JPH07318704A - 車両用窓映り防止光学フィルター - Google Patents

車両用窓映り防止光学フィルター

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JPH07318704A
JPH07318704A JP6112771A JP11277194A JPH07318704A JP H07318704 A JPH07318704 A JP H07318704A JP 6112771 A JP6112771 A JP 6112771A JP 11277194 A JP11277194 A JP 11277194A JP H07318704 A JPH07318704 A JP H07318704A
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JP
Japan
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optical filter
saw blade
angles
window
light
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JP6112771A
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English (en)
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Masato Shinoda
真人 篠田
Yasuaki Kai
康朗 甲斐
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特に自動車などの車両室内に存在する表示機
器及び表示パネル用の車両用窓映り防止光学フィルター
を提供すること。 【構成】 透明基板の表面上に断面が鋸刃形状の微細な
三角柱突起が同一方向に連続して配置された車両用窓映
り防止光学フィルターにおいて、隣接する三角柱突起の
間隔が10〜100μmの範囲にあり、かつ鋸刃の頂角
を除く2つの角度がそれぞれ20〜40°又は90〜1
20°の範囲にあることを特徴とする車両用窓映り防止
光学フィルター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用窓映り防止光学
フィルターに関し、特に自動車などの車両室内に存在す
る表示機器及び表示パネル用の車両用窓映り防止光学フ
ィルターに関する。
【0002】
【従来技術】従来、自動車などの車両の室内には、スピ
ードメーター、時計及び各種警告灯などの多くの表示機
器が使用されている。近年では、これらの表示機器に加
えて、室内空調、オーディオの集中制御、テレビ及びナ
ビゲーションシステムの一部として自動車の現在位置や
目的地などの地図情報表示のために、CRTや液晶ディ
スプレイなどの表示パネルが導入されるようになってき
ている。
【0003】上記表示機器は夜間に点灯状態となり、ま
た表示パネルはその機能上の特徴から昼夜を問わず点灯
状態となる場合が多い。一方、点灯状態となった表示機
器や表示パネルから発せられた光は、フロントウインド
などの窓ガラスの表面で反射した後にドライバーの視点
に直接入り、いわゆる窓映りとなって認識され、運転の
際の大きな障害となるという欠点があった。
【0004】このような欠点を解決するために、通常は
窓ガラスの内側に反射防止膜を設けて、ガラス表面の反
射率を落としたり、遮光フィルムを挟み込んだ透明樹脂
製カバーを表示機器や表示パネル前面に設けてウインド
ウ方向へ発せられる光の角度を制御することにより対応
している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、表面に
反射防止膜を設けて反射防止を行う方法では、膜界面で
の反射光と透過光との光の打ち消し合いにより反射光強
度を低減する原理を利用しているため、可視領域の特定
波長の反射率は0%にすることができるが、それ以外の
波長領域では必ずしも低反射率とはならず全体の波長領
域で反射率を十分に低くすることができないという欠点
があった。
【0006】また、膜構成は最低でも3層必要となるの
で、高コストになってしまうという欠点があった。更
に、ガラスの裏面からの反射光も防止するためには、裏
面、即ち車室外面にも反射防止膜を設けなければならな
いが、耐久性の面から実用は困難であるという欠点があ
った。
【0007】また、遮光フィルムを挟み込んだ透明樹脂
製カバーを表示機器や表示パネル前面に設ける方法で
は、遮光フィルムを黒く着色した樹脂と透明樹脂とを交
互に積層させ、最後に積層方向と垂直にある厚さで切断
するという工法で製造しているので、極めて高いコスト
であり自動車用途には適さず、更に遮光フィルムの透過
率が60〜70%と低いこと、ルーバーの間隔が200
〜300μmと比較的大きいので、ルーバーの縞の状態
が肉眼でも認識することができること、液晶ディスプレ
ーなどに適用した場合には液晶の各セルとの干渉により
モアレ縞が現れることなどにより時計の文字自体が極め
て見づらくなるという欠点があった。
【0008】従って本発明の目的は、窓映り防止性能が
極めて優れ、かつ低コストで製造可能な車両用窓映り防
止光学フィルターを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
透明基板の表面上に断面が鋸刃形状の微細な三角柱突起
が同一方向に連続して配置された車両用窓映り防止光学
フィルターにおいて、隣接する三角柱突起の間隔が10
〜100μmの範囲にあり、かつ鋸刃の頂角を除く2つ
の角度がそれぞれ20〜40°又は90〜120°の範
囲にあることを特徴とする車両用窓映り防止光学フィル
ターにより達成された。以下、本発明を更に詳細に説明
する。
【0010】図1はセンターコンソール部分の断面拡大
図及びドライバーが表示機器のひとつである時計から発
せられる光により窓映り像を視認することを説明する図
である。センターコンソール中央部分に設置されている
時計1から出た光はフロントウインドウ2へ向かい、ウ
インドウの表面で反射した後にドライバーの視点3にや
ってきて、時計の窓映り像としてドライバーに視認され
ることになる。
【0011】昼間は太陽光などの外光強度が極めて強力
なので、これらの光に対する窓映り光の強度比、即ちコ
ントラスト比が相対的に低くなるため、ドライバーの視
認性が大きく低下することはない。一方、夜間において
は外光強度が低下すると共に表示機器を点灯状態とする
ことにより窓映り光強度が増加し、結果としてコントラ
スト比が高くなるので外部視認上大きな障害となる。な
お、外光強度の比較的高い都心部又はその周辺より、夜
間外光強度が極端に低下する郊外や地方で特に問題とな
る。
【0012】図2はフロントウインドウの室内表面側に
反射防止膜4を設けることにより、窓映り防止を施して
いる方法を説明する図である。フロントウインドウの室
内側表面に反射した窓映り光の方向はそのままである
が、反射防止膜により光強度を低くすることによりコン
トラスト比を下げてドライバーから視認しにくくなるよ
うにしている。
【0013】図3は時計の前面に遮光フィルターを挟み
込んだ透明樹脂製カバー5を設けてウインドウ方向へ発
される光の角度を制御することにより窓映り防止を施し
ている方法を説明する図である。時計から出た光が遮光
フィルターを挟み込んだ透明樹脂製カバーを通過する
と、透過光は透明樹脂製カバーの法線に対して一定の角
度範囲内に制限されるので、この透過光がフロントウイ
ンドウの表面で反射する位置はより上方となり、結果と
して反射光は視点上方へ逃げることになり、窓映り像と
してはドライバーに視認されないことになる。透過光が
出現する角度範囲は遮光フィルターの厚さとルーバーの
間隔により決定される。このような遮光フィルターとし
ては信越ポリマー株式会社製のものや住友スリーエム株
式会社製のものなどが知られている。
【0014】図4は本発明の車両用窓映り防止光学フィ
ルター6の断面部分拡大図である。図4において、(d)
(e)(f) は表面に鋸刃形状三角柱を連続に配置した透明
フィルム(a)(b)(c) を透明基板7上に接着剤層8を挟ん
で積層したものであり、(a′)(b ′)(c ′)(d ′)(e
′)(f ′) はそれぞれ(a)(b)(c)(d)(e)(f)の表面に必
要に応じてハードコート層9を設けたものである。
【0015】図5は本発明の車両用窓映り防止光学フィ
ルター6をセンターコンソール中央部分の時計前面に透
明樹脂製カバーとして設置した場合の効果を説明する図
であり、図6は本発明の車両用窓映り防止光学フィルタ
ーを通過する光の屈折状況を説明するための断面部分拡
大図である。
【0016】時計から出た光が本発明の車両用窓映り防
止光学フィルターへ入射するとその表面形状に従って下
方へ屈折するので、透過光はある角度より上には現れな
くなる。この屈折角は鋸刃傾斜面の傾斜角度と材料の屈
折率の増加に伴い大きくなる。図6(a) は鋸刃傾斜面の
傾斜角度が小さい場合、図6(b) は大きい場合の光の屈
折状況を示す図である。図6(a) に示すように鋸刃傾斜
面の傾斜角度が小さく屈折角が小さければ、図5(a) に
示すように透過光がフロントウインドウの表面で反射す
る位置はより上方となって反射光は視点上方へ逃げ、逆
に図6(b) に示すように鋸刃傾斜面の傾斜角度が大きく
屈折角が大きい場合には、図5(b) に示すようにフロン
トウインドウの表面には反射しないので、いずれの場合
も窓映りには問題がないことが判る。
【0017】鋸刃形状三角柱を連続に配置した側はドラ
イバー側にあっても、又は時計側にあっても同等な光学
特性が得られるので、必要に応じてどちらかを選択して
も良い。用いる材料自体は透明なので、透過率が低下し
時計の文字盤が視認しにくくなるといった問題点も生じ
ない。また、図6中で示す破線は透過光が多重に反射す
る状態を示すものであり、これが存在すると透過像のボ
ケなどが発生する。
【0018】図7は多重に反射する透過光を防止するた
めに形状工夫を施したことを説明する図である。鋸刃の
頂角を除く2つの角のうち角度範囲が90〜120°の
範囲にある角に接している面を粗面化することにより、
この部分を通過する光を散乱させて光強度を低下させる
ことが可能となるのである。
【0019】断面が鋸刃形状の微細な三角柱突起の間隔
が10μmより小さいと、透過像の品質低下を招き、逆
に100μmより大きいと鋸刃の頂角部分が欠けやす
く、かつ透き間にゴミが混入すると容易に除去すること
ができない。鋸刃の頂角を除く2つの角のうち、一方の
角は20°未満だと透過光がほとんど屈折せず効果が現
れず、逆に40°より大きいと屈折しすぎて表示像の視
認性が低下する。他方の角は90°未満だと透過像が2
重となってしまい、逆に120°より大きいと鋸刃の頂
角部分の機械的強度が低下する。
【0020】鋸刃の頂角を除く2つの角のうち、角度範
囲が90〜120°となる角側に接している面の粗面化
の程度は、10点平均粗さRzが10μm未満になると
透過像が多重となってしまい、逆に10μmより大きい
と光の散乱が激しく起こってしまい表面全体が白色化し
てしまう。
【0021】本発明において用いられる透明基板として
は、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート
(PMMA)、ポリスチレンなどの透明樹脂やガラスなどから
任意に選択することができる。また、フィルムを用いる
場合のフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート
(PET) 、ポリイミド(PI)を始めとして、ポリプロピレン
(PP)、ポリスチレン(PS)、塩化ビニル、ナイロン、トリ
アセテート、セロハンなどが好適に用いられるが、機械
的性質、熱的性質及び電気特性のすべてにバランスが取
れていることから、特にPETが好ましい。
【0022】透明基板の表面に直接鋸刃形状三角柱の突
起は、機械加工、ワイヤーカット放電加工などにより予
め表面に所望の鋸刃形状三角柱連続突起を形成した金型
を用い、射出成形や加圧成形法などにより金型表面の形
状を直接転写することにより連続的に設けることができ
る。
【0023】鋸刃の頂角を除く2つの角のうち角度範囲
が90〜120°となる角側に接している面を粗面化す
る方法としては、金型表面へ鋸刃形状三角柱連続突起を
機械加工した後に鋸刃垂直面も機械加工、サンドブラス
トなどにより粗面化することにより成形と同時に転写し
てしまう方法と、表面へ鋸刃形状三角柱連続突起を機械
加工した金型を用いて成形、転写した鋸刃垂直面をサン
ドブラスト処理などにより粗面化する方法とがある。
【0024】また、フィルム表面に鋸刃形状三角柱の突
起は、機械加工、放電加工及びフォトリソグラフィによ
る異方性エッチングなどにより予め表面に鋸刃形状三角
柱連続突起を形成したロールを用いて、ロール間にフィ
ルムを連続的に通過、プレスして転写することにより連
続的に設けることができる。
【0025】この際、フィルムを直接プレスして鋸刃形
状を転写したり、又は予め紫外線や電子線などの活性光
線や熱により硬化可能な硬化性組成物を塗布したフィル
ムにプレスして鋸刃形状を転写した後に、硬化性樹脂組
成物に活性光線や熱をさらして硬化したりする方法があ
る。
【0026】紫外線硬化樹脂としては、光重合性プレポ
リマー、光重合性モノマー及び光開始剤を主成分として
成る「ソーラプレン」(三井東圧化学株式会社の商標
名)や「アデカオプト2」(旭電化株式会社の商標名)
などがある。これらの硬化性樹脂組成物の膜厚は500
μm以下であることが好ましいが、転写精度を考慮する
と100μm程度であることが好ましい。
【0027】鋸刃の頂角を除く2つの角のうち角度範囲
が90〜120°となる角側に接している面の粗面化
は、透明基板表面に直接鋸刃形状三角柱の突起を連続的
に設ける方法と同様にして行うことができる。
【0028】表面に鋸刃形状三角柱の連続突起を設けた
フィルムと透明基板とを接着するに際しては、透明基板
の表面に接着剤を塗布してフィルムを貼り合わせること
が一般的である。この際、用いられる接着剤としては、
一般的な熱可塑性接着剤、エラストマー接着剤及び熱硬
化性接着剤などを単独で使用しても良く、また必要に応
じて2種以上を混合して使用しても良い。
【0029】例えば、主剤である液状エポキシ樹脂と硬
化剤である芳香族アミンを主成分として成る熱硬化性の
エポキシ系接着剤(市販品としては「セメダインCS−
2340−5」:セメダイン株式会社の商品番号)など
を用いれば良い。接着剤の膜厚は1μm以下であること
が好ましい。
【0030】一般に自動車用表示機器や表示パネルに使
用されるフィルターは、運転者及び同乗者の手に直接触
れる場所にあるため、表面はある程度の機械的強度を有
することが必要とされる。表面の強度が要求される場合
には、鋸刃形状の表面にハードコート層を設けても差し
支えない。このハードコート層は鋸刃傾斜面のみ設けて
も良く、又は全面に設けても差し支えない。ハードコー
ト層としては熱硬化性樹脂などがあり、例えばシリコー
ン系コーティング液を塗布、硬化したものなどが好適に
用いられる。
【0031】シリコーン系コーティング液としては、従
来よりプラスチックの表面硬化層として使用されている
シロキサン結合を有するものが好適に使用することがで
きる。このようなシリコーン系コーティング層は、一般
式RnSi(OR1 4-n (式中、nは1〜3の整数、
Rは炭素数1〜6の炭化水素基、R1 は炭素数1〜4の
アルキル基を示す。)で示される化合物と、四アルコキ
シ珪素の共部分加水分解物、又はこれらの分解物との混
合物を主成分として成るコーティング剤(特開昭57−
177028号公報、「スミユニ」:住友化学工業株式
会社の商標名)、又はメチルシルセスキシロキサン及び
コロイダル状シリカの混合物を主成分として成るコーテ
ィング剤(「トスガード」:東芝シリコーン株式会社の
商標名)などを塗布することにより形成される。塗布の
方法としては、流し塗り法、スプレー法、ディッピング
法及びスピンコート法などを使用することができる。
【0032】次に、本発明の車両用窓映り防止光学フィ
ルターの製造方法について説明する。鋸刃形状三角柱の
突起を連続的に透明基板の表面に直接形成する場合に
は、まず射出成形や加圧成形法で用いる金型表面を機械
加工やワイヤーカット放電加工により精密加工し、所望
の鋸刃形状三角柱連続突起を形成する。
【0033】射出成形法では、透明基板の原料となる樹
脂又はガラスを加熱して溶融させたものをこの金型中へ
圧力を加えて導入した後に溶融温度以下で所定時間維持
して成形し、表面に鋸刃形状三角柱連続突起を転写す
る。加圧成形法では透明基板を予め軟化温度以上に加熱
した後に金型にセットし、次いで圧力を加えながら所定
時間維持し、表面に鋸刃形状三角柱連続突起を転写す
る。
【0034】鋸刃の頂角を除く2つの角のうち角度範囲
が90〜120°となる角側に接している面を粗面化す
る方法としてサンドブラスト処理を用いる場合には、平
均粒径約20μmのガラスビース、圧力2Kgf/の圧
縮空気で約60秒間処理を行う。表面に形成した鋸刃形
状三角柱連続突起の機械的強度が十分でない場合にハー
ドコート層を設ける場合には、射出成形や加圧成形によ
り表面に鋸刃形状三角柱連続突起を転写した後にシリコ
ーン系コーティング液を表面に塗布する。膜厚は5〜1
0μmの範囲であることが好ましい。塗布した後、20
分間放置して風乾させ、続いて120℃で60分間保持
してハードコート層を形成する。
【0035】フィルム表面に鋸刃形状三角柱の突起を連
続的に形成し、透明基板と接着するに際しては、まずフ
ィルムをイソプロピルアルコールによる脱脂処理をした
後、純水リンス及び窒素ブロー乾燥して洗浄する。直接
フィルム表面に加工する場合にはフィルム又はロールを
所定温度まで加熱しておく。また、硬化性樹脂組成物を
用いる場合には、まず硬化性樹脂組成物を所定の厚さに
塗布した後に紫外線、電子線又は熱を僅かに加えて、硬
化性樹脂組成物を半硬化させた状態にする。
【0036】紫外線硬化樹脂の場合には紫外線露光装置
にて紫外線を10秒間、電子線硬化性樹脂の場合には電
子線照射装置にて電子線を約20秒間、熱硬化性樹脂の
場合には80℃で1分間処理する。次に、鋸刃形状三角
柱の連続突起が表面に加工されたロールの間にこのフィ
ルムを通過させてプレスし、鋸刃形状三角柱連続突起を
フィルム上の半硬化させた硬化性樹脂組成物へ転写す
る。そして再び所定の方法により硬化性樹脂組成物を完
全に硬化させて、鋸刃形状三角柱連続突起を固定化す
る。紫外線及び電子線硬化性樹脂の場合には照射時間3
分間以上、熱硬化性樹脂の場合には100℃で10分間
以上処理すれば完全に硬化する。
【0037】鋸刃の頂角を除く2つの角のうち角度範囲
が90〜120°の範囲となる角側に接している面を粗
面化する方法としてサンドブラスト処理を用いる場合に
は、平均粒径約20μmのガラスビース、圧力2Kgf
/cm2 の圧縮空気で約60秒間処理を行う。次に、透
明基板の表面へ接着剤を所定厚さに塗布した後に、接着
剤が乾燥しないうちにフィルムを端から皺にならないよ
うに順に貼り付ける。
【0038】表面に形成した鋸刃形状三角柱連続突起の
機械的強度が十分でない場合にハードコート層を設ける
場合には、フィルムと透明基体とを接着したフィルター
の鋸刃形状表面へシリコン系コーティング液を塗布す
る。膜厚は5〜10μmの範囲にあることが好ましい。
塗布した後、20分間放置して風乾させ、続いて120
℃で60分間保持してハードコート層を形成する。
【0039】以上のようにして成形した、表面に鋸刃形
状三角柱の連続突起が形成された車両用窓映り防止光学
フィルターの、窓映り防止性能を以下のようにして評価
した。実際に走行可能な自動車の時計の透明樹脂製カバ
ーを本発明の車両用窓映り防止光学フィルターと交換し
た後に昼夜を問わず様々な環境下で走行し、時計からの
光がフロントウインドの室内側表面で反射してドライバ
ーの視点に入って窓映りを起こすことにより運転に支障
が生じるか、また時計の文字盤が見にくいかについて調
べた。
【0040】どの条件下でも窓映りが認識されず運転に
支障が無く、また時計の文字盤にも問題無く視認するこ
とができれば、本発明の車両用窓映り防止光学フィルタ
ーの窓映り防止効果はあると判断された。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳述する
が、本発明はこれによって限定されるものではない。
【0042】実施例1 頂角を除く2つ角の角度がそれぞれ30°、100°で
あり、かつ間隔20μmの鋸刃形状三角柱連続突起を縦
型NCフライス加工盤により表面に形成した金型を用い
て、射出成形法により厚さ2mmのアクリル製透明基板
を形成した。このようにして作製した、表面に断面が鋸
刃形状の三角柱連続突起を有する車両用窓映り防止光学
フィルターの窓映り防止性能を評価した結果、いかなる
走行条件下でも窓映り光は認識されず、また運転にも全
く支障がなかった。
【0043】実施例2 頂角を除く2つの角の角度がそれぞれ40°、120°
であり、かつ間隔80μmの鋸刃形状三角柱連続突起を
ワイヤーカット放電加工盤により表面に形成した金型を
用いて、射出成形法により厚さ2mmのポリカーボネー
ト製透明基板を形成した。このようにして作製した、表
面に鋸刃形状の三角柱連続突起を有する車両用窓映り防
止光学フィルターの窓映り防止性能を評価した結果、い
かなる走行条件下でも窓映り光は認識されず、また運転
にも全く支障がなかった。
【0044】実施例3 厚さ150μmのPETフィルム上へ紫外線硬化性樹脂
組成物「ソーラプレン」(三井東圧化学株式会社の商標
名)を約100μm塗布した後、頂角を除く2つ角の角
度がそれぞれ22°、110°であり、かつ間隔60μ
mの鋸刃形状三角柱連続突起を転写し、紫外線照射装置
により紫外線を2分間照射して紫外線硬化性樹脂組成物
を硬化させた。続いて大きさ150mm×450mm×
2mmtのアクリル製透明基板とフィルムとを接着剤と
して熱硬化性エポキシ系接着剤「セメダインCS−23
40−5」(セメダイン株式会社の商品番号)を用いて
接着した。このようにして作製した、表面に鋸刃形状の
三角柱連続突起を有する車両用窓映り防止光学フィルタ
ーの窓映り性能を評価した結果、いかなる走行条件下で
も窓映り光は認識されず、また運転にも全く支障が無か
った。
【0045】実施例4 頂角を除く2つの角度をそれぞれ27°、100°とし
た他は、実施例3と全く同様にして車両用窓映り防止光
学フィルターを作製した。このようにして作製した、表
面に鋸刃形状の三角柱連続突起を有する車両用窓映り防
止光学フィルターの窓映り防止性能を評価した結果、い
かなる走行条件下でも窓映り光は認識されず、また運転
にも全く支障が無かった。
【0046】実施例5 頂角を除く2つの角度がそれぞれ35°、120°とし
た他は、実施例3と全く同様にして車両用窓映り防止光
学フィルターを作製した。このようにして作製した、表
面に鋸刃形状の三角柱連続突起を有する車両用窓映り防
止光学フィルターの窓映り防止性能を評価した結果、い
かなる走行条件下でも窓映り光は認識されず、また運転
にも全く支障が無かった。
【0047】実施例6 表面に更にハードコート層として「トスガード」(東芝
シリコーン株式会社の商標名)を1μmになるように塗
布した他は、実施例3と全く同様な方法により車両用窓
映り防止光学フィルターを作製した。このようにして作
製した、表面に鋸刃形状の三角柱連続突起を有する車両
用窓映り防止光学フィルターの窓映り防止性能を評価し
た結果、いかなる走行条件下でも窓映り光は認識され
ず、また運転にも全く支障が無かった。
【0048】実施例7 縦型NCフライス加工盤により、頂角を除く2つの角度
がそれぞれ32°、90°であり、かつ90°となる角
側に接している面の10点平均粗さが 0.2μmであ
る鋸刃形状三角柱連続突起を形成した金型を用いて、射
出成形法により厚さ2mmのアクリル製透明基板を形成
した。このようにして作製した、表面に鋸刃形状の三角
柱連続突起を有する車両用窓映り防止光学フィルターの
窓映り防止性能を評価した結果、いかなる走行条件下で
も窓映り光は認識されず、また運転にも全く支障が無か
った。
【0049】実施例8 ワイヤーカット放電加工盤により、頂角を除く2つの角
度がそれぞれ25°、90°であり、かつ90°となる
角度に接している面の10点平均粗さが0.6μmの鋸
刃形状三角柱連続突起を形成した金型を用いて、射出成
形法により厚さ2mmのポリカーボネート製透明基板を
形成した。このようにして作製した、表面に鋸刃形状三
角柱連続突起を有する車両用窓映り防止光学フィルター
の窓映り防止性能を評価した結果、いかなる走行条件下
でも窓映り光は認識されず、また運転にも全く支障が無
かった。
【0050】実施例9 頂角を除く2つの角度がそれぞれ22°、110°であ
り、かつ間隔60μmの鋸刃形状三角柱連続突起に代え
て、頂角を除く2つの角度がそれぞれ38°、90°で
あり、かつ90°となる角側に接している面の10点平
均粗さが面の10点平均粗さ1.5μmの鋸刃形状三角
柱連続突起を用いた他は、実施例3と全く同様な方法に
より車両用窓映り防止光学フィルターを作製した。この
ようにして作製した、表面に鋸刃形状三角柱連続突起を
有する車両用窓映り防止光学フィルターの窓映り防止性
能を評価した結果、いかなる走行条件下でも窓映り光は
認識されず、また運転にも全く支障が無かった。
【0051】実施例10 頂角を除く2つの角度がそれぞれ38°、90°であ
り、かつ90°となる角側に接している面の10点平均
粗さが面の10点平均粗さ1.5μmの鋸刃形状三角柱
連続突起に代えて、頂角を除く2つの角度がそれぞれ3
0°、90°であり、かつ90°となる角側に接してい
る面の10点平均粗さが面の10点平均粗さ5μmの鋸
刃形状三角柱連続突起を用いた他は、実施例9と全く同
様な方法により車両用窓映り防止光学フィルターを作製
した。このようにして作製した、表面に鋸刃形状三角柱
連続突起を有する車両用窓映り防止光学フィルターの窓
映り防止性能を評価した結果、いかなる走行条件下でも
窓映り光は認識されず、また運転にも全く支障が無かっ
た。
【0052】実施例11 頂角を除く2つの角度がそれぞれ38°、90°であ
り、かつ90°となる角側に接している面の10点平均
粗さが面の10点平均粗さ1.5μmの鋸刃形状三角柱
連続突起に代えて、頂角を除く2つの角度がそれぞれ4
0°、90°であり、かつ90°となる角側に接してい
る面の10点平均粗さが面の10点平均粗さ9μmの鋸
刃形状三角柱連続突起を用いた他は、実施例9と全く同
様な方法により車両用窓映り防止光学フィルターを作製
した。このようにして作製した、表面に鋸刃形状三角柱
連続突起を有する車両用窓映り防止光学フィルターの窓
映り防止性能を評価した結果、いかなる走行条件下でも
窓映り光は認識されず、また運転にも全く支障が無かっ
た。
【0053】実施例12 表面に更にハードコート層として「トスガード」(東芝
シリコーン株式会社の商標名)を1μmになるように塗
布した他は、実施例9と全く同様な方法により車両用窓
映り防止光学フィルターを作製した。このようにして作
製した、表面に鋸刃形状三角柱連続突起を有する車両用
窓映り防止光学フィルターの窓映り防止性能を評価した
結果、いかなる走行条件下でも窓映り光は認識されず、
また運転にも全く支障が無かった。
【0054】比較例1 センターコンソール中央部に設置されている時計の前面
に、ルーバー間隔200μm、厚さ500μmの信越シ
リコン製遮光フィルターを挟み込んだ透明樹脂製カバー
を設けて窓映り防止性能を評価した結果、いかなる走行
条件下でも窓映り光は認識されなかったが、時計文字盤
部分が全体的に暗く見づらかった。
【0055】
【発明の効果】本発明の車両用窓映り防止光学フィルタ
ーは、隣接する三角柱突起の間隔が10〜100μmの
範囲にあり、かつ鋸刃の頂角以外の角度がそれぞれ20
〜40°又は90〜120°の範囲にあるので、いかな
る走行条件下でも窓映り光は認識されず、また運転にも
全く支障がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】センターコンソール部分の断面拡大図及びドラ
イバーが時計から発せられる光により窓映り像を視認す
ることを説明する図である。
【図2】フロントウインドウの室内表面側に反射防止膜
を設けることにより窓映り防止を施している方法を説明
する図である。
【図3】時計の前面に遮光フィルターを挟み込んだ透明
樹脂製カバーを設けてウインドウ方向へ発される光の角
度を制御することにより窓映り防止を施している方法を
説明する図である。
【図4】本発明の車両用窓映り防止光学フィルターの断
面部分拡大図である。
【図5】本発明の車両用窓映り防止光学フィルターをセ
ンターコンソール中央部分の時計前面に透明樹脂製カバ
ーとして設置した場合の効果を説明する図である。
【図6】本発明の車両用窓映り防止光学フィルターを通
過する光の屈折状況を説明するための断面部分拡大図で
ある。
【図7】多重に反射する透過光を防止するために形状工
夫を施したことを説明する図である。
【符号の説明】
1 時計 2 フロントウインド 3 視点 4 反射防止膜 5 透明樹脂製カバー 6 車両用窓映り防止光学フィルター 7 透明基板 8 接着剤層 9 ハードコート層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板の表面上に断面が鋸刃形状の微
    細な三角柱突起が同一方向に連続して配置された車両用
    窓映り防止光学フィルターにおいて、隣接する三角柱突
    起の間隔が10〜100μmの範囲にあり、かつ鋸刃の
    頂角を除く2つの角度がそれぞれ20〜40°又は90
    〜120°の範囲にあることを特徴とする車両用窓映り
    防止光学フィルター。
  2. 【請求項2】 鋸刃の頂角を除く2つの角のうち角度範
    囲が90〜120°の範囲となる角側に接している面が
    粗面化されていて、10点平均粗さRzで0.1〜10
    μmの範囲にあることを特徴とする請求項1記載の車両
    用窓映り防止光学フィルター。
  3. 【請求項3】 断面が鋸刃形状の微細な三角柱状突起の
    形状を維持したままで、その表面にハードコート層が設
    けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    車両用反射防止光学フィルター。
  4. 【請求項4】 断面が鋸刃形状の微細な三角柱状突起が
    同一方向に連続して透明フィルム表面に形成され、かつ
    この透明フィルムが透明基板上に接着されていることを
    特徴とする請求項1、2又は3記載の車両用窓映り防止
    光学フィルター。
JP6112771A 1994-05-26 1994-05-26 車両用窓映り防止光学フィルター Pending JPH07318704A (ja)

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