JPH0713008A - 回折格子およびその製造方法ならびに波長変換素子 - Google Patents

回折格子およびその製造方法ならびに波長変換素子

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JPH0713008A
JPH0713008A JP14890193A JP14890193A JPH0713008A JP H0713008 A JPH0713008 A JP H0713008A JP 14890193 A JP14890193 A JP 14890193A JP 14890193 A JP14890193 A JP 14890193A JP H0713008 A JPH0713008 A JP H0713008A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 低ロスで高効率の導波路型回折格子を製造す
る。 【構成】 電気光学効果を有する基板1に高電界を印加
することにより、基板1内部に局所電界を形成し、これ
によって回折格子を作製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コヒーレント光源を応
用した、光情報処理、光応用計測制御分野に使用される
回折格子および波長変換素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光導波路上に周期的な回折格子を形成す
ることにより、導波路内を伝搬する光を制御できる。例
えば、DBR(Distributed bragg refrector)は特定
の波長の導波光を導波路内で反射して、導波路を逆方向
に伝搬する光に変換することができる。また導波路上の
グレーティングにより導波路を伝搬する導波光を導波路
から放射する放射モードの光に結合することもできる。
このような従来の回折格子を図20に示す。図20にお
いて、41はLiNbO3基板、42はTi拡散光導波路、43
はグレーティング、44は入射部である。入射部44よ
り導波路42に入射した光はグレーティング43によっ
て反射されて、入射部44より出射する。
【0003】従来の回折格子の製造方法は、2重マスク
を用いた方法がある。(スコッティ他、エレクトロン・
レターズ:"Ti:LiNbO3 Stripe Waveguide Bragg Reflec
torGratings" Electron. lett., 24, 14, pp.844-845
(1988))この従来の回折格子の作製方法を図21を用い
て説明する。a)Ti拡散により光導波路を形成したLiNb
O3基板上にTiを堆積し、Ti上にレジストを塗布する、
b)レジストに干渉露光により周期360nmの周期的
パターンを転写する。c)CCl2F2ガスを用いた反応性イ
オンエッチングによりTiの周期的パターンを形成する。
d)TiをマスクとしてCF4,Ar,N2雰囲気中で反応性イオ
ンエッチングによりLiNbO3をエッチングしグレーティン
グを形成する。導波路の両端面を研磨し、導波路に波長
1.5μm帯のLEDの光を結合させた。結果を図21
に示す。ブラッグ条件を満たす波長で反射が起こり、光
が反射されているのが分かる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の回折格子の構成
では、基板を直接エッチングするため、LiNbO3等の硬度
の高い基板においては複雑なプロセスが必要となるとい
う問題があった。また、深いグレーティングの形成が困
難なため、効率の高いグレーティングを作製するのが難
しいという問題があった。さらに、複数の転写を繰り返
す複雑な作製工程のため、周期パターンの不均一性が増
大し、図21に示したように、理論的には単一の波長で
反射が起こるにも関わらず。広い波長範囲で反射が発生
し、DBR条件の劣化が発生しているなどの問題があっ
た。また、グレーティングの不均一性および、エッチン
グにより発生する基板表面の荒れが原因で発生する導波
光の散乱により導波ロスが増大し、利用する導波光量の
低下および、回折格子の効率の低下が発生するという問
題があった。また導波路の表面近傍にしかグレーティン
グが形成できないため、高効率化が難しく、高い反射効
率を得るには長いグレーティング長を必要とするという
問題があった。
【0005】そこで本発明は上記の点に鑑み、ロスが少
なく、かつ効率の高い回折格子が簡単なプロセスで製造
できる回折格子の製造方法および回折格子ならびに波長
変換素子を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明では、 (1)電気光学効果を有する強誘電体基板の表面に櫛型
電極を形成する工程と、前記基板の裏面に平面電極を形
成する工程とを有し、前記櫛形電極と前記平面電極の間
に1kV〜100kV/mmの電界を1μsec〜1秒の
間印可する回折格子の製造方法である。 (2)電気光学効果を有する強誘電体基板を接地する工
程と、前記基板表面に10keV〜200keVで加速
した荷電粒子を集束する工程と、前記集束した荷電粒子
により前記基板表面を周期状に走査する工程を有し、前
記基板の照射面における電流密度が100μA〜10m
A/mm2になるように荷電粒子を照射する回折格子の
製造方法である。 (3)電気光学効果を有する強誘電体基板表面に、選択
的な金属マスクを形成する工程と、前記マスクを接地す
る工程とを施した後、前記基板表面に10keV〜20
0keVで加速した荷電粒子を照射する工程を有し、前
記基板の照射面における電流密度が100μA〜10m
A/mm2になるように荷電粒子を照射する回折格子の
製造方法である。 (4)電気光学効果を有する強誘電体基板表面に、選択
的な誘電体マスクを形成した後、前記基板表面に10k
eV〜200keVで加速した荷電粒子を照射する工程
を有し、前記基板の照射面における電流密度が100μ
A〜10mA/mm2になるように荷電粒子を照射する
回折格子の製造方法である。
【0007】また、 (5)電気光学効果を有する強誘電体基板と、前記基板
表面または内部に形成した局所電界を有する部分と、前
記基板表面近傍に形成した光導波路とを有し、かつ前記
局所電界を有する部分が周期的に形成されていることを
特長とする回折格子である。 (6)電気光学効果を有する強誘電体基板と、前記基板
表面近傍に形成した金属イオンが注入または堆積された
部分と、前記金属イオンが注入または堆積された部分に
形成した局所電界を有する部分と、前記基板表面近傍に
形成した光導波路とを有し、かつ前記金属イオンが注入
または堆積された部分が周期的に形成されている回折格
子である。
【0008】
【作用】本発明は前述した製造方法により、電気光学効
果を有する強誘電体基板の表面に櫛形電極を、裏面に平
面電極を形成し、両電極間に高電圧のパルス電圧を印可
することにより、誘電破壊を起こすことなく、結晶内の
不純物イオンを移動させることができる。移動した不純
物イオンは結晶内に局所電界を形成する。形成された局
所電界は電気光学効果によって基板に屈折率変化をもた
らす。櫛形電極を用いて電界を印可すると局所電界によ
り形成される屈折率変化を周期状に形成できる。電界に
よって形成された電界分布は深い形状を有し効率の高い
回折格子が形成できる。また、屈折率変化部と非変化部
の境界が連続的に存在するため散乱ロスが発生しない、
さらにエッチング等のプロセスを必要としないため、表
面荒れがなく表面の散乱ロスもない、従って、ロスの少
ない高効率の回折格子が製造できる。
【0009】また、電気光学効果を有する強誘電体基板
の表面に、加速されたイオンまたは電子等の荷電粒子を
集束することにより、基板表面に高電界を発生すること
が可能である。このような荷電粒子の照射によっても、
電界印加と同じ原理で屈折率変化が生じる。集束した荷
電粒子を用いると選択的に、荷電粒子を照射できるた
め、集束した荷電粒子により、基板を周期状に走査する
ことにより、回折格子を形成することができる。形成さ
れた回折格子は基板内部に屈折率変化を有するため高い
回折効率が得られる。またエッチング等のプロセスを必
要としないため、ロスの発生が少ない。さらに、荷電粒
子の集束面積が小さいため、短周期の回折格子が形成可
能となり、高効率な回折格子を製造できる。
【0010】また、加速した荷電粒子を集束せずに基板
全体に照射することによって、基板に表面および局所電
界を発生し、屈折率変化を誘発できる。さらに接地した
金属マスクにより荷電粒子の照射を選択できる。周期状
に金属マスクを形成することにより局所電圧を選択的に
発生させ、回折格子を形成できる。形成面積が大きいた
め量産化が可能である。
【0011】また、誘電体をマスクにしても荷電粒子を
選択的に基板に照射することができる。誘電体マスクに
より周期状パターンを形成し、これに荷電粒子を照射す
ることにより回折格子を製造できる。
【0012】また、電気光学効果を有する基板に上記の
方法により選択的に局所電界を発生させ、電気光学効果
による屈折率変化をもたらすことができる。屈折率変化
は基板表面および内部に周期的な屈折率変化をもたら
す。この周期的屈折率部分を有する層に光導波路を形成
すると導波路を伝搬する光を周期的屈折率変化により回
折させる回折格子を構成することができる。この回折格
子は非常に深い屈折率分布を有するため高い回折効率が
得られる。しかも、エッチングプロセスを必要としない
ため、基板の荒れ等による導波光の伝搬損失が少ない回
折格子が構成できる。
【0013】さらに、導波路型の波長変換素子上にグレ
ーティングを形成すると、波長変換素子を励起する半導
体レーザの波長をグレーティングの回折波長に固定でき
る。このため、半導体レーザの光を波長変換素子により
波長変換する際、半導体レーザの波長変動による波長変
換素子の出力変動を抑えることができ、安定動作の波長
変換素子を構成することができる。
【0014】
【実施例】まず最初に、回折格子の特性について述べ
る。ここでは導波路上に形成する導波路型回折格子につ
いて述べる。導波路上または、導波路内に周期的な屈折
率分布を形成すると導波路を伝搬する光を制御できる
(例えば導波路を伝搬する光を導波路から放射させた
り、導波路内で反対方向に伝搬する波に変換したり)。
しかし、効率よく導波光を制御するには、回折格子に以
下の条件が要求される。 (1)周期が導波光の波長オーダである(ミクロン〜サ
ブミクロン)。 (2)屈折率変化が大きい。 (3)屈折率変化を有する部分が導波路に比べて深い。 (4)従来のエッチングプロセスによる方法では基板表
面の荒れが発生し導波ロスの低い回折格子を得るのが難
しかった。
【0015】一方、電気光学効果を有する基板に電圧を
印加することにより屈折率が変化することは、広く知ら
れていた。ところが、電気光学効果を有する誘電体の基
板に誘電破壊電圧に近い電界を印加すると、基板に局所
電界が形成され、印加電圧を切った後も、この局所電界
が残留し屈折率変化が維持できることが分かった。これ
は、誘電体基板に高電圧を印加すると結晶内の不純物イ
オンや欠陥が電圧によって移動し、局所電界を形成す
る、この局所電界が印加電圧を遮断した後も維持され電
気光学効果によって、屈折率変化をもたらすと考えられ
る。本発明ではこの屈折率変化を利用して、回折格子を
作製することを提案する。
【0016】(実施例1)以下、本発明の実施例につい
て説明する。
【0017】(電極による電界印可による方法)図1
は、本発明の回折格子の製造方法の作製工程図である。
図1において1はC板のLiTaO3基板、2はTa膜、3
はパルス電源である。図1に従い本発明の回折格子の製
造方法を説明する。(a)LiTaO3基板の±C面にスパッ
タリング法によりTaを30nm堆積する。(b)フォ
トリソグラフィ法およびドライエッチングにより−C面
のTa膜を周期状にパターニングする。(c)基板両面
の電極間にパルス電圧を印可する。電極方向は+C面側
の電圧が高くなるように電圧を印可した。印加電圧をパ
ルス状で短時間印加することにより、放電や部分的な誘
電破壊を起こすことなく高電圧の印加が可能になる。
【0018】次に、作製条件について検討した。作製条
件は、印加電圧、パルス幅、電圧印加方向で決まる。そ
こで、これら条件をそれぞれ検討した。
【0019】Taマスクパターンの周期を2μmとし、
印可電圧と、パルス幅をパラメータにして、グレーティ
ングの屈折率変化を測定した、グレーティングの屈折率
変化は、基板に電界を印可した後、基板の電極をHFに
より除去する。この基板にHe−Neレーザを照射し、
レーザ光が回折される強度より求めた。
【0020】最初に、製造過程の雰囲気について検討し
た。印可電圧が300V/mm以上になると櫛形電極の
間で放電が発生した。そこで基板を真空中(1×10-5
torr以上)で電圧を印可すると放電は発生しなくなっ
た。また絶縁オイル中で処理しても放電の発生は防止で
きた。またSF6などの雰囲気中で行っても放電の発生
は防止できた。
【0021】次に、印加電界のパルス幅について検討し
た。3×10-6torrの真空中で印可電界印可電圧を1k
V〜100kV/mmの内、例えば10kVに固定し、
パルス幅を変えて屈折率変化を測定したところ、パルス
幅が1μs以下のときは屈折率変化は10ー5以下になり
測定できなかった。またパルス幅が1秒以上になると、
−C面に形成した周期状電極の間で放電が発生し、周期
形状の屈折率変化が均一に形成できなくなった。以上の
結果、印可電圧のパルス幅1μs〜1秒の間で屈折率変
化得られ回折格子の製造か可能になることが確認でき
た。
【0022】次に、パルス幅を100μsに固定し、印
加電圧について検討した。印可電圧と屈折率変化のを測
定し、図2に示す。印可電圧が1kV/mm以下のと
き、屈折率変化はほとんど観測されなかった。印可電圧
を1kV/mm以上になると、印可電圧の増加ととも
に、屈折率変化が増加していったが、100kV/mm
以上になると基板の表裏の電極間で放電が起こり、基板
が真っ黒に変色した。これは誘電破壊により電流が流れ
たもので、これ以上の電界を印可すると結晶構造が破壊
されてしまうことが分かった。以上の結果、印可電圧は
1kV〜100kV/mmの間で屈折率変化得られ、回
折格子が形成可能であることが確認できた。
【0023】作製した回折格子の特性を測定した。屈折
率変化部分の深さを測定するために端面研磨を行い、断
面を顕微鏡で観測した。電界印可の極性と屈折率変化を
測定した結果を以下示す。
【0024】
【表1】
【0025】電界印可の極性と結晶の極性を一致させた
とき、大きな屈折率変化と深い屈折率変化部分が得られ
ることがわかった。
【0026】なお、LiTaO3と同様な結晶構造を有するLi
NbO3においても、同じ実験を行ったところ、同様の回折
格子が形成できた。LiNbO3に形成した回折格子は、LiTa
O3に比べ2倍程度高い屈折率変化が得られ、より効率の
高い回折格子が形成できた。
【0027】なお、KTP(KTiOPO4),KNbO3を用いても、
同じ製造方法で回折格子が形成できた。
【0028】(集束した荷電粒子による方法I)集束し
た荷電粒子は例えば、電子顕微鏡等の電子ビーム装置に
より簡単に得られる。電子顕微鏡は電子(−に帯電)を
加速電圧10〜100kV程度に加速して、試料面状で
0.1μm以下に集束できるため、基板表面に高電界を
発生させることができる。電子顕微鏡を改造した電子ビ
ーム描画装置により実験を行った。電子ビーム描画装置
は、コンピュータ制御により集束した電子ビームを試料
面上で任意のパターンに操作できる。図3に電子ビーム
描画装置による回折格子の製造方法を示す。図3におい
て、1はC板のLiTaO3基板、2はTa膜、4は電子ビー
ム、5は局所電界により形成される回折格子である。図
3においてC板のLiTaO3基板1の+C面に金属膜、例え
ばTa2を100nm堆積し、これを金属ペーストでサ
ンプルホルダーに接地する。電子ビーム4で周期状のパ
ターンを基板の−C面に描画した。
【0029】電子が電気光学効果を有する基板に当たる
と、基板表面に局所的に−電荷がたまる、基板低面は金
属面で接地されているため、基板表面の電子7が照射さ
れた部分と基板低面の間で図4に示す電界6が発生す
る。発生した電界6は、基板の有する電気光学効果によ
り屈折率変化をもたらす。この屈折率変化によって回折
格子が形成される。
【0030】加速電圧は10〜100kVまで可変で
き、どの加速電圧でも集束面上での電荷密度が100μ
A/mm2以上のとき屈折率変化が得られた。しかし、
加速電圧を50kV以上にすると基板に亀裂が生じる場
合があった。また加速電圧を20kVに固定し、電流密
度を変化させると屈折率変化量が電流密度の増加ととも
に増大した。しかし、電流密度が1mA/mm2以上に
なると、隣合う屈折率変化部分が接触して周期4μm以
下の周期構造が得られなくなった。また電流密度が10
mA/mm2以上になると基板に亀裂が入った。そこ
で、集束電子ビームで回折格子を形成するには電流密度
を100μA/mm2以上、10mA/mm2以下にする
必要がある。
【0031】また電子ビームの走査速度によっても、基
板表面に溜まる電子の量は変わってくる。つまり走査速
度に反比例して基板上の電荷量が増加する。上記の実験
は10μm/秒で行ったが、例えば走査速度を2倍にす
れば、電流密度を半分にすることで同じ条件が得られ
る。
【0032】LiTaO3の+C面と−C面に照射して、回折
格子を形成したが、電子ビームの場合−電荷を照射する
ため、−C面に照射した方が深くて、屈折率変化の大き
な回折格子が形成できた。
【0033】以上のように、集束した電子ビームによっ
て回折格子が形成できた。基板にはLiTaO3を用いたが、
その他、LiNbO3、KTP、KNbO3等の結晶でも、電気光学定
数は大きく、回折格子が形成できた。
【0034】(集束した荷電粒子による方法II)集束し
た荷電粒子としては、電子以外にイオンも使える。例え
ば、日本電子製JIBL−100(集束イオンビーム装
置)(以下FIB装置とする)を用いて実験を行った。
FIB装置は帯電した金属イオン源を電子ビーム装置と
同様に電圧で加速し、電磁界により集束し試料に照射す
る装置で、Au+、Si+、Be+、Ga+、Au2+、Si
2+、Be2+、Ga2+など、イオン源を交換することで、
各種イオンを照射できる。特にSi、Beイオンは質量
が小さいため、集束特性がよく、0.1μm以下の微細な
パターンが描画できるため、高いイオン電荷密度が得ら
れる。FIB装置を用いると、電界印可による方法や、
電子ビームによる方法による特質に、加えて以下の利点
を有する。 (1)10keV〜200keVという高い加速エネル
ギーでイオンを加速できため、基板表面に強い電界が発
生可能となり、より安定で大きな屈折率変化が得られ
る。また基板に溜った電荷による電界等の影響を受けに
くいため、均一なパターンが形成できる。 (2)イオンは電子に比べ質量が大きいため、ビーム照
射の散乱、後方散乱が少なく、0.1μm以下の微細なパタ
ーンの描画が可能である。 (3)金属イオンを基板に注入できるため、局所電界以
外に結晶的な歪をもたらし、その結果、局所電界を安定
に維持することができる。 (4)基板内に金属イオンを注入することにより基板表
面の電気伝導度を上げることができ、LiNbO3やLiTaO3
いった、光損傷(光により基板の屈折率が変化する現象
でデバイスの特性を劣化させる)に弱い材料の電気伝導
度の増加により光損傷しきい値を上げることができる。
【0035】電界印可による方法や、電子ビーム装置に
よる方法では、発生した屈折率変化が、基板の温度の上
昇によって消滅する。また、光損傷しきい値は変化しな
いなどの問題があるが、FIB装置を用いることで、こ
れらの問題が解決できる。さらに電子ビームで発生した
い基板に亀裂が入る現象などもFIB装置により回避で
きる。
【0036】帯電した+イオンが電気光学効果を有する
基板に当たると、基板表面に局所的に+電荷が照射され
るため、接地されている基板低面との間で図5に示す電
界が発生する。発生した電界は、局所電界をもたらし、
この局所電界によって電気光学効果により屈折率変化を
もたらす。この屈折率変化によって回折格子が形成され
る。さらに、高電圧で、イオンを加速できるため、イオ
ンのエネルギーが高くより大きな電界が発生できる。イ
オンは電子と異なり移動度が低いため温度や時間的変化
で移動して、形成された電界を緩和する現象が発生しに
くい。そのため、形成された屈折率変化は安定に維持さ
れる。また、散乱が少なく、電磁界による影響も受けに
くいため均一なパターンが形成できる。
【0037】FIB装置を用いて、回折格子の製造を行
った。イオン源にはAuSiの液体金属源を用い、Si
2+イオンを電磁界フィルターで分離、選択した後、集束
して基板に照射した。集束面積は約1μmφであった。
基板には、C板のLiTaO3を用いて、一方の基板に金属膜
を蒸着した後、サンプルホルダーに接地し、もう一方の
金属膜を蒸着していない面をSi2+の集束イオンで走査
し、周期状のパターンを形成した。
【0038】最初に、LiTaO3基板の+面と−面に、それ
ぞれ照射して屈折率変化を観測した結果、+C面にイオ
ンを照射した場合の方が−C面に照射した場合に比べ、
1桁以上高い屈折率変化が得られ、かつ深い屈折率変化
部分の形成が可能であり、効率の高い回折格子が形成で
きた。そこで以下の実験は+C面で行った。
【0039】基板での電流密度を150pA、走査速度
を160μm/secに固定して、加速エネルギーを10k
eV〜200keVまで変化させた。いずれの加速電圧
でも屈折率変化が得られ、加速エネルギーが10keV
〜200keVの間で回折格子が製造できることが確認
できた。また電子ビームの場合50keV以上の加速電
圧で発生した基板の亀裂は、観測されなかった。FIB
装置による加速イオンの照射が、電子ビームによる加速
電子の照射に比べ、基板に与えるダメージが少ないこと
が分かった。以上の結果、加速エネルギーが10keV
〜200keVの間で、回折格子が製造できることが確
認できた。
【0040】次に、加速エネルギーを200keV、走
査速度を160μm/secに固定し、電流密度と屈折率変
化の関係を測定し図6に示す。電流密度は集束面積1μ
mφで電流量を割れば計算される。電流密度10μA/
mm2以上で屈折率変化電流密度と共に屈折率変化は上
昇するが、10mA/mm2程度で屈折率変化は飽和す
ることが分かった。また、電流密度が増加すると、屈折
率変化する部分の幅が増加する。電流密度が10mA/
mm2以上になると、屈折率変化部分の幅が2μm以上
になり、効率の良い回折格子を製造するための、周期の
短い回折格子の作成が困難になった。以上の結果10μ
A/mm2〜10mA/mm2で回折格子が製造できるこ
とが確認できた。
【0041】またイオンビームの走査速度によっても、
基板表面に溜まるイオンの量は変わってくる。上記の実
験は160μm/秒で行ったが、例えば走査速度を2倍
にすれば、電流密度を2倍にすることで同じ条件が得ら
れる。
【0042】(荷電粒子とマスクによる方法III)集束
イオンビームまたは電子ビームによる方法で周期状の屈
折率変化が得られ回折格子が形成できることが確認でき
た。しかしながら、これらの方法では集束したビームの
走査速度が限られている上、各周期状パターンを1本づ
つ走査する必要があり、回折格子の製造に長い時間を必
要とする。また、走査面積にも限りがあるため、大面積
に回折格子を形成することが難しく、量産性に問題があ
る。そこで、集束イオンの代わりに、平行イオンビーム
を用い、量産化可能な方法を提案する。
【0043】装置としては、例えば、日電アネルバ
(株)製のリアクティブイオンシャワーエッチング(E
CR)装置を改造して用いた。ECR装置は、Ar、O
2などの気体イオンを加速し、基板に照射してエッチン
グを行う装置である。この装置を改造して、加速電圧を
50kVまで高めた。同様の装置でイオン注入装置もあ
り、同じ様に使用できる。ECR装置の加速電圧を50
kVにし、Arイオンを試料表面に照射する。このとき
基板表面の電流密度は0.05μA/mm2で10分間
イオンを照射すると屈折率変化が10ー4程度得られた。
【0044】基板に周期的な屈折率変化を形成するため
には、イオンをマスキングして部分的にイオンを当てる
必要がある。C板のLiTaO3基板にマスクとしてTaを3
0nm蒸着して、フォトリソグラフィ法とドライエッチ
ングにより周期的なパターンを形成した。この基板を用
いて図7に示す方法で回折格子を製造した。図7におい
て1はLiTaO3基板、4はTa膜、5はAr+イオンであ
る。Ta膜4を接地しておくとTa膜4に照射されたイ
オンは電界を発生しない。ところが非マスク部分に照射
されたイオンは図8に示すような電界6を発生する。こ
の電界によって基板内に屈折率変化を約2×10-4程度
誘発し、回折格子を形成できる。
【0045】次に、マスク材料として誘電体マスクにつ
いても検討を行った。図9に回折格子の製造方法の概略
図を示す。図9において、1はLiTaO3基板、4はTa
膜、5はAr+イオン、7はSiO2マスクである。SiO2
7スパッタリング法により300nm堆積する。これを
フォトリソグラフィ法により周期パターンに加工する。
基板の裏面に金属膜、例えばTa4を蒸着しこれを接地
する。SiO2マスクパターン側からイオン5を照射すると
電界分布6は図10に示した様になる。非マスク部分で
は基板に直接イオンが付着するため電界強度が高い、一
方マスク部分では、電界はSiO2マスク上を中心に発生す
るため基板に与える電界は非マスク部分に比べて小さく
なる。このため非マスク部分の基板に与える電界強度が
強くなり、非マスク部分により大きな屈折率変化を1×
10-4程度もたらすことができる。その結果、局所電界
を形成し回折格子を作製できる。
【0046】なお、本実施例では基板にLiTaO3基板を用
いたが他にMgO、Nb、NdなどをドープしたLiTaO3基板、
またはLiNbO3でも同様な分極反転層が作製できる。また
KTP(KTiOPO4)は高非線形の材料であり、電気光学定数
も大きいため、高効率の回折格子が作製できる。
【0047】(実施例2)実施例1の方法により製造さ
れた回折格子を用いて導波路型の回折格子を構成する。
図11に本実施例の回折格子の構成図を示す。図11に
おいて1はLiTaO3基板、12は光導波路、13は局所電
界、14は入射部、15は出射部である。13の局所電
界により周期的な屈折率変化が形成されている。
【0048】次に本実施例の回折格子の作製方法につい
て述べる。LiTaO3基板1の−C面にTaを30nm蒸着
し、フォトリソグラフィ法とドライエッチングにより幅
4μmのスリットを形成する。これを260度のピロ燐
酸中で14分間熱処理するとスリット部分の基板中のLi
+が酸中のH+と交換されて、プロトン交換層12が形成
される。これをTa膜を除去した後、420℃で60秒
間アニールすると光導波路が形成される。光導波路上に
電子ビームを集束し、実施例1で説明したように、Si2+
イオンを加速電圧100kV,電流密度の0.1mA/m
2、走査速度160μm/秒で走査し、周期0.8μ
mのグレーティング部を形成する。グレーティングを形
成した面積は2×2mmであった。光導波路両端面を光
学研磨した後、両端面にSiO2を1460nm蒸着し、反
射防止膜を形成した。比較のため作製した回折格子を電
子型の回折格子とする。
【0049】作製した光導波路型の回折格子の回折効率
を測定するため、図12に示す光学系で実験を行った。
集光光学系9を用いてTi:Al2O316からの光を回折格子
18の光導波路に入射し、光導波路からの出射光P1と
反射光P2を検出器17,18でモニターしながら、入
射光の波長を変えていった。そのときのP1とP2および
入射光の波長の関係を図13に示す。波長861nmの
とき、回折効率が最大になり、反射効率70%が得られ
た。
【0050】また、波長を890nmにし、グレーティ
ングにより発生するロスを測定したところ、−1dB/cm
のロスが測定された。
【0051】屈折率変化が基板内に存在し、かつエッチ
ング等のプロセスで形成しないため、表面荒れがないた
め、導波ロスが少なく、回折効率の高い素子が構成でき
た。
【0052】次に本実施例の他の構成について述べる。
図14は本実施例の他の構成であり、図14において、
1は+C板のLiTaO3基板、20はSiイオン、12は光
導波路、14は入射部、15は出射部である。20のS
iはSiイオンビームの照射により基板に注入または堆
積されており、局所的な電界を発生して屈折率変化を引
き起こしている。
【0053】回折格子の作製方法において、光導波路の
作製方法は上述した方法と同じであり、+C面に光導波
路を形成した後、FIB装置によるSi2+イオンの照射に
より、周期的グレーティングを形成した。比較のため作
製した回折格子をイオン型とする。
【0054】回折格子の回折効率および導波ロスは電子
ビームで作製した回折格子とほぼ等しい特性が得られ、
高効率でロスの少ない回折格子が構成できる。
【0055】さらに、回折格子の安定性をみるため、電
子型とイオン型の回折格子の温度安定性を測定した。作
製した回折格子を80度で10分間熱処理したのち室温
に戻す温度サイクル試験を行った。電子型は5回のサイ
クル試験で回折効率が半分の40%に減少したが、イオ
ン型は20回サイクル試験を行ったが回折効率の変化は
なかった。イオン型はイオンが移動しにくいため、安定
な回折格子が構成できることが確認できた。
【0056】次に光損傷に対する強度を測定した。光損
傷とは、基板を透過する光の強度が増加するに従い、基
板の屈折率変化を誘発する減少で、回折格子において光
損傷が発生すると、導波路の屈折率が変化し、回折格子
の回折波長の条件変動し、回折効率が低下してしまう。
実用的には光損傷の発生しない回折格子が必要となる。
イオン型と電子型に波長861nmの光を入射し、光の
強度と回折効率の関係を測定した結果を図15に示す。
電子型では入力が100mWを越えると回折効率が低下
し始め200mWで回折効率が半分になった。イオン型
では200mWで回折効率が低下し始めた。イオン型の
方が光損傷に強く安定な回折格子が構成できる。
【0057】なお、本実施例では光導波路としてプロト
ン交換導波路を用いたが、他にTi拡散導波路、Nb拡
散導波路、イオン注入導波路など他の光導波路も用いる
ことができる。
【0058】(実施例3)ここでは回折格子の導波路型
波長変換素子への応用について述べる。
【0059】非線形材料に光導波路と、導波路の長さ方
向に形成した周期的分極反転層によって波長変換素子が
形成できる。このSHG素子の光導波路の入射部に基本
光を入射すると出射部より基本光の半分の波長の光が出
射する。しかし、変換される基本光の波長は周期的分極
変転層の周期に強く依存するため、例えば、分極周期4
μm、長さ10mmの素子を作製すると波長許容度は0.
1nmと非常に狭く、温度または注入電流等の値により数
nmの波長変動を起こす半導体レーザの波長を安定に変換
するのは難しい。そこで半導体レーザの波長を安定化さ
せる方法として、波長依存性を有する回折格子により特
定波長の光を半導体レーザに帰還してやり、半導体レー
ザの波長を回折格子の回折波長に固定する方法がある。
回折格子により固定された半導体レーザの波長は、温
度、注入電流等の外乱によって波長変動を起こさないた
め、安定な波長変換が行える。しかし、このような構成
をとるためには、高効率な回折格子を導波路上に形成す
る必要がある。
【0060】図16は実施例2の回折格子を波長変換素
子上に集積した構成である。図16において1は非線形
材料であるC板のLiTaO3結晶の基板、12は光導波路、
14は入射部、15は出射部、21は分極反転層、20
はSiイオンである。
【0061】この素子を用いて、半導体レーザの波長変
換を行った。図17に示す光学系により実験を行った。
図17において22は半導体レーザ、23は集光光学
系、24は基本波、25は第二高調波、26は波長変換
素子(SHG素子)、27はプロトン交換導波路であ
る。半導体レーザ22から出射された光は集光光学系2
3で集光され、波長変換素子26のプロトン交換導波路
27に入射する。半導体レーザからの出力22は70m
で導波路に結合したのは42mW(結合効率は60%で
あった。このときのSHG出力は3mWで、換算効率は
180%/Wであった。
【0062】半導体レーザの波長安定性を調べるため、
半導体レーザの温度を変化させてSHG出力の変動を測
定した結果を図18に示す。温度10〜30℃の間で出
力変動は±2%以内で安定した出力が得られた。
【0063】以上のように、本実施例の波長変換素子に
より、安定な出力の得られる波長変換素子が実現した。
【0064】なお、本実施例では基板にLiTaO3基板を用
いたが他にMgO、Nb、NdなどをドープしたLiTaO3基板、
またはLiNbO3でも同様な分極反転層が作製できる。また
KTP(KTiOPO4)は高非線形の材料であり、高効率の波長
変換素子が作製できる、KTPは基板の屈折率が1.7程度と
低いため、グレーティングとカバー層により形成した回
折格子はより高効率になり有用である。
【0065】なお、本実施例では光導波路としてプロト
ン交換導波路を用いたが、他にTi拡散導波路、Nb拡
散導波路、イオン注入導波路など他の光導波路も用いる
ことができる。
【0066】以上のように、本実施例の波長変換素子に
より半導体レーザ光を安定に波長変換できるため、小型
で高出力の短波長光発生装置が構成できる。その結果、
光ディスク、レーザプリンタなどの光源に応用できる。
この短波長光発生装置により、光ディスクの記憶容量を
大幅に増大でき、かつ非常に小型の機器が製造できた。
【0067】(実施例4)電子ビームによる強誘電体基
板の屈折率変化を利用した回折格子を利用して、3次元
ディスプレイ等への応用が可能になる。図19はこのよ
うな3次元ディスプレイの構成図を示したもので、強誘
電体結晶、電子ビーム発生装置、レーザからなる。電子
ビームはコンピュータ制御によりビーム走査が制御され
強誘電体に任意のパターンを描画できる。電子ビームに
よって強誘電体結晶上にホログラムパターンが形成され
る。これをレーザ光で照射するとホログラムパターンに
より回折され3次元の像が表示される。これによって3
次元ディスプレイが構成される強誘電体上のパターンは
熱または電界または強い光の照射によって消去され、新
たなパターンが電子ビームにより形成される。これを連
続的に行うと、3次元の動画が表示される。
【0068】また電子ビームにより形成される書換え可
能な回折格子は光コンピュータの接続部分としても有効
に使える。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、電気光学効果を有
する基板にパルス電圧を印可することで基板内部に局所
電界を形成できる。局所電界によって発生した電界は電
気光学効果により屈折率変化を誘発し、回折格子を作製
できる。作製した回折格子は基板内に深い屈折率変化部
を形成できるため、高効率化が可能になる。さらに、基
板の表面荒れなどの散乱ロスがほとんど発生しないため
ロスの少ない回折格子が製造できるため、その実用効果
は大きい。
【0070】また、電気光学効果を有する基板に、電子
を照射することによっても同様の効果で、回折格子が製
造できる。作製した回折格子は基板内に深い屈折率変化
部を形成できるため、高効率化が可能になる。さらに、
基板の表面荒れなどの散乱ロスがほとんど発生しないた
めロスの少ない回折格子が製造できるため、その実用効
果は大きい。
【0071】また、イオンビームを集束し、電気光学効
果を有する基板上に照射することにより、イオンによる
局所電界を形成することができ、局所電界によって、電
気光学効果の屈折率変化が発生し回折格子が作製でき
る。イオンビームにより作製した回折格子は、深い屈折
率変化部分が形成できるため高効率で、かつ散乱ロスが
少ない。さらに、イオンを基板表面近傍に堆積および注
入できるため、局所電界が安定に存在し、安定な回折格
子が作製できる。また基板表面の電気伝導度が増加する
ため光損傷にも強い回折格子が製造できるため、その実
用効果は大きい。
【0072】また分極反転型波長変換素子上に上記の回
折格子を形成することにより、波長変換素子を励起する
半導体レーザの発振波長を特定波長に固定できる。この
結果、半導体レーザの温度、電流注入等による半導体レ
ーザの波長変動が防止でき、半導体レーザの安定な波長
変換が可能となり、その実用効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における回折格子の作製工程図
【図2】加速電圧と屈折率変化の関係を表す特性要因図
【図3】本発明の回折格子の製造方法の概略図
【図4】基板における電界分布を表す図
【図5】基板における電界の分布を表す図
【図6】電流密度と屈折率変化の関係を表す特性要因図
【図7】本発明の回折格子の製造方法の概略図
【図8】基板における電界分布を表す図
【図9】本発明の回折格子の製造方法の概略図
【図10】基板における電界分布を表す図
【図11】本発明の回折格子の構成斜視図
【図12】回折格子の特性評価を行う光学系を表す図
【図13】導波光の波長と回折効率の関係を表す特性要
因図
【図14】本発明の回折格子の構成斜視図
【図15】導波パワーと回折効率の関係を表す特性要因
【図16】本発明の波長変換素子の構成斜視図
【図17】短波長レーザ光源の構成斜視図
【図18】波長変換素子の温度特性を表す特性要因図
【図19】3次元ディズプレイの構成図
【図20】従来の回折格子の構成斜視図
【図21】従来の回折格子の作製工程図
【図22】波長と光強度との関係を示す図
【符号の説明】
1 C板のLiTaO3基板 2 Ta膜 3 パルス電源 4 電子ビーム 5 局所電界により形成された回折格子 6 電界 7 電子 8 イオンビーム 9 +イオン 10 Ar+イオン 11 SiO2マスク 12 光導波路 13 局所電界 14 入射部 15 出射部 16 Ti:Al2O3レーザ 17 検出器 18 検出器 19 集光光学系 20 Siイオン 21 分極反転層 22 半導体レーザ 23 集光光学系 24 基本波 25 第二高調波 26 SHG素子 27 プロトン交換導波路

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気光学効果を有する強誘電体基板の表面
    に櫛型電極を形成する工程と、前記基板の裏面に平面電
    極を形成する工程とを有し、前記櫛形電極と前記平面電
    極の間に1kV〜100kV/mmの電界を1μsec〜
    1秒の間印可することを特徴とする回折格子の製造方
    法。
  2. 【請求項2】電気光学効果を有する強誘電体基板を接地
    する工程と、前記基板表面に10keV〜200keV
    で加速した荷電粒子を集束する工程と、前記集束した荷
    電粒子により前記基板表面を周期状に走査する工程を有
    し、前記基板の照射面における電流密度が100μA〜
    10mA/mm2になるように荷電粒子を照射すること
    を特徴とする回折格子の製造方法。
  3. 【請求項3】電気光学効果を有する強誘電体基板表面
    に、選択的な金属マスクを形成する工程と、前記マスク
    を接地する工程とを施した後、前記基板表面に10ke
    V〜200keVで加速した荷電粒子を照射する工程を
    有し、前記基板の照射面における電流密度が100μA
    〜10mA/mm2になるように荷電粒子を照射するこ
    とを特徴とする回折格子の製造方法。
  4. 【請求項4】電気光学効果を有する強誘電体基板表面
    に、選択的な誘電体マスクを形成した後、前記基板表面
    に10keV〜200keVで加速した荷電粒子を照射
    する工程を有し、前記基板の照射面における電流密度が
    100μA〜10mA/mm2になるように荷電粒子を
    照射することを特徴とする回折格子の製造方法。
  5. 【請求項5】電気光学効果を有する強誘電体基板と、前
    記基板表面または内部に形成した局所電界を有する部分
    と、前記基板表面近傍に形成した光導波路とを有し、か
    つ前記局所電界を有する部分が周期的に形成されている
    ことを特徴とする回折格子。
  6. 【請求項6】電気光学効果を有する強誘電体基板と、前
    記基板表面近傍に形成した金属イオンが注入または堆積
    された部分と、前記金属イオンが注入または堆積された
    部分に形成した局所電界を有する部分と、前記基板表面
    近傍に形成した光導波路とを有し、かつ前記金属イオン
    が注入または堆積された部分が周期的に形成されている
    ことを特徴とする回折格子。
  7. 【請求項7】非線形物質からなる強誘電体基板と、前記
    基板表面に形成した周期的分極反転層と光導波路と、前
    記光導波路上の一部に形成した請求項5または6に記載
    の回折格子とを備えたことを特徴とする波長変換素子。
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