JPH0650581B2 - 磁気テ−プの記録速度自動判別装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 (a)産業上の利用分野 この発明は、ビデオテープレコーダなどの記録テープ速
度を再生時に自動的に判別し、所定のモードに自動的に
切り換えを行わせる磁気テープの記録速度自動判別装置
に関する。

(b)発明の背景 ビデオテープレコーダなど回転ヘッドを用いたヘリカル
スキャン方式の磁気記録再生装置においては、記録時に
磁気テープ上に何らかの同期信号を記録しておき、再生
時に同期信号を再生してキャプスタンまたは回転ヘッド
シリンダの回転位相制御を行い、磁気テープのビデオ信
号などの記録トラックを回転ヘッドが正しくトレースす
るようサーボ回路でトラッキング制御を行っている。

従来の家庭用ビデオテープレコーダにおいては、通常コ
ントロール信号と呼ぶ垂直同期信号の１／２の周波数の
パルス信号をテープ端に書き込む方式（ＣＴＬ方式）が
用いられている。このコントロール信号を用いるサーボ
トラッキング制御方式では、記録テープ速度に応じてテ
ープ上に記録されたコントロール信号の間隙が異なる。
例えば長時間記録のため記録テープ速度を１／２とする
とコントロール信号の間隙も１／２となる。

(c)従来の技術 従来、ビデオテープレコーダなどの磁気記録再生装置に
おいては記録テープ速度を再生時に自動的に判別し、所
定のモードに自動切り換えを行わせている。再生時に記
録テープ速度を自動的に判別する方法として、再生時の
コントロール信号の周波数と、再生テープ速度を表すキ
ャプスタン軸またはキャプスタンモータ軸に取り付けら
れた周波数発電機から得られる信号との周波数の比から
判別を行っている。

すなわち、記録テープ速度とコントロール信号の再生周
波数および前記周波数発電機から得られる信号の周波数
との間には特定の関係がある。第４図はこれらの関係を
表す図であり、図において記録速度モードはＳＰ（スタ
ンダードプレイ），ＬＰ（ロングプレイ），およびＥＰ
（エコノミープレイ）の三種のモードを表している。Ｃ
ＴＬ信号はコントロール信号を表していて、何れのモー
ドでも通常の再生状態ではテレビ信号におけるフレーム
周波数である３０Ｈｚの信号が得られる。ＣＦＧ信号は
前記キャプスタンモード軸に取り付けられた周波数発電
機から得られる信号を表していて、各テープ速度モード
に応じた周波数信号が得られる。ＣＴＬ信号とＣＦＧ信
号との比はテープ速度の各記録モードに応じて固有の値
となる。この比の値は再生時おせるテープ速度に関わら
ず一定である。この関係を利用して従来はコントロール
信号の再生周波数と周波数発電機から得られる信号の周
波数との比に基づいてテープの記録速度の判別を行って
いる。具体的にはＣＴＬ信号の一周期に含まれるＣＦＧ
信号の繰り返し数をカウントすることによって記録速度
を判別している。

(d)発明が解決しようとする問題点 上記従来の磁気テープの記録速度自動判別装置において
は、コントロール信号の周波数とキャプスタン軸または
キャプスタンモータ軸に取り付けられた周波数発電機か
ら得られる信号の二つの情報にもとずいて判別を行うた
め、システム構成が複雑であった。

この発明はコントロール信号のみを用いて、しかも少な
い回路構成によって磁気テープの記録速度を判別するよ
うにして、システム構成を簡略化することを可能とした
磁気テープの記録速度自動判別装置を提供することを目
的としている。

(e)問題点を解決するための手段 この発明の磁気テープの記録速度自動判別装置は、再生
速度に比例する周波数のクロック信号を再生速度に応じ
て発生するクロック信号発生手段と、再生されたコント
ロール信号の一周期にわたって前記クロック信号のパル
ス数をカウントするカウンタと、を備え、前記カウンタ
のカウント値から磁気テープの記録速度を判別すること
を特徴としている。

(f)作用 以上の構成であれば、クロック信号発生手段は磁気テー
プの再生速度に比例したクロック信号を発生し、カウン
タはコントロール信号の一周期にわたってクロック信号
のパルス数をカウントする。従ってこのカウンタのカウ
ント値は再生速度に関わらず記録速度モードに応じた値
となる。第３図はこれらの関係を表す図である。

第３図に示した例は再生速度モードがＳＰモードである
とき９００Ｈｚ、ＬＰモードであるとき４５０Ｈｚ、お
よびＥＰモードであるとき３００Ｈｚのクロック信号を
それぞれ用いる。たとえばＳＰモードで記録された磁気
テープをＳＰモードで再生した場合、コントロール信号
の再生周波数は３０Ｈｚであるため、そのカウント数は
９００／３０＝３０カウントとなる。このＳＰモードで
記録された磁気テープをＬＰモードで再生した場合、コ
ントロール信号の再生周波数は１５Ｈｚとなるが、この
とき用いられるクロック周波数は４５０Ｈｚであるた
め、カウント数は４５０／１５＝３０カウントとなる。
同様にして同じ磁気テープをＥＰモードで再生した場合
はコントロール信号の再生周波数は１０Ｈｚとなるが、
このとき用いられるクロック周波数は３００Ｈｚである
ため、そのカウント数は３００／１０＝３００カウント
となる。また、ＬＰモードで記録された磁気テープをＳ
Ｐモードで再生した場合はコントロール信号の再生周波
数は６０Ｈｚとなって、そのときのカウント数は９００
／６０＝１５カウントとなる。同じ磁気テープをＬＰモ
ードで再生した場合は同様にして１５カウントとなる。
このように再生速度モードに関わらず記録速度モードに
対応したカウント数が得られる。

このようにして前記カウンタのカウント値から磁気テー
プの記録速度を判別する。

(g)実施例 第１図はこの発明の実施例である磁気テープの記録速度
自動判別装置を用いたビデオテープレコーダのテープ速
度制御部におけるブロック図を表している。磁気テープ
１にはその端部にコントロールトラックが設けられてい
て、コントロール信号が記録されている。キャプスタン
モータ２は磁気テープ１を一定の速度で搬送するための
モータであり、再生速度モードに応じて予め定められた
速度で磁気テープを搬送する。８はコントロールヘッド
を表し、磁気テープ１のコントロールトラックの信号を
再生する。再生されたコントロール信号は増幅回路９に
よって増幅され、波形整形回路１０によって矩形波とし
て再生され、モード判別部１１に与えられる。キャプス
タンモータ２には周波数発電機３が設けられていて、そ
の周波数信号は増幅回路４によって増幅され、波形整形
回路５によって波形整形される。ＦＶ変換回路６は周波
数信号を電圧信号に変換する回路であり、モータドライ
ブアンプ７に電圧信号を供給する。増幅回路４、波形整
形回路５およびＦＶ変換回路６によってサーボ回路が構
成され、キャプスタンモータ２は定速回転で駆動され
る。

モード判別部１１は前記波形整形回路１０から出力され
たコントロール信号（ＣＴＬ）に基づいて磁気テープ１
の記録速度を判別して、その速度に応じてキャプスタン
モータを駆動するために、前記ＦＶ変換回路６に対して
再生速度モードを表す信号を出力する。

第２図は第１図に示したモード判別部１１の回路図を表
している。図において２０は基準となるクロック信号を
発生する発振回路であり、９００Ｈｚのクロック信号を
発生する。２１は入力信号を３分の１に分周する分周回
路、２２は２分の１に分周する分周回路をそれぞれ表し
ている。従って分周回路２１からは３００Ｈｚ、分周回
路２２からは４５０Ｈｚのクロック信号がそれぞれ出力
される。３３は再生速度モードに応じて切り換えられる
スイッチ回路を表している。各端子に表した記号は再生
速度モードに応じた位置を表している。従って例えば再
生速度モードがＳＰであるとき、９００Ｈｚのクロック
信号が選択される。カウンタ２３はＣＫ端子に入力され
るクロック信号をカウントするカウンタである。ＯＲゲ
ート２４はカウンタ２３のカウント値が「１２」または
「２２」となったとき“Ｈ”レベルを出力する。２５，
２６はそれぞれＴ型フリップフロップを表し、２ビット
のバイナリーカウンタを構成している。２７，２８はＤ
型ラッチ回路を表し、前記Ｔ型フリップフロップのＱ出
力が入力端子Ｄに接続され、タイミング入力端子ＴにＣ
ＴＬ信号ラインが接続されている。したがってＴ型フリ
ップフロップ２５，２６の状態がＣＴＬ信号の立ち上が
りのタイミングでラッチされる。Ｄ型ラッチ回路２７，
２８の出力Ｑはゲート回路３０，３１，３２にそれぞれ
接続されている。これらのゲート回路はＤ型ラッチ回路
２７，２８の出力状態に応じて磁気テープの記録速度モ
ードを判別する回路である。２９は遅延回路を表し、Ｃ
ＴＬ信号の立ち上がりから一定時間遅延してカウンタ２
３およびＴ型フリップフロップ２５，２６をそれぞれリ
セットし、その後リセットを解除する。

次にこの回路の動作について説明する。まず、カウンタ
２３は遅延回路２９から出力されたリセット信号によっ
てリセットされた後、クロック信号のカウントを行う。

カウンタ２３のカウント値がＣＴＬ信号の一周期で１０
カウントになった場合を考えると、ＯＲゲート２４の出
力は“Ｌ”のままである。従ってＤ型ラッチ回路２７，
２８の出力はいずれも“Ｌ”レベルとなる。従ってゲー
ト回路３２の出力が“Ｈ”レベルとなる。このときゲー
ト回路３０と３１の出力はいずれも“Ｌ”レベルであ
る。

カウンタ２３のカウント値がＣＴＬ信号の一周期で１５
に達したときを考えると、カウンタ２３のカウント値が
１２となったときＯＲゲート２４の出力が“Ｈ”レベル
となる。その後カウント値が１３〜１５の期間ふたたび
ＯＲゲート２４の出力が“Ｌ”レベルとなる。従ってＴ
型フリップフロップ２５はセットされ、ＣＴＬ信号の次
の立ち上がりのタイミングでＤ型ラッチ回路２７がその
状態をラッチする。従ってこのときラッチ回路２７の出
力が“Ｈ”レベル、ラッチ回路２８の出力が“Ｌ”レベ
ルとなってゲート回路３１の出力が“Ｈ”レベルとな
る。

次にカウンタ２３のカウント値がＣＴＬ信号の一周期で
３０カウントとなった場合を考えると、カウント値が１
１から１２に変わったとき、Ｔ型フリップフロップ２５
がセットされる。その後カウント値が２１から２２に達
したときＴ型フリップフロップ２５がリセットされると
ともに２６がセットされる。この状態はＣＴＬ信号の次
の立ち上がりのタイミングでＤ型ラッチ回路２７，２８
にラッチされる。従ってラッチ回路２７の出力が“Ｌ”
レベル、２８の出力が“Ｈ”レベルとなって、ゲート回
路３０の出力が“Ｈ”レベルとなる。

以上のようにしてカウンタ２３がＣＴＬ信号の一周期で
クロック信号をカウントした際、カウント値が１２未満
の場合、２２未満の場合、および２２以上の場合の何れ
であるかを判別することによって磁気テープの記録速度
モードを判別する。

(h)発明の効果 以上のようにこの発明によれば、磁気テープに記録され
ているコントロール信号の一周期にわたって再生速度モ
ードに応じたクロック信号のパルス数をカウントするこ
とにより、そのカウント値のみから磁気テープの記録速
度を判別することができ、シスム構成を簡略化すること
が可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の実施例である磁気テープの記録速度
自動判別装置を用いたビデオテープレコーダのテープ速
度制御部のブロック図、第２図は第１図に示したモード
判別部の回路図、第３図は磁気テープの再生速度モード
に対する、記録速度モードとコントロール信号の再生周
波数およびカウント数などとの対応関係を表す図、第４
図は記録速度モードとコントロール信号の再生周波数お
よびキャプスタンモータに設けられた周波数発電機から
得られる信号の周波数などとの関係を表す図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】回転ヘッドのトラッキング用コントロール
   信号が一部に記録され、予め定められた数種類のテープ
   速度モードのうち何れか一つのモードで記録された磁気
   テープを再生する際に、その磁気テープの記録速度を判
   別する磁気テープの記録速度自動判別装置であって、 再生速度に比例する周波数のクロック信号を再生速度に
   応じて発生するクロック信号発生手段と、再生されたコ
   ントロール信号の一周期にわたって前記クロック信号の
   パルス数をカウントするカウンタと、を備え、前記カウ
   ンタのカウント値から磁気テープの記録速度を判別する
   ことを特徴とする磁気テープの記録速度自動判別装置。