JPH068021B2 - 射出成形機の型締機構 - Google Patents

射出成形機の型締機構

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JPH068021B2
JPH068021B2 JP62045433A JP4543387A JPH068021B2 JP H068021 B2 JPH068021 B2 JP H068021B2 JP 62045433 A JP62045433 A JP 62045433A JP 4543387 A JP4543387 A JP 4543387A JP H068021 B2 JPH068021 B2 JP H068021B2
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Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、合成樹脂の成形に用いられる射出成形機の
型締機構に関するものである。
［従来の技術］ 型開閉時における型締ピストンの油圧抵抗を低減する手
段として、シリンダ後室の内径をシリンダ前室の内径よ
り大径に形成し、シリンダ後室周壁と型締ピストンとの
間に流通間隙を形成した型締シリンダを採用した型締機
構が公知となっている。
［発明が解決しようとする課題］ 上記型締機構では、型締ピストンの周囲の流通間隙によ
って、型締シリンダ内における油圧抵抗が低減される
が、型締ラムの出入に際して多量の圧油が必要となる。
また配管及び油圧回路中のバルブ装置の通路等の口径の
制限によって、型締機構が大型になると、型開閉に際す
る圧油の流出入に円滑性を欠き、高速で型開閉を行うこ
とが困難となる課題を有する。
この発明は上記従来の課題を解決するために考えられた
ものであって、その目的は、型締ラム内の圧油を回路中
に流出させることなく蓄えて、型開閉時に供給される油
量を極力少なくでき、また圧油の流出入に対する配管抵
抗が従来に比べて小さく、通路内の弁体による型閉速度
のスローダウンも可能で、大型機であっても高速型開閉
を容易となす新たな射出成形機の型締機構を提供するこ
とにある。
［問題点を解決するための手段］ 上記目的によるこの発明の特徴は、シリンダ後室の内径
をシリンダ前室の内径より大径に形成し、シリンダ後室
周壁と型締ピストンとの間に流通間隙を形成した型締シ
リンダと、上記シリンダ前室と適合する外径を有し、型
締ラムとブースタラムを同軸にして前後に有する上記型
締ピストンとを備えた型締機構において、上記型締ラム
の外径よりブースターラムの外径を小径にして上記型締
ピストンの後面の受圧面を前面より大きく形成し、上記
型締ラムと連動するピストンロッドと受圧面積（チャー
ジ面積）を型締ピストン後面における型締ラムの端面積
よりも小さく形成したチャージピストンとを有するチャ
ージシリンダを、上記型締シリンダに並設してシリンダ
前室と連通し、該シリンダ前室と上記シリンダ後室とを
シリンダ後室側通路に油圧路を接続して型締シリンダ側
部に設けた大口径の通路により連通し、その通路のシリ
ンダ後室側通路バルブ部材をばね部材により常時閉弁方
向に弾圧して設けるとともに、そのバルブ部材を開弁す
る油圧作動の操作装置を上記通路のシリンダ前室側に設
けてなることにある。
［作 用］ 上記構成では、型締ピストンの移動に伴って周囲の流通
間隙から圧油が加圧側のシリンダ室に流出する。また型
締ラムの高速後退（型開）はブースターラムにより行わ
れ、型締ラムと動きを共にするチャージピストンの後退
により、型締シリンダ内の圧油の一部がチャージシリン
ダ内に吸入されて蓄えられる。
高速前進（型閉）は型締シリンダに供給された圧油によ
り行われ、この際の油圧力は型締ピストンの両面に作用
するが、型締ピストンの前後面における受圧面積差から
生ずる差圧で型閉じが高速で行われるようになる。
またチャージピストンの受圧面積（以下チャージ面積と
いう）が型締ピストン後面における型締ラムの端面積よ
りも小さいので、チャージシリンダには油圧抵抗が発生
せず、チャージシリンダに蓄えられた圧油は型締シリン
ダに吐出され、更に周囲間隙及び通路などからシリンダ
後室に流出して、負圧の発生を防止する。
型締ピストンの前端がシリンダ前室に接して、シリンダ
後室と前室とが型締ピストンにより仕切られた後は、シ
リンダ後室側の加圧力によって、チャージシリンダから
吐き出される圧油はシリンダ前室側の圧油と一緒に、操
作装置により開弁された上記通路を通ってシリンダ後室
側に流入する。
型締ピストンはそのような状態の後も差圧によりシリン
ダ前室内を前進移動するので、その後に操作装置を戻し
て開弁を止めると、バルブ部材が通路内の油圧力とばね
圧との均衡位置まで戻り、シリンダ後室に流出する油量
を制限して、型締ピストン２の速度（型閉速度）をスロ
ーダウンする。
金型が閉じして型締ピストンが停止したときに通路の圧
油を除くと、通路内の油圧力とばね圧との均衡が損なわ
れてバルブ部材が通路を遮断し、型締に切換わる。
［実施例］ 図中１は型締シリンダで、シリンダ前室１ａの内径より
もシリンダ後室１ｂの内径を大径に形成してある。
２は型締ラム３の後端に形成された型締ピストンで、上
記シリンダ前室１ａと適合する外径を有する。また型締
ラム３にはシリンダ後室１ｂの中央に突設したブースタ
ラム４が軸心を同じくして挿入してある。
上記型締ピストン２の前後面における受圧面積は、型締
ラム３の外径Ｄよりもブースタラム４の外径ｄを小さく
形成したことから、型締ラム３の端面積Ｓ分だけ後面が
前面より大きく形成され、その面積差に等しく差圧が生
じて、型締シリンダ内の油圧力により型締ラム３は前進
移動する。
上記型締ラム３はシリンダ端壁を貫通して外部に突出
し、その先端にタイバー５を案内として移動する可動盤
６が連結してある。またブースタラム４は型締ラム内に
て開口した油圧路７を内部に有する。
８はチャージシリンダで、上記シリンダ前室１ａと連通
して圧油が出入するように、上記型締ラム３の側部に並
設してある。またチャージシリンダ内のチャージピスト
ン９の受圧面積、即ちチャージシリンダ８のチャージ面
積ｓは型締ピストン後面における型締ラム３の上記端面
積Ｓよりも小さく形成され、そのピストンのロッド１０
は型締ラム３と同じく上記可動盤６に連結してある。
１１は型締シリンダ１のシリンダ側部に設けた大口径の
通路で、上記シリンダ前室１ａとシリンダ後室１ｂの前
部とにわたり設けられており、その通路１１のシリンダ
前室側通路１１ａとシリンダ後室側通路１１ｂは、該シ
リンダ後室側通路１１ｂに設けたバルブ部材１２により
遮断できるようになっている。
上記バルブ部材１２は、ばね部材１３により常時閉弁方
向に弾圧されてチェッキバルブを構成し、ばね部材１３
はねじ部材１４により圧力を任意に調整できるようにな
っている。またバルブ部材１２の側部には、油圧回路１
５からの圧油の流入孔１６が穿設してある。
また通路１１のシリンダ前室側には、油圧シリンダ１８
とピストン１９に連結してバルブ部材１２に対設した通
路内のロッド２０とからなる操作装置１７が設けてあ
り、この操作装置１７によりバルブ部材１２が開弁さ
れ、または通路内圧力がばね圧より大きくなって開弁し
たときに、その大口径の通路１１を圧油が流通して前後
室のいずれかに流出入し、その流量は弁体の開き加減に
より制御される。
上記油圧回路１５は、ブースタラム４の油圧回路７と、
通路１１及び操作装置１７とに切換バルブ２１，２２，
２３，２４を設けて接続してある。
なお、図中２５は固定盤、２７は金型である。またチャ
ージシリンダ８は第３図に示すように、型締シリンダ１
の両側に並設するのが好ましく、この場合のチャージ面
積ｓは両方を合わせて上記端面積Ｓよりも小さくするこ
とを必要とする。
次に動作について説明する。
型閉及び型締動作 第１図に示す型開の状態において、型締シリンダ１内に
油圧回路１５から圧油を供給すると、そこに生じた差圧
により型締ピストン２がシリンダ前室１ａへと加圧され
る。これにより型締ラム３が可動盤６を押圧して前進移
動すると同時に、上記チャージシリンダ８のピストンロ
ッド１０が可動盤６を介して引張られる。
チャージピストン９ではチャージ面積ｓが型締ピストン
２の上記端面積Ｓよりも小さく形成され、そこに生ずる
油圧抵抗は上記差圧よりも小さいので、チャージピスト
ン９はシリンダ内の圧油を、シリンダ前室１ａに押出し
ながら前進移動する。
シリンダ前室１ａに吐出された圧油は、ピストン移動方
向にある圧油と一緒に型締ピストン２の周囲の流通間隙
からシリンダ後室１ｂに流れ込むようになるので、油圧
抵抗となるようなことがなく、型締ピストン２は高速で
シリンダ前室１ａまで移動する。第２図に示すように、
型締ピストン２の前端がシリンダ前室１ａに達して嵌り
込むと、上記流通間隙が失われてシリンダ前室１ａの圧
油の逃げ場がなくなるので、そのときに切換バルブ２４
を図のように切換えて上記操作装置１７を油圧作動し、
ロッド２０を前進してバルブ部材１２をばね部材１３に
抗して後退させ、通路１１を開いてシリンダ前室１ａと
後室１ｂとを連通する。これによりチャージシリンダ８
からの吐出油及びシリンダ前室１ａの圧油は、その通路
１１を経てシリンダ後室１ｂに流出する。
上記型締ピストン２の前端がシリンダ前室１ａに嵌り込
んだ後も型締シリンダ１内には差圧が生じているので、
型締ピストン２はシリンダ前室内を前進移動する。そこ
で上記切換バルブ２４を元に切換えて操作装置１７を逆
に油圧作動し、ロッド２０を戻してバルブ部材１２から
離すと、バルブ部材１２がばね圧により閉弁方向に戻
る。このバルブ部材１２の戻りは通路内の油圧力とばね
圧との均衡位置までとなり、これにより通路１１は絞ら
れてシリンダ後室１ｂに流出する油量が制限され、型締
ピストン２の速度（型閉速度）はスローダウンして高速
から低速に切換わる。
型閉完了により型締ピストン２が停止した時点で切換バ
ルブ２２を切換え、シリンダ後室１１ｂに油圧回路１５
から圧油を供給するとともに、シリンダ前室１ａをドレ
ーンに接続すると、通路内圧力が低下して上記均衡が破
られ、ばね部材１２の圧力が勝ってバルブ部材１２が完
全に閉弁し、通路１１が遮断される。同時にシリンダ後
室側が一方的に加圧されて型締状態となる。この場合に
おいても上記チャージ面積ｓが端面積Ｓよりも小さいの
で、チャージシリンダ側が型締抵抗となるようなことは
ない。
型開動作 成形完了後、切換バルブ２３をタンク側に、また上記切
換バルブ２４を第２図の状態に切換えて、上記操作装置
１７によりバルブ部材１２を開弁し、シリンダ前室１ａ
後室１ｂと連通する。次に切換バルブ２１を切換えて上
記ブースタラム４に圧油を供給すると、型締ピストン２
は後退移動を開始する。このときシリンダ後室１ｂの圧
油は、始めは通路１１から前室１ａに、またはタンクに
流出するようになるが、ピストン周囲に流通間隙が生じ
た後は、その殆どがそこから前室へと流入する。
このため型締ピストン２の後退に際するシリンダ後室１
ｂの油圧抵抗はきわめて小さく、型締ピストン２は型締
ラム先端の可動盤６と共に高速で定位置まで後退移動し
て型開を完了する。
同時に上記チャージピストン９もロッド１０と共に後退
移動する。これに伴って型締シリンダ内の圧油がチャー
ジシリンダ８に吸入されて、シリンダ内に蓄えられる。
［発明の効果］ この発明は上述のように、上記型締ラムの外径よりブー
スターラムの外径を小径にして上記型締ピストンの後面
の受圧面を前面より大きく形成し、それにより差圧が生
ずるようにしたので、型締シリンダに供給した圧油によ
り型締ピストンを型閉じすることができる。
また型締ラムと連動するピストンロッドと、受圧面積
（チャージ面積）を型締ピストン後面における型締ラム
の端面積よりも小さく形成したチャージピストンとを有
するチャージシリンダを、型締シリンダに並設してシリ
ンダ前室と連動させ、型締シリンダ内の圧油の一部を型
締ピストンの後退（型開）時にはチャージシリンダに蓄
え、前進（型閉）時には蓄えた圧油を吐出するようにし
たので、型締シリンダ内の圧油のタンク流出量が少なく
済み、大型の型締機構であっても少量の圧油を型締シリ
ンダに供給するだけで、負圧を発生することなく高速型
閉を行うことができる。
さらにまたシリンダ前室とシリンダ後室とを、シリンダ
後室側通路に圧油供給用の油圧路を接続した通路により
連通し、特にその通路を大口径となしたので、ピストン
周囲に流通間隙がなくなった後でも、チャージシリンダ
からの圧油を型締ピストンによりシリンダ前室から通路
に多量に押出してシリンダ後室に送込むことができる。
したがって、チャージシリンダから吐出された圧油が、
型締ピストンの移動に対し大きな油圧抵抗となることは
なく、シリンダ前室に入り込んだ後も型締ピストンの動
作はスムーズで高速移動する。
しかも大口径の通路をばね部材により常時閉弁方向に弾
圧して上記シリンダ後室側通路に設けたバルブ部材と、
シリンダ前室側に設けた油圧作動の操作装置とにより開
閉できるようにし、その操作装置によりバルブ部材を開
放してシリンダ後室に前室側の圧油を抵抗なく流入する
ようにしたので、型締ピストンが高速で移動してもシリ
ンダ後室が負圧となるようなことがない。
またバルブ部材は通路内の油圧力とばね圧との均衡位置
にとどまるので、通路内圧力に応じて通路の開度がコン
トロールされ、流出する油量が自動的に制御されるの
で、、他に特別の手段を要することなく型閉速度のスロ
ーダウンを行うことができるなどの特長を有する。
【図面の簡単な説明】
図面はこの発明に係る射出成形機の型締機構の１実施例
を略示するもので、第１図は型開状態を示す縦断側面
図、第２図は型閉時の縦断側面図、第３図は他の実施例
の縦断正面図である。 １……型締シリンダ １ａ…シリンダ前室 １ｂ…シリンダ後室 ２……型締ピストン ３……型締ラム ４……ブースタラム ８……チャージシリンダ ９……チャージピストン １０……ピストンロッド １１……大口径の通路 １１ａ…シリンダ前室側通路 １１ｂ…シリンダ後室側通路 １２……バルブ部材 １３……ばね部材 １７……操作装置 Ｓ……型締ラムの端面積 ｓ……チャージ面積 Ｄ……型締ラムの外径 ｄ……ブースタラムの外径

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】シリンダ後室の内径をシリンダ前室の内径
    より大径に形成し、シリンダ後室周壁と型締ピストンと
    の間に流通間隙を形成した型締シリンダと、上記シリン
    ダ前室と適合する外径を有し、型締ラムとブースタラム
    を同軸にして前後に有する上記型締ピストンとを備えた
    型締機構において、 上記型締ラムの外径よりブースターラムの外径を小径に
    して上記型締ピストンの後面の受圧面を前面より大きく
    形成し、上記型締ラムと連動するピストンロッドと受圧
    面積（チャージ面積）を型締ピストン後面における型締
    ラムの端面積よりも小さく形成したチャージピストンと
    を有するチャージシリンダを、上記型締シリンダに並設
    してシリンダ前室と連通し、該シリンダ前室と上記シリ
    ンダ後室とをシリンダ後室側通路に油圧路を接続して型
    締シリンダ側部に設けた大口径の通路により連通し、そ
    の通路のシリンダ後室側通路にバルブ部材をばね部材に
    より常時閉弁方向に弾圧して設けるとともに、そのバル
    ブ部材を開弁する油圧作動の操作装置を上記通路のシリ
    ンダ前室側に設けてなることを特徴とする射出成形機の
    型締機構。
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