JP3392179B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、永久帯電防止性を有
し、強度、剛性、成形性の物性バランスに優れた熱可塑
性樹脂組成物に関するものである。 【0002】 【従来の技術】一般にABS樹脂に代表されるスチレン
系樹脂は電気、電子機器部品、OA機器等に幅広く使用
されており、樹脂の物性に対して耐衝撃性、成形性など
種々の特性が要求されている。一方スチレン系樹脂は、
電気固有抵抗値が高いために、成形品にほこりが付着し
たり、電子機器においては帯電した電気による静電気障
害などを生じる欠点を有する。そこで、これらの帯電防
止方法としては、一般に帯電防止剤、カーボンブラッ
ク、金属粉を練り込む方法が知られている。 【0003】樹脂に帯電防止剤を練り込む方法は帯電防
止性を付与する方法として有効であるが、性能が十分で
なく、また、帯電防止効果に永続性がない欠点がある。
一方、カーボンブラックや金属粉を練り込む方法は、十
分な帯電防止性を付与させることが出来る反面、外観
性、成形加工性、耐衝撃性等が低下する欠点を有してい
る。 【0004】永久帯電防止性を付与する方法として、ポ
リエーテルエステルアミドエラストマーを熱可塑性樹脂
に混合する方法が知られているが、相溶性が著しく劣る
ため強度低下、層状剥離が発生する。特開昭62−24
1945号公報には、ポリエーテルエステルアミドと、
ABS系グラフト共重合体およびカルボキシル基含有変
性ビニル系重合体からなる熱可塑性組成物が開示されて
いるが、流動性、耐熱性および剛性が不十分である。ま
た特開昭64−26674号公報には、高分子量のエチ
レンオキシド/プロピレンオキシド共重合体とABS樹
脂からなる帯電防止樹脂組成物が開示されているが、帯
電防止性は良好だが剛性、耐熱性および強度が不十分で
ある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】このような現状から、
本発明の目的は、スチレン系樹脂の保有する特性を損ね
ることなく、樹脂組成の改良により優れた帯電防止性、
強度、剛性、成形加工性および耐熱性を有し、かつ成形
品の層状剥離のない良好な外観を呈する永久帯電防止性
樹脂組成物を提供することである。また、現在市場に提
供されている帯電防止性樹脂の帯電防止性能は、表面抵
抗値で1011〜1013(例、科学と工業 Vol.63 P272
(1989))のレベルであるので、永久帯電防止性能として
もこの特性値を満足させることを目標とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明者はこの目的で鋭
意研究した結果、特定の組成比のビニル系グラフト共重
合体、特定の組成比のビニル系単量体の共重合体、エチ
レンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体、および
特定のオレフィン単量体とアクリル酸エステル単量体か
らなる共重合体にビニル系単量体をグラフト重合した共
重合体を配合することにより上記目的の熱可塑性樹脂組
成物が得られることを見出した。 【0007】すなわち本発明は、A成分:ジエン系ゴム
重合体10〜60重量部の存在下で、芳香族ビニル単量体50
〜80重量%、シアン化ビニル単量体20〜50重量%および
必要に応じてこれら単量体と共重合可能なビニル単量体
0〜20重量%よりなる単量体混合物40〜90重量部をグラ
フト重合して得られたグラフト共重合体10〜55重量%
と、B成分:芳香族ビニル単量体50〜80重量%、シアン
化ビニル単量体20〜50重量%および必要に応じて、これ
ら単量体と共重合可能なビニル単量体0〜20重量%を共
重合してなる共重合体0〜80重量%と、C成分:エチレ
ンオキシドとプロピレンオキシドからなる共重合体で、
重量平均分子量が5万以上で、かつ共重合体中にエチレ
ンオキシド重合体が80〜96重量%含有する共重合体5〜
30重量%、D成分:オレフィン単量体とアクリル酸エス
テル単量体からなる共重合体60〜90重量部に、芳香族ビ
ニル単量体50〜80重量%、シアン化ビニル単量体20〜50
重量%および必要に応じてこれら単量体と共重合可能な
ビニル単量体0〜20重量%よりなる単量体混合物10〜40
重量部をグラフト重合して得られたグラフト共重合体1
〜15重量%からなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成
物にすることによって上記目的が達成されるものであ
る。 【0008】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明におけるA成分であるグラフト共重合体のゴム成分
は、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、シクロペ
ンタジエン等の共役ジエン単量体の単独重合、1,4−
シクロヘキサジエン、2,5−ノルボルナジエン等の非
共役ジエン単量体の単独重合、又は上記の共役ジエン単
量体もしくは非共役ジエン単量体とスチレン、α−メチ
ルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル系単量
体、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシア
ン化ビニル単量体、メチルアクリレート、エチルアクリ
レート、ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレ
ート等のアクリル酸エステル単量体、メチルメタクリレ
ート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、
ヘキシルメタクリレート等のメタクリル酸エステル単量
体、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレ
ン、2−ブテン等のオレフィン単量体などとの共重合し
たものを用いることができる。 【0009】また、ゴム成分は、前掲した共役ジエン単
量体もしくは非共役ジエン単量体に架橋用単量体として
多官能性ビニル単量体を共重合した共重合体も用いるこ
とができる。多官能性ビニル単量体としては、ジビニル
ベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、シア
ヌル酸トリアリル、アリルアクリレート、ビニルアクリ
レート等がある。 【0010】さらに、本発明のグラフト共重合体に用い
るゴム成分は、グラフト活性点を有していることが必要
であり、具体的にはゴム分子中に炭素−炭素二重結合を
有していることが好ましい。また前記の単量体単独及び
共重合体の重合方法は、たとえば乳化重合、溶液重合な
どの公知の技術を用いることができる。またゴム成分は
二種類以上のゴム成分の混合物であってもよい。 【0011】グラフト共重合体の製造に用いられる芳香
族ビニル単量体としては、例えば、スチレン、α−メチ
ルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、α−メチルビニルトルエン、ジメチルスチレン、ク
ロルスチレン、ビニルナフタレン等を挙げられる。 【0012】また、シアン化ビニル単量体としては、例
えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げ
ることができる。 【0013】さらに、これらの単量体成分と共重合可能
なビニル単量体としては、アクリル酸エステル単量体、
メタクリル酸エステル単量体、アクリル酸、メタクリル
酸等のビニルカルボン酸単量体、アクリル酸アミド、メ
タクリル酸アミド等が挙げられる。尚、上記で挙げた単
量体は単独または2種以上混合して用いることが出来
る。 【0014】グラフト共重合体の重合方法は乳化重合が
好ましく、乳化重合に用いられる乳化剤としては、ステ
アリン酸ナトリウム、オレイン酸カリウムのような脂肪
酸石鹸、不均化ロジン酸カリウム、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ナトリウムのような有機スルホン酸等が挙げら
れる。 【0015】グラフト重合時におけるグラフト重合用単
量体の添加方法には、一括添加、一部分割添加、および
使用する全グラフト重合用単量体を連続分割添加等の方
法がある。グラフト共重合を効果的に行うためには、連
続分割添加が好ましい。また重合温度は40〜90℃の範囲
が好ましい。 【0016】重合開始剤としては、多官能性ラジカル開
始剤および硫酸第一鉄のような金属塩、ピロリン酸もし
くはエチレンジアミン4酢酸2ナトリウムのようなキレ
ート剤を併用するレドックス系が好ましい。また開始剤
の使用量は、重合性単量体 100重量部に対して0.05〜
1.0重量部が好ましい。 【0017】A成分のグラフト共重合体中に含まれるジ
エン系ゴム重合体は、10〜60重量部であり、10重量部未
満では衝撃強度が低く、60重量部を超えると成形性およ
び剛性が低下し好ましくない。 【0018】芳香族ビニル単量体は、全単量体の50〜80
重量%であり、50重量%未満では成形性および寸法安定
性が損なわれる。 【0019】シアン化ビニル単量体は、全単量体の20〜
50重量%であり、20重量%未満では耐熱性が低く、50重
量%を超えると成形性が低下する。 【0020】本発明のB成分に用いられる芳香族ビニル
単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレ
ン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メ
チルビニルトルエン、ジメチルスチレン、クロルスチレ
ン、ビニルナフタレン等が挙げることが出来る。またシ
アン化ビニル単量体としては、例えば、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル等が挙げられる。 【0021】これらの単量体成分と共重合可能な単量体
としては、前記したアクリル酸エステル単量体、メタク
リル酸エステル単量体、アクリル酸、メタクリル酸等の
ビニルカルボン酸単量体、アクリル酸アミド、メタクリ
ル酸アミド等が挙げられる。 【0022】B成分に用いられる単量体中、芳香族ビニ
ル単量体は50〜80重量%であり、50重量%未満では成形
性および寸法安定性が損なわれる。 【0023】B成分に用いられる単量体中、シアン化ビ
ニル単量体は20〜50重量%であり、20重量%未満では耐
熱性が低く、50重量%超えると成形性が低下し好ましく
ない。 【0024】本発明のC成分で用いられるエチレンオキ
シドとプロピレンオキシドからなる共重合体は、重量平
均分子量が5万以上であり、かつ共重合体中のエチレン
オキシド重合体が80〜96重量%含有する共重合体であ
る。尚、重量平均分子量はポリスチレンを標準分子量と
したGPC(Gel Permea-tion Chromatograhy )で測定
した時の重量平均分子量をいう。 【0025】重量平均分子量が5万未満の場合、C成分
の共重合体は室温で粘調な液体状であり、該熱可塑性樹
脂組成物を成形品にした場合に成形品表面にブリードア
ウトしてくることがあり好ましくない。しかし本発明の
重量平均分子量5万以上の共重合体の性状は固体であり
取扱が容易である。 【0026】またC成分はエチレンオキシドとプロピレ
ンオキシドとの共重合体であり、エチレンオキシドの含
有量は80〜96重量%である。80重量%未満では帯電防止
性が劣り、96重量%を越えると熱可塑性樹脂組成物とし
ての相溶性が著しく低下し、そのため強度が劣り好まし
くない。 【0027】本発明のC成分の共重合体は、ブロック共
重合体およびランダム共重合体のいずれでもよいが、ラ
ンダム共重合体が好ましい。この共重合は、不活性希釈
剤および配位触媒系を用いて行われる。重合工程では、
触媒、単量体および不活性希釈剤を重合時同時に添加し
ても、または分割して添加しても、あるいは重合期間中
連続的に添加しても行うことが出来る。ただしエチレン
オキシドとプロピレンオキシドは別々のラインからでき
れば同時に、または混合物として反応器の中に加える
か、あるいは反応器の中に混合物を添加する前に不活性
希釈剤と予備混合させておき、ランダム共重合体を得る
ことが望ましい。 【0028】不活性希釈剤としては、たとえばトルエ
ン、ヘプタン、ヘキサン、シクロヘキサン、ジエチルエ
ーテル、塩化メチレン等を用いることが出来る。重合方
法は溶液重合で行われ、一般に重合温度は60〜120 ℃の
範囲で行われる。 【0029】本発明のD成分は前掲したオレフィン単量
体およびアクリル酸エステル単量体を用いて得られた共
重合体に、さらにB成分の共重合体を重合する時に用い
た芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単量体およびこ
れら単量体と共重合可能なビニル単量体をグラフト重合
して得られる。 【0030】オレフィン単量体およびアクリル酸エステ
ルからなる共重合体は60〜90重量部、好ましくは65〜80
重量部である。この共重合体にグラフトする芳香族ビニ
ル単量体、シアン化ビニル単量体およびこれら単量体と
共重合可能なビニル単量体からなるグラフト成分は10〜
40重量部、好ましくは20〜35重量部である。 【0031】また、グラフト成分の芳香族ビニル単量体
は50〜80重量%、シアン化ビニル単量体は20〜50重量
%、これら単量体と共重合可能なビニル単量体は0〜20
重量%が好ましい。 【0032】本発明の熱可塑性樹脂組成物はA成分であ
るビニル系グラフト共重合体10〜55重量%、B成分であ
るビニル系単量体の共重合体0〜80重量%、C成分であ
るエチレンオキシドとプロピレンオキシドからなる共重
合体5〜30重量%、およびD成分であるオレフィン単量
体とアクリル酸エステル単量体からなる共重合体にビニ
ル系単量体をグラフト重合した共重合体1〜15重量%か
らなるものである。 【0033】そして、A成分のビニル系グラフト共重合
体は10〜55重量%であり、好ましくは15〜40重量%であ
る。またC成分は5〜30重量%で、好ましくは7〜20重
量%である。5重量%未満では帯電防止性が不充分で、
30重量%を越えると耐熱性、剛性が低下し好ましくな
い。さらにD成分は1〜15重量%で、好ましくは2〜10
重量%である。1重量%未満では相溶性が不充分で、15
重量%を越えると耐熱性、剛性が低下し好ましくない。 【0034】また、本発明の熱可塑性樹脂組成物はA成
分、B成分、C成分及びD成分を一括溶融混練しても、
分割溶融混練してもよい。例えばA成分のビニル系グラ
フト共重合体とB成分のビニル系単量体の共重合体を規
定量有する樹脂組成物に、C成分及びD成分を規定量溶
融混練して該熱可塑性樹脂組成物を得ることもでき、こ
れらの成分の混合、溶融混練の順序を限定するものでは
ない。 【0035】本発明の樹脂組成物には、上記成分の他
に、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料等の添加剤
を必要に応じて添加することが出来る。 【0036】本発明の樹脂組成物の製造は、特に限定す
るものではないが、ヘンシェルミキサー、V型ブレンダ
ーおよびタンブラー等の混合機にて、粉体あるいはペレ
ット状態のA成分、B成分、C成分、D成分および必要
に応じて添加剤を配合混合し、その後一軸押出機、二軸
押出機、バンバリーミキサー、コニーダー等を使用して
溶融混練して得られる。 【0037】また、A成分とB成分を所定の割合で混合
し、混合後溶融混練して得た樹脂組成物にC成分、D成
分および必要に応じて添加剤を配合混合し、その後一軸
押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、コニーダー
等を使用して溶融混練しても得られる。特に成分の混
合、溶融混練の順序には限定されない。 【0038】 【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでは
ない。尚、実施例および比較例に記載した部及び%は、
すべて重量基準である。 【0039】実施例1 A成分グラフト共重合体の製造 オートクレーブ中にポリブタジエンラテックス(固形分
30%、重量平均粒子径0.35 μm)333 部を仕込み、つ
いで純水 234部、硫酸第一鉄 0.005部、エチレンジアミ
ン4酢酸2ナトリウム0.01部およびナトリウムアルデヒ
ドスルホキシレート 0.3部を加え、窒素雰囲気下にて攪
拌した内容物を50℃に保ち、アクリロニトリル25部、ス
チレン75部、t−ドデシルメルカプタン 0.6部および過
酸化ベンゾイル 0.2部からなる単量体混合物を5時間か
けて上記ラテックス中に連続添加した。単量体混合物の
添加終了後、過酸化ベンゾイル 0.1部を添加し、さらに
70℃にて2時間攪拌して重合を完了した。 【0040】得られたラテックスは、オクタデシル−3
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート(チバガイギー社製、商品名;イル
ガノックス1076) 1.0部を添加後、塩化カルシウム
8部を含む水溶液を注加し95℃にて3分間攪拌すること
により乳化破壊してスラリーを得た。このスラリーを脱
水、水洗、乾燥してグラフト共重合体(A成分)を得
た。 【0041】B成分共重合体の製造 オートクレーブに純水 100部、過硫酸カリウム 0.2%水
溶液 2.5部、第三リン酸カルシウム0.07部、スチレン30
部、アクリロニトリル25部、t −ドデシルメルカプタン
0.6部および過酸化ベンゾイル 0.1部を加え窒素雰囲気
下にて攪拌した内容物を 100℃に保ち、その後スチレン
45部を 100℃で2時間、 103℃で2時間、 107℃で3時
間の計7時間かけて連続添加した。添加終了後、 117℃
に昇温して2時間攪拌して重合を完了させて、冷却後重
合液に塩酸を加え中和、脱水、乾燥して共重合体(B成
分)のビーズを得た。 【0042】C成分としてエチレンオキシドとプロピレ
ンオキシドからなる共重合体(日本ゼオン(株)製、商
品名 ゼオスパン8100)を使用した。 【0043】D成分としてグラフト共重合体(日本油脂
(株)製、商品名 モディパーA5400)を使用し
た。 【0044】実施例1〜5および比較例1〜5 上記の各成分を用い表1に示す配合割合にしてヘンシェ
ルミキサーで混合した後、40mm押出機を用いて押出温度
220 ℃で溶融、混練してペレットを作成した。得られた
ペレットを、東芝機械(株)製射出成形機(IS−80
CNV)を用いて 220℃で成形し、各種の試験に応じた
テストピースを作製した。これらのテストピース使用し
て、表2に示した各物性の評価を行った。 【0045】実施例6 A成分とB成分からなるABS樹脂(電気化学工業
(株)製:商品名デンカABS GR2000)に実施
例1で用いたC成分及びD成分を表1に示す割合で配合
し、実施例1と同様に評価し各物性を表2に示した。 【0046】 【表1】 【0047】 【表2】【0048】物性の測定は下記の方法に従って行った。 (1)アイゾット(Izod)衝撃強度 ASTM D−256に準じてアイゾット衝撃強度を測
定した。 【0049】(2)曲げ弾性率 ASTM D−790に準じて曲げ弾性率を測定した。 【0050】(3)メルトフローレート(MFR) JIS K−6874に準じて、温度 220℃、荷重 10k
gfでメルトフローレーを測定した。 【0051】(4)帯電防止効果 2mm厚み×100mm Φの円板を前記の射出成形条件で作製
し、次の2条件で測定した表面固有抵抗値で評価した。 (a)成形直後;成形直後の円板を純水中で1分間洗浄
し、充分乾燥させた後、JIS K−6911に準拠し
て室温 230℃、湿度50%RH雰囲気下で24時間状態調整
した後、東亜電波工業(株)製の超絶縁抵抗計を用いて
表面固有抵抗値を測定した。 (b)150 日間放置後;成形後の円板を室温23℃、湿度
50%RH雰囲気下で150 日間放置後、純水中で1分間洗
浄し、充分乾燥させ、JIS K−6911に準拠して
室温23℃、湿度50%RH雰囲気下で24時間状態調整した
後、表面固有抵抗値を測定した。 【0052】(5)相溶性 2mm厚み×50mm×90mmの角板を前記の射出成形条件で作
製した。この角板を折り曲げ、破断面の観察により、層
状剥離の有無を目視で判定した。 ○:良好 ×:成形品が層状剥離を発生 【0053】 【発明の効果】以上のとおり、本発明の熱可塑性樹脂組
成物は、強度、剛性、成形性の物性バランスに優れ、し
かも、永久帯電防止性を備えた樹脂組成物で、電子機器
部品およびOA機器などの分野の成形材料として幅広く
使用できる特徴を有する。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 下記のA成分10〜55重量%、B成分0〜
    80重量%、C成分5〜30重量%およびD成分1〜15重量
    %からなることを特徴とする永久帯電防止性に優れた熱
    可塑性樹脂組成物。 A成分:ジエン系ゴム重合体10〜60重量部の存在下で、
    芳香族ビニル単量体50〜80重量%、シアン化ビニル単量
    体20〜50重量%および必要に応じてこれら単量体と共重
    合可能なビニル単量体0〜20重量%よりなる単量体混合
    物40〜90重量部をグラフト重合して得られたグラフト共
    重合体、 B成分:芳香族ビニル単量体50〜80重量%、シアン化ビ
    ニル単量体20〜50重量%および必要に応じてこれら単量
    体と共重合可能なビニル単量体0〜20重量%を共重合し
    てなる共重合体、 C成分:エチレンオキシドとプロピレンオキシドからな
    る共重合体で、その共重合体の重量平均分子量が5万以
    上で、かつ共重合体中にエチレンオキシド重合体が80〜
    96重量%含有する共重合体、 D成分:オレフィン単量体とアクリル酸エステル単量体
    からなる共重合体60〜90重量部に、芳香族ビニル単量体
    50〜80重量%、シアン化ビニル単量体20〜50重量%およ
    び必要に応じてこれら単量体と共重合可能なビニル単量
    体0〜20重量%よりなる単量体混合物10〜40重量部をグ
    ラフト重合して得られたグラフト共重合体。
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