体で無駄なく前記スラスト受面52の潤滑を行う
ことができるのである。 【0057】以上のように、第4実施例では、前記可動
スクロール2の鏡板21背面に、前記軸受ハウジング5
のスラスト受面52における前記環状油溝54より径方
向内方側と対向し、前記旋回部53に連通する油溜8を
設けたから、前記旋回部53に返油される油を前記油溜
8に取り込んで、該油溜8より前記スラスト受面52に
おける径方向内側に給油できるので、前記旋回部53に
返油される油を有効に利用して、前記スラスト受面52
における径方向内側の潤滑を良好に行えるのである。 【0058】以上のことから、第4実施例においても、
前記旋回部53の油を前記油溜8に溜めて、この油溜8
から前記スラスト受面52のうち、最も潤滑不足の起こ
りやすい径方向内方側に給油できるので、全体として潤
滑不足を解消でき、摩耗・焼き付けを良好に防止するこ
とができるのである。 【0059】また、前記第4実施例では、前記油溜8を
前記旋回部53に常時連通させるようにしたが、図7に
示す第5実施例のように、前記前記油溜8を前記旋回部
53に間欠的に連通させ、かつ、前記環状油溝54に連
通しないようにしてもよい。 【0060】つまり、前記油溜8を前記旋回部53に間
欠的に連通させるために、前記長さlinを 【0061】 【数6】R1−Ror≦lin<R1+Ror を満足する長さとし、かつ、前記油溜8を前記環状油溝
54に連通させないようにするために、前記長さlout
を、 【0062】 【数5】lout≦R2−Ror を満足する長さとするのである。 【0063】次に、図8に示す第6実施例について説明
する。第6実施例は、前記可動スクロール2の背面に、
前記軸受ハウジング5のスラスト受面52における前記
環状油溝54より径方向内方側と対向し、前記旋回部5
3と前記環状油溝54とに択一的に連通する油溜8を設
けたものである。 【0064】具体的には、第6実施例は、前記可動スク
ロール2の鏡板21の背面に、放射状に延びる複数の油
溝81、または、環状の油溝を形成して、前記油溜8を
形成し、この油溜8を、前記可動スクロール2の旋回運
動中に、前記旋回部53と前記環状油溝54とに択一的
に連通させるように形成するのである。 【0065】つまり、前記油溜8を前記旋回部53に間
欠的に連通させるために、前記長さlinを 【0066】 【数6】R1−Ror≦lin<R1+Ror を満足する長さとし、かつ、前記油溜8を前記環状油溝
54に間欠的に連通させるために、前記長さloutを 【0067】 【数3】R2−Ror<lout≦R2+Ror を満足する長さとし、さらに、 【0068】 【数7】lout−lin≦R2−R1 となるように成すのである。 【0069】そして、前記可動スクロール2の旋回運動
により、前記油溜8が径方向内方から外方に向かって移
動するときは、前記旋回部53に返油された油を、前記
油溜8内に取り込んで、この油で前記スラスト受面52
における径方向内側を潤滑し、また、前記油溜8が径方
向外方から内方に向かって移動するときには、前記環状
油溝54の油を前記油溜8内に取り込んで、この油で前
記スラスト受面52における径方向内側を潤滑するよう
に成すのである。 【0070】また、前記油溜8は、前記環状油溝54ま
たは前記旋回部53に択一的に連通させるようにしてい
るので、前記旋回部53から取り入れた油が前記環状油
溝に、または、前記環状油溝54から取り入れた油が前
記旋回部53にそのまま流出することなく、前記油溜8
の油で無駄なく前記スラスト受面52の潤滑を行うこと
ができ、しかも、前記可動スクロール2の旋回運動によ
り前記旋回部53と前記環状油溝54の双方から交互
に、前記油溜8に油を取り入れることができるので、前
記スラスト受面52の潤滑をより良好に行えるのであ
る。 【0071】以上のように、第6実施例では、前記可動
スクロール2の鏡板21背面に、前記軸受ハウジング5
のスラスト受面52における前記環状油溝54より径方
向内方側と対向し、前記旋回部53と前記環状油溝54
とに択一的に連通する油溜8を設けたから、前記旋回部
53に返油される油と、前記環状油溝54にたまる油と
を交互に前記油溜8に取り込んで、該油溜8から前記ス
ラスト受面52における径方向内側に給油できるので、
前記スラスト受面52における径方向内側の潤滑をより
良好に行えるのである。 【0072】 【0073】 【0074】 【0075】 【0076】 【0077】 【発明の効果】請求項記載の発明によれば、前記可動
スクロール2の鏡板21背面に、前記軸受ハウジング5
のスラスト受面52における前記環状油溝54より径方
向内方側と対向し、前記旋回部53と前記環状油溝54
とに択一的に連通する油溜8を設けたから、前記旋回部
53に返油される油と、前記環状油溝54にたまる油と
を交互に前記油溜8に取り込んで、該油溜8から前記ス
ラスト受面52における径方向内側に給油できるので、
前記スラスト受面52における径方向内側の潤滑をより
良好に行なえるのである。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明のスクロール型流体機械の第1実施例
を示す要部拡大断面図。 【図2】 第1実施例におけるスクロール型流体機械の
全体構造を示す縦断面図。 【図3】 第1実施例における可動スクロールの鏡板背
面図。 【図4】 第2実施例における可動スクロールの鏡板背
面図。 【図5】 第3実施例における要部拡大断面図。 【図6】 第4実施例における要部拡大断面図。 【図7】 第5実施例における要部拡大断面図。 【図8】 第6実施例における要部拡大断面図。 【図9】 従来のスクロール型流体機械の説明図。 【図10】 従来の軸受ハウジングを示す説明図。 【符号の説明】 2 可動スクロール 4 駆動軸 41 偏心軸部 42 主給油通路 5 軸受ハウジング 51 軸受 52 スラスト受面 53 旋回部 54 環状油溝 55 給油通路 8 油溜
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−241785(JP,A) 特開 平3−138402(JP,A) 特開 平6−58274(JP,A) 特開 平5−240172(JP,A) 特開 平3−67080(JP,A) 特開 平4−295194(JP,A) 特開 昭63−117186(JP,A) 特開 平4−63984(JP,A) 特開 平5−240175(JP,A) 実開 平1−115885(JP,U) 実開 平1−105785(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04C 18/02 311

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 駆動軸(4)の軸受(51)と、前記駆
    動軸(4)の偏心軸部(41)を受入れて、可動スクロ
    ール(2)の旋回運動を可能にする旋回部(53)とを
    もった軸受ハウジング(5)に、前記可動スクロール
    (2)の背面を支持するスラスト受面(52)を設け、
    このスラスト受面(52)の径方向ほぼ中央部に環状油
    溝(54)を設け、前記軸受ハウジング(5)に、一端
    が前記駆動軸(4)の内部に設ける主給油通路(42)
    に連通し、他端が前記環状油溝(54)に開口する給油
    通路(55)を形成したスクロール型流体機械におい
    て、 前記可動スクロール(2)の背面に、前記軸受ハウジン
    グ(5)の前記スラスト受面(52)における前記環状
    油溝(54)より径方向内方側と対向し、前記旋回部
    (53)と前記環状油溝(54)とに択一的に連通する
    油溜(8)を設けていることを特徴とするスクロール
    型流体機械。
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