JPH06322154A - 白色フィルム - Google Patents

白色フィルム

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JPH06322154A
JPH06322154A JP13673393A JP13673393A JPH06322154A JP H06322154 A JPH06322154 A JP H06322154A JP 13673393 A JP13673393 A JP 13673393A JP 13673393 A JP13673393 A JP 13673393A JP H06322154 A JPH06322154 A JP H06322154A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 空洞の分布を適性化することによって、印刷
や印字、複写などの鮮明でかつ耐久性のある、薄くても
隠蔽性の高い、特に印刷、感熱記録、印画紙などに好適
なフィルムに関する。 【構成】 厚さが10μm以上30μm以下、光線透過
率30%以下、フィルム表面のグロスが40%以下、白
色度75以上で、内部には2μm以上の無機粒子が実質
的に存在しないことを特徴とする白色フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄くても隠蔽性、描画
性、フィルム強度が良好でまた生産性の良好な白色フィ
ルムに関する。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂を主原料とした紙代替物である
合成紙は、天然紙に比べて、耐水性、吸湿寸法安定性、
表面安定性、印刷の光沢性と鮮明性、機械的強度などに
優れている。近年、これらの長所を活かした用途展開が
進められている。
【0003】ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチ
レンなどを主原料とした紙と類似した機能を有するフィ
ルムを得る方法として、微細な空洞をフィルム内部に多
量に含有させる方法には、フィルム自体を軽量化できる
点や適度な柔軟性を付与できて、鮮明な印刷や転写が可
能になるという利点がある。
【0004】微細な空洞をフィルム内部に生成させる方
法として、従来たとえば、ポリエステルと相溶しないポ
リマーを押出機で溶融混練し、ポリエステル中に該ポリ
マーを微粒子に分散させたシートを得て更に該シートを
延伸することによって微粒子の周囲に空洞を発生させる
方法が提案されている。
【0005】しかし、これまでの白色フィルムは、薄く
なるにつれ隠蔽性やフィルム強度といった特性や製膜性
などが悪化することが問題であった。たとえば、特公昭
54−29550号公報には厚さ22μmで散乱光透過
率18%のフィルムが開示されている。しかしこれらは
実質的に内部に発現した空洞の散乱により隠蔽性、白色
性を持つが、無機粒子を含まない、または含んでも適切
なものではないため、白色度が不足し、光沢度の高い高
級感に乏しいものであった。また表面に空洞や粒径の大
きい無機粒子があるため印字抜けの原因となっていた。
またたとえば特開昭63−200147号公報には、無
機粒子を表層に多数添加する方法が開示されている。し
かし、この方法では表層の厚みと全体に対する表層の厚
みの比が大きすぎるため100μm程度の厚いフィルム
ならば製膜可能であるが、30μmになると非常に困難
になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の欠点
を解消した薄くても隠蔽性やフィルム強度、光沢度、製
膜性などに優れたフィルムを提供せんとするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、厚さが
10μm以上30μm以下、光線透過率30%以下、フ
ィルム表面のグロスが40以下、白色度が75以上で、
かつ内部に2μm以上の無機粒子が実質的に存在しない
ことを特徴とする白色ポリフィルムに関する。
【0008】本発明においては、厚み、光線透過率など
が上記条件を満たせば、一つの熱可塑性樹脂層からなる
単層フィルムとしても、また基本層(A)の少なくとも
片面に同じ、または異なる熱可塑性樹脂層(B)からな
る複合フィルムとしても構わない。
【0009】本発明においては、基材となる樹脂はポリ
オレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリル樹脂、
ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテル樹
脂など特に限定されるものではない。しかし、好ましく
は以下に述べるようなポリエステル樹脂である。
【0010】本発明におけるポリエステルとは、テレフ
タル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸のごと
き芳香族ジカルボン酸又はそのエステルとエチレングリ
コール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコールのごときグリコールとを重
縮合させて製造されるポリエステルである。これらのポ
リエステルは芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接
反応させてからほか、芳香族ジカルボン酸のアルキルエ
ステルとグリコールとをエステル交換反応させた後重縮
合させるか、あるいは芳香族ジカルボン酸のジグリコー
ルエステルを重縮合させるなどの方法によって製造させ
る。かかるポリエステルの代表例としてはポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレンブチレンテレフタレート
あるいはポリエチレン−2,6−ナフタレートなどが挙
げられる。このポリエステルはホモポリマーであっても
よく、第三成分を共重合したものであっても良い。いず
れにしても本発明においては、A層の樹脂はエチレンテ
レフタレート単位、ブチレンテレフタレート単位あるい
はエチレン−2,6−ナフタレート単位が70モル%以
上、好ましくは80モル%以上、更に好ましくは90モ
ル%以上であるポリエステルが好ましい。B層の樹脂は
このようなホモポリマーでも、共重合ポリエステルでも
またホモポリマーと共重合ポリエステルとの混合物でも
いずれでも構わない。
【0011】本発明においては、描画性、クッション性
や隠蔽性を付与するために単層フィルムの場合または複
合フィルムのA層には内部に多数の空洞を含有する空洞
含有フィルムであることが好ましい。その方法にはたと
えば内部に発泡剤や窒素などの不活性気体を含有した熱
可塑性樹脂を溶融、押出することにより内部に多数の空
洞を含有する方法が提案されている。本発明においては
いずれの方法でも構わないが、好ましくはポリエステル
に非相溶の熱可塑性樹脂を多数含有し、少なくとも1軸
に延伸することにより内部に多数の空洞を含有する方法
である。
【0012】本発明に用いられるポリエステルに非相溶
性の熱可塑性樹脂は、具体的には、ポリスチレン系樹
脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、ポリスルホン系樹脂、セルロース系
樹脂などがあげられる。特にポリスチレン系樹脂、ポリ
メチルペンテン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン
系樹脂が好ましい。
【0013】本発明の該ポリエスエルと該ポリエステル
に非相溶性の熱可塑性樹脂を混合させた重合体混合物
は、たとえば、各樹脂のチップを混合し押出機内で溶融
混練した後、押出して固化することによって得られる方
法や、あらかじめ混練機によって両樹脂を混練したもの
を更に押出機より溶融押出して固化する方法や、ポリエ
ステルの重合工程においてポリエステルに非相溶性の熱
可塑性樹脂を添加し、かくはん分散して得たチップを溶
融押出して固化する方法などによっても得られる。固化
して得られた重合体(未延伸シート)は通常、無配向も
しくは弱い配向状態のものである。また、ポリエステル
に非相溶性の熱可塑性樹脂はポリエステル中に、球状も
しくは楕円球状、もしくは糸状など様々な形状で分散し
た形状をとって存在する。
【0014】本発明において特に重要な点は、無機粒子
の含有方法にある。通常プラスティックフィルムに隠蔽
性を付与する、つまり光線透過率を下げる手段として
は、内部の空洞を多数発現させる、フィルムの表層に顔
料、染料を塗布する、内部に無機粒子を多数含有させる
などの方法がある。しかし、隠蔽性をより向上させるた
めに空洞や無機粒子の含有量をより増加させると、フィ
ルムの強度低下や製膜性が不安定になるといったことが
問題となる。また顔料の塗布量を増加させると、顔料の
脱落といったことが問題となる。そこでこれらの問題が
生じないように隠蔽性を向上させる方法としては、無機
粒子をフィルム内部の特定の場所に集中して添加させる
ことである。
【0015】通常の空洞含有ポリエステルフィルムの場
合、添加した二酸化チタンや炭酸カルシウム、二酸化珪
素、硫酸バリウムなどの無機粒子はすべてマトリクスで
あるポリエステル中に均一に存在する。そのため無機粒
子の添加量を増加させるとポリエステルと無機粒子の間
に生じる界面が増加し、フィルムの引っ張り強度や製膜
性の低下といったことが起こりやすくなる。これは厚さ
30μm以下のフィルムでは特に顕著に生じる問題であ
る。
【0016】よってこれらを解決する手段の一つとして
無機粒子の表面をアルミニウムや珪素、亜鉛などを含む
無機物で処理しポリエステルとの親和性を上げる方法な
どがこれまで提案されている。しかしこれらの方法で
は、厚さ30μm以下で光線透過率30%以下を達成す
るほど無機粒子を多量に含有し、かつフィルム強度や製
膜性を維持することは困難である。それは無機粒子の表
面エネルギーが高いため、空洞発現剤よりも表面エネル
ギーの高いポリエステルとの親和性が高いためである。
【0017】そこで本発明に至る手段の一つとしては、
隠蔽性を向上させるために無機粒子の添加量を増加さ
せ、無機粒子を全てポリエステル中に均一に分散させる
のではなく、空洞や空洞発現剤の回り、好ましくは空洞
発現剤中に存在させる方法などがあげられる。特に本発
明においては隠蔽性、白色性を持ち、表面の光沢性を下
げるため、B層に無機粒子を20〜70重量%、好まし
くは30〜50重量%添加する方法が好ましい。特にB
層に集中的に添加することにより、同じ添加量でも全体
に均一に添加したときよりも隠蔽性、白色性を効果的に
発現させることができる。また、これらの無機粒子は平
均粒径が0.1μm以上1μm未満でかつ、実質的に2
μm以上のものを含まないことが好ましい。平均粒径が
0.1μm未満では、十分な隠蔽性や低光沢性、白色性
を持たせることができない。平均粒径が1μm以上のと
きまたは2μm以上の粒子を含む場合はプリンターなど
での印字したときに大きい粒子が原因による印字抜けが
生じることがある。また、B層に集中的に添加した場
合、無機粒子の粒径や添加量により延伸が困難になった
り、B層の厚みムラが生じることがある。その場合はB
層の基材となるポリエステルにガラス転移温度または結
晶化度の低い共重合ポリエステルやポリエステル樹脂エ
ラストマーなどを混合することは有効である。本発明に
おいては、無機粒子は二酸化チタン、二酸化珪素、炭酸
カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウム、カオリ
ン、タルクなどがあげられるが特に限定されるものでは
ないが、隠蔽性の点から好ましくは二酸化チタンであ
る。しかし、厚さが10μm以上30μm以下、光線透
過率が30%以下、グロスが40%以下、白色度が75
以上のものであれば、特に限定されるものではない。
【0018】また本発明において重要な点は、任意のB
層の厚みは0.4μm以上3μm以下でかつ、B層のA
層に対する厚み比はB/A=0.15以下であることが
好ましい。0.4μm未満では隠蔽性、低光沢性、白色
性を目的の範囲内にすることが困難である。また、3μ
m以上またはB/A=0.15を越えると、延伸時の延
伸応力が高くなりすぎるため、延伸が困難になる。また
はフィルム強度が著しく低下する。この現象は厚み30
μm以下のフィルムでは特に顕著になる。そのため30
μmを越えるフィルムの製膜技術をそのまま30μm以
下のフィルム製膜に応用することが困難になるゆえんで
ある。
【0019】本発明の該ポリエスエルと該ポリエステル
に非相溶性の熱可塑性樹脂を混合させた重合体混合物
は、たとえば、各樹脂のチップを混合し押出機内で溶融
混練した後、押出して固化することによって得られる方
法や、あらかじめ混練機によって両樹脂を混練したもの
を更に押出機より溶融押出して固化する方法や、ポリエ
ステルの重合工程においてポリエステルに非相溶性の熱
可塑性樹脂を添加し、かくはん分散して得たチップを溶
融押出して固化する方法などによっても得られる。該重
合体混合物には、用途に応じて着色剤、耐光剤、蛍光
剤、帯電防止剤などを添加することも可能である。
【0020】得られた重合体混合物は、更に速度差をも
ったロール間での延伸(ロール延伸)やクリップに把持
して拡げていくことによる延伸(テンター延伸)や空気
圧によって拡げることによる延伸(インフレーション延
伸)などによって少なくとも1軸に配向処理する。配向
処理することにより、ポリエステルと空洞発現剤の界面
で剥離が起こり空洞が発現する。
【0021】したがってポリエステルに混合させる該ポ
リエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂の量は、目的とす
る空洞の量によって異なってくるが、重合体混合物全体
に対して3重量%〜40重量%、好ましくは8重量%〜
20重量%である。3重量%未満では、空洞の生成量を
多くすることに限界があり、目的の柔軟性や軽量性や描
画性が得られない。逆に、40重量%以上では、ポリエ
ステルフィルムの持つ耐熱性や強度が著しく損なわれ
る。
【0022】該重合体混合物を配向処理する条件は、空
洞の生成と密接に関係する。したがって本目的を達成す
るための条件はたとえば、もっとも一般的に行われてい
る逐次2軸延伸工程を例に挙げると、該重合体混合物の
連続シートを長手方向にロール延伸した後に、幅方向に
テンター延伸する逐次2軸延伸法の場合以下のようにな
る。ロール延伸においては多数の空洞を発生させるため
温度を80〜120℃、倍率を1.2〜5倍とするのが
好ましい。テンター延伸においては破断せずに安定製膜
するため温度を100〜140℃、倍率を1.2〜5倍
とするのが好ましい。延伸後の熱処理条件を以下に述べ
る方法で実施することが望ましい。熱処理は延伸終了
後、200℃以上、好ましくは220℃以上、さらに好
ましくは230℃以上で行わなくてはならない。また、
このときに3〜8%緩和させながら熱固定を行わなくて
はならない。200℃未満または3%未満では150℃
の熱収縮率が2%未満、好ましくは1.7%未満、さら
に好ましくは1.5%未満の空洞含有フィルムは得られ
ない。
【0023】本発明においては全体層としては、空洞の
平均含有率が10体積%以上であることが好ましい。全
体層の平均空洞率が10体積%より少ない場合は空洞含
有ポリエステル系フィルム特有の柔軟性が不十分とな
り、また描画性、クッション性も不足する。
【0024】全体の平均空洞率は、40体積%以下、好
ましくは30体積%以下が好適であり、平均空洞率が4
0体積%以上の空洞含有フィルムはそれ自体延伸工程で
の破断が多発するため製造しにくく、できたフィルムも
表面の強度や引っ張り強度などが不十分となり好ましく
ない。本発明のフィルムは印刷などの後加工を考慮する
と破断強度は、縦横とも、11kg/mm2 以上である
ことが好ましい。
【0025】本発明においては、一つの層からなる単層
フィルムでも構わないが、基材となるA層の少なくとも
片面に異なる層を積層した複合フィルムであることが好
ましい。この場合A,B層は全く同じ原料組成でも異な
る原料組成でも構わないが、好ましくはA層は基材をポ
リエステルとし空洞を含有する層、B層は基材をポリエ
ステルとし平均粒径1μm未満の無機粒子を含有する層
である。この場合A,B層のポリエスエルは全く同じで
も異なるものでも構わない。その製法は延伸した2枚以
上のフィルムを貼り合わせる方法やA層の原料を溶融、
押出した未延伸シートを1軸方向に延伸したあとB層の
未延伸シートをラミネートし、直角方向に延伸する方法
など特に限定されるものではない。しかし、生産性など
を考慮すると、A層とB層の原料は別々の押出機に投入
し、溶融、押出し、一つのダイスに導き未延伸シートを
得たあと、少なくとも1軸に配向させるいわゆる共押出
法による積層がもっとも好ましい。その積層方法はA
層,B層の異なる溶融物をダイス内で積層する、いわゆ
るマルチマニホールドタイプのダイスでも、異なる溶融
物を配管内で積層し、シングルマニホールドタイプのダ
イスから押出し、未延伸シートを得る方法でも構わな
い。
【0026】さらにフィルム表面に塗布量を設けること
によって、インキやコーティング剤などの塗れ性や接着
性が改良される。該塗布層を構成する化合物としては、
ポリエステル系樹脂が好ましいが、この他にも、ポリウ
レタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、アクリル系樹
脂などの通常のポリエステルフィルムの接着性を向上さ
せる手段として開示させている化合物が適用可能であ
る。また塗布層を設ける方法としては、グラビアコート
方式、キスコート方式、ディップ方式、スプレイコート
方式、カーテンコート方式、エアナイフコート方式、ブ
レードコート方式、リバースロールコート方式など通常
用いられている方法が適用できる。塗布する段階として
は、配向処理を行う前の混合重合体物表面にあらかじめ
塗布する方法、1軸方向に配向した空洞含有フィルム表
面に塗布し、それを更に直角方向に配向させる方法、配
向処理の終了したフィルム表面に塗布する方法などのい
ずれの方法も可能である。
【0027】このようにして得られたフィルムは厚さ3
0μm以下で光線透過率が30%以下、好ましくは25
%以下、さらに好ましくは20%以下でなくてはならな
い。30%を越えると裏が透けて見えるため、印刷物な
どにした場合好ましくない。表面のグロスは40%以
下、好ましくは30%以下、より好ましくは20%以下
になることが好ましい。40%を越えると光沢感の強
い、高級感の損なうものとなる。白色度は75以上、好
ましくは80以上である。75未満では高級感の乏しい
ものである。
【0028】かくして得られたフィルムは、特に薄くし
ても隠蔽性が良好で腰が強く表面強度やへき開に対する
強度が優れているため、本発明の空洞含有ポリエステル
系フィルムを基材として用いた場合、ラベル、ポスタ
ー、カード、記録用紙、包装材料、ビデオプリンター受
像紙、バーコードラベル、バーコードプリンター受像
紙、感熱記録紙、地図、無塵紙、表示板、白板、電子白
板、印画紙、化粧紙、壁紙、紙幣、離型紙、折り紙、カ
レンダー、磁気カード、トレーシング紙、伝票、配送伝
票、感圧記録紙、複写用紙、臨床検査紙、パラボラアン
テナ反射板などに用いることができる。
【0029】
【実施例】次に本発明の実施例を示す。 1)ポリエステルの固有粘度 ポリエステルをフェノール(6重量部)とテトラクロロ
エタン(4重量部)の混合溶媒に溶解し、30℃で測定
した。 2)ポリスチレン系樹脂のメルトフローインデックス JIS−K7210に準じて200℃、荷重5kgで測
定した。 3)密度 フィルムを5.00cm×5.00cmの正方形に正確
に切り出し、その厚みを50点測定し平均厚みをtμm
とし、それの重さを0.1mgまで測定しwgとし、下
式によって計算した。 見かけ比重(−)=w/5×5×t×10000 4)フィルムの平均空洞率 下式によって計算した。 空洞含有率(体積%)=100×(1−真比容積/見か
け比容積) ただし、 真比容積=x1 /d1 +x2 /d2 +x3 /d3 +…+
i /di +… 見かけ比容積=1/フィルムの見かけ比重 上式におけるxiはi成分の重量分率、diはi成分の
真比重を表す。実施例中の計算において用いた真比重の
値は、ポリエチレンテレフタレート1.40、一般用ポ
リスチレン1.05、ポリプロピレン0.92、ルチル
型二酸化チタン4.2を用いた。 5)光線透過率 JIS−K6714に準じ、ポイック積分球式H.T.
Rメーター(日本精密光学製)を用い、フィルムの光線
透過率を測定した。この値が小さいほど隠蔽性が高い。 6)フィルムの引っ張り強度 JIS−C2318に基づきおこなった。 7)グロス JIS−Z8741−1983に準じ、グロスメータV
GS−1001DP〔日本電色工業(株)製〕を用い、
入射角および反射角60°における値を測定した。この
値が高いほど、光沢度が高くなることを示す。 8)白色度 JIS−L1015−1981−B法により、日本電色
工業(株)Z−1001DPを用いて行った。 9)印字抜け 三洋電機(株)製ワードプロセッサ SANWORD
SWP−360で実際に印字して外観の良好なものを
○、不要なものを×とした。
【0030】実施例 1 原料として固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレ
ート樹脂75重量%にジカルボン酸成分としてジメチル
テレフタレート、グリコール成分としてブタンジオール
とポリテトラメチレングリコールをモル比85:15で
共重合したポリエスエル樹脂エラストマーを5重量%と
メルトフローインデックス2.0g/10分一般用ポリ
スチレン15重量%、平均粒径0.3μmのアナターゼ
型二酸化チタンを5重量%をA層の原料とし、B層の原
料としてポリエチレンテレフタレート樹脂60重量%、
アナターゼ型二酸化チタンを40重量%を各々別の2軸
スクリュー押出機でT−ダイスより290℃で溶融押出
しし、静電気的に冷却回転ロールに密着固化し、各層が
それぞれB/A/B=15/220/15μmの重合体
混合物の未延伸シートを得た。引き続き該未延伸シート
をロール延伸機で83℃で3.5倍縦延伸を行い、引き
続きテンターで130℃で3.5倍横延伸したあと23
5℃で4%緩和させながら熱処理し、内部に多数の空洞
を含有するポリエステルフィルムを得た。厚みはB/A
/B=1.5/22/1.5μmであった。得られたフ
ィルム全体の空洞含有率は20体積%であった。見かけ
比重は1.18、光線透過率は15%、厚さ25μm、
グロスは28%、白色度83、フィルムの縦、横方向の
引っ張り強度はそれぞれ13kg/mm2 であった。
【0031】比較例 1,2 B/A/Bの厚み比を5/15/5と0.1/25/
0.1にした以外は実施例1と全く同様の方法において
空洞含有ポリエステル系フィルムを得た。
【0032】比較例 3 B層の二酸化チタン量を15重量%にした以外は全く同
様の方法において空洞含有ポリエステル系フィルムを得
た。
【0033】比較例 4 原料として固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレ
ート樹脂76重量%にメルトフローインデックス2.0
g/10分一般用ポリスチレン15重量%、平均粒径
0.3μmのアナターゼ型二酸化チタンを9重量%をA
層の原料とし、B層の原料としてポリエチレンテレフタ
レート樹脂91重量%、アナターゼ型二酸化チタンを9
重量%を各々別の2軸スクリュー押出機に投入して行っ
た以外は実施例1と全く同様の方法において空洞含有ポ
リエステル系フィルムを得た。製膜中は破断が多発して
安定しなかった。得られたフィルムは空洞による表面の
荒れが多数あった。また得られた光線透過率20%、フ
ィルムのグロスは70%、白色度72、引っ張り強度は
縦、横ともに8kg/mm2 であった。
【0034】なおこれら実施例および比較例での結果を
まとめて表1に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【発明の効果】本発明のポリエステルフィルムは、従来
のポリスチレンやポリオレフィンを空洞発現剤として用
いて得られる空洞含有ポリエステルフィルムと同様に、
軽量性、柔軟性、艶消し性、描画性などを有していると
共に、従来のフィルムに比べ、薄くても隠蔽性が高いと
いう効果がある。従って本発明のポリエステルフィルム
はラベル、ポスター、記録紙、包装用材料、感熱記録
材、印画紙などのきわめて広い分野で使用できる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年6月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】しかし、これまでの白色フィルムは、薄く
なるにつれ隠蔽性やフィルム強度といった特性や製膜性
などが悪化することが問題であった。たとえば、特公昭
54−29550号公報には厚さ22μmで散乱光透過
率18%のフィルムが開示されている。しかしこれらは
実質的に内部に発現した空洞の散乱により隠蔽性、白色
性を持つが、無機粒子を含まない、または含んでも適切
なものではないため、白色度が不足し、光沢度の高い高
級感に乏しいものであった。また表面に空洞や粒径の大
きい無機粒子があるため印字抜けの原因となっていた。
またたとえば特開昭63−200147号公報には、無
機粒子を表層に多数添加する方法が開示されている。し
かし、この方法では表層の厚みと全体に対する表層の厚
みの比が大きすぎるため100μm程度の厚いフィルム
ならば製膜可能であるが、30μm以上になると非常に
困難になる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚さが10μm以上30μm以下、光線
    透過率30%以下、フィルム表面のグロスが40%以
    下、白色度75以上でかつ内部には2μm以上の無機粒
    子が実質的に存在しないことを特徴とする白色フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 請求項1のフィルムが、基本となるポリ
    エステル樹脂層(A)の少なくとも片面にポリエステル
    からなる層(B)を設けた少なくとも2層以上からなる
    ことを特徴とする白色ポリエステル系フィルム。
  3. 【請求項3】 該ポリエステル層(B)中に平均粒径1
    μm未満の無機粒子が20〜70重量%含有されている
    ことを特徴とする請求項2の白色ポリエステル系フィル
    ム。
  4. 【請求項4】 任意の該ポリエステル層(B)の厚みが
    0.4μm以上3μm以下でかつA層の厚みに対する各
    B層の厚みの比が0.15以下であることを特徴とする
    請求項2または3の白色ポリエステル系フィルム。
  5. 【請求項5】 A層の内部に多数の空洞を含有し、フィ
    ルム全体の平均空洞含有率が10体積%以上40体積%
    以下であることを特徴とする請求項2〜4のうちのいず
    れかの空洞含有白色ポリエステル系フィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001260294A (ja) * 2000-03-16 2001-09-25 Toyobo Co Ltd 白色積層ポリエステル系フィルム
JP2008110609A (ja) * 2007-11-12 2008-05-15 Toray Ind Inc 白色積層ポリエステルフィルム
JP2009067061A (ja) * 2008-12-18 2009-04-02 Toyobo Co Ltd 熱収縮性ポリエステル系フィルム

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