JPH065255Y2

JPH065255Y2 - ウォークイン装置付自動車用シート

Info

Publication number: JPH065255Y2
Application number: JP1988087019U
Authority: JP
Inventors: 正浩松橋
Original assignee: Tachi S Co Ltd
Current assignee: Tachi S Co Ltd
Priority date: 1988-06-30
Filing date: 1988-06-30
Publication date: 1994-02-09
Anticipated expiration: 2003-06-30
Also published as: US4909570A; JPH028634U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は自動車用シート（座席）、特にシートバックを
前傾せしめるとスライド装置が自動的に稼動してシート
バックとともにシートクッションを前進せしめるウォー
クイン装置と、シートを後退させたときに、初めに乗員
が適宜設定したシート位置に確実に戻すようにしたメモ
リー装置とを備えた自動車用シートに関する。

（従来の技術とその問題点）従来、この種の自動車用シートには、例えば特公昭５７
−３０６９０号公報に開示されているものの如くのウォ
ークイン装置を備えたものがある。即ち、可動レール側
に設けて固定レール側に噛合するロック部材と一体の軸
に、プレートを溶接し、このプレートにリリースワイヤ
に一端が連結しているウォークインレバーを当接する構
造である。従って、シートバックの前傾に伴なってリリ
ースワイヤが引張られると、ウォークインレバーが回動
してプレートを押圧して軸を回転させ、この軸と一体の
ロック部材を固定レール側から離脱させることにより、
可動レールを前方に摺動可能にしている。

そして、前記軸に溶接したプレートの側面に、前記ウォ
ークインレバーの一端を当接してウォークインレバーの
動きをプレートに確実に伝達している。

ところが、この構造はウォークイン作動の初期におい
て、ウォークインレバーはプレートに対して面接触して
いるが、該レバーの回動に伴ないプレートに対して点接
触に変化する。従って、この変化する過程においてウォ
ークインレバーのプレートに対する接触面積が大である
し、しかも、ウォークインレバーがプレートに摩擦して
摺動するため、ウォークインレバーのプレートに対する
接触個所が摩耗し、この摩耗によってウォークインレバ
ーの作動量が減少し、作動不良になる虞れがある。

加えて、リリースワイヤの作動ストロークが少ない場合
には、プレートの回動範囲（プレートと一体の軸に固定
されているロック部材における固定レールに対するロッ
ク状態からロック解除までの移動範囲）が少なくなり、
そのためウォークインレバーのプレートに接触する部分
の負荷が過大となり、前記ウォークインレバーが更に摩
耗し易くなる不具合がある。

そこで、本考案は斯様な事情に鑑みてなされたものであ
り、ウォークイン装置における作動伝達部材の摩耗を防
止することを目的とするものである。

（問題点を解決すべき手段）以上の目的を達成するための本考案は、固定レールに前
後に摺動自在に嵌合する可動レールを常時前方に付勢す
る手段を備えたスライド装置と、前記可動レールを任意
位置に係止するロック装置と、前記可動レールに固定し
たシートクッションと、該シートクッションに前傾自在
に枢支されたシートバックと、該シートバックの前傾に
伴ない前記可動レールの前後摺動を可能とするウォーク
イン装置と、前記可動レールが最前進して再び後進した
ときに可動レールの摺動位置を一定とするメモリー装置
とからなる自動車用シートにおいて、前記可動レール側
にウォークインレバーを回動自在に枢着し、該レバーに
前記シートバックの前傾に伴なって引っ張られるリリー
スワイヤを連結すると共に前記ウォークインレバーに作
動ピンを一体に固定し、且つ、前記ロック装置のロック
状態を解除するシャフト製の操作レバーにおける作動ピ
ンが当接する部分に、クランク部を設けて、前記リリー
スワイヤによってプレートを回動して作動ピンで操作レ
バーをロック解除方向に回転させることを特徴とするも
のであり、前記メモリー装置は可動レール側に設けた係
止部と、前記ウォークインレバーに取付けて前記可動レ
ールの係止部に係合すると共に、固定レールの先端縁に
接触することにより前記可動レールの係止部に対する係
合状態を解除するメモリープレートとから構成してい
る。

（作用）シートバックを前傾又は前倒すると、それに伴なってウ
ォークイン装置を構成するリリースワイヤが引張られて
ウォークインレバーを回転させ、このウォークインレバ
ーの回転によってウォークインレバーに設けてある作動
ピンが移動して操作レバーのクランク部を押圧してロッ
ク装置を構成するシャフト製の操作レバーを回転させ
る。この操作レバーの回転によって操作レバーと一体の
ロック部材が固定レール側に対する噛合状態から離脱
し、スライド装置の可動レールが固定レールに対して摺
動自在になり、可動レールは付勢手段によって前方に移
動する。そのため、ウォークインレバーに加わる作動力
は作動ピン、シャフト製の操作レバーを介してロック部
材に伝達され、その作動ピン、操作レバーとが点接触す
る構造であるので、摩擦力が小で作動ピンの摺動抵抗を
低減できる。

（実施例）以下、本考案の実施例を第１図乃至第９図に基づいて説
明する。

第１図は本考案に係るウォークイン装置付自動車用シー
トの概略を示し、図中(a)はシートクッションで、この
シートクッション(a)はスライド装置(2)の可動レール(2
2)に固定されており、可動レール(22)は車床に固定した
固定レール(21)に前後方向へ摺動自在に嵌合され、ロッ
ク装置によって所定位置に固定されている。そして、こ
のシートクッション(a)にはリクライニングデバイスな
どによって前傾又は前倒可能にシートバック(b)が連結
されており、このシートバック(b)を実線の状態から二
点鎖線の状態に前傾させると、ウォークイン装置によっ
て前記ロック装置による可動レール(22)の固定レール(2
1)に対するロック状態が解除になり、可動レール(22)を
常時前方に付勢する付勢手段（例えばヘルパースプリン
グ）により、シートクッション(a)と前傾状態のシート
バック(b)が前進する。そして、図示しないが、シート
バック(b)を再び立設位置に戻すと、メモリー装置によ
ってその状態にシートクッション(a)が戻る構造であ
る。図中(38)はシートバック(b)を前傾させるためのデ
バイスを示す。

第２図は本考案の要部を示し、前記スライド装置(2)は
固定レール(21)と可動レール(22)とからなり、このスラ
イド装置（２）はシートクッション（ａ）の左右に平行
に配設され、一方のスライド装置(2)の固定レール(21)
には他方のスライド装置側に対向する内側面に、多数の
係止孔(52)・・・が固定レール(21)の長手方向に有し、
また、この一方のスライド装置(2)の可動レール(22)に
は前記ウォークイン装置(3)が設けられている。

このウォークイン装置(3)は可動レール(22)の内側面に
固定した固定プレート(59)と一体のベースプレート(31)
と、このベースプレート(31)にピン(39)によって水平方
向に回転自在に支持したウォークインレバー(32)と、こ
のレバー(32)の一端側と前記シートバック(b)側に配設
したデバイス(38)とに両端を連結するリリースワイヤ(3
4)と、レバー(32)の反対側より上方に起立固定した作動
ピン(33)及びロック装置のロック状態を解除するシャフ
ト製の操作レバー(54)のクランク部(30)とから構成され
ている。

以上の操作レバー(54)のクランク部(30)は作動ピン(33)
に当接し、第５図実線に示すように通常は斜上方向に位
置しているが、ウォークイン作動によって作動ピン(33)
に押圧されて点線の位置（上方）に移動する。

なお、前記図示するデバイス(38)はシートバック(b)の
前傾によってデバイスアーム(36)がベース(35)に枢着し
たピン(37)を中心として前方に回動してリリースワイヤ
(34)を第２図矢印方向に引張るように構成されている。

前記可動レール(22)を固定レール(21)の所定位置に固定
するロック装置(5)は、固定レール(21)の内側面に沿っ
て配設した操作ノブ(55)付のシャフト製操作レバー(54)
と、この操作レバー(54)に固定され前記固定レール(21)
の係止孔(52)に係合するロックプレート(51)（第６図）
と、このロックプレート(51)を係止孔(52)に係合するよ
うに操作レバー(54)を付勢する捩りスプリング(53)とか
ら構成され、この操作レバー(54)は可動レール(22)に溶
接したサポートブラケット(56)(57)の先端に回動自在に
支持されている。そして、この操作レバー(54)には他方
のレールアセンブリのロック装置に連結するプルワイヤ
(58)が連結されている。従って、操作ノブ(55)を矢印方
向（第２図）に回動操作すると、操作レバー(54)が捩り
スプリング(53)の弾性に抗して回動する。そのため、操
作レバー(54)と一体のロックプレート(51)が固定レール
(21)に設けた係止孔(52)から離脱して、ロック状態が解
除され、同時にプルワイヤ(58)が矢印方向に引張られる
ため、他方のレールアセンブリのロック装置のロック状
態も解除される。

前記メモリー装置(4)は、前記可動レール(22)の固定プ
レート(59)の一端に設けた係止部(42)と、この係止部(4
2)に係合し前記固定レール(21)の先端縁(21a)に突き当
たることにより係止部(42)に対する係合状態が解除され
て固定レール(21)の内側面に先端部が弾接するメモリー
プレート(41)とから構成されている。そして、このメモ
リープレート(41)は前記作動ピン(33)側のウォークイン
レバー(32)の端部に基端を回動自在に枢着されており、
その形状は第７図乃至第９図に示すように構成されてい
る。即ち、メモリープレート(41)は前記係止部(42)に係
止する係合部(41a)と固定レール(21)の外側面(21b)に接
触する先端部(41b)と、シートクッション(a)を後方に戻
す際に固定レール(21)の先端縁が突き当たる端縁(41c)
とからなる略鉤形状のプレートであり、ばね(43)により
常時固定レール(21)方向に付勢されている。そして、こ
のメモリープレート(41)と前記係止部(42)とは固定レー
ル(21)の側面方向に配設されている。従って、ばね（４
３）の弾力に抗してシートバック（ｂ）を前倒すると、
リリースワイヤ（３４）の引張りによって、レバー（３
２）がピン（３９）を中心に回転する。このレバー（３
２）の回転により、メモリープレート（４１）は作動ピ
ン（３３）と共にスライド装置（２）方向に移動する。
この状態において、メモリープレート（４１）の先端部
（４１ｂ）は固定レール（２１）の外側面（２１ｂ）に
接触している。しかし、作動ピン（３３）の移動によっ
て操作レバー（５４）のクランク部（３０）は押動され
るため、操作レバー（５４）が回転してスライド装置
（２）のロック状態が解除され、可動レール（２２）は
付勢手段によって前進する。そして、固定レール（２
１）の先端縁（２１ａ）より、前方に可動レール（２
２）が前進すると、固定レール（２１）の外側面（２１
ｂ）に接触しているメモリープレート（４１）は、第１
０図に示すようにその係合部（４１ａ）が可動レール
（２２）と一体の係止部（４２）に係合するため、作動
ピン（３３）のクランク部（３０）に対する押動状態は
維持され、スライド装置（２）のロック解除状態は保持
される。従って、この状態でシートバック（ｂ）を前倒
状態から元の立設位置に戻しても、メモリープレート
（４１）の係合部（４１ａ）は、ばね（４３）の弾力で
係止部（４２）に係合されているため、ロック解除状態
が依然保持され、リリースワイヤ（３４）がたるむのみ
である。

そして、シートクッション（ａ）を後進させると、可動
レール（２２）と共に可動レール（２２）側のメモリー
プレート（４１）も同時に後進する。このメモリープレ
ート（４１）が移動して固定レール（２１）の先端縁
（２１ａ）にメモリープレート（４１）の端縁（４１
ｃ）が突き当たると、バネ（４３）の弾力に抗して、係
止部（４２）に対して脱出方向にメモリープレート（４
１）が回転する。このメモリープレート（４１）の回転
により、係合部（４１ａ）が係止部（４２）から外れる
ため、メモリープレート（４１）及び作動ピン（３３）
は、作動ピン（３３）を介してメモリープレート（４
１）に作用する捩りスプリング（５３）及びばね（４
３）の弾力により回転しスライド装置（２）から離れる
方向に移動する。この作動ピン（３３）の移動により、
作動ピン（３３）の押動によりロック解除状態の操作レ
バー（５４）は捩りスプリング（５３）の弾性により回
転し、操作レバー（５４）と一体のロックプレート（５
１）が固定レール（２１）の係止孔（５２）に係合して
スライド装置（２）はロック状態となる。このシートク
ッション（ａ）を後進させた際に、スライド装置（２）
がロック解除状態からロック状態になる位置はあらかじ
め設定し（ロックプレート（５１）とメモリープレート
（４１）間の距離をあらかじめ設定する）、この位置を
所定位置とする。

本考案は次に示すように作動する。

シートバック(b)を第１図に示すように前傾させると、
デバイスアーム(36)が回動してリリースワイヤ(34)が引
張られる。そのため、リリースワイヤ(34)が連結されて
いるウォークインレバー(32)一端がピン(39)を中心に水
平方向に回動し、そのウォークインレバー(32)の他端に
固定した作動ピン(33)が、操作レバー(54)のクランク部
(30)を押動する（第５図実線の位置から点線の位置）。
そのため、操作レバー(54)が回動してこの操作レバー(5
4)と一体のロックプレート(51)が固定レール(21)側の係
止孔(52)から離脱してロック装置(5)のロック状態が解
除され可動レール(22)は固定レール(21)に摺動自在とな
ると同時にヘルプスプリング（不図示）により可動レー
ル(22)と共にシートクッション(a)が前方に、即ち、第
１図に示すように実線の状態から点線に示す状態に移動
する。なお、ウォークイン作動時及び該作動前における
メモリープレート(41)はその先端部(41b)が固定レール
(2)の外側面にばね(43)の弾力によって弾接している
（第７図）。

そして、メモリープレート(41)が可動レール(22)と共に
固定レール(21)の先端縁(21a)より前方に移動した際
に、第９図に示すようにメモリープレート(41)の係合部
(41a)が、係止部(42)に係止する。

次にシートバック(b)を前傾状態から立設位置に戻す
と、リリースワイヤ(34)の引張力が解除されるが、メモ
リープレート(41)の係合部(41a)が係止部(42)に係合さ
れているため、ウォークインレバー(32)が回転せず作動
ピン(33)の操作レバー(54)のクランク部(30)に対する押
圧状態を解除されない。従って、スライド装置（２）の
ロック解除状態は保持される。しかし、シートクッショ
ン（ｂ）を後方に移動させると、それに伴って可動レー
ル（２２）も後進し、可動レール（２２）が所定位置ま
で後進すると、固定レール（２１）の先端縁（２１ａ）
にメモリープレート（４１）の端縁（４１ｃ）が突き当
たるため、メモリープレート（４１）の係合部（４１
ａ）は係止部（４２）から脱出する（第８図）。そのた
め、メモリープレート（４１）は、作動ピン（３３）と
共に、作動ピン（３３）に作用する操作レバー（５４）
の捩りスプリング（５３）の弾性によって第７図の状態
になると同時に、操作レバー（５４）は回動して、ロッ
クプレート（５１）が所定の係止孔（５２）に係合して
スライド装置（２）はロック状態となる。

（効果）本考案は叙上の如く、ウォークイン装置におけるリリー
スワイヤに引張られて回動するウォークインレバーに、
作動ピンを固定すると共に操作レバーにおける作動ピン
が当接する部分にクランク部を設けているため、作動ピ
ンとクランク部との接触が点接触となり、作動ピンでク
ランク部の押動する際、作動ピンのクランク部に対する
摺動抵抗が低減できるため、前記従来品に比べ摩耗し難
く、操作力も低減できる。

また、メモリー装置を固定レールの側面方向に配設する
ことによりロアレールより下方に突出物がなく、外的衝
撃を受け難く故障等が生じない。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案シートの概略を説明する説明図、第２図
は要部の斜視図、第３図は同側面図、第４図は同平面
図、第５図は第４図におけるＶ−Ｖ線の端面図、第６図
は同VI-VI線の端面図、第７図乃至第９図はウォークイ
ンレバー、メモリープレートの動きを説明する説明図、
第１０図はメモリープレートが係止部に係合している状
態の正面図、第１１図はメモリープレートと係止部との
関係を示す斜視図である。図中、(2)はスライド装置、(21)は固定レール、(22)は
可動レール、(3)はウォークイン装置、(30)は操作レバ
ーのクランク部、(32)はウォークインレバー、(33)は作
動ピン、(34)はリリースワイヤ、(4)はメモリー装置、
(41)はメモリープレート、(5)はロック装置を夫々示
す。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】固定レールに前後に摺動自在に嵌合する可
動レールを常時前方に付勢する手段を備えたスライド装
置と、前記可動レールを任意位置に係止するロック装置
と、前記可動レールに固定したシートクッションと、該
シートクッションに前傾自在に枢支されたシートバック
と、該シートバックの前傾に伴ない前記可動レールの前
後摺動を可能とするウォークイン装置と、前記可動レー
ルが最前進して再び後進したときに可動レールの摺動位
置を一定とするメモリー装置とからなる自動車用シート
において、前記可動レール側にウォークインレバーを回
動自在に枢着し、該ウォークインレバーに前記シートバ
ックの前傾に伴なって引っ張られるリリースワイヤを連
結すると共に前記ウォークインレバーに作動ピンを一体
に固定し、且つ、前記ロック装置のロック状態を解除す
るシャフト製の操作レバーにおける作動ピンが当接する
部分に、クランク部を設けて、前記リリースワイヤによ
ってウォークインレバーを回動して作動ピンで操作レバ
ーをロック解除方向に回転させることを特徴とするウォ
ークイン装置付自動車用シート。
【請求項２】前記メモリー装置は、前記可動レール側に
設けた係止部と、前記ウォークインレバーに取付けて前
記可動レールの係止部に係合すると共に、固定レールの
先端縁に接触することにより前記可動レールの係止部に
対する係合状態を解除するメモリープレートとから構成
してなることを特徴とするウォークイン装置付自動車用
シート。