JP2674562B2 - 給油制御手段を備えたスクロール冷媒圧縮機 - Google Patents

給油制御手段を備えたスクロール冷媒圧縮機

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JP2674562B2 JP7105470A JP10547095A JP2674562B2 JP 2674562 B2 JP2674562 B2 JP 2674562B2 JP 7105470 A JP7105470 A JP 7105470A JP 10547095 A JP10547095 A JP 10547095A JP 2674562 B2 JP2674562 B2 JP 2674562B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明はスクロール冷媒圧縮機に
係り、旋回スクロールの背圧室およびスラスト軸受の背
面部への潤滑油供給に関するものである。 【0002】 【従来の技術】低振動、低騒音特性を備えたスクロール
圧縮機は、吸入室が渦巻き状の圧縮空間の外周部に有
り、吐出ポートが渦巻きの中心部に設けられ、圧縮流体
の流れが一方向で往復動式圧縮機や回転式圧縮機のよう
な流体を圧縮するための吐出弁を必要とせず圧縮比が一
定で、吐出脈動も比較的小さくて大きな吐出空間を必要
としないことが一般に知られている。また、圧縮室の軸
方向密封および振動や騒音特性をより一層改善するため
に、瞬時的な圧縮室圧力変化や圧縮機高速運転時などに
おける旋回スクロールのジャンピング現象を少なくする
方策として図7、図8の構成が考えられている。 【0003】図は駆動シャフト1007の先端部の駆
動ピン1007aに連結する旋回スクロール1001の
鏡板1001aが固定スクロール1002の鏡板100
2aとフレーム1008との間に微小隙間で支持され、
圧縮機の起動、停止時、高速運転時など瞬時的な圧縮室
圧力変化や回転部材の慣性力などが変化する際に旋回ス
クロール1001aが固定スクロール1002から離反
したりジャンピングするのを阻止し、旋回スクロール1
001と固定スクロール1002との軸方向微少隙間を
確保して圧縮室の密封を図り、圧縮効率を高めると共
に、部材間の衝突により生じる異常音、振動、摺動部耐
久性低下を防止する工夫がなされている。 【0004】た、圧縮室の軸方向密封をより一層確実
にするために、(1)自身の吐出ラインからのガスを減圧
してハウジング室Hに導入することによって、旋回スク
ロール1001を固定スクロール1002に押圧せしめ
て密閉空間1006の密封を図る手段、(2)ハウジング
室Hに密閉空間の気体を旋回スクロール1001の鏡板
1001aに設けた小孔1011を通じて導入し、その
ガス圧力によって旋回スクロール1001を固定スクロ
ール1002に付勢し、密閉空間1006を密封するな
どの工夫がなされている(特開昭55−142902号
公報、米国特許3994633号公報など)。 【0005】た、圧縮室の密封,摺動部の耐久性,騒
音・振動を一層改善した具体的なスクロール冷媒圧縮機
の形態が特公昭62−37238号公報でも提案されて
いる。すなわち、同公報の第3図では、密閉容器6の底
部に溜められた潤滑油14に吐出ガス圧力が作用してい
る。この潤滑油14がシャフト4の偏心孔13を経由し
て旋回スクロール部材2の背圧室9aに減圧流入の後、
旋回スクロール部材2に設けた小孔2dを通じて圧縮室
5bに流入する差圧給油通路が示されている。旋回スク
ロール部材2は、背圧室9aの潤滑油圧力によって固定
スクロール部材1に押圧される構成である。この潤滑油
14は、その経路途中でシャフト4を支持する軸受や旋
回スクロール部材2の各摺動面に給油される。更に、圧
縮室5bに流入した潤滑油は、その油膜によって圧縮室
5bの隙間を密封する。また、密閉容器6内の圧力があ
まり高くなくて、背圧室9aへの差圧給油が生じない圧
縮機起動初期には、圧縮途中ガスが旋回スクロール部材
2の小孔1dを介して圧縮室5bから背圧室9aに流入
し、旋回スクロール部材2を固定スクロール部材1に押
圧して圧縮室5を密封するという構成である。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかし、この種の構成
を空調用冷媒圧縮機として使用する場合は、往復動式圧
縮機やロータリ式圧縮機などのように流体を圧縮するた
めの吐出弁を必要としない構成のために、液圧縮などに
より圧縮室内が異常圧力上昇した場合に圧縮室間隙間を
広げて圧縮流体を漏洩させ、圧縮室圧力を降下させるこ
とが出来ないのみならず、背圧室9aの圧力も高くな
り、旋回スクロール部材2を固定スクロール部材1に過
剰押圧して、圧縮負荷の増大、部品の破損、摺動部耐久
性の低下を生じるという課題がある。 【0007】た、圧縮機起動初期は吸入圧力が比較的
高いので、背圧室9aの圧力も高くなり、旋回スクロー
ル部材2を固定スクロール部材1に過剰押圧するので、
起動初期入力が過大になると共に、潤滑油14の下層に
貯溜する液冷媒が潤滑油14よりも先に各摺動部に差圧
供給され、摺動部の焼き付きが生じるなどの課題があっ
た。 【0008】一方、この種の課題解決の方策が実開昭6
2−116187号公報で提案されている。すなわち、
同公報において、可動スクロール(旋回スクロール)9
の反圧縮室側に設けた圧力作用室(背圧室)13を吐出
室6と吸入室5に対して切り替えバルブ28を介して選
択的に連通可能に設けると共に、起動時あるいは液圧縮
時において吸入室5と圧力作用室(背圧室)13を連通
させることにより、圧力作用室(背圧室)13と圧縮室
10の間に圧力差を生じさせ、この圧力差によって可動
スクロール(旋回スクロール)9を圧力作用室(背圧
室)13の側に後退移動させ、圧縮負荷を軽減する構成
である。 【0009】しかしながら上記構成では、運転モード
(起動時など)や圧縮負荷状態に応じて自動的に切り替
えバルブ28を作動させる機能がないために、圧縮負荷
軽減時期を失して効果的な負荷軽減ができない。また、
切り替えバルブ28の制御機能部品を要してコスト高に
なるなどの課題があった。 【0010】 【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に本発明のスクロール圧縮機は、吐出ポートに通じる吐
出室油溜の潤滑油を、旋回スクロールを支持するスラス
ト軸受の背面および旋回スクロールの背圧室に供給する
給油通路を設けた構成において、スラスト軸受が旋回ス
クロールを過剰押圧しない手段を設けると共に、吐出室
油溜の圧力が圧縮室の圧力以下の時、その差圧によって
付勢された弁体が給油通路を閉路し、吐出室油溜の圧力
が圧縮室の圧力を超えた時、その差圧によって弁体が給
油通路を開路する弁体を備えた給油通路制御弁装置をス
ラスト軸受の背面と背圧室より上流側に設けたものであ
る。 【0011】 【作用】本発明は上記構成によって、圧縮機起動初期な
どには、スラスト軸受と背圧室への液冷媒の供給や給油
がないので旋回スクロールが固定スクロールの側へ押圧
されず、圧縮室隙間が生じているので、圧縮室圧力の急
激な上昇がなく、圧縮負荷が徐々に上昇する。圧縮機起
動後の時間経過と共に油溜の圧力が圧縮室圧力を超えた
運転状態となり、吐出室油溜の液冷媒が蒸発して潤滑油
のみがスラスト軸受と背圧室に給油され、旋回スクロー
ルが固定スクロールの側に適正な力で付勢されて、圧縮
室隙間を密封し、圧縮効率が向上する。 【0012】 【実施例】以下、本発明の実施例のスクロール冷媒圧縮
機について、図面を参照しながら説明する。図1、図2
において、101a,101bは鉄製の密閉ケース、1
80は鉄製の本体フレーム105をボルト固定した軟鋼
製の仕切り板で、その外周面部で密閉ケース101a,
101bと共に単一の溶接ビード181によって溶接密
封され、密閉ケース101a,101b内を上側の吐出
室102と下側の駆動室106(低圧側)とに仕切って
いる。本体フレーム105に支承され、インバータ電源
(図示せず)によって運転制御されるモータ103によ
り、回転駆動される駆動軸104の上端部の偏心穴13
6には、旋回スクロール118の旋回軸118bがはめ
込まれ、旋回スクロール118の自転阻止用のオルダム
リング124が、本体フレーム105に固定された割ピ
ン形の平行ピン(図示せず)に拘束されて軸方向にのみ
移動が可能なスラスト軸受120と旋回スクロール11
8の各溝に係合し、旋回スクロール118に噛み合う固
定スクロール115が、仕切り板180にボルト固定さ
れ、固定スクロール115の鏡板115bには吐出ポー
ト116が設けられ、鏡板115bの上面には、リード
バルブ形式の給油通路制御弁装置182が取り付けられ
ている。 【0013】ラスト軸受120は、その背面外側部に
配置されたシールリング170の弾性力で常に旋回スク
ロール118の方へ付勢され、仕切り板180の片側平
面部に当接して旋回スクロール118の側への軸方向移
動を規制されている。しかし、仕切り板180の板厚さ
は、スラスト軸受120を介したシールリング170の
弾性力によって、旋回スクロール118を固定スクロー
ル115に押し付けて旋回スクロール118の円滑な旋
回運動を阻害せぬように、固定スクロール115とスラ
スト軸受120との間に挟まれた旋回スクロール118
の軸方向微少隙間(約0.020mm)が確保される寸
法設定になっている。吐出室102の底部は吐出室油溜
134となり、その上部には多数の***を有した傘状の
パンチングメタル133が密閉ケース101aに取り付
けられ、密閉ケース101aとパンチングメタル133
との間には細樹脂線材から成るフィルタ183が詰めら
れている。吐出室102は密閉ケース101aの上面に
設けられた吐出管131、外部の冷凍サイクル配管系を
それぞれ経て密閉ケース101bの側面に設けられた吸
入管147を通じ、低圧側の駆動室106に連通してい
る。また駆動室106の底部にはモータ室油溜184が
設けられている。 【0014】出室102にも吸入室117にも連通し
ない常時密閉空間となる第2圧縮室151と吐出室油溜
134との間は、鏡板115bの底部に開口して設けら
れた油吸い込み穴185、鏡板115bに薄鋼板製のリ
ード弁186と共に取り付けられた給油通路制御弁装置
182の弁押え187と鏡板115bとの間に形成され
た弁空間188、リード弁186の打ち抜き穴189、
鏡板115bに設けられた極細通路のインジェクション
穴152とから成る絞り通路を有した第1給油通路によ
って連通している。旋回スクロール118の旋回スクロ
ールラップ118aを支持するラップ支持円盤118b
とスラスト軸受120と駆動軸104とで形成された背
圧室139は、第1給油通路の途中から分岐して弁空間
188、リード弁186の打ち抜き穴189a、鏡板1
15bに設けられた油穴A138a、仕切り板180に
設けられた極細通路の油穴B138b、本体フレーム1
05に設けられた油穴C138c、スラスト軸受120
と本体フレーム105との間に設けられ、その外周部を
ゴム製のシールリング170で支持、・密封されたレリ
ース隙間127、スラスト軸受120に設けられた油穴
D138dとで構成される給油通路により吐出室油溜1
34に連通している。背圧室139と低圧側の駆動室1
06との間は本体フレーム105の主軸受112の軸受
隙間、偏心軸受114の隙間、駆動軸104に設けられ
た偏心油穴190と、横油穴191、駆動軸104を支
承すべく本体フレーム105の下端に設けられた下部軸
受192と主軸受112との間の軸受油溜193、下部
軸受192の軸受隙間とで構成される絞り通路を有した
第1潤滑通路により連通している。また、背圧室139
と吸入室117との間は、スラスト軸受120とラップ
支持円板118bとの摺動面や、オルダムリング124
の摺動面を介して構成される第2潤滑通路によって連通
している。図5において、横軸は駆動軸104の回転角
度、縦軸は圧縮室内の冷媒圧力を示し、吸入・圧縮・吐
出過程における冷媒ガスの圧力変化状態を示す。実線6
2は正常圧力で運転時の圧力変化を示し、点線63は異
常圧力上昇運転時の圧力変化を表わす。 【0015】6において、横軸は駆動軸104の回転
角度を示し、縦軸は圧縮室内の冷媒圧力を示し、実線6
4は吐出室102にも吸入室117にも連通しない常時
密閉空間となる第2圧縮室のインジェクション穴152
の開口位置における圧力変化を示し、点線65は吸入室
117に間欠的に連通する第1圧縮室161a,161
bの定点における圧力変化を示し、一点鎖線66は吐出
室102に間欠的に連通する第3圧縮室160a,16
0bの定点における圧力変化を示し、二点鎖線67は第
1圧縮室161a,161bと第2圧縮室151a,1
51bとの間の圧縮室の定点における圧力変化を示し、
二重点線68は背圧室139の圧力変化を示す。 【0016】上のように構成されたスクロール冷媒圧
縮機について、その動作を説明する。 【0017】ータ103によって駆動軸104が回転
駆動を始めると、旋回スクロール118が旋回運動を
し、圧縮機に接続した冷凍サイクル配管系から吸入冷媒
ガスが吸入管147を通して駆動室106に流入し、そ
の中に含まれる潤滑油の一部が分離された後、吸入通路
を経て吸入室117に吸入される。この吸入冷媒ガス
は、旋回スクロール118と固定スクロール115との
間に形成され且つ吸入室117に間欠的に通じる第1圧
縮室を経て圧縮室内に閉じ込められ、旋回スクロール1
18の旋回運動に伴って常時密閉空間となる第2圧縮
室、吐出ポートと間欠的に通じる第3圧縮室へと順次移
送圧縮され、中央部の吐出ポート116を経て吐出室1
02へと吐出される。 【0018】出冷媒ガス中に含まれる潤滑油の一部
は、その自重およびパンチングメタル133の***や細
樹脂線材から成るフィルタ183を通過する際にその表
面などに付着などして吐出冷媒ガスから分離し、密閉ケ
ース101aの内壁を伝って流下し、吐出室油溜134
に収集される。残りの潤滑油は、吐出冷媒ガスと共に吐
出管131を経て外部の冷凍サイクル配管系へ搬出さ
れ、吸入冷媒ガスと共に吸入管147を通って圧縮機内
に帰還する。圧縮機の冷時起動後しばらくの間は、吐出
室102の圧力が第2圧縮室の圧力よりも低いので、吐
出室油溜134の潤滑油は第1給油通路を通じて差圧給
油されず、また、逆止弁の作用によって第2圧縮室から
圧縮途中冷媒ガスが吐出室油溜134に逆流もせず、ス
ラスト軸受120のレリース隙間127や旋回スクロー
ル118の背圧室139に流入することもなく、各摺動
部の残留潤滑油によって各摺動面が潤滑される。 【0019】た、背圧室139やレリース隙間127
の圧力が低いので起動初期には旋回スクロール118に
作用する圧縮室冷媒ガス圧力によって、スラスト軸受1
20が微少に後退して圧縮室軸方向隙間を広げて圧縮室
圧力を急降下させ、起動初期負荷を軽減する。圧縮機の
冷時起動後しばらくの後、吐出室102の圧力が第2圧
縮室の圧力以上に上昇した後、吐出室油溜134の潤滑
油は、給油通路制御弁装置182のリード弁186の付
勢力に抗して第1給油通路を経由する。そして漸次減圧
され、第2圧縮室に差圧給油されると共に、第1給油通
路の途中から分岐して構成される第2給油通路の油穴1
38a,138b,138cを経て漸次減圧され、吐出
側圧力と吸入側圧力との中間圧力に調整されてレリース
隙間127と背圧室139に差圧給油される。第2圧縮
室に差圧給油された潤滑油は、吸入ガスと共に圧縮室に
流入した潤滑油と合流し、隣接する圧縮室間の微少隙間
を油膜により密封して圧縮冷媒ガス漏れを防ぎ、圧縮室
間の摺動面を潤滑しながら圧縮冷媒ガスと共に吐出室1
02に再び吐出される。 【0020】リース隙間127と背圧室139に給油
された中間圧力の潤滑油は、旋回スクロール118へ背
圧力による付勢力を与え、圧縮室圧力に基づいて固定ス
クロール115から離反しょうとする旋回スクロール1
18に作用する下向きのスラスト力を軽減し、旋回スク
ロール118とスラスト軸受120との間の摺動面に作
用するスラスト荷重を小さくすると共に、スラスト軸受
120を付勢して仕切り板180に当接させ、固定スク
ロール115とスラスト軸受120との間に旋回スクロ
ール118を微小隙間で挟み、旋回スクロール118の
円滑な旋回運動を可能にする。また、背圧室139の背
圧力は旋回スクロール118がスラスト軸受120から
離反しないように調整されているので、旋回スクロール
118とスラスト軸受120とは常時摺接しており、こ
の摺接部を境として背圧室139と吸入室117とはそ
の摺接面を適切潤滑することのできる潤滑油漏洩を許容
する程度に密封されている。 【0021】たがって、背圧室139に供給された潤
滑油は、この摺接面を通過する際に減圧された後、オル
ダムリング124の摺動面を潤滑して吸入冷媒ガスに混
入し、再び圧縮室に流入する。また、残りの潤滑油は、
第1潤滑通路を通じて旋回軸118bと偏心穴136と
の隙間、偏心穴136、偏心油穴190、横油穴191
を通る給油通路と主軸受112の隙間とを経て軸受油溜
193に流入し、下部軸受192の微小隙間を通して最
終減圧される。そして駆動室106に流入し、その一部
は吸入冷媒ガスに混入して再び圧縮室へ流入するが、残
りの潤滑油はモータ室油溜184に収集される。 【0022】ータ室油溜134の潤滑油は、密閉ケー
ス101bを介して自然放熱により冷却され、その油面
がある程度高くなると、モータ103の回転子の下端部
に拡散されて駆動室106内の吸入冷媒ガスに混入し、
再び圧縮室へ流入して最終的には吐出室油溜134に収
集される。また、冷時起動初期や定常運転時に瞬時的な
液圧縮が生じて常時密閉空間となる第2圧縮室内が異常
圧力上昇した場合には、リード弁186の逆止作用によ
り、圧縮冷媒ガスが吐出室油溜134へ逆流せず、ま
た、レリース隙間127や背圧室139への流入もな
く、背圧力の上昇もないことから、スラスト軸受120
が後退して継続的な異常圧力上昇を防ぐ。 【0023】縮機停止後は吸入室117と駆動室10
6との間の吸入通路に設けられた逆止弁(図示なし)に
より、吸入通路を塞ぎ、吐出室102から吸入室117
までの圧力は圧縮空間の隙間を通じて吐出室102の圧
力に等しくなり、油吸い込み穴185の開口端をリード
弁186が塞ぐ。 【0024】の結果、圧縮機停止直後の吐出室油溜1
34の潤滑油は、第2圧縮室と背圧室139へ差圧給油
されず、背圧室139の潤滑油は、第1給油通路を通じ
て駆動室106にその差圧が一定値以下になるまで僅か
づつ戻される。 【0025】お、上記実施例では、レリース隙間12
7や背圧室139へ吐出室油溜134の潤滑油を中間圧
力にまで減圧したが、スラスト軸受120や背圧室13
9の寸法構成などにより減圧しなくともよい。また、上
記実施例では吐出室油溜134の潤滑油を第2圧縮室に
油注入したが、圧縮機運転速度や圧力などの運転条件に
より吸入室117に通じる第1圧縮室に油注入してもよ
い。以上のように上記実施例によれば、吐出室油溜13
4の潤滑油をレリース隙間127に導く通路の下流側が
旋回スクロール118の背圧室139と通じたことによ
り、圧縮機起動初期の背圧室139の圧力が低いので、
旋回スクロール118が固定スクロール115から軸方
向に離れ易くなり、圧縮室の密封を解除して、起動初期
の入力低減に寄与できると共に、圧縮室の密封が必要な
圧縮機安定運転時には、旋回スクロール118の背面を
吐出圧力と吸入圧力との中間圧力の潤滑油で付勢して、
スラスト軸受120に作用する旋回スクロール118か
らのスラスト力を軽減して入力低減できる。この結果、
圧縮機起動初期から安定運転時までの全運転領域におけ
る入力低減が実現できる。また上記実施例では、冷媒圧
縮機について説明したが、潤滑油を使用する酸素、窒
素、ヘリウムなどの他の気体圧縮機も同様の作用効果を
期待できる。 【0026】 【発明の効果】以上のように本発明は、吐出ポートに通
じる吐出室油溜の潤滑油が前記背圧室と、スラスト軸受
を背圧付勢すべくスラスト軸受の反圧縮室側に設けたレ
リース隙間の内、少なくとも一方を経由して吸入室に供
給される絞り通路を備えた給油通路を設けた構成におい
て、旋回スクロールが固定スクロールとスラスト軸受と
の間で少なくとも油膜形成可能な軸方向微小隙間を有し
て配置されるべく、スラスト軸受の軸方向移動位置を規
制する手段を設けると共に、吐出室油溜の圧力が前記圧
縮室の圧力以下の時、その差圧によって付勢された弁体
が前記給油通路を閉路し、吐出室油溜の圧力が圧縮室の
圧力を超えた時、その差圧によって弁体が給油通路を開
路する弁体を備えた給油通路制御弁装置を、背圧室とレ
リース隙間より上流側に設けたことにより、給油通路の
開閉が自動的にできることから、圧縮機起動初期や圧縮
室内で液圧縮などが生じて圧縮室圧力が吐出室油溜圧力
以上の時に、吐出室油溜からスラスト軸受の背面や背圧
室への液冷媒や潤滑油の供給を停止して供給圧力を低下
できるので、旋回スクロールの反圧縮室側に作用する固
定スクロールの側への付勢力が小さくなり、旋回スクロ
ールが圧縮室圧力によって固定スクロールから軸方向に
離反して、圧縮室隙間が生じる。その結果、圧縮負荷を
適正な時期に軽減して効果的な入力低減および圧縮機破
損防止ができる。また、旋回スクロールがスラスト軸受
によって常に過剰押圧されることがないので、旋回スク
ロールとスラスト軸受との間の摩擦損失を少なくでき
る。また、旋回スクロールがスラスト軸受によって支持
される反面、スラスト軸受からの背圧を受けることがな
いので、旋回スクロールと固定スクロールとの過剰な軸
方向接触を回避して摩擦損失を少なくできる。 【0027】また本発明は、吐出室油溜の潤滑油を圧縮
室に差圧供給する第1給油通路を設け、給油通路制御弁
装置の弁体が第1給油通路と給油通路とを同期開閉すべ
く構成したことにより、第1給油通路の開閉手段を簡易
に実現できる。 【0028】また、圧縮機起動初期などの圧縮室圧力が
油溜圧力より高い場合に、冷媒が圧縮室から吐出室油溜
へ逆流することによる圧縮機外部への潤滑油流出を防ぐ
ことができる。そのことによって、圧縮機起動後の吐出
室油溜の潤滑油を旋回スクロ ールの反圧縮室側と吸入室
に適量・適圧給油して圧縮室隙間密封による圧縮効率を
向上することができるなどの効果を奏する。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施例におけるスクロール冷媒圧縮
機の縦断面図 【図2】同圧縮機における給油通路制御弁装置のリード
弁取り付け外観図 【図3】それぞれ同圧縮機の吐出ポート付近における圧
縮室の移動説明図 【図4】それぞれ同圧縮機の吐出ポート付近における圧
縮室の移動説明図 【図5】同圧縮機の吸入行程から吐出行程までの冷媒ガ
スの圧力変化を示す特性図 【図6】各圧縮室における定点の圧力変化を示す特性図 【図7】従来のスクロール圧縮機の縦断面図 【図8】図7の部分拡大図 【符号の説明】 102 吐出室 103 モータ 104 駆動軸 105 本体フレーム 115 固定スクロール 115a 固定スクロールラップ 115b 鏡板 116 吐出ポート 117 吸入室 118 旋回スクロール 118a 旋回スクロールラップ 118c ラップ支持円板 120 スラスト軸受 127 レリース隙間 134 吐出室油溜 139 背圧室182 給油通路制御弁装置

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.固定スクロールの一部をなす鏡板の一面に形成され
    た渦巻き状の固定スクロールラップに対して旋回スクロ
    ールの一部をなすラップ支持円板上の旋回スクロールラ
    ップを揺動回転自在に噛み合わせ、両スクロール間に渦
    巻き形の圧縮空間を形成し、前記固定スクロールラップ
    の中心部には吐出ポートを設け、前記固定スクロールラ
    ップの外側には吸入室を設け、前記圧縮空間は吸入側よ
    り吐出側に向けて連続移行する複数個の圧縮室に区画さ
    れて流体を圧縮するスクロール圧縮機構を形成し、駆動
    軸を支承する本体フレームに取り付けられて前記旋回ス
    クロールの反圧縮室側を支持し且つ軸方向移動が可能な
    スラスト軸受と、前記固定スクロールとの間に前記旋回
    スクロールが配置されており、前記旋回スクロールは前
    反圧縮室側に設けられた背圧室に隣接し、前記吐出ポ
    ートに通じる吐出室油溜の潤滑油が前記背圧室と、前記
    スラスト軸受を背圧付勢すべく前記スラスト軸受の反圧
    縮室側に設けたレリース隙間の内、少なくとも一方を経
    由して前記吸入室に供給される絞り通路を備えた給油通
    路を設けた構成において、前記旋回スクロールが前記固
    定スクロールと前記スラスト軸受との間で少なくとも油
    膜形成可能な軸方向微小隙間を有して配置されるべく、
    前記スラスト軸受の軸方向移動位置を規制する手段を設
    けると共に、前記吐出室油溜の圧力が前記圧縮室の圧力
    以下の時、その差圧によって付勢された弁体が前記給油
    通路を閉路し、前記吐出室油溜の圧力が前記圧縮室の圧
    力を超えた時、その差圧によって前記弁体が前記給油通
    路を開路する前記弁体を備えた給油通路制御弁装置を、
    前記背圧室と前記レリース隙間より上流側に設けたスク
    ロール冷媒圧縮機。 2.吐出室油溜の潤滑油を圧縮室に差圧供給する第1給
    油通路を設け、給油通路制御弁装置の弁体が前記第1給
    油通路と給油通路とを同時期に開閉すべく構成した請求
    項1記載のスクロール冷媒圧縮機。
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