JPH08252070A - 米飯の製造方法 - Google Patents

米飯の製造方法

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JPH08252070A
JPH08252070A JP7086238A JP8623895A JPH08252070A JP H08252070 A JPH08252070 A JP H08252070A JP 7086238 A JP7086238 A JP 7086238A JP 8623895 A JP8623895 A JP 8623895A JP H08252070 A JPH08252070 A JP H08252070A
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rice
water
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cooked
heating
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JP7086238A
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Katsuhisa Honda
克久 本田
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Miura Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 炊飯時間の短縮,炊飯設備の小型化を図り、
炊飯後の米飯の品質の低下を防ぎ、さらには炊飯量の歩
留の向上を図る。 【構成】 洗米した米粒に対し、溶存気体を除去した脱
気水を炊き水として加えて加熱する米飯の製造方法にお
いて、前記脱気水を初期投入した原料白米重量に対して
1.6〜1.75倍炊き水として加水し、該加水後少な
くとも10分以内に加熱を開始する方法であり、また溶
存気体を除去した脱気水を用いて米粒を洗米し 、洗米
後の米粒に対し、前記脱気水を炊き水として加えて加熱
する米飯の製造方法において、前記脱気水を初期投入し
た原料白米重量に対して1.6〜1.75倍炊き水とし
て加水し、該加水後少なくとも10分以内に加熱を開始
する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、米飯の製造方法,す
なわち米の炊飯方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、米飯を炊く際には、まず原料米と
しての精白米(以下、「原料白米」と云う。通常、含水
率は約14%である。)を洗米し、浸漬した後、炊き水
を加えて加熱し(炊飯)、仕上げとして蒸らしを行って
いた。
【0003】前記各工程は、それぞれつぎのような操作
を行う。 《洗米工程》原料白米表面に付着しているゴミ,ぬか等
の汚れを除去する。 《浸漬工程》つぎの加熱工程において、水を介して均一
な加熱を行うための工程で、米粒に約30重量%の水を
浸透させる。 《加水・加熱工程》米の飯化工程であって、前記浸漬後
の米粒に炊き水を加えて加熱し、浸透させた水を媒介に
して、米粒を均等に加熱することによって米粒内の澱粉
を糊化(α化)する。 《蒸らし工程》炊き上がった米飯の熟成工程であって、
充分なα化と、米飯から余分な水分を飛ばし、米飯表面
のべたつき等を除去する。
【0004】前記各工程における一般的な所要時間は、
洗米に5分,浸漬に1〜2時間,加水・加熱に20分,
蒸らしに20分の合計1時間45分〜2時間45分であ
る。また、使用する水量は、洗米工程において、初期投
入した原料白米重量のほぼ7倍前後の洗米用水が必要で
あり、浸漬工程においては、1〜3倍の水量が必要であ
った。そして、炊き水としては、一般的には、初期投入
の原料白米重量に対し、1〜1.5倍程度の水量が必要
であり、初期投入した原料白米重量の2.3倍前後の米
飯を得ていた(なお、前記加水量は、米飯を寿司,炒飯
等の加工米飯用とする場合や、好みによって多少異な
る。)。したがって、従来からの炊飯方法においての全
体の所要時間は、2〜3時間かかるのが普通であり、必
要水量は、初期投入した原料白米重量の9〜12倍に達
していた。
【0005】この従来からの炊飯方法は、家庭での炊飯
も、給食センター等で大量に炊飯する場合も同様であ
り、おいしいご飯を炊くには、前記のような各工程を経
なければならないという固定観念ともなっている。
【0006】しかし、近年においては、前記各工程のう
ち、洗米時間を短縮する方法が提案されており、その際
の使用水量も、初期投入した原料白米の重量と同量にま
で低減され、さらには精白後、洗米を省略できるような
処理を施した,いわゆる無洗米も採用され、全体的な炊
飯時間は短縮されつつあるが、浸漬,加水・加熱,蒸ら
しの各工程については、従来とほとんど変更なく行われ
ている。
【発明が解決しようとする課題】
【0007】ところで、近年の外食産業等の進展に伴
い、米飯の需要が増大する中で、今後益々要求される問
題は、生産性の向上と生産コストの低減である。また、
米飯並びにこの米飯を加工した製品を製造するに際して
は、前記のように、浸漬工程に所定時間必要であり、こ
の時間が短縮できないため、この時間を見込んで操業を
開始する必要があり、即時的に米飯を得ることができな
かった。洗米工程においては、同量洗米方法や無洗米の
登場によって、使用水量や時間の短縮,あるいは省略が
可能になっているが、その後の浸漬工程においては、浸
漬用タンクの形状の工夫や浸漬手順等の手法に関する工
夫が見られるのみである。
【0008】とくに、この浸漬工程は、全工程で一番時
間を要することに加えて、浸漬装置に要する設備費は、
全体の1/4〜1/3を占めている。したがって、生産
コストの低減や生産効率の向上を図るには、浸漬工程の
省略,あるいは縮小が課題となっている。
【0009】しかし、単に浸漬工程を省略したのみで
は、飯粒の表面は水っぽく、内部は硬い飯粒,いわゆる
「なかごめ」のご飯に炊き上がり、逆に加水量を増加さ
せた場合は、べたついたご飯となってしまい、米飯の品
質が劣ってしまう。すなわち、現状では、米飯の品質を
維持したままで、浸漬工程の時間の大幅な短縮,さらに
は浸漬工程そのものを省略する方法については未だ満足
できるものが提案されていない。
【0010】そこで、発明者は、米飯の品質を少なくと
も維持しつつ、従来必要不可欠とされていた浸漬工程を
省略する方法について研究を重ね、この発明を完成する
に至った。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、前記課題を
解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明
は、洗米した米粒に対し、溶存気体を除去した脱気水を
炊き水として加えて加熱する米飯の製造方法において、
前記脱気水を初期投入した原料白米重量に対して1.6
〜1.75倍炊き水として加水し、該加水後少なくとも
10分以内に加熱を開始することを特徴としており、ま
た請求項2に記載の発明は、溶存気体を除去した脱気水
を用いて米粒を洗米し、洗米後の米粒に対し、前記脱気
水を炊き水として加えて加熱する米飯の製造方法におい
て、前記脱気水を初期投入した原料白米重量に対して
1.6〜1.75倍炊き水として加水し、該加水後少な
くとも10分以内に加熱を開始することを特徴としてお
り、また請求項3に記載の発明は、加熱開始後少なくと
も10分以内に沸騰させることを特徴としており、さら
に請求項4に記載の発明は、溶存気体を除去した脱気水
の溶存酸素濃度が加熱直前において1ppm 以下であるこ
とを特徴としている。
【0012】
【実施例】以下、この発明の具体的実施例を図面に基づ
いて詳細に説明する。まず、この発明に係る米飯の製造
方法の一実施例を図1に示す工程図を参照しながら説明
する。
【0013】予め、洗米用水および炊き水に使用するた
めの用水として、脱気水を用意する。この脱気水とは、
水道水,井戸水等の飲料水から真空脱気法や膜脱気法等
を用いて溶存気体を除去したものである。この脱気度合
いは、一般的に溶存酸素濃度(DO値)で1ppm 以下
(より好ましくは、0.5ppm 以下) である。ここで云
う「1ppm 以下(より好ましくは、0.5ppm 以下)」
の脱気度合いとは、加熱直前の溶存酸素濃度が1ppm 以
下であると云うことであり、簡便な確認方法としては、
加熱温度が95℃で気泡が発生しない状態を云う。な
お、脱気していない通常の水(以下、「通常水」と云
う)には、窒素,酸素(比率は2:1)および炭酸ガス
が溶存しているが、前記各脱気法では同一比率で脱気す
るため、一般的には測定の容易な酸素量で表示する。
【0014】そして、つぎに、炊飯しようとする米粒
(精白米)を脱気水にて洗う(洗米工程)。この操作
は、米粒に付着している糠とかゴミを多量の水中で攪拌
して洗い流すことが主であり、同時に砕米を出さないよ
うに、オーバーフローによる連続水洗もしくは一回一回
の水洗を短時間で複数回行う。ここにおける短時間での
洗浄とは、5分以内で洗浄することを意味し、その後は
水に漬かった状態で加熱直前まで10分以上経過しない
ことが重要となる。なお、通常、この洗米操作時におい
て、原料白米重量の約10%の水が吸水されることが知
られている。
【0015】つぎに、前記洗米後の米粒に、炊き水とし
ての脱気水を加えて加熱し、炊飯を行う(加水・加熱工
程)。この際の炊き水としての加水量は、通常の炊飯時
(浸漬工程有りの炊飯)に比べ、5%〜25%多い目に
加える。ここにおいて、加水量が5%以下だと、通常に
好まれる硬さよりも硬くなり、また加水量が25%を超
えると、ベトついたものとなって食味が著しく低下す
る。すなわち、この発明における加水量は、初期投入し
た原料白米重量に対して1.6〜1.75倍の脱気水を
炊き水として加水する。そして、加水後の加熱は、でき
る限り通常温度での吸水を避け、加熱時の吸水を推進す
ることが重要で、加水後少なくとも10分以内に加熱を
開始する。これは、洗米後の米粒が10分以上、通常温
度(15℃〜40℃)の水に漬かっていると、吸水量が
増加し、事実上、浸漬工程を省略したことにはならない
からである。また、加熱時間は、炊飯量(米+加水量の
総量)に基づいて、炊飯機によって当然異なるが、一般
的な炊飯機(沸騰型炊飯機)による炊き上げで、少なく
とも10分以内で沸騰するように火力調節を行う。浸漬
工程を省略する炊飯方法,いわゆる無浸漬法は、この加
熱時間が長くなることは望ましいものではなく、望まし
くは7分以内で沸騰するように火力調節を行う。このよ
うに、この発明における加水・加熱工程によると、後述
するように、通常炊飯(後述する従来方法による炊飯)
における品質(炊き上がり状態での品質)のものと比較
して、歩留(炊き上がり重量)が5%〜10%向上する
ことが確認された。
【0016】この加水・加熱工程において、炊き水とし
て脱気水を用いると、脱気水が米粒内の空気を取り込み
ながら浸透するため、通常水を用いるものと比べて、よ
り早く、しかも均一な水浸透が行われる。この結果とし
て、従来のように、浸漬工程により米粒内に水を浸透さ
せなくても,すなわち浸漬工程を省略しても、この発明
によれば、米粒内の澱粉を膨潤させながら加熱すること
になるため、澱粉のα化(糊化)が充分に行われた米飯
を得ることができる。また、米粒内に浸透した脱気水に
は、通常水に比べて溶存酸素量が少ないため、加熱時に
おける米粒内部からの気泡の発生が少なく、結果として
米粒表面の細胞崩壊が抑えられ、かつ澱粉流出によるお
ねば量も少なくなる。さらに、この際の炊き水としての
脱気水は、溶存酸素が除去されているため、炊飯中に米
粒内の各種の旨味成分,たとえばグルコース等の還元糖
の酸化を防止することができ、結果として甘味のある米
飯ができる。
【0017】なお、この加水・加熱工程において、通常
水を用いて米粒の内部まで充分に吸水させないで加熱を
開始すると、米粒表層部に糊層ができ、この糊層によっ
て内部への熱伝達が妨げられる。また、通常水を用いた
場合、米粒内への浸透は、米粒内の空気によって妨げら
れるため、米粒の澱粉が膨潤する前に加熱されることに
なり、米粒内部の澱粉のα化が充分に行われない。その
ため、飯粒表面は水っぽく、内部は硬い飯粒,いわゆる
「なかごめ」のご飯に炊き上がってしまう。このことか
らも、この発明による炊飯方法の優位性が確認できる。
【0018】加水・加熱工程以後は、従来と同様であ
り、米飯の熱を保有し、充分に米粒をα化させる蒸らし
工程を行い、この後は各種最終製品の目的に応じて、種
々の加工,盛付け,成形等の各工程に送られる。
【0019】つぎに、この発明を適用した場合の結果に
ついて、実験結果に基づいて説明する。まず、表1は、
脱気水と水道水による炊飯試験法を示すもので、方法1
〜4は、洗米,炊き水に脱気水もしくは水道水を使用し
た場合の組合わせであり、また方法5は、前記方法1〜
4までとの比較のため、従来通りの洗米,浸漬,加水・
加熱の各工程で水道水を使用して炊飯したものである。
そして、各米飯について、水分量,硬度等についての経
時変化を測定し、その結果を表2に示した。
【0020】
【表1】 ◎:脱気水(DO値:0.5ppm ) ○:脱気水(DO値:1.0ppm ) △:脱気水(DO値:2.0ppm ) ●:水道水(DO値:10.0ppm ) −:省略 ※:加熱開始から沸騰までに要した時間は10分間 *:洗米終了後から5分後に加熱開始
【0021】つぎの表2は、この発明に係る製造方法と
従来方法における米飯の含有水分量,硬度,還元糖量,
おねば量,α化率を示しており、水分量はぱさつきに,
硬度は歯応えに,還元糖量は旨味(甘味)や栄養に,お
ねば量は光沢や舌触りに,α化率は旨味に影響すること
が知られている。
【0022】
【表2】 還元糖:ソモギーネルソン法(グルコース換算:mg/米g) おねば:フェノール硫酸法(グルコース換算:mg/米g) α化率:βアミラーゼ・プルラナーゼ法
【0023】この表2により、方法1および方法2(こ
の発明の方法)と方法5(従来方法)とを炊飯6時間後
において比較すると、水分量および硬度については、ほ
とんど差が生じないが、方法1および方法2にあって
は、還元糖量が多く、おねば量が少ない。すなわち、こ
の発明によって得られる米飯は、従来方法のように、通
常水による浸漬工程を経て得られた米飯に比べて、還元
糖量が多いことから、旨味(甘味)や栄養に優れ、おね
ば量が少ないことから、光沢,舌触りに優れると云うこ
とになり、従来方法による米飯と同程度以上の品質が得
られることになる。さらに、炊飯24時間後について
は、両者の差は大きくなり、この発明による米飯は、品
質の経時変化が少ないものとなっている。
【0024】また、方法1および方法2(この発明の方
法)と方法3(脱気水の比較例)との比較においては、
炊飯6時間後ではほとんど差が生じていないが、炊飯2
4時間後では顕著な差が出ている。すなわち、この発明
による米飯は、品質の経時変化が少ないものであるのに
対し、方法3による米飯にあっては、時間の経過ととも
に硬度が高くなり、かつα化率が低下することになり、
品質の経時変化が大きいものとなっている。
【0025】さらに、方法1および方法2(この発明の
方法)と方法4(水道水の比較例)との比較において
は、炊飯6時間後では水分量についてはあまり差が生じ
ないが、硬度,還元糖量およびおねば量については顕著
な差が出ている。すなわち、両者の比較において、方法
4による米飯は、この発明による米飯に比べて、硬度が
高く、おねば量が多いことから、方法4で炊飯した場
合、硬く,旨味(甘味)や栄養に乏しく、光沢等の見栄
えの悪い米飯しか得られないことが分かる。この点を炊
飯24時間後で比較すると、さらに一層顕著になる。
【0026】以上のことから、この発明に係る方法のよ
うに、脱気水を用いて米飯を製造した場合、米粒内への
水の浸透が良く、しかも水中の酸素による澱粉,蛋白
質,脂質等の酸化と米粒の組織破壊が抑制できるため、
従来の浸漬工程を省略したとしても、つぎのような品質
向上が見られる。 (1) 保湿性と粘弾性の優れた「ツヤ」のある米飯ができ
る。 (2) 風味の劣化が少なく、しかも白く炊き上がる。 (3) 色の変化も少ない米飯ができる。
【0027】このことは、業務用の炊飯のように、炊飯
直後に米飯(ご飯)を食することは少なく、数時間後な
いしは30時間後に食するような用途にとくに適した米
飯を提供できることを示している。また、脱気水で炊き
上げた米飯は、日持ちの点で優れ、流通上でも好都合で
あるとともに、浸漬工程の省略による1〜2時間の時間
短縮は、製造時間帯の変更も可能であることを示してい
る。
【0028】前記の科学的および物理的な検査の結果
は、図2に示す官能試験の結果ともよく一致している。
この図2は、この発明の方法と従来方法とにおける米飯
の官能検査の結果を示すグラフで、図2において、「−
○−」がこの発明の方法に基づく米飯によるものであ
り、また「−●−」が従来方法に基づく米飯によるもの
である。
【0029】この図2の結果からも、この発明の方法に
よって得られる米飯は、炊き上がり時の品質が良く、し
かも浸漬工程が省略できることから、炊飯時間の短縮
や,炊飯工程におけるハードウェアの小型化にも優位性
が生じる。
【0030】さらに、図3は、同一重量の原料白米を使
用した場合の加水量と炊き上がり時の米飯重量との関係
を示すもので、歩留の基準としては、従来方法(浸漬工
程有りの炊飯)により、初期投入した原料白米重量に対
し、1.5倍量の炊き水を加えた状態で炊飯し、原料白
米重量の2.3倍量の米飯を得た場合として設定してあ
る。図3からも分かるように、この発明の方法によれ
ば、方法5(従来方法)と同等もしくはそれ以上の品質
の米飯を得ようとした場合(官能検査良好領域)は、脱
気水の加水量を従来方法の5%〜15%増量する。この
ことは、脱気水が米粒内に存在している気泡を取り込み
ながら浸透し、この気泡による米粒の組織破壊が抑制で
きるため、従来方法に比べて、飯粒表面に張りを持たせ
た状態で、均一に,かつ多くの水分を含むことができる
からである。
【0031】以上のことは、米飯の品質はもとより、生
産性向上や生産コスト低減の効果,すなわち浸漬工程の
省略による炊飯ラインの簡素化,製造時間の短縮,使用
水量の大幅な低減を図ることができ、しかも米飯の歩留
の向上も図るとができることを示している。
【0032】なお、以上の説明においては、洗米工程お
よび加水・加熱工程に脱気水を用いた方法について説明
したが、この発明の方法においては、洗米工程にあって
は通常水を用いて行っても良く、さらには無洗米を用い
ることにより、洗米工程を省略することが可能である。
要するに、この発明の方法においては、少なくとも、加
水・加熱工程に脱気水を用いることにより、浸漬工程,
さらには洗米工程までも省略することが可能である。
【0033】
【発明の効果】以上のように、この発明の方法によれ
ば、浸漬工程を省略しても、米粒に均一に水が浸透する
ため、加熱時の熱伝導を容易にし、結果として米粒の糊
化(澱粉の均一なα化)を充分に行うことができるた
め、α化率が高く(老化しにくい),保湿性が良く,粘
弾性に優れ、しかも白く,ツヤのある,形くずれのない
高品質の米飯を得ることができる。
【0034】また、この発明の方法によれば、炊飯に先
立って、米粒を水に浸漬する必要がなく、したがってこ
の浸漬に要する時間が不要になるため、全体的な炊飯工
程の時間の短縮を図ることができ、またこのような時間
短縮が可能なため、即時的な炊飯(応急炊飯)が可能と
なるとともに、増産が可能となる。
【0035】また、前記のように、浸漬工程を省略でき
るため、従来不可欠であった大容量の浸漬用タンクや、
ライン上で浸漬時間を保持するためのコンベアラインが
不要になり、炊飯設備の小型化,低廉化を図ることがで
きる。
【0036】さらに、この発明の方法によれば、従来の
炊飯方法で得られる米飯と同程度の品質の米飯を得た場
合、炊き上がり重量が5%〜15%程度増加するため、
材料を節約することができ、このことも製造コストの低
減につながる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る米飯の製造方法を適用した工程
図を説明するための概略図である。
【図2】この発明に係る製造方法と従来方法における米
飯の官能検査の結果を示すグラフである。
【図3】この発明に係る製造方法と従来方法において、
同一重量の原料白米を使用した場合の加水量と炊き上が
り時の米飯重量との関係を示すグラフである。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗米した米粒に対し、溶存気体を除去し
    た脱気水を炊き水として加えて加熱する米飯の製造方法
    において、前記脱気水を初期投入した原料白米重量に対
    して1.6〜1.75倍炊き水として加水し、該加水後
    少なくとも10分以内に加熱を開始することを特徴とす
    る米飯の製造方法。
  2. 【請求項2】 溶存気体を除去した脱気水を用いて米粒
    を洗米し、洗米後の米粒に対し、前記脱気水を炊き水と
    して加えて加熱する米飯の製造方法において、前記脱気
    水を初期投入した原料白米重量に対して1.6〜1.7
    5倍炊き水として加水し、該加水後少なくとも10分以
    内に加熱を開始することを特徴とする米飯の製造方法。
  3. 【請求項3】 加熱開始後少なくとも10分以内に沸騰
    させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載
    の米飯の製造方法。
  4. 【請求項4】 溶存気体を除去した脱気水の溶存酸素濃
    度が加熱直前において1ppm 以下であることを特徴とす
    る請求項1または請求項2に記載の米飯の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108208553A (zh) * 2016-12-15 2018-06-29 株式会社佐竹 速食米饭的制造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108208553A (zh) * 2016-12-15 2018-06-29 株式会社佐竹 速食米饭的制造方法

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