JPH07121782B2 - 複写機の用紙反転装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、複写機の用紙搬送路に設けられる用紙反転装
置に関し、特に、用紙反転装置の導入路部分と、中間部
に各々配置する切換え爪と、用紙反転装置に設けた可逆
回転ローラ装置とによって、用紙を任意のモードで搬送
出来るように構成してなる複写機の用紙反転装置に関す
る。

（従来の技術） 従来より一般に用いられている自動両面複写機において
は、片面複写済み用紙をその用紙搬送路の途中で反転さ
せ、両面用中間トレイに収容した後で、再びトナー画像
の転写部分に向けて搬送し、片面複写済み用紙の裏面に
トナー画像を形成するような手段が用いられている。ま
た、同様な構成を有する用紙反転装置は、複写機にソー
ターを接続して、コピーを自動的に仕分けする場合にも
用いられることがある。この場合には、コピーが複写機
から排出されるモードが、画像面を上にして排出される
のに対して、ソーターのトレイに堆積される際に、画像
面を下に向けた状態で供給することを必要とする場合に
用いられるもので、複写機本体に用紙反転装置を設ける
ことによって、ソーターの用紙収容モードに対応させ得
るようにするものである。

上記したような用紙反転装置としては、一般にインバー
トシュートと呼ばれる反転機構が用いられているが、こ
のようなシュート装置においては、一般に３ローラ装置
と呼ばれる導入部のローラ機構と、コルゲートローラ機
構とを設けておき、３ローラ装置によってシュート内で
の用紙の導入と、反転排出の動作を行い、前記シュート
の内部ではコルゲートローラ機構によって、用紙に対し
てコルゲートを形成させることにより、用紙の腰を強化
して折れ曲り等が発生することを防止し、シュート内で
の移動を良好に行い得るようにしている。

上記したような用紙反転装置を用いずに、第３図に示さ
れるように、用紙搬送路に対して切換え爪を設けて、そ
の切換え爪によって用紙の反転の動作を行わせるような
装置も用いられることがある。前記第３図に示される複
写機においては、用紙搬送路１に対して、給紙部に給紙
カセット２、2aを設けて給紙を行い得るように構成し、
さらに、用紙搬送路１の所定の位置に感光体ドラム８、
定着装置９、および用紙反転装置10を設けている。ま
た、前記給紙カセット２と同列に両面用中間トレイ５を
配置して、片面複写済み用紙を収容するとともに、裏面
複写を行う際に、前記両面用中間トレイ５から給紙出来
るように構成している。

したがって、第３図に示される複写機においては、通常
の複写のモードの場合には、給紙カセット２から給紙ロ
ーラ３によって用紙を送り出し、用紙搬送路１内でレジ
ローラ７によって、感光体ドラム８に形成されるトナー
画像にタイミングを合せて、画像転写部に向けて搬送
し、感光体ドラム８からトナー画像が転写された用紙を
定着装置９に導入し、コピーとして完成する。そして、
複写のモードが片面コピーの場合には、用紙転写装置10
は切換え爪11によって閉じられているので、コピーはそ
のままの状態で搬送されて、排出トレイに排出される。

これに対して、複写のモードが自動両面複写である場合
には、定着が終了したコピーは、切換え爪11を通過して
切換え爪12により搬送路が切換えられ、排出ローラ13を
介して両面用中間トレイ５に排出される。また、画像面
に重ねて複写を行う場合、および、反転排出を行う場合
には、切換え爪11を介して用紙反転装置10に用紙を導入
し、反転を行った後で、切換え爪12を介して両面用中間
トレイ５または排出トレイに向けて搬送されるようにな
っている。

（発明が解決しようとする問題点） しかしながら、上記したような用紙搬送路を構成する場
合には、前記用紙搬送路に対して給紙カセット、両面用
中間トレイ、感光体ドラム等の各装置が、図示されるよ
うな配置の場合にのみ用いることが可能なものであり、
これに加えて、給紙部と排出部とが感光体ドラムに対し
て右側に設けられた場合にのみ有効な装置となる。そし
て、そのような構成の装置を形成することは、複写機の
種類によっては、設計条件が限定されることになるとい
う欠点を有している。また、従来より用いられているイ
ンバートシュートの場合には、用紙の種類、サイズ等に
よって、用紙がシュート内でジャムを生じたり、折れ曲
がってしまう等の障害が発生しやすい等の欠点がある。

（発明の目的） 本発明は、上記したような従来より用いられている装置
の欠点を解消するもので、反転排出、多重コピー、自動
両面コピー、通常のコピーの直接排出の４つのモードに
対して、容易に対応出来るようにするとともに、構成の
簡単な用紙反転装置を提供することを目的としている。

（問題点を解決するための手段） 本発明においては、複写機の定着装置と排出トレイの間
に配置する搬送路に対して、搬送経路を切換えるための
第１の切換え手段を介して可逆路を接続し、前記可逆路
には、第１の可逆搬送手段と、前記第１の可逆搬送手段
よりも前記搬送路から離れた方向に設けられた第２の可
逆搬送手段と、搬送経路を切換えるために前記第１の可
逆搬送手段と前記第２の可逆搬送手段との間に設けられ
た第２の切換え手段と、前記第２の切換え手段から用紙
を一時的にスタックしておくための両面用中間トレイに
設けた排出路とを設けている。

そして、前記定着装置から排出される用紙を、前記排出
トレイに向けて直接排出する動作と、前記可逆路に案内
した用紙を、前記第１の可逆搬送手段の逆回転により、
前記第１の切換え手段を介して前記排出トレイに向けて
反転排出させる動作と、前記可逆路に配置する前記第１
の可逆搬送手段から前記第２の切換え手段を介して、用
紙を前記両面用中間トレイに案内する動作、および、前
記前記第２の可逆搬送手段により反転搬送して、前記第
２の切換え手段を介して、用紙を前記両面用中間トレイ
に向けて案内する動作を、用紙搬送情報に応じて選択的
に制御する制御手段を備えている。

（作用） したがって、本発明の複写機の用紙反転装置において
は、用紙搬送路の構成を簡素化出来るとともに、用紙の
搬送方向を任意に設定出来るものとなり、コピーの反転
排出、多重コピー、自動両面複写、通常モードでのコピ
ーとの４つのモードでの複写機の動作に対処出来るもの
となる。

また、本発明の装置は、給紙カセット、排出トレイ、両
面用中間トレイが用紙搬送路に対して任意の位置に設定
される場合でも、容易に対応が可能になり、複写機の設
計に制約を加えることがなくなる。

（実施例） 図示された実施例に従って、本発明の用紙反転装置の構
成を説明する。第１図に示される例は本発明の用紙搬送
路の主要部の構成を示しているもので、定着装置９と、
それに続いて設けられる用紙反転装置20の構成を示す図
である。第１図に示される例において、複写機の用紙搬
送路１に設けられる定着装置９に続いて、搬送ローラ16
と用紙センサー15とを設け、その下流部に第１の切換え
手段としての上部切換え爪21を介して、用紙反転装置20
を設けている。また、用紙搬送路の排出側には、上部切
換え爪21に続いて排出ローラ17を設け、前記排出ローラ
17を介して、排出トレイ、または、次の用紙処理装置が
接続される。前記上部切換え爪21は、軸22を中心にして
揺動可能に設けられているもので、用紙搬送路１側の突
出部の両側が用紙のガイド面を構成しており、前記上部
切換え爪21が図の実線で示される位置にある場合には、
搬送ローラ16を通過した用紙は上部切換え爪21の上面を
通って直接排出ローラ17に送られるようになる。

これに対して、上部切換え爪21が鎖線で示されるように
揺動されている場合には、用紙は上部切換え爪21の下側
のガイド面を通って用紙反転装置20の可逆路35内に導入
される。この場合に、上部切換え爪21の下側には、図示
されるように、プラスチック製のシート23が設けられて
いるので、用紙は前記シート23を押退けて用紙反転装置
20内に入るが、反転されて用紙反転装置20から出る際に
は、前記シート23によって戻り方向への移動が阻止され
るので、排出ローラ17の側に搬送されるようになる。

本発明の用紙反転装置20には、その可逆路35の途中に中
間トレイ用排出路40を設けており、その分岐部に第２の
切換え手段としての側部切換え爪30を設けている。前記
側部切換え爪30も、上記した上部切換え爪21と同様な構
成を有するもので、軸31を中心にして揺動されるように
なっており、その下部に突出する部分にシート32を突出
させて設け、用紙を下方に向けて案内する作用と、反転
した用紙を両面用中間トレイに向けて案内する作用を行
い得るように構成している。前記側部切換え爪30の上下
部分には可逆搬送手段を設けているもので、前記可逆搬
送手段として、第１の可逆搬送手段としての上流部の可
逆回転ローラ装置25と、第２の可逆搬送手段としての下
流部の可逆回転ローラ装置36を設けている。これらの第
１、２の可逆回転ローラ装置は、上流部の可逆回転ロー
ラ装置25の場合を例にして説明すると、用紙搬送路を挟
むようにして駆動ローラ26と、ピンチローラ27を配置し
ており、前記駆動ローラは、図示を省略した駆動機構に
よって、正逆方向に駆動され得るようになっている。

したがって、用紙反転装置20に導入された用紙に対し
て、前記駆動ローラ26を図の半時計方向に駆動すると、
用紙は用紙反転装置20内に搬入され、前記駆動ローラ26
を時計方向に駆動すると、用紙は用紙反転装置20から排
出される。上記した可逆搬送手段の動作は、下流部に配
置する第２の可逆搬送手段としての可逆回転ローラ装置
36についても同様であり、前記可逆回転ローラ装置36の
駆動ローラ37とピンチローラ38との間に挟持された用紙
に対して、駆動ローラ37を正逆転駆動することによっ
て、用紙を可逆路35の可逆回転ローラ装置36の下方に向
けて挿入する動作と、前記可逆回転ローラ装置36の上方
に向けて引き出す動作が行われるようになる。なお、本
発明の装置においては、前記反転装置20の側部切換え爪
30に対応する垂直な用紙搬送路部分と、可逆回転ローラ
装置36の下部の部分に形成する用紙搬送路とを含めて、
可逆路35として構成しているものであり、以下の説明に
おいても、図の垂直搬送経路部分を可逆路として説明し
ている。

また、側部切換え爪30を介して接続される中間トレイ用
排出路40には、排出ローラ41が設けられており、その終
端部に両面用中間トレイ５が設けられている。前記両面
用中間トレイ５は、従来より用いられている両面用中間
トレイと同様に、用紙を一時的にスタックしておくため
に使用されるトレイであり、ボトムフィーダタイプの用
紙送り出し手段を配置して、前記両面用中間トレイに収
容された用紙を、その下のものから給紙ローラ６によっ
て排出し、搬送ローラ16aを介して画像転写位置に向け
て搬送するようにされている。

なお、本発明の装置において、用紙搬送路１の分岐部に
設けられている用紙センサー15は、用紙が前記センサー
を通過した後で、駆動ローラの反転駆動のタイミングを
設定するために設けられている。そして、用紙を可逆路
に案内した後で、駆動ローラと切換え爪の駆動のタイミ
ングをコントロールすることによって、反転排出、多重
コピーの両方のモードに対応させ得るようにするもので
ある。

つぎに、上記したように構成された本発明の複写機の用
紙反転装置における用紙の搬送の動作を、第２図ないし
第2c図にもとづいて説明する。第２図に示される例は、
通常モードでの片面複写を行う場合で、上部切換え爪21
を水平状態にセットしておくことによって、搬送ローラ
16を通過した用紙はそのままの状態で矢印Ａ方向に進
み、上部切換え爪21の上面を通過し、排出ローラ17を経
て排出路に搬送される。もちろんこの場合には、用紙反
転装置20は用紙に対して何等関与しない。

第2a図は自動両面複写を行う場合で、上部切換え爪21と
側部切換え爪30とは、それぞれ用紙搬送路を切換える方
向に揺動されており、上部切換え爪21の下面を通過した
用紙は、可逆回転ローラ装置25によって下方（矢印Ｂ方
向）に向けて搬送され、側部切換え爪30の上斜面を通過
して中間トレイ用排出路40に移送され、排出ローラ41を
経て両面用中間トレイ５に排出される。したがって、こ
の場合には、両面用中間トレイ５に堆積される用紙は、
給紙ローラ６によって送り出されると、その裏面が感光
体ドラムに対応するようになり、前記用紙の裏面にトナ
ー画像が転写されるようになる。

第2b図に示される例は、用紙の反転排出時の用紙経路を
示すもので、上部切換え爪21は切換え方向に、側部切換
え爪30は非作動状態にセットされる。そして、上部切換
え爪21を通過して用紙反転装置20に導入され、矢印Ｃ方
向に搬送される用紙は、前記用紙の後端部が用紙センサ
ー15を通過した後で、所定の時間経過後（用紙後端が上
部切換え爪21のシート23部を通過した後）に、制御装置
からの出力によって可逆回転ローラ装置25の駆動ローラ
が逆転駆動されるようになり、それによって、用紙は矢
印Ｃ′方向に搬送されて、上部切換え爪21の他の案内面
を経て、排出ローラ17に向けて移送される。したがっ
て、この場合には、可逆回転ローラ装置25、36はとも
に、正逆方向に駆動が切換えられるようになる。

第2c図に示される例は、多重コピーを行う場合の例を示
すもので、上部切換え爪21が作動状態にセットされ、側
部切換え爪30は非作動状態にある。そして、上部切換え
爪21により用紙反転装置20に導入された用紙は、その用
紙の後端部が側部切換え爪30を通過し終えるまで、可逆
回転ローラ装置25と36によって矢印Ｄ方向に駆動が行わ
れ、用紙は可逆路35の下方の部分に向けて挿入される。
前記用紙の後端が用紙センサー15を通過して所定の時間
経過後に、つまり、用紙の後端が側部切換え爪30のシー
ト32部分を通過した後で、可逆回転ローラ装置36が逆転
方向に駆動されるので、前記用紙矢印Ｄ′方向に移動
し、側部切換え爪30の下斜面を経て両面用中間トレイ５
に排出される。この場合に、両面用中間トレイ５に堆積
される用紙は、用紙搬送路１を通過する場合と同様な状
態にあるので、給紙ローラ６によって用紙搬送路に送り
出された用紙は、同一面にトナー画像が重ねられた状態
で転写されるようになる。

上記したように、本発明の複写機の用紙反転装置におい
ては、切換え爪の切換え動作と、可逆回転ローラ装置の
駆動方向の切換えによって、用紙の搬送方向を任意に設
定することが出来、しかも、それらの制御は、複写機の
コントロールパネル等を介して入力された用紙搬送の情
報と、１個のセンサーによる用紙検知の情報とを用いて
行い得るものとなる。また、上記した本発明の複写機の
用紙反転装置において、切換え爪はソレノイド等の駆動
部材によって揺動の動作を行い得るものであり、駆動ロ
ーラは複写機の用紙搬送路に設ける駆動機構を介して作
動されるように構成することが可能なものである。

（発明の効果） 本発明の複写機の用紙反転装置は、上記したような構成
を有するものであるから、従来より用いられている用紙
搬送路に比較してその構成を簡素化することが出来るも
のとなり、動作部材の数を少なくすることが可能にな
る。また、本発明の複写機の用紙反転装置においては、
４つのモードでの用紙の搬送状態を設定することが可能
となり、その用紙搬送モードに従う各作動部材の切換え
等の動作も、作動部材の数を少なくして確実に行い得る
ものとなる。さらに、本発明の用紙反転装置において
は、用紙を可逆回転ローラ装置によって正逆転方向に搬
送出来るので、用紙に対して無理な力がかかることがな
く、用紙反転装置内でジャムが発生することも防止出来
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の複写機の用紙反転装置の構成を示す説
明図、第２図、第2a図〜第2c図は、それぞれ本発明の複
写機の用紙反転装置における用紙の移動状態を示す説明
図であり、第３図は従来例の用紙搬送路を示す説明図で
ある。 図中の符号 １……用紙搬送路、５……両面用中間トレイ、９……定
着装置、10……用紙反転装置、11・12……切換え爪、15
……用紙センサー、16……搬送ローラ、17……排出ロー
ラ、20……用紙反転装置、21……上部切換え爪、25……
可逆回転ローラ装置、30……側部切換え爪、35……可逆
路、36……可逆回転ローラ装置、40……中間トレイ用排
出路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】複写機の定着装置と排出トレイの間に配置
   する搬送路に対して、搬送経路を切換えるための第１の
   切換え手段を介して可逆路を接続し、 前記可逆路には、 第１の可逆搬送手段と、 前記第１の可逆搬送手段よりも前記搬送路から離れた方
   向に設けられた第２の可逆搬送手段と、 搬送経路を切換えるために前記第１の可逆搬送手段と前
   記第２の可逆搬送手段との間に設けられた第２の切換え
   手段と、 前記第２の切換え手段から用紙を一時的にスタックして
   おくための両面用中間トレイに設けた排出路とを設け、 前記定着装置から排出される用紙を、前記排出トレイに
   向けて直接排出する動作と、 前記可逆路に案内した用紙を、前記第１の可逆搬送手段
   の逆回転により、前記第１の切換え手段を介して前記排
   出トレイに向けて反転排出させる動作と、 前記可逆路に配置する前記第１の可逆搬送手段から前記
   第２の切換え手段を介して、用紙を前記両面用中間トレ
   イに案内する動作、および、 前記前記第２の可逆搬送手段により反転搬送して、前記
   第２の切換え手段を介して、用紙を前記両面用中間トレ
   イに向けて案内する動作を、 用紙搬送情報に応じて選択的に制御する制御手段を備え
   たこと特徴とする複写機の用紙反転装置。