JPH07133371A - 導電性樹脂組成物 - Google Patents

導電性樹脂組成物

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JPH07133371A
JPH07133371A JP27859793A JP27859793A JPH07133371A JP H07133371 A JPH07133371 A JP H07133371A JP 27859793 A JP27859793 A JP 27859793A JP 27859793 A JP27859793 A JP 27859793A JP H07133371 A JPH07133371 A JP H07133371A
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JP27859793A
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Shuhei Komura
修平 小村
Yukihiro Tsuchiya
行宏 土屋
Masatoshi Akatsuka
正利 赤塚
Hideo Okawa
秀夫 大川
Yoshihisa Kato
喜久 加藤
Hiroyuki Kawahigashi
宏至 川東
Yasuhiko Ozawa
保彦 小沢
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IDEMITSU MATERIAL KK
Toujiyou Design & Project Kk
Daido Steel Co Ltd
Idemitsu Fine Composites Co Ltd
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IDEMITSU MATERIAL KK
Toujiyou Design & Project Kk
Daido Steel Co Ltd
CALP Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A)熱可塑性樹脂10〜90重量部と、
(B)ニッケル含有量3〜28重量%、クロム含有量1
4〜20重量%、炭素含有量0.08〜0.5重量%、
リン含有量0.01〜0.1重量%、硫黄含有量0.0
1〜0.1重量%の鉄基合金の平均粒径0.5〜30μ
mをもつ金属合金粉末90〜10重量部とから成る混合
物100重量部に対し、(C)導電性カーボンブラック
1〜10重量部を配合した導電性樹脂組成物である。 【効果】 導電性、耐熱性、成形性に優れ、しかも機械
的強度が高い上に、超純水中への金属イオン溶出量が少
なく、特に半導体搬送用トレイの材料として好適であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な導電性樹脂組成
物、さらに詳しくいえば、導電性、耐熱性、機械的強度
が優れ、超純水中への金属イオンの溶出量が少ない成形
体を与える、成形性の良好な導電性樹脂組成物に関する
ものであり、このものは半導体搬送用トレイ、電子、電
気部品、医療用器具類の製造原料として好適に使用する
ことができる。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂に、所望の物性を付与する
ために、金属系フィラーや無機質系フィラーを多量に配
合することは、これまでも行われている。例えば、ポリ
カーボネート、ポリフェニレンスルフィド、ポリアミド
樹脂などのエンジニアリングプラスチックに、高剛性、
遮音性能、制振性能の付与や高比重化を目的として微粒
子粉末状の金属系フィラーを配合することが行われてい
る。
【0003】しかしながら、プラスチックに無機質系フ
ィラーを配合すると、耐衝撃性が低下するのを免れない
し、また金属系フィラーを配合すると金属に起因する樹
脂物性の劣化や導電性の不安定状態を生じる上に金属に
よっては、例えば、ステンレス鋼の場合、成分中のニッ
ケルの偏析により、磁性や帯電が誘起され、また樹脂の
劣化を促進して物性低下を起こすため、帯電性や磁性を
避けなければならない用途、例えば電子、電気部品、医
療部品等の素材、特に半導体搬送用トレイの素材として
は、使用が制限されていた。
【0004】ところで、半導体搬送用トレイのうちの、
半導体製造工程中に使用されるベーキング用トレイにつ
いては、耐衝撃性に加えて、ベーキング処理に耐える耐
熱性や、純水洗浄処理の際の金属イオンの低溶出性が要
求されるし、キャリングトレイについては、良好な耐衝
撃性及び導電性が要求されるが、これらの要求を完全に
満たした素材はこれまで知られていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、非磁性でし
かも導電性を有し、耐熱性、耐衝撃性、寸法安定性が優
れ、超純水中への金属イオンの溶出量が少ない、一般の
電子、電気部品、医療部品はもちろん半導体搬送用トレ
イの素材としても好適に使用しうる新規な導電性樹脂組
成物を提供することを目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、各種電子、
電気部品や医療部品等の素材、特に半導体搬送用トレイ
の素材として好適な樹脂組成物を開発するために鋭意研
究を重ねた結果、熱可塑性樹脂に鉄、ニッケル、クロム
を主成分とし、これに一定範囲量の炭素、リン、硫黄を
添加することにより、得られた特定組成の微粒子合金を
カーボンブラックとともに配合することにより、その目
的を達成しうることを見出し、この知見に基づいて本発
明をなすに至った。
【0007】すなわち、本発明は、(A)熱可塑性樹脂
10〜90重量部と、(B)ニッケル含有量3〜28重
量%、クロム含有量14〜20重量%、炭素含有量0.
08〜0.5重量%、リン含有量0.01〜0.1重量
%、硫黄含有量0.01〜0.1重量%の鉄基合金の平
均粒径0.5〜30μmをもつ金属合金粉末90〜10
重量部とから成る混合物100重量部に対し、(C)導
電性カーボンブラック1〜10重量部を配合したことを
特徴とする導電性樹脂組成物を提供するものである。
【0008】本発明組成物において、(A)成分として
用いられる熱可塑性樹脂については特に制限はなく、従
来成形材料として慣用されているものの中から使用目的
に応じ適宜選択して用いることができる。このような熱
可塑性樹脂としては、例えばポリオレフィン系樹脂、ポ
リ塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル
系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリカーボネート系樹
脂、ポリ芳香族エーテル又はチオエーテル系樹脂、ポリ
芳香族エステル系樹脂、ポリスルホン系樹脂、スチレン
系樹脂、アクリレート系樹脂などが挙げられるが、これ
らの中で特にポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリ
フェニレンスルフィド及び芳香族ポリアミドが好適であ
る。ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、エチレンと他のα‐オレフィンとの共重合体な
どがあり、特にポリプロピレンが好ましい。
【0009】ポリカーボネートとしては、2,2‐ビス
(4‐ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノール
A)とホスゲンとを反応させるホスゲン法や、ビスフェ
ノールAとジフェニルカーボネートなどの炭酸ジエステ
ルとを反応させるエステル交換法などにより得られるビ
スフェノールA系ポリカーボネートが好ましいが、ま
た、ビスフェノールAの一部を2,2‐ビス(4‐ヒド
ロキシ‐3,5‐ジメチルフェニル)プロパンや2,2
‐ビス(4‐ヒドロキシ‐3,5‐ジブロモフェニル)
プロパンなどで置換した変性ビスフェノールA系ポリカ
ーボネートや難燃化ビスフェノールA系ポリカーボネー
トなども用いることができる。
【0010】一方、ポリフェニレンスルフィドとして
は、式、
【化1】 で表わされる繰り返し単位を有するものを挙げることが
できる。
【0011】このようなポリフェニレンスルフィドとし
ては、パラフェニレン基が全体の70モル%以上、好ま
しくは80モル%以上であって、溶媒α‐クロロナフタ
レン100ミリリットルに溶質0.4gを加えて206
℃で得られた溶液粘度[ηin h]が0.05デシリット
ル/g以上、好ましくは0.1〜0.8デシリットル/
gのものが好適に用いられる。
【0012】なお、ポリフェニレンスルフィドは、パラ
フェニレン基からなるものの他に、30モル%以下のメ
タフェニレン基、オルソフェニレン基を含む共重合体で
あってもよく、これらの共重合体としてはブロック共重
合体が好ましい。
【0013】さらに、式
【化2】 (式中のRは炭素数1〜6のアルキル基、nは1〜4の
整数である)で表わされる繰り返し単位を1種又は2種
以上を含んでいてもよい。
【0014】また、これらのポリフェニレンスルフィド
は、実質上直鎖状のもの、分枝状のもの、熱によって架
橋したもの、あるいはこれらの混合物であってもよい。
【0015】一方、芳香族ポリアミドとしては、m‐キ
シリレンジアミン、p‐フェニレンジアミン、m‐フェ
ニレンジアミンなどの芳香族ジアミン類と、テレフタル
酸やイソフタル酸などの芳香族ジカルボン酸類とを縮合
させて得られたものなどを用いることができる。
【0016】本発明組成物において、(A)成分の熱可
塑性樹脂は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わ
せて用いてもよい。
【0017】次に本発明組成物において、(B)成分と
して用いられる鉄基合金としては、鉄をベースとし、こ
れにニッケル、クロム、炭素が成分として含有される合
金であって、さらに微量成分としてリン及び硫黄が含ま
れている。
【0018】このニッケル含有量は3〜28重量%、好
ましくは5〜25重量%、クロム含有量は14〜20重
量%、好ましくは16〜18重量%の範囲である。ニッ
ケル含有量が3重量%よりも少ないと磁性を生じやすい
上に、樹脂との反応により、樹脂との相容性が不良とな
って衝撃強度の低下や反り量の増大を招くし、28重量
%よりも多くなると樹脂の劣化が促進され、所望の物性
が維持されなくなり、29重量%以上になると、金属合
金中のニッケルが析出し、樹脂のゲル化を生じ、分解を
促進する。また、クロム含有量が14重量%よりも少な
いと金属の腐食を生じるし、20重量%よりも多くなる
と磁性を生じやすくなる。
【0019】本発明組成物で用いる鉄基合金において
は、炭素含有量が0.08〜0.5重量%、好ましくは
0.10〜0.40重量%であることが必要である。こ
の含有量が0.5重量%よりも多いと、金属の腐食を生
じ、成形品に錆が認められるようになり、物性の劣化の
原因となる。また、この含有量が0.08重量%よりも
少ないと磁性を生じやすくなる上に、耐衝撃性が低下す
る。
【0020】他方、リン含有量と硫黄含有量は、0.0
1〜0.1重量%の範囲であり、これらの成分が0.1
重量%よりも多くなると樹脂物性の劣化を生じるし、ま
た、これらの成分があまり少なくなると強度不足を招き
やすい。
【0021】一般に、鉄基合金には、上記の成分に加え
て、不可避成分として、微量の元素例えばモリブデン、
ケイ素、マンガン、銅などが含まれることがあるが、本
発明においては、特に支障のない限りこれらの不可避成
分を含むものも用いることができる。
【0022】この鉄基合金は、平均粒径0.5〜30μ
m、好ましくは3〜20μmの粉末として配合される。
この平均粒径が0.5μm未満では衝撃強度やメルトイ
ンデックスの低下をもたらし、また磁性が生じやすくな
るし、30μmよりも大きいと衝撃強度が低下する。こ
のような平均粒径の合金を得るには、慣用の方法、例え
ばアトマイズ法、粉砕法、湿式法などによって粉末化す
る。
【0023】この(B)成分の金属系フィラーは、特に
支障のない限り、繊維状フィラーを混合してもよい。ま
た、所望に応じ、適当な表面処理剤で表面処理を施して
用いてもよい。この際の表面処理剤としては、例えばシ
ラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、
シリカ粉末、シリコーンオイル、高級脂肪酸、高級アル
コール、ワックス類などを挙げることができる。
【0024】本発明組成物においては、(A)成分の熱
可塑性樹脂と、(B)成分の鉄基合金とを、(A)成分
10〜90重量部と(B)成分90〜10重量部の範囲
で全量100重量部になるように混合し、さらにこの混
合物に(C)成分として導電性カーボンブラック1〜1
0重量部を配合する。
【0025】この熱可塑性樹脂の量が90重量部よりも
多くなると、導電性が不良となり、反りや変形を生じ
る。また、この量が10重量部よりも少なくなるとメル
トインデックスが小さくなり成形性が劣化するし、衝撃
強度も低くなる。
【0026】他方、カーボンブラックの量が1重量部未
満では導電性が不足するし、10重量部よりも多くなる
とメルトインデックスが小さくなり成形性が劣化する上
に衝撃強度も低下する。
【0027】本発明組成物で、(C)成分として用いる
導電性カーボンブラックは、一般にはその比表面積が低
温窒素吸着法及びBET法で測定して20〜1800m
/g及び細孔容積が細孔半径30〜7500Åの範囲
において水銀圧入法で測定して1.5〜10cc/gで
あり、特に比表面積が600〜1200m/gのもの
である。このようなカーボンブラックとしては、例えば
チャンネルブラック、アセチレンブラック、ファーネス
ブラック法によって製造されるカーボンブラックなどが
挙げられる。
【0028】本発明組成物には、所望に応じ、樹脂組成
物に通常用いられている各種添加剤、例えば滑剤、着色
剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、
難燃剤、可塑剤などを配合することができる。
【0029】本発明組成物の調製方法については特に制
限はなく、例えば前記(A)成分、(B)成分、(C)
成分及び必要に応じて用いられる各種添加成分を、常法
に従って溶融混練し、複合化することによって調製する
ことができる。溶融混練は、例えばヘンシェルミキサ
ー、単軸又は二軸押出機、バンバリーミキサー、ロール
などを用いる方法や、その他常法により行うことができ
るが、特にヘンシェルミキサー、押出機、バンバリーミ
キサーを用いて行うことが好ましい
【0030】また、この際、適当量の熱可塑性樹脂に導
電性カーボンブラックを配合して先ずマスターバッチを
調製し、次いでこれを複合樹脂組成物としてもよい。
【0031】このようにして得られた本発明の樹脂組成
物は、通常1.4以上の比重を有するものであって、例
えば半導体搬送用トレイ(ベーキングトレイ、キャリン
グトレイ)をはじめ、電子・電気部品、電磁波障害や静
電気障害防止部材、医療用部材、各種音響部材、遮音・
制振材、建築資材などの用途に好適に用いられる。
【0032】
【発明の効果】本発明の導電性樹脂組成物は、導電性、
耐熱性、成形性に優れ、かつ衝撃強度や機械的強度が高
い上、超純水中への金属イオン溶出量が少なく、各種産
業用資材、特に半導体搬送トレイ用として好適に用いら
れる。
【0033】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によってなんら限定される
ものではない。この中の合金成分は、JIS G121
1ないしG1228、Z2613及びG1204に準拠
して分析し、測定した。
【0034】なお、組成物の物性は次のようにして評価
した。 (1)メルトインデックス(g/10分) ASTM D1238に準拠して求めた(275℃又は
230℃、荷重2.16kg)。 (2)アイゾッド衝撃強度(kg・cm/cm) ASTM D−256に準拠して求めた(ノッチ付)。 (3)熱変形温度(℃) ASTM D−648に準拠して求めた(荷重18.6
kg/cm2)。 (4)体積固有抵抗(Ω・cm) ASTM D−257に準拠して求めた。 (5)帯電性(kV) 試験片(100×100×3.2mm)に、電圧10k
Vを1分間印加し、印加停止5秒後の帯電圧を測定して
求めた。 (6)着磁性 厚さ10μmのポリエチレン製フィルム上に、試料立方
体(約3×3×3mm)10gを載置し、フィルム裏面
より、15,000ガウスの磁束を有するマグネットを
移動させ、試料の移動状態を以下の基準により評価し
た。 ◎ 移動なし ○ 移動したものが全体の5重量%未満 △ 移動したものが全体の5〜50重量% × 移動したものが全体の50重量%よりも多い
【0035】(7)反り量(mm) 平板状試験片(200×200×3mm)を、ギヤオー
ブン中で次の温度に加熱したのち、最大の反り部分を測
定して求めた。 PA、PP系 120℃ PC系 130℃ PPS、PPE系 150℃ PS系 100℃ PVC系 70℃
【0036】(8)金属イオン総溶出量(ppb) ペレット10gをイオン交換水100ミリリットル中に
80℃で7日間放置したのち、ペレットを除去したイオ
ン交換水について、ICP(誘電結合プラズマ)発光分
光分析器[セイコー電子工業(株)製、SPS1500
UR]により金属イオン総量を測定して求めた。
【0037】実施例1〜5、比較例1、2 ポリカーボネート(出光石油化学製、タフロンFN‐3
000、密度1.20g/cm3)と、Ni13重量
%、クロム18重量%、炭素0.26重量%、リン0.
07重量%及び硫黄0.05重量%を含み、平均粒径8
μmの鉄基合金粉末とを、それぞれ異なった量で混合し
たもの100重量部に対し、カーボンブラック(ライオ
ン製ケッチエンブラックEC)5重量部を加え、予備混
合したのち、二軸型押出機(池貝鉄工製、PCM45)
を用い、220〜320℃において混練押出しし、ペレ
タイザーでカッティングしてペレットを調製した。この
ようにして得た導電性樹脂組成物について物性を求め表
1に示した。
【0038】
【表1】
【0039】この表から明らかなように、ポリカーボネ
ートの量が90重量部よりも多くなると、導電性が低下
し、かつ反り量が大きくなるし、またこの量が10重量
部よりも少なくなるとメルトインデックスが小さくなり
成形しにくくなる上に、金属イオン溶出量が多くなる。
【0040】実施例6,7、比較例3,4 実施例3において、カーボンブラックの添加量のみを変
え、他は全く同様にして導電性樹脂組成物を調製した。
このものの物性を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】この表から明らかなように、樹脂と合金粉
末の合計量100重量部当りの導電性カーボンブラック
量が1重量部未満では導電性が低下し、またこの量が1
0重量部よりも多くなると、成形性、耐衝撃性が低下す
る。
【0043】実施例8〜11 ポリフェニレンスルフィド(315℃、5kg荷重にお
けるMI340g/10分、20.6℃においてα‐ク
ロルナフタレン中、濃度0.4g/100mlでウベロ
ーデ型粘度計を用いて測定した相対粘度0.24dl/
g)と、実施例1で用いた合金粉末とを、それぞれ異な
った量で混合し、この混合物100重量部に導電性カー
ボンブラック5重量部を加え、実施例1と同様にして導
電性組成物を調製した。このものの物性を表3に示す。
【0044】
【表3】
【0045】この表から明らかなように、いずれの樹脂
組成物も、良好な耐衝撃性、導電性、熱安定性を示し、
金属イオン溶出量が小さい。
【0046】実施例12〜14、比較例5,6 実施例3において、鉄基合金粉末として、炭素含有量の
異なるものを用い、他は同様にして導電性樹脂組成物を
調製した。このものの物性を表4に示す。
【0047】
【表4】
【0048】この表から明らかなように、鉄基合金中の
炭素含有量が0.08重量%未満では耐衝撃性が小さ
く、磁性を生じるし、これが0.5重量%よりも多くな
ると金属イオン溶出量が著しく増大する。
【0049】実施例15〜19、比較例7,8 実施例3において、鉄基合金中のニッケル含有量が2重
量%のもの及び29重量%のものを用いる以外は、実施
例3と同様にして導電性樹脂組成物を調製した。このも
のについて物性を求め、その結果を表5に示す。
【0050】この表から明らかなように、ニッケル含有
量2重量%では磁性が高く、またアイゾッド衝撃値も低
く、ニッケル含有量29重量%では、アイゾッド衝撃値
及び熱変形温度が低く、また反り量や金属イオン溶出量
が大きくなる。
【0051】
【表5】
【0052】比較例9,10 実施例3において、鉄基合金中のクロム含有量が11重
量%のもの及び23重量%のものを用いる以外は、実施
例3と同様にして導電性樹脂組成物を調製した。このも
のについて物性を求め、その結果を表6に示す。前者は
いずれも良好な物性を示したが、耐腐食性を欠き、さら
に金属イオンの溶出量が増大し、実用に供することがで
きなかった。また、後者は磁性が高く、本発明の目的が
達成されないことが分った。
【0053】
【表6】
【0054】実施例20〜22、比較例11,12 実施例3における鉄基合金として平均粒径の異なるもの
を用いる以外は、実施例3と同様にして導電性樹脂組成
物を調製し、それらの物性を求めた。この結果を表7に
示す。
【0055】
【表7】
【0056】この表から明らかなように、鉄基合金の平
均粒径が0.5μm未満のものを用いると磁性を生じや
すく反り量が大になるし、また平均粒径が30μmより
も大きいものを用いると耐衝撃性が低く、金属イオンの
溶出量が多くなる。
【0057】実施例23〜26、比較例13〜16 鉄基合金中のリン及び硫黄の含有量の影響を調べるため
に、実施例3における鉄基合金中のリン又は硫黄の含有
量を変えたものを用い、他は実施例3と同様にして導電
性樹脂組成物を調製した。このものについて物性を求
め、その結果を表8に示す。
【0058】
【表8】
【0059】実施例27 実施例3におけるポリカーボネートの代りに、ポリプロ
ピレン(出光石油化学製、J−465H、密度0.90
g/cm3)を用いる以外は、実施例3と同様にして導
電性樹脂組成物を調製した。このものの物性を求めたと
ころ、MI7.2g/10分、アイゾッド衝撃値4.1
kg・cm/cm、熱変形温度134℃、体積固有抵抗
7.2×104Ω・cm、帯磁率0.10kV、反り量
0.49mm、金属イオン溶出量39ppbであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小村 修平 東京都千代田区神田和泉町1番地277 カ ルプ工業株式会社内 (72)発明者 土屋 行宏 東京都千代田区神田和泉町1番地277 カ ルプ工業株式会社内 (72)発明者 赤塚 正利 東京都千代田区神田和泉町1番地277 カ ルプ工業株式会社内 (72)発明者 大川 秀夫 東京都千代田区神田和泉町1番地277 カ ルプ工業株式会社内 (72)発明者 加藤 喜久 愛知県名古屋市港区竜宮町10 大同特殊鋼 株式会社内 (72)発明者 川東 宏至 東京都千代田区丸の内3−1−1 出光マ テリアル株式会社内 (72)発明者 小沢 保彦 東京都板橋区常磐台1−63−3 東上デザ インアンドプロジェクト株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)熱可塑性樹脂10〜90重量部
    と、(B)ニッケル含有量3〜28重量%、クロム含有
    量14〜20重量%、炭素含有量0.08〜0.5重量
    %、リン含有量0.01〜0.1重量%、硫黄含有量
    0.01〜0.1重量%の鉄基合金の平均粒径0.5〜
    30μmをもつ金属合金粉末90〜10重量部とから成
    る混合物100重量部に対し、(C)導電性カーボンブ
    ラック1〜10重量部を配合したことを特徴とする導電
    性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂が、ポリカーボネート、ポ
    リフェニレンスルフィド、ポリアミド及びポリオレフィ
    ンの中から選ばれた少なくとも1種である請求項1記載
    の導電性樹脂組成物。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2018538381A (ja) * 2015-10-15 2018-12-27 ヘンケル アイピー アンド ホールディング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 接着剤配合物中の伝導性充填材としてのニッケル及びニッケル含有合金の使用

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