JPH07316963A - 繊維成型クッション材 - Google Patents

繊維成型クッション材

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JPH07316963A
JPH07316963A JP10555294A JP10555294A JPH07316963A JP H07316963 A JPH07316963 A JP H07316963A JP 10555294 A JP10555294 A JP 10555294A JP 10555294 A JP10555294 A JP 10555294A JP H07316963 A JPH07316963 A JP H07316963A
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polyester
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cushion material
low melting
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吉田  誠
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敏哉 堀田
Shiro Kumakawa
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、従来より柔らかな風合いと
弾力性及び繰り返し圧縮したときに風合い、硬さ、厚み
の変化の少ない新規な繊維成型クッション材を提供する
ことにある。 【構成】 ポリエステル系捲縮短繊維と該短繊維より融
点が30℃以上低い低融点短繊維とからなり、低融点短
繊維により熱固着されてなる繊維成型クッション材にお
いて、該ポリエステル系捲縮短繊維は非エラストマー系
のポリエステル98〜50重量部とエラストマー系のポ
リエステル2〜50重量部との均一混合組成物からなる
ことを特徴とする繊維成型クッション材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、厚みを持った平面状や
3次元曲面形状等の各種成型形状に成型された各種乗物
用座席や家具クッション、寝具用マット、ベット用マッ
トや各種クッション素材に使用する繊維成型クッション
材に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、乗物用座席や家具、寝具等のクッ
ションの分野において用いられる繊維成型クッション材
は、熱接着性繊維を含有する短繊維をウェッブ化し、つ
いで圧縮し熱成型する方法(たとえば、特公平1−18
183号公報、特開平4−126856号公報、特開平
3−220354号公報等)が知られている。しかしな
がら、従来の繊維成型クッション材は、圧縮されたとき
の弾力性が低い、風合いが硬い、使用中の圧縮による風
合い、硬さ、厚みの変化率が大きい、接着点の破壊など
により形態変化が生じる等の欠点があった。また、風合
いやヘタリを改良するために、低融点ポリマーを変更し
たり、低融点繊維の断面の形状を変更したりするもので
は、繊維化の際の紡糸性悪化、コスト高等の問題があ
り、骨組となるポリエステル繊維との接着性が充分に上
げられずクッション特性が不充分なものとなる(特開平
4−126856号公報)。高融点繊維の形状を変更す
るものでは、熱処理する際の潜在捲縮の発現で成型時の
収縮が大きすぎて不都合となることや、ウェッブ化の際
のカードでのトラブルやムラが大きいといった欠点が出
やすく、また骨格がポリエステル繊維からなるため圧縮
で加わった歪が残りやすく耐久性が不充分となる(特開
平3−220354号公報)。低融点繊維を加工温度で
全部融解するよう構成し、串玉状に接着するものでは、
融着までに生ずる低融点繊維の収縮が大きいために、成
型品の形状が不安定になったり、厚みムラや密度ムラを
起こすという欠点があり、この場合にも、骨格となる繊
維がポリエステル繊維であるため、圧縮を受けたときの
風合いは弾力性が少なく粗硬で圧縮耐久性が低い(特公
平1−18183号公報)。また、これらの繊維成型ク
ッション材は骨組みを構成する高融点繊維がポリエステ
ル系ポリマー単独或いはポリエステル系ポリマーの組み
合わせからなるコンジュゲートポリマーで構成されてい
るために、剛直で硬く、形成された繊維成型クッション
材の弾力性が低く粗硬である。圧縮変形に対する回復に
も限界があり、大きな変形が長時間加えられ、繰り返し
変形を受けるクッション材では厚み変化や圧縮特性変化
の耐久性に問題がある。
【0003】
【発明の目的】本発明の目的は、このような従来の繊維
成型クッション材における課題を解決することにある。
すなわち、風合いが硬く粗硬で有ること、弾力性がない
こと、圧縮されたときの風合い、硬さ、厚みの変化率が
大きいことなどの欠点を解消した繊維成型クッション材
を提供することにある。
【0004】
【発明の構成】即ち本発明は、「(請求項1) ポリエ
ステル系捲縮短繊維と該短繊維より融点が30℃以上低
い低融点短繊維とからなり、低融点短繊維により熱固着
されてなる繊維成型クッション材において、該ポリエス
テル系捲縮短繊維は非エラストマー系のポリエステル9
8〜50重量部とエラストマー系のポリエステル2〜5
0重量部との均一混合組成物からなることを特徴とする
繊維成型クッション材。 (請求項2) 低融点繊維を構成するポリマーの少なく
とも一部がポリエステル系エラストマーからなる請求項
1の繊維成型クッション材。 (請求項3) 低融点繊維が複合繊維であり、繊維表面
の過半がポリエステル系エラストマーにより覆われてい
る請求項2の繊維成型クッション材。 (請求項4) ポリエステル系捲縮短繊維を構成するポ
リマー中に均一に混合されているポリエステル系エラス
トマーと低融点繊維を構成するポリマーの少なくとも一
部を構成するポリエステル系エラストマーとが同一ポリ
エステル系エラストマーである請求項2又は請求項3の
繊維成型クッション材。」である。
【0005】本発明におけるポリエステル系捲縮短繊維
とは、非エラストマー系のポリエステル98〜50重量
部とエラストマー系のポリエステル2〜50重量部との
均一混合組成物からなるものである。非エラストマー系
のポリエステルとは、通常のポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレン
テレフタレート、ポリテトラメチレンテレフタレート、
ポリ−1,4−ジメチルシクロヘキサンテレフタレー
ト、ポリピバロラクトンまたはこれらの共重合体エステ
ルからなる通常のポリエステルポリマーである。
【0006】エラストマー系ポリエステルとは熱可塑性
ポリエステルをハードセグメントとし、ポリ(アルキレ
ンオキシド)グリコールをソフトセグメントとして共重
合してなるポリエーテルエステルブロック共重合体、よ
り具体的にはテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、
ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン2,7
−ジカルボン酸、ジフェニル−4,4−ジカルボン酸、
ジフェノキシエタンジカルボン酸、3−スルフォイソフ
タル酸ナトリウム等の芳香族ジカルボン酸、1,4−シ
クロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸、コ
ハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン
ジ酸、ダイマー酸等の脂肪族ジカルボン酸、またはこれ
らのエステル形成誘導体等から選ばれたジカルボン酸の
少なくとも一種と、1,4−ブタンジオール、エチレン
グリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレン
グリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレ
ングリコール、ネオペンチルグリコール、デカメチレン
グリコール等の脂肪族ジオール、あるいは1,1−シク
ロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメ
タノール、トリシクロデカンジメタノール等の脂環族ジ
オール、またはこれらのエステル形成誘導体などから選
ばれたジオール成分の少なくとも一種、および平均分子
量が約400〜5000程度の、ポリエチレングリコー
ル、ポリ(1,2−および1,3−プロピレンオキシ
ド)グリコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリ
コール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共
重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランとの共
重合体等のポリ(アルキレンオキシド)グリコールのう
ち少なくとも一種から構成される三元共重合体などであ
る。
【0007】しかしながら、一般的なポリエステルとの
混合性、紡糸性、温度特性、物性等の面から、ポリブチ
レン系テレフタレートをハードセグメントとし、ポリオ
キシテトラメチレングリコールをソフトセグメントとす
るブロック共重合ポリエーテルポリエステルが好まし
い。この場合、ハードセグメントを構成するポリエステ
ル部分は、主たる酸成分がテレフタル酸、主たるジオー
ル成分がブチレングリコール成分であるポリブチレンテ
レフタレートである。勿論、この酸成分の一部(通常3
0モル%以下)は他のジカルボン酸成分やオキシカルボ
ン酸成分で置換されていてもよく、同様にグリコール成
分の一部はブチレングリコール成分以外のジオキシ成分
に置換されていてもよい。また、ソフトセグメントを構
成するポリエーテル成分は、テトラメチレングリコール
以外のジオキシ成分で置換されたポリエーテルであって
もよい。なお、ポリマー中には、各種安定剤、紫外線吸
収剤、増粘分枝剤、艶消剤、着色剤、その他各種の改良
剤等も必要に応じて配合されていてもよい。
【0008】非エラストマー系ポリエステルとエラスト
マー系ポリエステルとの混合比率は、非エラストマー系
ポリエステルが98〜50重量部、エラストマー系ポリ
エステルが2〜50重量部である。非エラストマー系ポ
リエステルの混合比率が98重量部を越え、エラストマ
ー系ポリエステルの混合比率が2重量部未満になるとエ
ラストマー成分の量が少なすぎるため骨格となる繊維の
歪み回復性が低下する。 非エラストマー系ポリエステ
ルの混合比率が50重量部未満になり、エラストマー系
ポリエステルの混合比率が50重量部を越えると、骨格
となる繊維のモジュラスが低くなりすぎるため成型時の
嵩性維持が困難となるので低密度の繊維成型クッション
材を得ることが困難となる。また、成型された繊維成型
クッション材の反撥性も低下する。
【0009】ポリエステルエラストマーを均一に混合す
る方法としては、通常の一般的なポリエステルポリマー
とポリエステル系エラストマーとをチップ状態で混合、
溶融しながらルーダーで押し出し紡糸する方法や、重合
中に添加混合する方法などが挙げられる。ポリエステル
ポリマー中にポリエステルエラストマーが均一に存在す
ることが必要で、一部がポリエステルとエステル交換反
応によって反応結合していてもよく、また微分散状態で
混合していてもよく、或いは、高分子配列体の如く筋状
に分布していてもよい。
【0010】ポリエステル系捲縮短繊維は、上記組成の
繊維を含む混綿体、または上記のポリマーのうち2種以
上からなる複合繊維などであっても良い。短繊維の断面
形状は円形、偏平、異形または中空のいずれであっても
よい。また、異方冷却やコンジュゲートによるスパイラ
ル捲縮や押し込み捲縮或いは両者の組み合わせによるω
型捲縮であってもよい。
【0011】従来の一般的なポリエステルポリマーで
は、加えられた圧縮変形に対する歪回復に限界があり、
繰返し圧縮を受けるに従って変形による歪が残り厚みが
薄くなったり、圧縮の変形に対する回復応力が小さい。
これに対して、通常のポリエステルポリマー中にポリエ
ステルエラストマーを均一に混合したものでは、変形に
対する回復性が極めてよくなり、熱固着された繊維成型
クッション材の骨組みを構成する繊維も圧縮変形に対す
る歪回復がよくなり、クッション材としても回復性が改
善されるので耐久性が向上する。勿論、繊維の硬さ、弾
力性についても同様に、ポリエステルエラストマーを均
一に混合することによって弾力性が大幅に改善され、熱
接着された繊維成型クッション材の風合い、弾力性、熱
接着性が大幅に向上する。
【0012】ポリエステル系捲縮短繊維としてはクッシ
ョン材の骨組みとなるマトリックスであるため、嵩高い
ものを用いる。嵩高性(JIS−L−1097)は、
0.5g/cm3 の荷重下で40cm3 /g以上、10
g/cm3 の荷重下で15cm 3 /g以上あることが好
ましく、更に好ましくは、それぞれ、50cm3 /g以
上、20cm3 /g以上である。これらの嵩高性が低い
と、得られた繊維成型クッション材の弾力性や圧縮反撥
性が低いといった問題が顕著になってくる。
【0013】該ポリエステル系捲縮短繊維の繊度は2〜
500デニールの範囲が好ましく、更に好ましくは、4
〜200デニールである。繊度が2デニールより小さい
と嵩高性が発揮されず、クッション性や反撥力が乏しく
なる。また500デニールよりも大きくなるとウェッブ
化が難しく、得られた繊維成型クッション材の構成本数
が少なくなり過ぎてクッション性の乏しいものしか得ら
れなくなる。
【0014】一方、ポリエステル捲縮短繊維の捲縮数
は、4〜25個/インチ、捲縮度は20〜40%が好ま
しい。この捲縮数や捲縮度が小さ過ぎるとウェッブの嵩
が出にくく、ウェッブ化が困難になるので好ましくな
い。得られるクッション材も反撥性に乏しく、耐久性の
低いものしか得られない。また、逆に捲縮数や捲縮度が
大きすぎるとウェッブの嵩高性が高くならず高密度のク
ッション材しか得られず、ウェッブ化の際に繊維の絡み
が強く筋状のムラ等が発生するので好ましくない。
【0015】一方、本発明のクッション材は、ポリエス
テル捲縮短繊維の融点より30℃以上低い融点を有する
低融点ポリマーが少なくとも一部を構成する短繊維であ
り、加熱により少なくともその表面の一部が溶融しポリ
エステル系捲縮短繊維または低融点繊維同士と融着す
る。ここで、ポリエステル系捲縮短繊維の融点は、示差
熱分析法で複数の融解ピークが記録されたときは高温側
の温度を融点とする。この融点差が30℃未満である
と、加工温度がポリエステル系短繊維の融点に近くな
り、ポリエステル短繊維の物性や捲縮特性が低下し、ク
ッション性能が悪化し、成型時の収縮が大きくなる。
【0016】熱融着性繊維は、公知の共重合ポリエステ
ル系繊維や熱可塑性エラストマーを含有する繊維やポリ
オレフィン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維等であ
る。特に低融点ポリマーを成分とする複合繊維は、形態
保持安定性や、成形性が優れているので好ましい。複合
形態は、サイドバイサイド型や芯鞘型、偏心芯鞘型等が
好ましい。特に低融点成分が表面に露出する複合形態が
好ましい。複合繊維の非接着成分は、一般的なポリエス
テルが好ましいが、ここでのポリエステル捲縮短繊維を
構成するポリマー組成が特に好ましい。
【0017】しかし、熱融着成型後に繰り返し圧縮変形
され、しかもその圧縮量即ち変形量が大きい(例えば、
厚みの50%の)クッション用途では、上記熱固着点に
変形応力が加わったときに変形し易く、変形応力が除か
れたときは、歪みを残さずに元の位置に戻り易いことが
必要である。繊維成型クッション体に大きな変形が加わ
ったとき、その繊維構造体を構成している繊維の低融点
ポリマーで構成される交絡点には更に大きな角度変化や
引き延ばし、捩じれ等の変形が加わる。従って、この熱
固着ポリマーには大きく変形回復する特性が必要であ
り、破壊伸度が大きく、伸長回復特性の良い熱可塑性エ
ラストマーによって構成されることが好ましい。そのた
めには、成型熱処理冷却後の圧縮処理がより有効であ
る。従来の低伸度、低伸長弾性回復率の低融点ポリマー
では、圧縮率40%程度の圧縮処理でも、結合点が僅か
な変形で破壊され圧縮硬さが著しく低下したり、初期に
想定した厚みより小さくなりすぎたり、甚だしい場合に
は綿状になる。本発明の熱可塑エラストマーは伸度や伸
長回復率が高いため、圧縮処理による低下幅は小さく、
使用中の低下も初期の低下が小さく、使用中の変化も小
さくなる。特に、この熱可塑性エラストマーは、高温熱
成型されているので耐熱性がある。熱固着する相手のマ
トリックス繊維がポリエステル系繊維であり、又その成
分の一部にポリエステル系エラストマーが均一混合され
ていることからポリエステル系のエラストマーが特に好
ましい。熱融着せしめる場合、同じポリエステル系とす
ることで接着力も大巾に向上する。
【0018】低融点ポリエステル系エラストマーは、前
述のポリエステル系エラストマーであればなんでも良
く、ポリエステル系捲縮短繊維に含まれるポリエステル
系エラストマーと異なってもよいが、熱接着による構造
体形成クッション材を製造することを考えると同一のポ
リエステル系エラストマーを用いるのが特に好ましい。
【0019】低融点ポリマーを含む短繊維の単糸繊度
は、2〜150デニールが好ましく、繊維長は38〜2
55mm,捲縮は4〜50個/インチが好ましい。この
範囲から外れると、混綿或いはウェッブ化が難しくな
る。また、成型物のクッション性能や圧縮耐久性も悪化
する。
【0020】低融点繊維の混綿比率は10〜70重量%
が好ましい。低融点繊維の比率が10重量%より少ない
と繊維構造体の接着点の数不充分となり、圧縮反撥性や
圧縮耐久性が低くなる。一方比率が70重量%より高く
なると、繊維構造体の結合点の数が多すぎて、硬くなり
クッション性が低下する。また低融点繊維の収縮のため
予め設計した成型物の形状が得られにくくなる。
【0021】クッション材の密度は0.005〜0.1
g/cm3 の範囲が好ましく、クッション材の厚みは3
〜1000mmが好ましい。密度がこの範囲より低い
と、反撥性や圧縮耐久性が実用範囲以下になる。また密
度が高すぎると、逆に繊維密度や結合点の密度が高すぎ
て固くなる。また厚みが3mm未満ではクッション性が
発揮されない。厚みが1000mmを越えると実用上ク
ッション材として不適当である。
【0022】本発明では、ポリエステルエラストマーが
均一に混合されたポリエステル系捲縮短繊維と低融点短
繊維とを混綿しカードなどで開繊しウェッブ化した後、
ウェッブを積層し、所定形状が得られるように通気性を
有するモールドに所定量のウェッブを詰め込んだり、パ
ンチングプレートで構成される平板やキャタピラー式の
上下コンベアーに積層ウェッブ等を挟み込み、低融点繊
維の融点より高い温度でポリエステル系捲縮短繊維の融
点よりも低い温度で加圧、加熱処理を行い、低融点ポリ
マーを融解し低融点繊維とポリエステル系短繊維との交
絡点や低融点繊維どうしとの交絡点の少なくとも一部を
加圧・加熱処理し熱融着することによって所定形状の繊
維形成クッション材を得る。
【0023】ここで本発明では、加圧加熱熱処理後に冷
却するが、より高温での形態寸法安定性や物性安定性を
維持するために、冷却中に低融点繊維の融点以下の一定
温度に保ったり、或いは冷却後に低融点繊維の融点以下
の温度に再加熱したりすることは好ましい実施態様であ
る。また冷却後、圧縮して不完全な接着部を予め取り除
いておくことも好ましい方法である。この圧縮処理を施
すときの圧縮率(初期の0.5g/cm2 の荷重で測定
したクッション材の厚みに対する厚み方向の圧縮量)は
40〜95%が好ましい。
【0024】
【発明の効果】
(1) 本発明における繊維成型クッション材は、従来
の繊維成型クッション材にくらべて、繊維中に弾力性や
回復性に優れたエラストマーを均一に混合したポリエス
テル繊維を骨組みとして成型されたクッション材である
ため、圧縮に対する弾力性が極めて高く、又繰返大変形
が加わるクッション材においても変形回復性が優れるた
めに耐久性が極めて高い。
【0025】(2) これらのクッション材は全て熱可
塑性繊維で構成されているために、使用後に再溶融して
再び新たな繊維や成型プラスチック等にリサイクル可能
である。特に再度、新しいポリマーを一部使いながらこ
のクッション材の骨組み繊維として用いたり、低融点繊
維の一部の非接着の成分に用いることも可能である。ま
た燃焼したときのの有毒ガスの発生も少ない。従って、
これらの熱処理によって得られる三次元曲面形状や平面
状の厚手クッション材は各種乗り物用座席や家具クッシ
ョン、寝具用マット、ベット用マットや各種クッション
素材等に使用する繊維形成クッション材として好適であ
る。
【0026】以下に実施例により本発明を具体的に説明
する。なお、実施例における各評価項目はそれぞれ下記
の方法に従って評価した。 <捲縮性能;捲縮数、捲縮度>JIS L−1015に
従った。 <圧縮残留歪み>JIS K−6401に従った。 <8万回圧縮残留歪み>JIS K−6401に従っ
た。 <8万回硬さ保持率>初期に75%の予備圧縮を加えた
後、再び25%圧縮したときの圧縮応力(F0)とJI
SK−6401により8万回繰り返し圧縮を行い、30
分放置後、75%の予備圧縮を加えた後、再び25%圧
縮したときの圧縮応力(F1)とを測定し、〔(F1/
F0)×100%〕で算出した。 <融点>Dupont社製、示差熱分析計990型を使
用し、20℃/分の昇温速度で昇温して測定し、融解ピ
ークを求めた。融解温度が明確に観測されない場合は、
微量融点測定装置(柳本製作所製)を用い、約3gのポ
リマーを2枚のカバーガラスに挟み、ピンセットで軽く
押さえながら、昇温速度20℃/分で昇温し、ポリマー
の熱変化を観測した。その際ポリマーが軟化して流動を
始める温度(軟化点)をここでは融点とした。 <ウェッブの嵩性>JIS L−1097に従った。
【0027】
【実施例1】テレフタル酸とイソフタル酸とを88/1
2(モル%)で混合した酸成分とブチレングリコールと
を重合し、得られたポリブチレン系テレフタレート38
%(重量%)を更にポリテトラメチレングリコール(分
子量2000)62%(重量%)と加熱反応させ、ブロ
ック共重合ポリエステルエラストマーを得、常法に従っ
てチップ化した。この熱可塑性エラストマーの融点は1
69℃であった。このポリエステルエラストマー・チッ
プ20重量%と常法に従って得られたポリエチレンテレ
フタレートチップ80重量%(融点256℃)とを混合
して押出機に供給して溶融し、異方冷却して、14デニ
ール、中空率23%に繊維化し、更に押し込み捲縮を付
与したのち、熱処理、カッテイングし、ω型捲縮で、繊
維長64mmのポリエステル系捲縮短繊維を得た。融点
は253℃であった。
【0028】一方、この熱可塑性ポリエステルエラスト
マーを鞘部(シース)に、常法により得られたポリブチ
レンテレフタレート(融点224℃)が芯部(コア)に
なるようにして、シース/コアの重量比が50/50の
複合繊維を常法により紡糸した。なお、この複合繊維
は、偏心シース・コア型複合繊維とした。得られた繊維
を2.0倍に延伸したのち、80℃で乾燥し、捲縮を発
現させ、油剤を付与し、64mmに切断した。得られた
複合低融点繊維の単糸繊度は9デニール、捲縮数は16
個/インチ、捲縮度は30%であった。
【0029】この複合繊維30重量%と、ポリエステル
系捲縮短繊維(捲縮数9個/インチ、捲縮度34%、嵩
比重が0.5g/cm2 の荷重下で75cm3 /g、1
0g/cm2 の荷重下で30cm3 /g)70重量%と
を混綿し、カードによって、ウェッブ化し、積層し積層
ウェッブを得た。このウェッブを、厚み5cm、密度
0.035g/cm3 になるように平板形の通気性モー
ルドに挟み込み、200℃の熱風炉で5分間加圧・加熱
処理し、続いて、室温で冷却した。
【0030】得られたクッション材の風合いはソフトで
粗硬感がなく非常に弾力性があった。得られたクッショ
ン材の性能を表1に示す。このクッション材の繰り返し
耐久性(8万回圧縮)、高温雰囲気での耐久性(70℃
圧縮残留歪)は、ポリエステル系エラストマーをブレン
ドしなかった場合にくらべ、非常に良好であった。8万
回圧縮処理後のクッション材は、初期と比較しても変化
がわかりにくい感触で、耐久性が非常に良好であった。
【0031】
【比較例1】ポリエステル系捲縮短繊維の組成としてポ
リエステル系エラストマーを均一にブレンドしないでポ
リエチレンテレフタレート単独で14デニール、中空率
23%のω型捲縮短繊維(捲縮数9個/インチ、捲縮度
30%、嵩比重が0.5g/cm2 の荷重下で77cm
3 /g、10g/cm2 の荷重下で32cm3 /g)を
作成し、これをポリエステル系捲縮短繊維の代わりに使
った以外は実施例1と同様に実施して繊維成型クッショ
ン材を得た。得られた繊維成型クッション材は、粗硬感
があり、硬く、弾力感は低かった。このクッション材の
性能を表1に示す。8万回圧縮処理後の残留歪は悪く、
8万回圧縮処理後の硬さ保持率は非常に劣っていた。ま
たこの8万回圧縮処理後のクッション材は、初期と比較
すると明らかに大きく感触が変わっていることが感じら
れた。
【0032】
【実施例2】常法によって得られたポリブチレンテレフ
タレート(融点224℃)チップ85重量%と実施例1
によって得られた熱可塑性エラストマーチップ15重量
%を混合して20デニール、中空率10%、繊維長64
mmの押し込み捲縮型のポリエステル系捲縮短繊維を得
た。融点は222℃であった。このポリエステル系捲縮
短繊維(捲縮数10個/インチ、捲縮度28%、嵩比重
が0.5g/cm2 荷重下で63cm3 /g、10g/
cm2 荷重下で22cm3 /g)70重量%と実施例1
の複合低融点繊維30重量%とを混綿しウェッブ化した
後、厚み5cm、密度0.045g/cm3 の平板クッ
ション材を実施例1と同様な方法で得た。得られたクッ
ション材は非常にソフトで弾力性に優れたものであっ
た。性能を表2に示す。得られたクッション材は耐久性
にも優れ、70℃の圧縮残留歪も小さく非常に優れたク
ッション材であった。
【0033】
【比較例2】実施例2において、ポリブチレンテレフタ
レート中に熱可塑性エラストマーを混合しないこと以外
は実施例2と同様に実施して、ポリエステル系捲縮短繊
維(捲縮数9.1個/インチ、捲縮度26%、嵩比重が
0.5g/cm2 荷重下で65cm3 /g、10g/c
2 荷重下で24cm3 /g)を用い実施例2と同様に
実施して平板クッション材を得た。得られたクッション
材の性能を表2に示す。このクッション材は圧縮残留歪
が高く、8万回圧縮の耐久性もあまりよくなかった。
【0034】
【比較例3】実施例1における熱可塑エラストマーチッ
プを55重量%とした以外は実施例1と同様に実施して
ポリエステル系捲縮短繊維をえた。得られた捲縮短繊維
の捲縮数は7個/インチ、捲縮度20%、嵩比重が0.
5g/cm2 荷重下で55cm3 /g、10g/cm2
荷重下で15cm3 /gとかなり低かった。このポリエ
ステル系捲縮短繊維70重量%と実施例1の複合低融点
短繊維30重量%とを混綿し、ウェッブ化したのち成型
して、厚み5cm、密度0.045の平板クッション材
を得た。得られたクッション材の性能を表2に示す。得
られたクッション材は反発力が低く、クッション材は不
適であった。また、8万回圧縮の残留歪も大きく耐久性
が低かった。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル系捲縮短繊維と該短繊維よ
    り融点が30℃以上低い低融点短繊維とからなり、低融
    点短繊維により熱固着されてなる繊維成型クッション材
    において、該ポリエステル系捲縮短繊維は非エラストマ
    ー系のポリエステル98〜50重量部とエラストマー系
    のポリエステル2〜50重量部との均一混合組成物から
    なることを特徴とする繊維成型クッション材。
  2. 【請求項2】 低融点繊維を構成するポリマーの少なく
    とも一部がポリエステル系エラストマーからなる請求項
    1の繊維成型クッション材。
  3. 【請求項3】 低融点繊維が複合繊維であり、繊維表面
    の過半がポリエステル系エラストマーにより覆われてい
    る請求項2の繊維成型クッション材。
  4. 【請求項4】 ポリエステル系捲縮短繊維を構成するポ
    リマー中に均一に混合されているポリエステル系エラス
    トマーと低融点繊維を構成するポリマーの少なくとも一
    部を構成するポリエステル系エラストマーとが同一ポリ
    エステル系エラストマ−である請求項2又は請求項3の
    繊維成型クッション材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2007308831A (ja) * 2006-05-18 2007-11-29 Teijin Fibers Ltd 繊維クッション材およびその製造方法
CN114592281A (zh) * 2020-12-31 2022-06-07 苏州爱美纤维科技有限公司 一种非织造材料的制备方法

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