JPH0640015A - 段ボールシート用印刷機のインキ回収方法 - Google Patents

段ボールシート用印刷機のインキ回収方法

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JPH0640015A
JPH0640015A JP11639393A JP11639393A JPH0640015A JP H0640015 A JPH0640015 A JP H0640015A JP 11639393 A JP11639393 A JP 11639393A JP 11639393 A JP11639393 A JP 11639393A JP H0640015 A JPH0640015 A JP H0640015A
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JP
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ink
printing
roll
storage portion
transfer roll
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JP11639393A
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English (en)
Inventor
Yasuyuki Isowa
保之 磯輪
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Isowa Corp
Original Assignee
Isowa Industry Co Ltd
Isowa Corp
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Publication date
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  • Inking, Control Or Cleaning Of Printing Machines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 残留インキを効率的に回収する。 【構成】 版胴44の上方に、インキ転移ロール50と
絞りロール52とを備えるインキ転移機構48が配設さ
れる。インキ転移ロール50は、揺動機構53により版
胴44に対して接離自在に構成される。両ロール50,
52の上方に、インキ貯留部Aへのインキの供給並びに
残留インキの回収を選択的に行なう供給・回収装置54
が軸方向に移動自在に配設される。供給・回収装置54
に、インキ貯留部Aに向けて稀釈液を散布する散液管1
18が配設される。そして、供給・回収装置54により
インキ貯留部Aに残留するインキを回収する前に、散液
管118を介して貯留部Aに稀釈液を供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、段ボールシート用印
刷機のインキ回収方法に関し、更に詳細には、出願人の
新たな開発に係る低粘度で高度の速乾性を有するグリコ
ール系インキを使用するに際し、印刷オーダの変更等に
伴い残留する旧オーダのインキを効率的に回収して、無
駄に廃棄されるインキ量を抑制するインキ回収方法に関
するものである。
【0002】
【従来技術】従来の段ボールシート用印刷機は、一般に
これを2つの型式に大別することができる。すなわち図
7に示す縦通し輪転印刷機と、図8に示すフレキソ印刷
機とがこれであって、使用するインキの性状に伴い夫々
異なる構成が採用されると共に、後述の如く長所および
短所が略相反している。
【0003】先ず縦通し輪転印刷機について述べると、
これは段ボールシートが、その段と直角をなす縦長方向
に通されるのでこの名がある。しかし現在では、段ボー
ルシートを横通しして印刷すると共に、スロッティング
等の工程も併せて実施するプリンタ・スロッタに広く採
用されており、業界ではプリスロ印刷機と称しているの
で、以下この通称に従うものとする。このプリスロ印刷
機は、粘度の高いグリコール系インキを使用し、該イン
キを多くのゴムロールにより練って均一にしてから、版
胴に装着した印版に転移させることを内容としている。
例えば図7は、プリスロ印刷機の各種ロール群を示し、
印版10を装着した版胴12と、該版胴12に対向配置
した圧胴14との間に、段ボールシート16が通されて
適宜の印刷がなされる。またインキ溜め20中のインキ
は、呼出しロール22,仲介ロール24および一連のト
ランスファーロール群18を介して、前記印版10に転
移される。
【0004】前述したプリスロ印刷機には、固有の長所
と短所とがあり、これを列挙すれば以下の通りである。
そしてこれら長所および短所は、基本的に高粘度のグリ
コール系インキを使用することに起因していると云って
よい。 〈長所〉 (a) シート表面に盛り上げた形で印刷するため、印刷
の仕上りに光沢がある。(b) 印版の必要箇所にだけイ
ンキを供給すればよいので、インキ消費量が少なくて済
む(インキは循環させていない)。 (c) 色替えに際し、ロール上のインキは掻き取るだけ
で除去される。従って短時間でオーダチェンジができ、
多種少量の小ロット印刷に対応し得る。また後述のフレ
キソ印刷とは異なり、洗浄廃液は殆ど出ないので、コス
ト高となる廃液処理設備を設ける必要がない。 〈短所〉 (a) 近年のグリコール系インキは、速乾性のものが主
流となっており、最近は更にその程度につき改良がなさ
れている。しかし後述のフレキソ印刷に比べると、印刷
後の乾燥に未だかなりの時間を要する。従って、後工程
におけるダイカッタやフォルダグルワ等に直結し得な
い。 (b) 高粘度のインキを均一に練る必要があるので、イ
ンキ転移のためのロールが多段化して機構が複雑にな
る。またロールが摩耗した場合は、各ロールの間隔を調
整する煩雑な作業を必要とする。 (c) インキ供給時には、シートへのインキ転移量が多
いため濃く印刷され、インキが消費されるにつれシート
へのインキ転移量が減少して薄く印刷され、従って印刷
の濃淡ムラを生じ易い。このためオペレータは、色の濃
さ・薄さを常に監視し、色が薄くなった時点でインキを
供給する等の煩雑な作業を必要とする。
【0005】次にフレキソ印刷機は、プリスロ印刷機と
は異なり流動性に富む低粘度の水性インキを使用するも
のであって、インキ乾燥が極めて速いという特徴を有し
ている。例えば図8は、フレキソ印刷機の各種ロール群
を概略的に示し、印版10を装着した版胴12と、該版
胴12に対向配置した圧胴14との間に、段ボールシー
ト16が通されて適宜の印刷がなされる。また版胴12
に近接して、インキロール26および絞りロール28が
回転自在に配設され、両ロール26,28の間に供給さ
れたインキは、版胴12の印版10にインキロール26
を介して転移される。なおフレキソインキは高度に速乾
性であるため、前述のプリスロ印刷とは異なり、常に循
環させて乾燥固化を防止する必要がある。このため図9
に示すように、タンク30中のインキは、ポンプ32お
よび供給管34を介して前記両ロール26,28の間に
供給すると共に、ここに滞留したインキは、両ロール2
6,28の両端部から堰止部36,36および回収管38
を介して前記タンク30に回収する循環機構が採用され
ている。
【0006】前述したフレキソ印刷機の長所と短所とを
列挙すれば、以下の通りである。これらの長所および短
所も、使用するインキの性状、すなわち低粘度で高度に
速乾性である点に起因している。 〈長所〉 (a) 速乾性のインキを使用するため、印刷後にダイカ
ッタやフォルダグルワ等の次工程へ直ちに送ることがで
きる。 (b) インキはインキロールおよび絞りロールの間全体
に行き渡っているので、印刷時に幅方向の色ムラを生じ
ない。従ってオペレータは、印刷状態を常に監視する必
要がない。 (c) インキの転移機構が極めて簡単である。 〈短所〉 (a) インキを常に循環させるシステムを採用している
ので、色替えの際は多量の水でロールおよび循環系を洗
浄する必要がある。従って、インキの完全回収は無理で
かなりの損失を生ずると共に、公害防止対策の見地から
洗浄廃液の処理設備が必要となってコスト高となる。 (b) 色替えに時間を要するため、多種少量の小ロット
印刷には不適である。 (c) プリスロ印刷に比べると光沢がない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上に述べた如く、プ
リスロ印刷機およびフレキソ印刷機は、その使用するイ
ンキの性状に応じて、殆ど相反し合う長所と短所とを夫
々有している。そして業界では、前述したフレキソ印刷
機の長所が着目され、プリスロ印刷機からフレキソ印刷
機への転換が広く行なわれるに至っている。すなわちフ
レキソ印刷機には固有の欠点はあるものの、それを考慮
に入れても、プリスロ印刷機より導入のメリットがあ
る、と業界で認知された結果と云ってよい。
【0008】ところで最近の業界は、多品種かつ少量の
段ボールシートを加工する小ロット対応に迫られてお
り、その傾向は年を追って顕著なものとなっている。こ
れを印刷機に関して考察すると、多種・少量の段ボール
シートの印刷に対応するために、限られた時間内で色替
えを行なう必要があることを意味する。しかるに前記小
ロットの印刷に伴う頻繁なオーダ変更の要請に対して
は、先にフレキソ印刷機の短所で述べた如く、色替えに
時間を要する対応が不充分である。また、洗浄廃液を処
理する問題も内在している。
【0009】このような小ロットの印刷に対しては、色
替え時間が短いことから、前述したプリスロ印刷機が好
適に使用可能である。しかしプリスロ印刷機は、印刷状
態を最適に維持するためオペレータに経験と勘が必要と
され、また印刷後の乾燥に時間を要し後工程に直結しな
い等、先に述べた欠点を有している。従ってユーザー
は、最近増大している多種・少量の小ロット印刷に対し
て、前記プリスロ印刷機を必ずしも満足して使用してい
るものではなく、フレキソ印刷よりは色替え時間が短い
から、という消極的な理由で該プリスロ印刷機を採用し
ているに過ぎない。
【0010】逆に云えば、色替え時間が短縮されて小ロ
ット印刷への対応が充分可能で、印刷中はオペレータに
よる常時監視を必要とせず、しかも印刷後は後工程に直
結し得る機能を備えた印刷機に対するユーザーの旺盛な
潜在的需要がある訳であるが、未だ実現されていないの
が実情である。このような、謂わばプリスロおよびフレ
キソ印刷の各長所を備えた印刷機を実用化するために
は、前記の仕様を満たすに適したインキの開発がキーポ
イントとなる(これは、先に述べた両タイプの印刷機が
夫々使用されるインキの性状に依存していたのと同様で
ある)。この点に関して出願人は、前述のユーザーサイ
ドでの潜在需要に応えるべくインキメーカーとタイアッ
プし、インキ自体の改良から根本的に取り組んだ結果、
フレキソインキに近い低粘度と速乾性とを有するグリコ
ール系のインキを開発するのに成功した。
【0011】しかし、この新開発に係るインキを種々試
験した結果、在来のプリスロ印刷機では、該インキの特
性を最大限に引出し得ないことが判明した。またフレキ
ソ印刷機で該インキを使用し得なくはないが、このイン
キは本来のフレキソインキ程に低粘度かつ速乾性という
訳ではないので、インキを循環させる必要はない。従っ
てフレキソ印刷機に特有のインキ循環機構を設ける意味
がなく、また色替えに際しても、洗浄時間を要して小ロ
ット対応が図られず、インキの無駄を生ずることにな
る。既に述べた如く夫々の型式の印刷機は、高粘度のグ
リコール系インキおよび低粘度の水性インキの各特性を
発揮させる構造を採用している訳であるから、これは当
然のことでもある。
【0012】そこで、ユーザーに段ボールシート用印刷
機を提供している出願人は、この新開発に係るインキの
特性を最大限に引出し得る新たな構想に係る印刷機につ
き、発明「段ボールシートへの印刷方法および装置」とし
て出願した。先の出願に係る印刷装置では、印版にイン
キを転移する機構および色替えに際しインキの洗浄を行
なう新たな機構を採用することにより、印刷運転時のイ
ンキ消費量が少なくて済むと共に、印刷オーダの変更等
に伴うインキ替えを迅速に行なうことができ、しかも後
工程に直結することができて、鮮明で美しい印刷を段ボ
ールシートに施すことができるようにしたものである。
但し、先の出願では、新開発に係るインキの特性を最大
限に引出し得る複数の実施例を包含する基本構成を提案
したものであり、各実施例において奏する効果のポイン
トは異なるものであった。また前記印刷装置を実用化す
る際には、ユーザーが最も望む効果を満すと共に、装置
を導入するに際して生ずる諸条件(例えば設置スペース
やコスト等)をクリアすることが必要となり、出願時点
では提案した何れの実施例が最適であるかは判明してい
なかった。
【0013】
【発明の目的】この発明は、新開発に係るインキの特性
を最大限に引出し得る印刷機を実用化するに際し、殊に
印刷オーダの変更等に伴う作業に着目して、インキ転移
機構に残留する旧オーダに係るインキを効率的に回収し
て、インキが無駄に廃棄されるのを防ぐことのできるイ
ンキ回収方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記課題を克服し、所期
の目的を達成するため本発明に係る段ボールシート用印
刷機のインキ回収方法は、印版を装着した版胴と、この
版胴に対向配置した圧胴とを備え、前記印版にインキを
転移させると共に、相互に反対方向に回転する前記版胴
と圧胴との間に段ボールシートを通過させて、該シート
に所要の印刷を行なうよう構成した段ボールシート用印
刷機において、前記版胴の印版と接触して回転するイン
キ転移ロールと、このインキ転移ロールに運転中は常に
接触してインキ量の絞り調整を行なう調節手段との間に
画成されたインキ貯留部に残留する低粘度かつ高度速乾
性インキを、インキ貯留部の上方に該貯留部の延在方向
に沿って移動可能に配設した回収装置により回収するに
際し、前記インキ貯留部に残留するインキに予め適量の
稀釈液を供給した後、前記回収装置によるインキ回収を
行なうようにしたことを特徴とする。
【0015】
【実施例】次に、本発明に係る段ボールシート用印刷機
のインキ回収方法につき、好適な実施例を挙げて、添付
図面を参照しながら以下説明する。図1は、実施例に係
る印刷機の概略側面図であって、段ボールシートへの印
刷状態で示し、また図4は、同印刷機の印刷終了後にお
けるインキ洗浄状態を示す概略側面図である。図示の印
刷機40は、段ボールシート43の給送方向と交差する
方向に所定間隔離間した機枠51,51(一部のみ図示)
の間に、印版42が着脱自在に装着される版胴44と、
段ボールシート43のパスラインを挟む下方に対向配置
した圧胴46とを回転自在に備えていて、これら版胴4
4および圧胴46は相互に反対方向への回転がなされ
る。
【0016】前記版胴44の上方には、印版42にイン
キを転移させるインキ転移機構48が配設されている。
このインキ転移機構48は、供給されたインキを印版4
2に直接転移させるインキ転移ロール50と、該ロール
50に圧接されてインキ量の絞り調整を行なう調節手段
としての絞りロール52と、絞りロール52の回転軸を
中心としてインキ転移ロール50を所要の角度範囲で変
位させ得る揺動機構53とから基本的に構成されてい
る。そして該揺動機構53を選択的に作動させることに
より、後述する如くインキ転移ロール50を、前記印
版42に接触させてインキを該印版42に転移させるイ
ンキ転移位置と、前記印版42から離間してインキ転
移不能状態とするインキ洗浄位置とに変位させ得るもの
である。
【0017】すなわちインキ転移ロール50は、前記版
胴44に対し近接・離間自在に配設され、近接時には該
版胴44に装着した印版42に接触して回転可能となっ
ている。このインキ転移ロール50の表面には、微細な
窪みを所要のパターンで凹設したアニロックスが形成さ
れ、これら微細窪みは、一定量のインキを溜めると共に
ロール回転時のインキ飛散を防止するべく機能してい
る。なおインキ転移ロール50には鉄系金属材質が採用
されるが、金属ロールの表面にセラミックス被膜を爆発
溶射等の手段により形成し、このセラミックス被膜にア
ニロックスを彫刻するようにしてもよい。更に、このイ
ンキ転移ロール50として、アニロックスの彫刻を施し
てない鉄ロール(メッキだけを施したもの)や、単なるゴ
ムロールも好適に使用可能である。
【0018】前記インキ転移ロール50に隣接して配設
される絞りロール52は、インキ転移ロール50と運転
中は常に接触すると共に、該ロール50と同速若しくは
低速で回転して、インキ転移ロール50の表面における
余剰インキの絞り調整を行なうべく機能する。この絞り
ロール52は、鉄系の金属材質またはゴム等の柔軟な材
質のものとするのが好適である。なおゴム系材質を使用
する場合は、その硬度を、ロールの長短に応じて例えば
ショアー硬度50〜75度の範囲内で適宜選択すること
が推奨される。
【0019】前記インキ転移ロール50および絞りロー
ル52を備えるインキ転移機構48において、絞りロー
ル52の回転軸を中心として、前記インキ転移ロール5
0を所要角度範囲で変位させ得る揺動機構53が設けら
れている。すなわち、機枠51,51に回転自在に配設
した絞りロール52の機枠51内部に臨む両軸端部に、
支持ブラケット62,62(一方のみを図示)が回転自在
に枢支され、該支持ブラケット62,62間にインキ転
移ロール50が回転自在に枢支されている。支持ブラケ
ット62におけるインキ転移ロール50が枢支される側
の上端部に、保持部材64が配設されると共に、機枠5
1,51に回転自在に枢支した切換え軸66に偏心的に
配設した対応の偏心輪68が、各保持部材64に回転自
在に枢支してある。また切換え軸66は、図示しないモ
ータまたはエアシリンダにより回転駆動されるようにな
っている。従って、モータまたはエアシリンダを付勢し
て偏心輪68,68を所定中心角で回動させることによ
り、インキ転移ロール50を、図1に示す如く、印版
42に接触させてインキの転移を行なうインキ転移位置
と、図4に示す如く、印版42から離間してインキの
転移を不能とするインキ洗浄位置とを選択し得るもので
ある。なお揺動機構53は、適宜の検知手段(図示せず)
により前記版胴44と圧胴46との間に段ボールシート
43が通紙されているか否かを検出して、該シート43
が通紙されていないときは、インキ転移ロール50を印
版42から自動的に離間させるよう設定されている。ま
た両方のロール50,52に異なる回転を与える機構に
ついては、それ自体は公知であるので説明は省略する。
【0020】前記インキ転移ロール50および絞りロー
ル52においては、両ロール50,52を圧接させた際
に、これら両ロールの長手方向の接触領域にインキ貯留
部Aを画成し得るようになっている。そしてこのインキ
貯留部Aにインキを供給すると共に、該貯留部Aに残留
するインキを回収する供給・回収装置54が、前記両ロ
ール50,52の上方に配設されている。
【0021】この供給・回収装置54は、図2に示す如
く、両ロール50,52の全幅に亘って迅速にインキを
供給し得るようになっている。すなわち、前記機枠5
1,51の上端間に両ロール50,52と平行な横桁85
が架設され、該横桁85の上面に形成したガイドレール
86に、ローラ87,87を介して移動台88が移動自
在に支持されている。横桁85には、長手方向に所定間
隔離間して一対のスプロケット89,89が回転自在に
枢支されると共に、一方のスプロケット89は駆動モー
タ90により正逆回転されるよう構成してある。また両
スプロケット89,89間に無端チェン91が巻掛けら
れると共に、該無端チェン91の所要部位が前記移動台
88に固定されている。従って、駆動モータ90を正逆
付勢して無端チェン91を走行させることにより、該チ
ェン91の走行に伴って移動台88はガイドレール86
に沿って往復移動する。
【0022】前記移動台88には、図2に示す如く、前
記絞りロール52の上方に垂下する略U形状のブラケッ
ト92が配設され、該ブラケット92に、所定量のイン
キが貯留されるインキポット58が着脱自在に装着され
るようになっている。またブラケット92には、インキ
ポット58の上方に支持板94が配設されると共に、該
支持板94にチュービングポンプ95および該ポンプ9
5を駆動する可逆モータ96が配置されている。このチ
ュービングポンプ95には、可撓性のチューブ60が着
脱自在に介挿され、該チューブ60の一方の開口部60
aはインキポット58に貯留したインキに浸漬されてい
る。また該可撓性チューブ60の他方の開口部60b
は、前記インキ貯留部Aの上方に臨んでいる。なお、イ
ンキポット58とチュービングポンプ95とを上下の関
係で配設する構成に代えて、該ポット58とポンプ95
とを同一レベルで並列に配設する構成としてもよい。
【0023】前記チュービングポンプ95の基本構造は
公知のものであって、所定の軌道に沿って移動するロー
ラ97により可撓性チューブ60をしごくことにより、
該チューブ内のインキを所定方向に押出すものである。
そして、前記可逆モータ96を正転方向に付勢してチュ
ービングポンプ95のローラ60を時計方向に移動する
と、可撓性チューブ60内のインキが開口部60b側に
押出され、これによりインキポット58のインキをイン
キ貯留部Aに供給する。また前記可逆モータ96を逆転
方向に付勢してローラ97を反時計方向に移動すると、
可撓性チューブ60内のインキは開口部60a側に押出
され、これによりインキ貯留部Aのインキをインキポッ
ト58に回収するよう設定されている。
【0024】従って、前記可逆モータ96を正転方向に
付勢しながら、前記可撓性チューブ60の開口部60b
を両ロール50,52の軸方向に移動させることによ
り、両ロール50,52の全幅に亘って迅速にインキを
供給することができる。この印刷機40に使用されるイ
ンキは、先に述べた如く、出願人により新たに開発され
た低粘度かつ高度に速乾性のグリコール系インキであっ
て、フレキソ印刷機の如くインキ循環させる必要はな
い。
【0025】前記ブラケット92には、図1に示す如
く、前記チュービングポンプ95の右方に延出する可撓
性チューブ60が挿通されるホルダ98が昇降自在に配
設され、該ホルダ98に通挿されて垂下する下端開口部
60bがインキ貯留部Aの上方に臨んでいる。またブラ
ケット92にエアシリンダ99が倒立配置され、そのピ
ストンロッド99aにホルダ98が連結され、シリンダ
99を正逆付勢することによって、開口部60bの高さ
位置を変位させ得るよう構成されている。すなわち、印
刷オーダの変更等に伴うインキ替えに際し、可撓性チュ
ーブ60の開口部60bをインキ貯留部Aに残留してい
る旧オーダのインキに浸漬させることができる。そして
この状態で前記可逆モータ96を逆転方向に付勢すれ
ば、インキ貯留部Aに残留するインキをインキポット5
8に回収することができる(図3参照)。なお符号100
は、前記ホルダ98から垂下する可撓性チューブ60を
支持して、インキ貯留部Aの上方に開口部60bを安定
的に臨ませるガイドを示す。更に、開口部60bの高さ
位置を変える手段として、エアシリンダを介して支持板
94を昇降させることにより、チュービングポンプ95
自体を昇降させるようにしてもよい。また前記支持板9
4の下面にエアシリンダを垂設し、該シリンダの支持板
上面に臨むピストンロッドに配設したホルダに、所要形
状に折曲形成した剛性のあるパイプを着脱自在に配設す
る。そしてパイプの一方の端部に、前記チュービングポ
ンプ95から延出する可撓性チューブ60の開口部60
bを連通接続すると共に、他方の端部(開口端部)をイン
キ貯留部Aの上方に臨ませる。そして、このように剛性
のあるパイプを使用する場合は、インキ貯留部Aに残留
している旧オーダのインキを回収する際に、パイプの開
口端部をインキ貯留部Aに残留しているインキに浸漬す
るべく前記エアシリンダを付勢してパイプを下降した際
に、該開口端部をインキ貯留部Aの底部近傍に確実に臨
ませることが可能となる。
【0026】前記ブラケット92の底面に案内ローラ9
3,93が回転自在に枢支され、この案内ローラ93,9
3は、図1に示す如く、前記両ロール50,52と平行
に設けたガイド56に摺動自在に当接し、ブラケット9
2が円滑に移動し得るよう構成されている。
【0027】またブラケット92には、洗浄液供給管
(図示せず)が配設され、該洗浄液供給管の開口部はイン
キ貯留部Aに臨んでいる。この洗浄液供給管には、適宜
の固定位置に配置した洗浄液タンクが、パイプ(何れも
図示せず)を介して接続されており、該タンクに貯留さ
れた洗浄液は、圧縮空気により供給管に圧送されるよう
になっている。すなわち、供給・回収装置54は、その
印刷運転時には前記ガイドレール86に沿って水平方向
に走行し、可撓性チューブ60を介して前述のインキ貯
留部Aにインキを供給する。また段ボールシート43に
おける印刷オーダの変更等に伴う色替えに際しては、前
記インキ貯留部Aに残留する旧オーダのインキを回収す
ると共に、図示しない洗浄液供給管を介して貯留部Aに
洗浄液を供給するよう構成されている。なお、洗浄液の
供給手段としては、両ロール50,52の上方に、長手
方向に所定間隔で複数の通孔を穿設したパイプを平行に
配設して、適宜のエア圧により洗浄液をパイプに供給す
ることにより、各通孔を介してロール50,52の全幅
に亘って同時に洗浄液を供給するようにしてもよい。
【0028】ここで、前記チュービングポンプ95によ
りインキ貯留部Aに残留しているインキを回収するに際
し、印刷運転時のインキ転移ロール50と絞りロール5
2との摩擦熱等により貯留部Aに貯留されているインキ
の粘度が高くなっていたり、インキ中に気泡が混入して
いると、ポンプ95による残留インキの円滑な回収を行
ない得なくなることがある。そこで実施例では、図1に
示す如く、前記供給・回収装置54における可撓性チュ
ーブ60の垂下する近傍に、図示しない供給源に連通す
る散液管118を設け、該散液管118からインキ貯留
部Aに適量の稀釈液を供給することにより、残留インキ
の粘度を低下させると共に気泡を消滅させるよう構成し
ている。すなわち、後述するインキ回収運転に先立ち、
供給・回収装置54をインキ貯留部Aに沿って移動させ
つつ、前記散液管118を介して適量の稀釈液をインキ
貯留部Aに供給する。これにより、インキ貯留部Aに残
留するインキが稀釈されて粘度が低下すると共に気泡が
消滅し、チュービングポンプ95によるインキの回収を
効率的になし得るようになる。なお稀釈液としては、水
が好適に使用されるが、インキの特性を変化させること
なく粘度を低下させ得るものあれば、適宜の溶剤やイン
キ自体を使用することも可能である。
【0029】また、前記稀釈液の供給時には、前記イン
キ転移ロール50および絞リロール52を回転させるこ
とにより、残留インキと稀釈液とを積極的に混合して、
インキ貯留部Aに残留するインキ全体の粘度の低下およ
び気泡の消滅を促進させることが推奨される。なお稀釈
液は、インキ貯留部Aにシャワー状に供給することが望
ましいが、その他滴下させたり噴霧してもよい。更に、
稀釈液の供給量は、インキの粘度を低下させると共に気
泡を消滅させることができ、かつインキの特性を変化さ
せない量に設定される。
【0030】前記支持ブラケット62には、図1に示す
如く、支持部材70を介してエアシリンダ72が倒立配
置され、該エアシリンダ72のピストンロッド72aに
板状の堰部材74が配設されている。この堰部材74
は、図2に示す如く、常にはエアシリンダ72の付勢に
より下降されている。そして該堰部材74を、インキ転
移ロール50と絞りロール52の軸方向端部に密着させ
ることによって、両ロール50,52の間に画成される
インキ貯留部Aを閉成し、前記供給・回収装置54から
供給されるインキや洗浄液を該貯留部Aに貯留し得るよ
うになっている(図1参照)。またインキ転移ロール50
および絞りロール52の軸方向両端部より下方に樋部材
76が配設され、インキ貯留部Aから前記堰部材74を
通して僅かに流出するインキおよび洗浄液をこの樋部材
76で受けて、後述するインキパン78に回収するよう
になっている。なお、印刷運転時においてインキ貯留部
Aの軸方向中央部でのインキ消費が多く発生し、軸方向
両端部近傍に多量のインキが残留した場合は、洗浄運転
に移行する前に、前記堰部材74をエアシリンダ72の
逆付勢により上昇させて前記インキ貯留部Aを開放し、
該貯留部Aに残留しているインキを長手方向の両端部か
ら排出することもできる。
【0031】前記絞りロール52に近接した略接線位置
には、オーダ変更等による色替えに際し、インキの洗浄
を行なうための長尺のブレード状板体からなるスクレー
パ80が配設されている。このスクレーパ80は、絞り
ロール52の回転方向に対し逆らう方向に、その先端を
接線方向に沿って指向させており、適宜のモータ82に
より正逆回転されてロール表面に接離自在となってい
る。そしてインキの洗浄に際しては、前記モータ82を
付勢してスクレーパ80を、絞りロール52に接触させ
ることにより、該ロール52に転移しているインキまた
は洗浄液が掻き上げ除去される。この除去されたインキ
または洗浄液は、スクレーパ80の下方に設けたインキ
パン78に排出される。またインキパン78には、廃液
タンク(図示せず)に連通する廃液管84が接続され、該
インキパン78に排出された廃液は所要部位に設けた廃
液タンクに集められるようになっている。なお、インキ
洗浄時には、インキ転移機構48に関連して設けた前記
揺動機構53により、絞りロール52の回転軸を中心と
して前記インキ転移ロール50が、図4に示す如く反時
計方向に変位されて、印版42から離間するインキ洗浄
位置に臨ませられている。
【0032】前記スクレーパ80は、鉄系の金属材質や
ゴム等の柔軟な材質が適宜選択される。なお、前記絞り
ロール52がゴム等の柔軟な材質の場合は、スクレーパ
80はロール52の硬度と同等かもしくは低い硬度の材
料(例えば硬度の低いゴム板等)を使用することが推奨さ
れる。これにより、該スクレーパ80を絞りロール52
に当接してインキまたは洗浄液を掻き取る際に、絞りロ
ール52が損傷するのを防止できる。なお、この場合に
スクレーパ80全体を軟質の材料で構成する必要は必ず
しもなく、金属材質のスクレーパ80の先端に別途軟質
材料を設けるようにしてもよい。また図示例のスクレー
パ80は、その先端を絞りロール52の回転方向に対し
逆らう方向に指向させてあるが、これに限られるもので
はない。逆に該スクレーパ80を、絞りロール52の回
転方向に対し順方向に指向させた状態で、該ロール52
の表面に対し接離自在に構成してもよい。更に、該スク
レーパ80を絞りロール52に対して当接および離間さ
せる手段として、エアシリンダ等のリニアアクチュエー
タも使用可能である。
【0033】
【実施例の作用】次に、前述した構成に係る段ボールシ
ート用印刷機の作用につき説明する。印刷の準備作業と
して、スクレーパ80を、絞りロール52から離間さ
せる。また、両ロール50,52の軸方向の両端部に
設けた堰部材74,74は常には下降位置にあって、前
記インキ貯留部Aにおける長手方向の両端部を閉成して
いる。更に、供給・回収装置54のチュービングポン
プ95に介挿した可撓性チューブ60は、その一方の開
口部60aをインキポット58に貯留したインキに浸漬
すると共に、他方の開口部60bをインキ貯留部Aの上
方に臨ませている。
【0034】この状態で前記可逆モータ96を正転方向
に付勢すると、チュービングポンプ95のローラ97が
時計方向に移動し、可撓性チューブ60をしごいて内部
のインキを開口部60b側に押出す。すなわち、ローラ
97によるチューブ60の連続的なしごきによって、イ
ンキポット58中のインキは、可撓性チューブ60を介
して回転中のインキ転移ロール50と絞りロール52と
の間(インキ貯留部A)に供給される。このインキは、両
ロール50,52の軸端に臨む堰部材74,74に規制さ
れた状態で貯留される。
【0035】この状態の下で、図示しない上流側のスト
ッカより、段ボールシート43を1枚づつ版胴44と圧
胴46との間に供給すると、前記揺動機構53が適宜の
検知手段によるシート検出により作動し、インキ転移機
構48のインキ転移ロール50が版胴44(印版42)に
接触して、印版42の表面に適正量のインキが転移され
て、該シート43に所要の印刷が施される。インキは速
乾性であるから、印刷後は直ちに後工程のダイカッタや
フォルダグルワ等に送り込むことができる。またインキ
はインキ転移ロール50と絞りロール52の間全体に行
き渡っているので、印刷時に幅方向の色ムラを生ずるこ
とがなく、従ってオペレータは印刷状態を常に監視する
必要がない。
【0036】ここで、前記インキ貯留部Aに貯留される
インキの消費量は、その軸方向に均一に減るものでな
く、前記段ボールシート43の印刷位置や印刷面積によ
って異なる。従ってこの場合は、前記駆動モータ90を
付勢して移動台88をガイドレール86に沿って移動さ
せ、前記可撓性チューブ60の開口部60bをインキ貯
留部Aにおけるインキ消費量の多い場所に臨ませる。次
いで、前記インキポット58のインキを、チューブ60
を介して貯留部Aに供給することにより、インキ消費量
に応じた個所に必要量のインキを供給することもでき
る。またインキを循環していないので、従来循環のため
に必要であったインキを省くことができ、インキ購入時
のロット単位を少なくすることができ、在庫費用を軽減
させ得る。
【0037】印刷オーダの変更等に伴う色替えのため
に、使用するインキを替える場合は、以下の手順でイン
キ回収および洗浄がなされる。先ず、前記可逆モータ9
6を停止して、可撓性チューブ60によるインキ供給を
停止する。なお、印刷運転の終了時にインキ貯留部Aに
残留しているインキは、インキ転移ロール50と絞りロ
ール52との摩擦熱等によってその粘度が高くなってい
たり、両ロール50,52によるインキの絞りに際して
気泡が発生してインキ中に混入し、前記チュービングポ
ンプ95によるインキ回収が円滑になし得なくなってい
る。そこで、前記ブラケット92を両ロール50,52
の軸方向へ移動させながら、供給・回収装置54に配設
した散液管118を介して適量の稀釈液をインキ貯留部
Aに向けて供給する。これにより、インキ貯留部Aに残
留しているインキが稀釈液により稀釈され、その粘度が
低下すると共に気泡は消滅する。なお、このときにイン
キ転移ロール50と絞りロール52とを回転させれば、
貯留部Aの長手方向に残留している全てのインキと稀釈
液との混合が速やかに行なわれる。
【0038】次いで、前記エアシリンダ99をロッド9
9aを延出する方向に付勢し、ホルダ98と共に可撓性
チューブ60を下降させ、図3に示す如く、その開口部
60bをインキ貯留部Aに残留する旧オーダのインキに
浸漬させる。次いで、前記ブラケット92を両ロール5
0,52の軸方向へ移動させながら可逆モータ96を逆
転方向に付勢し、チュービングポンプ95のローラ97
を反時計方向に移動させる。このときインキ貯留部Aに
残留するインキの粘度は低下し、かつ気泡も消滅してい
るので、該インキは可撓性チューブ60を介して円滑に
吸上げられて、前記インキポット58に回収される。こ
れにより、使用されることなく貯留部Aに残留している
インキを効率的に回収することができ、該インキが無駄
に廃棄されるのを防止し得る。
【0039】次に、エアシリンダ99を逆付勢して開口
部60bを上昇させる。なお、前記印刷運転が終了して
前記版胴44と圧胴46との間に段ボールシート43が
通紙されなくなった時点で、インキ転移機構48のイン
キ転移ロール50は、前記揺動機構53により版胴44
(印版42)から離間するインキ洗浄位置に移動されてい
る。そこで前記モータ82を付勢して、スクレーパ80
を絞りロール52に適正圧で接触させる。そしてインキ
転移ロール50および絞りロール52を同一周速で空回
転させると、絞りロール52の表面に付着しているイン
キは、前記スクレーパ80により掻き上げ除去され、該
インキはインキパン78に排出される。また前述した如
く、印刷運転時においてインキ貯留部Aの軸方向中央部
でのインキ消費が多く発生し、軸方向両端部近傍に多量
のインキが残留した場合は、前記堰部材74をエアシリ
ンダ72の逆付勢により上昇させてインキ貯留部Aを開
放し、該貯留部Aの軸端部側に残留しているインキを前
記樋部材76に排出するようにしてもよい。この場合
は、インキ掻き取り時間を短縮することができる。
【0040】前記供給・回収装置54により回収される
ことなくインキ貯留部Aに残留するインキの殆どは、前
記スクレーパ80により除去されるが、前記インキ転移
ロール50のアニロックス内には微量のインキが残留し
ている。そこで、スクレーパ80を絞りロール52から
離間させ、前記供給・回収装置54に配設した洗浄液供
給管を介して、両ロール50,52間に画成される前記
インキ貯留部Aに洗浄液を供給する。この貯留部Aは、
前記堰部材74,74によって長手方向の両端部を閉成
されているので、洗浄液は軸方向の全体に行き亘った状
態で貯留されることとなる。この状態で再びスクレーパ
80を絞りロール52に適正圧で接触させると共に、イ
ンキ転移ロール50および絞りロール52を同一周速で
空回転させると、インキ貯留部Aに貯留している洗浄液
はスクレーパ80により掻き上げ除去され、該洗浄液は
インキパン78に排出される。なお、前記洗浄液をイン
キ貯留部Aに供給するに際し、前記ブラケット92を両
ロール50,52の軸方向へ移動させつつ行なえば、洗
浄時間を短縮することができる。また前記堰部材74,
74を上昇させてインキ貯留部Aを開放し、該貯留部A
に貯留している洗浄液を軸端から排出するようにしても
よい。
【0041】また、前記供給・回収装置54のブラケッ
ト92に装着したインキポット58を、新たなオーダに
係るインキを貯留したものに替えると共に、チュービン
グポンプ95から可撓性チューブ60を取外す。この可
撓性チューブ60を装置の外部で洗浄した後、再びチュ
ービングポンプ95に介挿すると共に、一方の開口部6
0aをインキポット58に貯留したインキに浸漬し、ま
た他方の開口部60bをインキ貯留部Aの上方に臨ませ
ることにより、色替えが完了する。
【0042】なお、インキポット58とインキ貯留部A
とは近接しているので、可撓性チューブ60の長さ寸法
は短く、該チューブ60内に付着残留するインキを少な
くすることができると共に、チュービングポンプ95自
体の洗浄は必要ないので、インキロスを少なく抑えるこ
とができる。また、オーダ変更に際して予め洗浄済みの
可撓性チューブ60を用意しておけば、チューブ60を
交換するだけの極めて短かい時間で色替えを行なうこと
ができる。
【0043】このようにオーダ変更に伴う色替えに際
し、インキ貯留部Aに残留するインキの粘度を低下させ
ると共に気泡を消滅させることができるので、チュービ
ングポンプ95による効率的な回収を達成し、無駄に廃
棄されるインキを極めて少なく抑えることができ、イン
キの節約が図られる。またスクレーパ80により大部分
のインキを掻き取った後に極めて少量の洗浄液を使用す
るだけで、インキ転移ロール50に付着するインキを確
実に除去し得る。更に、可撓性チェーブを交換するよう
にすれば、ポンプやインキ循環系の洗浄を行なう必要が
ないので、短時間でオーダチェンジができて多種少量の
小ロット印刷に好適に対応することができる。またイン
キ洗浄に使用される洗浄液の量は、従来のフレキソ印刷
機においては約60リットル程度必要であったのに対
し、新開発のインキを使用した場合は100cc程度で
済み、洗浄廃液を極めて少なく抑えることができ、公害
防止に大きく貢献することができる。
【0044】
【別実施例について】図5は、別実施例に係る印刷機を
概略側面で示すものであって、版胴44と圧胴46およ
びインキの供給・回収装置54の基本構成は、図1〜図
4に関連して説明したところと同一である。但し、印版
42にインキを転移する機構48におけるインキ転移ロ
ール50のインキ量を調節する機構が相違している。す
なわち、インキ転移ロール50が回転自在に枢支される
一対の支持ブラケット62,62に、長尺板体からなる
調節手段としての調節板110が転移ロール50の回転
方向に対して順方向に、その先端を接線方向に沿って指
向させている。この調節板110はモータ112に接続
され、該モータ112の正逆付勢により、その先端とロ
ール表面との間隔を調節自在に構成されて、インキ転移
ロール50の表面におけるインキ量を調節するべく機能
する。なお、モータ112に代えてエアシリンダ等のリ
ニアアクチュエータにより、調節板110とインキ転移
ロール50との間隔調節を行なうようにしてもよい。
【0045】また、インキ転移ロール50および調節板
110の上方には、両部材の長手方向にインキ貯留部A
が画成されると共に、該貯留部Aの長手方向両端は、前
述した堰部材74,74により常に閉成されるよう構成
されている。なお、インキ貯留部Aにおける長手方向両
端の閉成を、エアカーテンにより行なうようにしてもよ
い。例えば、送風源に接続する一対の空気吹付管を、イ
ンキ貯留部Aの両端部近傍の上方に臨ませ、印刷機の印
刷運転時には、空気吹付管から貯留部Aに向けて空気を
吹出すことによりインキを堰止める。
【0046】前記インキ転移ロール50に近接した位置
に、長尺板体からなるスクレーパ80が配設され、この
スクレーパ80は、流体圧シリンダ114に接続してロ
ール表面に接離自在となっている。そして図6に示すよ
うに、該スクレーパ80がインキ転移ロール50に接触
することにより、該ロール50に転移したインキまたは
洗浄液の除去がなされる。除去されたインキまたは洗浄
液は、スクレーパ80の下方に設けたインキパン78に
排出されるようになっている。またスクレーパ80の駆
動源としては、図1に示す実施例と同様にモータであっ
てもよい。
【0047】なお、前記インキ転移ロール50を、印
版42に接触させてインキの転移を行なうインキ転移位
置と、印版42から離間してインキの転移を不能とす
るインキ洗浄位置とに変位させる揺動機構53は、基本
的には図1に示す実施例と同一である。但し、各支持ブ
ラケット62は、外側(対向する他方の支持ブラケット
62から離間する側)に突設した突出軸116を介して
機枠に回転自在に枢支されている。そして、前記切換え
軸66を回転させることにより、支持ブラケット62,
62は突出軸116,116を中心として回動し、イン
キ転移ロール50をインキ転移位置(図5)とインキ洗浄
位置(図6)とに変位させるよう構成される。
【0048】
【別実施例の作用】次に、前述した別実施例に係る段ボ
ールシート用印刷機の作用につき説明する。印刷の準備
作業として、図5に示すように、スクレーパ80をイ
ンキ転移ロール50から離間させる。また、調節板1
10の先端とインキ転移ロール50の表面との隙間を、
前記モータ112を付勢して適正な値に調節する。更
に、堰部材74,74は常には下降位置にあって、前
記インキ貯留部Aにおける長手方向の両端部を閉成して
いる。そして調節板110と回転中のインキ転移ロール
50の間に、前記チュービングポンプ95から延出する
可撓性チューブ60を介してインキを供給すると、該イ
ンキは堰部材74,74に規制された状態でインキ貯留
部Aに貯留される。
【0049】この状態の下で、図示しない上流側のスト
ッカより、段ボールシート43を1枚づつ版胴44と圧
胴46との間に供給すると、前記揺動機構53が適宜の
検知手段によるシート検出により作動し、インキ転移機
構48のインキ転移ロール50が版胴44(印版42)に
接触して、印版42の表面に適正量のインキが転移され
て、該シート43に所要の印刷が施される。インキは速
乾性であるから、印刷後は直ちに後工程のダイカッタや
フォルダグルワ等に送り込むことができる。またインキ
はインキ転移ロール50と調節板110の間全体に行き
渡っているので、印刷時に幅方向の色ムラを生ずること
がなく、従ってオペレータは印刷状態を常に監視する必
要がない。
【0050】印刷オーダの変更等に伴う色替えのため
に、使用するインキを替える場合は、以下の手順でイン
キ回収および洗浄がなされる。先ず、チュービングポン
プ95から延出する可撓性チューブ60によるインキ供
給が停止させられる。また、前記ブラケット92をイン
キ貯留部Aの長手方向へ移動させながら、供給・回収装
置54に配設した散液管118を介して適量の稀釈液を
インキ貯留部Aに向けて供給する。これにより、インキ
貯留部Aに残留しているインキの粘度が低下すると共に
気泡が消滅する。なお、このときにインキ転移ロール5
0を回転させれば、貯留部Aの長手方向に残留している
全てのインキと稀釈液との混合が速やかに行なわれる。
次いで、前記可撓性チューブ60を下降し、その開口部
60bをインキ貯留部Aに残留しているインキに浸漬し
た状態で、チュービングポンプ95を逆作動することに
より、残留インキをインキポット58に回収する。この
とき、残留インキはチュービングポンプ95により効率
的に回収可能な状態となっているので、インキの回収効
率が向上する。
【0051】次に、可撓性チューブ60を上昇する。な
お、前記印刷運転が終了して前記版胴44と圧胴46と
の間に段ボールシート43が通紙されなくなった時点
で、インキ転移機構48のインキ転移ロール50は、前
記揺動機構53により版胴44(印版42)から離間する
インキ洗浄位置に移動されている(図6参照)。そこで前
記流体圧シリンダ114を付勢して、スクレーパ80を
インキ転移ロール50に適正圧で接触させる。そしてイ
ンキ転移ロール50と調節板110との間隔を拡げる
と、可撓性チューブ60により回収されることなくイン
キ貯留部Aに残留するインキの殆どは転移ロール50の
表面に付着し、該インキはスクレーパ80により掻き上
げ除去されてインキパン78に排出される。
【0052】次に、スクレーパ80をインキ転移ロール
50から離間させると共に、調節板110を該ロール5
0に接触させ、前記供給・回収装置54に配設した洗浄
液供給管を介して、前記インキ貯留部Aに洗浄液を供給
する。この貯留部Aは、前記堰部材74,74によって
長手方向の両端部を閉成されているので、洗浄液は軸方
向の全体に行き亘った状態で貯留されることとなる。こ
の状態で再びスクレーパ80をインキ転移ロール50に
適正圧で接触させると共に、インキ転移ロール50と調
節板110との間隔を拡げると、転移ロール50の表面
に付着している洗浄液は、スクレーパ80により掻き上
げ除去されてインキパン78に排出される。なお、スク
レーパ80によりインキ転移ロール50のインキを掻き
取った後、該スクレーパ80をインキ転移ロール50に
当接した状態のままインキ貯留部Aに洗浄液を供給する
ことにより洗浄を行なうようにしてもよい。
【0053】また前記供給・回収装置54のインキポッ
ト58を交換すると共に、チュービングポンプ95から
可撓性チューブ60を取外して洗浄するか、または予め
用意しておいたチューブ60と交換することにより、色
替えが完了する。
【0054】なお実施例では、供給・回収装置54に配
設した散液管118を介して稀釈液をインキ貯留部Aに
供給する場合につき説明したが、本願はこれに限定され
るものでない。従って、図2に二点鎖線で示す如く、イ
ンキ貯留部Aの上方に、その長手方向に延在するよう散
液管120を配設し、この散液管120の長手方向に所
定間隔で穿設した複数の通孔120aを介して稀釈液を
貯留部Aに供給するようにしてもよい。また、前記支持
板94に配設した剛性のあるパイプの一端をインキ貯留
部Aの上方に臨ませると共に、該パイプの他端に配設し
たバルブに、可撓性チューブ60と、稀釈液の供給源か
ら導出する管体とを接続する。そして、バルブの切換え
によりインキまたは稀釈液の供給を選択することも可能
である。更に、供給・回収装置54を複数設けたり、チ
ュービングポンプ95に代わる正逆付勢可能な異なる型
式のポンプを採用するようにしてもよい。
【0055】
【発明の効果】以上に説明した如く、本発明に係る段ボ
ールシート用印刷機のインキ回収方法によれば、インキ
転移ロールと調節手段との間に画成したインキ貯留部に
残留するインキに予め適量の稀釈液を供給した後、該イ
ンキを回収装置により回収するようにした。従って、印
刷運転によりインキ貯留部に貯留されているインキの粘
度が高くなっていたり、インキ中に気泡が混入している
場合であっても、該インキに稀釈液を供給することによ
り粘度を低下させると共に気泡を消滅させることがで
き、回収装置による効率的な回収を達成し得る。この結
果として、無駄に廃棄されるインキを極めて少なく抑制
することができ、インキの大幅な節約が図られる。ま
た、インキ回収後にインキ貯留部に残留するインキは微
量であるので、洗浄運転に際しての洗浄液の量を少なく
することができ、洗浄廃液は極めて少量となり、公害防
止の見地からも極めて有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインキ回収方法を好適に実施し得る印
刷機の概略側面図であって、段ボールシートへの印刷状
態で示すものである。
【図2】図1に示す印刷機におけるインキ転移機構およ
び供給・回収装置の概略構成を示す要部斜視図である。
【図3】図1に示す印刷機において、印刷終了後におけ
るインキ回収状態を示す概略側面図である。
【図4】図1に示す印刷機において、印刷終了後におけ
るインキ洗浄状態を示す概略側面図である。
【図5】別実施例に係る印刷機の概略側面図であって、
段ボールシートへの印刷状態で示すものである。
【図6】図5に示す印刷機において、印刷終了後におけ
るインキ洗浄状態を示す概略側面図である。
【図7】従来技術に係るプリスロ印刷機において、その
各種ロール配列を概略的に示す側面図である。
【図8】従来技術に係るフレキソ印刷機の各種ロール配
列を、概略的に示す側面図である。
【図9】図8に示すフレキソ印刷機におけるインキ循環
供給系の概略機構を示す斜視図である。
【符号の説明】
42 印版 43 段ボールシート 44 版胴 46 圧胴 50 インキ転移ロール 52 絞りロール 54 供給・回収装置 110 調節板 A インキ貯留部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印版(42)を装着した版胴(44)と、この版
    胴(44)に対向配置した圧胴(46)とを備え、前記印版(42)
    にインキを転移させると共に、相互に反対方向に回転す
    る前記版胴(44)と圧胴(46)との間に段ボールシート(43)
    を通過させて、該シート(43)に所要の印刷を行なうよう
    構成した段ボールシート用印刷機において、 前記版胴(44)の印版(42)と接触して回転するインキ転移
    ロール(50)と、このインキ転移ロール(50)に運転中は常
    に接触してインキ量の絞り調整を行なう調節手段(52,11
    0)との間に画成されたインキ貯留部(A)に残留する低粘
    度かつ高度速乾性インキを、インキ貯留部(A)の上方に
    該貯留部(A)の延在方向に沿って移動可能に配設した回
    収装置(54)により回収するに際し、 前記インキ貯留部(A)に残留するインキに予め適量の稀
    釈液を供給した後、前記回収装置(54)によるインキ回収
    を行なうようにしたことを特徴とする段ボールシート用
    印刷機のインキ回収方法。
  2. 【請求項2】 前記稀釈液を供給する際に、少なくとも
    前記インキ転移ロール(50)を回転させるようにした請求
    項1記載の段ボールシート用印刷機のインキ回収方法。
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