JPH0657090A - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH0657090A
JPH0657090A JP21437992A JP21437992A JPH0657090A JP H0657090 A JPH0657090 A JP H0657090A JP 21437992 A JP21437992 A JP 21437992A JP 21437992 A JP21437992 A JP 21437992A JP H0657090 A JPH0657090 A JP H0657090A
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JP
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weight
component
monomer
acid
parts
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JP21437992A
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Inventor
Kiyotaka Saito
清高 斉藤
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Denka Co Ltd
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Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 射出成形した際の成形品が、帯電防止性、耐
熱性、剛性及び成形性に優れた熱可塑性樹脂組成物であ
る。 【構成】 グラフト共重合体10〜60重量%、ビニル系単
量体の共重合体 0〜70重量%、イミド化共重合体 5〜50
重量%およびポリエーテルエステルアミド 5〜40重量%
からなる熱可塑性樹脂組成物とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、永久帯電防止性、成形
性、耐熱性および剛性に優れた熱可塑性樹脂組成物に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にABS樹脂に代表されるスチレン
系樹脂は、電気、電子機器部品およびOA機器等に幅広
く使用されており、耐衝撃性や成形性など種々の特性が
要求されている。一方、スチレン系樹脂は、電気固有抵
抗値が高いために、ほこりの付着や電子機器において
は、帯電した電気による静電気障害などを生じる欠点を
有する。そこで、これらの帯電防止方法としては、一般
に帯電防止剤、カーボンブラックおよび金属粉を練り込
む方法が知られている。
【0003】樹脂に帯電防止剤を練り込む方法は、帯電
防止性を付与する方法として有効であるが、性能が十分
でなく、また、帯電防止効果に永続性がない欠点があ
る。一方、カーボンブラックや金属粉を練り込む方法
は、十分な帯電防止性を付与させることが出来る反面、
外観性、成形加工性および耐衝撃性等が低下する欠点を
有している。
【0004】また、樹脂に対して永久帯電防止性を付与
する方法としては、ポリエーテルエステルアミドエラス
トマーを熱可塑性樹脂に混合する方法が知られている。
しかし、該エラストマーは、樹脂との相溶性が劣るため
強度低下や層状剥離が発生するために、相溶化剤を添加
する必要がある。特開昭62−241945号公報に
は、ポリエーテルエステルアミドとABS系グラフト共
重合体およびカルボキシル基含有変成ビニル系重合体か
らなる熱可塑性組成物が開示されている。しかし、この
熱可塑性樹脂組成物は、流動性、耐熱性および剛性が十
分ではない欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような現状から、
本発明の目的は、スチレン系樹脂の特性を損ねることな
く、樹脂組成の改良により優れた帯電防止性、成形性、
耐熱性および剛性を有し、かつ層状剥離のない永久帯電
防止性に優れた熱可塑性樹脂組成物を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、この目的で
鋭意研究した結果、特定の組成比のビニル系グラフト共
重合体と特定の組成比のビニル系共重合体より得られる
樹脂組成物および特定の酸無水物酸基を含有したイミド
化共重合体からなる樹脂組成物にポリエーテルエステル
アミドを配合することにより上記目的の熱可塑性樹脂組
成物が得られることを見出した。
【0007】すなわち本発明は、 (A成分)ジエン系ゴム重合体10〜60重量部の存在下
で、芳香族ビニル単量体50〜90重量%、シアン化ビニル
単量体10〜50重量%および必要に応じてこれらと共重合
可能なビニル単量体 0〜20重量%よりなる単量体混合物
40〜90重量部をグラフト重合して得られたグラフト共重
合体10〜60重量% (B成分)芳香族ビニル単量体50〜90重量%、シアン化
ビニル単量体10〜40重量%および必要に応じて、これら
と共重合可能なビニル単量体 0〜20重量%を共重合して
なる共重合体 0〜70重量% (C成分)芳香族ビニル単量体30〜70重量%、不飽和ジ
カルボン酸イミド誘導体30〜50重量%、不飽和ジカルボ
ン酸無水物単量体 2〜15重量%およびその他のビニル単
量体 0〜20重%よりなるイミド化共重合体 5〜50重量% (D成分)ポリエーテルエステルアミド 5〜40重量% の(A)成分、(B)成分、(C)成分および(D)成
分を含有してなることを特徴とする永久帯電防止性に優
れた熱可塑性樹脂組成物である。
【0008】以下、本発明について詳細に説明する。 グラフト共重合体(以下A成分という) A成分中で使用されるジエン系ゴム重合体は、共役ジエ
ン単量体の単独重合体又は共重合体、あるいは共役ジエ
ン単量体と他の共重合可能な単量体の共重合体である。
【0009】ここで述べる共役ジエン単量体とは、ブタ
ジエン、イソプレン、ジメチルブタジエンおよびクロロ
プレン等である。
【0010】他の共重合可能な単量体とは、スチレン、
α−メチルスチレンおよびビニルトルエン等の芳香族ビ
ニル単量体、アクリロニトリルやメタクリルニトリル等
のシアン化ビニル単量体並びにメタアクリレート、エタ
アクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレ
ートおよびエチルメタクリレート等の(メタ)アクリル
酸エステル単量体等である。
【0011】また、本発明に用いるジエン系ゴム重合体
は、架橋用単量体として多官能性ビニル単量体を共重合
した共重合体も用いることができる。
【0012】用いうる多官能性ビニル単量体としては、
ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレー
ト、シアヌル酸トリアリル、アリルアクリレートおよび
ビニルアクリレート等がある。
【0013】A成分のグラフト共重合体の製法として
は、公知のグラフト重合の手法が可能であり、前記ゴム
重合体ラテックスの存在下に、シアン化ビニル単量体お
よび芳香族ビニル単量体、またはこれらの単量体に、さ
らに必要に応じてこれらの単量体と共重合可能な単量体
を加えてこれらを共重合することにより得られる。
【0014】A成分に用いられるシアン化ビニル単量体
としては、例えば、アクリロニトリルやメタクリロニト
リル等が挙げられる。
【0015】また、芳香族ビニル単量体としては、例え
ば、スチレン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレン
およびクロルスチレン等を挙げることが出来る。
【0016】上記単量体は、単独または2種以上混合し
て用いることが出来る。
【0017】また、これらの単量体成分と共重合可能な
単量体としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エ
ステル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸アミド
およびメタクリル酸アミド等が挙げられる。
【0018】グラフト共重合は、乳化重合が好ましく、
乳化重合に用いられる乳化剤としては、ステアリン酸ナ
トリウムやオレイン酸カリウムのような脂肪酸石鹸、不
均化ロジン酸カリウムやドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウムのような有機スルホン酸等が挙げられる。
【0019】グラフト重合用単量体混合物の添加方法に
は、一括添加、一部分割添加および全グラフト重合用単
量体の連続分割添加等の方法がある。
【0020】グラフト共重合を効果的に行うためには、
連続分割添加が好ましい。重合温度は40〜90℃の範囲が
好ましい。
【0021】重合開始剤としては、多官能性ラジカル開
始剤および硫酸第一鉄のような金属塩、ピロリン酸もし
くはエチレンジアミン4酢酸2ナトリウムのようなキレ
ート剤を併用するレドックス系が好ましい。
【0022】開始剤の使用量は、重合性単量体 100重量
部に対して0.05〜 1.0重量部でよい。
【0023】A成分中に含まれるジエン系ゴム重合体
は、10〜60重量部であり、10重量部未満では衝撃強度が
低く、60重量部を超えると成形性および剛性が低下し好
ましくない。
【0024】芳香族ビニル単量体は、全単量体の50〜90
重量%であり、50重量%未満では、芳香族ビニル化合物
の特徴である成形性および寸法安定性が損なわれる。
【0025】シアン化ビニル単量体は、全単量体の10〜
50重量%であり、10重量%未満では、耐熱性が低く、50
重量%を超えると成形性が低下する。
【0026】A成分は、A成分〜D成分の熱可塑性樹脂
組成物全体量に対して、10〜60重量%、好ましくは10〜
50重量%であり、10重量%未満では、衝撃強度が低下
し、60重量%を越えると剛性および耐熱性が低下して好
ましくない。
【0027】共重合体(以下B成分という) B成分に用いられる芳香族ビニル単量体としては、例え
ば、スチレン、α−メチルスチレン、m−メチルスチレ
ン、p−メチルスチレン、α−メチルビニルトルエン、
ジメチルスチレン、クロルスチレンおよびビニルナフタ
レン等を挙げることが出来る。
【0028】シアン化ビニル単量体としては、例えば、
アクリロニトリルやメタクリロニトリル等が挙げられ
る。
【0029】これらの単量体成分と共重合可能な単量体
としては、アクリル酸エステル単量体、メタクリル酸エ
ステル単量体、アクリル酸およびメタクリル酸等のビニ
ルカルボン酸単量体、アクリル酸アミド並びにメタクリ
ル酸アミド等が挙げられる。
【0030】B成分に用いられる単量体中、芳香族ビニ
ル単量体は50〜90重量%であり、50重量%未満では芳香
族ビニル化合物の特徴である成形性および寸法安定性が
損なわれる。
【0031】B成分に用いられる単量体中、シアン化ビ
ニル単量体は10〜40重量%であり、10重量%未満では耐
熱性が低く、40重量%超えると成形性が低下し好ましく
ない。
【0032】B成分は、A成分〜D成分の熱可塑性樹脂
組成物全体量に対して、0 〜70重量%、好ましくは 0〜
55重量%であり、70重量%を越えると衝撃強度が低下し
て好ましくない。
【0033】本発明の熱可塑性樹脂組成物を用いて成形
品を得るには、前記A成分とB成分を所望の割合で混合
を行うことが必要である。混合方法は、公知の方法を適
用して乳化状態、粒子状態または溶融状態の両成分を配
合し、溶融混練することにより容易に熱可塑性樹脂組成
物を得ることが出来る。
【0034】イミド化共重合体(以下C成分という) C成分のイミド化共重合体は、芳香族ビニル単量体、不
飽和ジカルボン酸イミド誘導体、不飽和ジカルボン酸無
水物単量体およびこれらと共重合可能なビニル単量体と
からなる。
【0035】芳香族ビニル単量体としては、スチレン、
α−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチル
スチレン、α−メチルビニルトルエン、ジメチルスチレ
ン、クロルスチレンおよびビニルナフタレン等が挙げら
れ、これらの中でスチレンが特に好ましい。
【0036】不飽和ジカルボン酸イミド誘導体は、不飽
和ジカルボン酸無水物単量体を芳香族ビニル単量体と共
重合させた後、アンモニアおよび/又は第1級アミンと
反応させてイミド化誘導体にしても、又はマレイミド、
N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−フ
ェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミドおよ
びN−ナフチルマレイミド等のマレイミド単量体を直接
芳香族ビニル単量体および不飽和ジカルボン酸無水物と
共重合させたものでもよい。しかしながら、これらイミ
ド化共重合体を製造する方法としては、前者、すなわ
ち、不飽和ジカルボン酸無水物単量体を芳香族ビニル単
量体と共重合させた後にイミド化する方法が共重合性お
よび経済性の点でより好ましい。
【0037】不飽和ジカルボン酸無水物単量体として
は、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸およびアコ
ニット酸等の無水物が挙げられ、これらの中でマレイン
酸無水物が特に好ましい。
【0038】また、これらと共重合可能なビニル単量体
とは、芳香族ビニル単量体、不飽和ジカルボン酸イミド
誘導体および不飽和ジカルボン酸無水物単量体以外のビ
ニル単量体を構成させるもので、例えばアクリロニトリ
ルやメタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体、メ
チルアクリル酸エステルやエチルアクリル酸エステル等
のアクリル酸エステル単量体、メチルメタクリル酸エス
テルやエチルメタクリル酸エステル等のメタクリル酸エ
ステル単量体、アクリル酸やメタクリル酸等のビニルカ
ルボン酸単量体およびアクリル酸アミドやメタクリル酸
アミド等があって、これらの中でアクリロニトリル、メ
タクリル酸エステル、アクリル酸およびメタクリル酸等
の単量体が好ましい。
【0039】イミド化反応に用いるアンモニアや第1級
アミンは、無水または水溶液のいずれの状態であっても
よく、また、第1級アミンの例としては、メチルアミ
ン、エチルアミン、ブチルアミンおよびシクロヘキシル
アミン等のアルキルアミン並びにアニリン、トリルアミ
ンおよびナフチルアミン等の芳香族アミンが挙げられる
が、これらの中で特にアニリンが好ましい。
【0040】イミド化反応を溶液状態または懸濁状態で
行う場合は、通常の反応容器、例えばオートクレーブな
どを用いるのが好ましく、塊状溶融状態で行う場合は、
脱揮装置の付いた押出機を用いてもよい。また、共重合
体をイミド化する際には、触媒を存在させてもよく、例
えば第3級アミン等が好ましく用いられる。
【0041】イミド化反応の温度は、約80〜350 ℃であ
り、好ましくは100 〜300 ℃である。80℃未満の場合に
は、反応速度が遅く、反応に長時間要し実用的でない。
一方350 ℃を越える場合には重合体の熱分解による物性
低下をきたす。
【0042】C成分は、芳香族ビニル単量体30〜70重量
%、好ましくは40〜65重量%、不飽和ジカルボン酸イミ
ド誘導体30〜50重量%、好ましくは35〜45重量%、不飽
和ジカルボン酸無水物単量体 2〜15重量%およびこれら
以外のビニル単量体 0〜20重量%よりなるイミド化共重
合体である。
【0043】芳香族ビニル単量体の量が30重量%未満で
は、芳香族ビニル化合物の特徴である成形性および寸法
安定性が損なわれ、70重量%を越えると耐熱性が低下す
る。
【0044】不飽和ジカルボン酸イミド誘導体の量が30
重量%未満では、耐熱性および耐薬品性が十分でない。
一方、50重量%を越えると共重合体が脆くなり、成形性
も著しく低下する。
【0045】また、不飽和ジカルボン酸無水物単量体の
量が 2重量%未満では、D成分であるポリエーテルエス
テルアミドとの相溶性が十分でなく、成形品の層状剥離
の原因となって外観性が損なわれ、耐衝撃性も低下す
る。一方、15重量%を越えると熱安定性が低下する。
【0046】 ポリエーテルエステルアミド(以下D成分という) D成分は、ポリエーテルをソフトセグメントとし、ポリ
エステルアミドをハードセグメントとするブロック共重
合体であり、公知の方法で製造できる。D成分のポリエ
ステルアミド部分であるハードセグメントは、炭素数6
以上のアミノカルボン酸、ラクタムおよび炭素数6以上
のジアミンとカルボン酸の塩からなる。
【0047】具体的には、アミノカルボン酸は、ω−ア
ミノカプロン酸、ω−アミノエナント酸、ω−アミノカ
プロン酸、ω−アミノカプリル酸、ω−アミノペルゴン
酸および1,1−アミノウンデカン酸等が挙げられ、ラ
クタムとしては、カプロラクタム、エナントラクタムお
よびラウロラクタム等が挙げられる。更に、ジアミンの
ジカルボン酸の塩としては、ヘキサメチレンジアミン−
アジピン酸塩、ヘキサメチレンジアミン−セバシン酸塩
およびヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸塩等が用
いられる。
【0048】また、ポリエーテル部分であるソフトセグ
メンは、例えば、ポリエチレングリコール、ポリ(1,
2−プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(1,3−
プロピレンオキシド)グリコール、ポリ(テトラメチレ
ンオキシド)グリコールおよびポリ(ヘキサメチレンオ
キシド)グリコール等が用いられる。これらの中で帯電
防止性効果は、ポリエチレングリコールが特に優れてい
る。
【0049】更に、D成分の構成成分であるジカルボン
酸成分としては、例えば炭素数4 〜20のジカルボン酸が
好ましく、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナ
フタレン−2,6−ジカルボン酸およびナフタレン−
2,7−ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸や1,2−シクロヘキサ
ンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸並びにコハク
酸、シュウ酸、アジピン酸およびセバシン酸等の脂肪族
ジカルボン酸等が挙げられる。
【0050】D成分ポリエーテルエステルアミドの量が
5重量%未満では、帯電防止性が十分ではなく、40重量
%を越えると成形性や剛性が劣り好ましくない。
【0051】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、ビニル系
グラフト共重合体(A)成分とビニル系共重合体(B)
成分と酸無水物酸基を含有したイミド化共重合体(C)
成分およびポリエーテルエステルアミド(D)成分を公
知の混合機であるタンブラーやヘンシェルミキサー等で
混合したドライブレンド物を押出機で溶融、混練押出し
て得ることが出来る。
【0052】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、更に、必
要に応じて安定剤、可塑剤、滑剤および着色剤等を添加
することが出来る。
【0053】
【実施例】以下に実施例によって本発明を更に具体的に
説明するが、本発明の範囲は、その主旨を越えない限り
これらの実施例によって限定されるものではない。な
お、以下「%」および「部」は、特記しない限り重量基
準である。
【0054】実施例1〜9 比較例1〜5 ・A成分グラフト共重合体の製造 オートクレーブにポリブタジエンラテックス(固形分30
%、重量平均粒子径 0.35 μm) 333部を仕込み、次い
で純水 234部、硫酸第一鉄 0.005部、エチレンジアミン
4酢酸2ナトリウム0.01部およびナトリウムアルデヒド
スルホキシレート 0.3部を加え、窒素雰囲気下にて攪拌
した内容物を50℃に保ち、アクリロニトリル25部、スチ
レン75部、t−ドデシルメルカプタン 0.6部および過酸
化ベンゾイル 0.2部からなる単量体混合物を5時間かけ
て上記ラテックス中に連続添加した。単量体混合物の添
加終了後、過酸化ベンゾイル 0.1部を添加し、さらに70
℃にて2時間攪拌して重合を完了した。
【0055】得られたラテックスは、オクタデシル−3
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート(チバガイギー社製、商品名;イル
ガノックス1076) 1.0部を添加後、塩化カルシウム
8部を含む水溶液を注加し95℃にて3分間攪拌すること
により乳化破壊してスラリーを得た。このスラリーを脱
水、水洗、乾燥してグラフト共重合体(A成分)を得
た。
【0056】・B成分共重合体の製造 オートクレーブに純水 100部、過硫酸カリウム 0.2%水
溶液 2.5部、第三リン酸カルシウム0.07部、スチレン30
部、アクリロニトリル25部、t −ドデシルメルカプタン
0.6部および過酸化ベンゾイル 0.1部を加え窒素雰囲気
下にて攪拌した内容物を 100℃に保ち、その後スチレン
45部を 100℃で2時間、 103℃で2時間、 107℃で3時
間の計7時間かけて連続添加した。
【0057】添加終了後、 117℃に昇温して2時間攪拌
して重合を完了させて、冷却後重合液に塩酸を加え中
和、脱水、乾燥して共重合体(B成分)のビーズを得
た。
【0058】・C成分イミド化共重合体の製造 攪拌機を備えたオートクレーブ中にスチレン 100部を仕
込み、系内を窒素ガスで置換した後、温度を80℃に昇温
した。これに無水マレイン酸67部、ベンゾイルパーオキ
サイド 0.2部をメチルエチルケトン 300部に溶解した溶
液を8時間で連続的に添加した。添加後さらに80℃で 4
時間攪拌してスチレン−無水マレイン酸共重合体を得
た。これにアニリン52部を加え、130 ℃で 7時間反応を
行った。反応溶液を室温まで冷却し、激しく攪拌したメ
タノール 300部に注加して析出したポリマーをろ別、乾
燥し、イミド化共重合体(C−1)を得た。
【0059】アニリン添加量を58部、45部、30部および
64部に変更した以外は、(C−1)と同様に反応を行い
(C−2)、(C−3)、(C−4)および(C−5)
を得た。
【0060】イミド化共重合体の組成は、13C−NMR
により定量した。ここでStは、スチレン基、PMI
は、N−フェニルマレイミド基、MAHは、無水マレイ
ン酸基を示す。 (C−1) St : 49.0重量% PMI : 45.2重量% MAH : 5.8重量% (C−2) St : 47.7重量% PMI : 50.0重量% MAH : 2.3重量% (C−3) St : 50.3重量% PMI : 40.1重量% MAH : 9.6重量% (C−4) St : 52.4重量% PMI : 29.1重量% MAH : 18.5重量% (C−5) St : 46.9重量% PMI : 53.1重量%
【0061】 ・D成分ポリエーテルエステルアミドの製造 ポリエーテルエステルアミドは、カプロラクタム50部、
数平均分子量1000のポリエチレングリコール45部および
アジピン酸 7部から得られたものである。
【0062】上記の方法で得られたA成分グラフト共重
合体、B成分共重合体、C成分イミド化共重合体および
D成分ポリエーテルエステルアミドを表1および表2に
示す配合処方にてヘンシェルミキサーで混合した後、40
mm押出機を用いて 230℃で溶融、混練してペレットを作
製した。得られたペレットを用いて表1および表2の評
価を行った。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】物性の測定は、下記の方法によった。 (1)アイゾット(Izod)衝撃強度 東芝機械(株)製射出成形機(IS−80CNV)を用
いて、試料ペレットを220 ℃で成形し、テストピースを
作製した。このテストピースについて、ASTM D−
256に準じてアイゾット衝撃強度を測定した。
【0066】(2)曲げ弾性率 東芝機械(株)製射出成形機(IS−80CNV)を用
いて、試料ペレットを220 ℃で成形し、テストピースを
作製した。このテストピースについて、ASTM D−
790に準じて曲げ弾性率を測定した。
【0067】(3)メルトフローレート(MFR) 試料ペレットを用いてJIS K−6874に準じてメ
ルトフローレートを測定した。
【0068】(4)表面固有抵抗 東芝機械(株)製射出成形機(IS−80CNV)を用
いて、試料ペレットを220 ℃で成形し、2 mmt×100mm
Φの円板を作製した。この円板を用いて室温23℃、湿度
50%RH雰囲気下で成形後24時間状態調整したのち、東
亜電波工業(株)製の超絶縁抵抗計を用いて表面固有抵
抗値を測定した。
【0069】(5)加熱変形温度(HDT) 曲げ弾性率の測定に使用したテストピースを用いて、A
STM D−648に準じて加熱変形温度を測定した。
【0070】(6)外観性 東芝機械(株)製、射出成形機(IS−80CNV)を
用いて、試料ペレットを220 ℃で成形し、2 mm×50m
m×90mmの角板を成形した。この角板を折り曲げ破断
面の観察により、層状剥離の有無を目視で判定した。 ○:良好 ×:成形品が層状剥離を発生
【0071】
【発明の効果】以上のとおり、本発明の熱可塑性樹脂組
成物は、機械的強度、耐熱性、剛性および成形性に優
れ、しかも、永久帯電防止性を備えた樹脂組成物で、電
子機器部品およびOA機器などの分野の成形材料として
幅広く使用できる特徴を有する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A成分)ジエン系ゴム重合体10〜60重量
    部の存在下で、芳香族ビニル単量体50〜90重量%、シア
    ン化ビニル単量体10〜50重量%および必要に応じてこれ
    らと共重合可能なビニル単量体 0〜20重量%よりなる単
    量体混合物40〜90重量部をグラフト重合して得られたグ
    ラフト共重合体10〜60重量% (B成分)芳香族ビニル単量体50〜90重量%、シアン化
    ビニル単量体10〜40重量%および必要に応じてこれらと
    共重合可能なビニル単量体 0〜20重量%を共重合してな
    る共重合体 0〜70重量% (C成分)芳香族ビニル単量体30〜70重量%、不飽和ジ
    カルボン酸イミド誘導体30〜50重量%、不飽和ジカルボ
    ン酸無水物単量体 2〜15重量%およびその他のビニル単
    量体 0〜20重%よりなるイミド化共重合体 5〜50重量% (D成分)ポリエーテルエステルアミド 5〜40重量% の上記(A)成分、(B)成分、(C)成分および
    (D)成分を含有してなることを特徴とする熱可塑性樹
    脂組成物。
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