JPH0731453A - 脱気水を用いた蒸米の製造方法 - Google Patents

脱気水を用いた蒸米の製造方法

Info

Publication number
JPH0731453A
JPH0731453A JP20295993A JP20295993A JPH0731453A JP H0731453 A JPH0731453 A JP H0731453A JP 20295993 A JP20295993 A JP 20295993A JP 20295993 A JP20295993 A JP 20295993A JP H0731453 A JPH0731453 A JP H0731453A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rice
steamed rice
water
steamed
grains
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20295993A
Other languages
English (en)
Inventor
Masazumi Yamashita
正純 山下
Katsuhisa Honda
克久 本田
Haruki Shimizu
春喜 清水
Hisafumi Ida
尚史 伊田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Miura Co Ltd
Original Assignee
Miura Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Miura Co Ltd filed Critical Miura Co Ltd
Priority to JP20295993A priority Critical patent/JPH0731453A/ja
Publication of JPH0731453A publication Critical patent/JPH0731453A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Alcoholic Beverages (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 洗米した米粒に対し、溶存気体を除去した脱
気水を用いて浸漬し、この浸漬後の米粒に対して、蒸気
を供給して加熱することにより蒸米を得ることを第1の
特徴とし、上記脱気水を用いて米粒を洗米した後、脱気
水を用いて浸漬し、この浸漬後の米粒に対して、蒸気を
供給して加熱することにより蒸米を得ることを第2の特
徴とする脱気水を用いた蒸米の製造方法である。 【効果】 米粒に均一に水が浸透するため、加熱時の熱
伝導を容易にし、結果として米粒の糊化(澱粉の均一な
α化)を十分に行なえるため、α化率が高く(老化しに
くい)、保湿性と粘弾性に優れ、しかも白く、つやのあ
る、形くずれの無い、所謂、”外硬内軟”の特に酒造用
に適した高品質の蒸米を得ること容易に達成でき、しか
も、上記のようにα化率が高いため仕込みの際に、麹菌
による分解が良く酒の歩留まりがよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、蒸米、例えば、清酒
の醸造に用いられる蒸米の製造方法の改良に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】米粒を蒸した米飯(以下、蒸米と称す
る。)は、そのまま食される他、例えば、日本酒、焼酎
を製造する際に用いられる。
【0003】上記のような蒸米は、通常、次のような工
程を経て製造されている。 洗米工程 : 精白米表面に付着しているゴミ、ぬか等
の汚れを除去する。 浸漬工程 : 後の加熱工程において、水を介して均一
な加熱を行うための工程で、米粒に約30%重量の水を
浸透させる。(尚、この浸漬時間(含水率)は、どのよ
うな種類の清酒(濁り酒を含む)を得るかによって、ま
た、精白米の精白度合によって、多少異なる。) 蒸し工程 : 米の飯化工程であって、上記の浸漬後の
精白米に蒸気を通し、通常の炊飯と同様な加熱と加水を
同時に行なう。この工程により、米粒内に浸透させた水
を媒介にして、米粒を均等に加熱し、米粒内の澱粉を糊
化(α化)する。 蒸らし工程: この工程においては、蒸し上がった蒸米
の熟成工程であって、充分なα化と、蒸米から余分な水
分を飛ばし、蒸米表面のべたつき等を除去する。
【0004】以上のようにして得られた蒸米は、通常の
炊飯によって得られる米飯に比べ、煮くずれ等が少ない
米飯が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の蒸米の製造方法
に関して、品質の良いものを得るためには、上記のよう
な各工程を経なければならないという、固定観念ともな
っており、そのため、洗米、浸漬、蒸し(加水・加熱)
の各工程については、従来と何等変更無く行われてい
る。
【0006】しかし、近年においては、上記の各工程の
うち、洗米工程を短縮する方法が提案されており、その
際の使用水量も、原米の重量と同量にまで低減され、更
には、精白後、洗米を省略できるような処理を施した所
謂無洗米も採用され、全体的な製造時間は短縮されつつ
あるが、浸漬、蒸し、蒸らしの各工程については、従来
と殆ど変更無く行われている。このように蒸米を製造す
るに際しては、浸漬工程に所定時間必要であり、この時
間短縮ができないため、この時間を見込んで操業を開始
する必要が有った。
【0007】上記のように、洗米工程においては、同量
洗米方法や無洗米の登場によって、使用水量や時間の短
縮、あるいは省略が可能になっているが、その後の浸漬
工程においては、浸漬用タンクの形状の工夫や浸漬の手
順等の手法に関する工夫が見られるのみである。特にこ
の浸漬工程は、全工程で一番時間を要することに加え
て、浸漬装置に要する設備費は全体の1/4〜1/3を
占めている。従って、生産コストの低減や生産効率の向
上を図るには、浸漬工程の省略、あるいは縮小が課題と
なっている。
【0008】しかし、単に浸漬工程を短縮したのみで
は、表面は水っぽく、内部は硬い、品質の劣る蒸米しか
得られない。特に、酒造用に用いられる蒸米は、外表面
が硬く、内部が軟らかく蒸し上がった所謂「外硬内軟」
の状態が、製麹時の破精仕込みが良い、蒸米のさばけが
良い等の理由で最も良い仕上りであり、このような酒造
用の蒸米を製造する場合には、従来の方法に加え、職人
(杜氏)の経験と勘とが必要であり、浸漬工程を短縮す
ることは難しい。
【0009】即ち、現状では、蒸米の品質を維持したま
まで、浸漬工程の時間の大幅な短縮を行ない得る方法に
ついては未だ存在していない。そこで、発明者は、蒸米
の品質を少なくとも維持しつつ、従来、必要不可欠とさ
れていた浸漬工程を大幅に短縮する方法について、研究
を重ね、この発明を完成するに至った。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するためになされたもので、洗米した米粒に対
し、溶存気体を除去した脱気水を用いて浸漬し、この浸
漬後の米粒に対して、蒸気を供給して加熱することによ
り蒸米を得ることを第1の特徴とし、溶存気体を除去し
た脱気水を用いて米粒を洗米した後、溶存気体を除去し
た脱気水を用いて浸漬し、この浸漬後の米粒に対して、
蒸気を供給して加熱することにより蒸米を得ることを第
2の特徴とする脱気水を用いた蒸米の製造方法である。
【0011】
【作用】この発明に係る脱気水を用いた蒸米の製造方法
によれば、以下のような作用を有する。 (1) 米粒の浸漬工程を大幅に短縮することができるた
め、蒸米製造時間全体としても大幅に短縮できる。 (2) 酸化を防止できるため、栄養素(特に還元糖類)の
分解が少なく、また褐変による黄色化が抑えられる。 (3) 浸漬水中の溶存気体の含有量が少ないため、加熱時
の発泡による表面細胞の破壊(煮崩れ)が抑えられ、ツ
ヤや粘弾性に優れた、しかも、老化しにくい蒸米の製造
が可能である。
【0012】
【実施例】この発明に係る脱気水を用いた蒸米の製造方
法の一実施例を、図1に示す工程図を参照しながら以下
に説明する。
【0013】予め、洗米に使用するための水として、脱
気水を用意する。この脱気水とは、水道水、井戸水等か
ら真空脱気法や膜脱気法等を用いて溶存気体を除去した
ものである。脱気度合いは、一般に溶存酸素濃度(DO
値)で通常 1ppm 以下(より好ましくは、0.5ppm 以
下)である。尚、脱気していない通常の水(以下、通常
水と称する)には、窒素、酸素(比率は2:1)、それ
に炭酸ガスが溶存しているが、上記脱気法では同一比率
で脱ガスするため、一般的には測定の容易な酸素量で表
示する。
【0014】そして、次に、蒸米とする米(精白米)粒
を脱気水にて洗う(洗米工程)。この操作は、米粒に付
着している糠とかゴミを多量の水中で攪拌して洗い流す
ことが主であり、同時に砕米を出さないように、オーバ
ーフローによる連続水洗もしくは一回一回の水洗を短時
間で複数回行う。尚、通常、この洗米操作時において、
米重量の約10%の水が吸水されることが知られてい
る。
【0015】次に、上記洗米後の米粒に、蒸気を通し、
加熱と同時に加水を行う(蒸し工程)。ここで、米粒内
に浸透した脱気水には通常水に比べて溶存空気量が少な
いため、加熱時における米粒内部からの気泡の発生が少
なく、結果として米粒表面の細胞崩壊が抑えられ、ま
た、澱粉流出によるおねば量も少なくなる。従って、米
粒表面の細胞破壊が抑えられるため、でき上がった蒸米
表面は張りがあり、また、上記のように米粒内に均一に
水(脱気水)が浸透しているため、米粒内の澱粉のα化
が充分行われることになり、所謂”外硬内軟”の蒸米が
容易に得られることになる。
【0016】尚、この蒸し工程において、脱気していな
い通常の水道水等を用いて浸漬した米粒を用い、同様に
加熱を開始すると米粒表層部に糊層ができ、この糊層に
よって内部への熱伝導は妨げられる。また、通常水を用
いた場合、米粒内への浸透は、米粒内の空気によって妨
げられるため、米粒の澱粉が膨潤する前に加熱されるこ
とになり、米粒内部の澱粉のα化が充分に行われない。
そのため蒸米表面は水っぽく、内部は硬い飯、所謂”な
かごめ”の蒸米となってしまい、上記の様な”外硬内
軟”の蒸米は得にくい。このことからも、この発明に係
る蒸米製造方法の優位性が確認できる。
【0017】蒸し工程以後は、従来と同様であり、蒸米
の熱を保持し、充分に米粒をα化させる蒸らし工程を行
い、この後は、各種最終製品の目的に応じて種々の加
工、盛付け、成形等の各工程に送られる。
【0018】以上のように本発明方法のよると、脱気水
を用いて米粒を浸漬し、蒸米を製造した場合、米粒への
水浸透が良く、しかも水中の酸素による澱粉、蛋白質、
脂質等の酸化と米粒の組織破壊が抑制できるため、 (1) 保湿性と粘弾性の優れた”つや”のある蒸米ができ
る。 (2) 風味の劣化が少なく、しかも白く蒸し上がる。 (3) 色の変化も少ない蒸米ができる。 といった品質向上がみられる。
【0019】このことは、酒造用に用いられる蒸米のよ
うに、蒸し上がり直後の蒸米(ご飯)を使用せず、一旦
冷却した後、麹付け等を行なうような用途に特に適した
蒸米を提供できることを示している。
【0020】また、この発明によって得られた蒸米は、
上記のようにα化率が良いため、醸造時の麹による醗
酵、即ち、澱粉消費が効率よく行われ、アルコール生成
の歩留が向上するという効果も得られる。
【0021】以上のことは蒸米の品質はもとより、生産
性向上や生産コスト低減の効果、即ち、浸漬工程の短縮
による製造ラインの簡素化、製造時間の短縮、使用水量
の大幅に低減が図れ、しかも、蒸米の歩留の向上も図れ
ることを示している。
【0022】尚、以上の説明においては、洗米工程、浸
漬工程に脱気水を用いた方法について説明したが、本発
明方法では、洗米工程は通常水で行っても良い。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明方法によれ
ば、浸漬工程において、米粒に均一に水が浸透するた
め、加熱時の熱伝導を容易にし、結果として米粒の糊化
(澱粉の均一なα化)を十分に行なえるため、α化率が
高く(老化しにくい)、保湿性と粘弾性に優れ、しかも
白く、つやのある、形くずれの無い、所謂、”外硬内
軟”の蒸米が容易に得られる。上記の”外硬内軟”の蒸
米は、特に酒造用の蒸米として最適であり、しかも、こ
の蒸米は、上記のようにα化率が高いため、仕込みの際
に、麹菌による分解が良く酒の歩留まりがよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る脱気水を用いた蒸米の製造方法
を適用した工程図を説明するための概略図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊田 尚史 愛媛県松山市堀江町7番地 三浦工業株式 会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗米した米粒に対し、溶存気体を除去し
    た脱気水を用いて浸漬し、この浸漬後の米粒に対して、
    蒸気を供給して加熱することにより蒸米を得ることを特
    徴とする脱気水を用いた蒸米の製造方法。
  2. 【請求項2】 溶存気体を除去した脱気水を用いて米粒
    を洗米した後、溶存気体を除去した脱気水を用いて浸漬
    し、この浸漬後の米粒に対して、蒸気を供給して加熱す
    ることにより蒸米を得ることを特徴とする脱気水を用い
    た蒸米の製造方法。
JP20295993A 1993-07-23 1993-07-23 脱気水を用いた蒸米の製造方法 Pending JPH0731453A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20295993A JPH0731453A (ja) 1993-07-23 1993-07-23 脱気水を用いた蒸米の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20295993A JPH0731453A (ja) 1993-07-23 1993-07-23 脱気水を用いた蒸米の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0731453A true JPH0731453A (ja) 1995-02-03

Family

ID=16466001

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20295993A Pending JPH0731453A (ja) 1993-07-23 1993-07-23 脱気水を用いた蒸米の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0731453A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6339687B1 (en) 1999-10-22 2002-01-15 Sharp Kabushiki Kaisha Developing method
US6356727B1 (en) 1999-10-26 2002-03-12 Sharp Kabushiki Kaisha Image forming apparatus having a specific relationship of the dielectric constant and layer thickness for photoconductor and developer lagers
WO2013088592A1 (ja) 2011-12-16 2013-06-20 Udトラックス株式会社 プロペラシャフトの脱落防止構造

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6339687B1 (en) 1999-10-22 2002-01-15 Sharp Kabushiki Kaisha Developing method
US6356727B1 (en) 1999-10-26 2002-03-12 Sharp Kabushiki Kaisha Image forming apparatus having a specific relationship of the dielectric constant and layer thickness for photoconductor and developer lagers
WO2013088592A1 (ja) 2011-12-16 2013-06-20 Udトラックス株式会社 プロペラシャフトの脱落防止構造

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US2733147A (en) Quick cooking rice and process therefor
US5089281A (en) Preparation of quick cooking rice
JPH0731453A (ja) 脱気水を用いた蒸米の製造方法
US5275836A (en) Process for treating brown rice and product thereof
JP2001161338A (ja) 発泡酒の製造方法
JPH08252070A (ja) 米飯の製造方法
JPH06315357A (ja) 脱気水を用いた米飯の製造方法
JP2626702B2 (ja) 米飯の製造方法
JPH078236A (ja) 甘酒の製造方法
KR20190102337A (ko) 쌀의 도정 방법
JPS60168376A (ja) 玄米を原料とする食酢の製造方法
JPS6016556A (ja) 米粒の表層部のみを糊化した加工米の製造法
JPH0439307B2 (ja)
JPS5831192B2 (ja) 着色酒類の製造法
JPH1094368A (ja) 食感の優れた玄米飯の製造法
JPS63112969A (ja) 麦茶及びその製造方法
JPS5835674B2 (ja) 米の浸漬時にリパ−ゼを添加する清酒等の醸造法
JPH0438385B2 (ja)
JPH07255454A (ja) 酒類及び甘味調味料の製法
JPH11313665A (ja) 日本酒の製造方法
JP2008005808A (ja) 清酒の製造方法
JPH0884571A (ja) 液体醸造食品の製造法
JPH10155472A (ja) もち米を原料とする清酒の製造方法
JPS61247348A (ja) 即席乾燥米の製造法
JP4258596B2 (ja) 海水を用いた酒類の製造方法