JPH0971691A - 自動車内装部材用ポリプロピレン系樹脂組成物および自動車用内装部材 - Google Patents

自動車内装部材用ポリプロピレン系樹脂組成物および自動車用内装部材

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JPH0971691A
JPH0971691A JP23036095A JP23036095A JPH0971691A JP H0971691 A JPH0971691 A JP H0971691A JP 23036095 A JP23036095 A JP 23036095A JP 23036095 A JP23036095 A JP 23036095A JP H0971691 A JPH0971691 A JP H0971691A
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正人 木島
Makoto Iida
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 外観性能、特にウエルド外観が良好で、かつ
シボ面における光沢度が低く無塗装化が可能で、耐衝撃
性、剛性などのバランスの制御が可能であるインストル
メントパネル、ドアパネル等の自動車用内装部材を提供
する。 【解決手段】 (A)昇温分別法において、(イ)30
℃のo−ジクロロベンゼン(ODCB)可溶分,(ロ)
30℃より高く105℃以下のODCB可溶分及び
(ハ)105℃のODCB不溶分に分別され、かつ
(イ)成分の極限粘度〔η〕が2.0〜10デシリットル
/g以上であり、(ハ)成分の緩和時間τが0.01〜0.
35秒で、分子量分布指数(PDI)が1〜18であっ
て、(ロ)成分量/〔(ロ)成分量+(ハ)成分量〕重
量比が0〜0.20、(イ)成分量/〔(イ)成分量+
(ロ)成分量+(ハ)成分量〕重量比が0.03〜0.35
である結晶性ポリプロピレン系重合体含有組成物50〜
100重量%と、(B)無機充填剤50〜0重量%とか
らなるポリプロピレン系樹脂組成物を射出成形してなる
自動車用内装部材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車内装部材用ポ
リプロピレン系樹脂組成物および自動車用内装部材に関
し、さらに詳しくは、耐衝撃性と剛性のバランスに優れ
る上、特にウエルド外観などの外観性能が良好で、かつ
低光沢性を有し、艶消し塗装の省略化が可能な成形材料
としてシボ付きであるインストルメントパネル、トリム
等の自動車用内装部材の製造に用いられる組成物およひ
該組成物を射出成形してなる自動車用内装部材に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン系樹脂は、加工性,耐薬
品性,耐候性,電気特性などに優れていることから、汎
用樹脂として、自動車部品,家電製品,OA機器をはじ
め、各種の射出成形品,ブロー成形品,真空・圧空成形
品,フィルム,シートなどの分野において幅広く用いら
れている。ところで、自動車の内装部品、特に剛性が要
求されるインストルメントパネルには、通常補強材とし
てのフィラーが混入されたポリプロピレン系樹脂が用い
られている。しかしながら、フィラーが混入されたポリ
プロピレン系樹脂においては、従来、ウエルド外観が不
充分であるという問題があった。また、このインストル
メントパネルは、自動車の運転席の前に位置するため、
太陽光が反射して事故が起きないように、低光沢性の材
料が要求されるが、これまで、材料自体が充分に低光沢
性を有するものは見出されていない。したがって、イン
ストルメントパネルにおいては、全面あるいは部分的
(ウエルド部)に艶消し塗装を施して、上記問題に対処
しているのが実状であり、このため、コストが高くつく
のを免れなかった。
【0003】ポリプロピレン系樹脂組成物については、
最近、結晶性プロピレン系共重合体とポリエチレンとエ
チレン−プロピレン系共重合ゴムとタルクとから構成さ
れた自動車バンパー用熱可塑性樹脂組成物(特開平7−
149969号公報)、多段重合で得られたプロピレン
−エチレンブロック共重合体とポリオレフィン系ゴムと
を含む熱可塑性樹脂組成物(特開平7−149998号
公報)、多段重合で得られたプロピレン−エチレンブロ
ック共重合体とエチレン−プロピレン系共重合ゴムとポ
リオレフィンとタルクとを含有するポリオレフィン組成
物(特開平7−149997号公報)が提案されてい
る。しかしながら、これらの組成物は、いずれも強度,
成形性及び塗装性の改良を目的としたものであって、ウ
エルド外観及び低光沢性については満足しうるものでは
なく、自動車用内装部材への適用には限界がある。ま
た、低光沢性を有する組成物としては、プロピレン重合
体と、部分的に架橋した熱可塑性エラストマーやエチレ
ン−プロピレン−共役ジエンターポリマーとからなるポ
リオレフィン組成物(特開平7−157607号公
報)、変性オレフィン系樹脂およびゲル化剤を配合した
組成物(特開平6−192509号公報)が提案されて
いる。しかしながら、これらの組成物は、低光沢性はあ
る程度達成されているものの、まだ充分ではなく、また
ゲル化や架橋手段を採用するものであり、均一性や表面
外観、再生使用の困難性等別の問題点を有している。他
方、プロピレンの単独重合体の結晶ラメラの厚みを特定
したプロピレン−エチレンブロック共重合体と特定のゴ
ム、ポリエチレン、タルクからなる組成物(特開平7−
53843号公報)が提案されている。しかしながら、
その実施例、比較例からその低光沢性に差は見られず、
ラメラの厚みと光沢の間に特別な関係があることを示し
てはいない。また、低光沢性の程度も十分なものではな
い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、耐衝撃性と剛性のバランスに優れる上、ウエ
ルド外観などの外観性能が良好で、かつ低光沢性を有
し、艶消し塗装の省略化が可能な、例えば耐候性を付与
するために艶消し塗装が施されているABS樹脂の代替
も可能なインストルメントパネルなどの自動車内装部材
用のポリプロピレン系樹脂組成物および自動車用内装部
材を提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の好
ましい性質を有する自動車内装部材用のポリプロピレン
系樹脂組成物を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、昇温
分別法により分別される各成分が特定の比率及び性状を
有する結晶性ポリプロピレン系重合体含有組成物、ある
いは該組成物と、無機充填剤とを特定の割合で含有する
ポリプロピレン系樹脂組成物により、その目的を達成し
うることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて
完成したものである。すなわち、本発明は(A)o−ジ
クロロベンゼンを用いた昇温分別法において、(イ)3
0℃のo−ジクロロベンゼン可溶分、(ロ)30℃より
高く105℃以下のo−ジクロロベンゼン可溶分及び
(ハ)105℃のo−ジクロロベンゼン不溶分に分別す
ることができ、かつ(1)(イ)成分の極限粘度〔η〕
(135℃、デカリン中)が2.0〜10デシリットル/
gであり、(2)(ハ)成分が、溶融粘弾性測定から得
られる角周波数ωが100 /secでの緩和時間τが0.
01〜0.35秒であって、溶融粘弾性測定から得られる
貯蔵弾性率(G' )が2×102 Paとなるような角周
波数をω1 、2×104 Paとなるような角周波数をω
2 としたとき、ω2 /10ω1 で表される分子量分布指
数(PDI)が1〜18であり、さらに、(3)(ロ)
成分量/〔(ロ)成分量+(ハ)成分量〕重量比が0〜
0.20であって、及び(4)(イ)成分量/〔(イ)成
分量+(ロ)成分量+(ハ)成分量〕重量比が0.03〜
0.35である結晶性ポリプロピレン系重合体含有組成物
50〜100重量%と、(B)無機充填剤50〜0重量
%とからなる自動車内装部材用ポリプロピレン系樹脂組
成物を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の樹脂組成物において、
(A)成分として用いられる結晶性ポリプロピレン系重
合体含有組成物は、昇温分別法により、(イ)30℃の
o−ジクロロベンゼン(ODCB)可溶分,(ロ)30
℃より高く105℃以下のODCB可溶分及び(ハ)1
05℃のODCB不溶分に分別される。なお、この昇温
分別法は、以下に示す方法により実施される。すなわ
ち、試料20gをODCB300ミリリットルに加え、
約150℃で完全に溶解したのち、この溶液をシリカゲ
ルカラム(径100mm、高さ300mm)に注入し、
5℃/時間の速度で23℃まで降温する。次いで30℃
まで昇温し、温度が一定となったところで30℃のOD
CB可溶分〔(イ)成分〕を取り出し分離する。次い
で、ODCBを5ミリリットル/分で流しながら105
℃に昇温して、温度が一定となったところで、ポリマー
を溶出させ、5倍容量のアセトン中に再沈殿させてポリ
マーを回収し、30℃より高く105℃以下のODCB
可溶分〔(ロ)成分〕とする。次に、ODCBを5ミリ
リットル/分で流しながら135℃まで昇温し、ポリマ
ーを完全に溶出させたのち、5倍容量のアセトン中に再
沈殿させてポリマーを回収し、105℃のODCB不溶
分〔(ハ)成分〕とする。上記(イ)成分は、主として
非晶性ポリマー成分、特に熱可塑性のエラストマー成分
を示し、このエラストマー成分としては、例えば、プロ
ピレン−エチレンブロック共重合体組成物中のエチレン
と他のα−オレフィン(例えばプロピレンなど)とのラ
ンダム共重合体が挙げられる。この共重合体中のエチレ
ン単位含有量は、通常25〜60重量%、好ましくは3
5〜50重量%である。またこの(イ)成分のエラスト
マーとしては、これらに限定されるものではなく、一般
にエラストマーとして常用されている、エチレン−α−
オレフィン共重合体エラストマー、水素添加エチレン−
α−オレフィン−ジエン共重合体エラストマー、水素添
加スチレン−ジエン共重合体エラストマーあるいはこれ
ら二種以上の混合物であってもよい。また(ロ)成分と
しては、特に制限はないが通常低結晶性のポリプロピレ
ン系樹脂やポリエチレン系樹脂などが挙げられる。さら
に、(ハ)成分は主として結晶性ポリプロピレン系樹脂
成分を示し、この結晶性ポリプロピレン系樹脂は、プロ
ピレンの単独重合体であってもよく、またプロピレンと
2重量%以下のエチレンなどの他のα−オレフィンとの
共重合体であってもよい。
【0007】本発明においては、上記(イ)成分の極限
粘度〔η〕(135℃、デカリン中)が2.0〜10デシ
リットル/gである。この〔η〕が2.0デシリットル/
g未満では得られる成形品はウエルド外観が悪く、かつ
シボ面での低光沢性が不充分である。また、〔η〕が1
0デシリットル/gを超えるとフローマークが発生する
など成形性が低下する。ウエルド外観、シボ面での低光
沢性及び成形性などの面から、好ましい〔η〕は2.2〜
9.0デシリットル/gであり、特に2.4〜8.0デシリッ
トル/gが好適である。また、上記(ハ)成分は、溶融
粘弾性測定から得られる角周波数ωが100 /secで
の緩和時間τが0.01〜0.35秒である。この緩和時間
τが0.35秒を超えると得られる成形品はウエルド外観
が不良となり、かつシボ面での低光沢性が不充分である
上、色ムラが発生しやすくなる。外観及びシボ面での低
光沢性などの面から、好ましい緩和時間τは0.02〜0.
30秒であり、特に0.02〜0.25秒が好適である。な
お、この緩和時間τはレオメトリックス社製システム4
〔回転型レオメーター,コーンプレート(25mm
φ),コーンアングル:0.1ラジアン〕を用い、温度1
75℃において角周波数ω=100 /secで正弦的な
剪断歪みを加え、貯蔵弾性率G’と損失弾性率G''とか
ら、関係式=G’/ωG''を用いて算出した値である。
【0008】また、この(ハ)成分は、溶融粘弾性測定
から得られる貯蔵弾性率(G’)が2×102 Paとな
るような角周波数をω1 、2×104 Paとなるような
角周波数をω2 としたとき、ω2 /10ω1 で表される
分子量分布指数(PDI)が1〜18である。このPD
Iが18を超えると得られる成形品はウエルド外観が不
良となり、かつシボ面での低光沢性が不充分である上、
色ムラが発生しやすくなる、外観及び低光沢性などの面
から、好ましい分子量分布指数(PDI)は2〜16で
あり、特に2〜14が好適である。なお、このPDI
は、測定機器としてレオメトリックス社製システム4
〔回転型レオメーター,コーンプレート(25mm
φ),コーンアングル:0.1ラジアン〕を用い、測定条
件:175℃,歪30%で測定を行い求めた。
【0009】さらに、この(ハ)成分のアイソタクチッ
クペンタッド分率は、通常91%以上である。この分率
が91%未満では剛性が不充分であって、低比重化(フ
ィラー含有量の低減)が困難となる。剛性の点から、好
ましいアイソタクチックペンタッド分率は93%以上で
あり、特に94%以上が好適である。このアイソタクチ
ックペンタッド分率は、プロピレン重合体の分子鎖中の
ペンタッド単位でのアイソタクチック分率であり、「マ
クロモレキュルズ(Macromolecules) 」第8巻,第68
7ページ(1975年)に記載の方法に従って測定する
ことができる。
【0010】本発明においては、該アイソタクチックペ
ンタッド分率は、日本電子(株)製のJNM−EX40
0型NMR装置を用い、試料溶媒1,2,4−トリクロ
ロベンゼン/ベンゼンd6 =9/1,測定温度130
℃,積算回数4,000回,パルス角度45°,パルス間
隔4secの条件で、13C−NMRの測定を行い、求め
た値である。この昇温分別法における各成分の割合につ
いては、(ロ)成分量/〔(ロ)成分量+(ハ)成分
量〕重量比が0〜0.20の範囲にある。この重量比が0.
20を超えると得られる成形品のウエルド外観が不良と
なり、かつシボ面での低光沢性が不充分である上、フロ
ーマークや色むらが発生しやすくなる。外観及びシボ面
での低光沢性などの面から、好ましい(ロ)成分/
〔(ロ)成分量+(ハ)成分量〕重量比は0〜0.15の
範囲であり、特に0〜0.12の範囲が好適である。ま
た、(イ)成分量/〔(イ)成分量+(ロ)成分量+
(ハ)成分量〕重量比は0.03〜0.35の範囲である。
この重量比が0.03未満では得られる成形品の耐衝撃性
が充分ではなく、またウエルド外観,シボ面での低光沢
性が不充分となり、0.35を超えるとウエルド外観が不
良となり、かつシボ面での低光沢性が不充分である上、
フローマークや色ムラが発生しやすく、しかも剛性が不
充分となる。外観,シボ面での低光沢性,耐衝撃性及び
剛性などのバランスの面から、好ましい(イ)成分量/
〔(イ)成分量+(ロ)成分量及び(ハ)成分量〕重量
比は0.05〜0.30の範囲であり、特に0.07〜0.25
の範囲が好適である。
【0011】さらに、該(A)成分の結晶性ポリプロピ
レン系重合体含有組成物は、温度230℃,荷重2.16
kgfの条件で測定したメルトインデックス(MI)が
1〜100g/10分の範囲にあるものが好ましい。こ
のMIが1g/10分未満では流動性が低くて成形性が
悪く、また100g/10分を超えると成形品の機械物
性が低下する。成形性及び機械物性のバランスの面か
ら、より好ましいMIは5〜70g/10分、特に好ま
しくは10〜40g/10分の範囲である。なお、この
MIはJIS K−7210に準拠して求めた値であ
る。この(A)成分の結晶性ポリプロピレン系重合体含
有組成物は、前記条件を満たすものであればよく、特に
制限されず、例えばプロピレン−エチレンブロック共重
合体組成物であってもよく、また結晶性ポリプロピレン
及び/又はプロピレン−エチレンブロック共重合体組成
物100重量部に対して、非晶性エチレン−α−オレフ
ィン共重合体エラストマーなどの熱可塑性エラストマー
類及び/又はポリエチレン系樹脂類を0.5〜50重量部
程度の割合で含有させたものであってもよい。上記プロ
ピレン−エチレンブロック共重合体組成物は、主とし
て、プロピレン単独重合体又はエチレン単位の含有量が
少ないプロピレン−エチレンランダム共重合体からなる
結晶部と、エチレン単位の含有量が比較的多いエチレン
−プロピレンランダム共重合体からなる非晶部とから構
成されている組成物である。また、このプロピレン−エ
チレンブロック共重合体組成物は、上記結晶部又は非晶
部がブテン−1などの他のα−オレフィン単位を適当な
割合で含有するものであってもよい。このプロピレン−
エチレンブロック共重合体組成物は、通常エチレン単位
含有量が3〜30重量%である。この含有量が3重量%
未満では、得られる成形品はウエルド外観が不良で、か
つシボ面での低光沢性及び耐衝撃性が不充分である。ウ
エルド外観、シボ面での低光沢性及び耐衝撃性などの面
から、好ましいエチレン単位含有量は4〜25重量%で
あり、特に5〜20重量%の範囲が好適である。
【0012】(A)成分の結晶性ポリプロピレン系重合
体含有組成物の製造方法については、前記要件を満たす
結晶性ポリプロピレン系重合体含有組成物が得られる方
法であればよく、特に制限されず、様々な方法が挙げら
れる。例えば、別々に重合して得られた各成分をブレン
ドする方法、あるいは、次に示すように、(a)(i)
マグネシウム,チタン,ハロゲン原子及び電子供与体か
らなる固体触媒成分、及び必要に応じて用いられる(i
i)結晶性ポリオレフィンから構成される固体成分と、
(b)有機アルミニウム化合物と、通常用いられる
(c)電子供与性化合物とからなる触媒系の存在下、多
段重合を行い、プロピレン−エチレンブロック共重合体
組成物を製造する方法などがある。次に、多段重合法に
よるプロピレン−エチレンブロック共重合体組成物の製
造方法について説明する。
【0013】この多段重合に用いられる触媒系におい
て、前記(a)固体成分は、(i)成分のマグネシウ
ム,チタン,ハロゲン原子及び電子供与体からなる固体
触媒成分と、必要に応じて用いられる(ii)成分の結晶
性ポリオレフィンとから構成されている。該(i)成分
の固体触媒成分は、マグネシウム,チタン,ハロゲン原
子及び電子供与体を必須成分とするものであって、マグ
ネシウム化合物とチタン化合物と電子供与体とを接触さ
せることによって調製することができる。なおこの場
合、ハロゲン原子は、ハロゲン化物としてマグネシウム
化合物及び/又はチタン化合物などに含まれる。該マグ
ネシウム化合物としては、例えば、マグネシウムジクロ
リドなどのマグネシウムジハライド,酸化マグネシウ
ム,水酸化マグネシウム,ハイドロタルサイト,マグネ
シウムのカルボン酸塩,ジエトキシマグネシウムなどの
アルコキシマグネシウム,アリロキシマグネシウム,ア
ルコキシマグネシウムハライド,アリロキシマグネシウ
ムハライド,エチルブチルマグネシウムなどのアルキル
マグネシウム,アルキルマグネシウムハライドあるいは
有機マグネシウム化合物と電子供与体,ハロシラン,ア
ルコキシシラン,シラノール及びアルミニウム化合物等
などの反応物などを挙げることができるが、これらの中
でマグネシウムハライド,アルコキシマグネシウム,ア
ルキルマグネシウム,アルキルマグネシウムハライドが
好適である。またこれらのマグネシウム化合物は一種だ
けで用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0014】また、マグネシウム化合物として、金属マ
グネシウムとハロゲンとアルコールとの反応生成物を用
いることもできる。この際用いられる金属マグネシウム
は特に制限はなく、任意の粒径の金属マグネシウム、例
えば、顆粒状,リボン状,粉末状などのものを用いるこ
とができる。また、金属マグネシウムの表面状態も特に
制限はないが、表面に酸化マグネシウムなどの被膜が生
成されていないものが好ましい。さらに、アルコールと
しては任意のものを用いることができるが、炭素数1〜
6の低級アルコールを用いることが好ましく、特に、エ
タノールは触媒性能の発現を著しく向上させる固体触媒
成分を与えるので好適である。アルコールの純度及び含
水量も限られないが、含水量の多いアルコールを用いる
と金属マグネシウム表面に水酸化マグネシウムが形成さ
れるので、含水量が1重量%以下、特に2000ppm
以下のアルコールを用いることが好ましく、水分は少な
ければ少ないほど有利である。
【0015】ハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物の
種類に制限はなく、ハロゲン含有化合物としては、ハロ
ゲン原子をその分子中に含む化合物であればいずれのも
のでも使用できる。この場合、ハロゲン原子の種類につ
いては特に制限されないが、塩素,臭素又はヨウ素、特
にヨウ素が好適に使用される。ハロゲン含有化合物の中
ではハロゲン含有金属化合物が特に好ましい。これらの
状態,形状,粒度などは特に限定されず、任意のもので
よく、例えば、アルコール系溶媒(例えば、エタノー
ル)中の溶液の形で用いることができる。アルコールの
使用量は、金属マグネシウム1モルに対して2〜100
モル、好ましくは5〜50モルの範囲で選ばれる。アル
コール量が多すぎると、モルフォロジーの良好なマグネ
シウム化合物が得られにくい傾向がみられ、少ない場合
は、金属マグネシウムとの反応が円滑に行われなくなる
おそれがある。
【0016】ハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物は
通常、金属マグネシウム1グラム原子に対して、ハロゲ
ン原子として0.0001グラム原子以上、好ましくは0.
0005グラム原子以上、さらに好ましくは0.001グ
ラム原子以上の割合で用いられる。0.0001グラム原
子未満では、得られたマグネシウム化合物を粉砕するこ
となく用いた場合、担持量,活性,立体規則性,生成ポ
リマーのモルフォロジーなどが低下し、粉砕処理が不可
欠なものとなり好ましくない。また、ハロゲン及び/又
はハロゲン含有化合物の使用量を適宜選択することによ
り、得られるマグネシウム化合物の粒径を任意にコント
ロールすることが可能である。
【0017】金属マグネシウムとアルコールとハロゲン
及び/又はハロゲン含有化合物との反応それ自体は、公
知の方法を用いて行うことができる。例えば、金属マグ
ネシウムとアルコールとハロゲン及び/又はハロゲン含
有化合物とを、還流下で、水素ガスの発生が認められな
くなるまで、通常約20〜30時間反応させて所望のマ
グネシウム化合物を得る方法である。具体的には、例え
ばハロゲンとしてヨウ素を用いる場合には、アルコール
中に金属マグネシウム及び固体状のヨウ素を投入したの
ち、加熱し還流する方法、アルコール中に金属マグネシ
ウム及びヨウ素のアルコール溶液を滴下投入後加熱し還
流する方法、金属マグネシウムを含むアルコール溶液を
加熱しつつヨウ素のアルコール溶液を滴下する方法など
が挙げられる。いずれの方法も、例えば窒素ガス,アル
ゴンガスなどの不活性ガス雰囲気下で、場合により不活
性有機溶媒(例えば、n−ヘキサンなどの飽和炭化水
素)を用いて行うことが好ましい。金属マグネシウム、
アルコール、ハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物の
投入については、最初からそれぞれ全量を反応槽に投入
しておく必要はなく、分割して投入してもよい。特に好
ましい形態は、アルコールを最初から全量投入してお
き、金属マグネシウムを数回に分割して投入する方法で
ある。
【0018】このようにした場合、水素ガスの一時的な
大量発生を防ぐことができ、安全面から非常に望まし
い。また、反応槽も小型化することが可能となる。さら
には、水素ガスの一時的な大量発生により引き起こされ
るアルコールやハロゲン及び/又はハロゲン含有化合物
の飛沫同伴を防ぐことも可能となる。分割する回数は、
反応槽の規模を勘案して決めればよく、操作の煩雑さを
考えると通常5〜10回が好適である。また、反応自体
は、バッチ式,連続式のいずれでもよいことは言うまで
もない。さらには、変法として、最初から全量投入した
アルコール中に金属マグネシウムを先ず少量投入し、反
応により生成した生成物を別の槽に分離して除去したの
ち、再び金属マグネシウムを少量投入するという操作を
繰り返すということも可能である。こうして得たマグネ
シウム化合物を、次の固体触媒成分の調製に用いる場
合、乾燥させたものを用いてもよく、またろ別後ヘプタ
ンなどの不活性溶媒で洗浄したものを用いてもよい。い
ずれの場合においても、得られたマグネシウム化合物
は、粉砕あるいは粒度分布を揃えるための分級操作をす
ることなく次工程に用いることができる。
【0019】また、該チタン化合物としては、例えば、
テトラメトキシチタン,テトラエトキシチタン,テトラ
−n−プロポキシチタン,テトライソプロポキシチタ
ン,テトラ−n−ブトキシチタン,テトライソブトキシ
チタン,テトラシクロヘキシロキシチタン,テトラフェ
ノキシチタンなどのテトラアルコキシチタン、四塩化チ
タン,四臭化チタン,四ヨウ化チタンなどのテトラハロ
ゲン化チタン、メトキシチタニウムトリクロリド,エト
キシチタニウムトリクロリド,プロポキシチタニウムト
リクロリド,n−ブトキシチタニウムトリクロリド,エ
トキシチタニウムトリブロミドなどのハロゲン化アルコ
キシチタン、ジメトキシチタニウムジクロリド,ジエト
キシチタニウムジクロリド,ジプロポキシチタニウムジ
クロリド,ジ−n−ブトキシチタニウムジクロリド,ジ
エトキシチタニウムジブロミドなどのジハロゲン化ジア
ルコキシチタン、トリメトキシチタニウムクロリド,ト
リエトキシチタニウムクロリド,トリプロポキシチタニ
ウムクロリド,トリ−n−ブトキシチタニウムクロリド
などのモノハロゲン化トリアルコキシチタンなどが挙げ
られるが、これらの中で高ハロゲン含有チタン化合物、
特に四塩化チタンが好適である。またこれらのチタン化
合物は一種だけで用いてもよく、二種以上を組み合わせ
て用いてもよい。
【0020】そして、電子供与体としては、後で(c)
成分の電子供与性化合物として例示するものを用いるこ
とができる。該(i)固体触媒成分の調製は、公知の方
法(特開昭53−43094号公報,特開昭55−13
5102号公報,特開昭55−135103号公報,特
開昭56−18606号公報,特開昭56−16620
5号公報,特開昭57−63309号公報,特開昭57
−190004号公報,特開昭57−300407号公
報,特開昭58−47003号公報)で行うことができ
る。
【0021】このようにして調製された(i)固体触媒
成分の組成は通常、マグネシウム/チタン原子比が2〜
100、ハロゲン/チタン原子比が5〜100、電子供
与体/チタンモル比が0.1〜10の範囲にある。また、
(a)固体成分の調製において必要に応じて用いられる
(ii)成分の結晶性ポリオレフィンとしては、例えば、
ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリブテン,ポリ4−
メチル−1−ペンテンなどの炭素数2〜10のα−オレ
フィンから得られる結晶性ポリオレフィンが挙げられ
る。この結晶性ポリオレフィンは、(1)前記(i)固
体触媒成分と有機アルミニウム化合物と必要に応じて用
いられる電子供与性化合物とを組み合わせたものの存在
下に、プロピレンを予備重合させる方法(予備重合
法)、(2)粒径の揃った結晶性ポリエチレンやポリプ
ロピレンなどの結晶性パウダーに、前記(i)固体触媒
成分と必要に応じて用いられる有機アルミニウム化合物
と電子供与性化合物(融点100℃以上)とを分散させ
る方法(分散法)、(3)上記(1)の方法と(2)の
方法とを組み合わせる方法などを用いることにより得る
ことができる。
【0022】前記(1)の予備重合法においては、アル
ミニウム/チタン原子比は通常0.1〜100、好ましく
は0.5〜5の範囲で選ばれ、また電子供与化合物/チタ
ンのモル比は0〜50、好ましくは0.1〜2の範囲で選
ばれる。 (a)固体成分における、(i)固体触媒成分と(ii)
結晶性ポリオレフィンとの割合については、(i)成分
に対する(ii)成分の重量比が通常、0.03〜200、
好ましくは0.10〜50の範囲になるように選ばれる。
次に、(b)成分として用いられ有機アルミニウム化合
物としては、一般式(I) AlR1 p 3-p ・・・(I) 〔式中、R1 は炭素数3〜20のアルキル基又は炭素数
6〜20のアリール基、Xはハロゲン原子、pは1〜3
の数を示す。〕で表される化合物を挙げることができ
る。例えば、トリイソプロピルアルミニウム,トリイソ
ブチルアルミニウム,トリオクチルアルミニウムなどの
トリアルキルアルミニウム,ジエチルアルミニウムモノ
クロリド,ジイソプロピルアルミニウムモノクロリド,
ジイソブチルアルミニウムモノクロリド,ジオクチルア
ルミニウムモノクロリドなどのジアルキルアルミニウム
モノハライド,エチルアルミニウムセスキクロリドなど
のアルキルアルミニウムセスキハライドなどを好適に使
用することができる。これらのアルミニウム化合物は一
種だけで用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いて
もよい。
【0023】さらに、該触媒には、通常(c)成分とし
て電子供与性化合物が用いられる。この電子供与性化合
物は、酸素,窒素,リン,イオウ,ケイ素などを含有す
る化合物であり、基本的にはプロピレンの重合におい
て、規則性の向上性能を有するものが考えられる。この
ような電子供与性化合物としては、例えば、有機ケイ素
化合物,エステル類,チオエステル類,アミン類,ケト
ン類,ニトリル類,ホスフィン類,エーテル類,チオエ
ーテル類,酸無水物,酸ハライド類,酸アミド類,アル
デヒド類,有機酸類,アゾ化合物などを挙げることがで
きる。
【0024】例えば、ジフェニルジメトキシシラン,ジ
フェニルジエトキシシラン,シクロヘキシルメチルジメ
トキシシラン,ジシクロペンチルジメトキシシラン,ジ
イソプロピルジメトキシシラン,t−ブチル−n−プロ
ピルジメトキシシラン,ジベンジルジメトキシシラン,
テトラメトキシシラン,テトラエトキシシラン,テトラ
フェノキシシラン,メチルトリメトキシシラン,メチル
トリエトキシシラン,メチルトリフェノキシシラン,フ
ェニルトリメトキシシラン,フェニルトリエトキシシラ
ン,ベンジルトリメトキシシランなどの有機ケイ素化合
物、モノメチルフタレート,モノエチルフタレート,モ
ノプロピルフタレート,モノブチルフタレート,モノイ
ソブチルフタレート,モノアミルフタレート,モノイソ
アミルフタレート,モノメチルテレフタレート,モノエ
チルテレフタレート,モノプロピルテレフタレート,モ
ノブチルテレフタレート,モノイソブチルテレフタレー
ト,ジメチルフタレート,ジエチルフタレート,ジプロ
ピルフタレート,ジブチルフタレート,ジイソブチルフ
タレート,ジアミルフタレート,ジイソアミルフタレー
ト,メチルエチルフタレート,メチルイソブチルフタレ
ート,メチルプロピルフタレート,エチルブチルフタレ
ート,エチルイソブチルフタレート,エチルプロピルフ
タレート,プロピルイソブチルフタレート,ジメチルテ
レフタレート,ジエチルテレフタレート,ジプロピルテ
レフタレート,ジイソブチルテレフタレート,メチルエ
チルテレフタレート,メチルイソブチルテレフタレー
ト,メチルプロピルテレフタレート,エチルブチルテレ
フタレート,エチルイソブチルテレフタレート,エチル
プロピルテレフタレート,プロピルイソブチルテレフタ
レート,ジメチルイソフタレート,ジエチルイソフタレ
ート,ジプロピルイソフタレート,ジイソブチルイソフ
タレート,メチルエチルイソフタレート,メチルイソブ
チルイソフタレート,メチルプロピルイソフタレート,
エチルブチルイソフタレート,エチルイソブチルイソフ
タレート,エチルプロピルイソフタレート,プロピルイ
ソブチルイソフタレートなどの芳香族ジカルボン酸エス
テル、ギ酸メチル,ギ酸エチル,酢酸メチル,酢酸エチ
ル,酢酸ビニル,酢酸プロピル,酢酸オクチル,酢酸シ
クロヘキシル,プロピオン酸エチル,酪酸メチル,酪酸
エチル,吉草酸エチル,クロル酢酸メチル,ジクロル酢
酸エチル,メタクリル酸メチル,クロトン酸エチル,ビ
バリン酸エチル,マレイン酸ジメチル,シクロヘキサン
カルボン酸エチル,安息香酸メチル,安息香酸エチル,
安息香酸プロピル,安息香酸ブチル,安息香酸オクチ
ル,安息香酸シクロヘキシル,安息香酸フェニル,安息
香酸ベンジル,トルイル酸メチル,トルイル酸エチル,
トルイル酸アミル,エチル安息香酸エチル,アニス酸メ
チル,アニス酸エチル,エトキシ安息香酸エチル,p−
ブトキシ安息香酸エチル,o−クロル安息香酸エチル,
ナフトエ酸エチルなどのモノエステル、γ−ブチロラク
トン,δ−バレロラクトン,クマリン,フタリド,炭酸
エチレンなどのエステル類、安息香酸,p−オキシ安息
香酸などの有機酸類、無水コハク酸,無水安息香酸,無
水p−トルイル酸などの酸無水物、アセトン,メチルエ
チルケトン,メチルイソブチルケトン,アセトフェノ
ン,ベンゾフェノン,ベンゾキノンなどのケトン類、ア
セトアルデヒド,プロピオンアルデヒド,オクチルアル
デヒド,トルアルデヒド,ベンズアルデド,ナフチルア
ルデヒドなどのアルデヒド類、アセチルクロリド,アセ
チルブロミド,プロピオニルクロリド,ブチリルクロリ
ド,イソブチリルクロリド,2−メチルプロピオニルク
ロリド,バレリルクロリド,イソバレリルクロリド,ヘ
キサノイルクロリド,メチルヘキサノイルクロリド,2
−エチルヘキサノイルクロリド,オクタノイルクロリ
ド,デカノイルクロリド,ウンデカノイルクロリド,ヘ
キサデカノイルクロリド,オクタデカノイルクロリド,
ベンジルカルボニルクロリド,シクロヘキサンカルボニ
ルクロリド,マロニルジクロリド,スクシニルジクロリ
ド,ペンタンジオレイルジクロリド,ヘキサンジオレイ
ルジクロリド,シクロヘキサンジカルボニルジクロリ
ド,ベンゾイルクロリド,ベンゾイルブロミド,メチル
ベンゾイルクロリド,フタロイルクロリド,イソフタロ
イルクロリド,テレフタロイルクロリド,ベンゼン−
1,2,4−トリカルボニルトリクロリドなどの酸ハロ
ゲン化物類、メチルエーテル,エチルエーテル,イソプ
ロピルエーテル,n−ブチルエーテル,イソプロピルメ
チルエーテル,イソプロピルエチルエーテル,t−ブチ
ルエチルエーテル,t−ブチル−n−プロピルエーテ
ル,t−ブチル−n−ブチルエーテル,t−アミルメチ
ルエーテル,t−アミルエチルエーテル,アミルエーテ
ル,テトラヒドロフラン,アニソール,ジフェニルエー
テル,エチレングリコールブチルエーテルなどのエーテ
ル類、酢酸アミド,安息香酸アミド,トルイル酸アミド
などの酸アミド類、トリブチルアミン,N、N’−ジメ
チルピペラジン,トリベンジルアミン,アニリン,ピリ
ジン,ピロリン,テトラメチルエチレンジアミンなどの
アミン類、アセトニトリル,ベンゾニトリル,トルニト
リルなどのニトリル類、2,2’−アゾビス(2−メチ
ルプロパン),2,2’−アゾビス(2−エチルプロパ
ン),2,2’−アゾビス(2−メチルペンタン)など
のアゾ結合に立体障害置換基が結合してなるアゾ化合物
などが挙げられる。
【0025】これらの中で有機ケイ素化合物、エステル
類,ケトン類,エーテル類,チオエーテル類,酸無水
物,酸ハライド類が好ましく、特に、ジフェニルジメト
キシシラン,シクロヘキシルジメトキシシラン,ジシク
ロペンチルジメトキシシラン,t−ブチル−n−プロピ
ルジメトキシシランなどの有機ケイ素化合物、ジ−n−
ブチルフタレート,ジイソブチルフタレートなどの芳香
族ジカルボン酸ジエステル、安息香酸,p−メトキシ安
息香酸,p−エトキシ安息香酸,トルイル酸などの芳香
族モノカルボン酸のアルキルエステルなどが好適であ
る。これらの電子供与性化合物は一種だけで用いてもよ
く、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0026】触媒系の各成分の使用量については、
(a)固体成分はチタン原子に換算して反応容積1リッ
トル当たり、通常0.0005〜1モルの範囲になるよう
な量が用いられる。また、(b)有機アルミニウム化合
物は、アルミニウム/チタン原子の比が、通常1〜30
00、好ましくは40〜800になるような量が用いら
れ、この量が前記範囲を逸脱すると触媒活性が不充分に
なるおそれがある。以上、チーグラー系の固体触媒を用
いる場合について、詳しく述べたが、触媒としては近年
注目されているメタロセン系の触媒を用いることもでき
る。 (A)成分として用いる結晶性ポリプロピレン系重合体
含有組成物は、各種の方法で得ることができるが、例え
ば前記した触媒系の存在下、多段重合によって製造する
ことができる。多段重合における重合順序、及び重合段
数は任意に選ぶことができる。例えば、最初の重合(第
一段重合)は結晶性プロピレン系重合体が得られるよう
にプロピレンの単独重合又は共重合(2重量%以下のエ
チレンや他のオレフィンを含有する)を行い、第二段以
降でエチレンとプロピレンとのランダム共重合やエチレ
ンとプロピレンと他のα−オレフィンやポリエンとのラ
ンダム共重合を行うことができる。ここで、他のα−オ
レフィンとしては、例えばブテン−1,ペンテン−1,
ヘキセン−1などの直鎖状α−オレフィン、3−メチル
ブテン−1;4−メチルペンテン−1などの分岐状α−
オレフィンが挙げられ、これらは単独で用いてもよく、
二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、ポリエン
としては、例えばジシクロペンタジエン,トリシクロペ
ンタジエンなどが挙げられ、これらは単独で用いてもよ
く、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0027】プロピレン−エチレンブロック共重合体組
成物を製造する場合、その重合条件としては、前記した
ように、結晶部〔(ハ)成分〕の緩和時間τが0.01〜
0.35秒、好ましくは0.02〜0.30秒、より好ましく
は0.02〜0.25秒に、かつ分子量分布指数(PDI)
が1〜18、好ましくは2〜16、より好ましくは2〜
14となるように、また、非晶部〔(イ)成分〕の極限
粘度〔η〕が2.0〜10デシリットル/g、好ましくは
2.2〜9.0デシリットル/g、より好ましくは2.4〜8.
0デシリットル/gとなるように選択すればよい。
【0028】気相重合により重合を行う場合、プロピレ
ンの単独重合段階については、重合圧力は通常1〜20
0kg/cm2 G、好ましくは1〜100kg/cm2
G、重合温度は通常40〜100℃、好ましくは50〜
90℃の範囲で適宜選ばれる。また、エチレン−プロピ
レン共重合段階やエチレン−プロピレン−他のα−オレ
フィンやポリエン共重合段階については、重合圧力は通
常1〜150kg/cm2 G、好ましくは1〜100k
g/cm2 G、重合温度は通常30〜100℃、好まし
くは30〜80℃の範囲で適宜選ばれる。いずれの段階
においても、重合体の分子量調節は、公知の手段、例え
ば、重合器中の水素濃度を調節することにより行うこと
ができる。重合時間は5分〜10時間程度で適宜選ばれ
る。
【0029】重合に際しては、触媒系を構成する各成
分、すなわち、(a)〜(c)成分を所定の割合で混合
し、接触させたのち、ただちにモノマーを導入し、重合
を開始してもよいし、接触後0.2〜3時間程度熟成させ
たのち、モノマーを導入してもよい。さらに、この触媒
成分は不活性溶媒やオレフィンなどに懸濁して供給する
ことができる。特に、結晶性のポリプロピレンの重合段
階において、重合の均一性を確保し、得られる重合体の
均一性、すなわち分子量分布が広くならないような触
媒、重合条件を選択することが好ましい。重合後の後処
理は常法により行うことができる。すなわち、気相重合
法においては、重合後、重合器から導出されるポリマー
粉体に、その中に含まれるモノマーなどを除くために、
窒素気流などを通過させてもよい。また、所望に応じて
押出機によりペレット化してもよく、その際、触媒を完
全に失活させるために、少量の水、アルコールなどを添
加することもできる。また、バルク重合法においては、
重合後、重合器から導出されるポリマーから完全にモノ
マーを分離したのち、ペレット化することもできる。本
発明の樹脂組成物においては、この(A)成分の結晶性
ポリプロピレン系重合体含有組成物は一種用いてもよ
く、二種以上を組み合わせて用いてもよい。また、本発
明の目的が損なわれない範囲で、所望によりポリエチレ
ン系樹脂などの他の熱可塑性樹脂やゴム状弾性体を含有
させてもよい。
【0030】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物に
は、(B)成分として無機充填剤が用いられる。この無
機充填剤としては、例えばシリカ,ケイ藻土,バリウム
フェライト,酸化ベリリウム,軽石,軽石バルーンなど
の酸化物、水酸化アルミニルム,水酸化マグネシウム,
塩基性炭酸マグネシウムなどの水酸化物、炭酸カルシウ
ム,炭酸マグネシウム,ドロマイト,ドーソナイトなど
の炭酸塩、硫酸カルシウム,硫酸マグネシウム、硫酸バ
リウム,硫酸アンモニウム,亜硫酸カルシウムなどの硫
酸塩又は亜硫酸塩、タルク,クレー,マイカ,アスベス
ト,ガラス繊維,ガラスバルーン,ガラスビーズ,ケイ
酸カルシウム,モンモリロナイト,ベントナイトなどの
ケイ酸塩、カーボンブラック,グラファイト,炭素繊
維,炭素中空球などの炭素類や、硫化モリブデン,ボロ
ン繊維,ホウ酸亜鉛,メタホウ酸バリウム,ホウ酸カル
シウム,ホウ酸ナトリウム,マグネシウムオキシサルフ
ェイト繊維,各種金属繊維などを挙げることができる。
これらの無機充填剤は一種用いてもよく、二種以上を組
み合わせて用いてもよいが、これらの中で、タルク、マ
イカ、炭酸カルシウム、硫酸マグネシウムウイスカー、
ガラス繊維が好ましく、特にタルクが好ましい。このタ
ルクの大きさとしては、得られる成形品の剛性、耐衝撃
性、耐傷付き白化性、ウエルド外観、光沢ムラなどの物
性等の点から、平均粒径1〜8μm で、平均アスペクト
比が4以上のものが好適である。特に加工粉砕法によっ
て得られたものが、物性、剛性などの点でとりわけ好ま
しい。
【0031】本発明の樹脂組成物において、前記(A)
成分の結晶性ポリプロピレン系重合体含有組成物と
(B)成分の無機充填剤との配合割合は、(A)成分が
50〜100重量%及び(B)成分が50〜0重量%の
範囲で選定される。(B)成分は低光沢性,ウエルド外
観等の改善のためには特に配合する必要はないが、剛
性,塗装性を改良するためには1〜50重量%、好まし
くは5〜40重量%含有することが望ましい。(B)成
分の含有量が1重量%未満では得られる成形品は剛性な
どの機械物性が不充分であり、また50重量%を超える
とウエルド外観が不良となり、かつフローマークなどが
発生しやすい上、耐衝撃性及び成形性が低下する。外
観,剛性,耐衝撃性,成形性などのバランスの面から、
(A)成分と(B)成分の好ましい配合割合は、(A)
成分が60〜95重量%及び(B)成分が40〜5重量
%の範囲であり、特に(A)成分が65〜90重量%及
び(B)成分が35〜10重量%の範囲が好適である。
本発明の樹脂組成物においては、所望により、顔料,核
剤,耐候剤,酸化防止剤,帯電防止剤,難燃剤,分散剤
などの公知の添加剤を配合することができる。本発明の
ポリプロピレン系樹脂組成物の調製方法については特に
制限はなく、例えば前記(A)成分,(B)成分及び必
要に応じて用いられる添加成分を、一軸押出機,二軸押
出機,バンバリーミキサー,ニーダ,ロールなどを用い
て溶融混練する方法等を採用できる。本発明の自動車用
内装部材は、このようにして得られたポリプロピレン系
樹脂組成物を、公知の射出成形法(射出圧縮成形法,ガ
ス注入射出成形法を含む)で成形することにより、得る
ことができる。
【0032】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。
【0033】製造例1 (1)マグネシウム化合物の調製 内容積500リットルの撹拌機付き反応槽を窒素ガスで
充分に置換したのち、エタノール約97.2kg,ヨウ素
640g及び金属マグネシウム6.4kgを投入し、撹拌
しながら還流条件下で系内から水素ガスの発生がなくな
るまで反応させ、固体状反応生成物を得た。この固体状
反応生成物を含む反応液を減圧下で乾燥させることによ
り、マグネシウム化合物(固体生成物)を得た。 (2)固体触媒成分の調製 窒素ガスで充分に置換した内容積500リットルの攪拌
機付反応槽に、上記(1)で得られたマグネシウム化合
物(粉砕していないもの)30kg,精製ヘプタン15
0リットル,四塩化珪素4.5リットル及びフタル酸ジエ
チル4.3リットルを加えた。系内を90℃に保ち、撹拌
しながら四塩化チタン144リットルを投入して110
℃で2時間反応させたのち、固体成分を分離して80℃
の精製ヘプタンで洗浄した。さらに、四塩化チタン22
8リットルを加え、110℃で2時間反応させたのち、
精製ヘプタンで充分に洗浄し、固体触媒成分を得た。
【0034】(3)重合前処理 内容積500リットルの撹拌翼付き反応槽に、n−ヘプ
タン230リットルを投入し、さらに、前記(2)で得
られた固体触媒成分25kgを加え、次いで、この固体
触媒成分中のチタン(Ti)1モルに対し、トリエチル
アルミニウムを0.6モル及びシクロヘキシルメチルジメ
トキシシランを0.4モルの割合で加えたのち、プロピレ
ンをプロピレン分圧で0.3kg/cm2 Gになるまで導
入し、25℃で4時間反応させた。反応終了後、固体触
媒成分をn−ヘプタンで数回洗浄し、二酸化炭素を供給
し24時間撹拌した。
【0035】(4)プロピレン−エチレンブロック共重
合体組成物(PB−1)の製造 まず、前段として内容積200リットルの撹拌翼付き重
合槽(ホモ重合槽)に、上記(3)の処理済の固体触媒
成分をTi原子に換算して3ミリモル/hrで、トリエ
チルアルミニウムを400ミリモル/hrで、シクロヘ
キシルメチルジメトキシシランを100ミリモル/hr
でそれぞれ供給し、重合温度80℃、プロピレン圧力2
8kg/cm2 Gで反応させた。この際、所定の分子量
(メルトインデックス(MI)を指標とする)になるよ
うに水素ガスを供給した。次に、ホモ重合槽から連続的
にパウダーを抜き出し、類似のランダム共重合槽へ移送
した。このランダム共重合槽では後段として、重合温度
55℃においてプロピレン及びエチレンを供給し、圧力
15kg/cm2 Gでランダム共重合を実施した。この
時、所定のエチレン含量になるように、プロピレンとエ
チレンの供給比を調整した。ランダム共重合槽から連続
的に抜き出したパウダーを造粒してペレットを得た。こ
のペレットのMIは15g/10分であった。なお、前
段重合で得られたホモ重合体パウダーのMIは22g/
10分であった。
【0036】(5)結晶性ポリプロピレン系重合体含有
組成物の調製 上記(4)で得られたプロピレン−エチレンブロック共
重合体組成物(PB−1)95重量部に、EPR〔エチ
レン−プロピレン共重合体エラストマー、プロピレン単
位含有量:23重量%、MI:0.8g/10分(230
℃,2.16kgf)〕を5重量部配合し、結晶性ポリプ
ロピレン系重合体含有組成物を調製した。このものにつ
いて、本文に記載した方法に従って、第1表に示す項目
を測定し、その結果も第1表に示した。
【0037】製造例2〜5 製造例1−(4)において、重合条件を一部変更した以
外は、製造例1−(4)に準じて実施し、プロピレン−
エチレンブロック共重合体組成物(PB−2〜5)を得
た。各共重合体組成物のMIは次のとおりである。 PB−2: 12g/10分(20g/10分) PB−3: 24g/10分(30g/10分) PB−4: 42g/10分(60g/10分) PB−5: 31g/10分(50g/10分) なお、( )内は前段重合で得られたホモ重合体パウダ
ーのMIである。このようにして得られたプロピレン−
エチレンブロック共重合体組成物(PB−2〜5)95
重量部に、第1表に示すようにEPR(前出)又はHD
PE〔高密度ポリエチレン、密度:0.968g/c
3 ,MI:5.3g/10分(190℃,2.16kg
f)〕を5重量部配合し、結晶性ポリプロピレン系重合
体含有組成物を調製した。このものについて、本文に記
載した方法に従って、第1表に示す項目を測定し、その
結果も第1表に示した。
【0038】比較製造例1〜6 市販のプロピレン−エチレンブロック共重合体組成物
(PBX−1〜6)、EPR(前出)及びHDPE(前
出)を用い、第1表に示す配合割合で、結晶性ポリプロ
ピレン系重合体含有組成物を調製した。このものについ
て、本文に記載した方法に従って、第1表に示す項目を
測定し、その結果を第1表に示した。 PBX−1:出光石油化学(株)製、商品名 出光ポリ
プロJ750H PBX−2:出光石油化学(株)製、商品名 出光ポリ
プロJ785H PBX−3:出光石油化学(株)製、商品名 出光ポリ
プロJ950H PBX−4:出光石油化学(株)製、商品名 出光ポリ
プロJ3050H PBX−5:市販品 PBX−6:市販品
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】実施例1 製造例1で得られた結晶性ポリプロピレン系重合体含有
組成物100重量部に対して、タルク〔平均粒子径:3.
5μm(レーザー法)、平均アスペクト比:5〕30重
量部を添加し、二軸混練機(2FCM)で混練して成形
材料を調製したのち、射出成形機により、樹脂温度22
0℃,金型温度45℃,成形サイクル100秒の条件で
長さ1350mm,高さ300mm,奥行き400m
m,厚み3.5mmの自動車用インストルメントパネル
〔表面シボ面〕を成形すると共に、外観評価用成形品
〔図1〕、およびテストピース(75×75×3mm)
を作成して、物性を下記の要領で評価した。評価結果を
第2表に示す。
【0043】〔テストピースの評価〕 (1)曲げ弾性率(23℃) JIS K−7203に準拠して求めた。 (2)アイゾット衝撃強度(23℃) JIS K−7110に準拠して求めた。 (3)デュポン衝撃値(−30℃) 試験片;75×75×3mmの板
【0044】〔外観評価用成形品の評価〕 (4)成形品の光沢度(シボ面,平面) JIS K−7105に準拠して求めた。 (5)ウエルド外観(成形品平面部のブラックラインを
評価) 目視により、次の基準により評価した。 ◎:ウエルド部が識別できない。 ○:ウエルド部がほとんど識別できない。 △:ウエルド部が若干識別できる。 ×:ウエルド部がかなり目立つ。
【0045】〔インストルメントパネルの評価〕 (6)シボ面光沢度 JIS K−7105に準拠して求め、3箇所の平均値
で表した。 (7)ウエルド外観 目視により観察し、ウエルドの目立ちやすい発生箇所で
も、ほとんど目立たない場合を合格、かなり目立つ場合
を不合格とした。 (8)フローマーク 目視観察により、フローマークが識別できない場合を合
格とした。
【0046】実施例2〜5及び比較例1〜6 第2表に示す結晶性ポリプロピレン系重合体含有組成物
とタルクを用い、実施例1と同様にして成形材料を調製
したのち、外観評価用成形品を作成し、成形品の光沢度
及びウエルド外観を評価した。また、比較例2では、上
記外観評価用成形品を作成すると共に、実施例1と同様
にして自動車用インストルメントパネル〔表面シボ面〕
及びテストピース(75×75×3mm)を作成し、そ
れぞれについても物性を評価した。これらの結果を第2
表に示す。
【0047】実施例6及び比較例7 第2表に示す結晶性ポリプロピレン系重合体含有組成物
のみを用い(タルク無添加)、実施例1と同様にして外
観評価用成形品を作成し、成形品の光沢度及びウエルド
外観を評価した。その結果を第2表に示す。
【0048】
【表4】
【0049】
【表5】
【0050】(注)実施例6及び比較例7はタルク無添
加、その他は結晶性ポリプロピレン系重合体含有組成物
100重量部に、タルク30重量部を添加した。
【0051】
【発明の効果】本発明のポリプロピレン系樹脂組成物
は、耐衝撃性と剛性のバランスに優れる上、ウエルド外
観などの外観性能が良好で、かつ低光沢性を有し、艶消
し塗装の省略化が可能な自動車用内装部材の成形に好適
であって、例えば耐候性を付与するために艶消し塗装が
施されているABS樹脂の代替品としても使用すること
ができる。
【0052】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例及び比較例における外観評価用成形品の
概要図である。なお、成形品の表面はシボ面であり、裏
面は平面である。
【符合の説明】
1 ウエルドライン 2 光沢度測定点 2’光沢度測定点 A ゲート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯田 信 千葉県市原市姉崎海岸1番地1 出光石油 化学株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)o−ジクロロベンゼンを用いた昇
    温分別法において、(イ)30℃のo−ジクロロベンゼ
    ン可溶分、(ロ)30℃より高く105℃以下のo−ジ
    クロロベンゼン可溶分及び(ハ)105℃のo−ジクロ
    ロベンゼン不溶分に分別することができ、かつ(1)
    (イ)成分の極限粘度〔η〕(135℃、デカリン中)
    が2.0〜10デシリットル/gであり、(2)(ハ)成
    分が、溶融粘弾性測定から得られる角周波数ωが100
    /secでの緩和時間τが0.01〜0.35秒であって、
    溶融粘弾性測定から得られる貯蔵弾性率(G' )が2×
    102 Paとなるような角周波数をω1 、2×104
    aとなるような角周波数をω2 としたとき、ω2 /10
    ω1 で表される分子量分布指数(PDI)が1〜18で
    あり、さらに、(3)(ロ)成分量/〔(ロ)成分量+
    (ハ)成分量〕重量比が0〜0.20であって、及び
    (4)(イ)成分量/〔(イ)成分量+(ロ)成分量+
    (ハ)成分量〕重量比が0.03〜0.35である結晶性ポ
    リプロピレン系重合体含有組成物50〜100重量%
    と、(B)無機充填剤50〜0重量%とからなる自動車
    内装部材用ポリプロピレン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)成分の結晶性ポリプロピレン系重
    合体含有組成物がプロピレン−エチレンブロック共重合
    体組成物である請求項1記載の自動車内装部材用ポリプ
    ロピレン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (A)成分の結晶性ポリプロピレン系重
    合体含有組成物が、結晶性ポリプロピレン樹脂および/
    またはプロピレン−エチレンブロック共重合体組成物1
    00重量部に対して、熱可塑性のエラストマー類および
    /またはポリエチレン系樹脂類を0.1〜50重量部含有
    させたものである請求項1記載の自動車内装部材用ポリ
    プロピレン系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (B)無機充填剤の含有量が40〜5重
    量%である請求項1、2または3記載の自動車内装部材
    用ポリプロピレン系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1,2,3または4記載の自動車
    内装部材用ポリプロピレン系樹脂組成物を射出成形して
    なる自動車用内装部材。
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