JPH064363B2 - 建設車両用ラジアルタイヤ - Google Patents

建設車両用ラジアルタイヤ

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JPH064363B2
JPH064363B2 JP62204974A JP20497487A JPH064363B2 JP H064363 B2 JPH064363 B2 JP H064363B2 JP 62204974 A JP62204974 A JP 62204974A JP 20497487 A JP20497487 A JP 20497487A JP H064363 B2 JPH064363 B2 JP H064363B2
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Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、耐カット性及び発熱耐久性を損なう事なく、
トレッドカット入力から発生するベルト端からの亀裂成
長性を大幅に抑制し、耐久寿命を著しく向上させた建設
車両用ラジアルタイヤに関するものである。
（従来の技術） 一般に不整地走行を主体に使用される建設車両用タイヤ
においては、積載荷重による歪の増加、タイヤ自体の肉
厚形状による発熱問題及び砕石現場等でのトレッドカッ
トからの入力によりベルトエンド部まで亀裂が伝播し、
ベルト端からセパレーションを生じてタイヤの耐久寿命
を大幅に低下させるという問題をもっている。
かかる問題を解決するための技術として、例えば特開昭
49-80703号公報は、走行時の内部発熱を低下させるため
のベースゴムのクラウン中央部とショルダー部とにおけ
る走行時の変形様式に応じ、該変形様式に合致した低発
熱性の２種以上の異なるゴム材料をタイヤ幅方向に並列
的に配置せしめたものが提案されている。
また、特開昭61-287802号公報には、トレッドゴムがキ
ャップ及びベースの２層構造を有するラジアルタイヤに
おいて、ベースゴムのクラウン中央部に耐衝撃カット性
の良好なるゴム組成物を用い、またベースゴムのショル
ダー部に低発熱性のゴム用を用いることにより、トレッ
ドゴムとしてキャップゴムとベースゴム中央部とベース
ゴムショルダー部とで夫々ゴム物性が異なるタイヤが提
案されている。
（発明が解決しようとする問題点） しかし、前記特開昭49-80703号公報記載の技術において
は、ベースゴムを前述の如き配置とする事によりタイヤ
の発熱性を抑制する点ではかなりの効果が見られるもの
の、使用されるゴムが本質的に低発熱性指向のものであ
るので耐カット性に劣り、またトレッドからカットが入
ると亀裂がベルト端まで伝播してベルト端セパレーショ
ンを発生するという問題が生じる。
また特開昭61-287802号公報記載の技術においては、こ
の技術を本発明の目的とする建設車両用タイヤに適用し
た場合、トレッドベースゴムのクラウン中央部での発熱
レベルが高く、発熱耐久性の面で問題となり、またトレ
ッドベースショルダー部で本質的に低発熱性ゴムである
ために耐亀裂成長性が悪く、トレッドからのカット入力
が入るとベルト端まで亀裂がつながりやすく、このため
ベルト端セパレーションをひき起こし耐久寿命を大幅に
低下させるという問題点がある事が確認されている。
上述の従来例からも分る如く、従来技術においては建設
車両用タイヤの前記問題点を十分に解決することはでき
なかった。
そこで本発明の目的は、建設車両用タイヤの耐カット性
及び発熱耐久性を損なうことなく、トレッドカット入力
から発生するベルト端からの亀裂成長性を大幅に抑制
し、タイヤの耐久寿命を著しく向上させる技術を提供す
ることにある。
（問題点を解決するための手段） 本発明者らは前記従来の技術的な問題に鑑み鋭意改良検
討を試みたところ、建設車両用タイヤのトレッドに二重
積層構造を採用し、このベースゴムをトレッドベースシ
ョルダー部とトレッドベースクラウン中央部とに分割
し、これら部分のゴムとトレッドキャップゴムとの特性
を夫々建設車両用タイヤの特有の問題として最適化する
事により、本発明の目的が達成され得る事を見い出し、
本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、ラジアル構造のカーカスと該カータ
スのクラウン部外周を取り囲むベルトによるケーシング
補強を有し、トレッドが該ベルトの径方向外側及びタイ
ヤ幅方向両側を覆うように配設されるトレッドベースゴ
ムと該トレッドベースゴムの径方向外側に配設されるト
レッドキャップゴム（Ａ）との二重積層構造よりなるラ
ジアルタイヤにおいて、 該トレッドベースゴムが該ベルトの径方向外側に配設さ
れるトレッドベースクラウン中央部ゴム（Ｂ）と該トレ
ッドベースクラウン中央部のタイヤ幅方向両側に配設さ
れ、少なくともベルト端まで覆うトレッドベースショル
ダー部ゴム（Ｃ）より構成され、かつ次式： ｔａｎδ（Ｂ）＜ｔａｎδ（Ｃ）＜ｔａｎδ（Ａ）
(1a) ｔａｎδ（Ｃ）−ｔａｎδ（Ｂ）≧０．０２
(1b) （上式中のtanδ(A)、tanδ(B)及びtanδ(C)は夫々前記
ゴム(A)，(B)及び(C)の50゜Cにおける損失係数tanδを示
す） Ｅ′(A)＞Ｅ′(C)＞Ｅ′(B) (2a) Ｅ′(C)−Ｅ′(B)≧5.0×106(dyn/cm2) (2b) （上式中のＥ′(A)、Ｅ′(B)及びＥ′(C)は夫々前記ゴ
ム(A)，(B)及び(C)の50゜Cにおける貯蔵弾性率Ｅ′を示
す）及び （上式中のM300(B)及びM300(C)は夫々前記ゴム(B)及び
(C)の常温での300％モジュラス値を示す） を満足することを特徴とする建設車両用ラジアルタイヤ
に関するものである。
（作用） 本発明においては、第１図に示す如くトレッドベースゴ
ムのトレッドベースショルダー部ゴム（Ｃ）がベルト端
部を覆うように配置することが要求されるが、この理由
は、当該ゴム（Ｃ）がかか如く配置されておらず、かつ
当該ゴム（Ｂ）がかかる如く配置されている場合にはト
レッドからカットが入った場合に、耐カット性及び耐亀
裂成長性の良好なゴムでベルトの最外端がカバーされて
いないために亀裂がベルトまで侵入してベルト故障を引
き起こし、好ましくないからである。
また、本発明においてはトレッドキャップゴム（Ａ）、
トレッドベースクラウン中央部ゴム（Ｂ）及びトレッド
ベースショルダー部ゴム（Ｃ）の50゜Cにおける各tanδ
値が前記(1a)式及び(1b)式の関係を満足することが要求
されるが、この理由は、これら関係を満足しない場合に
は耐発熱性を重視するゴム（Ｂ）と耐カット性を重視す
るゴム（Ｃ）との機能分担が十分に行われず、本発明の
目的を達成し得ないからである。
また同様に、前記コム（Ａ），（Ｂ）及び（Ｃ）の50゜
C)における各貯蔵弾性率Ｅ′及び300％モジュラスM300
が前記(2a)式、(2b)式及び(3)式の関係を満足しない場
合には、ゴム（Ｃ）の耐カット性と他性能との均衡が保
持されず好ましくない。特に、300％モジュラスM300を
Ｅ′で割ったM300／Ｅ′値が、ゴム（Ｂ）とゴム（Ｃ）
との関係で両者の差が所定の範囲内にないと本発明の目
的は到底達成し得ない。すなわち、この差が２×10-7kg
/dynより小さいと耐亀裂成長性と耐カット性との両立効
果が得られず、一方15×10-7kg/dynを超えるとゴム
（Ｂ）の耐カット性及び耐亀裂成長性が悪化し、タイヤ
の耐久面で大幅に不利となるからである。
前述の如く、本発明は建設車両用タイヤ特有の故障に注
目してトレッドキャップゴム、トレッドベースショルダ
ー部ゴム及びトレッドベースクラウン中央部ゴムの特性
を相互に関連づけることにより本発明の目的を初めて達
成したものである。
（実施例） 次に本発明を実施例及び比較例により説明する。
下記の第１表に示す配合割合（重量部）のゴム組成物を
トレッドキャップに使用し、、また下記の第２表に示す
配合割合（重量部）の各ゴム組成物をトレッドベースク
ラウン中央部及びトレッドベースショルダー部に使用
し、タイヤサイズORR24.00R49の各種建設車両用ラジア
ルタイヤを試作した。
尚、第２表中、実施例１と比較例５のクラウン中央部の
ゴム組成物は同一配合内容であり、また実施例２のショ
ルダー部と比較例４のクラウン中央部のゴム組成物も同
一配合内容である。
前記各供試タイヤにつき、下記の第２表に示す物性測定
及びタイヤ性能試験を以下に示す方法で実施した。
得られた結果を第３表に併記する。
貯蔵弾性率Ｅ′及び損失係数tanδ 岩本製作所（株）製粘弾性スペクトロメータを用い、周
波数50Hz、温度50゜C及び重力歪１％の条件にてＥ′及び
tanδを測定した。
モジュラスM300 JIS K6301引張り試験法に基づき、常温にて300％伸長時
でのモジュラスを測定した。
発熱耐久性 JIS D 4230耐久性ドラム試験法に基づき、次式に従いコ
ントロールの走行距離を100として指数で評価した。
数値が大なる程結果が良好である。
耐カット性 供試タイヤを不整地路で約２週間走行させた後、トレッ
ドを剥ぎ取り、ベルトを露出させ、ベルトまで達してい
るカット数を調べ、このカット数から耐カット性を以下
に示す基準に基づき評価した。
カット数30個以上 ……………… １ カット数20個以上30個未満 …………… ２ カット数10個以上20個未満 …………… ３ カット数２個以上10個未満 …………… ４ カット数２個未満 ……………… ５ 値が大きい程結果は良好である。
ベルト端耐亀裂成長性 耐カット性を評価した前記供試タイヤにおいて、カット
がトレッドベースショルダー部に到達した後、亀裂がベ
ルト端まで成長している状況を第２図に示す隣接ベルト
間(LBi−LBi+1)で次のようにして評価した。すなわち、
LBi+1−LBiのタイヤ径方向の距離をＤとして、一方(L
Bi+1またはLBi側）から亀裂が入った長さが、 50％以上のもの ……………… １ 25〜50％の範囲内のもの ……… ２ 10〜25％の範囲内のもの ……… ３ ０〜10の範囲内のもの ………… ４ ０ ……………… ５ の５段階で定量的に評価した。値が大きい程結果は良好
である。
尚、、段階１ではタイヤの耐久寿命は実質的に終了を意
味する。
（発明の効果） 第３表から明かな如く、トレッドキャップゴムとトレッ
ドベースショルダー部ゴムとトレッドベースクラウン中
央部ゴムとの各物性値の関係が本発明の条件を満足する
建設車両用ラジアルタイヤにおいては、耐カット性及び
発熱耐久性を損なうことなくベルト端耐亀裂成長性が改
善され、この結果タイヤの耐久寿命を大幅に向上させる
ことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第１図は、本発明の一例建設車両用ラジアルタイヤの部
分断面図、 第２図は、ベルト端耐亀裂成長性試験の概要を説明する
ために用いたベルトコードの部分断面図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】ラジアル構造のカーカスと該カーカスのク
    ラウン部外周を取り囲むベルトによるケーシング補強を
    有し、トレッドが該ベルトの径方向外側及びタイヤ軸方
    向両側を覆うように配設されるトレッドベースゴムと該
    トレッドベースゴムの径方向外側に配設されるトレッド
    キャップゴム（Ａ）との二重積層構造よりなるラジアル
    タイヤにおいて、 該トレッドベースゴムが該ベルトの径方向外側に配設さ
    れるトレッドベースクラウン中央部ゴム（Ｂ）と該トレ
    ッドベースクラウン中央部のタイヤ幅方向両側に配設さ
    れ、少なくともベルト端まで覆うトレッドベースショル
    ダー部ゴム（Ｃ）より構成され、かつ次式： ｔａｎδ（Ｂ）＜ｔａｎδ（Ｃ）＜ｔａｎδ（Ａ）
    (1a) ｔａｎδ（Ｃ）−ｔａｎδ（Ｂ）≧０．０２
    (1b) （上式中のtanδ(A)、tanδ(B)及びtanδ(C)は夫々前記
    ゴム(A)，(B)及び(C)の50゜Cにおける損失係数tanδを示
    す） Ｅ′(A)＞Ｅ′(C)＞Ｅ′(B) (2a) Ｅ′(C)−Ｅ′(B)≧5.0×106(dyn/cm2) (2b) （上式中のＥ′(A)、Ｅ′(B)及びＥ′(C)は夫々前記ゴ
    ム(A)，(B)及び(C)の50゜Cにおける貯蔵弾性率E′を示
    す）及び （上式中のM300(B)及びM300(C)は夫々前記ゴム(B)及び
    (C)の常温での300％モジュラス値を示す） を満足することを特徴とする建設車両用ラジアルタイ
    ヤ。
JP62204974A 1987-08-20 1987-08-20 建設車両用ラジアルタイヤ Expired - Lifetime JPH064363B2 (ja)

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ES8802562A ES2007996A6 (es) 1987-08-20 1988-08-18 Cubierta radical para vehiculos de obras publicas y similares.
US07/481,653 US5046542A (en) 1987-08-20 1990-02-14 Radial tires for construction vehicles including tread cap and divided tread base

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