JPH0667282B2 - 草刈機−コンディショニング装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、上方を向いた軸線のまわりを回転する一群の
切断具を備えた少なくとも一つの草刈ユニットと、上記
切断具によって刈られた草を通過させるコンディショニ
ングローラを備えた上記草刈ユニットと組み合わされた
コンディショニングユニットとを備え、上記コンディシ
ョニングローラの各端部が対応する側壁に固定された軸
受中に回転支持されている草刈機−コンディショニング
装置に関するものである。

従来の技術 このような草刈機−コンディショニング装置は、草を刈
り、次に、刈られた草を機械的に処理して、刈られた草
の乾燥を促進するために用いられる。この機械的処理
は、切断具によって刈り取られた草を切断具の切断領域
の後方に設けた２本のローラの間を通過させることによ
って行われる。

切断具によって刈り取られた草は、回転する切断具によ
り与えられる放出作用とコンディショニングローラによ
る捕獲作用とを同時に受けることによって、コンディシ
ョニングローラ間に送り込まれる。

刈られた全ての草に所望の処理を施すためには、刈られ
た草全部をコンディショニングローラの間を通過させる
必要がある。ところが、刈り取り状態によっては、切断
具によって刈り取られた草の一部が、コンディショニン
グローラを支持している側壁の近くで、横に広がってし
まってコンディショニングローラの間を通過しなくなる
場合があるということが分かっている。しかし、この刈
り草には処理が施されないだけでなく、後でこの刈り草
を取り除くのに大変手間が掛かるため、こうした状態は
好ましくない。

ドイツ連邦共和国公開特許第2,231,624号には上記のよ
うな草刈機−コンディショニング装置が記載されてい
る。この草刈機−コンディショニング装置は各側壁の近
くに偏向板を備えており、この偏向板の少なくとも一部
分は、側壁の直ぐ近くに配置された切断具によって刈り
取られて後方に放出される草の流れの中まで延びてい
る。偏向板は鉛直であり且つ作業方向に対して後方に傾
斜するとともに草刈機−コンディショニング装置の中心
部に向かって傾斜している。また、刈り取られて後方に
放出された草の流れの中まで少なくとも一部分が延びて
いるこの偏向板の上記部分はほぼ平坦である。上方から
見ると、各偏向板は草刈ユニットの各側端部の切断具と
それに対応するコンディショニング装置の側壁との間に
延びている。

発明が解決しようとする課題 そのため、コンディショニング装置のコンディショニン
グローラは草刈ユニットの切断具の後方にかなり離れた
位置に存在している。従って、切断具によって刈り取ら
れて後方に放出された草はコンディショニング装置のロ
ーラの捕獲領域に達する前に長い距離を移動しなくては
ならない。特に、偏向板に衝突してからローラに向けて
方向転換する草の場合には、特に長い距離を移動しなく
てはならない。しかし、偏向板に衝突した草は一定の制
動作用を受けるので、偏向板が鉛直方向を向いている
と、偏向板に衝突した草はローラの間に入らずに地面に
落下してしまう。

さらに、上記公知の草刈機−コンディショニング装置の
偏向板の前縁部は鋭角になって、外側の切断具の上に取
り付けられたドラムの直ぐ近くまで延びている。しか
し、これは非常に都合が悪いことである。すなわち、刈
られた草の断片が偏向板のこの前縁部とそれに対応する
ドラムとの間の隙間に入ると、これら草の断片は直ぐに
この隙間に付着して詰まってしまう。これは、偏向板の
外側に向かって延びた草の断片の端部はドラムによって
外側に引っ張られるのに対して、この偏向板の内側に向
かって延びたこの草の断片の端部は刈り草の流れによっ
て内側に引っ張られるためである。この結果、草の断片
は鋭角形状の上記縁部によって折り曲げられ、そこから
離れなくなる。

本発明の目的は、公知のこの草刈機−コンディショニン
グ装置の機構を改良して、刈り取られた草全体がコンデ
ィショニング装置のローラの間を通過するようにするこ
とにある。

課題を解決するための手段 この目的を達成するため、本発明では、切断されて後方
に放出された草の流れの中まで少なくとも一部分が延び
ている偏向板の部分が、平面図においてコンディショニ
ングローラの縦軸線とこの偏向板のこの部分がなす角度
とほぼ同じ角度をなす鉛直平面に対して成し、偏向板の
上縁部は下縁部よりも上記草刈機−コンディショニング
装置の中央部から遠くなっており、偏向板の前縁部は外
側に向かって丸くなっている。

作用 刈られて後方に放出された草の流れの中まで延びている
偏向板の部分が、平面図においてローラの縦軸線に対し
て偏向板のこの部分がなしている角度とほぼ同じ角度を
なしている鉛直平面に対して鋭角をなしおり、しかも、
偏向板の上縁部が下縁部よりも草刈機−コンディショニ
ング装置の中心部から遠くなるようになっているため、
刈られて上記部分に衝突した草は全てローラの方向に偏
向される。このことは、草の流れの中まで延びた上記部
分を上記で特定した方向に向けたことによって、偏向さ
せる草に後方に向かう運動成分だけでなく上方への運動
成分をも与えた結果である。

また、偏向板の前縁部が外側に向かって丸くなっている
ため、この前縁部に達した草の断片は、後方に放出され
る残りの草によって引っ張られて引っ掛かることなしに
この前縁部上を滑動する。この丸まった部分は外側を向
いているため、前縁部と草を偏向させる平坦部の間に優
れた連続性を保つことができる。

本発明の好ましい実施例では、刈り取られて後方に放出
される草の流れの中に少なくとも部分的に延びている偏
向板の上記部分は、対応する側壁の内面の近くに配置さ
れている。

上記偏向板は、上記ローラの縦軸線の方向との間に55〜
85゜の間の角度をなすことが好ましい。

さらに、刈り取られて草の流れの中に少なくとも部分的
に延びている偏向板の上記部分と上記垂直平面との間の
上記鋭角は５〜20゜の間の角度であることが好ましい。

本発明の好ましい実施例では、上記偏向板の前縁部はほ
ぼ円筒面の一部の形状である。

刈られた草が偏向板とそれに対応する側壁の前縁部の間
に入らないようにするためには、上記偏向板の前縁部が
対応する側壁の前縁部の少なくとも一部を取り囲んでい
ることが好ましい。

対応する側壁の最も近くに存在している切断具の上に公
知の方法で回転ドラムが載せられている場合には、上記
偏向板の前縁部が上記ドラムの外面の比較的近くまで延
び且つその外面と少なくともほぼ平行に延在しているこ
とが好ましい。

上記偏向板は対応する側壁に結合されていることが好ま
しい。

上記偏向板は対応する側壁に対して取り外し可能に結合
されていることが好ましい。そうすることによって、偏
向板が摩耗したり破損した場合には、それを容易に交換
することができ、偏向板が邪魔になるという極めて特殊
な条件の場合には、偏向板を容易に取り去ることができ
る。

本発明の他の特徴ならびに利点は添付の図面を参照した
以下の実施例で明らかになろう。しかし、本発明がこの
実施例に限定されることはない。

実施例 本発明の草刈機−コンディショニング装置は、４つの切
断具２、３が取り付けられた草刈ユニット１を備えてい
る。なお、切断具の数は４つに限られることはない。図
示の実施例では、切断具２、３はハウジング４の上側表
面で回転駆動され且つ上方を向いた軸５のまわりを回転
する。一群の切断具２、３は作業方向６に対して横方向
に延在している。

草刈ユニット１の後方にはコンディショニングユニット
７が延在している。このコンディショニングユニット７
は、第２図に矢印10、11で示したように互いに逆方向に
回転する２つのローラ８、９を備え、切断具２、３で刈
り取られた草はこれらローラ８、９の間を通過する。こ
れらローラ８、９は、側壁13に設けられた軸受12中に回
転支持されている。側壁13はほぼ鉛直で且つ作業方向６
に対してほぼ垂直、すなわち、図示の実施例ではローラ
８、９の縦軸線に垂直に延びている。第１図からはさら
に、各側壁13が、草刈ユニット１の各端部の対応する切
断具２の上に載置されたドラム14の後まで延びているこ
とがわかる。

作業中は、切断具２、３は各々対を成し、第１図に示さ
れた回転方向にそれぞれ回転する。従って、各切断具
２、３の対により刈り取られた草は２つの切断具２、３
の中心部にほぼ集まり、流れ15に沿って後方に放出され
る。

各切断具２、３の対の切断具３により刈り取られて後方
に放出された草が、対応する側壁13の外側に放出された
り、あるいは、刈り取られた草が滞留したり、詰まって
しまう危険性のある領域16にこないようにするために、
本発明では偏向板17を取り付ける。図面からわかるよう
に、この偏向板17は側壁13の内面26の近くにあり、少な
くともその一部分は、対応する切断具２、３の対により
刈り取られて後方に放出された草の流れ15の中に存在し
ている。この偏向板17は立ち上がっており且つ後方かつ
草刈機−コンディショニング装置の中心部に向かって傾
斜し、ローラ８、９の縦軸線と角度18をなしている。図
示の実施例では、この角度18の値は約78゜である。さら
に、偏向板17は上縁部19が下縁部20よりも草刈ユニット
１の中心部から離れていることが第１図からわかる。ま
た、放出された草が上記領域16に行かないようにするた
めの偏向板17の部分はほぼ平坦で且つローラ８、９の縦
軸線に対して偏向板17とほぼ等しい角度をなす鉛直平面
22との間に角度21をなしている。図示の実施例では、こ
の角度21は約11゜である。偏向板17の前縁部23は外に向
かって丸くなっており、円筒面の一部分の形状となって
いる。図面からわかるように、この前縁部23は対応する
側壁13の前縁部24を少なくとも部分的に取り囲んでい
る。さらに、この前縁部23は、対応するドラム14のかな
り近くまで延び且つその外側表面とほぼ平行になってい
ることがわかる。

さらに、偏向板17は対応する側壁13に対して取り外し可
能に取り付けられていることがわかる。この目的で偏向
板17には取付け部材25が設けられていて、この取付け部
材25が対応する側壁13の内面26にボルト27で固定され
る。

草刈機−コンディショニング装置のシャーシ、切断具
２、３の駆動要素、コンディショニングローラ８、９な
どの本発明の目的とは直接の関係がない要素については
当業者には明らかであるため説明しなかった。

本発明は、本発明の範囲を逸脱しない限り、上記の実施
例に様々な変更や改良を施すことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の草刈機−コンディショニング装置の
概略平面図で、第２図の平面Ｉ−Ｉによる部分断面図と
して示した図である。 第２図は、第１図の草刈機−コンディショニング装置の
第１図に示した平面II−IIによる断面図である。 第３図は、第１図と第２図の草刈機−コンディショニン
グ装置を第１図に示した矢印IIIの方向から見た正面図
である。 第４図は、第１図に示した平面IV−IVによる部分断面図
である。 （主な参照番号） １……草刈ユニット、２、３……切断具、 ４……ハウジング、７……コンディショニングユニッ
ト、 ８、９……ローラ、12……軸受、 13……側壁、14……ドラム、 17……偏向板、23、24……前縁部、 25……取付け部材、27……ボルト

Claims (13)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上方を向いた軸線（５）のまわりを回転す
   る切断具（２、３）が取り付けられた草刈ユニット
   （１）と、上記切断具（２、３）によって刈られた草を
   通過させるコンディショニングローラ（８、９）を備え
   た上記草刈ユニット（１）と組み合わされたコンディシ
   ョニングユニット（７）とを有し、上記コンディショニ
   ングローラ（８、９）の各端部は対応する側壁（13）に
   固定された軸受（12）中に回転支持され、この側壁の近
   くには偏向板（17）が設けられており、この偏向板（1
   7）の少なくとも一部分は上記側壁（13）の近くに設置
   された切断具（２、３）によって切断されて後方に放出
   された草の流れ（15）の中まで延びており、この偏向板
   （17）は立ち上がっており且つ作業方向（６）に対して
   後方かつ上記草刈ユニット−コンディショニングユニッ
   トの中心部に向かって傾斜しており、切断されて後方に
   放出される草の流れ（15）の中に少なくとも部分的に延
   びている上記偏向板（17）の部分はほぼ平坦であるよう
   な草刈機−コンディショニング装置において、 平面図において上記ローラ（８、９）に対して偏向板
   （17）の上記部分がなす角度とほぼ同じ角度（18）をな
   している鉛直平面（22）に対して、偏向板（17）の上記
   部分が鋭角（21）をなしており、偏向板（17）の上縁部
   （19）は下縁部（20）よりも上記草刈機−コンディショ
   ニング装置の中心部から遠くなっており、偏向板（17）
   の前縁部（23）は外側に向かって丸くなっていることを
   特徴とする草刈機−コンディショニング装置。
2. 【請求項２】切断されて後方に放出される草の流れ（1
   5）の中に少なくとも部分的に延びている上記偏向板（1
   7）の上記部分が、対応する側壁（13）の内面（26）の
   近傍に配置されていることを特徴とする請求項１に記載
   の草刈機−コンディショニング装置。
3. 【請求項３】上記偏向板（17）が、上記ローラ（８、
   ９）の縦軸線の方向との間に55〜85゜の間の角度をなす
   ことを特徴とする請求項１または２に記載の草刈機−コ
   ンディショニング装置。
4. 【請求項４】上記偏向板（17）が、上記ローラ（８、
   ９）の縦軸線の方向との間に約78゜の角度をなすことを
   特徴とする請求項３に記載の草刈機−コンディショニン
   グ装置。
5. 【請求項５】上記鋭角（21）が５〜20゜の間の角度であ
   ることを特徴とする請求項１〜４のいずれか１項に記載
   の草刈機−コンディショニング装置。
6. 【請求項６】上記鋭角（21）が約11゜であることを特徴
   とする請求項５に記載の草刈機−コンディショニング装
   置。
7. 【請求項７】上記側壁（13）に最も近い切断具（２）の
   上に回転ドラム（14）が載せられていることを特徴とす
   る請求項１〜６のいずれか１項に記載の草刈機−コンデ
   ィショニング装置。
8. 【請求項８】作業方向（６）に沿ってこの作業方向と反
   対方向に向かって見た場合に、上記側壁（13）が上記ド
   ラム（14）の後方に延在していることを特徴とする請求
   項７に記載の草刈機−コンディショニング装置。
9. 【請求項９】上記偏向板（17）の前縁部（23）がほぼ円
   筒面の一部の形状であることを特徴とする請求項１〜８
   のいずれか１項に記載の草刈機−コンディショニング装
   置。
10. 【請求項１０】上記偏向板（17）の前縁部（23）が、対
    応する側壁（13）の前縁部（24）の少なくとも一部を取
    り囲んでいることを特徴とする請求項１〜９のいずれか
    １項に記載の草刈機−コンディショニング装置。
11. 【請求項１１】上記偏向板（17）の前縁部（23）が、上
    記ドラム（14）の外面の比較的近くでこの外面と少なく
    ともほぼ平行に延在していることを特徴とする請求項７
    または８に記載の草刈機−コンディショニング装置。
12. 【請求項１２】上記偏向板（17）が対応する側壁（13）
    に接続されていることを特徴とする請求項１〜11項のい
    ずれか１項に記載の草刈機−コンディショニング装置。
13. 【請求項１３】上記偏向板（17）が対応する側壁（13）
    に対して取り外し可能に接続されていることを特徴とす
    る請求項12に記載の草刈機−コンディショニング装置。