JPH072434B2 - 丸み出し棒の高さ設定装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、本の装丁前の紙葉の束（以下、本の中身とい
う）の背に作用する丸み出し棒が、その中で往復運動を
する支持軸受ユニツトを有する、本の中身の丸み出し兼
耳出し機の丸み出し棒の高さ設定用の装置に関し、この
支持軸受ユニツトは、その高さが調整スピンドルによつ
て設定され得るように、側部フレーム中で上下に調整可
能であり、締付け装置によつて側部フレームに固定する
ことができるものである。

〔従来の技術〕

前述の種類の高さ調整装置は、本の中身のどんな高さに
対する丸み出し棒の設定作業にあつても、前以て正確な
情報を与えられることなく、機械の操作員が調整スピン
ドルを手で回転することによつて行なわれるような丸み
出し兼耳出し機において見られる。このことは、丸み出
し棒が本の中身に掛ける圧力の選定がこの設定作業を行
う者の裁量に任されているということを意味する。この
ような情況のもとでは、特に比較的熟練不足な作業員に
よつてこの調整が行われると、不適正な設定が起こりう
る。

その上、手動で高さを設定すると、設定のし直しがしば
しば必要になる。従つて、機械の段取のし直しは格別時
間の掛かる作業である。支持軸受ユニツトで支えられて
いる丸み出し棒を、一旦所要の高さに設定し終わると、
支持軸受ユニツトを側部フレームに固定する作業が行わ
れるが、これも締付け装置を用いて手で行われる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

本発明の目的は、前述のような種類の丸み出し棒の高さ
設定装置で、しかも、この設定作業が自動的にそして極
度に短時間内に行いうる装置を提供することである。更
に、その方式のいかんにかかわらず所定の出発点に達す
るように、丸み出し棒が所望の高さに設定されている間
は、これが本の中身の背に決して変化しない圧力を確実
にかけることになるということも本発明のねらいであ
る。

この目的は、請求範囲主項の特徴項に含まれる発明内容
によつて達成される。

以下の節は本発明により詳細に説明するためのもので、
１実施例について図面を参照して説明する。

〔実施例〕

第１図において、支持軸受ユニツト７は、側部部材４内
に位置を占めており、この支持軸受ユニツト７は、その
両側に軸受腕を持ち、この軸受腕の各には自由回転可能
なローラーが取り付けられている。このローラーは、ブ
リツジ９の案内の役をし、ブリツジ９は、丸み出し棒３
を支えかつローラーの通路に相当する方向に通じている
チヤンネル9aを両側に備えている。丸み出し棒は、主駆
動部から関節継ぎ手を経てブリツジ９に作用する駆動ロ
ツド10により、公知の方法で往復運動をさせられる。

第１図に特に明瞭に示されているように、側部部材４へ
の支持軸受ユニツトの取り付けは、前記側部部材４中の
案内路4a中で垂直面内を自由に動きうる滑り子12によつ
てなされている。

２つの滑り子12を所要の高さに設定するため、そしてこ
れによつて丸み出し棒の付いている支持軸受ユニツトの
高さを設定するために、共通軸13が備えられており、こ
の軸13は図示しないモーターにより、チエーン15を経て
駆動されるチエーン車14によつて回転される。

調整スピンドル22が、１対のかさ歯車21を経て軸13と係
合するように仕組まれている。この調整スピンドル22
は、雌ねじが切られているスリーブ24を通じて滑り子12
を支えている。滑り子12は、スリーブ24の肩24aよりは
下がらないように、この肩24aで支えられるが、上方へ
はスリーブ24に沿つて自由に滑り動きうる。

直角の軸受けブラケツト23が側部部材４上にあり、この
ブラケツト23は前記部材４に固定されていて、軸13と２
本の調整スピンドル22を取り付け支える役目を負つてい
る。

その結果、この２本の調整スピンドル22は、滑り子によ
つて支えられている軸受ユニツト７を、丸み出し棒と共
に本の中身の背の上に下降させることができ、その結
果、丸み出し棒３は、耳出し作業の開始位置において、
下降された部品の全自重により与えられる圧力を本の中
身の背にかけることになる。

調整スピンドル22の回転を遮断するために、滑り子12の
１つに固定されており、かつスリーブ24上のトリツプラ
グ32と相互作用を生じうる近接スイツチ31からなるスイ
ツチ装置が備えられている。トリツプラグ32と近接スイ
ツチ31間の距離は、滑り子12とスリーブ24の肩24aの間
の間隙が所定値に達するまでは、スピンドルの動きがス
イツチで停められず、下降された部品が本の中身１の背
をその部品の全重量で圧するように選択されている。

一旦丸み出し棒３が下げられ、その高さが定まると、滑
り子12は、側部部材４中の案内路4aに固定される。これ
は、滑り子に付いていてこれと共に働きうる締付け装置
によつて行われる。この締付け装置は、２つの側部部材
４の間に位置してその一方の側が滑り子12に当り、他の
側には熔接されたスラスト座金を持ち、これにより側部
部材４に当つている間隔筒33を含んでいる。

引張り棒34は両方の滑り子12と間隔筒33を貫通してい
る。この引張り棒34は、滑り子12の外側に一方から当た
る頭部を持つている。反対側には、締付けレバー35が引
張り棒34のねじにはまつており、この締付けレバー35が
及ぼす張力は、他方の側部部材４に当たるスラスト座金
36に締付け作用として伝達される。締付け力を与えるた
め、締付けレバー35と機械フレーム４の間にシリンダー
37が備えられており、側部部材４の中の案内路4aの中で
滑り子12を不動にするように、調整スピンドル22が停止
するのと同時にこのシリンダー37は起動される。シリン
ダーの起動は、スイツチ装置31,32により行われる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明による高さ調整装置を備える、本の中
身の丸み出し兼耳出し機の耳出し部分の正面図、第２図
は、第１図の線Ａ−Ｂにおける断面図、第３図は、締付
け装置の詳細を示す平面図である。 １……本の中身、３……丸み出し棒 ４……側部フレーム（または、側部部材、機械フレー
ム） 4a……案内路 ７……支持軸受ユニツト ８……ローラー、９……ブリツジ 9a……チヤンネル、10……駆動ロツド 12……滑り子、13……軸 14……チエーン車、15……チエーン 21……かさ歯車 22……調整スピンドル 23……ブラケツト、24……スリーブ 24a……肩部、31……近接スイツチ 32……トリツプラグ、33……間隔筒 34……引張り棒、35……締付けレバー 36……スラスト座金 37……アクチユエータ（または、シリンダー）

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】本の中身の背に載せられて往復運動をさせ
   られる丸みだし棒が取り付けられた支持軸受ユニット、
   すなわち側部フレームに設けられた調整スピンドルによ
   って上下に調整可能とされ、さらに締付け装置によって
   側部フレームに固定可能にされている支持軸受ユニット
   を具備する、本の中身の背の丸み出し兼耳出し機におけ
   る丸み出し棒の高さ設定装置において、 丸みだし棒が取り付けられた前記支持軸受ユニット
   （７）は、上方に自由に滑動し得るように中間支持要素
   （24,24a）によって支持され、中間支持要素（24,24a）
   は、モーター駆動可能にされた調整スピンドル（22）に
   よって下降可能にされており、中間支持要素が下降する
   と前記支持軸受ユニット（７）は、丸み出し棒（３）と
   ともに自重をもって本の中身（１）の背に載せられ、中
   間支持要素（24,24a）は、丸み出し棒（３）が本の中身
   （１）の背に載せられた後に、さらに基準の終点まで所
   定の距離だけ下降可能にされており、 中間支持要素（24,24a）が基準の終点に到達した後に、
   スイッチ装置（31,32）により、調整スピンドル（22）
   の回転を停止させることができるとともに、締付け装置
   （33−36）を駆動して支持軸受ユニット（７）を側部フ
   レーム（４）に自動的に固定させる往復動要素（37）を
   起動させることができるようにされている、丸み出し棒
   の高さ設定装置。
2. 【請求項２】支持軸受ユニット（７）が、側部フレーム
   （４）の案内路（4a）中を、滑り子（12）を介して滑動
   可能にされており、滑り子（12）は、それぞれ肩（24
   a）を備えて中間支持要素として働くスリーブ（24）で
   支えられ、スリーブ（24）は調整スピンドル（22）と螺
   合して、高さ調整が可能にされている、特許請求の範囲
   第１項に記載の丸み出し棒の高さ設定装置。
3. 【請求項３】前記スイッチ装置は、滑り子（12）上の近
   接スイッチ（31）と、スリーブ（24）上のトリッププラ
   グ（32）とからなる特許請求の範囲第１項または第２項
   に記載の丸み出し棒の高さ設定装置。