JPH0660296B2 - 熱交換器用内面防食塗装皮膜付き銅合金管 - Google Patents

熱交換器用内面防食塗装皮膜付き銅合金管

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JPH0660296B2
JPH0660296B2 JP63060737A JP6073788A JPH0660296B2 JP H0660296 B2 JPH0660296 B2 JP H0660296B2 JP 63060737 A JP63060737 A JP 63060737A JP 6073788 A JP6073788 A JP 6073788A JP H0660296 B2 JPH0660296 B2 JP H0660296B2
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Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、熱交換器用内面防食塗装皮膜付き銅合金管に
係り、特に管の伝熱性能や管内面に形成される塗膜の防
食皮膜としての特性を損ねることなく、その耐電気防食
性を改善せしめた、伝熱管としての銅合金管に関するも
のである。
(背景技術) 従来より、火力発電所や化学工場、或いは船舶等の復水
器やその他の各種熱交換器には、伝熱管として、黄銅
に、アルミニウム、砒素、その他ケイ素等を添加した、
所謂特殊黄銅管や、銅、ニッケル、鉄よりなる、所謂キ
ュプロニッケル管の如き銅合金管が広く使用されてきて
いるが、それら熱交換器においては、冷却水として、海
水或いは河海水を使用する関係上、それら伝熱管の内面
には種々の腐食が発生する。そして、このような腐食が
生じると、伝熱管内面には腐食生成物を含む付着物が付
き、熱交換器の熱貫流率を低下させるのである。
このため、かかる銅合金管を伝熱管として使用するため
に、その内面を防食するための各種の手法が提案されて
いるが、そのなかでも、本発明者らが、特公昭56−4
5079号公報、特開昭56−166271号公報等に
明らかにしたように、所定の樹脂塗料を用いて、防食塗
膜を所定の厚さで管内面に形成させる手法は、防食性や
作業性等の点において、他の手法に比べて優れており、
今日、既に実用化に至っている。そして、そのような防
食塗膜を与える樹脂塗料は、皮膜形成性の合成樹脂と共
に、防錆顔料、体質顔料、着色顔料等の顔料類や、沈降
防止剤、顔料分散剤、可塑剤、皮張防止剤等の添加剤を
適宜加えて、構成されており、このうち、防錆顔料とし
ては、クロム酸亜鉛や塩基性クロム酸鉛等のクロム系若
しくは鉛系の顔料が用いられている。
ところで、熱交換器の腐食は、かかる熱交換器用管(伝
熱管)たる銅合金管のみに止まらず、そん水室を構成す
る他の材料、例えば水室壁、弁、管板等についても考慮
する必要があるのであり、またかかる熱交換器用管内面
に所定の防食塗膜が形成された場合といえども、該熱交
換器用管内を流通せしめられる伝熱流体(冷却流体)中
に混入する流入異物の殴打による管端部分の塗膜の剥離
を完全に防止し得ず、そしてそのような剥離が惹起され
た場合に、当該剥離部には潰食、所謂インレットアタッ
クが惹起されるところから、それらの問題を解決するた
めに、一般に、熱交換器の水室には電気防食(陰極防
食)装置が設置されているのである。
しかしながら、そのような陰極電気防食環境下に、所定
の内面防食塗装皮膜を設けた銅合金管を置いた場合にお
いて、かかる電気防食の条件如何によっては、かかる内
面防食塗膜に当該電気防食作用によって生じるアルカリ
(OH)により、塗膜膨れ、換言すればアルカリ劣化
が惹起され、そしてこれによって塗膜の剥離が加速され
る問題が内在しており、また塗膜の伝熱抵抗値も大きく
なって、熱貫流率が10%前後も低下することが経験さ
れているのである。
而して、かかるアルカリ劣化は、塗膜内を浸透し、塗膜
下の金属表面に到達した、冷却流体としての海水等の中
に存在するHOやOが、陰極電気防食により、金属
内部より金属表面に供給された電子と反応し、アルカリ
(OH)を発生することにより惹起せしめられる塗膜
劣化現象であるが、従来の塗膜では、そのような劣化現
象を防止することは困難であったのである。
また、本発明者らの検討によれば、かかる内面防食塗膜
の電気防食下での膨れ防止(劣化)に対して、その下地
皮膜の改良を行なったり、塗膜膜厚の増大を図ったりす
ることが、或る程度は有効であることが明らかとなった
が、それらの対策にあっては、その効果が未だ充分でな
いことに加えて、コストや伝熱性能面においてマイナス
効果をもたらす場合があって、更に有効な対策が求めら
れているのである。
(解決課題) ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為さ
れたものであって、その解決すべき課題とするところ
は、電気防食装置を設置した熱交換器に取り付けられる
内面防食塗装皮膜付き銅合金管において、その伝熱性能
や防食性を損ねることなく、その耐電気防食性をより一
層向上せしめ、以てかかる銅合金管の伝熱管としての実
用性を高めることにある。
(解決手段) そして、本発明は、かかる課題解決のために、電気防食
装置が設置された熱交換器に取り付けられて、陰極電気
防食環境下において、管内に所定の冷却流体が流通せし
められる、伝熱管としての内面防食塗装皮膜付き銅合金
管において、かかる内面防食塗装皮膜が、塗料固形分に
対して、それぞれ、(a)1〜50重量%の割合の縮合
リン酸アルミニウムと、(b)0.5〜15重量%の割合
の酸化亜鉛と、(c)5〜50重量%の割合のクレー及
び/又はタルクとを、合計量で10〜70重量%となる
ように含む合成樹脂塗料を用いて形成されていることを
特徴とするものである。
要するに、本発明に従う内面防食塗装皮膜付き銅合金管
にあっては、防錆顔料として、従来のクロム酸塩系に代
えて、所定量の縮合リン酸アルミニウム及び酸化亜鉛を
用い、更に体質顔料として所定量のクレー及び/又はタ
ルクを用いてなる合成樹脂塗料にて、銅合金管内面に所
定の防食塗膜が形成せしめられたものであって、これに
より、陰極電気防食環境下での膨れ(アルカリ劣化)が
効果的に抑制され、以てその耐電気防食性の著しい向上
を図り得たのである。
ところで、かかる本発明に用いられる銅合金管材料とし
ては、従来から伝熱管として用いられている管材料が何
れも対象とされるものであるが、特に本発明にあって
は、アルミニウム黄銅管、例えばJIS−H−3300
−C−6870,6871,6872等のアルミニウム
黄銅材料からなる管や、キュプロニッケル管、例えばJ
IS−H−3300−C−7060,7150等のキュ
プロニッケル材料からなる管が好適に用いられるのであ
る。そして、そのような銅合金管は、例えば内径が10
〜40mm程度、特に15〜25mm程度、長さが4〜40
m、特に5〜25m程度の長尺細管として用いられるこ
ととなる。
そして、このような小孔径、長尺の銅合金管には、その
管内面に対してスプレー塗装等の塗装手法によって所定
の樹脂塗料が均一に塗装せしめられ、そこに所定厚さの
膜厚の防食塗膜が形成されるのであるが、本発明におい
ては、そのような防食塗膜が、特定の防錆顔料及び体質
顔料を所定割合で含む合成樹脂塗料を用いた塗装操作に
よって、形成されるのである。
すなわち、このような防食塗装操作に用いられる合成樹
脂塗料としては、一般に、常乾型(常温乾燥型)の塗料
が好適に用いられ、またそのような塗料においては、皮
膜形成要素として、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リエステル樹脂、エポキシ・エステル樹脂、ビニル樹脂
(塩化ビニル系、酢酸ビニル系等)、ポリウレタン樹
脂、アクリル樹脂(アクリル酸エステル系等)等の有機
重合体樹脂(変性物をも含む)の1種または2種以上が
用いられる。そして、かかる有機重合体樹脂が、それに
対する適当な溶剤(例えば、アルコール系、エステル
系、エーテル系、ケトン系脂肪族或いは芳香族炭化水素
系等)に溶解され、また顔料として、防錆顔料、体質顔
料が配合され、更に必要に応じて着色顔料や防汚顔料等
の他の顔料類や、沈降防止剤、顔料分散剤、可塑剤、皮
張防止剤等の他の添加剤が適宜に配合されて、常温乾燥
型の皮膜形成性の液状組成物(塗料)に調製されるので
あるが、本発明にあっては、そのような塗料中の防錆顔
料として、(a)トリポリリン酸アルミニウムの如き縮
合リン酸アルミニウム及び(b)亜鉛華の如き酸化亜鉛
を用い、また体質顔料として、(c)クレー(Al
・2SiO・2HO)及び/又はタルク(3Mg
O・4SiO・2HO)を用いるようにしたのであ
る。
そして、本発明にあっては、防錆顔料の一成分たる縮合
リン酸アルミニウム(a)を、塗料固形分(全顔料成分
+樹脂固形分+添加剤固形分。以下同じ)に対して1〜
50重量%の割合となるように塗料中に配合せしめ、ま
た他の一つの防錆顔料成分たる酸化亜鉛(b)を、塗料
固形分に対して0.5〜15重量%の割合となるように配
合せしめると共に、体質顔料としてのクレー及び/又は
タルク(c)を、塗料固形分に対して5〜50重量%の
割合となるように配合せしめ、しかもそれら(a)縮合
リン酸アルミニウムと(b)酸化亜鉛と(c)クレー及
び/又はタルクとの合計量が、塗料固形分に対して10
〜70重量%となるように調整したのである。特に、本
発明における耐電気防食性の効果は、体質顔料としてク
レー及びタルクを複合使用することにより、更に高めら
れ得るのであるが、勿論、それらを単独使用することも
可能である。
なお、かかる本発明において、防錆顔料の一つたる
(a)成分の縮合リン酸アルミニウムの配合量が1重量
%よりも少なくなると、耐電気防食性の向上を利用に達
成し得ず、またその含有量が50重量%を越えるように
なると、形成される塗膜の粉末化が進行し、そのため塗
膜の耐摩耗性が低下するようになるのであり、また、ス
プレー塗装性も低下する等の問題を惹起する。また、防
錆顔料の他の一つたる(b)成分の酸化亜鉛の配合量に
あっても、それが0.5重量%よりも少なくなると、耐電
気防食性が低下し、また塗膜密着性も低下する等の問題
を惹起し、一方15重量%を越えるような配合量となる
と、塗膜の耐摩耗性が低下する問題を惹起する。
さらに、体質顔料たる(c)成分のクレー及びタルク
は、その合計量において、5重量%未満の配合量では、
塗膜形成性が低下し、局部的に薄膜部が形成され、そし
て、その薄膜部部分における耐電気防食性が低下する問
題を発生するのであり、また50重量%を越える配合量
では、塗膜の耐摩耗性が減少する等の問題を惹起する。
更にまた、上記(a)成分と(b)成分と(c)成分と
の合計量に関して、それが10重量%未満となると、塗
膜形成性が劣化し、且つ耐電気防食性の向上も困難とな
るのであり、また70重量%を越えるようになると、塗
膜の粉末化が進行し、そのため耐摩耗性が劣化し、且つ
スプレー塗装性も低下するようになるのである。従っ
て、それらの合計量は、10〜70重量%の範囲内に維
持せしめる必要がある。
そして、このような配合量において調製された上記
(a)成分,(b)成分及び(c)成分を含有する樹脂
塗料を用いて、スプレー塗装等の通常の塗装操作によっ
て、目的とする銅合金管の内面に防食塗膜が形成される
こととなるのである。なお、この銅合金管内面に形成さ
れる防食塗装皮膜の厚さとしては、一般に、大きな伝熱
抵抗値を与えないような厚さにおいて、樹脂塗料の種類
に応じて適宜に決定されるものであり、例えば、最大限
50〜300μm以下の塗膜厚みにおいて、特に30μ
m以下の塗膜厚みにおいて、より低い伝熱抵抗を有する
内面防食塗装皮膜が形成されるのである。
(実施例) 以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本発明を更に
具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのよ
うな実施例の記載によって何等の制約をも受けるもので
ないことは、言うまでもないところである。
また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記
の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限り
において、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修
正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべ
きである。
なお、以下の実施例中の百分率は、特に断わりのない限
り、重量基準によって示されるものである。
実施例1 先ず、外径:25.4mm、肉厚:1.25mm、長さ:150
0mmのアルミニウム黄銅管(JIS−H−3300−C
−6871)を供試管として、その内面を、高温DXガ
ス〔12〜13%CO+0.1〜0.6%(CO+H
+1000〜2000ppmO+N〕を用いて、57
0℃×30分の条件下で焼鈍処理した。
次いで、下記第1表に示される各種の塗料を調製した。
なお、皮膜形成樹脂としては、常乾型アルキッド樹脂
(大日本インキ株式会社製ベッコゾールP−470)を
用い、その樹脂を溶剤(キシレン)に溶解せしめた後、
それに、第1表に示される防錆顔料及び体質顔料の所定
割合をそれぞれ配合して、充分に分散せしめ、更に通常
の塗膜形成用添加物を配合した。
また、下記第1表に示される塗料組成物において、防錆
顔料の(a)成分たる縮合リン酸アルミニウムとして
は、トリポリリン酸二水素アルミニウム〔帝国化工株式
会社製Kホワイト(K−82)〕を用い、また(b)成
分たる酸化亜鉛としては、一般顔料用として市販されて
いる亜鉛華3号を用いた。また、体質顔料としての
(c)成分たるクレー(Al・2SiO・2H
O)は、5〜10%のタルク(3MgO・4SiO
・2HO)を含むものを用いた。
なお、比較のために、市販の常乾型アルキッド樹脂塗料
(中国塗料株式会社製LZIプライマー)を、No.20
として用いた。この市販塗料は、アルキッド樹脂40
%、防錆顔料(酸化亜鉛,鉛丹)25%、体質顔料(C
aCO)25%及びトルエン10%にて構成されるも
のである。
次いで、この分散された各種の塗料配合物に、更に溶剤
(キシレン)を添加して、フォードカップNo.4粘度計
を用いた流下時間が26〜28秒となるように希釈した
後、それぞれの塗料液を上記の供試管内に流し込み、管
内に充満せしめ、次いでその充満塗料液を流去した後、
揮発する溶剤分を強制的に管外に排除しつつ、塗膜形成
を行なった。なお、管内面に形成される塗膜の膜厚は、
15〜30μmを目標とした。
そして、この第1表に示される各種の塗料を用いて内面
防食塗装皮膜が形成された供試管の各々について、その
性能を評価して、内面塗膜の防食皮膜としての有効性を
検討し、その結果を、下記第2表に示した。なお、それ
ぞれの性能評価は、以下の方法に従って行なった。
(1)耐電気防食性 供試管を陰極とする一方、Pb−Ag電極を陽極とする
電気防食回路を組み立て、各供試管内に、流速:2m/
秒にて海水を連続的に流通せしめながら、供試管管端部
の電位が−800mVから−1200mV(カロメル電
極基準)となるように、定電位陰極防食を1ヶ月間連続
的に実施した。そして、その各電位にて1ヶ月間試験さ
れた供試管に対して、その内面を水洗,乾燥した後、縦
割りし、そして管端より100mm位置において粘着テー
プを貼り付け、そしてそれを勢いよく剥がす操作を加え
た後、当該場所における5cm×1cmの面積の3ヶ所につ
いて、画像回析法にて剥離面積を求めた。
そして、その結果、評価場所における塗膜の剥離面積が
50%を越える場合には●、25〜50%の場合には 剥離面積が少なく、25%未満の場合には○として、各
供試管の評価結果を、第2表に示した。
(2)塗膜密着性(耐摩耗性) 各供試管を、それぞれ、80℃の温度の3%食塩水中に
3日間浸漬した後、水洗,乾燥し、次いでその塗膜面に
粘着テープを貼り付け、そしてそれを勢いよく剥がす操
作を、同一場所において10回繰り返し、下地金属の露
出の有無にて、塗膜の密着性を評価した。そして、下地
金属の露出面積が50%を越える場合には、●、25〜
50%の場合には 25%未満の場合には○として、その結果を第2表に示
した。
(3)塗膜形成性 各供試管に対してエアスプレー塗装を試みた場合におい
て、それが可能であり、且つ常温硬化して塗膜を形成す
ると共に、各供試管を水平に静置した状態でエアスプレ
ー塗装したとき、管内面の上部と下部との間の塗膜厚み
差が小さく、例えば平均膜厚が20μmの場合に、下部
側の膜厚が上部側の膜厚の50%以内となる条件を満た
すとき、塗膜形成性が良好として○、そうでない場合に
塗膜形成性が不良として●、の評価を行ない、その結果
を第2表に示した。
(4)総合評価基準 上記耐電気防食性、塗膜密着性(耐摩耗性)及び塗膜形
成性について性能評価した結果に基づいて、耐電気防食
性が−800mVにて●または の場合、または塗膜密着性(耐摩耗性)と塗膜形成性の
何れかにおいて●の場合には、実用上において使用に耐
え得ないものとして、総合評価を×(不可)とした。
かかる第2表の結果から明らかなように、本発明に従う
(a)成分,(b)成分及び(c)成分の所定量を含む
各種塗料を用いて、内面防食塗膜が形成された供試管
(No.2〜5,No.8〜9,No.12〜15及びNo.19)
にあっては、何れも、充分な塗膜密着性(耐摩耗性)及
び塗膜形成性を備えつつ、耐電気防食性に著しく優れた
ものとなっている。
これに対して、市販塗料(No.20)を用いた場合にあ
っては、塗膜密着性(耐摩耗性)や塗膜形成性の点にお
いては優れているものの、耐電気防食性において著しく
劣ることが認められる。また、防錆顔料としての(a)
成分や(b)成分及び体質顔料としての(c)成分の配
合量、更にはそれらの顔料合計量が、本発明に規定する
範囲から外れたりすると、No.1,No.6〜7,No.10
〜11及びNo.16〜18の結果に示される如く、耐電
気防食性が低下したり、塗膜密着性(耐摩耗性)若しく
は塗膜形成性に問題を惹起することとなるのである。
実施例2 外計:25.4mm、肉厚:1.25mm、長さ:1500mmの
アルミニウム黄銅管(JIS−H−3300−C−68
71)、10%キュプロニッケル管(JIS−H−33
00−C−7060)若しくは30%キュプロニッケル
管(JIS−H−3300−C−7150)を供試管と
して、実施例1と同様にして、下記第3表に示される4
種の樹脂塗料を調整した。
なお、塗料樹脂としては、実施例1で用いた常乾型アル
キッド樹脂(樹脂D)、または常乾型エポキシエステル
樹脂(住友化学株式会社製SB−10V:樹脂E)を用
いた。
また、10%キュプロニッケル管の焼鈍処理は、(CO
+H):2〜4%、N:86〜87%、O:10
0〜200ppm、CO:残部なる組成のDXガスを用
いて、680℃×30分なる条件下にて行ない、更に3
0%キュプロニッケル管の場合にあっては、同様なDX
ガスを用いて720℃×30分の焼鈍処理を実施した。
次いで、これら4種の塗料組成物を用いて、前記供試管
に対して、実施例1と同様なスプレー塗装装置を施した
後、管内面に形成された防食塗装皮膜について、その耐
電気防食性、塗膜密着性、塗膜形成性を実施例1と同様
にして評価し、またそれらの評価結果に基づいて総合評
価を行ない、その結果を、下記第4表に示した。
この第4表の結果から明らかなように、本発明に従うN
o.21及びNo.21〜24の供試管においては、何れ
も、優れた塗膜密着性及び塗膜形成性と共に、耐電気防
食性において著しく優れていることが認められた。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明によれば、電気
防食装置が設置された熱交換器に取り付けられる内面防
食塗装管において不可避と見做されてきた、陰極電気防
食環境下における有機樹脂塗膜の膨れ(アルカリ劣化)
が、効果的に低減され得ることとなったのであり、また
そのような耐電気防食性向上対策によって、伝熱管とし
て用いられる内面防食塗装皮膜付き銅合金管の伝熱性能
やその防食性が損なわれることも実質的に回避され得る
こととなったのである。
しかも、本発明に従う内面防食塗装皮膜付き銅合金管に
あっては、コスト,生産性の点では従来品と全く同様で
あって、何等問題はなく、また、従来の塗装系にあって
は、素材の下地処理が極めて重要であって、場合によっ
てはクロメート処理の後、塗装が行なわれており、更に
既設管を対象にした場合、実施するサンドブラスト面に
ついては、良好な密着性が得られない場合が多かったの
であるが、本発明の場合にあっては、下地面の影響を受
ける度合が少なく、既設管のサンドブラスト面にも適用
が可能である特徴を有しているのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松尾 俊一 大阪府高槻市玉川2丁目6―506 (56)参考文献 特開 昭62−4753(JP,A) 日本顔料技術協会編「改訂増補最新顔料 便覧」(昭52.10.1)(株)誠文堂新光 社P.8〜9

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気防食装置が設置された熱交換器に取り
    付けられて、陰極電気防食環境下において、管内に所定
    の冷却流体が流通せしめられる、伝熱管としての内面防
    食塗装皮膜付き銅合金管であって、かかる内面防食塗装
    皮膜が、塗料固形分に対して、それぞれ、(a)1〜5
    0重量%の割合の縮合リン酸アルミニウムと、(b)0.
    5〜15重量%の割合の酸化亜鉛と、(c)5〜50重
    量%の割合のクレー及び/又はタルクとを、合計量で1
    0〜70重量%となるように含む合成樹脂塗料を用いて
    形成されていることを特徴とする熱交換器用内面防食塗
    装皮膜付き銅合金管。
JP63060737A 1988-03-15 1988-03-15 熱交換器用内面防食塗装皮膜付き銅合金管 Expired - Lifetime JPH0660296B2 (ja)

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