JPH07171849A - プロピレン系重合体樹脂フイルム又はシートの製造方法 - Google Patents

プロピレン系重合体樹脂フイルム又はシートの製造方法

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JPH07171849A
JPH07171849A JP32034193A JP32034193A JPH07171849A JP H07171849 A JPH07171849 A JP H07171849A JP 32034193 A JP32034193 A JP 32034193A JP 32034193 A JP32034193 A JP 32034193A JP H07171849 A JPH07171849 A JP H07171849A
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butyl
propylene
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Masayuki Tsuruoka
雅之 鶴岡
Susumu Nakagawa
將 中川
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 温度135℃のデカリン中で測定した極限粘
度[η]が0.5〜10dl/gで、沸騰n‐ヘプタン
不溶成分量が10〜90重量%のプロピレン系重合体樹
脂に、所要の添加成分を加えて混合し、カレンダー成形
することによりフイルムを製造する。 【効果】 特定の性状のプロピレン系重合体を用いてカ
レンダー成形することにより厚さむらが小さく、かつ軟
質ポリ塩化ビニルフイルムに匹敵する柔軟性をもつフイ
ルムが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は厚さむらが小さく、かつ
軟質ポリ塩化ビニル成形体のような柔軟性を有し、土木
建材や自動車用内装表皮材などとして有用なプロピレン
系重合体樹脂のフイルム又はシートを得るための製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カレンダー成形法は、2本以上のロール
間で樹脂を圧延して、一定の厚みを有するフイルムやシ
ートを連続的に成形する方法であって、通常の押出成形
法に比べて、生産能力が大きいために安価なフイルムや
シートを市場へ大量に供給できる上、厚み精度がよく、
シートに巻き瘤が発生しにくいなどの長所を有してい
る。このようなカレンダー成形法には、従来主として軟
質ポリ塩化ビニルが成形用樹脂として用いられ、この軟
質ポリ塩化ビニルから得られたレザー、シート、フイル
ムなどに広く用いられているが、近年、可塑剤の毒性問
題や廃棄物焼却時の有毒ガス発生の問題などから、他の
材料に転換することが迫られている。
【0003】他方、従来のポリエチレンやポリプロピレ
ンなどのポリオレフィン系樹脂は、前記のような問題点
がなく、かつ優れた物理的、化学的性質を有することか
ら、広範囲の分野に使用されている。しかしながら、こ
れらの樹脂は、軟質ポリ塩化ビニルのような柔軟性はな
く、カレンダー成形法によって成形しようとすると、得
られるシートやフイルムに厚さむらを生じる上、外観不
良となりやすいという欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
欠点を克服し、厚さむらが小さく、かつ軟質ポリ塩化ビ
ニル成形体のような柔軟性を有し、土木建材や自動車用
内装表皮材などとして有用なプロピレン系重合体樹脂の
フイルム又はシートをカレンダー成形により得ることを
目的としてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、軟質ポリ
塩化ビニルに代わる他の重合体を材料としてカレンダー
成形によりフイルム又はシートを得る方法について種々
研究を重ねた結果、特定の性状を有するプロピレン系重
合体樹脂を用いることにより、前記目的を達成しうるこ
とを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至
った。
【0006】すなわち、本発明は、温度135℃のデカ
リン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜10dl/
gで、沸騰n‐ヘプタン不溶成分量が10〜90重量%
の範囲にあるプロピレン系重合体樹脂に、所要の添加成
分を加えて混合し、カレンダー成形することを特徴とす
るプロピレン系重合体樹脂フイルム又はシートの製造方
法を提供するものである。
【0007】本発明方法において素材として用いられる
プロピレン系重合体樹脂は、温度135℃のデカリン中
で測定した極限粘度[η]が0.5〜10dl/g、好
ましくは1.0〜9.0dl/gの範囲にあることが必
要である。この極限粘度[η]が0.5dl/g未満で
は力学的特性が不十分であるし、10dl/gを超える
と成形加工性が低下する。また、沸騰n‐ヘプタン不溶
成分量(W)が10〜90重量%、好ましくは20〜9
0重量%の範囲にあることが必要である。この不溶成分
量が上記範囲を逸脱すると本発明の目的が十分に達せら
れない。この不溶成分量(W)は、ソックスレ‐抽出試
験器を用い、沸騰n‐ヘプタンで6時間抽出した後の抽
出残分を沸騰n‐ヘプタン不溶成分として、その重量分
率で表した値である。
【0008】さらに、このプロピレン系重合体樹脂は、
パルスNMRで測定したゴム成分の緩和時間の温度30
℃における測定値をT2H R(30)(μs)、80℃に
おける測定値をT2H R(80)(μs)、沸騰n‐ヘプ
タン不溶成分量をWとしたとき、式 T2H R(80)≦670−2.2×W 及び T2H R(80)/T2H R(30)≦8.8+0.086×
W の関係を満たすを満たすものが好ましい。上記の関係が
満たされない場合には、軟質塩化ビニル樹脂を用いた場
合に匹敵するものが得られない。
【0009】上記のパルスNMRによるゴム成分の緩和
時間(T2H R)の測定法については、日本ブルカー
(株)製、CXP‐90NMR装置を用い、測定周波数
90.1MHzにて観測核を1Hとして、測定パルス系
列をソリッドエコー法により測定した。観測パルス幅を
2.0μ秒、FID(自由誘導減衰)観測後次ぎのパル
スを与えるまでの待ち時間を5秒とし積算回数は300
回とした。なお、FIDは次の方法により解析した。
【0010】(1)温度30℃でのFID解析方法 上記測定方法で測定したFID:Mexp(t)を、以下
の式で計算されるMcal(t)に対して改定マルカート
法を用いた非線型最小二乗法により最適化した。 Mcal(t)=MO C+Gexp[(t/T2H C+G2/2]
+MO Rexp(t/T2 H R) なお、添字のR、G、Cはそれぞれゴム的分子性を示す
非晶成分、ガラス状非晶成分及び結晶成分を示す。ま
た、最適化は変数としてMO C+G、MO R、T2H C+G、T2H R
を用い、初期値としてT2H R>3T2H C+G、1μs<T2H
C+G<15μsなる値を用いた。
【0011】(2)温度80℃でのFIDの解析方法 Mexp(t)を以下の式で計算されるMcal(t)
に対して改訂マルカート法を用いた非線型最小二乗法に
より最適化する。 Mcal(t)=MO Cexp[(t/T2H C2/2]+
O Gexp(t/T2H G)+MO Rexp(t/T2H R) なお、添字は上記と同じであり、また最適化における変
数としてMO C、MO R、MO G、T2H C、T2H G、T2H Rを用
いた。
【0012】本発明方法において用いられるプロピレン
系重合体樹脂は、プロピレンの単独重合体でもよいし、
またプロピレンを主体とし、これと4モル%までの他の
α‐オレフィンとの共重合体でもよい。
【0013】上記のプロピレンの単独重合体やプロピレ
ンを主体とした他のα‐オレフィンとの共重合体は、
(A)(イ)マグネシウム、チタン、ハロゲン原子及び
電子供与体から成る固体触媒成分、及び必要に応じて用
いられる(ロ)結晶性ポリオレフィンから成る固体成分
と、(B)有機アルミニウム化合物と、(C)一般式
【化1】 [式中のR1は炭素数1〜20のアルキル基、R2は炭素
数1〜10の炭化水素基、水酸基又はニトロ基、mは1
〜6の整数、nは0又は1〜(6−m)の整数であり、
OR1が複数ある場合はOR1は同じでも異なっていても
よく、R2が複数ある場合は各R2は同じでも異なってい
てもよい]で表わされるアルコキシ基含有芳香族化合物
と、必要に応じて用いられる(D)電子供与性化合物と
から成る重合触媒の存在下、プロピレンを単独重合又は
プロピレンと、4モル%までの他のα‐オレフィンとを
共重合させることにより、製造することができる。
【0014】上記(A)固体成分は、(イ)成分のマグ
ネシウム、チタン、ハロゲン原子及び電子供与体から成
る固体触媒成分と、必要に応じて用いられる(ロ)成分
の結晶性ポリオレフィンとから構成されている。(イ)
成分の固体触媒成分は、マグネシウム、チタン、ハロゲ
ン原子及び電子供与体を必須成分とするものであって、
マグネシウム化合物とチタン化合物と電子供与体とを接
触させることによって調製することができる。なお、こ
の場合、ハロゲン原子は、ハロゲン化物としてマグネシ
ウム化合物及び/又はチタン化合物などに含まれる。
【0015】該マグネシウム化合物としては、例えばマ
グネシウムクロリドなどのマグネシウムジハライド、酸
化マグネシウム、水酸化マグネシウム、ハイドロタルサ
イト、マグネシウムのカルボン酸塩、ジエトキシマグネ
シウムなどのアルコキシマグネシウム、アリロキシマグ
ネシウム、アルコキシマグネシウムハライド、アリロキ
シマグネシウムハライド、エチルブチルマグネシウムな
どのアルキルマグネシウム、アルキルマグネシウムハラ
イド、あるいは有機マグネシウム化合物と電子供与体、
ハロシラン、アルコキシシラン、シラノール及びアルミ
ニウム化合物などとの反応物などを挙げることができる
が、これらの中でマグネシウムハライド、アルコキシマ
グネシム、アルキルマグネシウム、アルキルマグネシウ
ムハライドが好適である。またこれらのマグネシウム化
合物は1種だけで用いてもよく、2種以上を組み合わせ
て用いてもよい。
【0016】また、マグネシウム化合物として、金属マ
グネシウムとハロゲンとアルコールとの反応生成物を用
いることもできる。この際用いられる金属マグネシウム
は特に制限はなく、任意の粒径の金属マグネシウム、例
えば顆粒状、リボン状、粉末状などのものを用いること
ができる。また、金属マグネシウムの表面状態も特に制
限はないが、表面に酸化マグネシウムなどの被膜が生成
されていないものが好ましい。
【0017】さらに、アルコールとしては任意のものを
用いることができるが、炭素数1〜6の低級アルコール
を用いることが好ましく、特に、エタノールは触媒性能
の発現を著しく向上させる固体触媒成分を与えるので好
適である。アルコールの純度及び含水量も限られない
が、含水量の多いアルコールを用いると金属マグネシウ
ム表面に水酸化マグネシウムが形成されるので、含水量
が1重量%以下、特に2000ppm以下のアルコール
を用いることが好ましく、水分は少なければ少ないほど
有利である。
【0018】ハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物の
種類に制限はなく、ハロゲン原子をその分子中に含む化
合物であればいずれのものでも使用できる。この場合、
ハロゲン原子の種類については特に制限されないが、塩
素、臭素又はヨウ素、特にヨウ素が好適に使用される。
ハロゲン含有化合物の中ではハロゲン含有金属化合物が
特に好ましい。これらの状態、形状、粒度などは特に制
限されず、任意のものでよく、例えばアルコール系溶媒
(例えば、エタノール)中の溶液の形で用いることがで
きる。
【0019】アルコールの使用量は、金属マグネシウム
1モルに対して通常2〜100モル、好ましくは5〜5
0モルの範囲で選ばれる。アルコール量が多すぎると、
モルフォロジーの良好なマグネシウム化合物が得られに
くい傾向がみられ、少ない場合は、金属マグネシウムと
の反応がスムーズに行われなくなるおそれがある。
【0020】ハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物は
通常、金属マグネシウム1モルに対して、0.0001
グラム原子以上、好ましくは0.0005グラム原子以
上、さらに好ましくは0.001グラム原子以上の割合
で用いられる。0.0001グラム原子未満では、得ら
れたマグネシウム化合物を粉砕することなく用いた場
合、担持量、活性、立体規則性、生成ポリマーのモルフ
ォロジーなどが低下し、粉砕処理が不可欠なものとなり
好ましない。また、ハロゲンの使用量を適宜選択するこ
とにより、得られるマグネシウム化合物の粒径を任意に
コントロールすることが可能である。
【0021】金属マグネシウムとアルコールとハロゲン
及び/又はハロゲン含有化合物との反応それ自体は、公
知の方法を用いて行うことができる。例えば、金属マグ
ネシウムとアルコールとハロゲンとを、還流下で、水素
ガスの発生が認められなくなるまで、通常約20〜30
時間反応させて所望のマグネシウム化合物を得る方法で
ある。具体的には、例えばハロゲンとしてヨウ素を用い
る場合には、アルコール中に金属マグネシウム及び固体
状のヨウ素を投入したのち、加熱し還流する方法、アル
コール中に金属マグネシウム及びヨウ素のアルコール溶
液を滴下投入後加熱し還流する方法、金属マグネシウム
を含むアルコール溶液を加熱しつつヨウ素のアルコール
溶液を滴下する方法などが挙げられる。いずれの方法
も、例えば窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガス雰
囲気下で、場合により不活性有機溶液(例えば、n‐ヘ
キサンなどの飽和炭化水素)を用いて行うことが好まし
い。金属マグネシウム、アルコール、ハロゲンの投入に
ついては、最初からそれぞれ全量を反応槽に投入してお
く必要はなく、分割して投入してもよい。特に好ましい
形態は、アルコールを最初から全量投入しておき、金属
マグネシウムを数回に分割して投入する方法である。
【0022】このようにした場合、水素ガスの一時的な
大量発生を防ぐことができ、安全面から非常に望まし
い。また、反応槽も小型化することが可能となる。さら
には、水素ガスの一時的な大量発生により引き起こされ
るアルコールやハロゲンの飛沫同伴を防ぐことも可能と
なる。分割する回数は、反応槽の規模を勘案して決めれ
ばよく、操作の煩雑さを考えると通常5〜10回が好適
である。また、反応自体は、バッチ式、連続式のいずれ
でもよいことは言うまでもない。さらには、変法とし
て、最初から全量投入したアルコール中に金属マグネシ
ウムを先ず少量投入し、反応により生成した生成物を別
の槽に分離して除去したのち、再び金属マグネシウムを
少量投入するという操作を繰り返すということも可能で
ある。
【0023】こうして得たマグネシウム化合物を、次の
固体触媒成分の調製に用いる場合、乾燥させたものを用
いてもよく、またろ別後ヘプタンなどの不活性溶媒で洗
浄したものを用いてもよい。いずれの場合においても、
得られたマグネシウム化合物は、粉砕あるいは粒度分布
をそろえるための分級操作をすることなく次工程に用い
ることができる。
【0024】また、該チタン化合物としては、例えばテ
トラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラ‐
n‐プロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、
テトラ‐n‐ブトキシチタン、テトライソブトキシチタ
ン、テトラシクロヘキシロキシチタン、テトラフェノキ
シチタンなどのテトラアルコキシチタン、四塩化チタ
ン、四臭化チタン、四ヨウ化チタンなどのテトラハロゲ
ン化チタン、メトキシチタニウムトリクロリド、エトキ
シチタニウムトリクロリド、プロポキシチタニウムトリ
クロリド、n‐ブトキシチタニウムトリクロリド、エト
キシチタニウムトリブロミドなどのハロゲン化アルコキ
シチタン、ジメトキシチタニウムジクロリド、ジエトキ
シチタニウムジクロリド、ジプロポキシチタニウムジク
ロリド、ジ‐n‐ブトキシチタニウムジクロリド、ジエ
トキシチタニウムジブロミドなどのジハロゲン化ジアル
コキシチタン、トリメトキシチタニウムクロリド、トリ
エトキシチタニウムクロリド、トリプロポキシチタニウ
ムクロリド、トリ‐n‐ブトキシチタニウムクロリドな
どのモノハロゲン化トリアルコキシチタンなどが挙げら
れるが、これらの中で高ハロゲン含有チタン化合物、特
に四塩化チタンが好適である。またこれらのチタン化合
物は1種だけで用いてもよく、2種以上を組み合わせて
用いてもよい。
【0025】さらに、ハロゲン原子としてはフッ素原
子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などが挙げられる
が、これらのハロゲン原子は通常ハロゲン化物としてマ
グネシウム化合物及び/又はチタン化合物などに含まれ
て用いられる。
【0026】また、電子供与体としては、後述の(D)
成分の電子供与性化合物として例示するものを用いるこ
とができる。 (イ)固体触媒成分の調製は、公知の方法(特開昭53
−43094号公報、特開昭55−135102号公
報、特開昭55−135103号公報、特開昭56−1
8606号公報、特開昭56−166205号公報、特
開昭57−63309号公報、特開昭57−19000
4号公報、特開昭57−300407号公報、特開昭5
8−47003号公報)で行うことができる。
【0027】このようにして調製された(イ)固体触媒
成分の組成は通常、マグネシウム/チタン原子比が2〜
100、ハロゲン/チタン原子比が5〜100、電子供
与体/チタンモル比が0.1〜10の範囲にある。
【0028】また、(A)固体成分の調製において必要
に応じて用いられる(ロ)成分の結晶性ポリオレフィン
としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リブテン、ポリ4‐メチル‐1‐ペンテンなどの炭素数
2〜10のα‐オレフィンから得られる結晶性ポリオレ
フィンが挙げられる。この結晶性ポリオレフィンは、
(1)前記(イ)固体触媒成分と有機アルミニウム化合
物と必要に応じて用いられる電子供与性化合物とを組み
合わせたものの存在下に、オレフィンを予備重合させる
方法(予備重合法)、(2)粒径の揃った結晶性ポリエ
チレンやポリプロピレンなどの結晶性パウダーに、前記
(イ)固体触媒成分と必要に応じて用いられる有機アル
ミニウム化合物と電子供与性化合物(融点100℃以
上)とを分散させる方法(分散法)、(3)上記(1)
の方法と(2)の方法とを組み合わせる方法などを用い
ることにより得ることができる。
【0029】上記(1)の予備重合法においては、アル
ミニウム/チタン原子比は通常0.1〜100、好まし
くは0.5〜5の範囲で選ばれ、また電子供与化合物/
チタンのモル比は0〜50、好ましくは0.1〜2の範
囲で選ばれる。
【0030】(A)固体成分における、(イ)固体触媒
成分と(ロ)結晶性ポリオレフィンとの割合について
は、(イ)成分に対する(ロ)成分の重量比が通常、
0.33〜200、好ましくは0.10〜50の範囲に
なるように選ばれる。
【0031】次に、(B)成分として用いられる有機ア
ルミニウム化合物としては、一般式 AlR3 p3-p (II) [式中、R3は炭素数3〜20のアルキル基又は炭素数
6〜20のアリール基、Xはハロゲン原子、pは1〜3
の数である]で表わされる化合物を挙げることができ
る。例えば、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソ
ブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウムなどの
トリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムモノ
クロリド、ジイソプロピルアルミニウムモノクロリド、
ジイソブチルアルミニウムモノクロリド、ジオクチルア
ルミニウムモノクロリドなどのジアルキルアルミニウム
モノハライド、エチルアルミニウムセスキクロリドなど
のアルキルアルミニウムセキスハライドなどを好適に使
用することができる。これらのアルミニウム化合物は1
種だけで用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いて
もよい。
【0032】本発明における重合触媒においては、
(C)成分として、一般式
【化2】 [式中のR1は炭素数1〜20のアルキル基、R2は炭素
数1〜10の炭化水素基、水酸基又はニトロ基、mは1
〜6の整数、nは0又は1〜(6−m)の整数であり、
OR1が複数ある場合は各OR1は同じでも異なっていて
もよく、R2が複数ある場合は各R2は同じでも異なって
いてもよい]で表わされるアルコキシ基含有芳香族化合
物が用いられる。
【0033】このアルコキシ基含有芳香族化合物の具体
例としては、m‐メトキシトルエン;o‐メトキシフェ
ノール;m‐メトキシフェノール;2‐メトキシ‐4‐
メチルフェノール;ビニルアニソール;p‐(1‐プロ
ペニル)アニソール;p‐アリルアニソール;1,3‐
ビス(p‐メトキシフェニル)‐1‐ペンテン;5‐ア
リル‐2‐メトキシフェノール;4‐ヒドロキシ‐3‐
メトキシベンジルアルコール;メトキシベンジルアルコ
ール;ニトロアニソール;ニトロフェネトールなどのモ
ノアルコキシ化合物、o‐ジメトキシベンゼン、m‐ジ
メトキシベンゼン;p‐ジメトキシベンゼン;3,4‐
ジメトキシトルエン;2,6‐ジメトキシフェノール;
1‐アリル‐3,4‐ジメトキシベンゼンなどのジアル
コキシ化合物、1,3,5‐トリメトキシベンゼン;5
‐アリル‐1,2,3‐トリメトキシベンゼン;5‐ア
リル‐1,2,4‐トリメトキシベンゼン;1,2,3
‐トリメトキシ‐5‐(1‐プロペニル)ベンゼン;
1,2,4‐トリメトキシ‐5‐(1‐プロペニル)ベ
ンゼン;1,2,3‐トリメトキシベンゼン;1,2,
4‐トリメトキシベンゼンなどのトリアルコキシ化合物
などが挙げられるが、これらの中でジアルコキシ化合物
及びトリアルコキシ化合物が好適である。これらのアル
コキシ基含有芳香族化合物は1種だけ用いてもよく、2
種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0034】さらに、この触媒には、必要に応じ(D)
成分として電子供与性化合物が用いられる。この電子供
与性化合物は、酸素、窒素、リン、イオウ、ケイ素など
を含有する化合物であり、基本的にはプロピレンの重合
において、規則性の向上性能を有するものが考えられ
る。
【0035】このような電子供与性化合物としては、例
えば、有機ケイ素化合物、エステル類、チオエステル
類、アミン類、ケトン類、ニトリル類、ホスフィン類、
エステル類、チオエーテル類、酸無水物、酸ハライド
類、酸アミド類、アルデヒド類、有機酸類、アゾ化合物
などを挙げることができる。
【0036】例えば、ジフェニルジメトキシシラン、ジ
フェニルジエトキシシラン、ジベンジルメトキシシラ
ン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テ
トラフェノキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メ
チルトリエトキシシラン、メチルトリフェノキシシラ
ン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキ
シシラン、ベンジルトリメトキシシランなどの有機ケイ
素化合物、モノメチルフタレート、モノエチルフタレー
ト、モノプロピルフタレート、モノブチルフタレート、
モノインブチルフタレート、モノアミルフタレート、モ
ノイソアミルフタレート、モノメチルテレフタレート、
モノエチルテレフタレート、モノプロピルテレフタレー
ト、モノブチルテレフタレート、モノイソブチルテレフ
タレート、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、
ジプロピルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブ
チルフタレート、ジアミルフタレート、ジイソアミルフ
タレート、メチルエチルフタレート、メチルイソブチル
フタレート、メチルプロピルフタレート、エチルブチル
フタレート、エチルイソブチルフタレート、エチルプロ
ピルフタレート、プロピルイソブチルフタレート、ジメ
チルテレフタレート、ジエチルテレフタレート、ジプロ
ピルテレフタレート、ジイソブチルテレフタレート、メ
チルエチルテレフタレート、メチルイソブチルテレフタ
レート、メチルプロピルテレフタレート、エチルブチル
テレフタレート、エチルイソブチルテレフタレート、エ
チルプロピルテレフタレート、プロピルイソブチルテレ
フタレート、ジメチルイソフタレート、ジエチルイソフ
タレート、ジプロピルイソフタレート、ジイソブチルイ
ソフタレート、メチルエチルイソフタレート、メチルイ
ソブチルイソフタレート、メチルプロピルイソフタレー
ト、エチルブチルイソフタレート、エチルイソブチルイ
ソフタレート、エチルプロピルイソフタレート、プロピ
ルイソブチルイソフタレートなどの芳香族ジカルボン酸
エステル、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸ビニル、酢酸プロピル、酢酸オクチル、酢
酸シクロヘキシル、プロピオン酸エチル、酢酸メチル、
酢酸エチル、吉草酸エチル、クロル酢酸メチル、ジクロ
ル酢酸エチル、メタクリル酸メチル、クロトン酸エチ
ル、ピバリン酸エチル、マレイン酸ジメチル、シクロヘ
キサンカルボン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エ
チル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸オ
クチル、安息香酸シクロヘキシル、安息香酸フェニル、
安息香酸ベンジル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチ
ル、トルイル酸アミル、エチル安息香酸エチル、アニス
酸メチル、アニス酸エチル、エトキシ安息香酸エチル、
p‐ブトキシ安息香酸エチル、o‐クロル安息香酸エチ
ル、ナフトエ酸エチルなどのモノエステル、γ‐ブチロ
ラクトン、δ‐バレロラクトン、クマリン、フタリド、
炭酸エチレンなどのエステル類、安息香酸、p‐オキシ
安息香酸などの有機酸類、無水コハク酸、無水安息香
酸、無水p‐トルイル酸などの酸無水物、アセトン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセトフ
ェノン、ベンゾフェノン、ベンゾキノンなどのケトン
類、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、オクチ
ルアルデヒド、トルアルデヒド、ベンズアルデヒド、ナ
フチルアルデヒドなどのアルデヒド類、アセチルクロリ
ド、アセチルブロミド、プロピオニルクロリド、ブチル
クロリド、イソブチルクロリド、2‐メチルプロピオニ
ルクロリド、バレリルクロリド、イソバレリルクロリ
ド、ヘキサノイルクロリド、メチルヘキサノイルクロリ
ド、2‐エチルヘキサノイルクロリド、オクタノイルク
ロリド、デカノイルクロリド、ウンデカノイルクロリ
ド、ヘキサデカノイルクロリド、オクタデカノイルクロ
リド、ベンジルカルボニルクロリド、ジクロヘキサンカ
ルボニルクロリド、マロニルジクロリド、スクシニルジ
クロリド、ペンタンジオレイルジクロリド、ヘキサンジ
オレイルジクロリド、シクロヘキサンジカルボニルジク
ロリド、ベンゾイルクロリド、ベンゾイルブロミド、メ
チルベンゾイルクロリド、フタロイルクロリド、イソフ
タロイルクロリド、テレフタロイルクロリド、ベンゼン
‐1,2,4‐トリカルボニルトリクロリドなどの酸ハ
ロゲン化物類、メチルエーテル、エチルエーテル、イソ
プロピルエーテル、n‐ブチルエーテル、イソプロピル
メチルエーテル、イソプロピルエチルエーテル、t‐ブ
チルエチルエーテル、t‐ブチル‐n‐プロピルエーテ
ル、t‐ブチル‐n‐ブチルエーテル、t‐アミルメチ
ルエーテル、t‐アミルエチルエーテル、アミルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、アニソール、ジフェニルエー
テル、エチレングリコールブチルエーテルなどのエーテ
ル類、酢酸アミド、安息香酸アミド、トルイル酸アミド
などの酸アミド類、トリブチルアミン、N,N′‐ジメ
チルピペラジン、トリベンジルアミン、アニリン、ピリ
ジン、ピロリン、テトラメチルエチレンジアミンなどの
アミン類、アセトニトリル、ベンゾニトリル、トルニト
リルなどのニトリル類、2,2′‐アゾビス(2‐メチ
ルプロパン)、2,2′‐アゾビス(2‐エチルプロパ
ン)、2,2′‐アゾビス(2‐メチルペンタン)など
のアゾ結合に立体障害置換基が結合してなるアゾ化合物
などが挙げられる。
【0037】これらの中で有機ケイ素化合物、エステル
類、ケトン類、エーテル類、チオエーテル類、酸無水
物、酸ハライド類が好ましく、特に、ジフェニルジメト
キシシラン、フェニルトリエトキシシランなどの有機ケ
イ素化合物、ジ‐n‐ブチルフタレート、ジイソブチル
フタレートなどの芳香族ジカルボン酸ジエステル、安息
香酸、p‐メトキシ安息香酸、p‐エトキシ安息香酸、
トルイル酸などの芳香族モノカルボン酸のアルキルエス
テルなどが好適である。これらの電子供与性化合物は1
種だけで用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いて
もよい。
【0038】この重合触媒における各成分の使用量につ
いては、(A)固体成分はチタン原子に換算して反応容
積1リットル当たり、通常0.0005〜1モルの範囲
になるような量が用いられる。また、(B)有機アルミ
ニウム化合物は、アルミニウム/チタン原子の比が、通
常1〜3000、好ましくは40〜800になるような
量が用いられ、この量が前記範囲を逸脱すると触媒活性
が不十分になるおそれがある。さらに、(C)アルコキ
シ基含有芳香族化合物は(A)固体成分中のチタン原子
に対するモル比が通常、0.01〜500、好ましくは
1〜300になるような割合で用いられ、この量が0.
01未満では生成ポリマーの物性が低下するおそれがあ
り、500を超えると触媒活性が不十分になるおそれが
ある。
【0039】本発明方法で基剤として用いられる(1)
プロピレンの単独重合体やプロピレンと他のα‐オレフ
ィンとの共重合体は、前記した重合触媒の存在下、プロ
ピレンを単独重合又はプロピレンと他のα‐オレフィン
とを共重合させることにより製造することができる。こ
の際用いられる他のα‐オレフィンとしては、例えばエ
チレン、ブテン‐1、ペンテン‐1、4‐メチル‐1‐
ペンテン、ヘキセン‐1、ヘプテン‐1、オクテン‐
1、ノネン‐1、デセン‐1などが挙げられ、これらは
単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いて
もよい。
【0040】重合形式としては、特に制限はなく、スラ
リー重合、気相重合、バルク重合、溶液重合、懸濁重合
などが用いられる。気相重合により重合を行う場合の重
合条件については、重合圧力は通常10〜45kg/c
2、好ましくは20〜30kg/cm2、重合温度は通
常40〜90℃、好ましくは60〜75℃の範囲で適宜
選ばれる。重合体の分子量調節は、公知の手段、例え
ば、重合器中の水素濃度を調節することにより行うこと
ができる。重合時間は原料モノマーの種類や反応温度に
よって左右され、一概に定めることはできないが、5分
〜10時間程度で十分である。なお、重合体の分子量の
調節は、得られた重合体を、有機過酸化物の存在下に溶
融混練することによっても行うこともできる。
【0041】重合に際しては、重合触媒を構成する各成
分、すなわち、(A)〜(D)成分を所定の割合で混合
し、接触させたのち、ただちに原料モノマーを導入し、
重合を開始してもよいし、接触後0.2〜3時間程度熟
成させたのち、原料モノマーを導入してもよい。さら
に、この触媒成分は不活性溶媒や原料モノマーのオレフ
ィンなどに懸濁して供給することができる。
【0042】本発明方法で用いられる原料重合体の、重
合後の後処理は常法により行うことができる。すなわ
ち、気相重合法においては、重合後、重合器から導出さ
れるポリマー粉体に、その中に含まれる未反応モノマー
などを除くために、窒素気流などを通過させてもよい。
また、所望に応じて押出機によりペレット化してもよ
く、その際、触媒を完全に失活させるために、少量の
水、アルコールなどを添加することもできる。また、バ
ルク重合法においては、重合後、重合器から導出される
ポリマーから完全に未反応モノマーを分離したのち、ペ
レット化することもできる。
【0043】このようにして得られたプロピレン単独重
合体やプロピレンと他のα‐オレフィンとの共重合体
は、それぞれ単独で用いてもよいし、混合して用いても
よい。
【0044】重合形式としては、特に制限はなく、スラ
リー重合、気相重合、バルク重合、溶液重合、懸濁重合
などが用いられる。
【0045】気相重合により重合を行う場合、プロピレ
ンの単独重合段階については、重合圧力は通常10〜4
5kg/cm2、好ましくは20〜30kg/cm2、重
合温度は通常40〜90℃、好ましくは60〜75℃の
範囲で適宜選ばれる。重合体の分子量調節は、公知の手
段、例えば、重合器中の水素濃度を調節することにより
行うことができる。重合時間は5分〜10時間程度で適
宜選ばれる。
【0046】重合に際しては、重合触媒を構成する各成
分、すなわち、前記(A)〜(D)成分を所定の割合で
混合し、接触させたのち、ただちに原料モノマーを導入
し、重合を開始してもよいし、接触後0.2〜3時間程
度熟成させたのち、原料モノマーを導入してもよい。さ
らに、この触媒成分は不活性溶媒原料モノマーのオレフ
ィンなどに懸濁して供給することができる。
【0047】重合後の後処理は常法により行うことがで
きる。すなわち、気相重合法においては、重合後、重合
器から導出されるポリマー粉体に、その中に含まれる未
反応モノマーなどを除くために、窒素気流などを通過さ
せてもよい。また、所望に応じて押出機によりペレット
化してもよく、その際、触媒を完全に失活させるため
に、少量の水、アルコールなどを添加することもでき
る。また、バルク重合法においては、重合後、重合器か
ら導出されるポリマーから完全に未反応モノマーを分離
したのち、ペレット化することもできる。
【0048】本発明方法においては、プロピレン系重合
体樹脂、すなわちプロピレンの単独重合体及び/又はプ
ロピレンと4モル%までの他のα‐オレフィンとの共重
合体を、有機過酸化物の存在下に溶融混練してその分子
量を任意に調節することができる。溶融混練を行うに当
り、プロピレン系重合体樹脂と有機過酸化物とを混合す
るが、その混合方法については特に制限はなく、例えば
ブレンダーやミキサーなどの混合機を用いて機械的に混
合する方法、有機過酸化物を適当な溶剤に溶解させてプ
ロピレン系重合体樹脂に付着させ、乾燥後溶剤を除去す
ることによって混合する方法などを用いることができ
る。
【0049】溶融混練温度は、プロピレン系重合体樹脂
の溶融温度以上でかつ有機過酸化物の分解温度以上の温
度が採用される。しかし、加熱温度が高すぎるとプロピ
レン系重合体の熱劣化を招く。一般に溶融温度は170
〜300℃、好ましくは180〜250℃の範囲で選ば
れる。
【0050】この有機過酸化物の種類については特に制
限はなく、公知のもの、例えばメチルエチルケトンパー
オキシド、メチルイソブチルケトンパーオキシドなどの
ケトンパーオキシド類、イソブチルパーオキシド、アセ
チルパーオキシドなどのジアシルパーオキシド類、ジイ
ソプロピルベンゼンヒドロパーオキシドなどのヒドロパ
ーオキシド類、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ‐(t‐
ブチルパーオキシドイソプロピル)ベンゼンなどのジア
ルキルパーオキシド類、1,1‐t‐ブチルパーオキシ
ドシクロヘキサンなどのパーオキシドケタール類、t‐
ブチルパーオキシアセテート、t‐ブチルパーオキシベ
ンゾエートなどのアルキルパーエステル類、t‐ブチル
パーオキシイソプロピルカーボネートなどのパーカーボ
ネート類などが挙げられる。
【0051】これらの有機過酸化物の使用量は、得られ
るプロピレン系重合体のメルトインデックスの設定値な
どによって異なり、一概に定めることはできないが、通
常プロピレン系重合体100重量部に対して0.001
〜1.0重量部、好ましくはは0.01〜0.5重量部
の範囲で選ばれる。
【0052】このようにして、有機過酸化物との溶融混
練により得られたプロピレン系重合体のメルトインデッ
クスは、通常0.1〜100g/10分の範囲である。
【0053】本発明成形体の基材として用いられる前記
プロピレン系重合体には、所望により各種添加成分、例
えば軟質エラストマー、変性ポリオレフィン、各種安定
剤、無機又は有機充てん剤、さらには他の耐熱安定剤、
耐候安定剤、帯電防止剤、塩素捕捉剤、スリップ剤、ア
ンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、有機系難燃剤、染
料、顔料、天然油、合成油、ワックスなどを配合するこ
とができる。
【0054】前記軟質エラストマーとしては、例えばス
チレン系共重合エラストマー、α‐オレフィン共重合エ
ラストマー、エチレン‐不飽和カルボン酸‐α,β‐不
飽和カルボン酸エステル共重合体、アクリロニトリル系
共重合エラストマーなどが挙げられる。変性ポリオレフ
ィンとしては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、
エチレン‐α‐オレフィン共重合体、エチレン‐α‐オ
レフィン‐非共役ジエン化合物共重合体(例えばEPD
Mなど)、エチレン‐芳香族モノビニル化合物‐共役ジ
エン化合物共重合ゴムなどのポリオレフィンを、アクリ
ル酸、メタクリル酸、マレイン酸などの不飽和カルボン
酸、無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸の無水物、
アクリル酸メチル、マレイン酸モノメチルなどの不飽和
カルボン酸のエステル、アクリル酸アミド、マレイン酸
モノアミドなどの不飽和カルボン酸のアミド、マレイミ
ド、N‐ブチルマレイミドなどの不飽和カルボン酸のイ
ミドなどを用いて化学変性したものが挙げられる。この
化学変性方法としては、例えば該ポリオレフィンを適当
な溶媒中において、ベンゾイルパーオキシドなどのラジ
カル発生剤を用いて、前記不飽和カルボン酸やその誘導
体と反応させる方法などを用いることができる。
【0055】また、各種安定剤としては、例えばフェノ
ール系安定剤、有機ホスファイト系安定剤、チオエーテ
ル系安定剤、ヒンダードアミン系安定剤、高級脂肪酸金
属塩などを用いることができる。フェノール系安定剤と
しては、従来公知のもの、例えば2,6‐ジ‐t‐ブチ
ル‐4‐メチルフェノール、2,6‐ジ‐t‐ブチル‐
4‐エチルフェノール、2,6‐ジシクロヘキシル‐4
‐メチルフェノール、2,6‐ジイソプロピル‐4‐エ
チルフェノール、2,6‐ジ‐t‐アミル‐4‐メチル
フェノール、2,6‐ジ‐t‐オクチル‐4‐n‐プロ
ピルフェノール、2,6‐ジシクロヘキシル‐4‐n‐
オクチルフェノール、2‐イソプロピル‐4‐メチル‐
6‐t‐ブチルフェノール、2‐t‐ブチル‐2‐エチ
ル‐6‐t‐オクチルフェノール、2‐イソブチル‐4
‐エチル‐5‐t‐ヘキシルフェノール、2‐シクロヘ
キシル‐4‐n‐ブチル‐6‐イソプロピルフェノー
ル、スチレン化混合クレゾール、dl‐α‐トコフェロ
ール、t‐ブチルヒドロキノン、2,2′‐メチレンビ
ス(4‐メチル‐6‐t‐ブチルフェノール)、4,
4′‐ブチリデンビス(3‐メチル‐6‐t‐ブチルフ
ェノール)、4,4′‐チオビス(3‐メチル‐6‐t
‐ブチルフェノール)、2,2′‐チオビス(4‐メチ
ル‐6‐t‐ブチルフェノール)、4,4′‐メチレン
ビス(2,6‐ジ‐t‐ブチルフェノール)、2,2′
‐メチレンビス[6‐(1‐メチルシクロヘキシル)‐
p‐クレゾール]、2,2′‐エチリデンビス(4,6
‐ジ‐t‐ブチルフェノール)、2,2′‐ブチリデン
ビス(2‐t‐ブチル‐4‐メチルフェノール)、1,
1,3‐トリス(2‐メチル‐4‐ヒドロキシ‐5‐t
‐ブチルフェニル)ブタン、トリエチレングリコール‐
ビス[3‐(3‐t‐ブチル‐5‐メチル‐4‐ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート]、1,6‐ヘキサンジ
オール‐ビス[3‐(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2′‐チオ
ジエチレンビス[3‐(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N′‐ヘ
キサメチレンビス(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒド
ロキシ‐ヒドロシンナミド)、3,5‐ジ‐t‐ブチル
‐4‐ヒドロキシベンジルホスホネート‐ジエチルエス
テル、1,3,5‐トリス(2,6‐ジメチル‐3‐ヒ
ドロキシ‐4‐t‐ブチルベンジル)イソシアヌレー
ト、1,3,5‐トリス[(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐
4‐ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]
イソシアヌレート、トリス(4‐t‐ブチル‐2,6‐
ジメチル‐3‐ヒドロキシベンジル)イソシアヌレー
ト、2,4‐ビス(n‐オクチルチオ)‐6‐(4‐ヒ
ドロキシ‐3,5‐ジ‐t‐ブチルアニリノ)‐1,
3,5‐トリアジン、テトラキス[メチレン‐3‐
(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]メタン、ビス(3,5‐ジ‐t‐ブチ
ル‐4‐ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)カルシ
ウム、ビス(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシ
ベンジルホスホン酸エチル)ニッケル、ビス[3,3‐
ビス(3‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)ブチ
リックアシド]グリコールエステル、N,N′‐ビス
[3‐(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェ
ニル)プロピオニル]ヒドラジン、2,2′‐オキザミ
ドビス[エチル‐3‐(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐
ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、ビス[2‐t
‐ブチル‐4‐メチル‐6‐(3‐t‐ブチル‐5‐メ
チル‐2‐ヒドロキシベンジル)フェニル]テレフタレ
ート、1,3,5‐トリメチル‐2,4,6‐トリス
(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシベンジル)
ベンゼン、3,9‐ビス〔1,1‐ジメチル‐2‐[β
‐(3‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシ‐5‐メチルフェ
ニル)プロピオニルオキシ]エチル〕‐2,4,8,1
0‐テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、2,2
‐ビス〔4‐[2‐(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒ
ドロキシヒドロシンナモイルオキシ)]エトキシフェニ
ル〕プロパン及びステアリル‐β‐(4‐ヒドロキシ‐
3,5‐ジ‐t‐ブチルフェノール)プロピオネートな
どのβ‐(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフ
ェニル)プロピオン酸アルキルエステルなどが挙げられ
る。これらの中で、2,6‐ジ‐t‐ブチル‐4‐メチ
ルフェノール、ステアリル‐β‐(4‐ヒドロキシ‐
3,5‐ジ‐t‐ブチルフェノール)プロピオネート、
2,2′‐エチリデンビス(4,6‐ジ‐t‐ブチルフ
ェノール)及びテトラキス[メチレン‐3‐(3,5‐
ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)プロピオネ
ート]メタンが好適である。
【0056】また有機ホスファイト系安定剤としては、
例えばトリオクチルホスファイト、トリラウリルホスフ
ァイト、トリストリデシルホスファイト、トリスイソデ
シルホスファイト、フェニルジイソオクチルホスファイ
ト、フェニルジイソデシルホスファイト、フェニルジ
(トリデシル)ホスファイト、ジフェニルイソオクチル
ホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジ
フェニルトリデシルホスファイト、トリフェニルホスフ
ァイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリ
ス(2,4‐ジ‐t‐ブチルフェニル)ホスファイト、
トリス(ブトキシエチル)ホスファイト、テトラトリデ
シル‐4,4′‐ブチリデンビス(3‐メチル‐6‐t
‐ブチルフェノール)‐ジホスファイト、4,4′‐イ
ソプロピリデン‐ジフェノールアルキルホスファイト
(ただし、アルキルは炭素数12〜15程度)、4,
4′‐イソプロピリデンビス(2‐t‐ブチルフェノー
ル)・ジ(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ビ
フェニル)ホスファイト、テトラ(トリデシル)‐1,
1,3‐トリス(2‐メチル‐5‐t‐ブチル‐4‐ヒ
ドロキシフェニル)ブタンジホスファイト、トリス
(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキシフェニル)
ホスファイト、水素化‐4,4′‐イソプロピリデンジ
フェノールポリホスファイト、ビス(オクチルフェニ
ル)・ビス[4,4′‐ブチリデンビス(3‐メチル‐
6‐t‐ブチルフェノール)]・1,6‐ヘキサンオー
ルジホスファイト、ヘキサトリデシル‐1,1,3‐ト
リス(2‐メチル‐4‐ヒドロキシ‐5‐t‐ブチルフ
ェノール)ジホスファイト、トリス[4,4′‐イソプ
ロピリデンビス(2‐t‐ブチルフェノール)]ホスフ
ァイト、トリス(1,3‐ジステアロイルオキシイソプ
ロピル)ホスファイト、9,10‐ジヒドロ‐9‐ホス
ファフェナンスレン‐10‐オキシド、テトラキス
(2,4‐ジ‐t‐ブチルフェニル)‐4,4′‐ビフ
ェニレンジホスホナイト、ジステアリルペンタエリスリ
トールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエ
リスリトールジホスファイト、フェニル・4,4′‐イ
ソプロピリデンジフェノール・ペンタエリスリトールジ
ホスファイト、ビス(2,4‐ジ‐t‐ブチルフェニ
ル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,
6‐ジ‐t‐ブチル‐4‐メチルフェニル)ペンタエリ
スリトールジホスファイト及びフェニルビスフェノール
‐A‐ペンタエリスリトールジホスファイトなどが挙げ
られる。これらの中で、トリス(2,4‐ジ‐t‐ブチ
ルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)
ホスファイト及びテトラキス(2,4‐ジ‐t‐ブチル
フェニル)‐4,4′‐ビフェニレンジホスファイトが
好ましく、特にトリス(2,4‐ジ‐t‐ブチルフェニ
ル)ホスファイトが好適である。
【0057】有機チオエーテル系安定剤としては、ジア
ルキルチオジプロピオネート及びアルキルチオプロピオ
ン酸の多価アルコールエステルを用いることが好まし
い。ここで使用されるジアルキルチオジプロピオネート
としては、炭素数6〜20のアルキル基を有するジアル
キルチオジプロピオネートが好ましく、またアルキルチ
オプロピオン酸の多価アルコールエステルとしては、炭
素数4〜20のアルキル基を有するアルキルチオプロピ
オン酸の多価アルコールエステルが好ましい。この場合
に多価アルコールエステルを構成する多価アルコールの
例としては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリ
メチロールプロパン、ペンタエリスリトール及びトリス
ヒドロキシエチルイソシアヌレートなどを挙げることが
できる。
【0058】このようなジアルキルチオジプロピオネー
トとしては、例えばジラウリルチオジプロピオネート、
ジミリスチルチオジプロピオネート及びジステアリルチ
オジプロピオネートなどを挙げることができ、一方、ア
ルキルチオプロピオン酸の多価アルコールエステルとし
ては、例えばグリセリントリブチルチオプロピオネー
ト、グリセリントリオクチルチオプロピオネート、グリ
セリントリラウリルチオプロピオネート、グリセリント
リステアリルチオプロピオネート、トリメチロールエタ
ントリブチルチオプロピオネート、トリメチロールエタ
ントリオクチルチオプロピオネート、トリメチロールエ
タントリラウリルチオプロピオネート、トリメチロール
エタントリステアリルチオプロピオネート、ペンタエリ
スリトールテトラブチルチオプロピオネート、ペンタエ
リスリトールテトラオクチルチオプロピオネート、ペン
タエリスリトールテトララウリルチオプロピオネート、
ペンタエリスリトールテトラステアリルチオプロピオネ
ートなどを挙げることができる。これらの中で、ジラウ
リルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピ
オネート、ペンタエリスリトールテトララウリルチオプ
ロピオネートが好適である。
【0059】ヒンダードアミン系安定剤としては、例え
ばビス(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジ
ル)セバケート、コハク酸ジメチル‐1‐(2‐ヒドロ
キシエチル)‐4‐ヒドロキシ‐2,2,6,6‐テト
ラメチルピペリジン重縮合物、ポリ[6‐(1,1,
3,3‐テトラメチルブチル)イミノ‐1,3,5‐ト
アジン‐2,4‐ジイル][(2,2,6,6‐テトラ
メチル‐4‐ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン
[2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)イ
ミノ]、テトラキス(2,2,6,6‐テトラメチル‐
4‐ピペリジル)‐1,2,3,4‐ブタンテトラカル
ボキシレート、2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピ
ペリジルベンゾエート、ビス‐(1,2,6,6‐ペン
タメチル‐4‐ピペリジル)‐2‐(3,5‐ジ‐t‐
ブチル‐4‐ヒドロキシベンジル)‐2‐n‐ブチルマ
ロネート、ビス‐(N‐メチル‐2,2,6,6‐テト
ラメチル‐4‐ピペリジル)セバケート、1,1′‐
(1,2‐エタンジイル)ビス(3,3,5,5‐テト
ラメチルピペラジノン)、(ミックスト2,2,6,6
‐テトラメチル‐4‐ピペリジル/トリデシル)‐1,
2,3,4‐ブタンテトラカルボキシレート、(ミック
スト1,2,2,6,6‐ペンタメチル‐4‐ピペリジ
ル/トリデシル)‐1,2,3,4‐ブタンテトラカル
ボキシレート、ミックスト〔2,2,6,6‐テトラメ
チル‐4‐ピペリジル/β,β,β′,β′‐テトラメ
チル‐3,9‐[2,4,8,10‐テトラオキサスピ
ロ(5,5)ウンデカン]ジエチル〕‐1,2,3,4
‐ブタンテトラカルボキシレート、ミックスト〔1,
2,2,6,6‐ペンタメチル‐4‐ピペリジル/β,
β,β′,β′‐テトラメチル‐3,9‐[2,4,
8,10‐テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]
ジエチル〕‐1,2,3,4‐ブタンテトラカルボキシ
レート、N,N′‐ビス(3‐アミノプロピル)エチレ
ンジアミン‐2,4‐ビス[N‐ブチル‐N‐(1,
2,2,6,6‐ペンタメチル‐4‐ピペリジル)アミ
ノ]‐6‐クロロ‐1,3,5‐トアジン縮合物、ポリ
[6‐N‐モルホリル‐1,3,5‐トリアジン‐2,
4‐ジイル][(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐
ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,
6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)イミド]、N,
N′‐ビス(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペ
リジル)ヘキサメチレンジアミンと1,2‐ジブロモエ
タンとの縮合物、[N‐(2,2,6,6‐テトラメチ
ル‐4‐ピペリジル)‐2‐メチル‐2‐(2,2,
6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)イミノ]プロ
ピオンアミドなどを挙げることができる。
【0060】これらのヒンダードアミン系安定剤の中
で、特にコハク酸ジメチル‐1‐(2‐ヒドロキシエチ
ル)‐4‐ヒドロキシ‐2,2,6,6‐テトラメチル
ピペリジン重縮合物、ポリ[6‐(1,1,3,3‐テ
トラメチルブチル)イミノ‐1,3,5‐トリアジン‐
2,4‐ジイル][(2,2,6,6‐テトラメチル‐
4‐ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,
6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)イミノ]、テ
トラキス(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリ
ジル)‐1,2,3,4‐ブタンテトラカルボキシレー
ト、ビス(1,2,6,6‐ペンタメチル‐4‐ピペリ
ジル)‐2‐(3,5‐ジ‐t‐ブチル‐4‐ヒドロキ
シベンジル)‐2‐n‐ブチルマロネート、1,1′‐
(1,2‐エタンジイル)ビス(3,3,5,5‐テト
ラメチルピペラジノン)、(ミックスト2,2,6,6
‐テトラメチル‐4‐ピペリジル/トリデシル)‐1,
2,3,4‐ブタンテトラカルボキシレート、(ミック
スト1,2,2,6,6‐ペンタメチル‐4‐ピペリジ
ル/トリデシル)‐1,2,3,4‐ブタンテトラカル
ボキシレート、ミックスト〔2,2,6,6‐テトラメ
チル‐4‐ピペリジル/β,β,β′,β′‐テトラメ
チル‐3,9‐[2,4,8,10‐テトラオキサスピ
ロ(5,5)ウンデカン]ジエチル〕‐1,2,3,4
‐ブタンテトラカルボキシレート、ミックスト〔1,
2,2,6,6‐ペンタメチル‐4‐ピペリジル/β,
β,β′,β′‐テトラメチル‐3,9‐[2,4,
8,10‐テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン]
ジエチル〕‐1,2,3,4‐ブタンテトラカルボキシ
レート、N,N′‐ビス(3‐アミノプロピル)エチレ
ンジアミン‐2,4‐ビス[N‐ブチル‐N‐(1,
2,6,6‐ペンタメチル‐4‐ピペリジル)アミノ]
‐6‐クロロ‐1,3,5‐トリアジン縮合物、ポリ
[6‐N‐モルホリル‐1,3,5‐トリアジン‐2,
4‐ジイル][(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐
ピペリジル)イミノ]ヘキサメチレン[(2,2,6,
6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)イミド]、N,
N′‐ビス(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペ
リジル)ヘキサメチレンジアミンと1,2‐ジブロモエ
タンとの縮合物、[N‐(2,2,6,6‐テトラメチ
ル‐4‐ピペリジル)‐2‐メチル‐2‐(2,2,
6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジル)イミノ]プロ
ピオンアミドが好適である。
【0061】高級脂肪酸金属塩としては、ステアリン
酸、オレイン酸、ラウリン酸、カプリン酸、アラキジン
酸、パルミチン酸、ベヘニン酸、12‐ヒドロキシステ
アリン酸、リシノール酸、モンタン酸などの高級脂肪酸
のマグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩などのア
ルカリ土類金属塩、カドミウム塩、亜鉛塩、鉛塩さらに
はナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩などのアルカ
リ金属塩などが用いられる。具体的には、ステアリン酸
マグネシウム、ラウリン酸マグネシウム、パルミチン酸
マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸カ
ルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウ
ム、オレイン酸バリウム、ラウリン酸バリウム、アラキ
ジン酸バリウム、ベヘニン酸バリウム、ステアリン酸亜
鉛、オレイン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸リ
チウム、ステアリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリ
ウム、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、
ラウリン酸カリウム、12‐ヒドロキシステアリン酸カ
リウム、モンタン酸カリウムなどが挙げられる。
【0062】また、無機系充てん剤としては、例えば球
状フィラー、板状フィラー、繊維状フィラー、無機系難
燃剤などがある。球状フィラーとしては、例えば炭酸カ
ルシウム、カオリン(ケイ酸アルミニウム)、シリカ、
パーライト、シラスバルーン、セリサイト、ケイソウ
土、亜硫酸カルシウム、焼成アルミナ、ケイ酸カルシウ
ムなどが、板状フィラーとしては、例えばタルクやマイ
カなどが、繊維状フィラーとしては、例えばウオラスト
ナイトのような針状のもの、マグネシウムオキシサルフ
ェイト、チタン酸カリウム繊維、繊維状炭酸カルシウム
のような繊維状のもの、さらには、ガラス繊維のような
完全に繊維状のものなどが挙げられ、無機系難燃剤とし
ては、例えば水和アルミニウム、水和石膏、ホウ酸亜
鉛、ホウ酸バリウム、ホウ砂、カオリン、クレー、炭酸
カルシウム、明ばん石、塩基性炭酸マグネシウム、水酸
化カルシウム、水酸化マグネシウムなどが挙げられる。
【0063】一方、有機充てん剤としては、例えば木粉
や木綿粉などの木質粒子、モミ殻粉末、架橋ゴム粉末、
プラスチック粉末などが挙げられる。
【0064】本発明方法は、基材の前記プロピレン系重
合体に所望に応じて各種添加成分を配合したものを、従
来公知のカレンダー成形装置を用いて成形することによ
り行うことができる。成形装置としては、例えば直列
型、L型、逆L型、Z型など、いずれも用いることがで
きるし、また、成形条件としては、通常樹脂温度170
〜300℃、好ましくは180〜270℃、ロール温度
130〜300℃、好ましくは150〜270℃などで
ある。さらに、成形する際、ロールに紙や布などを送
り、人口レザーや防水布、各種ラミネート製品を作製す
ることもできる。
【0065】
【発明の効果】本発明によると、特定の性状のプロピレ
ン系重合体を用いることにより、厚さむらが小さく、か
つ軟質ポリ塩化ビニル成形体のような柔軟性を有するカ
レンダー成形体が容易に得られる。本発明のプロピレン
系重合体から成るカレンダー成形体は、例えばタイル、
壁紙、防水布などの土木建材や、自動車用内装皮材など
として好適に用いられる。
【0066】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によってなんら限定される
ものではない。
【0067】参考例1 (1)マグネシウム化合物の調製 内容積約6リットルのかきまぜ機付きガラス反応器を窒
素ガスで十分に置換したのち、これにエタノール約24
30g、ヨウ素16g及び金属マグネシウム160gを
仕込み、かきまぜながら加熱して、還流条件下で系内か
らの水素ガスの発生がなくなるまで反応させ、固体状反
応生成物を得た。この固体状生成物を含む反応液を減圧
下で乾燥させることにより、マグネシウム化合物を得
た。
【0068】(2)固体触媒成分(A)の調製 窒素ガスで十分置換した内容積5リットルのガラス製反
応器に、上記(1)で得られたマグネシウム化合物(粉
砕していないもの)160g、精製ヘプタン800m
l、四塩化ケイ素24ml及びフタル酸ジエチル23m
lを仕込み、系内を80℃に保ち、かきまぜながら四塩
化チタン770mlを加えて110℃で2時間反応させ
た後、固体成分を分離して90℃の精製ヘプタンを洗浄
した。さらに、四塩化チタン1220mlを加え、11
0℃で2時間反応させたのち、精製ヘプタンで十分に洗
浄して固体触媒成分(A)を得た。
【0069】(3)気相重合 内容積200リットルの重合槽に、上記(2)で得られ
た固体触媒成分(A)6.0g/時間、トリイソブチル
アルミニウム(TIBA)0.2モル/時間、1‐アリ
ル‐3,4‐ジメトキシベンゼン(ADMB)0.01
2モル/時間、ジフェニルジメトキシシラン(DPDM
S)0.006モル/時間、プロピレン37kg/時間
で供給し、70℃、28kg/cm2Gで重合を行い、
また、ポリマーの極限粘度[η](135℃デカリン
中)が2.03dl/gになるように水素供給量を調整
した。なお、この際の重合槽1でのポリマー生成量は3
0kg/時間であった。また、ポリマーの沸騰n‐ヘプ
タン不溶成分量は55.1重量%であった。また、T2H
R(30)は44、T2H R(80)は530であった。
【0070】得られたポリプロピレンパウダーに酸化防
止剤、熱安定剤、塩素捕捉剤を添加して混合したのち、
40mmφ押出機で押出して、メルトインデックス(M
I)が2.2g/10分のペレットを得た。
【0071】実施例1 上記参考例1で得られたペレットを用い、カレンダー成
形機[径200mm×長さ700mm複合型6本カレン
ダー(日本ロール社製)]にてロール配列を逆L型4本
配列として、樹脂温度200℃、第1ロール温度175
℃、第2ロール温度175℃、第3ロール温度175
℃、第4ロール温度175℃、冷却ロール温度30℃、
巻き取り速度30m/秒の条件で、厚さ0.5mmのシ
ートを成形した。その結果、カレンダー成形性、シート
外観などは良好であった。
【0072】参考例2 (1)気相重合 実施例1において、前段の重合槽への水素の供給を行わ
なかったこと以外は、実施例1と同様に気相重合を行
い、極限粘度[η](135℃デカリン中)が4.27
dl/gのポリプロピレンを得た。また、このポリプロ
ピレンの沸騰n‐ヘプタン不溶成分量は62.4重量%
であった。また、T2H R(30)は41.9、T2H R(8
0)は520であった。
【0073】得られたポリプロピレンパウダーに、2,
5‐ジメチル‐2,5‐ジ‐(t‐ブチルパーオキシ)
‐ヘキサンを混合し、さらに酸化防止剤、熱安定剤、塩
素捕捉剤を添加して混合したのち、40mmφ押出機で
押出して、MIが2.4g/10分のペレットを得た。
【0074】実施例2 上記参考例2で得られたペレットを用い、カレンダー成
形機[径200mm×長さ700mm複合型6本カレン
ダー(日本ロール社製)]にてロール配列逆L型4本配
列として、樹脂温度200℃、第1ロール温度175
℃、第2ロール温度175℃、第3ロール温度175
℃、第4ロール温度175℃、冷却ロール温度30℃、
巻き取り速度30m/秒の条件で、厚さ0.5mmのシ
ートを成形した。その結果、カレンダー成形性、シート
外観などは良好であった。
【0075】比較例1 実施例1において、ADMBを供給しなかったこと以外
は、実施例1と同様に実施して、極限粘度[η](13
5℃デカリン中)が2.13dl/gのポリプロピレン
を得た。このものの沸騰n‐ヘプタン不溶成分量は9
2.3重量%であった。このポリプロピレンを用いて、
実施例1と同様にしてシート成形を試みたが、バンク成
形が不良であり、またドローダウンが起こりシートを得
ることができなかった。また、このもののT2H R(3
0)は26.8、T2H R(80)は486であった。
【0076】比較例2 ポリプロピレン系軟質樹脂(商品名:三菱油化SPX9
830)を用い、実施例1と同様にしてシート成形体を
試みたが、バンク形成が不良であり、またロールからの
剥離性不良でシートを得ることができなかった。
【0077】比較例3 架橋型オレフィン系熱可塑性エラストマー(商品名:三
井石油化学ミラストマー5030B)を用い、実施例1
と同様にしてシート成形を試みたが、バンク形成が不良
でまた、厚みむらがあり、巻瘤のある寸法精度不良の製
品が得られた。
【0078】参考例3 参考例1の(3)におけるトリイソブチルアルミニウム
0.2モル/時間をトリエチルアルミニウム0.2モル
/時間に変え、他は同様にしてペレットを調製した。こ
のものは、沸騰n‐ヘプタン不溶成分量64.9、極限
粘度3.43、T2H R(30)34.0、T2H R(80)
560であった。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温度135℃のデカリン中で測定した極
    限粘度[η]が0.5〜10dl/gで、沸騰n‐ヘプ
    タン不溶成分量が10〜90重量%のプロピレン系重合
    体樹脂に、所要の添加成分を加えて混合し、カレンダー
    成形することを特徴とするプロピレン系重合体樹脂フイ
    ルム又はシートの製造方法。
  2. 【請求項2】 プロピレン系重合体樹脂が、その30℃
    におけるパルスNMRで測定したゴム成分のμsで表わ
    した緩和時間をT2H R(30)、80℃における緩和時
    間をT2H R(80)、沸騰n‐ヘプタン不溶成分量をW
    としたときに、式 T2H R(80)≦670−2.2W 及び T2H R(80)/T2H R(30)≦8.8+0.086W の関係を満たすものである請求項1記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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WO2002043936A1 (fr) * 2000-11-30 2002-06-06 Idemitsu Technofine Co., Ltd. Procede de production d'une feuille pour laser et feuille pour laser

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