JPH07299850A - 射出成形方法 - Google Patents

射出成形方法

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JPH07299850A
JPH07299850A JP11457694A JP11457694A JPH07299850A JP H07299850 A JPH07299850 A JP H07299850A JP 11457694 A JP11457694 A JP 11457694A JP 11457694 A JP11457694 A JP 11457694A JP H07299850 A JPH07299850 A JP H07299850A
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JP
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pressure
plunger
injection
time
molten resin
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JP11457694A
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English (en)
Inventor
Toru Shibata
徹 柴田
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TSUOISU KK
Original Assignee
TSUOISU KK
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/46Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it into the mould
    • B29C45/53Means for plasticising or homogenising the moulding material or forcing it into the mould using injection ram or piston

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶融樹脂の挙動に可能な限り合致した制御を
行って、そり、ひずみ、ショ−トショットのない均質な
成形を可能とする。 【構成】 プランジャを設定位置s1に設定時間Δt1だけ
静止させて、ランナ部圧力のピ−ク圧の形成を阻止して
いる。また、プランジャが別の設定位置s2に到達したと
き、その設定位置s2にプランジャを設定時間Δt2だけ静
止させてから保圧に切り換えることによって、圧縮・充
填に必要な圧力、時間を確保している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、溶融樹脂の挙動に追
従した射出成形機における射出成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】射出成形機は、一対の金型(ダイ)を備
えた金型ユニットと、ホッパ−から供給される樹脂のよ
うな可塑材料を加熱し、せん断力を与え、溶融して可塑
化・混練し、金型のキャビティ内に加圧下で射出する可
塑化・射出装置と、金型に所定の型締力を与える型締装
置とを具備し、これらの3部材を組合せて、射出成形機
が構成されている。
【0003】最近ではセラミック、金属粉のような新素
材も樹脂を介在物として可塑化され、成形加工されてい
る。成形加工においては、バラツキのない一定品質の
(均質な)成形品の成形が必要とされ、特に、技術的に
高度化、精密化された現在の産業界においては、均質な
成形品の量産が要求されている。
【0004】そして、成形品の品質、生産性は、主とし
て、射出成形機の可塑化・射出装置の優劣、および射出
成形機の射出成形方法(正確にいえば、射出成形機の可
塑化・射出装置の射出成形方法)の優劣に依存する。
【0005】射出工程は注入工程、圧縮充填工程、保圧
工程に分けられ、注入工程に加えて、停止に近い低速で
加圧する圧縮充填工程の後、プランジャを止めて保持す
る保圧工程が連続的に行われる。
【0006】射出成形を温度・圧力・密度の関係から論
じると、以下のように、キャビティの要求する量(純請
求量)の溶融樹脂の注入充填が望まれる。
【0007】たとえば、代表的な非晶性プラスチックで
ある汎用ポリスチレンを20℃から200 ℃に加熱すると、
その容積が約 8.3%膨張し、密度は1.03g /立方cmから
0.96g /立方cmに減少する。また、代表的な結晶性プラ
スチックである高密度ポリエチレンを20℃から200 ℃に
加熱すると、その容積が約29%膨張し、密度は0.97g/
立方cmから0.75g /立方cmに減少する。
【0008】そのため、200 ℃に溶融した汎用ポリスチ
レン、高密度ポリエチレンを重力の下で金型のキャビテ
ィに注入すると、そり、ひずみだらけの成形品となる。
従って、常温時の密度にするには、汎用ポリスチレンで
は1,400Kg /平方cm、高密度ポリエチレンでは4,000Kg
/平方cmの高圧下で封入し冷却固化させなければならな
い。
【0009】ここで、冷却の進行に伴い溶融樹脂に圧力
をかけて追加充填し、冷却による容積収縮分を補償する
方法が一般に採用されている。しかし、保圧工程では冷
却が進行しているため、プランジャの移動を避けて保圧
を一定値に保持してキャビティへの溶融樹脂の再充填を
避けることが、均質な成形品を得るために必要とされ
る。
【0010】もし、保圧工程において、溶融樹脂がキャ
ビティに再充填されると、以下のような弊害が生じる。
【0011】(1) 流動によって固化層との間にせん断応
力が発生し、固化層との、あるいは、他の部分との充填
密度の差が生じて、残留応力が残り、そり、ひずみの原
因となる。 (2) 脱型のとき、部分的な過剰充填によって、成形品が
変形する。 (3) 全体に過剰の溶融樹脂が充填冷却固化した場合に
は、脱型の瞬間に残留圧力によって、成形品が破壊す
る。
【0012】このように、温度・圧力・密度の関係から
論じると、金型のキャビティの容積に見合う溶融圧縮し
た樹脂をキャビティに注入充填して、再充填を避けるこ
とが射出成形の最重要課題の1つとされる。
【0013】また、レオロジ−理論とその実験とから述
べると、溶融樹脂は固化を伴う非ニュ−トン流体でかつ
粘弾性体であり、せん断応力を受けると粘性が変化し、
応力、ひずみの関係は非線形となり、特性時間(緩和時
間、遅延時間)があり、溶融樹脂は、粘性・応力・ひず
みの相互に時間次元を持つ函数で表せる流体である。そ
して、与えられた物理条件(速度、圧力等)によって、
以下のように、様々に変化する。
【0014】(1) 機械的に一定量吐出させたつもりで
も、吐出口からの吐出量が変化する。 (2) 粘塑性的または弾性的な挙動のどちらかが多く表れ
る。 (3) 圧力伝達や流動開始に時間遅れがある。 (4) 急速な圧縮によって、瞬間的な激しい反発解放によ
る弾性乱流となる(たとえば、ジェッテイング、メルト
フラクチャ)。
【0015】さらに、レオロジ−理論とその実験とを別
の面から考察すると、プランジャに与えられた移動量、
射出速度、射出圧力と、金型内での溶融樹脂の流動挙
動、圧力値とは比例せず、また、時間的に一致すること
もない。そして、プランジャの圧力、射出シリンダのノ
ズル手前の圧力、キャビティ内圧力には、伝達時間のズ
レがあり、さらに、その到達した圧力による流動開始に
も時間遅れがある。樹脂によって異なるがその時間遅れ
が合計で0.1 秒に達することも多い。
【0016】成形において最も大切な充填完了前後およ
びゲ−ト通過時点では、溶融樹脂の挙動を察知した上
で、キャビティ内の溶融樹脂への圧力伝達中やキャビテ
ィ内での溶融樹脂の流動中に、プランジャを所定位置に
保つことなく移動させたり(プランジャに速度を与えた
り)、プランジャの圧力を変えたりしてはならない。
【0017】なお、プランジャの動きを静止させた後、
射出シリンダ内圧力が降下したことから溶融樹脂の流動
または圧縮の完了(つまり、充填の完了)を知ることが
できる。たとえば、特公昭47−001119号公報では、溶融
樹脂がキャビティに充満すると、射出圧力が急激に上昇
することに着目し、射出圧力の時間的な変化からキャビ
テイへの溶融樹脂の充満完了を検出している。また、圧
力の変換点を予め知っておいて、量と時間とからも制御
できる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、射出工
程(注入工程、圧縮充填工程、保圧工程)での制御対象
は、金型内で加圧下で流動する溶融樹脂であり、溶融樹
脂は固化を伴う非ニュ−トン流体でかつ粘弾性体でもあ
る。そして、溶融樹脂においては、圧縮速度の影響を受
けて粘性、塑性、弾性の性質が変化するため、プランジ
ャの移動量、圧力と、溶融樹脂の流動量、溶融樹脂の受
ける圧縮量とは比例せず、時間的に一致もしないという
特異な追従性を有している。
【0019】そのため、圧力伝達や流動開始の時間ずれ
を考慮しないと、射出成形における制御は成立しない。
しかしながら、従来の射出成形機においては、溶融樹脂
の挙動は無視してプランジャの圧力・速度を機械的に単
純に制御しているにすぎず、そり、ひずみのない均質な
成形が難しい。
【0020】また、時間遅れのために、キャビティ内の
樹脂圧からのフィ−ドバック制御は制御は成立しない。
さらに、キャビティ内の樹脂圧を圧力計で検出しても、
溶融樹脂の流動や圧縮が遅れて生じるので、圧力を検出
する意味がない。
【0021】さらに、溶融樹脂の粘性が、与えられた応
力・ひずみ速度によって変化するにも拘らず、変化に合
わせた適切な制御がなされていない。
【0022】与えられた物理条件(速度、圧力等)によ
って、溶融樹脂の状態は様々に変化し、射出プランジャ
の動きと溶融樹脂の流動、圧縮の挙動とは一致せず、流
動、圧縮の挙動をフィ−ドバックして、プランジャを自
動制御しょうとしても意味がない。
【0023】従来の射出成形でのプランジャを押す力f
(射出シリンダ内圧力)、プランジャ先端部圧力p、ランナ
部圧力u、キャビテイ内圧力h、プランジャの速度v、プラン
ジャ位置S、射出シリンダ内部、ランナ内部、キャビティ
内部での溶融樹脂の流動は図5のようになる。
【0024】図5から以下のことがわかる。 (1) 流路の変化するポイント(ノズル、ゲ−ト)への溶
融樹脂の到達点、あるいは、充填完了直前(13)で
プランジャの動きが加わると、溶融樹脂の弾性体として
の性質が増加し、流動量が極端に減少する。
【0025】(2)プランジャの動きによって圧縮されて
弾性体として挙動した溶融樹脂は、時間遅れを伴った応
力開放の結果、圧力伝達・挙動を生じる。膨張側にプラ
ンジャの動きがあった場合、応力開放の時間遅れは圧縮
時での値の1/2 以下である。
【0026】従って、応力開放の増加分と強制膨張の低
下分との差し引きが起こり、(14)、(15) でのランナ部圧
力は、(13)でのプランジャ圧力の圧損を除いた値より低
く、その値は不確定で不安定な値となる。すなわち、プ
ランジャに与えた力(射出シリンダの内圧力f)とキャビ
ティに伝達される圧力h の間に相関関係が成立しない。
【0027】また、プランジャの前進中に、ピストンの
圧力f、プランジャ先端部圧力p、ランンナ部圧力u にピ−
ク圧が生じ、ジェッテイングを招いて、均質充填の障
害となるとともに、そり、ひずみの原因となる。
【0028】これに対して、計量を必要量より少なめに
設定し、射出工程の充填完了寸前で、射出ラムを射出シ
リンダのストロ−クエンドで止めるノ−クッション成形
と呼ばれる成形方法が提案されている。
【0029】ノ−クッション成形では、充填完了寸前
で、射出ラムが射出シリンダのストロ−クエンドで止め
られ、プランジャを前進または後退させることなくその
位置に維持している。そのため、図6に示すように、そ
れまで同一の値だった射出シリンダ内圧力f、プランジャ
先端部圧力のうち、射出シリンダ内圧力f は急激に増加
して設定射出圧力に達し(12)、設定射出圧力に落ち着
く。また、プランジャ先端部圧力p は急激に低下して、
設定射出圧力より低い圧力(保圧)に保たれる。
【0030】なお、保圧圧力= kV/(V+ΔV)とな
る。 k =圧損係数、V=圧縮後の体積(残量)、ΔV=圧縮
【0031】ノ−クッション成形によれば、流動に必要
な射出圧力(高め)と、寸法、外観等を決定する保圧圧
力(低め)とが機械的に取り出され、適切な射出圧力、
保圧圧力のもとで、そり、ひずみのない均質成形が可能
となる。
【0032】しかし、計量値から保圧圧力を決定してい
るため、条件設定が厳しく、僅かな計量値のバラツキが
充填圧力、保圧圧力の値を変動させる。さらに、溶融樹
脂が成形品の肉薄部、先端に充填する前に、充填圧力が
低下するとともに、計量を必要量より少なめに設定して
いるため、ショ−トショットになりやすい。
【0033】また、プランジャの前進中に、射出シリン
ダ内圧力f、プランジャ先端部圧力pにピ−ク圧が生じて
ジェッテイングを発生させている(ただし、ランナ部
圧力のピ−ク圧は従来ほど大きくなく、ジェッテイング
による影響は従来より小さい)。そのため、成形品にと
って基本的に理想の制御方法でありながら、ショ−トシ
ョットを生じ難い形状の成形品にしか利用できず、成形
品が限定される。
【0034】この発明は、溶融樹脂の挙動に可能な限り
合致した制御を行って、均質成形を可能とする射出成形
方法の提供を目的としている。
【0035】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、この発明の一実施例によれば、プランジャの位置に
着目し、プランジャが設定位置に到達したとき、その設
定位置にプランジャを設定時間だけ保つこととしてい
る。
【0036】
【作用】この射出成形方法によれば、ランナ部圧力のピ
−ク圧の形成が阻止でき、ランナ内部の溶融樹脂はジェ
ッティングを生じることなく円滑にキャビティに射出さ
れる。また、圧縮・充填に必要な圧力、時間が確保さ
れ、溶融樹脂が成形品の肉薄部、先端に充填する前に、
充填圧力が低下することもない。
【0037】
【実施例】以下、図面を参照しながらこの発明の実施例
について詳細に説明する。
【0038】図1に示すように、溶融樹脂に加えられた
力f は、均一に伝達されず、圧力も均一に分散せず、流
動もすぐに発生しない。これは、溶融樹脂の弾性、粘
性、塑性の大きさ、組合せ、位置等が一定せず、三次元
的にしかも絡み合った状態で内在しているためと推定さ
れる。
【0039】このように制御の対象が特殊の溶融樹脂で
あり、従来のようにキャビティ内での溶融樹脂の流動・
充填のみに考察している限り、溶融樹脂の挙動に可能な
限り合致した適切な制御は難しい。
【0040】このことを留意して、この発明では、図2
に示すように、射出成形においては、プランジャ先端の
圧力によって、射出シリンダ内部、ランナ内部、キャビ
ティ内部での流動・充填における溶融樹脂が、ノズル、
ゲ−トによってどのような影響を受けて変化するかを実
験的に考察して、最適な制御を求めている。
【0041】この発明による射出成形でのプランジャを
押す力f(射出シリンダ内圧力)、プランジャ先端部圧力p、
ランナ部圧力u、キャビテイ内圧力h、プランジャの速度v、
プランジャ位置S の時間的変化、射出シリンダ内部、ラ
ンナ内部、キャビティ内部での流動を図3に示す。
【0042】図3からわかるように、この発明では、プ
ランジャが設定位置s1に到達したとき、その設定位置s1
にプランジャを設定時間t1だけ静止させるように制御し
ている(実施例1)。なお、〜は、溶融樹脂が射出
シリンダからノズルを通過してランナに射出・充填する
時期であり、ランナ内部での充填が完了した時点での
プランジャの位置が設定位置s1とされ、設定時間t1は材
料によって異なるが、たとえば、0.1 秒程度とされる。
【0043】このように、プランジャを設定位置s1に設
定時間Δt1だけ静止させることによって、ランナ部圧力
u のピ−ク圧の形成が阻止できる。そのため、ランナ内
部の溶融樹脂はジェッティングを生じることなくキャビ
ティに円滑に流れ込み、そり、ひずみのない均質成形が
可能となる。
【0044】さらに、プランジャが別の設定位置s2に到
達したとき、その設定位置s2にプランジャを設定時間Δ
t2だけ静止させるように制御するとよい(実施例2)。
この設定位置s2はキャビティに溶融樹脂が充填完了の時
点として捉えられ、設定時間Δt2経過後、保圧に切り換
えられる。
【0045】こうすれば、プランジャに与えた吐出容積
および圧力とキャビティ内に充填された容積および圧力
との相関が明確になり、時間遅れを見込んだプラグラム
自動制御が可能となる。
【0046】また、プランジャの前進による、溶融樹脂
の弾性体としての挙動が微小に押さえられ、圧力伝達に
おいて応力の増加と開放とが同時に発生する不安定要因
もない。そのため、圧縮・充填に必要な圧力、時間が確
保でき、射出シリンダ内部に充填された溶融樹脂はラン
ナ内部に、それからキャビティ内部にそれぞれ時間遅れ
のもとで円滑に伝達・充填される。
【0047】従って、溶融樹脂が成形品の肉薄部、先端
に充填する前に、充填圧力が低下することもなく、溶融
樹脂はキャビティの隅々まで充填し、ショ−トショット
のない均質な成形が行える。
【0048】図3からわかるように、射出シリンダ内圧
力f、プランジャ先端部圧力p が設定射出圧力P に達した
直後に、プランジャは所定位置s2に達する。つまり、プ
ランジャの位置、圧力に着目すると、プランジャ先端部
圧力p が設定射出圧力P に達した時点では、プランジャ
は所定位置s2に至っていない。しかし、プランジャ先端
部圧力p が設定射出圧力P に達した時点でのプランジャ
の位置と所定位置s2との相違は僅かであり、同一と考え
ても実務上問題ない。
【0049】従って、位置でなく圧力に着目し、プラン
ジャ先端部圧力p が設定射出圧力Pに到達した時点での
位置(ほぼ所定位置s2に一致する)にプランジャを所定
時間Δt2停止させてもよく(実施例3)、この場合にお
いても、プランジャを所定位置s2に所定時間Δt2停止さ
せた上記場合と同様な効果が得られる。
【0050】射出シリンダ内圧力f が設定圧力P に達す
る時点は、射出シリンダ内圧力の立ち上がりの時点と言
い換えることができる。つまり、キャビティへの溶融樹
脂の充填中においては、射出シリンダ内圧力f は一定圧
力(〜(12)) に維持され、充填完了直前で急激に増加
し、射出シリンダ内圧力f が立ち上がる時点は、設定圧
力P に達する時点とほぼ一致する。
【0051】そのため、射出シリンダ内圧力f が立ち上
がる時点を捉え、その時点での位置に、設定時間Δt2だ
け、プランジャを静止させるように制御しても(実施例
4)、同様の効果が得られる。
【0052】また、射出シリンダ内圧力f が設定射出圧
力に達してから下降し始めるまでの時間は、図3からわ
かるように、設定時間Δt2にほぼ一致する。従って、射
出シリンダ内圧力f にのみ着目して、プランジャを制御
してもよい。つまり、射出シリンダ内圧力f が設定射出
圧力P に達したとき、その設定射出圧力到達時点での位
置にプランジャを静止させ、射出シリンダ内圧力f が下
降し始めたとき、プランジャに加える力を予め設定した
値(設定保圧)としてもよい(実施例5)。
【0053】また、位置制御においては、計量値をより
正確に設定することが要求される。
【0054】射出における溶融樹脂の挙動を示す図4か
らわかるように、射出直後では、溶融樹脂はノズルから
いまだ噴出されない(図3のも併せて参照)。プラ
ンジャを圧力P、速度V(たとえば15mm/秒程度)で前進さ
せ、圧力センサで検出した圧力(ノズルから溶融樹脂が
流れ出る前に測る)が、予め設定した値(たとえば120K
gf/平方cm、粘性の小さな溶融樹脂では設定圧力を小さ
くする)に達した時の位置センサの数値を読み取り、そ
の位置をプランジャ位置の0点とする。
【0055】繰り返し行われる射出工程ごとに、プラン
ジャの位置を計測し、その都度、射出開始点を決めれ
ば、繰り返しの射出量は一定値となる。
【0056】従って、射出開始直後でのプランジャの圧
力と体積(プランジャの断面積とストロ−クS との積)
とを読み取って計量値とすれば(実施例6)、冷却時で
の収縮を見込んだキャビティの要求する純必要量が得ら
れる。このように、キャビティの要求する純必要量を計
量値とすることによって、計量値の僅かなバラツキが充
填圧力や保圧(保圧圧力)を変えることもない。また、
条件設定が難しくならない。
【0057】なお、上記実施例1〜実施例6は、単独で
も成立するが、実施例1に実施例2〜5のいずれかを組
合せたり、その組合せに実施例6をさらに組合せても成
立し、組合せによって、より質の高い均質成形が可能と
なる。また、実施例1に実施例6を組合せてもよい。
【0058】上述した実施例は、この発明を説明するも
のであり、この発明を何ら限定するものでなく、この発
明の技術範囲内で変形、改造等の施されたものも全てこ
の発明に含まれることはいうまでもない。
【0059】
【発明の効果】上記のように、この発明の射出成形方法
によれば、プランジャを設定位置s1に設定時間Δt1だけ
静止させているため、ランナ部圧力のピ−ク圧の形成が
阻止でき、ランナ内部の溶融樹脂はジェッティングを生
じることなく円滑にキャビティに流れ込み、そり、ひず
みのない均質成形が可能となる。
【0060】また、プランジャが別の設定位置s2に到達
したとき、その設定位置s2にプランジャを設定時間Δt2
だけ静止させてから保圧に切り換えているため、時間遅
れを見込んだプログラム自動制御が可能となる。そし
て、プランジャの前進による溶融樹脂の弾性体としての
挙動が微小に押さえられ、ショ−トショットのない均質
な成形が行える。
【0061】さらに、射出シリンダ内圧力が設定圧力に
達したとき、その設定圧力到達時点での位置に、設定時
間だけ、プランジャを静止させるように制御したり、射
出シリンダ内圧力の立ち上がりを捉えて、その時点での
位置に、設定時間だけ、プランジャを静止させるように
制御しても、ショ−トショットのない均質な成形が行え
る。
【0062】射出シリンダ内圧力が設定圧力に達したと
き、その設定圧力到達時点での位置にプランジャを静止
させるように制御し、射出シリンダ内圧力が下降し始め
たとき、プランジャに加える力を予め設定した値とする
よう制御してもよく、この場合も、ショ−トショットの
ない均質な成形が行える。
【0063】射出開始直後のプランジャの圧力と体積と
を読み取って計量値とすれば、冷却時での収縮を見込ん
だキャビティの要求する純必要量が得られ、計量値の僅
かなバラツキが充填圧力や保圧圧力を変えることもな
い。また、条件設定が難しくならない。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶融樹脂の圧力に対する弾性、粘性、塑性の関
係を示す模式図である
【図2】射出成形における溶融樹脂の流動を示す模式図
である。
【図3】この発明に係る射出成形方法での成形圧力・位
置・流動パタ−ンを示す模式図である。
【図4】この発明に係る射出成形方法での射出シリンダ
からの溶融樹脂の噴出を示す模式図である。
【図5】従来の射出成形方法での成形圧力・位置・流動
パタ−ンを示す図である。
【図6】従来の別の射出成形方法(ノ−クッション成
形)での成形圧力・位置・流動パタ−ンを示す図であ
る。
【符号の説明】
f:プランジャを押す力(射出シリンダ内圧力) p:プランジャ先端部圧力 u:ランナ部圧力 h:キャビティ内圧力 v:プランジャの速度 s:プランジャ位置

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プランジャが設定位置に到達したとき、
    その設定位置にプランジャを設定時間だけ静止させるよ
    うに制御する射出成形方法。
  2. 【請求項2】 プランジャが設定位置s1に到達したと
    き、その設定位置s1にプランジャを設定時間Δt1だけ静
    止させるとともに、プランジャが別の設定位置s2に到達
    したとき、その設定位置s2にプランジャを設定時間Δt2
    だけ静止させてから保圧に切り換えるように制御する射
    出成形方法。
  3. 【請求項3】 射出シリンダ内圧力が設定圧力に達した
    とき、その設定圧力到達時点での位置に、設定時間だ
    け、プランジャを静止させるように制御した射出成形方
    法。
  4. 【請求項4】 射出シリンダ内圧力の立ち上がりを捉え
    て、その時点での位置に、設定時間だけ、プランジャを
    静止させるように制御する射出成形方法。
  5. 【請求項5】 射出シリンダ内圧力が設定圧力に達した
    とき、その設定圧力到達時点での位置にプランジャを静
    止させるように制御し、射出シリンダ内圧力が下降し始
    めたとき、プランジャに加える力を予め設定した値とす
    るよう制御する射出成形方法。
  6. 【請求項6】 プランジャが設定位置s1に到達したと
    き、その設定位置s1にプランジャを設定時間Δt1だけ静
    止させた請求項3ないし5のいずれか記載の射出成形方
    法。
  7. 【請求項7】 射出開始直後のプランジャの圧力と体積
    とを読み取って計量値とする射出成形方法。
  8. 【請求項8】 射出開始直後のプランジャの圧力と体積
    とを読み取って計量値とする請求項1ないし6のいずれ
    か記載の射出成形方法。
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