JPH0648090Y2 - 内燃機関用ブローバイガス還元装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は車両の内燃機関用ブローバイガス還元装置に関
するもので、特に、クランクケースの外壁部にクランク
ケースの内部と外部とを連通する連通管を接続し、この
管によってブローバイガスを排出還元するようにしたも
のである。

（従来の技術） エンジンの燃焼室からピストンリングとシリンダ壁との
隙間を通ってクランクケース内等の機関内室に漏れ出
る、いわゆるブローバイガスには、強酸性の水分を有す
る未燃焼の炭化水素が多量に含まれているために、大気
中に放出することも、また、エンジン内部に滞留させて
おくこともできない。

そこで、従来より車両等のエンジンには、このブローバ
イガスを再度燃焼室に送るブローバイガス還元装置が設
けられている。このブローバイガス還元装置は、ブロー
バイガスをクランクケース内等の機関内室からエンジン
の吸気通路に還元させ、再度燃焼室に導き燃焼させるも
のである。

このブローバイガス還元装置は、第１図及び第２図に示
すように、オイル用通路１と、ブローバイホース２と、
から概略構成されている。オイル用通路１はシリンダブ
ロック３の側壁部3aと、ピストン４の摺動するシリンダ
５の外壁部との間に形成されており、バルブステム６及
びステムガイド７のある上部から下部のクランクケース
８内部まで連通している。ブロバイホース２は、その一
端部2aがシリンダヘッドカバー3bに接続され、他端部2b
はエアクリーナ装置９及びインテークマニホールド10等
から成る吸気通路11に接続している。12は気化器、13は
オイル注入口、14は燃焼室である。

このように構成されているので、ピストン４とシリンダ
５との隙間から漏れでたブローバイガスは矢印のように
クランクケース８内からオイル用通路１、シリンダヘッ
ドカバー3b、ブローバイホース２、そして吸気通路11す
なわち、エアクリーナ装置９、気化器12、インテークマ
ニホールド10等を通ってエンジンの燃焼室14へと送られ
る。また、バルブステム６とステムガイド７との隙間か
ら漏れでたブローバイガスはシリンダヘッドカバー3b内
でクランクケース８内からくるブローバイガスと合流し
てブローバイホース２等より燃焼室に送られる。

なお、ブローバイガス還元装置として、ブローバイガス
排出路の途中にオイル注入口を設けたもの（実開昭56-1
22713号公報）また、給油管に関したものとして、給油
管の給油口の近くに多孔弁を設けたもの（実公昭62-265
73号公報）がある。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、上記従来のブローバイガス還元装置にお
いては、シリンダブロック内でブローバイガス還元用の
通路とオイル注入用の通路とが共用になっているため
に、オイルと下から吹上がるブローバイガスとが干渉
し、オイルミストが発生してオイルの消費量が増大する
問題点があった。

したがって、オイル注入口の設計においては、その注入
口形成位置、大きさ、そして注入口周辺の壁部の形状、
等を適正にして、オイルと下から吹き上がるブローバイ
ガスとが干渉しないようにする必要があった。特に、第
２図に示すようにエンジンの傾斜がかわると、オイル用
注入用の通路とブローバイガス還元用の通路との釣合い
には注意が必要である。また、エンジンブロック内にこ
のような干渉しない通路を確保することはレイアウト上
困難でもあった。

実開昭56-122713号公報に開示されたものはブローバイ
ガス排出路の途中にオイル注入口が設けられているがオ
イルとブローバイガスとの干渉を積極的に回避させたも
のではない。また実公昭62-26573号公報のものは、本考
案の問題点を解決しているものではない。

本考案は上記従来の問題点を解決することを課題として
なされたものである。

（課題を解決するための手段） 上記問題点を解決するために、本考案に係る内燃機関用
ブローバイガス還元装置は、機関のクランクケース８の
外部に、クランクケース８の内部と外部とを連通する連
通管15の一端部を接続し、該連通管の他端部にはオイル
を注入するオイル注入口17を形成し、前記連通管15の側
壁部に、ブローバイガスを還元させる第１のブローバイ
管19の一端部19aを接続させ、該第１のブローバイ管19
の他端部19bをシリンダヘッドカバー3bに接続させると
ともに該シリンダヘツドカバー3bに第２のブローバイ管
（ブローバイホース２）の一端部を接続させ、該第２の
ブローバイ管の他端部をエンジンの吸気通路11に接続さ
せた構成としたものである。

（作用） 以上のように構成したのでクランクケース８内のブロー
バイガスは連通管15、第１のブローバイ管19及び第２の
ブローバイ管（ブローバイホース２）とに導かれて、エ
ンジンの吸気通路11に還元する。このときシリンダヘッ
ドカバー内の、他から漏れ出たブローバイガスは、シリ
ンダヘッドカバー3b内で連通管15及び第１のブローバイ
管19を通ってくるブローバイガスと合流して吸気通路11
に還元する。そして、燃焼室で再度燃焼させられる。

クランクケース８内のブローバイガスは主に連通管15内
に排出されるので、オイル用通路１近傍のオイルと干渉
することが少ない。

（実施例） 次に、本考案の一実施例を第１図にもとづいて説明す
る。第２図及び第３図と同一部分には同一の符号を付し
て、その詳細な説明は省略する。

本考案の特徴とするところは、クランクケース８の外壁
部にクランクケースの内部と外部とを連通する連通管を
接続し、この管によってブローバイガスを排出還元する
ようにしたことである。

図において、15は連通管である。連通管15は、クランク
ケース８内のブローバイガスをクランクケース８より排
出還元させるためのものである。この連通管15はパイプ
によってなっており、その一端部15aはクランクケース
８すなわちオイルパン16のオイル面より上部のオイルパ
ン壁16aに接続し、その他端部15bは上方に向けて取付け
られている。そして、この他端部15bにはオイル注入口1
7が形成されており、オイル注入口17にはキャップ18が
取付けられている。

また、連通管15の他端部15b近傍すなわち上端部の近傍
の側壁にはブローバイガスが流れるホースで構成された
第１のブローバイ管19の一端部19aが接続しており、こ
の第１のブローバイ管19の他端部19bはシリンダヘッド
カバー3bに接続している。さらに、このヘッドカバー3b
には第２のブローバイ管としてのブローバイホース２の
一端部2aが接続し、その他端部2bはエアクリーナ装置９
及びインテークマニホルド10等から成る吸気通路10に接
続している。

以上のように構成したので燃焼室14からクランクケース
８内に漏れたブローバイガスはクランクケース８に接続
した連通管15と第１のブローバイ管19とによってシリン
ダヘッドカバー3bの内部に導かれる。そして、シリンダ
ヘッドカバー3bの内部で、シリンダヘッドカバー3b内部
の他のブローバイガス、たとえば、従来のオイル用通路
１を通ってきたブローバイガスまたはバルブステム６と
ステムガイド７との隙間から漏れ出たブローバイガスと
合流した後、第２のブローバイ管であるブローバイホー
ス２に導かれて、エンジンの吸気通路11に還元する。そ
して、燃焼室14に再度戻されて再燃焼させられる。

クランクケース８内のブローバイガスは主に連通管15内
に排出されて還元するので、オイル用通路１近傍のオイ
ルと干渉することが少ない。

なお、本実施例においてはクランクケースに連通する連
通管15をオイルパン16に接続させたが、これに限定され
ず、クランクケース８に連通するならシリンダブロック
３に接続させてもよいことはいうまでもない。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案は、クランクケースの外部
にクランクケースの内部と外部とを連通する連通管を接
続し、この管によってクランクケース内のブローバイガ
スを排出還元するようにしたので、上昇するブローバイ
ガスとオイルとの干渉が防止でき、オイルミストの発生
を減少させることができる。したがって、オイルの消費
量が減少する効果が得られる。

また、このようにブローバイガス還元用の通路をクラン
クケースの外部に設けることによって、オイル注入口の
設計上の自由度を大きくすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す模式図、第２図及び第
３図は従来のブローバイガス還元装置を示す模式図であ
る。 ２……ブローバイホース（第２のブローバイ管） ８……クランクケース 11……吸気通路 15……連通管 17……オイル注入口 19……第１のブローバイ管

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】機関のクランクケース外部にクランクケー
   スの内部と外部とを連通する連通管の一端部を接続し、
   該連通管の他端部にはオイルを注入するオイル注入口を
   形成し、該連通管の側壁部に、ブローバイガスを還元さ
   せる第１のブローバイ管の一端部を接続させ、該第１の
   ブローバイ管の他端部をシリンダヘッドカバーに接続さ
   せるともに該シリンダヘッドカバーに第２のブローバイ
   管の一端部を接続させ、該第２のブローバイ管の他端部
   をエンジンの吸気通路に接続させたことを特徴とする内
   燃機関用ブローバイガス還元装置。