JPS646965Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、条鋼等線材の引抜き用ローラダイ
ス装置の改良に関する。

この種のローラダイス装置には種々の型式のも
のがあるが、その中で閉頭式または開頭式のロー
ルハウジングに上ロールチヨツクと下ロールチヨ
ツクが相対向して昇降可能に組込まれたものがあ
る。この型式のローラダイス装置のロール間隔調
整（圧下調整）は、ロールハウジングに螺着され
たねじ軸を回してロールチヨツクを上下動させる
方式、ロール軸に組合わされた偏心スリーブを回
すことにより上下ロールの間隙をパスライン対称
に調整する方式等により行なわれている。上記の
ロール間隔調整機構を備えたローラダイス装置に
おいて、ロール間隔を調整する場合は、被伸線材
を切断し、上下ローラ間に被伸線材が無い状態で
ロール間隔を調整し、再び先付けした被伸線材を
通し先行せる線材のテール部に溶接する。このた
め、段取り時間が長くなり、また調整作業も煩雑
で非能率的であり、ローラの組合わせスタンド数
が多数ある場合にはロール間隔の調整作業に長時
間かかる欠点があつた。

この考案は、従来の前記欠点を解消するために
改良を施したものであり、ロール間隔調整を自動
化するとともに、通線中でもロール間隔を調整可
能なローラダイス装置を提供するものである。

以下、この考案の一実施態様を図面に基づいて
説明する。

１は開頭式のロールハウジングで、２，３はそ
れぞれ上ロールチヨツク、下ロールチヨツクで、
ロールハウジング１に上下に摺動可能に凹凸嵌合
されて取付けられている。２−１は上ロール、３
−１は下ロールである。４は間隔調整用ゲージを
示す。

この考案は、ロールハウジングに螺着されたね
じ軸を回してロールチヨツクを上下動させる方式
において、ねじ軸をモータで駆動して上ロールチ
ヨツクを上下動させるようにしたもので、その構
造は、ロールハウジング１に螺着され、その下端
を上ロールチヨツク２に軸受５を介して接続した
間隔（圧下）調整用ねじ軸６に、ばね７にて常に
上方向の押圧力を付与された連結軸８を該ねじ軸
と同軸線上に摺動自在に内挿して設け、ロールハ
ウジング１に着脱可能に設置する高減速機付き駆
動モータ９のトルク伝達軸１０と前記連結軸８と
を着脱式ガツプリング１１を介して連結する構造
となつている。前記駆動モータ９は２本のパイプ
脚１２で支えられた架台１３にボルト１４により
取付けられており、ロールハウジング１の上面に
突設した２本の固定ピン１５に架台１３のパイプ
脚１２が着脱可能に外嵌されるようになつてい
る。

すなわち、ロールハウジング１側にトルク伝達
用連結軸８と駆動モータ設置用の固定ピン１５を
設け、ロールハウジング１の上に架台１３を載
せ、該架台のパイプ脚１２をロールハウジング上
の固定ピン１５に外嵌固定すると同時に、トルク
伝達軸１０と連結軸８とがカツプリング１１を介
して連結されるように構成されている。なお、モ
ータ取付け用架台１３の設置手段としては、ロー
ルハウジング１側に設けた固定ピン１５に架台側
のパイプ脚１２を外嵌固定する方式に限るもので
はなく、架台側に固定ピン１５を取付けてロール
ハウジング１側に設けたピン孔に挿入固定する手
段等をとつてもよい。

上記装置において、ロール間隔を調整する場合
は、ロールハウジング１の上にモータ取付け用架
台１３を載せ、パイプ脚１２と固定ピン１５を介
して該架台を固定し、トルク伝達軸１０と連結軸
８とをカツプリング１１を介して連結する。トル
ク伝達軸１０と連結軸８との連結用カツプリング
１１は、連結軸８がばね７にて常に上方向の押圧
力を付与されているため、密着して外れることが
ない。このようにして駆動モータの設置が完了す
ると、該モータ９を回転させる。トルク回転軸１
０は高減速機を介して低速で回転し、カツプリン
グ１１および連結軸８を介して間隔調整用ねじ軸
６が回ることにより、上ロールチヨツク２がハウ
ジング内壁に沿つて移動し、上ロール２−１と下
ロール３−１の間隔（圧下）が調整される。

ローラダイス装置が１基の場合は、駆動モータ
は該ロールハウジング１から取外す必要はない
が、ロールスタンドがタンデムに配置される場合
は、モータ取付け用架台１３が着脱式であるの
で、クレーン等で該架台１３をロールハウジング
１から取外し、各ロールスタンドに移動し上記と
同様の作業を繰返して順次ロール間隔調整を行な
う。従つて、ロールスタンドがタンデムに配置さ
れている場合は、各ロールハウジングにロール間
隔調整用ねじ軸６を回転させるためのカツプリン
グ付き連結軸８と固定ピン１５（もしくはピン
孔）を設けておく。

この考案は上記のごとく、高トルクでゆつくり
ロール間隔調整用ねじ軸が回転させられるので、
該軸受部およびロールチヨツクに十分剛性を持た
せれば、通線中に被伸線材は圧延作用を受けなが
ら上ロールが圧下されてロール間隔を調整するこ
とができる。このように、通線中にロール間隔
（圧下）調整が可能であるため、従来ロール間隔
調整時線材を切断し、調整後線材を削り細くして
通線するという作業が不要となり、段取り時間を
大巾に短縮することができる。また、間隔調整用
の駆動部が着脱式となつているので、タンデム配
置の場合でも１台の駆動装置でロール間隔を調整
することができ、作業時間の短縮のみならず設備
費が低廉で済む効果がある。さらに、駆動モータ
は釦操作で作動させることができるので、調整操
作が簡易迅速にしかも精度よく行ない得る効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施態様を示す要部破断正
面図である。 １…ロールハウジング、２…上ロールチヨツ
ク、３…下ロールチヨツク、６…間隔調整用ねじ
軸、７…ばね、８…連結軸、９…駆動モータ、１
０…トルク伝達軸、１１…カツプリング、１３…
架台、１５…固定ピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 閉頭式または開頭式のロールハウジングに上ロ
   ールチヨツクと下ロールチヨツクが相対向して上
   下動可能に組込まれ、該ロールハウジングに螺着
   されたねじ軸を介して上ロールチヨツクを上下動
   させるロール間隔調整機構を備えたローラダイス
   装置において、上記ねじ軸にばねにて常に上方向
   の押圧力を付与された連結軸を該ねじ軸と同軸線
   上に摺動自在に内挿して設け、該連結軸と着脱式
   カツプリングを介して連結するトルク伝達軸を有
   する高減速機付き駆動モータを設置した架台を、
   差込み式等の結合手段にてロールハウジング頭部
   に着脱可能に設けてなるローラダイス装置。