JPH0656289A - 紙葉類分離繰り出し機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 収納された紙葉類の状態にかかわらず、すな
わち、紙葉類に折れ癖や破れがあったり厚みの薄い紙葉
類であっても、これを確実にフィードローラとゲートロ
ーラの間に送り込み、座屈あるいは分離ジャムが発生す
ることの少ない紙葉類分離繰り出し機構を提供するこ
と。 【構成】 多数枚堆積した紙葉類の上面に当接して回転
し、紙葉類を繰り出すピックアップローラと、繰り出さ
れた紙葉類を一枚ずつ分離して搬送するよう、対向して
配置された回転するフィードローラと回転しないゲート
ローラを有する紙葉類分離繰り出し装置において、前記
フィードローラの回転軸を中心として回動自在に構成さ
れ、前記堆積した紙葉類の上面に当接する紙葉類ガイド
部材を設けたことを特徴とする紙葉類分離繰り出し機
構。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、紙幣等の紙葉類を取り
扱う紙葉類取扱い装置の紙葉類分離繰り出し機構に係
り、特に、紙葉類収納部から、必要に応じて紙葉類を一
枚ずつ繰り出す機構を有する紙葉類分離繰り出し機構に
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の、この種の紙葉類分離繰り出し機
構としては、図４に示す如きものが知られている。図４
に示した分離繰り出し機構の基本的な構成は、装置本体
２０にフィードローラ１１が軸に固定して取り付けら
れ、また、回転しないゲートローラ１２がこれに対向し
て取り付けられているものである。そして、これらによ
り紙葉類を一枚ずつ分離して繰り出すものである。ここ
で、カセットボックス１０に収納された紙葉類は、ピッ
クアップローラ１３の搬送力を受けてフィードローラ１
１とゲートローラ１２の間に送り込まれるが、カセット
ボックス１０に収納された紙葉類に折れ癖や破れがあっ
たり、収納する際の整列不良が生じている場合等には、
正常にフィードローラ１１とゲートローラ１２の間に送
り込まれず、繰り出しミスや重送繰り出し異常、あるい
は、紙葉類が座屈し折れ曲がって繰り出されたり、座屈
した紙葉類がフィードローラ１１とゲートローラ１２の
手前で止まる分離ジャムにより、装置が停止することが
あるため、ここでは、ピックアップローラ１３とフィー
ドローラ１１との間に前板ガイド３０を設けて、これに
対処している。一方、カセットボックス１０内に収納さ
れている紙葉類の有無の検知方法は、図４に示す如き、
紙葉類をさえぎるように取り付けられた空検知認識セン
サ４０を使う方法、もしくは、検知レバー等を紙葉類に
当接させ、該検知レバーの動きでセンサが紙葉類の有無
を検出する方法が利用されている。なお、上記カセット
ボックス１０は、通常、装置本体と着脱可能に構成され
ており、該カセットボックス１０の有無を検知するため
のセンサ４１が設けられている。なお、特開平3-111355
号公報には、紙葉類の端面に外部から平行に接触する摩
擦ローラを備えた紙葉類繰り出し機構が開示されてい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の前者、
すなわち、図４に示した紙葉類分離繰り出し機構では、
図４に示す如く、前板ガイド３０が紙葉類５に当接し、
ピックアップローラ１３によって送り出されようとする
紙葉類５をフィードローラ１１とゲートローラ１２の間
に導こうとする。しかし、フィードローラ１１の外周面
と上述の前板ガイド３０の先端部３０ａとを一致させる
のは難しく、一般には、紙葉類５と前板ガイド３０との
間に空間ができ、図５に示す如く、厚みの薄い紙葉類５
ａに関しては、紙葉類５ａが撓んで座屈が発生する。こ
れを防止しようとして、前板ガイド３０の先端３０ａを
フィードローラ１１とピックアップローラ１３の接線に
すると、長手方向(図の紙面に垂直な方向)に対して丸め
られカールした長手カール(図６参照)と呼ばれるような
条件の紙葉類５を分離繰り出ししようとする場合には、
図６に示す如く、紙葉類５の先端５ｂが前板ガイド３０
ａに当たり、紙葉類５の先端５ｂがピックアップローラ
１３に接することができず、分離できなくなるという問
題がある。

【０００４】また、これとは別に、カセットボックス１
０内に収納された紙葉類の有無を検知する空検知認識セ
ンサ４０、および、カセットボックスが装置本体に装填
されているかどうかを検知するセンサ４１等、紙葉類の
有無の確認に多数のセンサが必要であるという問題もあ
る。一方、上記従来技術の後者、すなわち、特開平3-11
1355号公報に開示されている紙葉類繰り出し機構では、
紙葉類の端面に外部から平行に接触する摩擦ローラを備
えているが、これも、紙葉類の先端を、フィードローラ
とゲートローラの間に正確に導くという点では、上と同
様の問題を有するものである。本発明は上記事情に鑑み
てなされたもので、その目的とするところは、従来の技
術における上述の如き問題を解消し、収納された紙葉類
の状態にかかわらず、すなわち、紙葉類に折れ癖や破れ
があったり厚みの薄い紙葉類であっても、これを確実に
フィードローラとゲートローラの間に送り込み、座屈あ
るいは分離ジャムが発生することの少ない紙葉類分離繰
り出し機構を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、多
数枚堆積した紙葉類の上面に当接して回転し、紙葉類を
繰り出すピックアップローラと、繰り出された紙葉類を
一枚ずつ分離して搬送するよう、対向して配置された回
転するフィードローラと回転しないゲートローラを有す
る紙葉類分離繰り出し装置において、前記フィードロー
ラの回転軸を中心として回動自在に構成され、前記堆積
した紙葉類の上面に当接する紙葉類ガイド部材を設けた
ことを特徴とする紙葉類分離繰り出し機構により達成さ
れる。

【０００６】

【作用】本発明に係る分離繰り出し機構においては、繰
り出し部から紙葉類を一枚ずつ繰り出す場合にカセット
ボックス内に収納された紙葉類の厚み，折れ癖や破れ，
整列不良等が存在しても、確実に紙葉類の先端をフィー
ドローラとゲートローラとの間に送り出すことを可能と
し、座屈あるいは分離ジャムを防止することが可能とな
る。なお、前記紙葉類ガイド部材を上述の如く構成する
ことにより、前記紙葉類ガイド部材以外に部材を付け加
えることなく、唯一のセンサでカセットボックス内の紙
葉類の有無を検知すること、および、カセットボックス
自体の有無を検知することが可能となる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図３は、本発明の一実施例に係る紙幣分離
繰り出し機構(以下、単に「分離繰り出し機構」という)を
有する現金自動支払機の全体構成の概略図であり、カセ
ットボックス１０に収納された紙幣を分離繰り出し機構
から所定枚数ずつ繰り出し、搬送路１５を介して出金口
の集積部１６に集積するものである。図１は、図３に示
した現金自動支払装置の分離繰り出し機構の主要部分の
詳細な構成を示す側面図、また、図２は、図１の矢印Ａ
方向から見た正面図である。以下、上記各図に基づい
て、本実施例に係る分離繰り出し機構を説明をする。本
実施例に係る分離繰り出し機構においては、フィードロ
ーラ１１とピックアップローラ１３は、現金自動支払装
置本体２０に、軸に固定して取り付けられており、図示
されていない繰り出し用モータにより、同一方向に同一
回転数で駆動される。一方、紙幣５に当接する可動ガイ
ド部材１は、ベアリング２を介してフィードローラ１１
の回転軸１８に取り付けられており、フィードローラ１
１の回転軸１８の回動とは無関係に回動自在に構成され
ている。

【０００８】更に、現金自動支払装置本体２０に取り付
けられている搬送ガイド板３１と、上述の可動ガイド部
材１の後端１ａとを連結しているバネ３によって、紙幣
５に絶えず所定の荷重を加える如く構成されている。上
述の如く構成された紙幣分離繰り出し機構により、フィ
ードローラ１１とピックアップローラ１３との間には紙
幣が座屈できる空間がなくなり、厚みの薄い紙幣や折れ
癖，破れのある紙幣、収納する際の整列不良に対して
も、確実にフィードローラ１１とゲートローラ１２の間
に紙幣を送り込むことが可能となる。また、可動ガイド
部材１を回動自在なものとしたことにより、前述の長手
カールを有する「条件紙幣」を分離繰り出しする場合に
も、可動ガイド部材１がフィードローラ１１周りに後退
することにより、図７に示す如く、紙幣５がピックアッ
プローラ１３に接し、紙幣５の先端５ｂは可動ガイド部
材１の外形線に沿って、フィードローラ１１とゲートロ
ーラ１２との間に向かい、正常に分離繰り出しが可能と
なる。

【０００９】更に、上述の可動ガイド部材１の後端１ａ
は、収納部内に収納されている紙幣５が存在する場合に
は、前述の搬送ガイド板３１に取り付けられたセンサ４
の光軸４ａを遮るように配置されている(図１参照)。こ
れにより、カセットボックス１０内に紙葉類が無いか、
もしくは、図３に示す如く、取外し可能なカセットボッ
クス１０が存在する場合で、そのカセットボックス１０
が取り外されていることを、唯一のセンサで検知するこ
とが可能である。上記実施例によれば、現金自動支払機
の紙幣分離繰り出し部において、フィードローラ回転軸
にとりつけた、紙幣に当接する可動ガイド部材を設ける
ことにより、紙幣を繰り出す際に、紙幣を座屈すること
なく繰り出すことが可能になるという効果が得られる。
更に、収納部内の紙幣の有無の検知、あるいは、カセッ
トボックスが着脱可能な現金自動支払機等に対するカセ
ットボックスの有無の検知を、一個のセンサによって行
うことが可能になるという効果が得られる。なお、上述
の実施例は本発明の一例を示したものであり、本発明は
これに限定されるべきものではないことは言うまでもな
いことである。

【００１０】

【発明の効果】以上、詳細に説明した如く、本発明によ
れば、収納された紙葉類の状態にかかわらず、すなわ
ち、紙葉類に折れ癖や破れがあったり厚みの薄い紙葉類
であっても、これを確実にフィードローラとゲートロー
ラの間に送り込み、座屈あるいは分離ジャムが発生する
ことの少ない紙葉類分離繰り出し機構を実現できるとい
う顕著な効果を奏するものである。更に、１個のセンサ
を用いて、収納部内にある紙葉類の有無を検知すること
が可能になり、また、収納部が着脱可能なカセットボッ
クスで構成される紙葉類取扱装置において、カセットボ
ックスが装置本体に装填されていないことを検知するこ
とが可能になる。

【００１１】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る分離繰り出し機構の主
要部分の側面図である。

【図２】図１を矢印Ａ方向より見た正面図である。

【図３】本発明の一実施例に係る分離繰り出し機構を有
する現金自動支払機の全体構成の概略図である。

【図４】従来の現金自動支払機の分離繰り出し機構の側
面図である。

【図５】従来技術による分離ジャム発生の状態を示す説
明図である。

【図６】従来技術において前板をフィードローラ外周面
と一致させた場合の条件紙幣の分離説明図である。

【図７】本発明の実施例に係る繰り出し機構の可動ガイ
ド部材が回動する際の、条件紙幣の分離説明図である。

【符号の説明】

１：可動ガイド部材、１ａ：可動ガイド部材１の後端、
２：ベアリング、３：バネ、４：センサ、５，５ａ：紙
葉類、５ｂ：紙葉類５の先端、１０：カセットボック
ス、１１：フィードローラ、１２：ゲートローラ、１
３：ピックアップローラ、１４：押板、１５：搬送路、
１６：出金口集積部、１８：フィードローラ回転軸、３
０，３０ａ：前板ガイド、３１：搬送ガイド板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 多数枚堆積した紙葉類の上面に当接して
   回転し、紙葉類を繰り出すピックアップローラと、繰り
   出された紙葉類を一枚ずつ分離して搬送するよう、対向
   して配置された回転するフィードローラと回転しないゲ
   ートローラを有する紙葉類分離繰り出し装置において、
   前記フィードローラの回転軸を中心として回動自在に構
   成され、前記堆積した紙葉類の上面に当接する紙葉類ガ
   イド部材を設けたことを特徴とする紙葉類分離繰り出し
   機構。