JPH07112462A - 射出成形方法及びその装置 - Google Patents

射出成形方法及びその装置

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JPH07112462A
JPH07112462A JP28388393A JP28388393A JPH07112462A JP H07112462 A JPH07112462 A JP H07112462A JP 28388393 A JP28388393 A JP 28388393A JP 28388393 A JP28388393 A JP 28388393A JP H07112462 A JPH07112462 A JP H07112462A
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JP
Japan
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screw
pressure
injection
speed
control mode
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Application number
JP28388393A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Hashimoto
孜 橋本
Toshio Nakayama
俊雄 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Steel Works Ltd
Original Assignee
Japan Steel Works Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 射出成形方法及びその装置の提供。 【構成】 成形品のゲート3bからの最大長さをL、厚
さをtとして、t<1mmかつL/t≧150の超薄肉
成形品をキャビティ1A内にて成形する射出成形方法で
あつて、スクリュ4として高混練スクリュを使用して充
分に均質に溶融・混練させた溶融成形材料を得ると共
に、射出機構16によるスクリュ4の前進速度を検出し
ながら、スクリュ4の前進移動速度をフィードバック制
御する速度制御モードにて射出工程を開始し、射出工程
中にて射出機構16の内部圧力を検出し、キャビティ1
Aの内部圧力が異常上昇したとき、射出機構16の内部
圧力をフィードバック制御する圧力制御モードにてスク
リュ4の前進移動を進行させ、その後、保圧工程に移行
する。 【効果】 超薄肉成形品の打抜き加工による製造の弊害
が解消されると共に、従来の射出成形装置によつては不
可能であつた超薄肉成形品の高精度の射出成形が可能に
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超薄肉成形品を成形す
る射出成形方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】従来、合成樹脂製の超薄肉
品は、射出成形方法によらずにプレスにて打抜き加工し
て形成するのが一般的である。ここで超薄肉品とは、成
形品のゲートからの最大長さをL、厚さをtとして、キ
ャビティ内にてt<1mmかつL/t≧150を満たす
ものであり、例えばビデオカセット収納容器素材があ
る。すなわち、この種の超薄肉品を通常の射出速度を与
えた射出成形にて得る場合には、キャビティ内に流入し
た溶融成形材料の冷却速度及び流動抵抗が大きいため、
キャビティ内に先に流入した溶融成形材料が早期に固化
し、射出に際してゲートから成形品の先端部に向けて次
第に降下する圧力勾配を生じ、充填不足及び成形品のソ
リの原因となる。このような不具合は、射出速度を高め
ることにより軽減されるが、高射出速度を得るようにス
クリュの前進速度を制御しながら射出工程を行う場合、
図6に破線にて示すように保圧切換え点直前つまり射出
工程末期においてキャビティ内の圧力の異常上昇を生
じ、ばりの発生、成形品の重量バラツキ、金型内の細い
ピンの倒れ又は破損等を生ずる。加えて、通常の可塑化
能力を有するスクリュを使用した場合には、溶融成形材
料に若干の未溶融部分や溶融温度の不均一を生じている
ため、成形品のソリ、ひずみの原因となる。
【0003】これに対して、超薄肉品をプレスによる打
抜き加工にて得る場合には、予め、所定厚さ(t)の樹
脂シートを製作し、打抜き加工を行うため、製作工程を
多段に要して作業能率に劣ると共に、一般に打抜き加工
に伴つて端材が生ずることを免れず、歩留りが低下し、
かつ、端材の再使用に手間を要するという技術的課題が
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような従
来の技術的課題に鑑みてなされたもので、その構成は、
次の通りである。請求項1の発明は、スクリュ4を内部
圧力にて前進移動させる射出機構16を備え、スクリュ
4によつて溶融・混練させた溶融成形材料をスクリュ4
の前方に貯溜させた後にスクリュ4を前進移動させ、ノ
ズル5bから金型1内のスプルー3a及びゲート3bを
通してキャビティ1Aに射出させ、成形品のゲート3b
からの最大長さをL、厚さをtとして、t<1mmかつ
L/t≧150の超薄肉成形品をキャビティ1A内にて
成形する射出成形方法であつて、スクリュ4として高混
練スクリュを使用して充分に均質に溶融・混練させた溶
融成形材料を得ると共に、射出機構16によるスクリュ
4の前進速度及び射出機構16の内部圧力を検出しなが
ら、スクリュ4の前進移動速度をフィードバック制御す
る速度制御モードにて射出工程を開始し、射出工程中に
て射出機構16の内部圧力が異常上昇したとき、キャビ
ティ1Aの内部圧力を低下させるように射出機構16の
内部圧力をフィードバック制御する圧力制御モードにて
スクリュ4の前進移動を進行させ、その後、保圧工程に
移行することを特徴とする射出成形方法である。請求項
2の発明は、スクリュ4が、2重フライト部を有する高
混練スクリュであることを特徴とする請求項1の射出成
形方法である。請求項3の発明は、射出工程の末期から
保圧工程完了までの間、射出機構16の内部圧力をフィ
ードバック制御する圧力制御モードにてスクリュ4の前
進移動を進行させることを特徴とする請求項1又は2の
射出成形方法である。請求項4の発明は、キャビティ1
A内に流入した溶融成形材料に350mm/秒以上の射
出速度を与えるように、スクリュ4の前進移動速度をフ
ィードバック制御する速度制御モードにて射出工程を開
始することを特徴とする請求項1,2又は3の射出成形
方法である。請求項5の発明は、シリンダバレル5内に
て、スクリュ4を回転駆動して成形材料を混練・溶融
し、溶融成形材料をスクリュ4の前方に貯溜させた後
に、圧油供給源28からの圧油が圧力室6aに供給され
る射出機構16によつてスクリュ4を前進移動させ、前
記溶融成形材料を金型1内のスプルー3a及びゲート3
bからキャビティ1Aに射出させ、成形品のゲート3b
からの最大長さをL、厚さをtとして、t<1mmかつ
L/t≧150の超薄肉成形品をキャビティ1A内にて
成形する射出機であつて、前記スクリュ4が2重フライ
ト部を有すると共に、前記圧力室6aの内圧を射出工程
中常時検出する圧力検出器17を有し、前記射出機構1
6が、速度検出器9によつてスクリュ4の前進速度を検
出しながら、射出工程時のスクリュ4の前進移動速度を
フィードバック制御する速度制御モードと、圧力検出器
17によつて圧力室6aの内圧を検出しながら、射出工
程時の射出機構16の圧力室6aの圧力をフィードバッ
ク制御する圧力制御モードとを有し、射出機構16の内
部圧力が異常上昇したとき、圧力制御モードにてスクリ
ュ4の前進移動を進行させる速度制御−圧力制御切換え
手段13を備えることを特徴とする射出成形装置であ
る。
【0005】
【作用】請求項1の発明によれば、成形品のゲート3b
からの最大長さをL、厚さをtとして、t<1mmかつ
L/t≧150の超薄肉成形品をキャビティ1A内にて
成形するに際し、先ず、スクリュ4によつて溶融・混練
させて溶融成形材料を得る。スクリュ4として高混練ス
クリュを使用しているので、充分に均質に溶融・混練さ
せた溶融成形材料が、スクリュ4の前方に貯溜計量させ
て得られる。その後、射出工程に移行し、射出機構16
の内部圧力によつてスクリュ4を前進移動させ、溶融成
形材料をノズル5bから金型1内のスプルー3a及びゲ
ート3bを通してキャビティ1Aに射出させ、成形品を
得る。
【0006】その際、射出機構16によるスクリュ4の
前進速度を検出しながら、スクリュ4の前進移動速度を
フィードバック制御する速度制御モードにて射出工程を
開始する。そして、射出工程中において、射出機構16
の内部圧力を検出し、射出機構16の内部圧力が異常上
昇したとき、射出機構16の内部圧力をフィードバック
制御する圧力制御モードにてスクリュ4の前進移動を進
行させる。これにより、速度制御モードにて所要の射出
速度を確保しながら射出工程を進行させ、成形品のソ
リ、ひずみ等を抑制すると共に、キャビティ1Aの内部
圧力の異常上昇に起因する不具合(ばりの発生、成形品
の重量バラツキ、金型内の細いピンの倒れ又は破損等)
が良好に防止される。その後、保圧工程に移行する。か
くして、充分に均質に溶融・混練された溶融成形材料
が、速度制御モードを基本としてキャビティ1Aに射出
され、成形品が得られるので、高品質の超薄肉成形品が
成形される。
【0007】請求項2の発明によれば、上記スクリュ4
が、2重フライト部を有する高混練スクリュであるの
で、充分に均質に溶融・混練された均一温度の溶融成形
材料が、スクリュ4の前方に貯溜計量されて得られる。
その結果、成形品のソリ、ひずみ等が抑制される。
【0008】請求項3の発明によれば、射出工程の末期
に圧力制御モードにてスクリュ4の前進移動を進行させ
るので、保圧切換え位置が固定された状態で、計量完了
位置が変化した場合などに起こる充填時のピーク圧力を
解消することになり、キャビティ1Aの内部圧力の異常
上昇に起因する不具合が確実に防止され、安定成形が確
保される。
【0009】請求項4の発明によれば、射出工程の速度
制御モードが、キャビティ1A内に流入した溶融成形材
料に350mm/秒以上の射出速度を与えながら行われ
るので、射出工程中の溶融成形材料のキャビティ1Aへ
の充填が速やかに行われ、充填性が向上すると共に、成
形品のソリが防止される。
【0010】請求項5の発明によれば、2重フライト部
を有するスクリュ4によつて充分に均質かつ均一温度に
溶融・混練させた溶融成形材料が、スクリュ4の前方に
貯溜計量させて得られる。その後、射出工程に移行し、
スクリュ4の前進移動が、圧油供給源28からの圧油が
射出機構16の圧力室6aに供給されてなされる。その
際、射出機構16が速度制御−圧力制御切換え手段13
を備えるので、速度検出器9によつてスクリュ4の前進
速度を検出しながら、射出工程時のスクリュ4の前進移
動速度をフィードバック制御する速度制御モードによつ
て射出工程が開始され、同時に、圧力検出器17によつ
て圧力室6aの内圧を検出しながら、射出工程が進行す
る。そして、射出機構16の内部圧力が異常上昇したと
きには、速度制御−圧力制御切換え手段の作用によつて
圧力制御モードに切換えられ、射出機構16の圧力室6
aの圧力が所定値にフィードバック制御される。その結
果、キャビティ1Aの内部圧力の異常上昇に起因する不
具合(ばりの発生、成形品の重量バラツキ、金型内の細
いピンの倒れ又は破損等)が良好に防止される。このよ
うにして、スクリュ4の前方に貯溜させた溶融成形材料
が、金型1内のスプルー3a及びゲート3bからキャビ
ティ1Aに射出され、成形品のゲート3bからの最大長
さをL、厚さをtとして、t<1mmかつL/t≧15
0の超薄肉成形品がキャビティ1A内にて成形される。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1〜図7は、本発明に係る射出成形装置
の1実施例を示す。先ず、図1を参照して射出成形装置
の概要について説明する。図1中において符号5は水平
配置したシリンダバレルを示し、シリンダバレル5の後
方には射出シリンダ6が接続され、射出シリンダ6の内
部には、射出ピストン7が摺動自在に嵌合している。こ
の射出シリンダ6及び射出ピストン7により、後側の圧
力室6aを区画し、圧力室6aの内部圧力にてスクリュ
4に前進移動を与える射出機構16を構成している。射
出シリンダ6には、射出ピストン7ひいてはスクリュ4
の前進速度を検出し、速度信号aを送出する速度検出器
9を付属させてある。また、射出ピストン7の内部に
は、射出ピストン7を貫通状態として回転自在かつ中心
軸線方向の相対移動不可能に出力軸8aが支持され、こ
の出力軸8aの前端部がシリンダバレル5に内挿したス
クリュ4に接続され、出力軸8aの後端部が油圧モータ
からなる回転機構8に接続されている。なお、出力軸8
aはスプラインによつて回転機構8に対して伸縮自在で
ある。
【0012】しかして、回転機構8によつて出力軸8a
を介してスクリュ4が回転駆動されて、ホッパ5aから
供給される成形材料が、シリンダバレル5に付属するヒ
ータによつて加熱されつつスクリュ4によつて溶融混練
が行われる。次いで、圧油供給源28からの圧油を後側
の圧力室6aに供給することにより、射出ピストン7、
出力軸8a及びスクリュ4を一体として前進させ、スク
リュ4の前方に貯溜された溶融材料を、シリンダバレル
5の先端部のノズル5bから金型1に射出することがで
きる。この圧油供給源28は、ポンプ26及びアキュム
レータ24からなり、ポンプ26と圧力室6aとの間が
流路29によつて接続している。
【0013】流路29には、ポンプ26側から順次に、
流路29内の最高圧力を規制するリリーフ弁27、ポン
プ26から圧力室6aに向かう流れを許容する逆止弁2
5、前記アキュムレータ24、切換弁23、サーボ弁2
1並びに圧力室6aの内圧を検出し、圧力検出値hを送
出する圧力検出器17が接続している。切換弁23は、
アキュムレータ24及びポンプ26側から圧力室6aに
向かう流れを許容する増圧位置I、圧力室6aからのド
レインを許容する減圧位置II及び圧力室6aを所定圧
に保持する保圧位置IIIを有する。サーボ弁21は、
制御器20を付属し、サーボ機構22を構成している。
この制御器20には、制御装置10が接続し、制御装置
10から制御器20に与えられる制御信号d,eによつ
てサーボ弁21の開度が増減調節される。
【0014】制御装置10は、後記する速度モード切換
信号b又は圧力モード切換信号cが入力され、速度制御
モード又は圧力制御モードに選択的に切換える切換器1
3と、切換器13の接点sに接続され、速度制御信号d
を送出する速度比較器11と、切換器13の接点pに接
続され、圧力制御信号eを送出する圧力比較器15と、
速度モード切換信号bを送出する速度制御比較器30
と、圧力モード切換信号cを送出する圧力制御比較器3
1とを備える。12は、速度設定器であり、設定速度値
fを送出する。また、14は、圧力設定器であり、設定
油圧力値gを送出する。この設定速度値f及び設定油圧
力値gは、それぞれ任意に変更して設定することが可能
である。
【0015】速度比較器11では、速度信号aと設定速
度値fとを比較し、その比較結果に基づいて調節を行い
速度制御信号dを送出する。速度制御比較器30では、
速度信号aと設定速度値fとを比較し、その比較結果に
基づいて速度モード切換信号bを送出し、切換器13を
速度制御モード位置(接点sが閉じた状態)に切換え
る。なお、速度制御比較器30は、図外のコントローラ
からの切換信号iにより、切換器13に速度制御モード
切換え位置を強制的に採らせることができるようになつ
ている。
【0016】また、圧力比較器15では、圧力検出値h
と設定油圧力値gとを比較し、その比較結果に基づいて
調節を行い圧力制御信号eを送出する。圧力制御比較器
31では、圧力検出値hと設定油圧力値gとを比較し、
その比較結果に基づいて圧力モード切換信号cを送出
し、切換器13を圧力制御モード位置(接点pが閉じた
状態)に切換える。なお、圧力制御比較器31は、図外
のコントローラからの切換信号jにより、切換器13に
圧力制御モード切換え位置を強制的に採らせることがで
きる。切換器13は、常態にて、接点sが閉じた速度制
御モード位置を採り、圧力検出値hが設定油圧力値gよ
りも大きくなつた際、圧力制御比較器31からの所定の
切換信号cが入力され、切換器13に圧力制御モード切
換え位置を採らせるようになつている。この切換器13
が、速度制御モードから圧力制御モードに切換える速度
制御−圧力制御切換え手段を構成している。
【0017】スクリュ4は、高混練スクリュを採用す
る。この種のスクリュ4としては、2重フライトを有す
るものが知られている。2重フライトを有するスクリュ
4は、図2に示すように供給部A、圧縮部B及び計量部
Cを順次に有し、供給部Aから計量部Cにまで亘る主フ
ライト4aの計量部Cに、副フライト4bを組合せて設
けてある。図3に示すように副フライト4bは主フライ
ト4aよりもピッチが大きいと共に、副フライト4bの
高さh2 の方が主フライト4aの高さh1 よりも若干低
くなつている。かくして、スクリュ4の計量部Cの谷部
は、容積が、先端に向けて次第に小さくなる第1谷部4
cと次第に大きくなる第2谷部4dとに分割されてい
る。
【0018】このスクリュ4によれば、中心軸線回りの
回転により、ホッパ5aから供給される固体状の成形材
料(ペレット)は、供給部Aにてシリンダバレル5から
のヒータ熱を受けながら圧縮部Bに送られ、ヒータ熱に
加えて回転による剪断熱を受けて溶融し始める。圧縮部
Bから送り出される成形材料は、溶融成形材料と固体の
成形材料とが共存する状態にて主として第1谷部4cに
送られ、先端に向けて進行するに伴つて次第に圧縮を受
け、図3に示す副フライト4bとシリンダバレル5との
間の隙間δを通つて第2谷部4dに流入する。この隙間
δは、固体状の成形材料の粒径よりも小さく設定され、
未溶融の固体は通過できないため、溶融成形材料のみが
隙間δを通過する。この隙間δを通過する際に剪断熱を
受け、充分に均質に溶融・混練される。このようにし
て、第2谷部4dに流入する溶融成形材料は、未溶融の
固体が混在せず、温度もほぼ均一に均質混練されて、ス
クリュ4の前方に次第に計量されることになる。なお、
計量された溶融成形材料の温度差は、超薄肉成形品の成
形ためには±2℃以内であることが望まれるが、2重フ
ライトを有するスクリュ4によればこの条件を充足可能
である。
【0019】金型1は、固定金型3と可動金型2とから
なり、可動金型2を支持する可動盤2aは、固定盤3c
と型締盤36との間に架設した複数本のタイバー18に
案内されて前後進可能であり、トグル式又は直動式の型
締装置19によつて前後に駆動される。この可動盤2
a、固定盤3c及びタイバー18は、それぞれ剛性を高
め、型締め状態での射出圧力の作用に対する型開き傾向
を抑制することが望まれる。固定金型3と可動金型2と
の間に形成したキャビティ1Aは、固定金型3のスプル
ー3a及びゲート3bを介して1個形成されているが、
複数個取りであつてもよい。
【0020】成形品は、超薄肉成形品(成形品のゲート
3bからの最大長さをL、厚さをtとして、t<1mm
かつL/t≧150)であり、例えば図4に示すように
ポリプロピレンを材料とするビデオカセット収納容器素
材33である。ビデオカセット収納容器素材33は、表
面部33a、裏面部33b、底面部33c、一側面部3
3d、他側面部33e、複数個の接合面部33fからな
り、各面部33a〜33fの境界が直線溝状の折り曲げ
部33gを形成している。各面部33a〜33fの厚さ
tは、0.4〜0.6mm程度であり、折り曲げ部33
gの厚さt1 は、0.15〜0.3mm程度であり、ビ
デオカセット収納容器素材33の外形は230×240
mmである。金型1のキャビティ1Aはビデオカセット
収納容器素材33に適応する形状を有し、底面部33c
の中央部にピンポイントゲートからなるゲート5bの切
断跡がある。ゲート5bからビデオカセット収納容器素
材33の角部までの長さL(約170mm)と最小肉厚
t(0.4mm)との比(約280)は、L/t≧15
0を充足している。
【0021】次に、上記実施例の作用について説明す
る。但し、射出成形装置の成形サイクルは、通常のもの
と同様であり、型閉じ、型締、射出、保圧、冷却、可塑
化の各工程が順次に進行する。可塑化工程では、スクリ
ュ4を前進位置とし、切換弁23に減圧位置IIを採ら
せた状態で、回転機構8によつて出力軸8aを介してス
クリュ4を回転駆動する。これにより、ホッパ5aから
供給される成形材料がシリンダバレル5内にて溶融混練
され、主フライト4aにて推力を受け、溶融した成形材
料が計量部Cに向けて次第に押出される。
【0022】計量部Cに達した溶融成形材料は、主フラ
イト4aと副フライト4bとで充分に均質かつ均一温度
に溶融・混練されてノズル5b側に流動し、スクリュ4
の前方に次第に計量貯溜される。この溶融成形材料の貯
蔵量に応じてスクリュ4が後退するので、所定量が計量
されたなら回転機構8を停止させ、スクリュ4の回転駆
動を停止する。かくして、溶融成形材料が、スクリュ4
の後退距離によつて計量され、可塑化工程が終了する。
【0023】溶融成形材料の所定量が計量貯溜された後
に、射出工程に移行する。その際、アキュムレータ24
にポンプ26からの所定圧の圧油が貯溜され、また、制
御装置10の切換器13は、切換信号iによつてスクリ
ュ4の前進移動速度をフィードバック制御する速度制御
モード位置を採つている。速度設定器12の設定速度値
f及び圧力設定器14の設定油圧力値gは、スクリュ4
に一定の前進速度が与えられ、射出シリンダ6の圧力室
6aに一定の圧力が得られるように、それぞれ所定値に
設定されている。この状態で、図外のコントローラから
の信号によつて切換弁23に増圧位置Iを採らせて射出
機構16を駆動すれば、アキュムレータ24の圧油が、
切換弁23及び所定の開度を有するサーボ弁21を通つ
て圧力室6aに供給される。これにより、射出ピストン
7及び出力軸8aを介してスクリュ4が前進移動し、シ
リンダバレル5内のスクリュ4の前方に計量貯溜されて
いる溶融成形材料が、ノズル5bの先端から金型1内の
スプルー3a及びゲート3bを通してキャビティ1Aに
射出される。なお、スクリュ4に向かう溶融成形材料の
逆流は、図外の逆流防止弁によつて防止されている。
【0024】このスクリュ4の前進移動速度は、速度検
出器9によつて検出され、その速度信号aが速度比較器
11に入力される。速度比較器11は、速度設定器12
からの設定速度値fと速度信号aとを比較し、その結果
に基づいて調節を行つた速度制御信号dが切換器13に
入力する。一方、速度制御比較器30にも速度信号a及
び設定速度値fが入力されており、速度制御比較器30
から切換器13に速度モード切換信号bが送られ、切換
器13が接点sを閉じている。しかして、スクリュ4の
速度は、図7に示すように射出開始点から急速に立ち上
がり、所定速度に達した後、所定速度のままで射出状態
が維持される。
【0025】他方、射出工程の開始と同時に、射出シリ
ンダ6の圧力室6aの圧油が圧力検出器17によつて検
出され、圧力比較器15に圧力検出値hを送つている。
この圧力比較器15は、圧力設定器14からの設定油圧
力値gと圧力検出器17からの圧力検出値hとを比較
し、その結果に基づいて調節を行つた圧力制御信号eが
切換器13に入力される。一方、圧力制御比較器31に
も圧力検出値hと設定油圧力値gとが入つているが、圧
力設定器14にて設定された設定油圧力値gよりも圧力
検出値hの方が小さいと判断しているので、切換器13
は、速度制御比較器30の作用にて速度制御モード位置
を採つたまま、速度制御信号dが切換器13を介して制
御器20に入り、スクリュ4の前進移動速度を設定速度
値fに追従させるようにサーボ弁21を速度フィードバ
ック制御し、射出工程が進行する。すなわち、圧力室6
aの圧力に応じて得られるキャビティ1Aの圧力は、図
6に示すように射出開始点から次第に上昇するが、設定
油圧力値gに応じた第1設定圧力に達しないため、切換
器13は速度制御モード位置を採つたままである。
【0026】そして、圧力検出値hが設定油圧力値g以
上に上昇した場合には、圧力制御比較器31での比較結
果である圧力モード切換信号cが送られ、切換器13が
接点pを閉じるように切換えられる。これにより、圧力
比較器15からの圧力制御信号eが制御器20に入力さ
れ、圧力室6aの油圧力を設定油圧力値gに追従させる
ようにサーボ弁21を圧力フィードバック制御し、射出
工程が終了する。すなわち、圧力室6aの圧力に対応す
るキャビティ1A内の圧力は、図6に示すように圧力制
御切換え点において、設定油圧力値gを生ずる一定の第
1設定圧力に抑制され、そのまま保圧切換え点に達する
ように、切換器13が圧力制御モード位置を採る。
【0027】これに対し、スクリュ4の速度は、図7に
示すように圧力制御切換え点から次第に減速し、保圧切
換え点に達する。これにより、保圧切換え位置が固定さ
れた状態にて、計量完了位置が変化した場合などに起こ
る充填時のピーク圧力(図6に破線にて示す)が解消さ
れることになり、安定成形が確保される。すなわち、ば
りの発生、成形品の重量バラツキ、金型内の細いピンの
倒れ又は破損等が確実に防止される。その後、保圧工程
に移行する。保圧工程は、圧力フィードバック制御にて
進行し、圧力室6aの油圧力が図6に示すように一定の
第2設定圧力に維持されるように、設定油圧力値gに基
づいてサーボ弁21を圧力フィードバック制御する。
【0028】ところで、このような超薄肉成形品を得る
射出工程においては、射出速度を高速、具体的には35
0mm/s以上に設定して射出し、キャビティ1Aへの
充填を促すことが望まれる。これにより、射出工程を当
初、速度制御モードによつて射出速度を所定値(350
mm/s以上)に維持しながら開始し、圧力の異常上昇
を検出した際、切換器13によつて速度制御モードから
圧力制御モードに切換えることより、キャビティ1A内
の圧力が所定圧力に維持されて圧力上昇に伴う弊害が防
止されるので、高射出速度を確保して超薄肉成形品の精
密成形を行いながら、安定成形が確保される。その際、
射出圧力(射出時にスクリュ4の前方にある溶融成形材
料の圧力)を900Kgf/cm2 以上とすることが望
まれる。これにより、L/t≧300の成形も可能であ
る。
【0029】高混練スクリュとしては、2重フライトを
有するものの他、スクリュ溝の断面積が急激に増減する
スクリュや、先端部や中間部にミキシングと称する溝や
突起を設けたスクリュなどであつてもよい。また、超薄
肉成形品としては、ビデオカセット収納容器素材33の
ように平板状をなすものの他、ボールペンのキャップの
ように中空部を有して立体状をなすものでもよい。
【0030】
【発明の効果】以上の説明によつて理解されるように、
本発明に係る射出成形方法及びその装置によれば、下記
の効果を奏することができる。可塑化工程では、高混練
スクリュの作用によつて、成形サイクルの短縮を図りな
がら、充分に均質かつ均一温度に溶融・混練させた溶融
成形材料が得られる。次いで、射出工程では、キャビテ
ィ内の圧力の異常上昇を防止しながら、高射出速度を実
現することができる。その結果、打抜き加工による弊害
を伴うことなく、従来の射出成形装置にて生じていた成
形品のソリ、ひずみ等を防止しながら、超薄肉成形品の
高精度の射出成形が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施例に係る射出成形装置を示す
図。
【図2】 同じくスクリュを示す図。
【図3】 同じくスクリュの作用説明図。
【図4】 同じくビデオカセット収納容器素材を示す
図。
【図5】 同じくビデオカセット収納容器素材の折り曲
げ部を拡大して示す断面図。
【図6】 同じく時間−キャビティ内の圧力特性を示す
線図。
【図7】 同じく時間−スクリュの速度特性を示す線
図。
【符号の説明】
1:金型、1A:キャビティ、2:可動金型、3:固定
金型、3a:スプルー、3b:ゲート、4:スクリュ、
5:シリンダバレル、5b:ノズル、6:射出シリン
ダ、6a:圧力室、7:射出ピストン、8:回転機構、
9:速度検出器、10:制御装置、11:速度比較器、
12:速度設定器、13:切換器(速度制御−圧力制御
切換え手段)、14:圧力設定器、15:圧力比較器、
16:射出機構、17:圧力検出器、18:タイバー、
19:型締装置、20:制御器、21:サーボ弁、2
2:サーボ機構、23:切換弁、24:アキュムレー
タ、26:ポンプ、28:圧油供給源、30:速度制御
比較器、31:圧力制御比較器、L:超薄肉成形品の最
大長さ、t:超薄肉成形品の厚さ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スクリュ(4)を内部圧力にて前進移動
    させる射出機構(16)を備え、スクリュ(4)によつ
    て溶融・混練させた溶融成形材料をスクリュ(4)の前
    方に貯溜させた後にスクリュ(4)を前進移動させ、ノ
    ズル(5b)から金型(1)内のスプルー(3a)及び
    ゲート(3b)を通してキャビティ(1A)に射出さ
    せ、成形品のゲート(3b)からの最大長さをL、厚さ
    をtとして、t<1mmかつL/t≧150の超薄肉成
    形品をキャビティ(1A)内にて成形する射出成形方法
    であつて、スクリュ(4)として高混練スクリュを使用
    して充分に均質に溶融・混練させた溶融成形材料を得る
    と共に、射出機構(16)によるスクリュ(4)の前進
    速度及び射出機構(16)の内部圧力を検出しながら、
    スクリュ(4)の前進移動速度をフィードバック制御す
    る速度制御モードにて射出工程を開始し、射出工程中に
    て射出機構(16)の内部圧力が異常上昇したとき、キ
    ャビティ(1A)の内部圧力を低下させるように射出機
    構(16)の内部圧力をフィードバック制御する圧力制
    御モードにてスクリュ(4)の前進移動を進行させ、そ
    の後、保圧工程に移行することを特徴とする射出成形方
    法。
  2. 【請求項2】 スクリュ(4)が、2重フライト部を有
    する高混練スクリュであることを特徴とする請求項1の
    射出成形方法。
  3. 【請求項3】 射出工程の末期から保圧工程完了までの
    間、射出機構(16)の内部圧力をフィードバック制御
    する圧力制御モードにてスクリュ(4)の前進移動を進
    行させることを特徴とする請求項1又は2の射出成形方
    法。
  4. 【請求項4】 キャビティ(1A)内に流入した溶融成
    形材料に350mm/秒以上の射出速度を与えるよう
    に、スクリュ(4)の前進移動速度をフィードバック制
    御する速度制御モードにて射出工程を開始することを特
    徴とする請求項1,2又は3の射出成形方法。
  5. 【請求項5】 シリンダバレル(5)内にて、スクリュ
    (4)を回転駆動して成形材料を混練・溶融し、溶融成
    形材料をスクリュ(4)の前方に貯溜させた後に、圧油
    供給源(28)からの圧油が圧力室(6a)に供給され
    る射出機構(16)によつてスクリュ(4)を前進移動
    させ、前記溶融成形材料を金型(1)内のスプルー(3
    a)及びゲート(3b)からキャビティ(1A)に射出
    させ、成形品のゲート(3b)からの最大長さをL、厚
    さをtとして、t<1mmかつL/t≧150の超薄肉
    成形品をキャビティ(1A)内にて成形する射出機であ
    つて、前記スクリュ(4)が2重フライト部を有すると
    共に、前記圧力室(6a)の内圧を射出工程中常時検出
    する圧力検出器(17)を有し、前記射出機構(16)
    が、速度検出器(9)によつてスクリュ(4)の前進速
    度を検出しながら、射出工程時のスクリュ(4)の前進
    移動速度をフィードバック制御する速度制御モードと、
    圧力検出器(17)によつて圧力室(6a)の内圧を検
    出しながら、射出工程時の射出機構(16)の圧力室
    (6a)の圧力をフィードバック制御する圧力制御モー
    ドとを有し、射出機構(16)の内部圧力が異常上昇し
    たとき、圧力制御モードにてスクリュ(4)の前進移動
    を進行させる速度制御−圧力制御切換え手段(13)を
    備えることを特徴とする射出成形装置。
JP28388393A 1993-10-19 1993-10-19 射出成形方法及びその装置 Pending JPH07112462A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016221878A (ja) * 2015-06-01 2016-12-28 住友重機械工業株式会社 射出成形機

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JP2016221878A (ja) * 2015-06-01 2016-12-28 住友重機械工業株式会社 射出成形機

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