JPH07118434A - ハンディプリンター用ポリエステル系フィルム - Google Patents

ハンディプリンター用ポリエステル系フィルム

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JPH07118434A
JPH07118434A JP26893493A JP26893493A JPH07118434A JP H07118434 A JPH07118434 A JP H07118434A JP 26893493 A JP26893493 A JP 26893493A JP 26893493 A JP26893493 A JP 26893493A JP H07118434 A JPH07118434 A JP H07118434A
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JP
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polyester
film
inorganic particles
resin
layer
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JP26893493A
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Katsuya Ito
勝也 伊藤
Yasushi Sasaki
靖 佐々木
Toshitake Suzuki
利武 鈴木
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、薄くても隠蔽性やフィルム強度、
製膜性、生産性などに優れたハンディプリンター用基材
を提供せんとするものである。 【構成】 ポリエステルに無機粒子及び/または該ポリ
エステルに非相溶の熱可塑性樹脂を混合、押出し、少な
くとも1軸に配向し、厚さが10μm以上40μm以
下、光線透過率が30%以下、白色度が75以上である
ことをとくちょうとするハンディプリンター用ポリエス
テル系フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄くても隠蔽性、描画
性が良好で生産性、製膜性に優れたハンディプリンター
用ポリエステルフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】電気やガスの検針は各家庭に設置された
メータを、職員が確認し、結果を記入し、その家庭のポ
ストや玄関先にそのメモを入れている。この作業に近
年、結果を打ち込めば即座に結果を出力するハンディプ
リンターが用いられている。他にもJR、私鉄の車内精
算やまた一般事務用には、たとえば「テプラ」(キング
事務┷)の名称で発売されているものがある。これら
は、感熱記録方式の印刷装置を内蔵している。よってそ
の中には印刷用の紙を入れる。この紙はロール状に巻か
れているが、厚いと巻き径が大きくなるため、多量の印
刷のためにはロールの入れ替え作業が多くなる。よっ
て、薄くしていくと、これまでの紙では隠蔽性が不足し
ているため、裏が透けて見える、また文字が見にくいな
どという欠点があり、解決が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の欠点
を解消した薄くても隠蔽性やフィルム強度、製膜性、生
産性などに優れたハンディプリンター用基材を提供せん
とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、ポリエ
ステルに無機粒子及び/または該ポリエステルに非相溶
の熱可塑性樹脂を混合、押出し、少なくとも1軸に配向
し、厚さが10μm以上40μm以下、光線透過率が3
0%以下、白色度が75以上であることをとくちょうと
するハンディプリンター用ポリエステル系フィルムに関
する。本発明におけるポリエステルとは、テレフタル
酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸のごとき芳
香族ジカルボン酸又はそのエステルとエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、1、4−ブタンジオール、
ネオペンチルグリコールのごときグリコールとを重縮合
させて製造されるポリエステルである。これらのポリエ
ステルは芳香族ジカルボン酸とグリコールとを直接反応
させてからほか、芳香族ジカルボン酸のアルキルエステ
ルとグリコールとをエステル交換反応させた後重縮合さ
せるか、あるいは芳香族ジカルボン酸のジグリコールエ
ステルを重縮合させるなどの方法によって製造させる。
かかるポリエステルの代表例としてはポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレンブチレンテレフタレートある
いはポリエチレン−2、6−ナフタレートなどが挙げら
れる。このポリエステルはホモポリマーであってもよ
く、第三成分を共重合したものであっても良い。いずれ
にしても本発明においては、エチレンテレフタレート単
位、ブチレンテレフタレート単位あるいはエチレン−
2、6−ナフタレート単位が70モル%以上、好ましく
は80モル%以上、更に好ましくは90モル%以上であ
るポリエステルが好ましい。
【0005】本発明において特に重要な点は、無機粒子
が多量にポリエステル中に存在しているにもかかわらず
厚さが40μm以下と薄くできることにある。通常プラ
スティックフィルムに隠蔽性を付与する、つまり光線透
過率を下げる手段としては、内部の空洞を多数発現させ
る、フィルムの表層に顔料、染料を塗布する、内部に無
機粒子を多数含有させるなどの方法がある。しかし、隠
蔽性をより向上させるために空洞や無機粒子の含有量を
より増加させると、フィルムの強度低下や製膜性が不安
定になるといったことが問題となる。また顔料の塗布量
を増加させると、顔料の脱落といったことが問題とな
る。そこでこれらの問題が生じないように隠蔽性を向上
させる方法としては、無機粒子をフィルム内部に多数含
有しても延伸性を確保することである。
【0006】通常の空洞含有ポリエステルフィルムの場
合、添加した二酸化チタンや炭酸カルシウム、二酸化珪
素、硫酸バリウムなどの無機粒子はすべてマトリクスで
あるポリエステル中に存在する。そのため無機粒子の添
加量を増加させるとポリエステルと無機粒子の間に生じ
る界面が増加し、フィルムの引っ張り強度や製膜性の低
下といったことが起こりやすくなる。これは厚さ40μ
m以下のフィルムでは特に顕著に生じる問題である。
【0007】よってこれらを解決する手段の一つとして
無機粒子の表面をアルミニウムや珪素、亜鉛などを含む
無機物で処理しポリエステルとの親和性を上げる方法や
積層フィルムにおいてその表層に多量に添加する方法が
これまで開示されている。しかしこれらの方法では、厚
さ40μm以下、好ましくは30μm以下で光線透過率
30%以下を達成するほど無機粒子を多量に含有し、か
つフィルム強度、表面強度や製膜性を維持することは不
可能である。それは無機粒子の表面エネルギーが高いた
め、空洞発現剤よりも表面エネルギーの高いポリエステ
ルとの親和性が高いためである。
【0008】そこで本発明に至る手段としては、隠蔽性
を向上させるために無機粒子の添加量を増加させ、かつ
延伸助剤を混合することがあげられる。これにより無機
粒子の含有量を増加させてもフィルム強度、製膜性など
の問題がなくなる。延伸助剤としてはポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレ
ングリコールなどのポリアルキレングリコールおよび/
またはその誘導体および/または共重合体などがあげら
れる。誘導体としては、末端基を他の結合で封鎖したも
の、ジカルボン酸との反応によりポリエステル化したも
の等が挙げられる。これらの中でポリエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール共重合体及びこれらをジオ
ール化したポリエステルあるいは共重合ポリエステルが
特に好適である。該ポリエチレングリコールおよび/ま
たはその誘導体の分子量は200〜20万、好ましくは
1000〜5万のものが好適である。また添加量はフィ
ルム全体に対して、0.05〜5重量%、好ましくは
0.1〜1重量%である。0.05重量%未満では延伸
が困難になり、5重量%を越えるとフィルムに腰がなく
なり印刷などの加工性が悪くなる。
【0009】そこでまた他の手段の一つとしては、隠蔽
性を向上させるために無機粒子の添加量を増加させると
ともに、後で述べる方法で内部に多数の空洞を含有させ
るために、該ポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂(空
洞発現剤)を混合する。その際、無機粒子を全てポリエ
ステル中に均一に分散させるのではなく、増加させた無
機粒子を空洞や空洞発現剤の回り、好ましくは空洞発現
剤中に存在させることである。これにより無機粒子の含
有量を増加させてもポリエステルとの界面が増加しない
ため、フィルム強度、製膜性などの問題がなくなる。こ
れを実現するためには通常用いられている二酸化チタン
や炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの無機粒子の表面
を溌水化処理を施し表面エネルギーを下げることによ
り、無機粒子と空洞発現剤の親和性をポリエステルのそ
れよりも向上させる。その処理剤としてはシリコン系樹
脂、シロキサン系樹脂、フッ素系樹脂、シランカップリ
ング剤やチタネートカップリング剤が挙げられ、より好
ましくは芳香族または脂肪族からなる高分子化合物で表
面処理したものが挙げられ、具体的にはポリビニルピリ
ジンなどのように無機粒子と空洞発現剤を有機的に結合
するものが好ましい。だがこれに限定されるものではな
い。さらにこのように処理した無機粒子を空洞発現剤と
予備混練したマスターバッチペレットとして使用するこ
とにより効果的となる。予備混練をしない場合は、表面
処理を行っても無機粒子はすべてポリエステル中に存在
するため、本発明の目的は達することができない。また
他の方法としては、積層フィルムとし、フィルムの表面
層の無機粒子の量を中心層のそれよりも多くことも可能
である。この場合、特に表面層に無機粒子の含有量が多
くなることにより、フィルムの白色度が向上したり、艶
消し感があり、高級なイメージを与える。
【0010】本発明に用いられる無機粒子は特に限定さ
れるものではない。例としては二酸化チタンや炭酸カル
シウム、硫酸バリウム、二酸化珪素、酸化アルミニウ
ム、タルク、カオリンなどが挙げられる。またこれらの
無機粒子は必要に応じて表面処理をしても構わない。そ
の処理剤としては酸化アルミニウム、二酸化珪素、酸化
亜鉛、シリコン系樹脂、シロキサン系樹脂、フッ素系樹
脂、シランカップリング剤やチタネートカップリング
剤、ポリオールやポリビニルピリジンなどが挙げられる
が、これらに限定されるものではない。本発明において
は好ましくは内部に多数の空洞を含有することである。
この空洞を含有する方法は、特に限定されるものではな
いが、好ましくは内部にポリエステルに非相溶の熱可塑
性樹脂(空洞発現剤)を混合、溶融、押出して得られた
未延伸シートを少なくとも1軸に配向することにより、
ポリエステルと空洞発現剤との界面が剥離し、内部に多
数の空洞を得る方法である。この空洞発現剤は、上記し
たポリエステルに非相溶性のものでなければならない。
具体的には、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹
脂、ポリアクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ
スルホン系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂
などがあげられる。特にポリスチレン系樹脂、ポリメチ
ルペンテン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹
脂が好ましい。
【0011】本発明の該ポリエステルと該ポリエステル
に非相溶性の熱可塑性樹脂を混合させた重合体混合物
は、たとえば、各樹脂のチップを混合し押出機内で溶融
混練した後、押出して固化することによって得られる方
法や、あらかじめ混練機によって両樹脂を混練したもの
を更に押出機より溶融押出して固化する方法や、ポリエ
ステルの重合工程においてポリエステルに非相溶性の熱
可塑性樹脂を添加し、かくはん分散して得たチップを溶
融押出して固化する方法などによっても得られる。固化
して得られた重合体(未延伸シート)は通常、無配向も
しくは弱い配向状態のものである。また、ポリエステル
に非相溶性の熱可塑性樹脂はポリエステル中に、球状も
しくは楕円球状、もしくは糸状など様々な形状で分散し
た形態をとって存在する。
【0012】本発明の該ポリエステルと該ポリエステル
に非相溶性の熱可塑性樹脂を混合させた重合体混合物
は、たとえば、各樹脂のチップを混合し押出機内で溶融
混練した後、押出して固化することによって得られる方
法や、あらかじめ混練機によって両樹脂を混練したもの
を更に押出機より溶融押出して固化する方法や、ポリエ
ステルの重合工程においてポリエステルに非相溶性の熱
可塑性樹脂を添加し、かくはん分散して得たチップを溶
融押出して固化する方法などによっても得られる。該重
合体混合物には、用途に応じて着色剤、耐光剤、蛍光
剤、帯電防止剤などを添加することも可能である。得ら
れた重合体混合物は、更に速度差をもったロール間での
延伸(ロール延伸)やクリップに把持して拡げていくこ
とによる延伸(テンター延伸)や空気圧によって拡げる
ことによる延伸(インフレーション延伸)などによって
少なくとも1軸に配向処理する。配向処理することによ
り、ポリエステルと空洞発現剤の界面で剥離が起こり空
洞が発現する。
【0013】したがってポリエステルに混合させる該ポ
リエステルに非相溶性の熱可塑性樹脂の量は、目的とす
る空洞の量によって異なってくるが、重合体混合物全体
に対して3重量%〜40重量%、好ましくは8重量%〜
20重量%である。。3重量%未満では、空洞の生成量
を多くすることに限界があり、目的の柔軟性や軽量性や
描画性が得られない。逆に、40重量%以上では、ポリ
エステルフィルムの持つ耐熱性や強度が著しく損なわれ
る。該重合体混合物を配向処理する条件は、空洞の生成
と密接に関係する。したがって本目的を達成するための
条件はたとえば、もっとも一般的に行われている逐次2
軸延伸工程を例に挙げると、該重合体混合物の連続シー
トを長手方向にロール延伸した後に、幅方向にテンター
延伸する逐次2軸延伸法の場合以下のようになる。ロー
ル延伸においては多数の空洞を発生させるため温度をポ
リエステルの2軸延伸温度+30℃以下、倍率を1.2
〜5倍とするのが好ましい。テンター延伸においては破
断せずに安定製膜するため温度を100〜140℃、倍
率を1.2〜5倍とするのが好ましい。延伸後の熱処理
条件を以下に述べる方法で実施することが望ましい。熱
処理は延伸終了後、200℃以上、好ましくは220℃
以上、さらに好ましくは230℃以上で行わなくてはな
らない。また、このときに3〜8%緩和させながら熱固
定を行わなくてはならない。200℃未満または3%未
満では150℃の熱収縮率が2%未満、好ましくは1.
7%未満、さらに好ましくは1.5%未満の空洞含有フ
ィルムは得られない。
【0014】全体の平均空洞率は、40体積%以下、好
ましくは30体積%以下が好適であり、平均空洞率が4
0体積%以上の空洞含有フィルムはそれ自体延伸工程で
の破断が多発するため製造しにくく、できたフィルムも
表面の強度や引っ張り強度などが不十分となり好ましく
ない。本発明のフィルムは見かけ比重が好ましくは1.
0〜1.3、より好ましくは1.06〜1.25であ
る。1.0未満では紙を巻いて、プリンター中にセット
したときに巻きズレが起こりやすくなる。また、1.3
以上では切り目からの手切れ性が不良になる。
【0015】本発明のフィルムは光線透過率が好ましく
は30%以下、さらに好ましくは25%以下、より好ま
しくは20%以下、特により好ましくは17%以下であ
る。30%を越えると裏が透けて見えるためである。特
にこのことは40μm以下、好ましくは30μm以下の
薄いものにおいていえることだが、それ以上の厚みのも
のでも構わない。本発明のフィルムは白色度が75以
上、好ましくは80以上なくてはならない。75未満で
は印字した文字が不鮮明になる。
【0016】本発明においては、表層と中心層を積層し
たいわゆる複合フィルムとしても構わない。その方法は
特に限定されるものではない。しかし生産性を考慮する
と、表層と中心層の原料は別々の押出機から押出し、1
つのダイスに導き未延伸シートを得た後、少なくとも1
軸に配向させる、いわゆる共押出法による積層がもっと
も好ましい。この場合B層に設ける熱可塑性樹脂は特に
限定されるものではなく具体的には、ポリスチレン系樹
脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、ポリスルホン系樹脂、セルロース系
樹脂、ポリアミド系樹脂などがあげられる。しかし、本
発明においてはポリエステル系樹脂が好ましい。また、
必要に応じて無機粒子を含有しても構わない。またポリ
アルキレングリコールおよび/またはその誘導体はA層
のみまたはB層のみまたはA層およびB層の両方に添加
することが可能である。この場合A層に添加することに
より表面の接着性や水の濡れ性などを向上させることが
可能となる。
【0017】さらにフィルム表面に塗布層を設けること
によって、インキやコーティング剤などの塗れ性や接着
性が改良される。該塗布層を構成する化合物としては、
ポリエステル系樹脂が好ましいが、この他にも、ポリウ
レタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、アクリル系樹
脂などの通常のポリエステルフィルムの接着性を向上さ
せる手段として開示させている化合物が適用可能であ
る。また塗布層を設ける方法としては、グラビアコート
方式、キスコート方式、ディップ方式、スプレイコート
方式、カーテンコート方式、エアナイフコート方式、ブ
レードコート方式、リバースロールコート方式など通常
用いられている方法が適用できる。塗布する段階として
は、配向処理を行う前の混合重合体物表面にあらかじめ
塗布する方法、1軸方向に配向した空洞含有フィルム表
面に塗布し、それを更に直角方向に配向させる方法、配
向処理の終了したフィルム表面に塗布する方法などのい
ずれの方法も可能である。かくして得られたフィルム
は、薄くても隠蔽性に優れるために文字が鮮明に見え、
フィルム強度、製膜性に優れるハンディープリンター用
紙として良好な基材となる。
【0018】実施例 次に本発明の実施例を示す。 1)ポリエステルの固有粘度 ポリエステルをフェノール(6重量部)とテトラクロロ
エタン(4重量部)の混合溶媒に溶解し、30℃で測定
した。
【0019】2)ポリスチレン系樹脂のメルトフローイ
ンデックス JIS−K7210に準じて200℃、荷重5kgで測
定した。
【0020】3)見かけ比重 フィルムを5.00cm×5.00cmの正方形に性格
に切り出し、その厚みを50点測定し平均厚みをtμm
とし、それの重さを0.1mgまで測定しwgとし、下
式によって計算した。
【0021】
【数1】
【0022】4)フィルムの平均空洞率 下式によって計算した。
【0023】
【数2】 ただし、
【0024】
【数3】
【0025】
【数4】 上式におけるxiはi成分の重量分率、diはi成分の
真比重を表す。実施例中の計算において用いた真比重の
値は、ポリエチレンテレフタレート1.40、一般用ポ
リスチレン1.05、アナターゼ型二酸化チタン4.2
を用いた。
【0026】5)光線透過率 JIS−K6714に準じ、ポイック積分球式H.T.
Rメーター(日本精密光学製)を用い、フィルムの光線
透過率を測定した。この値が小さいほど隠蔽性が高い。
【0027】6)フィルムの引っ張り強度 JIS−C2318に基づきおこなった。
【0028】7)白色度 JIS−L1015−1981−B法により、日本電色
工業(株)Z−1001DPを用いて行った。
【0029】8)熱収縮率 フィルムを幅10mm、長さ250mmとり、200m
m間隔で印をつけ5gの一定張力下で固定し印の間隔A
を測る。続いて、無張力下で30分間、150℃の雰囲
気中のオーブンにいれた後の印の間隔Bを求め、以下の
式により熱収縮率とした
【0030】
【数5】
【0031】実施例1 原料として固有粘度0.62のポリエチレンテレフタレ
ート樹脂75重量%にジカルボン酸成分としてジメチル
テレフタレート、グリコール成分としてブタンジオール
とポリテトラメチレングリコールをモル比85:15で
共重合したポリエステル樹脂エラストマーを5重量%と
メルトフローインデックス2.0g/10分一般用ポリ
スチレン15重量%、平均粒径0.3μmのアナターゼ
型二酸化チタンを5重量%をA層の原料とし、B層の原
料としてポリエチレンテレフタレート樹脂60重量%、
アナターゼ型二酸化チタンを40重量%を各々別の2軸
スクリュー押出機でT−ダイスより290℃で溶融押出
しし、静電気的に冷却回転ロールに密着固化し、各層が
それぞれB/A/B=15/220/15μmの重合体
混合物の未延伸シートを得た。引き続き該未延伸シート
をロール延伸機で83℃で3.5倍縦延伸を行い、引き
続きテンターで130℃で3.5倍横延伸したあと23
5℃で4%緩和させながら熱処理し、内部に多数の空洞
を含有するポリエステルフィルムを得た。厚みはB/A
/B=1.5/22/1.5μmであった。得られたフ
ィルム全体の空洞含有率は20体積%であった。
【0032】見かけ比重は1.18、光線透過率は15
%、厚さ25μm、グロスは28%白色度83、フィル
ムの縦、横方向の引っ張り強度はそれぞれ13/13k
g/mm2 熱収縮率は縦、横それぞれ1.1/0.7%
であった。このフィルムの片面に塩基性染料として3−
ジエチルアミノ−6−メチル−7−フェニルアミノフル
オラン、呈色剤として4,4’−イソプロピリデンジフ
ェノール、微粒子上無定型シリカを酸化澱分とともに、
水中に分散した塗液を乾燥重量が7.0g/m2 となる
ように塗布乾燥して、コートフィルムを作製した。この
コートフィルムを巻き取り、感熱方式のハンディープリ
ンターに通紙し、記録したところ良好であり、切れ目よ
りきれいに切れた。また文字も鮮明に見えた。
【0033】比較例1 実施例1のB層の二酸化チタンの量を5重量%とした以
外は全く同様の方法において、ハンディープリンター用
紙を得た。見かけ比重は1.11、光線透過率は32
%、厚さ25μm、グロスは75%白色度73、フィル
ムの縦、横方向の引っ張り強度はそれぞれ16kg/m
2であった。文字が不鮮明であり、実用的なレベルで
はなかった。
【0034】実施例2 まずメルトフローインデックス2.0g/10分一般用
ポリスチレンと、平均粒径0.3μmのシランカップリ
ング処理したルチル型二酸化チタン(富士チタン製TR
−700S)とを重量比1:1で2軸スクリュー押出機
を用いて、240℃で予備混練しマスターバッチペレッ
トIを作製した。次に固有粘度0.62のポリエチレン
テレフタレート樹脂とアルミナ処理したアナターゼ型二
酸化チタンを重量比95:5で同様にマスターバッチペ
レットIIを作製した。このマスターバッチペレットIと
ポリエチレンテレフタレートとを重量比26:74で混
合したものをA層の原料とし、マスターバッチペレット
IIをB層の原料とした。この時のA層の押出機の温度は
原料投入部にもっとも近いところを250℃とし、徐々
に昇温し、溶融部では最高295℃にした。溶融部では
約10分間混練し、スクリュー最先端部は290℃とな
るようにした。その後、メルトライン温度は徐々に下
げ、最終的にT−ダイスでは280℃となるようにし
た。
【0035】またB層の温度は押出機の温度は原料投入
部にもっとも近いところを250℃とし、徐々に昇温
し、溶融部では最高285℃にした。溶融部では約1分
間混練し、スクリュー最先端部は280℃となるように
した。その後温度はそのままでメルトラインに原料を供
給し、T−ダイスの直前でA層の両面に接合しそのまま
T−ダイスに供給した。その後、静電気的に冷却回転ロ
ールに密着固化し、各層がそれぞれB/A/B=30/
190/30μmの重合体混合物の未延伸シートを得
た。この時、T−ダイスリット間隔は0.9mmで、そ
の部分での重合体混合物の融液の平均流速は8.8m/
秒であった。引き続き該未延伸シートをロール延伸機で
83℃で3.5倍縦延伸を行い、引き続きテンターで1
45℃で3.5倍横延伸したあと235℃で4%緩和さ
せながら熱処理し、内部に多数の空洞を含有するポリエ
ステルフィルムを得た。厚みはB/A/B=3/19/
3μmであった。得られたフィルムのA層の表層部の空
洞率は2体積%、全体は21体積%であった。また空洞
の少ない部分は表層から約3μmの深さまで存在してい
た。本実施例で得られた空洞含有フィルムは表面強度は
クラス1であった。
【0036】なお、本実施例の重合体混合物の未延伸シ
ートの断面を走査型電子顕微鏡で観察したところ、中央
部のポリスチレンの分散粒子径は平均5.0μmである
のに対し、表層付近分散粒子径は平均0.7μmであっ
た。またA層とB層の界面に存在するポリスチレンは糸
状になっていた。見かけ比重は1.15、A層の表層部
の空洞率は2体積%、全体の平均空洞率は21体積%、
光線透過率は15%、厚さ25μm、白色度81、グロ
ス45、フィルムの縦、横方向の引っ張り強度はそれぞ
れ13/13kg/mm2 、熱収縮率は1.2/0.6
%であった。得られたフィルムは空洞発現剤であるポリ
エチレンテレフタレート中のみならずポリスチレンのま
わりやポリスチレン中にも二酸化チタンが多数含有して
いた。実施例1と同様にあと処理し、使用したところ同
様に良好であった。
【0037】
【発明の効果】本発明の空洞含有ポリエステルフィルム
は、従来のポリスチレンやポリオレフィンを空洞発現剤
として用いて得られる空洞含有ポリエステルフィルムと
同様に、軽量性、柔軟性、艶消し性、描画性などを有し
ていると共に、従来のフィルムに比べ、薄くても隠蔽性
が高く、手切れ性がよいという効果がある。従って本発
明の空洞含有ポリエステルフィルムはハンディプリンタ
ー用紙として使用できる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルに無機粒子及び/または該
    ポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂を混合、押出し、
    少なくとも1軸に配向し、厚さが10μm以上40μm
    以下、光線透過率が30%以下、白色度が75以上であ
    ることを特徴とするハンディプリンター用ポリエステル
    系フィルム。
  2. 【請求項2】 ポリエステルに非相溶の熱可塑性樹脂を
    混合、溶融、押出し、少なくとも1軸に配向することに
    より内部に微細な空洞を多数含有し、見かけ比重が1.
    0以上1.3以下であることを特徴とする請求項1に記
    載のポリエステル系フィルム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017177677A (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 東洋紡株式会社 空洞含有熱収縮性ポリエステル系フィルム
CN113502036A (zh) * 2021-07-30 2021-10-15 苏州奥美材料科技有限公司 一种功能膜及其制备方法和用途
WO2024074692A1 (en) * 2022-10-07 2024-04-11 Innovia Films Limited Film

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